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【習作】1レスSS集積所【超短編】

1名無しさん:2015/11/21(土) 00:23:52 ID:gr26XeI60
「SS書けたけどツイノベには長いし、1000文字には満たない…」
「投稿所の新着に載せる/自分の作品ページに1作置くほどでもない…、でも日の目を当てたい!」
「初作で躓いて変なイメージついたり、叩かれたくない…」
「まずは匿名でいいから反応を見てみたい…」

 そんな初心者や超短編作家の皆様! この度、談話室に『1レスSS集積所』を作成しました!
 初心者作家の叩き台から、本館作家の息抜きネタSS、そしてその感想など、様々なレスを投じてください。
 魔物娘さんたちといちゃエロちゅっちゅしたりほのぼのするSSをお待ちしております。

 【このスレのルール】
・SSの内容に関するルールは本館と同じとします。
・作品とその感想は1レスでまとめてください。特にこのスレでの連載は禁止します。
・基本的にここで作品を投稿しても匿名になります。匿名ゆえのトラブルのリスクは投稿前によく考えてください。HN・トリ付けは自己責任で。
・ほんわかレス推奨です!


他にも色々なスレがあります。目的に適したスレをご利用ください。

※魔物娘図鑑と関係ない話題でもOKです。
雑談スレ12:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/11485/1446028423/

※新刊同人誌の話題は解禁されるまでネタバレスレでお願いします。
ネタバレスレ:ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11485/1294842422

※エロ魔物娘図鑑やSSに関する考察・妄想・ネタ話などはこちらへ。
エロ魔物娘図鑑スレ10:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/11485/1441958563/

※魔物娘の生態や世界情勢など、図鑑世界にまつわる考察はこちらへ。
魔物娘図鑑世界考察スレ6:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/11485/1411941292/

※SS作者さん特有のピンポイント過ぎて微妙な質問・相談などはこちらへ。
SS書き手で雑談しましょ 8:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/11485/1445590184/

2:2015/11/21(土) 00:24:31 ID:gr26XeI60
【作品の一例】
幼馴染の体にサキュバスの角と翼が生えた。
ある日、勇者として旅立ったはずの幼馴染が突如として私の家を訪れた。
もう数年は交わさなかった、他愛もないやり取り。それは私の心を躍らせた。
彼女は勇者としての冒険譚を紡いでくれた、辛く、寂しい旅路であったこと。
そしてその結びに私に告げた。自分はそうして、魔物に敗北したのだと。
彼女はそうして小ぶりな角、透き通る尾、翼を生やし、情欲に身を濡らして、淫魔としての姿に身をやつした。
私を救ってくれ、そう彼女は言った。
それはもしかしたら、この手で穢れてしまった魂を解放してくれということだったのだろうか。
その時の私はそれを思うことなどできなかった。悪魔の赤い瞳に魅入られた私は、紫の体毛の生えた肢体に吸い込まれるように抱かれた。
幼いころ想像もできなかった、たわわに実った果実を貪り、私は彼女の泉へと迎え入れられた。
そうして三日三晩の交わりの末、私は魔界へと連れ去られた。
ふと、思う。あの時の言葉は、私を人間として逝かせてほしいということだったのではないかと。
だが、ならばこれでよかったのだ。こんなに幸せそうに腰を振る、彼女を見て、思う。
そうして今は立派になった角と翼を撫でながら、すでに人ならざる私たちは、その思考を深く、深く堕としていくのだった。


こんな感じで、短くまとまるお話お待ちしてます!

33:2015/11/22(日) 22:11:02 ID:Axh1LfnA0
小さな頃、友達がいた。
その子はいつも走りまわっている元気な女の子で、じっとしている時も細く長い尻尾が代わりに暴れまわるくらいだった。
丸くて大きな耳は僕の足音を、村を出るときからずっと聞こえるらしい。
友達は、一緒に遊んでることは内緒だよ、と言った。
僕はその約束を守って、ずっと内緒にしていた。

ある日、友達は遠くに出かけると言った。
悲しそうに笑って。
最後に、うそつき、と言って去っていった。
その日の夜、父さんと母さんが僕を教会に連れて行った。
魔物の呪いを解くんだと言って。
神父様は延々と、魔物は恐ろしいものだと言い続けた。
僕にはいかめしい顔をした神父様のほうが恐ろしく思えた。

大人になって、僕は森の中で友達と再会した。
友達は驚いて逃げようとした。
でも、怪我をしていたみたいですぐに倒れた。
近づく僕に警戒する友達に手を差し出して、僕はこう言った。

「また一緒に遊ぼう。大人には内緒で」

友達は瞬きをした後、泣きながらうなずいた。
相変わらず元気な友達の尻尾は、やっぱり落ち着きなく暴れていた。

4名無しさん:2015/11/23(月) 00:27:37 ID:lhPK7Qc20
あぁ、これは良いスレだぁ(恍惚

5名無しさん:2015/11/23(月) 04:24:26 ID:vbjS/HOk0
最初の例からしてあれだけど……
書き込まれていない短いだけの文章と、目的以外を削ぎ落とした先鋭的に短くまとめた文章とは
違うよね。短編ってのは単に短いだけの寸足らずな文章と違うで。

俺ならもっと削ぎ落とすけれど、問題は文章が目的とするかだよな。
>>2と言い、>>3と言い、これらの主題はなんだろな。

単に情景だけを何となく描写しただけってのは文字数の無駄でしかないし、投稿所とかで評価さ
れていない作品の一つの典型なんじゃないの。それが長くても短くても余り関係ない。

6名無しさん:2015/11/23(月) 04:50:50 ID:VktEOvds0
 われわれは何を間違えたのですか。

 あなたさまの賜られました御ことばのままに、われわれは生まれ、暮らしてきました。
 われわれは、すべての隣人を愛し、無私と清貧と敬虔に努め、慎ましやかに日々を送り、主神さまの御統べになられる世界とひとびとのあるべき正しさのための祈りに、この身を捧げて暮らしてきました。
 すべての祈れるひとのため、そしてすべての祈れぬひとびとの分までをわれわれが祈り、主神さまの愛される世界を愛し、主神さまの御救いを信じることを誓い、もって主神さまの御手が、あまねくすべてのひとびとを御守りくださいますようにと願って。
 われわれの祈りが、この世界を支える一助となっているのだと信じて。

 朝も夜も、晴れの日も、雨の日も、風の日も。
 大雨が村を洗い流した日も。蝗が空を埋めて畑も森も不毛の土地に変えてしまった季節も。地が揺れ城が崩れ国が瓦礫の山と化した年も。長い日照りが川を池を湖を枯らし、誰もが飢え渇き苦しみ骨と皮だけになっていった時代も。
 われわれは祈り続けました。ただ、祈り続けました。このちいさな修道院から、全世界へ。
 われわれの無私なる祈りこそが、なおもこの世界を支える一片の力であるはずだと信じて。

 ですが、いま思えば、われわれの祈りなど、災禍に対していったい何の意味を成したのでしょう。

 主神さまの御救いを説いて回ったわれわれに対して民が言った、この嘘吐きどもめという罵りのことばも、当然のものであったのかもしれません。
 なにも起きなかった。何も変わらなかったのですから。
 われわれの祈りは、何ももたらしてなどくれなかった。
 われわれは無意味だった。

 われわれは何を間違えたのですか。
 主神さま。
 われらが世界の主たる御方、天に御座し、いつの日かわれらを至高楽園へと御救いくださる御方よ。
 どうかいま一度、われわれひとの子らへ、その御ことばを賜られますよう。わたしめがそう願うことを、どうか御許しになられますよう。
 主神さま。
 いつからか、主神さまはわれわれの世界へ愛を賜られることをおやめになられたのではありませんか。
 その無比なる御力でわれわれの敵、魔物どもを討ち滅ぼし、その無類なる御威光でわれわれに降りかかる恐ろしき災いを払いのけられることを、おやめになられたのではありませんか。
 それは、なぜなのですか。
 われわれの祈りだけでは甚だ不足だとおっしゃられるのですか。
 それとも、われわれがあなたの御ことばに背いたとおっしゃられるのですか。
 主神さま。
 どうかいま一度、われわれひとの子らへ、その御ことばを賜られますよう。
 われわれは何を間違えたのですか。

 主神さまが御救いを差し伸べられるよりも早く、あの、恐るべき魔物どもが、再び魔界を広げんとする企みのもと、そうした災禍の降りかかった土地へと堰を切って攻め寄せました。
 民と苦しみを共にした十字軍に、戦うための力が残されていようはずもなく、彼らは次々に、魔物どもの軍勢へ屈し、抵抗空しく飲み込まれていったと聞きます。
 わたしの故郷も、そうして魔物どもに無残にも踏みにじられました。

 ですが、つい先日のことです。
 故郷に魔物どもに踏みにじられたはずの故郷に残した妹から、わたしの下に、手紙とパンと、それから大量のジャガイモが届けられたのは。
 それをここに届けたのは鳥の魔物でした。
 見たこともないほど白く上質な紙。かすれひとつなく美しい筆跡。かごの中で熱ささえ保ったままのパン。信じがたいほど大きく実の詰まったジャガイモたち。
 そして間違いなく、その手紙に記された文字は、見間違おうはずもない、懐かしい妹のそれ、そのものだったのです。

 主神さま。
 われらが世界の主たる御方、天に御座し、いつの日かわれらを至高楽園へと御救いくださる御方よ。
 われらが世界へ、かつて無限なる愛を賜りくださっていた御方よ。

 主神さま。

 われわれはいつから間違えていたのですか。

7名無しさん:2015/11/23(月) 11:31:59 ID:lhPK7Qc20
>>5
お手本みせて下さい!!

8名無しさん:2015/11/23(月) 19:26:17 ID:7yhAzjgI0
>>5
1000文字未満でまともな起承転結出来たらそれこそ名人芸よ。
ここまで短いと多分そぎ落とすとかいうレベルにもならん。
そういう実験場というか、廃棄場的な場所と考えるべき。

主題も何も、たぶん書いてあることがそのまま書きたい事だよ。
普通は裏にテーマとか仕込める文量じゃない。
狙ってそれが出来る力量なら、たぶん此処を使う必要のない人だ。

9名無しさん:2015/11/24(火) 16:22:47 ID:RyUtejzc0
チャットでさらっと書いたのが残っていたので、折角だから書き込んでみます。
これ、投稿は名無しが基本ってことで良いのかな?


友人との電話記録
________________________

ん、おお、久しぶりだな。元気か?
俺は…まあ、ぼちぼちだ。
…いや、ちょっと最近妙な事が多くてな。
うん?聞かせろってお前…、そんな面白い話じゃないぞ?
あー、家の傍にゴミ捨て場があってな、いつも通り夜中にゴミを捨てに行ったんだが、どこからか視線を感じたんだよ。
ちょっとおっかなくてな。
見渡してみたらよ、ゴミ袋の中から人形がこっちを覗いてんだよ。
フランス人形っていうのか?青い瞳がこっちをじぃっと見てるみたいだった。
普段ならほっとくんだが何故か妙に気になってなぁ。
なんとなく人形をもって帰っちまったんだよ。
え?なんでって言われてもなぁ…。
あんな可愛い人形、放っておけるわけないだろ?

んで、それからだ。俺の周りに妙な事が起きだした。
どこからともなく声が聞こえるんだ。
「私を見て…私を捨てないで…私を愛して…」ってな。
不気味だろ?おまけに、ちょっと奥の方にしまっておいた人形が気付いたら枕元に置いてあるんだよ…。
人形か?ああ、それからはずっと枕元に置いてるよ。
寂しそうだったからな。女の子を泣かせる訳にはイカンだろ?

え?人形を捨てろって?
馬鹿言うな!あんな可愛くてきれいな娘を捨てられるわけがねぇだろ!
あの人形…あの娘はな、いつも一人で、寂しい思いをして…
…なんだ?俺はなにを言ってるんだ?スマン、どうかしてたみたいだ。
あぁ、そうだな…捨てないと、いけないよな…
ん?ああ、スマン。あの娘が寂しがってる。電話、切るぞ。
________________________

その電話が切れた後、彼は行方をくらました。
噂によれば、人形のように美しい少女と、夜の闇に消えていったらしい。

10名無しさん:2015/11/24(火) 18:48:59 ID:Kfqfijrs0
-桜桃藍苺-


僕は彼女を見て、「ブルーベリーみたいだね」と言った。
すると彼女は、「チェリーが何言ってるのよ」と笑い返した。


僕達が六歳だったとき。
幼い二人は、そう言ってお互いを茶化しあった。
学び舎を目指し、肩を並べて歩く、桃色の唇と、藍色の唇。
僕は人間で、彼女は魔物。言わずもがな、種族の違う生き物だ。

最初のうちは、僕もその違いを不思議に思っていた。
でも、日が経つに連れ、それも次第に気にならなくなっていった。
彼女は僕と同じで、笑ったり、泣いたり、怒ったり、喜んだりした。
それを見て、幼心ながら分かったのだ。あぁ、僕達は同じなんだな、と。


僕達が十歳だったとき。
彼女と一緒に、慣れた道を歩いて学校に向かっていると。
不意に、彼女が石に躓いて、転んでしまいそうになった。
僕は咄嗟に手を伸ばして、その腕を掴み、彼女は事なきを得た。

ほっと胸を撫で下ろす僕。対し、彼女は目を見開いていた。
転びそうになったのが、そんなにびっくりしたのかと思ったけれど。
見つめていると、何故か、次第に彼女の顔が赤くなり…そして、笑顔になった。
「ありがとう」。その一言を境に、僕達は手繋ぎで歩くのが日常になった。


僕達が十四歳だったとき。
いつもと変わらぬ通学路。だけど、今日は彼女の様子がおかしかった。
ずうっと下を向いて、ダンマリ状態。僕が話し掛けても、返ってくるのは空返事。
何かあったのかと心配していると、突然、彼女は顔を上げて僕に問い掛けてきた。

「貴方って、好きな女の子とかいる?」。
それは彼女らしからぬ、余裕のない尋ね方で。やや鬼気迫るものがあった。
しかし、慌てて僕が答えると、表情は一転、ぱぁっと花咲き満開。ウキウキ気分。
どうしたというのか。一人悩む僕が答えを得たのは、その日の放課後になってからだった。


僕達が十八歳だったとき。
いつもの道が、明日からは、いつもの道ではなくなってしまう。
その寂しさに、少し瞳を潤ませていると。コツンと、彼女が僕を肘で突いてきた。
何かと思って視線をやると、彼女はチラリとこちらを見上げ、少々不満げに呟いた。

「私は、ずっと一緒でしょう?」。
そう言って、プイと横を向いてしまう彼女。まさか、道にヤキモチを妬いたのか。
苦笑しつつ、僕は彼女の肩を叩き、振り返ったふくれっ面に…そっと、キスをした。
触れ合う唇。柔らかな感触と共に流れ込んでくるは、彼女との青春の日々。甘酸っぱい味。

僕は彼女を見て、「ブルーベリーみたいだね」と言った。
すると彼女は、「チェリーが何言ってるのよ」と笑い返した。


僕達が歩む今。
大人になった二人は、そう言ってお互いを茶化しあった。

11名無しさん:2015/11/26(木) 01:33:34 ID:MGB9RDFQ0
「はぁ……」
 USBメモリに眠った大量のデータを前にため息をつく。
 沢山のSSを書いていく中で、没になった作品とも呼べない文章の残骸の山。
「――どれから、消すか」
 偶々目に付いた一つをダブルクリックし、中身を確認する。
 日付を確認すると、文章を書き始めてすぐの頃の代物だった。
 まだ、物語に自分を代入しようなんて無茶なことを考えていた時代。ヒロインの造形なんて当時自分が憧れていた先輩そのままだ。
 ある女の魔物と、人間の勇者の恋物語。二人は心を惹かれあいながらも、それぞれの宿命によって対立し、剣を向け合っていた。
 物語は、少年の勇者が魔物に剣を向けるところで止まっていた。
「これは、駄目だな」
 よくあるロミオとジュリエットの変形だ。仕上げた所で、並みの文章にしかならないだろう。人から評価を貰うには程遠い。
 何より、恥ずかしくて仕方がない。ウィンドウを閉じて、即刻ゴミ箱に叩き込んで忘れるのが正しい対処法だろう。
「……くそっ」
 だが、ウィンドウを閉じようとした手が止まる。
 文章の中から――ヒロインが、少年が自分を見つめているような気がしていた。
 私を――僕を幸せにしてくださいと。彼らが訴えていた。
「ねえ、君が物語を書くならさ――えへへ、私も出して欲しいかな、なんて」
 先輩の顔が、浮かぶ。
「仕方ない、書いてやるか」
 頭の後ろをぽりぽりと掻き、文章をうちこんていく。
 長年SSを書いていたおかげで、何処までもスムーズに話は進む。
 戦いの果て、少女と少年はお互いに剣を捨て、抱きしめあう。
 辺境の村で、過ごす二人は――幸せに笑いあっていた。
「私は、ハッピーエンドが大好きなんだ」
 ――ええ、先輩の大好きなハッピーエンドです。
 お話が出来たら、見せるという約束をしていましたね――3年も遭っていない今となっては、もう、無理な話ですが。
「……そんなことはないよ」
 ふと、後ろから声が聞こえた。
 想像していたヒロインと同じ声。
「私は、君が書いてくれた作品を食べるのがずっと楽しみだったんだから」
 振り返るとそこには、先輩が居た。
 作品と同じ、透明な羽とピンク色の髪を持った先輩だった。
「――私達、リャナンシーはね。上質な物語がご飯なんだ。きっと、君なら美味しい物語が書けるって信じてたよ」
 でも、こんな作品で大丈夫なんですか?
「君の愛が、一番こもってるもの。美味しいに決まってるよ」
 先輩は、にっこりと笑ったのだった。

