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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第114話☆

134遺書 ◆bcRa4HtgDU:2012/07/13(金) 21:09:00 ID:DDpQm4gY




「なのはさんは、諦めたんですよ! 最期に、不屈じゃなくなったんです!」


戦闘機人モードになるのではないかと心配になるほど激昂するスバルを前に
はやてはどうしてこうなったんだろうと頭の一部冷静な部分で思い出していた。


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ヴァイスからの事情聴取の後、すぐにティアナに事実関係を問いただそうかと思ったはやてではあるが
なのはの死に最も衝撃を受けたであろう一人にティアナがついている以上、顔を出すのははばかられた。

フェイトである。

知らせを受けて以降、完全に塞ぎこんでしまっているらしい。無理もない。
テロリストを追跡中、二手に分かれた相手に対処するため、たまたま現場に付近に居合わせ、協力を申し出た非番中のなのはとティアナに
戦力の少ない一方を任せたのは他ならぬ彼女自身なのだから。もちろん、なのはには絶対に無理をしないようにしつこいくらいに言い含め、
ティアナがしっかり手綱を握っておくと確約した上でのことだった。彼女に落ち度はなかったとは言えないが誰もフェイトを責めはしないだろう。

エリオとキャロも休暇を申請して部屋に閉じこもっているフェイトに付き添っているという。
キャロ曰く、完全に無気力というわけではないものの、突発的に謝罪の言葉を延々と吐露し続けるようになるそうだ。
一緒にいた、“なのはを止められなかった、救えなかったティアナ”にあたるということは皆無だという。ただひたすらに自分を責め続けるのだろいう。
曰く、なのはがどんなに言っても無理をするのは分かりきっていたことなのに。曰く、自分がそちらに行っていれば。曰く、ただただ、ごめんなさい。

あれほど仲の良かった二人だ。フェイトにとっては自分を闇から引き上げてくれた救世主の一人、中でも殊更大きい存在のはずである。
はやてはどこかあの二人の間には入れない、そんな引け目を感じていた。
その距離感が、上司からのキャリア試験を受けるかという提案に頷いた理由だったのかもしれない。
ただただ流されるがままに六課長におさまったのもそうかもしれない。自然とはやては二人と微妙な距離感をもってつきあっていた。

思えば八神はやてという人間は常に受身である。グレアム提督の保護(と言えるかは怪しいが)下において、
聖王教会と時空管理局の庇護の下において、六課設立において。
自分の意思というものは常にはやてにとって誰かの後押し、理由付けがあってのことであった。そして海上警備司令への就任も、そしてここへも。

もしかすると、こうして彼女がロウラン提督の催促を無視してまで、
近くて遠かった親友の死を、執拗に知ろうとするのはその反動であるのかもしれない。
よく言えば、今までの自分から脱却して、親友の為に。悪く言えば、親友の死をダシに今までの自分に反抗を。


「はやてちゃん」

「なんや、リイン」


何を言わず、ただリインは見つめた。はやては、じっと見返した。




先に目を逸らしたのははやてだった。自嘲するように、表情の無い笑みを浮かべる。


「きっと両方や。人間なんてそんなものやで、リイン。建前と本音は表裏一体なんや。どちらかだけなんてことはないんよ」




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