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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第114話☆
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悲しいかな防音性の高い司書長室の中での凶行は、この程度の声では外部に聞こえない。
転げまわる青年に、男はゆっくりと近づき、手にした凶器でしっかりと狙いを定めた。
それは銃だった。
もちろん、本局に入る際に受けたボディチェックに引っかからない、特殊な代物。
金属探知機に一切反応しない、完全非金属拳銃。
セラミックの弾頭をガスで射出するため、硝煙臭さえしない。
かつて某大国が特殊任務用にと開発した武器である。
もちろんだが一般市場には出回らず、もし許可なく所持していれば重罪が科せられるほどの危険物。
闇ルートでこれを入手するのに、男がその筋の者に支払った代金は相当な額になったのも頷ける。
そして弾もまた同じく、特殊極まるものだった。
「魔導師の体内に侵入すると、リンカーコアを不活性化させる特殊な反魔力金属だ、一発あたりで俺の給料一ヶ月分もするんだぜ? あまり使わせてくれるなよ」
静かに男が告げる説明に、痛みに悶えながら、ユーノは理解した。
反魔力金属、魔力を阻害する超希少なレアメタルだ。
これなど兵器に使用するには高価すぎて、とても流用などされない代物である。
ユーノの最大の間違いは、すぐさま魔法で彼を拘束しなかった事だ。
最初から障壁を張るか、バリアジャケットを構築していれば、弾は防げたろうに。
こうなってしまってはもう遅い。
彼は俎上の鯉であり、もはや抵抗の術はない。
受けた銃創から、じわじわと流血していき、体の末端から冷感が駆け巡る。
このまま放置すれば、いずれユーノは死ぬだろう。
いや、それよりも、向けられた昏い銃口からもう一発、心臓や脳天に喰らえば即座に死する。
かつてない程間近に死を感じ、ユーノは心底の恐懼を味わった。
「もう一度聞くぞ。譲ってくれないか、俺に、あの本を」
一言一言に力を込めて、問う。
目の前に突きつけられる銃口が、逆らえばどうなるかと如実に伝えていた。
「さあ、早くよこせ!!」
いよいよ感情の抑制の効かなくなった男は、倒れるユーノの上に跨って、青年の鼻先に銃を押し付けた。
滴る汗、荒い息遣い、震える銃口。
極度の緊張と興奮の中にある男が、いつ引き金を引いてもおかしくはない。
死ぬ。
自分の生命が絶たれる事を想像し、失禁してしまいそうな恐怖に身が縮む。
かつてない恐れを前に、ユーノは屈した。
「そこの、デスク……上から三段目の引き出しに」
視線を向ける。
デスクの三段目には、ダイヤル式錠の掛かった引き出しがある。
男は右手でユーノに銃を向けたまま、左手を錠前に伸ばした。
「番号は?」
「……996」
それが真実かブラフか。
一瞬戸惑い、だが男はすぐに決断し、番号を入力してみる。
微かな金属音がした。
鍵が解除された音。
堅固な状前は、入力された三桁の数字に従った。
一気に引き出しを開ける。
中には古びた本が数冊鎮座していた。
そのどれもが、無限書庫司書長たるユーノが保管する危険な書物である。
だが、男が欲しているのはその内のたった一冊。
迷わずそれを拾い上げた。
そして、彼は視線をユーノに向ける。
殺すべきだった。
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