12名無しさん:2015/11/26(木) 07:18:09 ID:molYy1SI0
>>11
うわあああ
いい話だけど
没になったネタが、消したSSが俺を、おれを…
そんな目で見ないで…

13名無しさん:2015/11/26(木) 08:31:28 ID:Ra5OeaN60
「出たな一つ目の化け物め!覚悟しろ!」

「こんな薄暗い洞窟までご苦労なことだな?勇者さんよ」

「お前を討伐しろとの命だ。いくらカワイイとて容赦はせん!」

「かわいい?」

「?!……な、何だ今のは、口が滑ったのか!?」

「おいおい、魔法が簡単に効きすぎじゃないか?」

「くっ……これが”暗示”か、姑息なマネを!」

「ふふふ……さて勇者さん、アンタに言っておくことがある」

「なんだ!」

「オマエには半年前に生き別れた妹がいるな」

「だからどうした」

「ワタシだ」

「なに?」

「だからそれはワタシだ」

「ふん、何を言う!そんな戯言を真に受けるものか!」

「初恋だったパン屋の娘とはその後どうだ?告白はしたのか?」

「なっ……」

「勇者稼業に身をやつしている所を見ると……上手くはいかなかったらしいな」

「なぜ、お前がそれを……!」

「オマエのことなら何だって知っているさ。なにしろ、妹なんだから」

「ち、違う……俺の妹は人間だ!魔物なんかじゃない!きっとこれは――」

「ゲイザーならではの”暗示”のせいだってのか?」

「そ……それ以外に何がある!」

「……」

「俺は、そんな魔法になど……!」

「なあ……もういいかげん、楽をしてもいいと思わないか?」

「……なんだと?」

「ただ使い捨てられる奴隷の私たちに、真っ当な道なんて用意されていなかった。
 弱者がさらに下層の弱者である私たちを責め、鬱憤を晴らした。はけ口にした。
 それでも、ニンゲンであることに意味があるのか?」

「何を……」

「身分を得ようとして、出身を詐称し勇者に成ろうとした兄さんを私は止めた。
 そんなもの、ただ少し呼び名が変わるだけで、やはり奴隷でしかなかったからだ。
 それでも兄さんは……私の生活を、身体を守るために、自分を犠牲にした……」

「ち……違う、」

「私は、もう兄さんが傷付くところなんて見たくないんだ。
 身体が弱くてまともに働けない私をかばって鞭打たれるのも、身を粉にして働くのも……。
 だから私は、魔物になったんだ」

「……どうして、どうしてだ?アンメル……」

「兄さん。確かに私は魔物になった。けれど、それでも貴方の妹なんだ。
 私を信じてくれないのなら、この場で斬られたっていい。
 だからもう一度、一緒に暮らそう」

「……アンメル……」

「この洞窟にいると、また他の”勇者”が来るかもしれない。
 さあ行こう、兄さん。 とっておきの場所を用意してあるから――」

14名無しさん:2015/11/27(金) 01:46:14 ID:hf3LICoA0
「また、茶碗蒸し」
 食卓に置かれたそれを見て、少女は渋い顔をした。
「あたし、これ嫌いだって言わなかったっけ?何度も何度もさ」
「……前より美味しく出来たと思う」
「そういう問題じゃないっての」
 渋い顔で茶碗蒸しを掻きこむ少女。
 たとえ苦手なものでも、食卓に置かれたものは全て食べる、それが少女の癖だった。
「今度は、喜んでもらえるように頑張るとするよ」
「この、努力の方向音痴め。それともあたしが嫌がる姿が見たいってのか?」
 笑いながら食器を片付ける男に、少女は渋い顔をする。
 こうして毎日苦手なものを出されていたら、嫌がらせを疑う所だ。
「そうでもない。君が悲しいと僕だって嫌だよ」
「――ちっ」
 だが一点を除いて、男は完璧だった。
 食卓に並んだものは、茶碗蒸しを除いて、すべて少女の好物だった。
「あのさ」
「――何だい?」
 鯖の味噌煮に口をつけながら、少女は自らの疑問を口にする。
「どうして、毎日茶碗蒸しが出るんだよ」
「……恩返し、かな」
「訳わかんない……」
 呆れたように、少女はため息をつく。
「うん、僕も良く分かってないんだ……でも」
 男は、自分の分の茶碗蒸しをひと匙すくって口へと運ぶ。
「これが、本当の君の好物な気がするんだ――こうして、恋人を亡くしてしまった僕に、こうして尽くしてくれる君の、ね」
「……バカみたい。今日は顔合わせたくないから、入ってこないで」
 少女は、吐き捨てると彼女の部屋へと戻る。
 外は、日が沈みかけていた。
「今日は、新月――」
 窓の外を眺める少女の姿は、一刻前とは似ても似つかない地味な存在へと変わっていた。
 彼女は、ドッペルゲンガーであった。恋する人を喪った男の元に現れ、その理想に擬態し、寵愛を得る魔物。
「茶碗蒸し、美味しかった……」
 彼女は、茶碗蒸しが大好きだった。
 一度だけ、この姿を曝してしまった彼女に、彼が差し出したのが茶碗蒸しだった。
 家出して、勝手に上がりこんだと苦しい嘘をつく彼女を疑いもせず、外は寒いからと作ってくれたのだ。
 冷えた体に、あたたかく柔らかいそれが、どこまでも心地よかった。
「がんばら、なきゃ」
 優しい男性だ。醜く擬態する存在にとってはもったいないほどに。
 故に、彼女は一人の少女を演じ続ける。彼を、失望させないために。
「また、朝が来る」
 朝になると、彼女の擬態は完璧に戻る。
 茶碗蒸しが大好きな舌も、嫌いな料理と感じる舌へと変化する。
「――少し、悲しいな」
 彼女の頬を、涙が濡らしていた。

15名無しさん:2015/11/28(土) 02:05:54 ID:ZxczQJQk0
「じゃあ、右のカードで」
「……本当にそれでいい?」
「ええ」
 ポーカーフェイスを貫く先輩の手札からカードを一枚ドローする。
 リッチ――魔術の深奥を究めた死の賢者であり、魂を分割した彼女の表情からカードを類推するのは不可能だ。口先で誤魔化そうにも年季が違う。僕のような常人は観念して引くしかないのだ。
「ジョーカー、ですね」
「……うん」
 案の定引いたカードはジョーカー。二人ババ抜きの敗者は僕で確定のようだ。
 この手のゲームで僕が勝てたためしはない。
 数えた事はないけれど、多分五十敗以上はしているはずだ。
「……罰ゲーム」
「分かっていますよ」
 事前に負けたほうが勝ったほうの言い分を聞くという約束だ。
 勝てない僕にとっては、ゲーム後の彼女の命令はいつもの行事と化していた。
「……温泉、連れてって」
「今から、ですか?」
「……うん。私も、君も疲れてるから。温泉が良い」
「分かりましたよ、先輩」
 彼女の命令にしぶしぶ頷く僕。
 その隣で、彼女の魂が封じられた箱がカタカタと揺れていたのだった。

――

「良い湯加減」
「そうだね、ほかほかだ」
 数時間後、旅館の一室。
 窓際に置かれた二人用の湯船で僕と彼女は肩を寄せ合う。
 普段入る風呂よりも少し熱めの湯が、ぴりぴりと肌を刺激する。
 昼ごろは曇り空だった空模様は一転して美しい夜空が広がっていた。
「――ねえ、君」
「どうしましたか?」
 肩に手を寄せながら、彼女は小さな声で囁く。
 風呂場の縁に置かれた経箱がかたかたと揺れていた。
「……わざと、負けてる」
「どうして、そう思ったんですか?」
「……経箱を見れば、勝てた」
 経箱、彼女の魂が封じられたそれは、彼女の感情によって動いている。
 ババ抜きであれば、強く揺れたほうをとれば良かった。彼女は言外にそう語っていた。
「僕は、先輩には勝てませんよ、絶対」
「……何故?」
「負けたときの楽しみが、無くなっちゃいますから」
 先輩が言いつけるのは、いつも二人でどこかへ行くことだったり、楽しめる事だった。
 罰ゲームといいながら、実際には彼女とのデートだったのだ。
「……そう」
 湯船に口を沈めながら彼女は呟く。
 ぷくぷくと、小さな泡が水面に浮かぶ。
そんな先輩に肩を寄せ、外の景色を眺める。
浮かぶのは、見事な満月だった。
「――先輩、月が綺麗ですね」
 何の気なしに、放った言葉。
「……意味、分かって言った?」
 経箱がかたかたと、大きく揺れて、湯の中に落ちた。

16名無しさん:2015/11/29(日) 01:23:24 ID:yApLYVaU0
「……ぐ、ぐう……」
 猛烈な咽喉の渇きで俺は目を覚ました。
 全身が汗でぐっしょりと濡れている。
 よろよろと立ち上がって台所の水をがぶ飲みすると、咽喉奥に引っかかるような痛みが走った。
「風邪、ひいたか……」
 這いずるように布団に戻り、布団を被りなおす。
 薬を飲みたいところだが、生憎常備薬は無い。
「寝る、しかないな……」
 こういうときは、人間の持つ自然治癒力に頼るしかない。
 俺は再び目を閉じるのだった。

--

 ぴちゃり、ぴちゃりという小さな水音で俺は目を覚ます。
「--あ、起きちゃったか」
「……エル……」
 視界の端に、黒い肌と尖った耳が特徴的な美女……ダークエルフにして、幼馴染のエルが俺の額に濡れたタオルを乗せていた。
「ごめんね、昨日無茶しちゃったからこんな風に……」
「いや、良いんだ。昨日のアレは気持ちよかったし……」
「--ううん、パートナーの体調を見切れなかったんだもの、私の責任だよ――寝ている間にお薬、座薬を入れておいてあげたんだけど……効いたかな?」
「あ、ああ……大分ラクになった」
「……良かった」
 優しく頭をなでながら、彼女は囁く。
 普段責めるときとは違う、柔らかくて、優しい声。
「だから、頑張ってもっと元気にしてあげるね」
 しゅるり、と小さな衣擦れの音とともに、彼女は布団にもぐりこんできた。
 熱を持った体温に比べて、エルの身体は、心地よい冷たさをもって俺の体を包み込む。
「な、何を……!?」
「んー、魔力をリンクさせるの。私達の身体は頑丈だから……すぐに良くなるよ」
 彼女は悪戯っぽく笑うと抱きしめる力を強くしてきた。
 縄とは異なるけれど、心地よい拘束。
 出ようとも思えない、甘い牢獄。
「――その、ありがとうな、エル」
「……ふふ、お礼は治ってからたっぷり貰うから、今は私の中でゆっくりと治してね……」
 耳元で響く吐息交じりの甘い声に自然に瞼が下がっていく。
「大好きだよ」
 それが、完全に睡魔に支配される前に聞こえた彼女の最後の言葉だった

17名無しさん:2015/11/29(日) 11:33:45 ID:yApLYVaU0
 ふにゃり。
「ん……?」
 ぷるっ、ぷるんっ。
「んん……?」
 胸元に感じた違和感で、バフォメットは目を覚ました。
 眠い目をこすると、外はまだ暗い。幼女はまだまだ寝ている時間だ。
「全く、どうしたのじゃ?」
 違和感の源、胸元を探る少女。
 --ぷるんっ。
「……っ!?」
 彼女の手のひらの上で圧倒的な存在感を持つ肉の塊が二つ、そこにあった。
 信じがたい事実を前に、眠気が二秒で吹き飛んでいく。
「ば、馬鹿なっ!?」
 少女はよろよろとベッドから這い出し、姿見を覗く。
 今の肉の塊、脂肪の塊は気のせい。鏡を見ればいつもの自分が居る……そんな希望は--。
「胸が、大きくなってるのじゃ……っ」
 粉々に、打ち砕かれていた。
 普段完璧を自称するボディライン。
 無駄な脂肪のついていない、美しい幼女の肢体。
 自慢のプロポーションが、無残にも損なわれていたのだった。
「う……うう……」
 胸についたそれは、あまりにも大きすぎた。

18名無しさん:2015/11/29(日) 11:34:58 ID:yApLYVaU0
ま、間違えて途中で書き込むボタンを押してしまった……orz

19名無しさん:2015/11/29(日) 19:37:46 ID:yqsGkca20
「…あ〜あ、ヒデェもんだ…」
彼はそう言ってフーッと紫煙を吐き出した。目線の先には、真っ二つに折れた船体と、投げ出された仲間たち、そしてそれを我がモノにしようとする、海の魔物たち。
「もう少し、長生きしたかったんだけどなァ…」
「ヘェ、こんなモンを吸っておいてかい?」
背後からの声に振り向けば、船首飾りに組んだ腕を乗せ、じとり

20名無しさん:2015/11/29(日) 19:39:29 ID:yqsGkca20
俺も>>18と同じ間違いをやってしまった…ごめん
携帯からは無理だ…

21名無しさん:2015/11/29(日) 20:34:00 ID:yApLYVaU0
>>20
事前にどこかに書いた文をコピーして貼らないと誤爆します……orz

海の魔物に捕まると煙草が吸えなくなりそうですね。
まあ、もっと気持ちいいことが出来るようになりそうですが……

22名無しさん:2015/12/11(金) 17:24:43 ID:jIbTUxOk0
月の無い――夜、ですね。
……驚きましたか?これが、私の本当の、姿。
小さな背、黒い髪、怪しく光る紅い瞳。
地味な黒いワンピース。
それが、私です。誰も歯牙にもかからない、小さな魔物。
勇者様、あなたの隣で戦っていたのは、私なんです。
あなたの初恋の魔法使いに化けて、騙していました。
彼女は、旅の途中で不治の病にかかっていました。
冒険なんてとてもできないくらい、重い病気です。
だから、貴方の旅についていく事が出来なかった。表向きは薬で誤魔化していましたが、体を偽る事は、限界がありました。
「――ねえ、わたしの代わりに、彼を支えて欲しいな」
そこで、彼女は影武者を立てることを考えました。
旅の途中に見つけた、誰かに化ける事の出来る魔物。
見た目だけでなく――心まで、偽って誰かに成りすます、影の魔物。
私に後を託し……彼女は目を閉じました。
……剣を抜きましたか。
そう、ですよね。
貴方は――勇者様、ですから。

――黙れ。

……。
ごめんなさい。
本当に、ごめんなさい……。

――黙れ!

……本当は、真実を伝えないほうが、良かったのに。
どうして、私はこの姿を曝したのでしょうか?

――黙れッ!

……勇者様。
その剣を振るう前に、ただ、一言――言いたい事があります。

……偽りしかない、私でしたが。
貴方を、愛している。

――それだけは、本当なんです。

23>>19再投稿御免:2015/12/12(土) 16:00:54 ID:Y3hUSXog0
「…あ〜あ、ヒデェもんだ…」

月の明るい夜だった。彼はそう言ってフーッと紫煙を吐き出した。
目線の先には、真っ二つに折れた船体と、割れた酒樽、投げ出された仲間たち、そしてそれを我がモノにしようとする、海の魔物たち。

「もう少し、長生きしたかったんだけどなァ…」
「ヘェ、こんなモンを吸っておいてかい?」

背後からの声に振り向けば、船首飾りに組んだ腕を乗せ、じとりした目線を寄越す女が一人。
その下半身は艶めかしく水を滴らせる八つの吸盤に覆われた足を、船の縁に絡み付かせている。スキュラだ。

「コイツは俺の恋人なんだよ、アコギな稼業をしてたが、そんな中でも苦楽を共にしてきた。」
「ふぅん、それならそいつぁ毒婦ってやつなのかねェ。」

そう言いながらスキュラは彼ににじり寄った。ほぼ筋肉の濡れた足がカトラスに絡むが、彼は何の気無しに煙を吹かしていた。

「アンタが、俺の奥サンかい? せめてコイツが無くなるまで待っちゃくんねェかな。」
「おや、てっきり魔物嫌いの教国民と思ったら」

スキュラは既に彼の両足に、蛸足を巻きつけていた。身を寄せ、2本の足も腰に抱きつき、人の腕を彼の肩に回し、残りの足で体を支えている。
既に捕らえた状況だが、もう一押しを魔物は待った。存外、慈悲はあるらしい。

「なんで海賊なんてやってんだい?」

そう、彼は海賊だった。仲間たちも皆そうだ。そして教国の船も親魔物国の船も襲う、荒くれ揃いだった。
そんな船が見逃されるはずもなく、とうとう天罰が下った。天とも魔のものとも知れぬ雷が、哀れな海賊船を真っ二つにしたのだった。
彼は、咥えた恋人を放して、言った。

「…不満だったのさ。俺たちは、元はしがない教国の漁師だったんだが、海はお前さん等のモンになっちまった。
 なのに教会は税を納めろと聞かない。お前さん等にも教国にも不満だった。
 だから俺たちゃ、船と酒と煙草を恋人に、賊になった。それだけのことさ。」
「…ふうん、なんだか忍び無いねぇ、お前さんのこと食べちまうのさァ。」

言葉とは裏腹に、バンダナの顔に、そっとスキュラは顔を預けた。濡れ髪からふわりと、甘い雌の香りがする。

「…別にお前さんらが心底嫌いなわけじゃねぇんだ…。ただ、こう、なんつーか…、素直にお前さん等のモノになるのに、ちょっと天邪鬼だった、てのかなァ…。」
「ふふっ、ああ、わかるよ。アタシも、そんなトコあるしさ。」

