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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第114話☆
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■ 8
顔なじみであるシスター・シャッハやクロノの友人であるヴェロッサも同席してのささやかな夕食会を済ませ、フェイトとアルフは客間に引っ込んだ。
クロノとアインスは、フェイトの免状発行に伴う事務処理の整理のため、カリムの執務室に再度赴いた。
教会で働くシスターたちも、クロノとアインスに丁寧に礼をし、応対している。
彼女たちも、まさか自分たちの敬愛する予見の騎士が、無垢な少年をつまみ食いしているなど思いもよらないことだろう。
やや緊張しながら、アインスに背中を押されてクロノはカリムの部屋のドアをくぐった。
「──クロノ・ハラオウン、参りました」
カリムは伝統的な羽ペンで、管理局およびミッドチルダ政府あての書簡をしたためている。
フェイトがミッドチルダへ住民登録をするための後見人としてギル・グレアムを、身元保証人としてカリム・グラシアの名前を署名する。
クラナガンへ戻ったら、仮住まいを置く予定の区の区役所へ登録手続きを行う。
さしあたって、フェイトとアルフは二人で部屋を取って暮らすことになる。それでも、ハラオウン家邸宅から歩いてすぐいける程度の距離にする予定だ。
9歳という年齢以上に大人びて、黙々と手続きをこなすフェイトの姿はクロノにはある意味衝撃的ではあった。
自分はともかく、普通の子供ならまだ遊びたい盛りだろうに、欲求をほとんど表に出さず、聞き分けのいい、社会的な思考を備えている。
生きていくために何をすればいいか、を、素直に理解し受け入れようとしている。
自分が9歳の頃でも、あそこまでおとなしくはしていなかったと思う、とクロノは回想した。
彼女を、放ってはおけない。
おそらく、乳児から幼児への感情形成の時点から、変わってしまっている。一般的な家庭であれば、赤ん坊が泣けば親や家族が世話をしてくれる。赤ん坊は、泣くこと以外に周囲への意思表現ができない。
しかし、フェイトはおそらくプレシアと使い魔リニスとの生活の中で、そういった人間が周囲にいないことを学習し、感情の発露が少ないように精神が形成されていった。
矯正、と表現してよいものか──ミッドチルダの一般社会における普通が、フェイトにとっては普通ではない。
フェイトに限らず、一般社会から隔絶されて生きた子供が、その後を生きていくというのは困難なことである。社会生活に馴染めず、結局は施設に逆戻りしたり、あるいは早死にしたり。
そういった事情もあり、里親となる人間が養子をとりやすいよう制度が組まれている。
フェイトの場合は、グレアムとは旧知の関係であるリンディが、いずれ養母となることを考えている。
クロノが持参したフェイトの経歴調書を机にしまい、カリムは羽ペンをていねいに筆立てにしまった。
「──フェイトさんのことは、とても哀しく痛ましい出来事だったと思うわ。ハラオウン提督も、フェイトさんのことを本当に心配してくれていると思います」
「はい」
もし、リンディがフェイトを養子として引き取るならクロノの義妹になるということだ。
もちろんまだフェイト本人には伝えていないし、リンディもはっきりクロノに話してはいないが、いずれそうするつもりだということはわかる。
「だから──ね?クロノ君、貴方にも、担当執務官としてだけでなく、一人の男として、フェイトさんを支えてほしいと思うの」
「僕が、その……男、として、ですか?」
「一方的に保護されるだけじゃあなくて、対等な関係がほしい──フェイトさんはその方が大切だと思っているところがあるみたい。
なりは子供だけど、でも心はずっと先を行っている。だから、親としての保護者だけじゃなく、そう──恋人が、必要なのよ」
思わず吹き出しこそしなかったが、息が詰まりそうになってクロノは顔がひきつるのを堪えた。
まさか面と向かって、恋人という単語を出されるとは思わなかった。それもアインスの前で。
エイミィがいなかっただけまだよかったかもしれない、彼女に聞かれていれば何を思われたか。
そういえば、アインスも、フェイトはきっとクロノに惚れると言っていた。その予想が当たっていたのか、それとも、カリムも同じことを考えたのか、ともかく、二人とも、フェイトがクロノに近づこうとしているのを感じ取ったということだ。
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