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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第114話☆

113朽ち果てた車椅子 ◆UKXyqFnokA:2012/07/12(木) 20:43:53 ID:jjotPRYQ
■ 朽ち果てた車椅子





 聖祥学園中等部に通う少女、高町なのは。
 今、彼女のクラスでは、ある怪談がささやかれていた。

 ──図書館の隣の池には、女の子の幽霊が出る。

 なのはの友人、アリサ・バニングスは、さっそく噂の真偽を確かめるべく、友人であるなのはと、月村すずかを誘っていた。

「夜に行くの?うちは、門限が厳しいから……」

 すずかが渋ったので、とりあえず下見ということで明るいうち、学校から帰る途中で問題の池に寄ってみることにした。



 海鳴市のやや郊外にある風芽丘図書館のそばには、池を囲むように遊歩道が整備され、近くの大学の運動部がランニングのコースに使ったりしている。
 アリサはあらかじめインターネットでも下調べをしていたようで、メモ用紙とプリントアウトした地図サイトの画像を手に、問題の場所を探していく。

 やがて、それらしき場所が見つかり、アリサは手元の画像と実際の景色を見比べて確かめる。

「あった、ここよここ、背景の図書館の位置も合ってる」

「ほんとうなの?」

 なのはもアリサの肩越しに、印刷された画像をのぞきこむ。
 建物名や道路の名前、ランドマークなどがオーバーレイで投影され、複数の写真をつなぎ合わせているので実際の見た目とはやや異なるが、それでも立ち木の位置などを見ると確かに一致する。

「近くに車椅子があるんだって」

「車椅子?」

「うん。いつからあるのかわからないけど、この池で死んだ女の子のものなんじゃないかっていわれてるの。
実際、なぜかずうっと片付けられないまま、放置されてるんだって」

「なんか、怖いね」

「でしょう!?わくわくしてくるじゃない」

「アリサちゃんったら、ひとごとだと思って……」

 この手の話になると、オカルト好きの地が出るのかアリサは目を輝かせる。
 なのははやや気まずく、もし本当にこの池でなにかの事故か事件があり、少女が死んだのだとしたら居た堪れない気分になる。
 しかし、だとしても自分たちには知る由もないことだった。
 その事件がいつ起きたのかもわからないし、もしかしたら車椅子は単にごみとして捨てられただけかもしれない。それにもっともらしく架空の事件がでっちあげられたのかもしれない。



 やがてなのはたちの目の前に、ついにそれが姿を現した。
 図書館が面している通りから、池を一周する遊歩道を左回りで歩いてきたので、左手側が池、この場所では、右手側は小さな雑木林と茂みになっている。
 アリサが持ってきた地図サイトの画像では、サービス提供元の会社が撮影をした時期がおよそ3年前だったので、画像と比べると現在は茂みの高さがより増している。

 それでも、その車椅子は──、少なくとも3年前とまったく同じ状態で、やや傾いで、路傍に佇んでいた。




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