そういって、少しはにかむように、彼女は笑った。月に照らされる濡れ顔に、彼は心臓を縮ませた。
照れ隠しか、火を持つ手を口元に持っていこうとしたとき、沈みゆく船が、グラリ、と揺れた。

「アッ!」「きゃっ」

瞬間、彼は彼女の胸の中へと吸い込まれた。彼女の足に、そのまま絡めとられる格好になる。
穏やかな日の海のような、青く、それでいて少し甘えるような彼女の瞳に捕らえられる。

「あ〜あ、振られちゃったねェ」

彼女がふと瞳をそらした、その先には、火の消えた恋人が波に浮かんでいる。

「毒婦、なんて言って悪かったね。引き際をわかってる、いい恋人さんじゃないか。」
「…そうか、あァ、うん、そうだな…。」

名残惜しそうな瞳を水面に向ける彼の頬に、そっと、両手を添える彼女。
支えるものが無くなって、ずるずると斜めの甲板を滑り、海へ。
そんな中、彼は身を支える彼女の肢体と、青を湛える彼女の瞳に、魅入られていた。
海水に身を沈め、凍えるはずの彼は、ほんのりと身体を赤らめる。

「ふふっ、いい顔だねぇ…。前のよりもぉっと、口づけしておくれよ。」

舌なめずりをして、最後の息でする言葉で言われると、そのまま彼女の棲家へと引き摺り込まれていく。
彼は海と彼女のなか、ぬるぅりと、舌を絡めた、キスを交わす…。

そして彼は新たな恋人に抱かれ、青き海と瞳へと、溺れていくのだった…。

…後に残った葉巻は、波に揺られ剥がれていった。

24>>19再投稿御免:2015/12/13(日) 08:39:00 ID:zxRi0QNM0
「これは…、不幸かな…。」

今、自分は幸福か不幸か、と問われたらの答えを私はひとり呟いた。
広い城の庭園を散歩中のことである。突然のにわか雨によって、私は四阿に避難を余儀なくされた。
私の種族が他のものだったならば、こんな雨など気にせず部屋まで濡れて帰るだろうが…。

「ひぅっ…!」

風に煽られた雨だれが、私の手の甲に落ちる。それだけで私は快楽を感じてしまう。
そう、背に負った翼のマント、血に染まった紅い瞳、血を啜るための牙…、私は、吸血鬼だ。

雨雫の届かぬ四阿の椅子に腰掛けて、真水のもたらす快楽の中、ある一人のことを夢想する。
幼馴染のあの子、身分の違いこそあれずっと一緒に遊んでた彼、人のままでは決して一緒になれなかった衛兵、今の執事服に身を包んだ従者。
彼のことを想うと、心が、キュンとなる。そして身体が火照りだす。心臓が、どきどきと早鐘を打つ。私は、アンデッドのはずなのに。

ふと、思う。もし、私が魔物にならなかったら。私は、政略のまま結婚し、彼は市井の娘と結ばれ…。
もしかしたら、彼にはその方がよかったのかもしれない。私はわたしの寿命分、彼を永遠という牢獄に繋ごうとしているのだから。

でも、でも…!

それでも彼と一緒になりたかった。好きだった。いつも私を守ってくれた。大好きだった。
ああ、彼の腕に抱かれたい…。彼のぬくもりがほしい…!彼の命の奔流で満たされたい…!

ふと、顔をあげると、こちらに続く道を、大きな傘をもって駆ける人影が。
ああ、彼だ、かれだ! 今、ここにいてほしい、彼が来てくれた!

彼は、そうして傘を広げて、従者然として身を正す。
でも、そうじゃない。私は傘を持つ彼の腕に、自分のを絡める。
頬を染めてくれる彼、そんな未来の夫と共に、二人並んで、歩き出す。

これで、よかったのだ。人の何もかもを捨ててでも、私は、こうなりたかった。
雨の道も、二人なら、怖くない。もう、私は一人じゃない。

「にわか雨とは、不幸でしたね、姫様。」
「ううん、いま私は、とぉっても幸せよ…。」

そうして、私たちは、この幸せな道を、二人並んで、歩んでいくのだった…。

25名無しさん:2015/12/13(日) 22:26:29 ID:NbdimWfI0
>>23
おっスキュラさんだ
強気だけど実は甘えんぼな感じでいいです。

みんなの好きな娘を書くせいか、色々な娘にスポットがあたるのはいいね。

26名無しさん:2015/12/14(月) 06:49:50 ID:Adn4aHQ20
コンビニに出かけるくらいの気軽さで、名所だと言われている断崖絶壁まで数十キロほどを移動してきた。
不純かつ衝動的である後ろ向きの動機とは裏腹に、ここ数日の曇り空を文字通り吹き飛ばしたらしい青天井がやり辛さを醸しだしていた。
どうやら今日はこれ以上にないくらい前向きになるべき日だったらしく、目的地に到着して一番に目についたのは空と同じ青色のハーピー種だった。
彼女はこちらに振り向いて驚き、次にこちらの様相に仰天し、そうして何かに思い当たったようだった。そのプロセスは自分も同時に処理したけど。

「先客がいるとは思わなかったな。僕は戻ってしばらく時間を潰すから、お先にどうぞ」

返事に期待せずに(というか出来ずに)車椅子の方向を転換させると、彼女としてはこの方針に異議があったのか、わざわざ目の前に飛んできて道を塞ぐ。
動揺している僕に対して、彼女は無言のまま手を取ってくる。羽根の爪でこちらの手のひらに文字を書くことで意思を伝えようとしてくれているのはすぐにわかった。

「……やっぱり君もそうなんだ。お互いやり切れないね」

喉に火傷を刻みつけられたセイレーンと、両太腿から先を失ったまま育った人間。
自分を取り巻く周囲の者たちから受ける視線と言葉と優しさの押し売りが嫌になっていたのは、種族関係なく共通だったらしい。



それから二人で隠れて生きてみたけれど、哀れみの視線がないだけで随分と生きやすいのは思った通りで嬉しかった。
彼女は声が発せないだけで日常生活で必要なことは全てこなせたし、自分だって人より身長が低い程度で日常生活は何も問題がなかった。
可哀想に、足がないなんて大変ね。きっと苦労してきたよね。何かあれば助けてあげるからね。
なんてことを思うアタシ優しい、って目でこっちを見てくるクソ偽善者たちへのストレスが絶たれただけで劇的に生活が楽になったのはなんとも滑稽だ。
人と人が助けあって生きていくのは当たり前のことで、誰にでも得手不得手があるのを工夫でなんとかしていくのが知恵であって。
先天後天関係なく障碍を持っている人は全員可哀想、なんてレッテルを貼られるのは、それを食い物にしていない障碍者に迷惑だ、とまでは言わないけど。
こうして所謂可哀想な人でも自分の力で自立できるし、青空を拝むことだって足がなくてもできるもんだ。

「何より、誰もいない砂浜でのんびりできる生活って最高だね」

自分を背後から抱きしめてる彼女に声をかけながら、二人でまったりとざわめく波間を眺める。二人が出会った海は、二人とものお気に入りポイントになっていた。
く、と彼女が喉を鳴らし、足元の砂に爪を立てて何か文字を書く。ささっと、二文字だけ。

「ん、短いな……なになに?」

すき

思わず振り向くと、彼女は綺麗な白い肌の相貌を紅潮させながら微笑んでいた。
歌わないセイレーンは十分に男を魅了させる方法を知っていて、自分は見事にその術中にハマってしまったらしい。

27名無しさん:2016/04/06(水) 23:54:07 ID:6NgJrYhc0
なんかたまに顔を出すとかなりの
良作が出ててビビるwww

2826:2016/04/09(土) 02:50:21 ID:mPei5m520
五ヶ月流れ止めちゃっててうわーなんかやっちまったかって気にしてたので
できればもっともっとこのスレ利用してくれる人が増えてくれると(俺が埋もれるので)助かる

29名無しさん:2016/04/14(木) 05:56:17 ID:zwd6p1Tc0
最初から字の文を頑張ってる人が多いからなあ……。
面白そうなスレだと思ったけどボロクソな評価を貰ってる
俺じゃあお目汚しですよ(´・ω・`)

30名無しさん:2016/04/15(金) 15:15:02 ID:p9Ep969c0
どうしてこうなった。
夜の街を走りながら僕の思考を埋め尽くしたのはそれだった。

「はぁ、はぁ、はぁ」

 心臓が早鐘を打つ。
 ずっと走り続けたせいで息が苦しくて仕方がない。
 足はいまにももつれそうだ。

「――ねえ、まってよ」

 だが、止まるわけには行かない。
 後ろから聞こえてくる声――幼馴染の声に背筋がゾクリと立つ。
 その手に握られているのは、月の光を受けておぞましいほどに美しく煌く諸刃の剣だった。

「っ、あっ!?」

 疲労で足がもつれ、道路に倒れこむ。
 アスファルトの冷たく、ごつごつした感触。

「――捕まえた」

 そして、彼女が僕に馬乗りになった感触。
 熱にほてった女性の、白く柔らかな肌が触れる。
 普段とは違う艶やかな声が、耳朶を叩いた。

「あ、あ……」

 なんとか、首だけをそらして振り返る。
 そこには、美しくも禍々しい剣をもった幼馴染の姿があった。

「貴方は、私の鞘なんだから……逃げたら、駄目なんだよ?」
「や、やめ……」

 彼女は、その細腕に似合わない巨大な剣を振りかぶると――
 僕の静止を聞くことなく、袈裟懸けに振り下ろした。

「……あ」

 これは、僕への罰だったのだろうか。
 幼馴染を置いて、勝手に上京した僕への。
 そして、地元で辻斬り騒動が起こるまで5年もの間便りを寄越さなかった僕への。
 だけど、僕は偉くなりたかった。
 幼馴染の彼女に、つりあう男になりたかった。

「……もう、放さない……」

 剣は――僕の身体を完全に突き通して静止していた。
 痛みは、なかった。
 ただ、そこからじんわりと伝わってくる熱があった。
 脳内麻薬の、力なのだろうか。それとも、痛みを感じる神経まで死んでしまったのだろうか。
 だけれど、好都合だ。
 これなら、遺言の一つくらい……言えるかもしれない。

「……ごめ、ん」

 彼女の、美しい顔に触れる。
 五年ぶりに会った幼馴染は――僕なんかがつりあわないほど、美しい女性になっていた。

「5年も、またせ、ちゃって」
「……馬鹿」

 身体が、どんどん熱くなってくる。
 何か、流れ出していくような――そんな感覚。
 相変わらず、痛みは感じなかった。

「――大好き、だ」

 だから、最後に。
 伝えたかった言葉を――僕は伝える事にした。

31名無しさん:2016/04/15(金) 15:17:10 ID:p9Ep969c0
>>29
11 14 15 16 30の作者としては、自分が目を汚しているのも分かっているので……orz
他の誰かうまい人は居ないかなあ(他力本願)

32名無しさん:2016/04/15(金) 15:38:35 ID:p9Ep969c0
「ここのラーメン、旨いだろ?」

 友人の言葉に、俺は小さく頷いた。
 俺も友人もラーメンにはそれなりにうるさい。
 たかがラーメン、されどラーメン。
 一杯の丼の上で繰り広げられるのは職人の意地と、原価との戦いの跡。
 最近魔界と繋がったゲートのおかげで、原価が安く様々な新食材が、ラーメンの世界にも新たな風を巻き起こしているらしい。

「――うん、これは凄い……」

 魔界豚でつくられたチャーシューはとろりと脂身が解れ、こくのある深い味わいに唸りつつ、となりで浮かべられたハーピーの無清卵で作られた煮卵の甘くとろける風味に相好を崩す。
 フロウケルプの協力によってつくられたというノリも全体のバランスを崩さず、疲れた舌を休めるのにぴったりだ。

「だけど、これは一体……?」

 しかし、それよりも素晴らしいのが出汁だ。
 今まで味わった風味とは違う、深く、滋味にあふれたダシだった。
 隣の友人も首をひねりながら麺を啜っていた。

「牛でもなく、豚でもなく、鳥でもないし……」
「かといって、魚介系ってわけでもないな。海の味がするわけでもないし……」

 とにかく、未体験の味だ。
 俺も友人も、あっという間に食べ終えてしまった。

「一体何でダシを……?」

 調理場に立つスケルトンをみながら、俺達は首をかしげたのだった。

33名無しさん:2016/04/15(金) 16:08:31 ID:1FMxJ1cU0
>>32
クッソ吹いた

34名無しさん:2016/04/15(金) 21:04:07 ID:7JZ7K7xU0
>>32
あっ(察し

35名無しさん:2016/04/17(日) 14:26:49 ID:t0IefIQE0
>>

36名無しさん:2016/04/17(日) 14:28:07 ID:t0IefIQE0
>>32
最後のオチがとても良い。

37名無しさん:2016/04/21(木) 16:16:26 ID:nEddpl/o0
これは次の人のハードルが高くなったなwww

38名無しさん:2016/04/22(金) 02:45:11 ID:BHcleIfA0
私の大好きなカレーの匂いが鼻腔をくすぐり、つい飛び起きたくなるのを抑えながら寝返りをしているふりをする。


私はアントアラクネだから、働かないし動きもしない。
大好きな彼に養われながらぐーたらと一日を過ごすのが私達の本能。


今だって自分で起きたくないし、大好きな彼に起こされたいから寝たふりをしてる始末だし。


そして、そんな私の考えは彼には手に取るように分かっているはずだ。


だけど彼ならそれをわかりつつ、起こしてくれるに違いない。


だって彼は・・




私を愛してくれているんだもの。





ほーら、来た。
足音が近づいてきた。
彼にばれないように薄眼をあけて彼を見つめれば、いつもの優しい笑顔が私の元に近づいてくる。


そんな彼を見て、いつも私は思う。





やっぱり私は愛され上手。

39名無しさん:2016/04/23(土) 17:12:36 ID:ggR6ENIs0
「うぃ〜ただいまぁ」

「お邪魔します」

ヨーコは着物姿で大工の棟梁、平蔵の家へと上がった。
  
棟梁とは言っても妻帯はしておらず、一人暮らしだ。

男やもめに蛆がわき…とはよく言ったものだ。

これでもかと言うほど、散らかっている。

「あ…主は大工と兼業してゴミを量産する内職しているんですか?」

「そんな内職あるか!失礼なやっちゃなぁ……ここが俺ん家じゃ」
 
脱ぎ捨てられた着物に褌…水場には山のように食器が突っ込まれている。

さらに室中からかなりの異臭が漂っている。

ヨーコは脱ぎ捨てられた着物を拾って、クンクンと鼻で嗅いでみた。

その途端に嗅覚が破壊されかねない程の強烈な臭気が脳を直撃する。

「これが人間の巣?私の御社より酷いですね、さっさと片づけましょう。」

「え、ええ…面倒やな…」

大工の棟梁は道具箱を置き、やれやれと草履を脱いだ。

そして2時間後、ようやく人並みになった。

「改めて、御社の新築ありがとうございました。この御恩は忘れません。」

「そんなんええって。あの古い御社、気になっとたんや。役場に修復の届け
『勝手にやれ』言うてたしな。それやったらって…なかなか精巧な作りやったし、

若い衆の経験にもなったわ。そしたら、狐が住んどるとはなぁ…」

「本当に感謝してます。主。」

「んで、俺ん家に来たんは何で?恩返しって何かしてくれるんか?」

「は………?」

ヨーコは眼が点になった。

古来よりジパングでは鶴やら狐の恩返しなるものといえば

決まっているではないか。と思った。

「私と交尾しれくれませんか?身体でご恩を返しますから」

「か、身体って、お前、なんで脱いで―――――!?」

その日を境に平蔵宅からは夜な夜な狐の甘い鳴き声が聞こえるようになったという。

40名無しさん:2016/09/14(水) 01:26:26 ID:kMX0EHxg0
分かりづらかったらごめんなさい


あるところにエルフ、バフォメット、リリムの3人の魔物娘がいた。
彼女達は種族も性格も意見もバラバラで、口喧嘩が絶えなかった。

ある日、3人の中で誰が一番人探しが上手いかで揉めている時にリリムがこう言った。
「決着を付けましょう。3人で同時に森の中に入って、最初に魔物娘を見つけて入り口に連れて来た人の勝ちよ」

「ふむ、力ある者には自然と皆が集まるからのう。その勝負受けて立とう」
バフォメットは快く勝負に乗ってきた。

「あら、それなら私の一人勝ちね?私達エルフは森の声を聞こえる事ができるんだから」
エルフも得意げに言い放つ。

かくして3人はバラバラに森の中へと入っていった。
エルフは森の声が聞けるからと手ぶらで、バフォメットは探索魔術に必要な呪具を、リリムは一人のガイドの少年だけを付けて森の中を探索していく。

エルフは森の中腹まで向かうと、森の草木との対話を始めた。
森の木々から背の低い雑草まで森の植物全員の声を聞いたが、誰もが「魔物娘は見ていない」と言うばかりだった。

一方のバフォメットは長い時間を掛けて森の中心部まで辿り着き、探索魔術を発動する。
発動された探索魔術は森の全体を覆ったが、結局バフォメットも魔物娘を一人も見つけられなかった。

人探しに失敗したエルフとバフォメットの二人がとぼとぼと森の入り口まで戻ると、そこには既にリリムが居た。
その隣には小振りながらも角を尻尾を生やした魔物娘が佇んでいる。

「降参じゃ、お主には負けた。どうやって見つけ出したと言うんじゃ」
「森の草木達が誰も見つけられなかったなんて、貴女何処に居たのよ」
バフォメットとエルフが悔しそうに睨む中でリリムは意地悪く笑いながら、二人に挨拶しろと隣の魔物娘に促した。

