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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第114話☆
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ここは聖王教会本部の奥の部屋でもない、普通の住宅街で、ごく普通の一般市民が暮らしている土地である。
そんな場所で、こんな背徳的なことを。
執務官のスキャンダルともなればクラナガンのマスコミはいっせいに食いついてくるだろう。
社会生活を送る上では自制しなければならないことはたくさんある。
そっとフェイトの頭を撫で、宥めるように胸に身体を預けさせる。
社会の中で生きていくにはそれぞれの身分があり、それは節度を求められる。今のフェイトは、慎むことが必要である。
あの聖王教会での夜は、ひとときの夢だった。夢は、いつか覚めて、現実に戻らなくてはいけない。
今、クロノとフェイトは現実に戻ってきた。
今は、それぞれのやるべきことをやろう。
「会いにくる。僕も、提督も──母さんも、君のことはとても大切に思っている」
「──ありがとうございます」
フェイトの、華奢でしかし確かな芯の強さを感じさせる吐息の熱さを胸に受ける。
一夜の経験をしたことで、目くるめくセックスを経験したことで、彼女の中の何かは、確かに成長できたのかもしれない。
それは世間一般的にはふしだらかもしれなくても、迷いや心の闇を取り除いてくれるのなら、それはそれでよしとすべきである──カリムがあの催しを持ちかけたのは、そこまで考えてのことだったのだろうか。
せめてリンディを、自分の母親を、フェイトの起こした事件を検挙した管理局員としてではなく、少女を助けようとする大人の女性として呼んであげよう。
それが自分にできる、フェイトへの想いの表現だ。
ささやかな感謝の気持ちを抱き、クロノは笑顔でフェイトと別れ、本局に戻る便に乗ることができた。
時空管理局本局に戻ったクロノは、コロニー内部の居住区画にあるカフェで待ち合わせをしていた。
次元航行艦隊提督、ギル・グレアムとの再会である。
先日の機動一課隊舎内での事故の処理がひと段落し、グレアムは正式に、闇の書追跡作戦にクロノを招聘することを決めた。
新暦65年、6月21日。
先んじて第97管理外世界に赴いていた、グレアムの使い魔であるリーゼアリア・リーゼロッテの二人により、闇の書が間違いなく起動したことが確かめられた。
今のところ、闇の書の放つ魔力はなりを潜めているが、いずれ遠からず何らかの動きを見せるはずである。
そのために、グレアム率いる機動一課では、過去の事件の資料を集め、闇の書が今後起こすであろう行動の予測を立てていた。
「リンカーコア蒐集……ですか?」
テーブルに4人で相席になり、クロノは向かい合ったグレアムに聞き返した。
グレアムの隣にはアリアが、クロノの隣にはロッテが座っている。
ロッテはクロノに身体を寄せて座り、テーブルの下で太ももが触れ合っている。
さすがに若干の意識はしてしまうが、冷静に考えれば、アインスの肉感に比べればロッテなら今のクロノには十分落ち着いて対処できる。
ロッテの手を握ってやりながら、話を続ける。
「闇の書──“夜天の魔導書”と、かつては呼ばれていたこのロストロギアは、もともとは古代ベルカ時代の、本型デバイスのひとつに過ぎなったのだ。
それが、魔導師から魔導師へと受け継がれていく中で、次第にいくつもの機能を追加され、やがて人間の手に負えないほど肥大化していった。
過去の文献などから、旧暦の時代、少なくとも1500年以上前には、既に闇の書が存在していたと考えられている」
「デバイス、なんですか……しかし、その能力は、従来のミッドチルダ式やベルカ式の魔法では考えられないものが数多くあります。
それに1500年以上もの昔では、その当時に使われていたデバイスの構造や性能も現代のものとは比較にならないはずですが」
「うむ。闇の書がロストロギアと呼ばれるのは、古代ベルカ当事の技術では到底なしえないような異様な能力、すなわち蒐集能力を持っていることにその理由の一つがある。
われわれが使うストレージデバイスは、魔法を記録するには術式プログラムを専用のエディタを使って書き起こし、人間の手作業、もしくは思考スキャンによって入力するのが一般的だ。
しかし闇の書は、われわれが魔法を使うための器官、リンカーコアから、直接、それも強制的に、魔力と術式を吸い取ることができるのだ。
これは対象となった人間に強い負荷をかける。当然、これをやられる人間は抵抗するだろうから、そのために闇の書はあらかじめ蒐集対象を攻撃し、弱らせてから蒐集を行う」
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