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新アルテミスアナザーストーリー by BiBi

559BiBi ◆8cBPUextJk:2020/06/18(木) 19:39:40
ab.0456.invasion.028

「日本はネオガイア星人に全面降伏しろ。我々と地球人の兵力では、全く比較にならない。このままアメリカに協力しても、他の地球人と一緒に滅びるだけだぞ?」

「そ、そんな……。私はどうなります?」

「フフン。日本国民ではなく、真っ先に自分の心配をしたか。やはり見込んだ通りの男だ。日本が降伏すれば、国民は奴隷になるが、オマエの身の安全は保証してやろう」

「降伏します!」
駄部首相が返答するのに1秒と要しなかった。

「お、おい!? そんなにあっさりと降伏を決めていいのか? 日本国民は奴隷になるのだぞ?」
これには、さすがのピタゴラス博士も驚かされた。まさか一国の首脳が、自分の安全の為にあっさり降伏するとは、予想していなかったのだ。

「はい。私が総理大臣に選ばれたという事は、民意を得たという事です。総理大臣は立法府の長です。だから私の決定は、日本国民の総意なのです!」

「アハハハ、この地球人、実に面白い」
ピタゴラス博士は大笑いした。

「お、面白いですか? お褒めにあずかり光栄です。」

「では降伏文書に調印してもらおう」
ピタゴラス博士が、書類のような物を取り出した。

「降伏文書ですか!? えぇと、それには必要な手続きが……」
駄部首相は呆けた顔で天井を見上げた。しかし立法府と行政府の違いも分からない男が、降伏文書調印の手順を知っているわけがない。

「そんな手続きなどどうでもいい。今すぐ調印しろ」

「あのぉ、調印の前に……、さっきお約束した件は?」
駄部首相が卑屈な愛想笑いを浮かべながら、上目遣いにピタゴラス博士を見上げる。

「約束? 日本が降伏したら、オマエの安全は保障するというアレか? 心配するな。約束は守ってやる」

「ありがとうございます、ネオガイア星人様。ありがとうございます。ありがとうございます」
先程まで宇宙戦艦を建造して宇宙人を撃退すると息巻いていた男は、安堵の表情を浮かべながら、銀バエのように両手をすり合わせて感謝した。

駄部首相は、ピタゴラス博士から恭しく書類を受け取った。全てネオガイア星の文字で書かれていて内容は分からなかったが、自身の身の安全さえ約束されれば、他の事はどうでも良かった。

「では調印させていただきます」

1999年8月14日、日本はネオガイア星人に降伏した。


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