「はっ、はい……私はアルプです、森に入ってすぐ引き返して此処で魔物になりました」

41名無しさん:2016/10/25(火) 07:16:41 ID:lIuPTtnI0
「このBL思考に染まりすぎて行き遅れになった声は……ファントム仮面様!」

「フッフッフ、群れを成して魔物娘を襲って返り討ちにされる教団兵よ聴くが良い そして私を娶るがいい
 セックスすればするほど強くなる図鑑世界においては日課としてオナニーするのは逆に魔物娘を興奮させるのでNG 古事記にも書かれている
 ……しかしムラムラするのは生物として当然の摂理 そこで提案したいのが耽美的なアナルオナニーだが、
 中世時代ではアマゾンで気軽にローションを買ったり出来ないの不便だよね ディルドも自作必須だしね
 中世のことよく知らないんだけど潤滑剤ないとおケツにモノをブチ込むとか絶対死ぬだろうによくやるよ 農村では獣姦も一般性癖だったとか
 やっぱアレなのかな、洋モノみたいに唾液でシーハーオウイエスイエースだったのかな 唾液の粘性が強いほど優秀なホモとして認められてそう
 ここまで考えて思ったけど図鑑世界って魔界の植物で全部だいたいなんとかなるじゃん!ファンタジーは最高ってはっきりわかんだね
 昨今のポリコレヤクザにも容赦なく襲い掛かり全てを淫乱エロ魔物娘に変えてくれる図鑑世界を応援しています 今年の冬コミもアルプ本で参加しなきゃ
 でも投稿所にホモ爆撃するのはさすがに憚られるからピクシブでやります 魔物化する前から男同士お尻愛はどう考えても怒られる
 今だ、セーラーデーモン!」

「はいっ!」

42名無しさん:2016/10/25(火) 22:12:23 ID:HjiNx4EM0
>>41
申し訳ないがふたばの怪文書は吹き出してしまうのでNG
あれのせいでタキシード仮面を見るたびに変な笑いがこみ上げてくるようになってしまったw

43名無しさん:2016/10/26(水) 11:30:41 ID:bO8AyqA20
>>41
ふたばネタやめいw

44名無しさん:2016/10/27(木) 21:39:27 ID:i9sbSen.0
>>40
CIAとKGBとモサドのコピペかw

4526:2016/11/17(木) 08:53:13 ID:njeUmFCo0
あなたが四歳のとき、わたしはまだお姉ちゃんだった。
一緒に遊ぶあなたはとても輝いていて、手がかかるいたずらっ子だけど、大切な友だちだった。

あなたが八歳のとき、わたしはもう親友だった。
身長が並んだと大喜びしたあなたは、これからは私を守るって約束してくれた。

あなたが十二歳のとき、わたしはちょっぴり悲しかった。
わたしはあなたと一緒に齢を重ねることができない。それがなんだか、あなたへの裏切りのような気がして。

あなたが十六歳のとき、わたしはきっと、勇気を出した。
その時のことは覚えていないけれど、あなたと結んだ手の意味は、昔と既に違っていた。

あなたが二十歳のとき、わたしはようやくあなたとの時間を覚えられるようになった。
不思議で奇妙ですこしだけこわい世界でも、あなたとなら進むことができた。

あなたが二十四歳のとき、わたしは一人の時間が多くなった。
掃除も料理も洗濯も、こんな身体には大変だけど、あなたの帰りはいつでも笑顔になれた。

あなたが二十八歳のとき、わたしは頻繁に左手を眺めていた。
永遠に小さな女の子だとしても、あなたは永遠の愛を誓ってくれた。

あなたが三十二歳のとき、わたしはお腹を撫でていた。
わたしとあなたが育てる子なら、とっても素敵な恋をするよね。

46名無しさん:2016/12/14(水) 01:01:42 ID:32ccteSc0
「貴方は明日死にます」

家に帰った僕の前に現れた悪魔は唐突にそう告げた。
青い肌で、黒い瞳の女性の姿をした悪魔だった。
何かの悪戯かと思ったけれど、彼女の姿はあまりにもリアルで、僕は否定することが出来ないでいた。

「……そうですか」
「はい、間違いなく明日死ぬ運命です」

俯く僕に、追い討ちをかけるように囁く彼女。
まだまだやりたいことが沢山あるのに。
親不孝のまま僕は死ぬのだろう。
手が意識を離れてガタガタと震える。

「ですが、安心してください。ここにいい契約があるんですよ」
「契約、ですか」

震える僕の肩を叩きながら、悪魔は一つの契約書を差し出した。
羊皮紙の上にかかれていたのは見慣れない文字列。
見たこともない言語だというのに、僕はすらすらとそれを読むことが出来た。

『わたしはあなたの寿命を24時間に一度、1日増やすことが出来ます。
代償として『あなたに出来ること』を1つづつ奪っていきます。
もし契約を破った場合。あなたの魂をいただきます』

『汝』だの『我』だの、難しい言葉で書かれているけれど、要約するとそんな話だった。
つまり、彼女は寿命の代わりに僕の自由を奪うのだ。

「そうですね、まずはお試しで--『車に乗ること』を禁じましょうか」
「……はい」

お試しというにはいささか重いことをさらりと言う悪魔に、僕は頷くしかなかった。
新しい車を買ったばかりだというのに。中々に性悪だ。
翌朝、若干家から遠い所にある駅から帰ってきた僕に「おつかれさまでした」と悪魔は料理を作って待っていた。
……正直、美味しかった。

「明日から『動物園』に行くことは禁止です」
「新しい服を買うときに、いつも使っているブランドを使うことを禁じます」
「あの人とは喋ることを禁じます。話しかけられても無視してください」

それから、僕の不自由な毎日が始まった。
動物も大好きだし、服はいつも使っているブランドが安くてお気に入りだった。
それに、あの人は唯一声をかけてくれる異性の同僚だったというのに。
いや、こんなお迎えの近い人間が話してもしょうがないかもしれないけれど。
「自慰を禁止します」といわれた日からは本当に苦しかった。
死期が近くても、僕は成人の男だ。溜まるものは溜まる。
トイレで触れないように(刺激すると意識してしまうから)それを取り出すだけでも一苦労だった。

そんな悶々とした日々を過ごす僕に、ある日悪魔がこんなことを言い出した。
「そんなに溜まっているなら、私を抱けばいいじゃないですか」
にやり、と笑った悪魔は、着ていたスカートをちらりと、たくし上げて見せたのだ。
蒼い肌の上にしっとりと浮かぶ汗が艶かしくて--僕はその日、理性を完全にかなぐり捨てた。
僕と、悪魔の身体の相性は……間違いなく最高だった。

次の日の朝、僕はいつもより早く目を覚ました。
隣では、悪魔が眠っていた。
あんなに激しくしたのだ。疲れて当たり前だ。
すやすやと無防備に眠る彼女を見て--僕はあることの実行を決意した。
ガレージに入って、車のキーを回す。
一月ほど動かさなかったそれは機械だというのに待ちわびたかのごとく音を響かせた。
正直、自棄だった。
死ぬのなら、自由なことをして死にたかった。

車を走らせ、会社に向かう。
……魂を取られる気配はない。
途中ガソリンスタンドに寄った時、「その車はリコールでてるから危ないですよ」と言われてしぶしぶ乗り換える必要があったが、その時はすこぶる自由な気分だった。

会社に着くと、蜂の巣をつついたような騒ぎだった。
何でも、会社で殺人事件があったらしい。
犯人は、僕の同僚だった。何でも男を誘惑しては保険金をかけて殺していたのだそうだ。
新聞を開くと、ライオンの檻が開いて動物園が大混乱、というニュースが一面に載っていた。
帰り道、服屋が潰れていた。
どうも、安物の繊維が原因でアレルギー事故をおこしたらしい。

「お帰りなさい--分かっていますよね」

家に帰ると、悪魔が待っていた。
僕は、小さく頷く。
彼女が渡した契約書には「婚姻届」とかかれていた。

47名無しさん:2016/12/14(水) 14:41:12 ID:VELMVVEw0
>>46
千文字越えてるよ。

4846:2016/12/14(水) 20:01:34 ID:32ccteSc0
>>47
投稿所の新着に載せる自信がないのでこちらに置かせてくださいm(_ _)m
文字数をきっちりしぼらないまま投稿してしまったこと、不快にさせてしまったこと。
申し訳ありませんでした。

49名無しさん:2016/12/15(木) 18:38:53 ID:0Ngpg5/U0
>>45
ちょっと寂しげな中盤からの最後の流れがほっこりした!

>>48
そこまで謝らなくてもw
何でそんな制限かけるんだろうというと所からのオチが秀逸でした!

50名無しさん:2016/12/28(水) 16:40:56 ID:QMUBOnNc0
ここに保存しておきたかった。雑談スレ15より抜粋

135: 名無しさん :2016/12/25(日) 11:58:07 ID:TlU3.jZ20

『私のクリスマスプレゼントになって欲しい』

そんな手紙が届いたのが、クリスマスの数日前のことで。
いったい何のことかと疑問に思っていた俺のところに、あのヒトがやって来た。

「あの……」
「め、メリークリスマス……」
「あ、はい。メリークリスマス……」

彼女はいつもの鎧姿と違って、ご丁寧に赤いサンタ服を身にまとい、だけど照れくさそうに少し視線を逸らしながら、俺にクリスマスの挨拶をしてきた。
普段は理知的で、冷静で、それでいてすごく格好良い女性。俺が所属している騎士隊の隊長で、俺の憧れの人。
その隊長が今日持っているのは、剣でなくて、バカみたいに大きい靴下だった。

「……手紙は読んだな」
「読みましたけど……あれ、もしかして」
「あぁ。あれを書いたのは……その、私だ」
「え……?」

まさか、彼女が俺のことを? ていうかクリスマスプレゼント? だからイブの夜にサンタのコスプレ? じゃあその、人がすっぽり収まりそうな巨大靴下って……。
ゴチャゴチャと考えていた俺だったけど、彼女が俺に向かって靴下の裾を広げたとき、想像が確信へと変わった。

「入れ。プレゼントは靴下の中だ」
「いや、おかしくないですか? 普通のプレゼントは吊るした靴下の中に、サンタさんが入れてくれるもので……」
「だから、プレゼントを靴下の中に入れに来た」
「いやいや、おかしいですって。サンタが靴下持って自分のプレゼントを詰め込みに来るって、まるで押し込み強盗か誘拐犯じゃ……」
「あぁもう、誘拐犯でも何でも別に良いだろう! 早く入るんだ!」
「うわっ!」

騎士隊の隊長から誘拐犯にジョブチェンジした彼女は顔を真っ赤にして、俺を頭から包み込もうと靴下を振りかぶった。
突然すぎる展開に靴下から身をかわし、彼女の脇をすり抜けて聖夜の雪景色へと駆け出していく。

「あっ、この! 待て、待たないか!」
「ゆ、誘拐されそうになったら逃げますって!」

いくら憧れの女性が相手だからといって、靴下の中に放り込まれるのはいただけない。
捕まるまいと逃げ出す俺のことを、背後から真っ赤な服の誘拐犯が追いかけてくる。

「こら、逃げるなっ! 大人しく私のプレゼントになるんだ!」
「大人しくなんてできませんよ!」
「もしや、もしかして、私のことが嫌いなのか!?」
「いや、そんなことは全く、全然! ホンットそんなことないっていうか、むしろ好きっていうか! えっと、その!」
「ほ、本当か!? 本当に私のことが、そうなんだな!?」
「あの、その、そうですけど!」

端から見れば痴話喧嘩か、単なるイチャツキにしか見えないだろう。
必死に彼女から逃げながらも、俺は顔を真っ赤にして、ニヤケ顔を晒して雪の上を走り回ってて。
それから後ろを追いかけてくる彼女も、やっぱり顔を真っ赤にしたまま、顔を綻ばせていて。

「ならどうして逃げるんだ! 家にはちゃんとチキンもシャンパンもケーキも用意してるぞ! あと、べっ、ベッドメークも完璧だぞ!」
「一緒に聖夜を過ごすならともかく、性夜を過ごすのは心の準備が欲しいです!」
「駄目だ、絶対に逃がさないぞ! 今日という日を私は心待ちにしていたんだ!」

それでも、ここで立ち止まって、彼女を抱きとめるわけにはいかない。
まだ彼女に、この気持ちをどうやってちゃんと伝えるか。
その言葉が、全然まとまってはいないのだから。

「ふふっ、観念しろっ! もう息が上がってるんじゃないのか!?」
「そんなこと! 貴女に鍛えてもらってるんだから、余裕です!」
「言うじゃないか、コイツめ!」

だから、まだまだ。
雪降る夜の中で。
まるではしゃぐ子供のように。
二人で、まだまだ。
こんな幸せな時がずっと続くようにと。
二人で、駆け回る。

136: 名無しさん :2016/12/25(日) 12:24:06 ID:7/CI2rWE0
>>135
GJ!

137: 名無しさん :2016/12/25(日) 15:48:20 ID:kkYgJYmU0
>>135
何者だ貴様。とりあえずGJ!!

51xzEV8pQc0:2016/12/28(水) 17:47:10 ID:u2gZjzCE0
132だけど、まさか俺の何とはなしのコメントがこんな良作SSにグレードアップするとは思ってもいなかったわ。
書いてくれた雑談の135(TlU3.jZ20氏)に感謝。
保存した。

52名無しさん:2016/12/28(水) 18:12:15 ID:QMUBOnNc0
>>51
勝手にコピーしてしまった者ですが、>>135さんの文才が素晴らしいのと同時に
そういう人に書かせようという意欲を沸き立たせるアイデアを提供できた>>132さんもGJとおもうのです

53名無しさん:2016/12/28(水) 20:12:42 ID:QMUBOnNc0
 ここに保存しておきたかった、その2

 数日前から体調を崩していた幼馴染にサキュバスの角としっぽと翼が生えた。私は自警団に追われながらも暴れる彼女を連れて街を逃げ出し、暴れる彼女に身を委ねた。私が襲い掛かったと言い換えてもいい。
 あれからずいぶん時間が経ち、既に人の身ではなくなっているが何も後悔は無い。幾度か人の討伐隊を返り討ちにし、討伐隊は仲魔達が貰っていった。
 何にも邪魔されず昼夜を問わず愛しい者と交り、互いの熱を感じる今に何の不満があるだろうか。今は立派な角を愛しく撫でながら私は彼女を貪った。

54名無しさん:2016/12/30(金) 08:36:40 ID:VsunZfLw0
 53のSSでは、返り討ちされた人の妻子が気になってしまう。討伐要素がないSSが好み。

55名無しさん:2016/12/30(金) 12:03:17 ID:CRtasVro0
俺はむしろバトルファックみたいな戦いを挟んで男が負けて女に逆レされるのが大好き。

56名無しさん:2016/12/30(金) 17:15:48 ID:dIAyqyJw0
>>54
でぇじょうぶだ。返り討ちにあったあと貰われたのは独身だけだ。

57名無しさん:2016/12/30(金) 21:36:26 ID:pkJlz//o0
倒した男は独身なら婿に、既婚なら妻を魔物娘にするのが過激派の嗜みだぞ

58名無しさん:2016/12/31(土) 08:18:05 ID:vDr8Iq8.0
>>56 これならOK(お約束的に)。
ただ気になるのは、魔物に魅入られた者は人間であるため、リアルに想像すると魔物娘の様に人間への愛がないから、
愛が転嫁して憎悪、即ち返り討ちが殺のケースも。
>>57 乳飲み子がいた場合どうなるのとか。遠方地でありかつ対魔結界で厳重に守られた神殿内等には、容易く入れないと思うが…
等々なので、殺伐要素がある討伐は×。

59名無しさん:2016/12/31(土) 15:37:32 ID:zfR273ao0
>>58
アスペの俺にはかなり共感できるレスだが、その辺俺は故意に思考停止する事で対処してるぞ。
魔物娘に取ってのご都合主義が働いてる世界だからあーだこーだってそんなに難しく考えない様にしてる。

60名無しさん:2017/01/17(火) 20:20:21 ID:QpB6kmAo0
ちょっと前、あるネットゲームで出会った人外との会話。

人外 『Japanese! Japanese!』

俺 『うっせえよ魔物、英語が地球の共通語とかナチュラルに思ってんじゃねえよ』

人外 『hmm…』

俺 『Fack you』

人外 『oh』

人外 『miss spell』

人外 『Fuck you』

俺 『Fuck you』

人外 『つまりヤッてもいいのね!?』  

その後、一緒に冒険(意味深)に出(意味深)かけ(意味深)、嫁になった。

61名無しさん:2017/01/18(水) 10:11:01 ID:W53knn3s0
魔物娘にFack you言ったらそうなるわなw

62名無しさん:2017/01/30(月) 23:15:03 ID:HWPNmYag0
スマホからの投稿、きちんと見れるだろうか…

とある富豪が気紛れに開催することで知られる魔物討伐大会、今回の討伐対象はスケルトン、彼女たちの身体の一部、骨を持ち帰る事で討伐とカウントされる。
優勝は白魔道士ドナテロウ氏で討伐数は異例の131体におよび過去最高記録を塗り替えた。
ドナテロウ氏は表彰され優勝商品として討伐したスケルトン131体との合同結婚式および新婚旅行をプレゼントされた。

