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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第115話☆
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◇
「茶番は終わりか?」
底冷えする声で、クロノが問うた。
クロノの自室である。
密室にはふたり。
クロノと、シュテル。
なのはの格好をした、シュテルである。
いつもどおり。
なのはを演じてクロノへ声をかけたある時の事。
話があると、自室へと誘われた。
その時点で薄々シュテルには看破されている事に気づいたし、諦めもついていた。
「はい、終わりです」
「…いつからなのはと入れ替わって僕と接していた」
「事件が終わって、すぐにです」
テーブルを挟んで相対するシュテルは、なのはと同じ顔の能面じみた表情で受け答えをする。
しかしそれでもクロノには何故か分かってしまった。
シュテルは真剣だと。
「…理由は?」
「あなたを愛しています」
「…ふざけるな」
ふざけているわけではないと、十全に肌で感じながら言わずにはいれなかった。
「本心です」
「好かれる理由が無い」
「一目惚れというやつです」
「信じろと?」
「…伝わりませんか? 私の想い」
陰気も陽気も一切が焼失した、純心のみが凝る視線がクロノを射抜く。
なのはと同じ容姿で、まるで違うシュテル。
だというのに、こうして一直線に思いをぶつけてくる様はなのはを彷彿して止まない。
「もっと深くお話をしましょう」
静かにシュテルは口火を切った。
もう必要ないとばかりに、髪止めをはずし、二つくくりを解く。
「私はマテリアル。理を司ります。しかしただのプログラムではないと自負しています」
「……君にも心はある」
「そうです。故に高みを目指し、戦いに昂ぶる。勝利して満たされる。敗北して雪辱を晴らしたいと願いもする」
「恋もする、か」
「はい。誰かに惹かれもしましょう」
「……なぜ僕だ?」
鏡のようなシュテルの瞳にクロノが問いかける。
「あなたは闇の書を憎んでいる」
「……」
「あなたは八神はやてが生きている事を理不尽だと思いませんか?」
「……」
「ヴォルケンリッターが家族を持った事が不条理だと思いませんか?」
「……」
「未だ闇の書を引きずって現れた我々を破壊し尽したいと思いませんか?」
「……」
シュテルの問いかけのすべては、闇の書の災害を被った誰かであれば抱いて当然の思い。
当然すぎて、もはや自分の一部である問い。
ずっと自問している事だ。
それでもクロノは理を説いた。
「闇の書の暴威は、もう終わった。闇の書の闇を破壊して、リインフォースも短い命を終える。ヴォルケンリッターは罪を償う。そして……はやても被害者だ」
「そうやって、」
ふと儚げに悲しげにシュテルは微笑みをクロノへ傾けた。
「あなたは理に生きている。情に流される事なく。完璧です。…私は、そんなあなただから惹かれたのです」
「よせ」
「肉親を殺された憎悪は、理路整然と割り切れるものですか?」
「やめろ…」
「あなたが完璧であればあるほど、その怨念は計り知れない」
「口を閉じろ」
「理想の人間じみて振舞っているあなたほど、理を意の元においた人間を、私は知らない…」
「僕は、そんな人間じゃない」
言葉ひとつひとつに苦痛を伴う。
そんなクロノを見守るシュテルの眼差しはどこまでも憂い、そして優しい。
「八神はやてが生きている事を理不尽だと思う気持ちだってある。その思いが理不尽だと思いもする。グレアム提督の策もひとつの手だったと思う。もっと別の手段を模索すべきだったとも考える。父を殺された怒りもある。それをヴォルケンリッターたちに向けたいとも思う。誰にも向ける相手がいないとも知っている…! どうしようもないって、分かりきってしまっているから! 僕は指針を理にしたんだ!」
「指針を理にして、そう在る。できる事をすべき時にやってのける事が難しいと、あなたに教わりました」
「戯れるな!」
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