没ネタ投下スレ

17：勇者の誇り／怪物の保身／悪党の美学：2008/07/28(月) 20:33:21 ID:s.1uCwig0: 　　◇　　◆　　◇　　◆

『シルバー、大丈夫？』
「平気平気。何だかんだで飛ばされる前に車の来た方向と逆の方向に飛んだし受身も取ったし」

あたしはゴミの山から顔を出して頭の中で喋りかけてくるゴールドに強がるように声を張り上げて返事をする。
しかし、ミスをした。
いつもよりいくらか強い痛みといつものの動きが出来ない体。
恐らく弄られたのだろう、心臓に剣を刺されたときは本当にドキドキした。

しかし油断したなあ、ちょっとシノハラって言う男との戦いが楽しかったからはしゃぎすぎちゃった。
あんなので死んだら笑い話にもならない、今度はもうちょっと気をつけよう。
しかし、痛い。痛みが全く治まらない。
先ほどはあの戦闘でこの痛みを忘れる事が出来たが落ち着くと直ぐに痛みが走る。
体も重いし踏んだり蹴ったりだ。こんなことになったのも全て連邦の所為だ。
いや、ほとんどは自業自得なのだが、そう思わないとやってられない。

突然、殺し合いをしろといわれて飛ばされた先がゴミの山の直ぐ傍。
カメダが何を期待してあたしらを呼んだのかわからない。
純粋にあたしらに恨みがあって呼んだのか、それとも全く理由も無く何も考えずに呼ばれたのか。
あの偉そうに演説を打っていた姿を見る限りどちらもありそうなのが面倒なところだ。
妙な格好の男が巨大なパワードスーツに負けた時も、まだ小さな少年が殺された時も、あたしは全く動揺しなかった。

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