〜『ある親魔領のニュース』〜


元ネタのFF12のハントカタログから、ああいうのって世界観が広がっていいよね

63名無しさん:2017/02/11(土) 22:21:04 ID:kwvwwV4g0
雑談スレ15から保存

671: 名無しさん :2017/02/05(日) 19:09:56 ID:NDsxpDlM0 「そんな、貴女ほどのお方が……」

 俺の驚愕の言葉が宙にむなしく消えていく。
 教団でも高潔で屈指の実力を持った勇者であった隊長。
 その腰から蝙蝠のような一対の翼が生え、頭部には羊のように曲がった角が天を向いている。
 教団内にいた頃には想像できないほど妖艶な鎧を身に纏う、その姿はまさに堕ちた勇者だった。

「うふふ、私は魔王様のシモベに生まれ変わったの。もう勇者の期待にも戒律にも縛られず、思うままに行動できるの……」

 そして彼女は捕らえた同僚のうつくしい肢体に指を這わせると、今度ははだけた衣服の中へとその指を侵入させた。
 弄ぶようなその所業に同僚は眉根を寄せ、たまらず吐息を漏らす。

「うく……はぁっ……や、止めろ……」
「今は毎日が幸せよ。彼に想いを告げることも自由なの……あなたと違ってね」

『あなたと違って』そう言って俺と同僚を見比べるかつての勇者。
 その言葉にうっすら上気していた同僚の顔が一気に赤みを増した。
 目は潤み、自由にならない手足を必死にバタつかせ、首を幼子のように振りまわす。

「だ、ダメだ、止めろ、言うな! それをアイツの前で言うなぁ!」
「素直になりなさい……彼のことが好きなのでしょう? 同じ人を好きになってるんですもの、私には分かるわ」

 同僚が、俺のことを? そんな、いつだってアイツはそんなそぶりだって見せず、ただの同僚で……。
 呆然と立ち尽くす俺の眼前で、痴態はより一層の過激さを増す。
 胸を中心にまさぐられていた手は、今度は下半身へとその場を移し、下着が存在しているだろうそこを重点的になぞるように差し込まれていた。

「ち、違うんだ! 私は、私はそんなことは……あ、あぁ……っ!」
「あら、嘘を言う子にはオシオキが必要ね。それならちょっと恥ずかしい所を……彼に見てもらいましょうか」
「ぅぁ、あぁ、アイツが見ている前で……いや、いやぁ……!」

 ガシャン、と音を立て同僚の腰部を纏っていたスカートアーマーが、地面へと落下した。
 かろうじてまだ彼女の女性の部分を覆い隠す、白い下着。
 今まで決して異性として意識してこなかった同僚の、女としての羞恥。
 俺は何故だか動くことができず、眼前の光景に釘付けとなっていた。

「やだやだぁ! ダメだ、見るな、見るんじゃない! お前が、ダメだ! こんな所を! いやぁぁぁ……!」
「うふふ、こんなに濡らしているのに……イケナイ子ねぇ」

 同僚が悲痛の涙を流す中、しかし無情にもその下着はするり、すりりと下ろされていき――


俺はこういうのが良いな。

672: 名無しさん :2017/02/05(日) 19:56:34 ID:IsIdoxpw0
わっふるわっふる!

64名無しさん:2017/02/11(土) 22:24:08 ID:kwvwwV4g0
親魔民スレから保存

864: 名無しさん :2017/02/07(火) 00:34:52 ID:s.wLUvlc0
目を覚ますとそこには目を見張るような美人がいた
輝くような白の髪、その髪をかき分け伸びる漆黒の角、エルフのような長耳、そして同性の私でも思わず頬を染めるほどの美貌…。
その持ち主は、私をルビーのような双眸で射抜くと言った。
「初めまして、異端審問官の娘さん。私は、この国の顧問をしている魔界第◇◇◇王女の●●●って…「あばっ…」」
目の前の魔物が怪訝な顔に変わる。それでも私は、溢れる激情に任せて言った。
「あばばば魔界の王女様でしたか!?それそそれはリリリリム様でお姫様ということでワタクシめのような木っ端役人がお目通りかなってしまって誠に恐縮至極でしぬがよいしたほうがそれともそんざいをけしたほうがあばばばばばば「ブフッ」」
眼前の高貴麗しい魔王のご令嬢は、キョトンとする私を尻目に、それまでの玲利な雰囲気から、破顔一笑すると吹き出した。
「やだっ、ちょっもう、なに!?普通おカタい異端審問官サマって『魔物には屈しない』とかでしょ!?そこからねっとりと堕とすつもりだったのにぶふっ、もうっまさかこんな反応ぶふふぁははは…!!」
そうして威厳を脆くも崩したお姫様の笑いが、しばらく尋問室にこだました…

それからしばらくして、ようやく落ち着いた私たちは、自己紹介と尋問を始めた。
私は新米の異端審問官で、本来なら教国の風紀を乱す者や、魔物やそれに協力する輩を摘発するのが、役目。でも、私はドジでバカで。今度もまた失敗して、あろうことか親魔物領に迷いこんでしまったのだった。
でも、そんな話を心優しきお姫様は、ちゃんと聞いてくれた。それどころか、
「あーわかるわ〜。私も結構ドジでね〜。今日もデルエラ姉様みたいに格好よく決めようと思ったらこれだもの。」
私たち意外とそっくりさんなのかもね〜♪ などとのたまうのだ。よく見ると顔立ちが似てなくもないが、プロポーションも美貌も洗練され尽くした、惚れ惚れするような淫魔の姫である。私のような孤児院育ちのペーペー公僕とは比べるのもおこがましい。そんな心中察してか、姫様はお決まりの一言を放った。
「ねえ、貴女も魔物にならない?」
ああ、やっぱりか。元々そのつもりだったのだろうし、戦場で女性が魔物にされる話も聞いたことはある。そして、そうなる前に舌を噛めというのも。さてどうしたものかと峻巡する。
「それに、教国に帰っても貴女死ぬわよ。」
うん、分かってる。親魔物領から帰ったところで異端審問を受けるのは自分なのだ。
「…すぐにとは言わないわ。親魔物領民が全員魔物でなくてはならないとは思わないし、リリムとしては、失格かもしれないけれど。」
そう言って立ち上がり、微笑みを賜るお姫様。その、今日一番の気品に溢れ、尚且飾らないという反則な笑顔に、私の心はまたも射抜かれる。
なんだ、魔物なんて、
こんなにも、人間らしかったのか。
優しく、そして、気遣える、そんな魔物の娘たちだったのではないか。
そうして扉の前で、じゃあまた明日、と言って去る傍らに、私は見た。
彼女の顔にそっくりな、優しい淫魔の幻が、私に微笑みかけるのを。
私はお姫様と、その幻を見送って、ストンと腰を落とし、不思議と、微笑む。
彼女が私になる日は、どうやらそう遠くはないようだ。

865: 名無しさん :2017/02/07(火) 00:40:29 ID:Iv.IPPLs0 >>864
超GJ!

65名無しさん:2017/02/11(土) 22:26:24 ID:kwvwwV4g0
したいされたいスレ2から保存

359: 名無しさん :2017/02/11(土) 19:54:20 ID:/IPKGM.60
 俺はこの現状をどう扱うべきなのだろうか。
 現状? 無二の親友からラブホテルに誘われてる。
 うん、どうすべきかさっぱり分かんねえや。

「ねえ、キミはボクとあそこに行くの嫌なの?」
「いや……あのな?」

 重い額に手を当てる俺の目の前で、この親友であるパンダ娘は黒い耳をピコピコさせながら小首をかしげている。
 モフモフな指を差す先には繁華街のラブホがあった。
 そう……このパンダ娘、なんとラブホのキラキラお城みたいな外見に、あそこが情欲交わる淫猥な場所でなく、なんだか楽しそうな遊園地的な場所であると勘違いしているのである。

「ねえねえ、早く行ってみようよぉ。すごくキレイで楽しそうだよぉ?」
「あー、うん。あそこは俺らが行く場所じゃないっていうか……」
「? 何で? ねえねえ、何で?」

 あーくそ、この時ばかりはこいつの無邪気な性格が恨めしい。
 俺もこいつの天真爛漫さが大好きで、ずっと遊び友達として親友してるんだが、こういう現場にぶち当たるとマジで困る。
 上手い嘘も思い浮かばないし……仕方ない、(一部)ホントのこと言って納得してもらうのが良いか。

「あそこは恋人とか夫婦が行く場所なの。だから俺らじゃ行っちゃダメ」
「えー、何で夫婦とかじゃないとダメなの?」
「ぐっ……」

 好奇心旺盛人熊猫。今現在超々厄介。対処益々困惑。我正直告白彼地優艶地。
 
 思わず思考が中華風言語に変換され、俺はタメ息をつきながら説明を再会した。

「お前的に言うと、あそこは男女のカップルが交尾するところなの。だから俺らは行かない。分かった?」
「……交尾?」
「そう、交尾」

 交尾、という言葉をポツリと呟く親友。
 それを幾度か繰り返し、俯き……再度俺のことを見上げた。

「交尾!」

 わーお、何その超輝いたお目めは。俺やっちまった感に目が涙で輝きそうなんだけど。

「交尾! 行こ、あそこ! ねえねえ、早く! 早く行こ!」
「だーこらっ、その手を離せ! 俺は親友と朝チュンする気はさらさらねーぞ!」
「えー、何で!? キミはボクと交尾するのが嫌なの?」
「嫌じゃないけどこんな展開で初体験とかゴメンだっつの!」
「……うー」

 必死の抵抗をする俺に業を煮やしたのか、親友はその場でへたり込む。
 こいつがこの仕草をする時、やることは一つである。
 ……そして、俺がこいつの親友を辞めたくなる唯一の瞬間だ。

 パンダ娘は背中からごろんと地面に転がり。

「イヤだいイヤだいボクとあそこに行ってくれなきゃイヤだいボクと交尾してくれなきゃイヤだい!」

 両手足を振り回し、みっともなくダダをこね出した。

「い、いくらダダをこねたって俺はお前とは……」
「イヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだい!」
「ちょっとは聞けよ、俺の話!」

 俺の言葉に全く耳を貸すことなく、この駄・パンダは地面を転がり、すりっとの隙間からおみ足を覗かせている。
 
 まったく……どうしたもんかな。
 もし友達から先に進むことがあったなら。
 その時は男らしく、ちゃんと自分から告白しようって決めてたんだけど。
 人の気も知らないで、気軽に言ってくれちゃってさ。

 周囲のクスクス笑いが、俺の気持ちを見透かしているようで居心地悪い。
 とにかく、この現状をどう扱うべきなのか。
 やっぱり解決策が見つからないまま、俺は足元で愛らしく転がるパンダ娘を見つめ続けていた。

「イヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだい!」
「だーっ! 分かった! 分かったからダダこねんの止めろってば!」


魔物娘との友情って難しそうだね

66名無しさん:2017/02/12(日) 15:50:06 ID:vlDumjXA0
>>64のオチがよくわからん…
異端審問官の娘ちゃんが幻覚を見せられて洗脳されかかってるっていうこと?
誰かこの読解力のない猿に教えてください…

67名無しさん:2017/02/12(日) 19:34:14 ID:giWshNBk0
今更だけど、俺のレスまとめてくれてた人がいるみたいでありがとう
評価してもらえて本当に嬉しい。自分の書くものに自身が無いから

68名無しさん:2017/02/12(日) 20:32:29 ID:SCkh/WCM0
>>67はどの作者さんなのかな
3つあるけど、どれも好きですよ
>>63は、やっぱり教国にいたら決して結ばれなかったであろう二人が堕ちていく前の描写が濃くてすき
>>64は、やさしく魔物化される前日譚の百合っぽい雰囲気がすき
>>65は、いちゃラブの現代魔物カップルの日常って感じのほっこりした感じがすき
つ゛ ま゛ り゛ 全 部 す゛ き゛ た゛ ! !゛ 

>>66
自分と似た雰囲気のリリム殿下に、魔物化した未来の自分の面影を見たというオチでは?
そして最後で微笑んでる時点で、無意識に魔物になる運命を受け入れてしまっている、ともとれる。

69名無しさん:2017/02/12(日) 20:46:57 ID:giWshNBk0
>>68
俺のは>>63>>65、ついでに>>50
今日転載があったのに気付いたから反応遅れて申し訳ない

70名無しさん:2017/02/12(日) 21:30:01 ID:SCkh/WCM0
>>69
掲示板って、こう、掲示しておくところですし、そんな謝ることではないとおもうのです
貴方の作った話がもっと読みたいので、もしSS作家さんだったら、こっそり誘導とかほしいです

71名無しさん:2017/02/12(日) 21:44:20 ID:giWshNBk0
>>70
悪いが自信持って名前出せる作者じゃないんだよなぁ
ほとんど黒歴史確定のSSばっかだし

ご面倒ですが今日新着の読み切りからそれらしきSS作家を探してください
ホントはお礼代わりにここに投稿しようと思ったけど
長くなっちゃったので投稿所に出した作品がありますので

7270:2017/02/12(日) 22:34:57 ID:SCkh/WCM0
                   ,'⌒,ー、           _ ,,..  X
                 〈∨⌒ /\__,,..  -‐ '' " _,,. ‐''´
          〈\   _,,r'" 〉 // //     . ‐''"
           ,ゝ `く/ /  〉 /  ∧_,. r ''"
- - - -_,,.. ‐''" _,.〉 / /  . {'⌒) ∠二二> -  - - - - - -
  _,.. ‐''"  _,,,.. -{(⌒)、  r'`ー''‐‐^‐'ヾ{} +
 '-‐ '' "  _,,. ‐''"`ー‐ヘj^‐'   ;;    ‐ -‐   _- THX ちょっと新着行ってくる
 - ‐_+      ;'"  ,;'' ,''   ,;゙ ‐-  ー_- ‐
______,''___,;;"_;;__,,___________
///////////////////////

73名無しさん:2017/02/19(日) 17:22:37 ID:Jzn.Uin60
「ふわぁ…温泉に酒はいいねぇ」
火鼠は銚子を煽った。その女性は名を『虎杖(こづえ)』と言った。
「ね、ね、この前ねぇいい雄がいたんだよ」
キャキャと騒ぐねこまた。こちらの名前は『月影(つきかげ)』何とも時代劇な名前だが
皆からは『ツキ』とか『ツッキー』と呼ばれている。
「いいなぁ〜ボクもヨーコさんみたいな大きいおっぱい欲しいなぁ…魅力的なお尻も羨ましいよ」
こっちのボーイッシュな少女はカク猿。皆には『エン』と呼ばれている。
「ヨーコさん、どうしたらそんなにおっぱいが大きくなるんですか?」
「え、どうしてっていわれても……え、えっとね、私がエンちゃんぐらいの時には同じぐらいだったのよ」
「ホントですか?やっぱり長く生きれば自然とおっぱいは脹らんでくるんですね♪」
エンが眼を輝かせながら言った。
「ウソはよくないぞ、ヨーコ」
ぐびっと酒をあおり、明後日の方をみながらの虎杖にエンの希望は一刀両断された。
「え……ウソなんですか?」
「当たり前じゃない。優しい姉御だからエテ公に気をつかったのよ」
「だ、だまされないぞ!」
「あんたはホントに無知ね。オナニーのしすぎでバカになったんじゃないかしら?」
「まぁまぁ…ツキちゃん、そのくらいに…ね、エンちゃん、大きいおっぱいが嫌いな人間もいるから」
最後に皆をなだめたのは白い九本の尾をもった狐の女性だった。皆のまとめ役だ。
「姉御、それは致命的な間違いよ。無乳幼女共が言うくだらない願望だわ。姉御にその豊満なおっぱいで迫られて
パイズリされた男は間違いなく絶頂射精し、メロメロになるわ。 姉御には九本のふもふも尻尾で
しごいてあげる超必殺技があるし、 九人同時に絶頂射精させることも可能なんて、とっても素敵だわ。
名づけてナインテール・オナニーね」
「な、ないんてぃるおなにぃ?」
エンが眼を丸くした。横文字が苦手なのかよく意味がわからないらしい。
「それに希にホントに小さいおっぱいが好きな男もいるけど、それは私くらいに
慎ましいおっぱいの持ち主に流れてくるから洗濯板みたいなおっぱいが好きな男はいないのよ」
勝ち誇ったように胸を張る月影。そのおっぱいは確かに淡く脹らんでいる。
「………洗濯板もまな板も大して変わらんぞ」
ボソッと虎杖が言った。グサと楔がハートに打ち込まれたように月影が呻きながら言う。
「どういう意味かしら…虎杖さん」
「言った通りだ。私からみればお前もエンも大して変わらん。
どんぐりの背比べもいいところだな。乳で篭絡することができるのはせいぜい私ぐらいまでだ」
ザパッと湯から上がった虎杖はその豊かな膨らみをぐいっと抱えた。
ヨーコこそ及ばないが、それなりの質量がある。引き締まった胸筋に支えられて
ツンと上を向いている乳首は実に官能的だ。
「わ、私は……妊娠すれば……おっぱいは2倍くらいにはなるし…ハリとツヤだって」
「そんなのボクだってなるよ!ハリやツヤはツッキーよりあるもん!ねぇ、そうでしょ虎杖さん」
「だからくだらんどんぐりの背比べだと言っているんだ。それにさっきから乳だ、乳だとうるさいぞ。
乳の大小などで言い争いなど、どうかしている」
シッシと手を振る虎杖によって第一次おっぱい大戦は終戦した。
「よくみれば…虎杖さんのおっぱい、左と右でちょっと大きさ違いませんか?」
月影がボソっと呟いた。
「…………何ィ?」
第二次おっぱい大戦、勃発。
「そういえばそうですねぇ…」
チラっとエンにアイコンタクトをとる月影は実にしたたかだった。
(今は一時、休戦よ。アンタも何か言ってやりなさい)
(ああ、わかってるよ)
猫と猿の無乳同盟が締結された。
「虎杖さんのおっぱいって左と右で全然違うし、形が最悪だよ!しかも垂れてだらしないし、下品だし、乳首だって黒いもん!
ヨーコさんと違って尻尾の毛だって針金みたいに固くて痛いからナインテール・オナニーもできないんでしょ。
それにお酒を飲んでいるみたいだけど、それって実は甘酒なんでしょ?ボク、知ってるもんね!」
ふふんと薄胸を張って得意気なエン。それとは対照的に真っ青な顔をしている月影。
(この超弩級バカ…あーあ、私のせいじゃないからね)
したたかな月影もエンがここまで遠慮のない挑発的な発言をする事は計算外だった。
虎杖は酒の入った盃をその手で粉砕し、尻尾を逆立てて立ち上がった。
「エン…お前…そこまで啖呵を切ったんだ。それなりの覚悟はできているんだろうなぁ?」
「あ、あの〜…ね、虎杖、ね、お、落ち着いて……」
もはやヨーコの仲裁は何の役にも立たない

74名無しさん:2017/02/19(日) 18:22:12 ID:CK34hfgc0
>>73
途中で終わっちゃってるけどこれは習作かな?

