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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第115話☆

138闇と時と本の旅人 ◆UKXyqFnokA:2013/01/04(金) 05:41:36 ID:4Jxy1px6
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 自室に戻った八神はやては、車椅子からベッドに乗り移り、座ったままため息をついてから、枕もとの時計を手にとって改めて現在時刻を確かめた。
 闇の書の起動と、突然の異世界人の訪問は、はやての意識をすっかり覚醒させていた。

 紙と革でできているはずの本が、自力で浮遊し移動し光を放つという現象。
 あらためて目にすると、現実離れした異常な光景である。
 ヴォルケンリッターたちも、出現した瞬間そのものははやては目撃していない。気づいたら目の前にいて、しかもすぐに気を失ったので、はっきりとは覚えていない。
 しかしよく考えてみれば、彼らは人工生命体である以上、通常の人間のように母親の胎内から生まれるのではなく、魔法の力で空間に最初から現在の姿を持って生成されるのである。
 どのような原理と技術でそれが可能なのだろうか。人体は、骨と肉でできている。カルシウムや、タンパク質、炭素や水素、窒素などが主成分のはずである。それらの元素はどこから調達するのか。
 それとも、見た目は人間でも違う材料からできているのか。
 魔法で、とはいうが、あらためて考えると、はやての頭ではとても想像しきれず気が遠くなってしまう。
 図書館で今度、生物学や物理学の本を探してみようか、とも連想した。

「次元世界……って、ゆうとったよね」

 うろ覚えだがヴォルケンリッターたちもそのようなことを言っていた気がする。
 確か、ベルカ、という名前だった。
 思えばいかにも外国人のような──少なくとも日本人には見えない──風体なのに、最初から言葉が通じた。それはともかくとして、あの銀髪の女性が言っていたミッドチルダという世界では、魔法があるということなのだろう。
 おそらくその世界に闇の書が出かけて行って、あの二人を連れてきたのだ。

 外はまだ暗い。時計の針は、午前3時45分を少し過ぎたあたりを指している。
 これから、もう一度床に就いたら、もしかしたら明日の朝は寝過ごしてしまうかもしれない。
 それ以前に、先ほどの出来事の驚きが大きすぎて、眠れそうにない。やけに目がさえてしまっている。

「なんやろ……あのひとのこと、初めて見たんやない気がする……?」

 そういえば名前を聞くのを忘れた。言葉が通じるかどうかも分からなかったし、おそらく向こうが配慮して日本語を使ってくれたが、こちらからいろいろ尋ねることはできなかった。
 あの少年は大丈夫だろうか、とはやては思案を巡らせる。
 ザフィーラとシグナムに、隣の空き部屋にベッドの用意をするように言って、はやてはヴィータを宥めながら2階に戻った。

 ドアをノックする音がして、はやては入ってええよ、と返事をした。

「はやてちゃん……」




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