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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第113話☆
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怒っているのかと思えば、さにあらず。完璧な笑顔でこちらを見つめていた。その笑顔はまるで聖母のよう。だれもが、安心してその胸に飛び込んでいくだろう。
その背中から漂う、どす黒いオーラさえ無ければ。
「シャッハ?」
自分の名前が呼ばれた瞬間、恐怖で体が震えてしまう。
極限状態の中どうしたら自分が生き残れるのか、フル回転でシュミレートをし続ける。
「このようなことはやめなさいって、そう言っておいたわよね?」
顔を上げちゃダメだ。顔を上げちゃダメだ。顔を上げちゃダメだ!
頭の中で、千の言い訳が生み出され―
―そのことごとくが、たった一言で一蹴される。
(「そう、それじゃあ懲罰房へ行きましょうか」)
もうだめだと、頭の回転も止まり、ただこの天災が過ぎ去るように伏していた。
「はあ、困った人ね。司令の執り成しもあったことですから、懲罰房行きは勘弁しておきます」
奇跡が起こった。
耳に届いた言葉が信じられない。果たして、そこにいる人物は本物のカリム・グラシアなのだろうか?
顔を上げ、感謝と、畏敬に満ちた眼差しを己の上司に差し向ける。
そして、そのまま私の顔は固まってしまった。
さっきはチラリと見ただけだったので、気がつかなかったが、カリムさんの後ろには、二人の女性が並んでいた。
小説の中では、ヴィヴィオに殺された設定にしていた、養母たちが…。
「ただ、この方たちが、あなたに摸擬戦を手伝って欲しいらしいの。今日のあなたは、有給休暇だし、いつまでも付き合ってあげても大丈夫よね」
笑うしかなかった。
向こうも、ただただ笑顔だった。
襟首をつかまれて引きづられていく途中、そう言えば、遺書を書いてなかったと漠然と考えていた。
「大丈夫でしょうか、シャッハさん」
心配そうに、オッドアイの少女が問いかけてくる。
「んー、まあ、非殺傷設定にはするやろし、間違いはないんやない」
もっとも、さっき見た、二人の表情から察するに、危険な予感はあるが。
とりあえず、カリムも傍にいるだろうし、死ぬことはないと思う。
「それにしても、ひどいなあ」
ヴィヴィオが、小説を手にとって頬を膨らませる。
当然だろう。なにせこの作品の中では、自分が正気を失った殺人鬼なのだ。
と言うか、これを平然と手にとっていることが、驚くべき事態である。
「ザフィーラ殺しちゃったら、子供作れないのに」
「………」
(拉致監禁までならありなんか?)
ヴィヴィオの何気ない一言に、そこはかとない不安を感じる。
(ヴィヴィオとは二人きりにならんように言うとこ)
ザフィーラに忠告することを決めて、ふと空を仰ぎ見る。
雲ひとつ無い青空に、燦燦と太陽が輝いていた。
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