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新アルテミスアナザーストーリー by BiBi

561BiBi ◆8cBPUextJk:2020/06/18(木) 19:53:31
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 駄部首相は、森掛病院からFAXで、降伏文書調印の件を日本政府に伝えた。すぐさま、官房長官から電話がかかってきた。

「何の用だ! 俺は忙しいんだ」
駄部首相はスマホに向かって怒鳴り散らした。

「総理。FAXを拝見しました。降伏文書に調印って、一体どういう事ですか?」
いつもは駄部首相の機嫌を損ねないように話す官房長官も、今回ばかりは、声に困惑と怒気がこもっている。

「う、宇宙人は日本人を皆殺しにする計画を立てていたのだ。俺が交渉し、その計画を中止させたのだ。民捨党だったら、日本人は全員死んでいたに決まってる」

「総理……。こればかりは、『民捨党が』をいくら連呼しても、国民は納得しません。とりあえず降伏文書はどんな内容だったのですか?」

「ま、まぁ普通だ」
駄部首相はバツが悪そうに語尾を濁らせた。降伏文書はネオガイア星の文字で書かれていて、駄部首相はその内容を全く確認せずにサインしたのだが、そんな事は言えない。

「普通って……。とりあえず宇宙人対策本部を設置しますので、ご出席ください」
官房長官は怒りを抑えた声でそう告げると、電話を切った。

 その夜、宇宙人対策本部が設置された。しかし駄部首相は、フグの試食会、閣僚のお誕生日会、大学の同窓会、友人の漫画家との会食といった重要な政務が詰まっていて、対策本部に出席する事はできなかった。


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