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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第113話☆
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世界最高の奇跡
「あ、ユーノくん」
仕事で残業した帰り際、出会ったのは十年来の知り合いだった。
一瞬、どんな顔をしていいか分からず、ユーノは曖昧な微笑を浮かべる。
「なのはも今帰り?」
「うん」
「そう」
自分で言いながら、ユーノはもっと気の利いた事が出ないのかと自嘲したくなった。
それきり会話は止まり、どちらが話題を振るでもなく沈黙が続く。
脚だけは動き、なんとなく一緒に帰る。
ぎこちない距離感。
漫然と。
いつしかなのはの家路とユーノの家路が分かれる場所へと到達した。
「じゃあ、さよなら」
「うん」
そんな味気ない言葉を交わして、ユーノはなのはの後姿を見送った。
そうして、幾度目か分からない後悔を噛み締めた。
「はぁ……なんでもっと、話したりできないかな……こんなんだから僕は……」
――いつまでも経っても告白できない。
そう、心の中で呟いた。
□
なのはと別れてから、ユーノは自分の不甲斐なさに鬱々とした気分を味わいながら漫然と夜の街を歩いた。
まるで月の光に魅せられた夢遊病者のように。
いざなわれたかのように、彼がたどり着いたのは一軒のバーだった。
軒先にこじきめいた風体の、ボロボロのハンチング帽とコートを着た男がいた。
男は帽子のつばの下に隠れた目でユーノを認めると、ちょいちょいと手招きする。
「どうぞ、いらっしゃい」
「え? あ、あの……」
「いいからいいから、おはいんなさい」
当惑するユーノだったが、強引に薦める男の雰囲気に負けて、店の戸を潜る。
そこには彼の想像もできない光景が広がっていた。
「あ、また来た」
「今度はどんな僕だ?」
「やあ」
「驚いてるな」
「こんばんは」
「いらっしゃい」
「そこ座ったら」
「まったまった、まだ現状を理解できてないよ」
幾つもの声が、同じ声が響く。
幾つもの顔が、同じ顔がこちらを見た。
見慣れた目鼻立ち、毎日鏡の前で見ているもの。
それはユーノだ、ユーノ自身だ。
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