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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第115話☆
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■ 17
デバイスを待機状態に戻し、アインスは放心したように座椅子にへたり込んだ。
クロノはゆっくりとひざまずき、はやてに面を上げさせる。
はやてはおそるおそる、身体を起こし、クロノの顔を見た。
ミッドチルダという魔法の世界の人間。地球人ではない。それでも、表情は、同じ人間に見える。言葉を交わし、気持ちを伝えあうことができる。
そして、あのアインスという銀髪の女性は、突然動き出してはやてのいうことを聞かなくなった闇の書を、止めてくれた。
闇の書は、表紙が少し破けてしまったが、しだいに治っていくようだ。
「クロノ、さん……」
自分より少し年上に見える、異世界の少年。それでも、先ほどのシグナムたちの話しぶりから、それなりの力と身分を持っていると思われる。
そんな彼が、あたかも自分に傅くようなしぐさを見せている。
これはいったい何を意味しているのか、とはやては自分の感情に尋ねた。
クロノという名のこの少年は、はやてを、知っていた。おそらくは、闇の書とは次元世界においては広くその名が知られている存在である。強力な魔法を持ち、畏れられ、あるいは憧れられる対象である。
彼はきっと、自分よりも闇の書のことを知っている。はやては確かに闇の書の主ではあるが、はやてが自分自身で知っている闇の書のことは限りなく少ない。
ただ、シグナムたち守護騎士が、家族として共に八神家で暮らしているということだけだ。
彼らの本当の力、具えた能力、そして、デバイスというからにはその目的があるはずである。
それを知らないままでいることは、問題の先送りだ。
自分の命令さえ、この小さな古ぼけた本は無視した。それは、闇の書には何かどうしてもやり遂げなければならない目的があるということだ。
それはきっと、その目的はきっと、闇の書自身にしかわからないことだ。
本の姿では、言葉はしゃべれないし、身振り手振りもできない。
このクロノという少年と、アインスという女性は、自分にはない闇の書の真実を知る手段を持っているのだとはやては気づいた。
「──……闇の、書が……、……蒐集を──して、いたんですね」
「!!」
「……あ──っ」
おそるおそる、発したはやての言葉に、シグナムは思わず肩を震わせて声を上げかけ、シャマルは手で口元を押さえて絶句した。ザフィーラはじっと俯き、ヴィータは唇を噛んで涙を浮かべている。
当然だ。
守護騎士たちは、闇の書が起動した直後、はやてに自分たちを名乗り闇の書の目的を教えたとき、『リンカーコア蒐集をしない』という誓いを立てていたのだ。
蒐集は、それ自体は非破壊の作業だが、あらかじめ対象を制圧する必要があることから、魔導師に戦闘を仕掛け、倒す必要がある。この時に、結果として殺してしまうこともある。
そのために──といってもはやては、その時点ではそこまでリアルに状況を想像できていなかったが──はやては、自分の家族となりうる守護騎士たちが、他人との争いを生まないよう、蒐集をしないと約束させた。
しかし、蒐集をしなければ闇の書は魔力を自身で調達できないので動けず、システムを維持するために消費する魔力を、主であるはやてから吸い取っていくことになる。
通常の携行型デバイスと違い、闇の書はシステムの規模が非常に巨大であり、その魔力消費量は想像を絶する。
闇の書が消費する魔力は、主となった人間のリンカーコアに強い負担を強いる。はやては、魔力資質そのものは高レベルであったが、自身のリンカーコアの存在を知らず、その扱いを制御できなかった。
そのために、際限なくリンカーコアが稼働し続け、肉体が常に負荷に曝される状態であった。
「はやてちゃんっ……あの」
「黙れ、シャマル……」
シャマルを制し、シグナムははやての隣に膝をついた。
主の意向に、これ以上逆らえない。はやての思うようにする。
「話は、シグナム……いえ、守護騎士──から、聞きました……闇の書は、リンカーコアゆうのを集めて、とっても強い力をだす……って」
クロノははやての前に膝を折って座り、ゆっくりと腕を下ろした。
彼女が、闇の書の主、八神はやて。
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