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生体実験、下書き(2)

4作者:2011/04/16(土) 23:38:19
2007年2月1日。クーデター勃発から1週間後。ヘンリー・スタンフォードの大統領就任式が行われた。彼が、国王ではなく大統領という肩書を選んだのは、民主主義革命という体裁を取るためだった。それにより、形式上マーガレットの女王と言う肩書は残ることになった。
「ヘンリー・スタンフォード、ルミナス共和国の第一代大統領に就任することを、ここに誓います!」
王宮前の大広場に集まった数万の群衆に向けて、バルコニーからスタンフォード大統領が手を振った。傍らには、全裸で犬の首輪に繋がれたマーガレット7世が土下座をしている。国民は、その光景を目の当たりにし、先週まで、彼らの頭上に君臨していた、大航海時代より続く王権が、完全に、地に落ちたことを思い知らされたのだった。
「スタンフォード大統領、万歳!ルミナス共和国、万歳!」
群衆の歓呼が、響き渡り、王宮を揺るがすかのようだった。元々、少なからずの政府への不満が下層階級にはあり、それを新政権側のプロパンガンダでこの一週間煽りたてていたのだった。民衆とは、愚かなもので、テレビや新聞、雑誌で、前政権の失態を大げさに取り上げられると、ほとんど疑う事無く、鵜呑みにしてしまうのだった。
「フフフ、あなたの国民が、私にシュプレヒコールを送っていますよ」
スタンフォード大統領が、マーガレットの裸の背中に、片足を乗せ、靴底で、グイグイと背骨の辺りを、踏みにじりながら囁いた。
「全ての国民が、賛同しているわけではありません」
マーガレットは、キッと睨みあげ、気丈に言い放った。
「どうですかね。今は、21世紀。もう、王室なんてものは、時代遅れなのです」
「王室は、神聖な権威です。王家のものには、神から与えられた使命がある。それを阻もうとする者には、いずれ天罰が下るでしょう」
いかに凌辱されようとも、マーガレットが、引き下がる事はなかった。
(7000年紀の終わり、星々の彼方より、災いよ来たれ。人々は過去に従い、世は、地獄と化す。その時、汝、時の流れに逆らいたまふべし・・・今がその時だわ。あたしは、負けてはいけない・・・)
凌辱されて、くじけそうになった時、何度もマーガレットは、王家に伝わる、その予言を心の中で反芻した。今や、その4行詩は、全てを奪われたマーガレットの心の支えになっていた。
「アトランティスの超科学に、宇宙人が飛来する時代です。今に、世界中で王室は、トランプのキングと、日本の天皇だけに、なるでしょうよ」
スタンフォードは、嘲笑った。


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