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没ネタ投下スレ

20勇者の誇り/怪物の保身/悪党の美学:2008/07/28(月) 20:35:24 ID:s.1uCwig0
ひょいと足元に落ちていたシノハラのデイバックを拾う。
シノハラと同じほど痛みを感じているはずなのにあたしの動きは軽快だ。
何故ならこんな痛みは慣れっこだから。
あたし、いや、ゴールドは15年前人間に生み出された人造の生命体だ。
『ペラへブン』というお金こそが絶対とされる金の亡者の溜まり場。
そのペラへブンが新商品として目を着けたのが『究極の兵士』。
遺伝子をいじくって、反射神経、耐久力に優れた知的生命体を作る褒められた事ではない研究だ。
でも、ほとんどの実験体は失敗に終わった。
何故だか実験体はみんな凶暴で攻撃的な制御の出来ない性格になったのだ。
その時は誰も原因がわからずに、そのうち細胞が暴走して姿まで怪物に成り果てて処分される。
仕方がないから薬を投与すれば、知性がまったくなかったり、戦闘力が人間並みになってしまったりした。
研究員が頭を抱えた結果、生み出されたのが試作402号、ゴールドだ。
ゴールドに行った試みは画期的なものだった。
それは、あたし、シルバーという完成された精神で肉体をコントロールするというものだ。
……実験は成功した。
あたしが寄生してみてわかったけど、実験体が暴力的になってしまったのは痛みが原因だった。
ゴールドの身体では骨も肉も常に別のものに変化しようとして細胞が代謝している。
おまけに神経は敏感すぎて空気の動きにすら痛みを感じてしまう。
そんな激しい痛みに生まれたばかりの幼い精神が耐えられるわけがなかった。
つまりは生まれながらに痛風を患っているのだ。
目に付く全てを壊したいと思っても全く不思議ではない。
それを考えればある程度は我慢できる。……ある程度は、だが。
だから、興奮する事、楽しい事は大好きなのだ。
痛みを忘れられる、もちろんそれを抜きにしても好きなのだが。

ホールにはあのオーブールの忍者もいた、クローンかオリジナルかはわからないが。
そして、シノハラのような手強い敵も大勢いるだろう。
我慢しているこの痛みを忘れられるぐらいには興奮できそうだ。
果てさて、どれだけ楽しみな敵がいることやら。
勇者を、忍者を、どれだけ殺せるだろうか。

ああ、楽しみだ。本当に、本当に楽しみだ。


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