75名無しさん:2017/02/19(日) 19:08:46 ID:Jzn.Uin60
>>74
昔の習作です。
データ整理中に発見したものでこちらに投稿させていただきました。
日の目を当てたい!感もあったりします。

76名無しさん:2017/02/19(日) 19:18:21 ID:CK34hfgc0
>>75
了解っす
昔の習作かぁ、今のあなたの文章が読んでみたいなぁ(チラッチラッ

77名無しさん:2017/02/19(日) 19:30:35 ID:Mo0P5.nY0
ここって未完成の習作でも載せていいの?
よかったら載せて反応見たいやつがあるんだけど…

78名無しさん:2017/02/19(日) 19:34:42 ID:CK34hfgc0
>>77
良いんでない?
さぁ、カモンカモ〜ン!

79名無しさん:2017/02/19(日) 20:10:03 ID:fWx5H1gI0
マジで?
未完成OKなら氾濫できるけど

801/2:2017/02/19(日) 20:19:24 ID:Mo0P5.nY0
「黒子さん、いるかな。くーろこさん。」
「……っ……っっ…」
 
 あれ? 人の気配がするのに、返事が無い。中からはガサゴソと物音が聞こえるのみ。

「店主さーんー? おーい、くろこさーんっ。」
「…れー? …お…しぃなぁ……、…んで…」

 もう一度声を掛けるも、中のガサゴソが大きくなるばかり。仕方が無いので、中にいるのはわかっているのだし、と思って中に入ることを決めた。

 …思えばまさかこれが…、自分の人生を大きく転換させる扉となるなんて…、誰が思っただろう…。

「店主さん、入る、よ。って、え?」
「あれー? どうして無いのかなぁー…、え?」

 俺は…、そのまま固まってしまった。
 だってそうだろ…? 好きな娘の背中から…
 当然、今までふつうの人間だと思ってた彼女から…
 人間にはないモノが…、生えてたんだから…! 

<big>「うゎぁあーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!?????」</big>
<big>「ひゃぁあーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!?????」</big>

 彼女の背中から出てるのは…翼…?
 よく見ると…口から覗くのは…牙…?
 瞳も赤くて…、耳も尖っていて…、それは…、それは…!

「あっ、あの、違うの! これっ、これはっ、ね。あの、その、ええっと…。
 とっ、とにかく違うんだよっ! これで、何かするわけじゃないから、あの…っ! あの…っ!! お、おねがい、逃げない、で…。」

 俺は…、どうしてしまったんだろう…。
 今まで全く見たことの無かった…、こんな彼女を見て…。
 もう何も、とりとめもなく、顔を真っ赤にする彼女を見て…。
 それも…、明らかに人じゃない、そう“魔物”の彼女を見て…。
 最後は弱々しくなる、声を小さくする彼女をみて…。

 「かわいい」って、思ってしまうなんて…。

  ・  ・  ・

812/2:2017/02/19(日) 20:22:29 ID:Mo0P5.nY0
「あ、あの…これ、届けに来たん、だ。」

 そう言ってようやく、本来の目的、彼女の忘れ物、花飾りを返す。
 夜になって、この髪飾りの花は淡く白く、発光している。

「あ、ありがとう…。これのためにわざわざ…来て、くれたんだ…。」

 彼女はそのまま、普段ローブにつけている飾りを髪飾りにする。
 今の彼女は銀色の髪をしていて、…光る髪飾りは、白銀の雪山を照らす明かりのようで…、よく、映えていた。

 そのまま、沈黙が、少し、流れる。

「あっ、あのっ。」「え、えっと、さ。」
「どっ、どうぞ。」「い、いいよ先に。」

 同時に言って、同じく返す。
 そのまま、みるみる顔を赤らめる彼女に、心臓の鼓動を強めながら、彼女の次の口を待った。

「あの…。もう、わかっちゃったと思うけど…、私…、魔物なんだ…。」
「翼と牙があるけど…、その…、吸血鬼…なんだよね。」
「…うん。この翼もね、自分の身体の一部なんだけど、簡単な魔法で、いろいろ変化できるんだ。マントにしたり…、服にしたり…、こうやって広げて…、テントにしたり…。」

 そう、今いるテントは、実は彼女の翼が変化したものなのだ。外から見たら普通の黒い天幕だが、実は中では彼女の背中にそのまま繋がっているのだった。

「翼が冷えたりとか…、しないの?」
「あ、それは平気。私は翼の意識を切り離せるから…。」
「そ、そう。すごいん、だね。」
「そ、それほどでも、ない、よ。」
「あの…、それで…、料理人さん…って呼んでいいのかな。」
「トビーでいいよ。黒子さん。」
「それじゃ…、あの、トビーは…、怖くないの?」
「えっ?」
「あの…、私…、その…、吸血鬼で…。」
「いや、別に…。」

 話すたび、口元から牙を覗かせ、くりくりとした、昼とは違う赤く染まった二つの瞳を向けられる。
 そう言われてみれば、そうだ。彼女は魔物で…、つまり人を食べるという…、恐ろしい怪物…のはずだ。

 彼女は、どこか後ろめたいような感じで、不安そうな赤い双眸を向けてくる。
 その様子は…、“残虐の限りを尽くし、人肉を喰らう邪悪な魔物”や、“血を吸い尽くし、神に逆らい破滅に導く吸血鬼”という、自分の知るイメージとは程遠い。
 こんな彼女が…魔物だって?

「…あの、黒子さんって人を食べるの?」
「た、食べないよ! もちろん食べたくもないよ!」
「…だよなぁ…。なんか魔物のイメージとかけ離れてるんだけど…。」
「それはね…、説明すると長くなるんだけど…。」

 そうして彼女は話してくれた。
 今の魔物のこと…、魔王の代替わりのこと…。
 魔物にとって…、彼女にとって人間は…、愛すべき存在だということ…。
 俺の知ることは…、随分昔のイメージなのだそうだ。

「…あ、あのごめんね。なんか私ばかり話しちゃって…。」
「いや、全然問題無いから。すっごい興味深い話だったし…。」
「そう…。ありがとう。よかったよ…。トビーがこの街にいてくれて…。」
「別に、俺は何も…。」
「ううん。…これなら、今までで一番いい気持ちで…、次の街へ行けそうだから…。」

 え…? 今、なんて…? 次の街へ、だって?

「ごめんね。だけど、今日見て聞いたことはできれば内緒にしてね。もしかしたら、貴方まで魔物の仲間だと思われちゃうから。
 でも、どうしても危なくなったら…、“その魔物は東へ逃げた”って言ってね。」
「黒子さん…? そんな、どうして…。」
「何ていうのかな…、大きな秘密を胸にしまって置くってね、だんだん胸自体、そして身体をどんどん疲れさせちゃうの。
 だから…、こうして正体に気づかれたら、遠い別の街に行くことにしてるんだ。」
「そ、そんな。」

 そうして、彼女は羽のテントを解くと、そのまま翼をマントにして纏わせる。
 本来の吸血鬼の姿になった彼女は、夜の冷たい風のなかで、輝いて見えた。

「…そ、そんな顔しないでよ。安心して、少なくとも100年はこの街には来ないから。どうか、トビーのせいだなんて思わないで。私が普通にテントを作ればよかったのに、こんな羽のテントなんて横着するから…。」

 そうして、にっこりと、でも少しだけ引きつった、笑みをくれる。
 …やめてくれ。そんな、悲しい微笑みなんて…。

「私なら…、ほら…大丈夫。今度は、誰も怖がらせない、今までで一番やさしい旅立ちなんだから、ね。」

 …わかるよ…。君がいま…、作り笑いをしてることなんて。
 本当は…君は…、人とこんな風に話すのが…、好きなんだろ…?

「さようなら。元気でね。一番贔屓にしてくれて…、ありがとう。それj「待って!!」」

82名無しさん:2017/02/19(日) 20:35:13 ID:8t3Inx4w0
>>81
君はまず別スレですることがあるんじゃないかな

83名無しさん:2017/02/19(日) 20:41:19 ID:n.B2C6RE0
>>80>>81
図鑑スレに書き逃げしている奴の評価なんか中身を見るまでもなく最低評価。

84名無しさん:2017/02/19(日) 20:43:07 ID:Jzn.Uin60
>>76ありがとうございます。キョンシー項目の一番目の者です。
データ整理中なのでまた出てきたら日の目を当てたい

85名無しさん:2017/02/19(日) 20:54:04 ID:CK34hfgc0
>>80>>81
とりあえずここ1レスSS集積所だし、載せるにしても1レスに纏めた方が良かったかな
あと他所のスレのことなので言いたかないけど、場を収めるためのレスしてくるのを勧める

中身で言えば三点リーダーを偶数回使うとか文法ルール守るのと
三点リーダー、読点の使用回数を減らすと読みやすくなるかなと

8680,81:2017/02/19(日) 21:03:50 ID:Mo0P5.nY0
申し訳ありません、図鑑スレで関係ない長文を書き散らしてしまいました。
それに加えてそれを無視してこのスレに書き込んでいました。本当に申し訳ありません。

87名無しさん:2017/02/19(日) 21:10:26 ID:CK34hfgc0
>>86
まあ雰囲気とか色々気をつけてね
そう気に病むほどのことではないと思うし

今後ここに収まりきらない長さの文章を見て貰いたかったら
ちゃんと了解を取ってから、書き手雑談スレでご意見伺いしたらどう?
ルールさえ守れば皆ちゃんと意見くれると思うよ
でも厳しい意見来ても泣かないように

88名無しさん:2017/02/19(日) 21:18:38 ID:iv2Fc/T.0
>>86
悪いけどこの話はお蔵入りしたほうがいいと思う
ボーイミーツガールもので好きだけど、投稿するだけで「掲示板でアレした人」ってわかっちゃうし…

89名無しさん:2017/02/19(日) 21:39:32 ID:Mo0P5.nY0
>>87,88
アドバイスありがとうございます。今後の参考に致します。
>>88さんの言うとおりにしようと思います。
ありがとうございました。

90名無しさん:2017/02/19(日) 22:05:10 ID:CK34hfgc0
雰囲気変えの超即席SS


「ねえ、おにいちゃん」

 それはいつものように、アリスが俺の家に遊びに来ていたときのこと。
 リビングのソファーで本を読んでいた俺の膝に、ぴょんとアリスが乗ってきた。

「ん、どうかしたか?」
「んふふー……ねえ、おにいちゃん」

 リボンを付けた長髪から、ふわりと子供らしい甘い香りを漂わせて。
 腕の中に潜り込んだアリスが俺の顔を見上げている。

「アリスがおおきくなった、おにいちゃんはアリスとけっこんしてくれる?」

 またか、と俺は苦笑してアリスを抱きしめる。
 大きくなったら、という子供らしい結婚の約束だが、アリスはいつも俺にこんなことを言ってくる。
 そのいじらしさがカワイイのだけど……残念だけど、アリスは大きくならないんだよなぁ。

「あはは、もちろん。アリスが大きくなってくれたら、俺は喜んでお嫁さんにするさ」

 そうは言っても、わざわざアリスのプロポーズを断る理由も俺にはないわけで。
 アリスの柔らかな感触を堪能しつつ、その頭を撫でていた。
 すると、アリスはまた「んふふー」とポケットの包みを取り出し。
 その中身をポイと口に放り込んだ。

――ごっくん。

――ポンッ!

「うわっ!?」

 音と共に小さな煙が上がり、なぜか膝の重みが急に増した。
 何事かと驚く俺の身体にエプロンドレスを着た金髪の美女が密着している。
 信じられないけれど、この服装は確かにあのアリスのもので……。

「あ、アリスなのか……!?」
「んふふー。そうだよ、お兄ちゃん?」
「な、なんで突然大きく!?」
「不思議の国のケーキ。今日お母さんが持たせてくれたの」

 ミニスカートになってしまったドレスの裾に、自己主張しすぎて胸元が露出してしまったバスト。
 突然すぎる変身に慌てる俺に、アリスはちゅっと音を立ててキスをして――

「ほら、アリス大きくなったから……結婚してね、お兄ちゃん♪」

 ――俺の独身生活も、音を立てて崩れていった。

91名無しさん:2017/02/19(日) 23:46:06 ID:7ryAJOOI0
>>90
貴方紳士だね
SSも面白いし

92名無しさん:2017/02/19(日) 23:52:04 ID:CeYqLITo0
「タイトル:この極悪人め!」(。。

俺は行商人だ。
誠実な商売を心掛けていて、商人があまり来ない村々に生活雑貨を行商して回っている。
誓って、悪いことはしていない。
なのに俺がこの村に来た途端、自警団の人が一言。

「万引きの常習犯め。もう我慢できんぞ」

彼女はこの村でよく見かけるリザードマンの若い娘さん。
剣を抜いて襲い掛かる姿は凛々しいのだけど、今はちょっと勘弁してほしい。
逃げながら何度説明しても顔を真っ赤にして、目を尖らせて追いかけてくる。

行商人は足と体力が命。
彼女の体力が尽きたのを見計らって、俺は質問した。
俺が一体何を盗んだんだって。

「うるさい! 黙れ!」

涙目になった彼女が少しかわいかったので、背負った荷物からハンカチを取り出した。
とりあえずこれで涙を拭いて、って。
けれど逆効果だったみたいで大泣きされてしまった。
どうしたらいいのかわからず頭を抱えていると、彼女は急に笑い出した。

「ははは、負けた負けた! この盗人め。私を二度も負かすのか」

剣を放り出して笑う彼女に、再度聞いてみた。
一体俺は何を盗んだんだって。

「私の将来だよ。もうお前しか見えないから責任取れ、旦那様♪」

困ったな。
プロポーズする前に言われてしまった。
さて、俺の告白する機会を奪ってしまったこの悪人に、俺は何を言ってやろうか。

返答待ちで小さく震える未来の奥さんを前に、俺は無駄に時間をかけて考え込んでやった。

93名無しさん:2017/02/20(月) 00:24:39 ID:Qe1q8eg60
>>91 旦那さまいけずやわ〜
>>90>>63,65、>>80>>64の人?
どっちも話は好きなんだけとなあ
仕方ないだろうが、久しぶりのヴァンパイアさんSSが…

94名無しさん:2017/02/20(月) 13:54:28 ID:0Hr4.N/s0
>>92
私のハートを盗んだ云々ってやつですね分かります

このスレももっと盛り上がると良いなあ
誰か批評希望の習作とか出せる人いたら自分が感想付けるのに

95名無しさん:2017/02/20(月) 19:52:51 ID:pa5FYsy.0
>>73です。見つかったので第二弾。
俺の名前はタクヤ。19歳、半年ほど前だ。友達の紹介で雪女とつき合うことになった。魔物娘の子は初めてだったが肩まである髪をヘアゴムでまとめたおとなしめの子だった。ルックスは良く、色白で胸やお尻はけっこうある。俺の好みの女の子だ。が、徐々に明らかになる彼女の本性。
そいつの名前はトモコと言った。

「おい、トモッ!入るぞ」
ガチャッと合い鍵でそいつの下宿であるアパートの部屋に入る。
中はカーテンで締め切られ、昼間だというのに薄暗く寒い。まぁそれは良い
雪女の冷気なので夏は快適だ。問題なのは本体の方だ。パソコンに向かい、クリックを繰り返している。耳にはヘッドホン。
「おい、トモ!聞いてンのか!コラ!」
「えへへ…えへへ…おっぱいから先にイク?イっちゃう?」
前かがみになって息を荒くしている。俺は手近にあったメガホンでそいつを殴った。前にイベントでもらったヤツだ。
「それ、れ―――痛ッ!」
そいつは頭を押さえて振り返った。
「何よアイゼンバッハ。ノックくらいしなさいよ、変態エロ美大生。せっかく
これからオナニータイムだったのに!」
ヘッドホンを外し、PC用眼鏡を外しながらブツブツと言う。
「変なあだ名で呼ぶな!カミングアウトすんな!部屋が暗い!カーテン開けろ!掃除しろ!ゴミ捨てろ!」
「はぁ〜何も解ってないわね。ネットの海は広大よ」
無視してカーテンを開ける。光が差し込み部屋の中が一気に明るくなった。
「ああああ!眼が!眼がぁ!ああぁ〜」
一緒に見た天空の城の某大佐の真似してやがる。
「カーテン閉めてぇ…眩しくて暑いのは苦手なのよォ」
雪女なので直射日光はマジで厳しいらしくカーテンを閉めてやる。
「んでお前、ちゃんと昼飯食ったのか?」
「うまい棒3本。お腹減った」
「不健康すぎだ、何か作ってやるよ」
「それならラピュ○パンがいいわ、あとリンゴに1つにあめ玉が2つ」
もう一回、メガホンがうなった。

簡単な食事を作り、腹を満たしたトモコはご満悦らしい。
「あー美味しかった。いつも感謝しているよ。たっちゃん」
トモコは麦茶をグラスに注いで、アニキャラコースターの上にトンと置いた。
「今に始まったことじゃねーしなぁ……サンキュ」
トモコは重度のアニメオタクだ。デートと称して連れて行かれた所は異世界だった。アニメの衣装を着てグッズやら本がずらりと並べられている様は圧巻だった。そして何枚か写真を撮られた。高校の制服持ってきてね♪と言ったのはこの為か!ちなみにトモコも高校時代の制服を着ていた。
「同人誌の話、考えてくれた?」
「あー…絵を描けって話だろ」
「ね、お願い。二人でどーじんし作ろう。たっちゃんの画力なら絶対売れるよ」
「俺さ、アニキャラのエロを描くために大学行ってるんじゃねぇっての」
トモコがあわてて言った。
「だ、大丈夫よ。最初から過激なヤツはしないから…そうね、触手に
中出しされて妊娠、出産か産卵エンドあたりで描いてくれない?」
「触手ってイカかタコか?人は卵産まねぇんだよ。アニメキャラがヤッてるだけでも過激なのに!なんなんだ、出産ぁ産卵って!」
「面倒なのは全部私がやるから。原稿を描いて24ページくらいで」
「やだよ。課題もあるし、バイトだってあるし」
「お礼は身体で払うから」
「……………やだ」
「今、考えたでしょ!考えたでしょ?身体だけが目的なのね!?私をめちゃくちゃに犯すつもりでしょ!どーじんしみたいに!」
両頬に手を添えて、叫ぶオタク雪女。メガホンが以下同文。

96名無しさん:2017/02/20(月) 20:11:00 ID:0Hr4.N/s0
>>95
有言実行
感想。俺のゆきおんなさん像を返せこの野郎

あなたらしい他の作品もチラ見してきたし
批評希望ならもうちょい細かく突っ込めるけどどうする?
自分に突っ込まれるのが嫌ならリャナンシーちゃん呼んできて代わってもらう

97名無しさん:2017/02/20(月) 20:40:23 ID:pa5FYsy.0
>>96リャナンシーさんの甘口ならお願いします。
辛口はマジヘタれるから勘弁してください。

98名無しさん:2017/02/20(月) 21:05:02 ID:0Hr4.N/s0
>>97
はい、呼ばれて飛び出てリャナンシーちゃん登場!
甘口ということだから、(わりと)優しく指摘してあげるわね!

まず良い所は会話のテンポね。ギャグ描写になると軽い会話の応酬が楽しく読めるのは大きなポイント。
「どーじんしみたいに!」のくだりは定番だけど笑っちゃったわ。
こういった読者を笑わせられる会話を書けるのはすごく大事なことよ。

その会話を読みやすくするためにも、改行で行間を空けることをオススメするわ。
それ以外にも文章作法がまだまだ守れていない所が多いから、そこは改善するべきポイントよ。
文の先頭は一文字空けて、三点リーダーは偶数回使用。それから、!や?の後も1マス空けること。
この辺りを直していくだけでも大分文章がスッキリした印象になるはずよ。

それから、地の文章をリズム良く入れていくことも課題ね。
他の作品とかを一通り目を通してきた印象だけでも、『〜〜した』とか、『〜〜と言った』みたいな文章が多くて、ぶつ切りっぽく感じられちゃったところがあったから。
これを改善するためにはまずキチンとした推敲。自分で落ち着いて文章を読み直してみることはとっても大事よ。
それもちゃんとできてるなら、今度は好きな作者さんの文章をよく読んでみて、その文体とかを真似る練習をしてみる。
リズムの良い文章が書けるようになったら、きっと会話も一層面白くなっていくはずよ。

ちょっと厳しく感じられるかもしれないけど、あなたにはこれだけレベルアップできる箇所があるってことだからね!
それを一つ一つクリアしていくだけで作品が見違えるようになってくるはずだから、ちゃんと自信を持つこと! 分かった!?
あなたの作品にある素敵なキラキラを私は楽しみにしているからね! 絶対にヘタれちゃダメよ、良い!?

以上、リャナンシーちゃんからでした!

99名無しさん:2017/02/21(火) 13:58:26 ID:oAlM.Cc60
>>97です。指摘された点に注意しつつ書いてみました。文体を変えてみました。
リャナンシーちゃんどうでしょうか?レンシュンマオ夫婦の情事を覗くショタバイト君

 
 僕の名前はハン。料理店『クロシロ』でバイトをしている。
こじんまりした店だけれど美味い、安いと毎日繁盛しているので忙しい。
料理もそうだけれどお客さんの中にはここの若い女将さん目当てに来ている人もいる。
 
 「いらっしゃいませ!今日も来てくれたんですね! 」

 明るく笑顔で応対する女将ことキエンさんはレンシュンマオ。
店長さんの奥さんだ。白い頭髪にモフモフした黒い毛で覆われた腕。
何よりその豊満なおっぱいにお客さん達は魅了されているのだろう。
かくいう僕もその一人だ。
 
 「お昼の賄い何かな……」
 
 僕は店の前に準備中の札をかけ掃除を終えると休憩室へと向かう。休憩がてら昼食は三人で賄いを食べるのが通例となっている。店長が作る賄いはとても美味しいので僕は嬉々としてドアノブに手をかけた。

 「ああ!いいよ!すごく締まっている! 」
 「はああああッ……ふぅ……くぅぅ……」

 その声に心臓が凍りついたように動けなくなった。
僕はドアノブに手をかけたまま時が止まったように固まってしまった。
これって……あ、あの二人が……エッチしている!?

 「はッああッ……あは!いい……そこ…もっとして! 」
 「おおッ……キツイ……はッはッキエン!キエン! 」

 僕は膝を折って、その場にへたり込んでしまった。
バンダナを震える手で解きドアの向こうから聞こえる淫靡な声に耳を澄ませる。
いつも明るいあの二人が昼間から情事に耽っているなど想像もつかなかった。

 「もっと、もっとォ!もっとパンパンして! 」
 「ああキエンの中!中!気持ちいい、気持ちよすぎる! 」

 いけないとは思いつつもゆっくりドアノブを回した。僅かな隙間が空き中の様子が視界に入る。最初に眼にしたのはキエンさんの黒い腕だった。
ソファをギュッと掴み振り子のように頭部が揺れている。視線をずらすとゆっさゆっさと揺れる大きな乳房が目に入った。

 「はッ……も、もうあの子が……ハン君が来ちゃう」
 「大丈夫だよ……まだ掃除している時間さ」
 「で、でも……もしこんな所を見られたら……んんッ」
 「君は見られて興奮するタイプだろ? 」
 「ん……シンさん……唇吸って……声が出ちゃう」
 
 キエンさんは眉間にしわを刻み、吸いつくようにして店長と接吻した。
互いの舌を絡ませる深い接吻、時折苺のような舌が唇から覗いた。
生々しすぎる情事を目の当たりにして痛いくらいにペニスが勃起した。

 (もっと、もっと見たい……)

 ぎりぎりまで身体をずらすと背中に縋り付くようにして腰を振る店長の尻が見えた。
引き締まった無骨なお尻がキエンさんの丸いお尻に打ちつけられている。
そのたびに甘い少女のような声を発しながら鳴くキエンさんに僕はもう我慢できなかった。

 (はッ……はッ……んん)

 膝立ちになってズボンごとパンツを引き下げた。抑えられていたペニスがブルンと
飛び出し生臭い芳香が立ち上る。エプロンの端をかみしめ漏れ出ようとする声を抑えながら僕はペニスに指をかけた。

 (キエンさん……キエンさんのおっぱい……おっぱい……お尻……お尻)

廊下に先走り汁が滴り落ちる事も気にせず目の前の光景をオカズに僕はオナニーに耽った。 キエンさんの甘い吐息、打ち付けるたびにあがる結合部の発泡音。部屋の外からでも匂う魔物の甘く芳醇な香りに僕の手はますます速くなった。

 「で、出る!キエン!! 」
 「あッ!ああああッ!イクッ!イッちゃううう! 」

キエンさんがソファの背もたれをギュッとつかみ、ピンと背筋を反らせた。
店長も天井を仰ぎ「うッ」と低い声でうめいた。キエンさんのお尻がピクピク
震えている。中で達したのだろう。

 (はッ!はッ!はッ!んんんぅ!で、出る! )

僕もまた、喉を仰け反らせて下腹部から閃光のような快感が突き抜けていった。
空いている手でドビュッビュルッと飛び散る精子を受け止めながらふるふると尻を震わせた。 音を立てないようにドアから離れ廊下の壁に背を預けると杏仁豆腐みたいな白濁に
まみれた手のひらを眺めた。

100名無しさん:2017/02/21(火) 18:14:50 ID:mH/ONnJg0
「……日付が変わるのには、まにあわなそうですね」
「ああ、先10kmにわたって渋滞だそうだ」

 暗い車内、カーラジオから流れる音声に、助手席に座る先輩は表情を変えぬまま小さくため息をついた。
 リッチである彼女の魂を込めた箱が、感情を表すようにかたかたと揺れる。

「高速を降りようと提案した私のミス--だな」
「いや、これは流石に先輩のせいじゃないと思います」

 狭い車窓から見える景色は、都心では珍しい雪模様。
 出発時、そこまで強くなかったそれはいつしか本降りとなって、夜の街を白く照らしていた。
 普段雪が降らない街にとっての降雪というのはかなりの大事だ。
 このとおり、僕達が長い長い渋滞に巻き込まれるほどに。

「完全に流れ、止まっちゃいましたね」

 前の車の動きに合わせてブレーキを踏むと、きい、という鈍い音とともに車は完全に停車した。
 目を凝らせば、ずっと先まで続く渋滞が見える。
 まだまだ、帰りは遅くなりそうだ。

「……そうだな。長期戦だ。こいつでも飲んで暖まるといい」
「お、ありがとうございます。先輩」

 隣から渡された缶コーヒーを一口含むと濃い苦味と暖かさが口の中に広がる。
 そして、ほんの少しの甘みが舌の上に残った。
 コーヒーに仄かに混じる、花のような香り。

「--ふふ、隙あり。間接キスだ」
「ふふ、そうみたいですね」

 車を止めたまま、隣を見る。
 いつも無表情な先輩の顔が、ほんの少しだけ微笑んでいるように見えた。

 渋滞の時間も、そう悪いものではないのかもしれない。

101名無しさん:2017/02/21(火) 19:09:34 ID:2941U09E0
>>99
呼ばれて飛び出てリャナンシーちゃん再登場!

うん、前とは見違えるぐらい読みやすくなってるわね! よくがんばった!
ただ、文章作法でのミスがまだ残ってるから、そこの修正をしないといけないわね。
私の言葉もちょっと誤解を生む表現だったから、その辺りをもう少し詳しく書きましょう。

文の先頭には一字の空白を入れるのだけど、これは改行ごとに入れるのが原則。
一般的な段落分けの作文とはちょっと違うところなの。
だから例えば、最初の三行は全部空白を入れてオッケーってことよ。
具体的に挙げれば下みたいな感じ。

 僕の名前はハン。料理店『クロシロ』でバイトをしている。
 こじんまりした店だけれど美味い、安いと毎日繁盛しているので忙しい。
 料理もそうだけれどお客さんの中にはここの若い女将さん目当てに来ている人もいる。

それと、このルールには例外もあるの。会話文に使う「」や『』、()なんかが行頭に来る時は空けなくていいの。
!や?の後の一字空けだけど、これは文が詰まって読みづらくなるのを防ぐため。
だから!や?の後に文が続かなければ空けなくて良くて、」や』に続く場合も空白無しで平気だわ。
このことを踏まえて、例えば一つ文を添削すると

 「ああ!いいよ!すごく締まっている! 」
      ↓
「ああ! いいよ! すごく締まっている!」

とまあ、こんな感じになるわね。次からまた直して書いてみてね。
改行の仕方とか諸々、>>92さんや>>100さんの文章と自分の文章を見比べてみると良いかも。
>>92さんは行頭の空白がないけど、これは掲示板投下のためとか理由があって、わざと空けない人もいるから。
人による好みの部分もあるけど、知ってて使わないのと知らなくて使えないのは別だから、注意しましょう。

表現の方もがんばったのが伝わってきて好感が持てるわ。
だけどまだぎこちなさは残っちゃってるから、それは練習での改善あるのみね。
もっと言いたいこともあるけど、文字数がヤバくなっちゃうのでまた今度!

とにかく、レベルアップができたことに喜んでね! 次回作をまた期待します!

以上、リャナンシーちゃんからでした!

102名無しさん:2017/02/21(火) 19:25:32 ID:2941U09E0
勝手に参考にと>>92の方と>>100の方の作品を挙げてしまっていたので
リャナンシーちゃんに代わってお二方にお詫び申し上げます

>>100
文章の雰囲気すごく上手で羨ましい
たったワンシーンだけど情景が秀逸

103100:2017/02/21(火) 19:55:14 ID:xPkd0tssO
>>99
とるに足らない木っ端作者の身ではありますがほんの少しだけ批評(のようなもの)をさせていただきます。もし納得がいかない、意味が分からないなどと感じましたら、読み飛ばしていただいてもかまいません。

まず、今回の作品の良いところは短編ながらキャラクターがとてもしっかりと書かれていることだとおもいます。
長々としたキャラクター一人称の自分語りではなく、バイトをしている若い男の子という設定をおき、ヒロイン(勿論店のご主人様のお嫁さんでありますので若干の語弊はあると思いますが便宜上そうよばせて下さい)の見た目についての所感を伝える。それらをしっかりと短い文中で行って居るためその後の文章を違和感なく読み進めさせてくれます。
せりふ回し、擬音の使い方にもそつはなく食堂の喧騒と覗きの臨場感、背徳感がしっかりと伝わって来ます。


逆に地の文はもっと上達の余地があるとかんじました(偉そうな言い方をして本当に申し訳ありません)。
特に文末……すなわち「した」「だった」「ある」などの時制がややおざなりな点があります。
描写の説明も主語を忘れている場所が見受けられたので、そこも改善点です。
基本は過去形で、「今行っていること」は現在形という形を意識して見てください。それだけでぐっと読みやすくなってくれると思いますよ。もし難しく感じたのであれば口のなかで音読をしてみると良いでしょう。


個人的に良いSSは「読みやすい文章」「分かりやすい設定と説明」「奇をてらわない、共感出来て魅力のあるキャラクター」の三要素で出来ていると思って居ます。
これらの中で「文章力」は努力と見直し次第でどうにでもなりますし、「設定」については元々魅力たっぷりの可愛い魔物娘さん達と図鑑世界が後押ししてくれます。
残る「キャラクター」については磨くのがとても難しい要素で短い台詞で表現する、となるとかなりの難易度です。
そしてあなたは「キャラクター」を喋らせる、魅力的に書くという点について素晴らしいものを持っていると私は感じました。

これからもいっぱい書いて良い作品を生み出して下さいませ。

104名無しさん:2017/02/22(水) 11:43:57 ID:iXyer3Go0
>>102
すごくわかりやすく指摘して頂いてありがとうございます。
また何か考えて習作を投稿してみたいと思います。
リャナンシーちゃんもありがとう

>>103
批評していただいてありがとうございます。
時制の注意点はなるほどと思いました。
短くわかりやすい文でエロさが伝わるようになりたいです。

105名無しさん:2017/02/22(水) 12:49:28 ID:k9REUFXo0
 この娘がどうかしたかい?
 あぁ、僕の彼女だよ。
 挨拶をしないのは許してくれないかな。
 この娘は恥ずかしがり屋なのか、僕以外の人の前だと何も話さないんだ。
 家に帰って二人きりになると、わがまま放題の甘え放題なんだけどね。

 驚いた顔をしているけれど……そうか、彼女が小さいからだろう。
 そうだね。少女としか言えない年齢の彼女だけど、そんなこと関係ないよ。
 僕らの愛の前では些細なことさ。
 綺麗な娘だろう? 本当に、こうして抱えているだけで僕は幸せだよ。
 道行く人たちも、みんなが振り返ってこの娘を見ていくんだ。まるで目を奪われるみたいにね。

 ……もしかして、君も他の人たちと同じことを言うのかい?

 この娘がただの人形だ、なんて。

 まったく、どうしてみんな分かってくれないのかな。
 僕の頭はいたって正常だし、この娘は確かに生きているのに。

 さあ、よく見ておくれ。君なら分かるだろう?

 この娘がただの作り物の人形なのか。
 それとも正真正銘のリビングドールなのか。

 君なら、分かってくれるだろう?

106名無しさん:2017/02/22(水) 19:03:48 ID:6mF0tb/k0
「ただいま」

 家に帰るのが、少しだけ憂鬱だった。
 一人暮らしをするようになってから、「おかえりなさい」と言ってくれる人がいなかったからだ。
 暖房の効いていない、暗い部屋。
 だれも答えない「ただいま」という言葉とともに荷物を置いて、インスタントの夕飯で軽く済ませたらシャワーを浴びて寝る。
 僕にとっての家はそれだけの場所だった。

「お帰りなさい。今日もお疲れ様ですの」

 だけど、今は違う。
 耳に響く甘く、涼やかな声に、思わず笑みがこぼれる。
 暖房の利いた暖かい部屋の台所で、エプロンをつけた小さな少女が僕にむけて微笑んでくれるからだ。
 リビングドールである彼女にとって、台所の流し台は結構な高さのはずなのだけれど、巧みに踏み台をつかって調理する彼女は、そんなハンデなど感じさせない堂々とした姿だった。

「今日は、貴方の大好きなカレーライスですの。勿論甘口ですのよ」
「うん、いい匂いだ……」
 
 促されるままに手洗いうがいをして、食卓に座る。
 手作りのカレーライスの香りが、疲れた体に染みていくのが良く分かった。
 口に含むと、ごろごろとした人参やじゃが芋、食べ応えのある鶏肉。そしてぴりりと辛くて、それでいて彼女のように優しいルゥが舌をとろかしていく。
 「箸安めですの」と添えられたサラダはドレッシングが手作りで、酸味が新鮮な気分にさせてくれる。
 どこまでも僕好みの、思わず夢中になる味だった。
 
「……ごちそうさま」
「おそまつさま、ですの」

 一息で食べ終えた僕に、彼女は再び笑いかけてくれた。
 細く緩められた瞳は、僕のことを何でも知っているみたいで、なんだか恥ずかしくて……すごく、心地よかった。

「いつも、ありがとう」
「ふふ、どういたしましてですの」

 心の底からの感謝を告げると、頭を撫でられた。
 密着した彼女の甘い香りが、肺に満ちていく。

「でも、「ありがとう」などと軽々しく言わないで下さいまし……これからも、ずっと一緒ですのよ」
「うん……でも」

 ありがとう。
 そう、言いたかった。

 こんなにも、帰りが楽しくなったのだから。

107名無しさん:2017/02/22(水) 20:21:31 ID:iXyer3Go0
>>104時制の練習用に書いてみました。
音読してみましたが。「る」「た」の使い分けが難しいです。

 
 高い山々と密林に囲まれた土地にその拳法家は住んでいた。
 若者ながら数々の武術大会を総なめにし、いつしか『拳聖』と称されるようになった頃、一人の火鼠が勝負を挑んできた。
結果は互角で勝負がつかなかった。
 互いの力量を認め合った二人は共に修行し、やがて夫婦となった。 
 若者の名はロン、火鼠の名はシャオメイと言った。

「はあああっ! あは! もうダメなの!」
「出る! 出る! くッ! シャオメイ! シャオメイ! シャオメイ!」

 月明かりに照らされたベッドの上、シャオメイは震える声で行為の終局を訴えた。
ロンは背後から官能的な丸みを帯びた尻に下腹部を叩きつけていたが艶やかな声にあてられ最奥で精を解き放った。

「ああ! ロンの特濃精液! ボクの中に! イクッ! イッちゃ――ふむううう!」

 シャオメイは恥辱にまみれた声が漏れないように歯を食いしばるが、それでも抑えきれず枕を掻き抱き顔を埋める。

「ああ……シャオメイ……最高だ……ちッちゅる……ちゅ」

 全てを解き放ったロンは弛緩した顔でシャオメイの背中に縋りつき挿入したまま白い項に啄むようなキスを繰り返した。
ロンの全てを受け止めたシャオメイは行為後独特の余韻に浸りつつ呻く様に言った。

「お、重いよ……離れて……腰が上がらない」

 普段の凛とした姿からは想像もつかないほど弱々しい表情にロンは満足したのか、萎えた怒張を引き抜きゴロンと仰向けになった。
 栓を抜かれた股からは酷く粘り気のある白濁液がドロリと垂れ落ちシーツを汚す。

「嘘つき……優しくするっていったのに全然やさしくなかったよ」

 シャオメイは半身を起こし枕元のティッシュ箱からニ、三枚程乱雑に掴み取ると両手で股に押し当てつつロンを咎めた。

「シャオメイのお尻がエロすぎるからいけないんだよ」
「な……ボクのお尻のせいだっていうの!?」

 シャオメイはティッシュを丸めて放り投げると勢いよくロンに跨った。

「うッ――ぐぇッ!」

 シャオメイの柔尻が一気に腹部に落ちロンはカエルが潰れたような声を上げる。

「君はいつも後ろからだよね? ボクはせいじょーいが好きなんだ! 火鼠がみーんなバック好きだと思ったら大間違いなんだからな!」

 ブーブー言いながら前かがみになるシャオメイ。
その反動で重力に引かれた乳房とさらに乳の先端にその存在を主張している桜色の突起を眼前に晒されロン思わず生唾を呑み込んだ。

「そもそも君はいつも――って、ねぇ! 聞いてる? 聞いてんの? 返事は!」
「おっぱいさんこんにちは」
「バカッ! この強姦魔! サド男! 尻フェチの変態野郎!」

 シャオメイは枕を両手で持つとロンの顔めがけて振り下ろした。

「……悪かったシャオメイ……俺が悪かった、許してくれ」 

 枕を寸前で受け止めたロンの言葉にシャオメイは眉を吊り上げたまま問う。

「本当にそう思っている?」
「ああ、すまなかった」
「ふ、ふうん……じゃ、お詫びにキスして」
「キス?」
「そうだ、ボクはキスを要求する!」
(ああ、なんてちょろくて愛おしいボーイッシュ火鼠なんだろう)

 ロンはキスをねだる火鼠の背に手を回し優しく引き寄せ唇を合わせた。

108106:2017/02/22(水) 21:04:26 ID:3Sjep/g.O
>>107
やはり木っ端作者のたわごとではありますが、批評(もどき)をさせていただきます。

今回の作品も楽しく読ませて頂きました。火鼠ちゃんのむっちりとしたお尻と可愛らしいデレがテンポ良く描かれていたと思います。主人公も拳法の達人という設定ながら親しみやすく、読者さんの共感を得られるキャラクターだとおもいます。短編においては特に設定についてあれこれする暇はない(逆に説明し過ぎるとただの押し付けがましい不幸自慢や設定語りになる危険性がはるかに高いのです)ため序盤に説明をさっくりと終わらせたのは英断だとおもいます。
あとナイスおっばい。


時制に関しては間違いなく上達しております。しかし少しばかり固くなってしまったなと感じる点もございました。
「った」「た」「である」などは連続して使うことはほぼありません。うまくいかなければ体言止めなどを駆使しつつ誤魔化しましょう。
時制のちょっとしたコツとしては「過去形」に「現在形」を挟むように書くことを意識する事です。結果が過去形であり過程が現在形です。

 分かりにくい例だとは思いますが、
「ボールを蹴った」
「ゴールに入った」
であれば。

「ボールを蹴った。」
「全力を込めたそれは、ぐんぐんと一直線に伸びていく。」
「ゴールキーパーが諦めずに跳ぶのが見える。」
「しかし、ボールはゴールに入っていた」
となる形でしょうか。あくまでも私のやり方ですが……。

長くなりましたが、これからも頑張って下さいませ。
拙い説明で申し訳ありませんでした。

109名無しさん:2017/02/23(木) 00:37:27 ID:Ogs8j.w20
底辺の書き手ですが時制や三点リーダーの使い方等色々勉強になりました。
俺も今まで三点リーダー一つしか使っていなかったです。恥ずかしい……
リャナンシー先生ありがとう!

110名無しさん:2017/02/24(金) 14:09:39 ID:ZzyGbzvk0
>>106
ですの言葉可愛い。自分もリビドーちゃんと甘々生活したい
あなたかな?って作者さんがいらっしゃるのだけれど
いま新着欄にはお名前が載ってる方ですか?

>>107
文章がどんどん良くなってきてるね
読んでるこっちも嬉しい

111106:2017/02/24(金) 15:19:53 ID:BjDUcsTcO
>>110
今新着に上がっている方の作品をリスペクトして書かせていただいた別人で御座います。
今、CGIでは新着には上がっていませんが、基本的にスピンオフと別スレでオススメレビューばかり書いている底辺の木っ端作者です。
いつかあのような素敵な作品のスピンオフなども書いてみたいですね(普段はヘタレなあまり声を書けられないので……他にもスピンオフを書いてみたい作家さんは一杯いらっしゃるのですが)

原作の良さには及ばないとは思いますが、楽しんでいただけたなら何よりでございます。

魔物娘ママ……良いよね……。

112名無しさん:2017/02/24(金) 19:18:55 ID:ZzyGbzvk0
>>111
なるほど、納得しました。しかし文章お上手ですね
自分もいつかあなたにレビューしてもらえる作者になりたいなぁ

113名無しさん:2017/02/24(金) 19:22:32 ID:ZzyGbzvk0
『メドゥーサちゃんとの交換日記』

  ○月×日
だいたい、交換日記なんて始めたってあんたが長続きする気がしないわね。
いつも学校のれんらく帳を見せてあげるのも私だったしね。
すっかり忘れてたとか何度そんな言い訳を聞いたことかしら。
きっとあんたのことだろうから、それも忘れてるわね。バーカ。

  ○月△日
お前こそ、この日記だって三日で飽きて放り出すに決まってる。
れんらく帳みたいに「よくできました」ってスタンプ押してやろうか?
もし一週間分たまったら色鉛筆と交換してやるよ。小学校の時みたいにな。
だれがバカだよ。 見ろよ、昔のことだって覚えてるっつの。バーカバーカ。


※二日で終わりました。

114名無しさん:2017/02/25(土) 18:06:30 ID:F2hOBKhg0
夢を見た。

「どんな夢を見たの?」

大切な。
とてtも大切な人を失う夢だった。

「悲しい夢だったのね。ほら、貴方泣いてたのよ」

そうか。

「悪い夢は忘れて。ね? 今は気持ちの良いことだけ、感じていればいいのよ」

思いだせない。
とても。
とても大切な人だったはずなのに。
まるで指の間を水がこぼれ落ちたみたいに、ほんのわずかな余韻しか残っていない。

「思いだせないことさえも悲しいのね。良いわ。思いだすまで、私が抱きしめていてあげるわ」


「と言う夢を見たんだが。心当たりはあるか?」

俺が尋ねると、恋人のナイトメアは体ごと視線を逸らした。

115名無しさん:2017/02/26(日) 13:06:02 ID:xcke14Ds0
リャナンシーちゃんに80,81の批評をお願いしたいのですが……
もう世に出せない話だけど、せめて次の糧にしたいんだ……

116名無しさん:2017/02/26(日) 14:24:28 ID:d0H.XBUY0
>>115
SS作家跋扈するこの地獄変……リャナンシーちゃんはここにいる!
評価頼まれました! 早速だけど批評をしていくわね!

見ていくところはまず文章からかな。
注意ポイントだけど?の後の空白が半角になっちゃってるわね。
携帯で書いてるとよくこうなっちゃうのよねーってことで! ←はい、ここに全角の空白を空けました!
これを携帯のユーザー辞書に「ぜんかく」とかで登録しちゃえば、今後の携帯での執筆が捗ります!
普通にPCで入力してるなら全角入力にするように気をつけてね!
それから、もう分かってると思うけど、三点リーダーは偶数回使用にすること。「」で閉じるときは文末の句点もいりません。
それと三点リーダーの後に句読点は基本的になくてもいいわよ。

それよりも大問題! 読点と三点リーダーが多いのがすごく気になる!
“俺”くん視点の一人称の文章とはいえ、これだけ多いと読者は読み辛くなっちゃうわよ!
作品に没入して書くとやらかしがちなミスだから、自分で意識して減らしていくこと!
特に読点は、変な所に打っちゃうと文の意味自体が変わりかねません!

その辺りを手直し+文章もちょい弄っていくと、例えばこんな文章になっていきます!

「あ、あの……これ、届けに来たん、だ」

 そう言ってようやく、本来の目的――彼女の忘れ物であった花飾りを返す。
 夜になって、この髪飾りの花は淡く白く発光している。

「あ、ありがとう……これのためにわざわざ……来て、くれたんだ……」

 彼女はそのまま、普段ローブにつけている飾りを髪飾りにする。
 今の彼女は銀色の髪をしていて、光る髪飾りが白銀の雪山を照らす明かりのようで、よく映えていた。

 そのまま沈黙が、少し流れる。

どうかしら。これだけでも多少は見やすくなったんじゃない?
まだまだ手直しいくわよー。今度はこの下に抜き出した会話文ね。

「あっ、あのっ。」「え、えっと、さ。」

「さようなら。元気でね。一番贔屓にしてくれて…、ありがとう。それj「待って!!」」

同一行で二人の話者を登場させたり、言葉のさえぎりを示すために二重カッコを使ったりしてるんだけど……。
ダメ! これは普通のSSでやっちゃダメ!
軽くて使いやすい表現ってのは、裏を返せば使うとSSの空気自体が軽くなるってこと!
全文の空気が軽いSSならともかく、彼女とのお別れシーンで使うのなんて絶対にNGよ!

「あっ、あのっ」
「え、えっと、さ」

「さようなら、元気でね。一番贔屓にしてくれて……ありがとう。それじゃ――」
「待って!」

ちゃんとこう直しましょう! これだけで読者が引き返しちゃうポイントが減るからね!

ホントはもっと内容とかにまで言及したいんだけど、1レスにまとまらなくなりそうだから割愛!
あぁもう、感想じゃなくて批評だから複数レスオッケーとかにならないかしら!
とにかく、また習作でも良いから何か投稿してね! リャナンシーちゃんワクワクして待ってるから!

以上、リャナンシーちゃんからでした!

117名無しさん:2017/02/26(日) 14:58:51 ID:xcke14Ds0
>>116
ありがとうリャナンシーちゃん
いろんな失敗ばっかしちゃったけど
もっと見やすくて、もっとかわいいヴァンパイアさんが書けるよう頑張るよ
ありがとう

118名無しさん:2017/02/26(日) 23:10:32 ID:FiybSUPw0
>>115
ええと……いつものリャナンシーさんだけですと……きっと、大変だと思うので……
私も、一応リャナンシーの端くれ、ですから。
批評……しますね。もし、いらなかったら、ごめんなさい……。

文章の作法については語ってくださったので、私は内容について語らせていただきます。
まず、主人公さんのキャラクターについて、しっかりと固めると、良いかもしれないです……。
このような、一人称で進行する作品では……読者さんは「一人称である主人公の視点」で物語を読みます。
そのため、魔物娘を出すSSでは、「ヒロインの可愛らしさ」を語るのは基本だと思いますが……実は同じくらい、語り部の男の子も大事だと思います。

今回の作品であれば……。
「どうして、花飾りを渡しに来たのか」、「彼女とは、どんな関係であるのか」。
それを、最初に提示しないと、読者さんが混乱してしまいます……。
少なくとも、名前を出しておくと、指針になると思うので……注意して書いてみると、良いかもしれません。
現代世界であれば「高校生」であったり「同級生」、「クラスメイト」や「幼馴染」。そういった、分かりやすい関係や設定を、盛り込んでおくと文字数の節約も出来て私好み……です。
だれもが「高校生」であることを体験しているので……。キャラクターに、読者さんが感情移入しやすいですから……。
慣れないうちは、現代世界が……良いかもしれないですね。

もし、世界観が図鑑世界であれば「教団の人々が語るような」などの接頭語をつけて「反魔物国家」であることを表現したりすれば、立ち位置の確認ができます。
ちょっとしたテクニックなので……試してみましょう。

あとは、地の文で……黒子さんの行動が主語になっている箇所があります。
これでは「誰が行動したか」が曖昧になってしまうので。極力避けたほうが良いと思います……。
一人称小説では、あくまでも「語り部は主人公」ですから……。


何が書きたいのか。
どんなことを伝えたいのか。
一番大事な心は、ちゃんと私に、読者さんに届いています……。
ですから、諦めないで。一杯、書いて……。
彼女の、美しさを、可愛らしさを、私に-ー伝えてくれると嬉しいです。

119名無しさん:2017/02/27(月) 02:10:11 ID:iUF7Dcks0
すげぇw目に見えて作品が良くなってるwリャナンシーちゃんも自称木っ端作者さんも超有能すぎだろw
感動して変な笑い出たw

120名無しさん:2017/02/27(月) 07:06:02 ID:dXkLgbKI0
>>114
体ごと視線を逸らすって表現がイイね
ナイトメアちゃんがやりそうな仕草

121名無しさん:2017/02/27(月) 07:11:03 ID:XPWdraOw0
>>118
ありがとうリャナンシーちゃん
こんな自分に二人も優しくしてもらえるだけで嬉しい
難しいけど何とか作り直してみる
ありがとう

122名無しさん:2017/02/27(月) 20:50:56 ID:2q4cngEQ0
>>107 さん
SSの感想を皆さんが言っておられるようなので、軽く便乗(。。
批評は難しいので、甘口中辛辛口の3種で感想を(_’

甘口:ラブラブだけどちょっと拗ねたり甘えたりする所に、新婚さんらしい初々しさを感じました(。。
中辛:「…(三点コーダ)」「-(ハイフン)」はよく使われているようですけど、「、(読点)」はあまり使っていないようでした(。。 読点は文章の息継ぎみたいなものなので、読者さんの心の息継ぎはどこがいいのか考えると使いやすいかもしれません(。。
辛口:火鼠の特徴として「武術に長けている異性に戦いを挑む」という部分はありました。けれど、「燃え上がる毛皮」「ネズミの耳と尻尾」と言った特徴が出ていないので、他の魔物娘(例えばリザードマン)でも似た話が出来てしまいます。火鼠にしかない特徴を添えることで、読者もイメージしやすいかもしれません。
・あまり上手くない例:シャオメイは恥辱にまみれた声が漏れないように歯を食いしばるが、それでも抑えきれず枕を掻き抱き顔を埋める。熱情を示すように先端を燃え上がらせている尻尾は、ピンと張った糸のように伸びている。

いじょうです(。。

123名無しさん:2017/02/28(火) 00:19:48 ID:9ucT79/.0
 常日頃、友人達から『お前は鈍い』と言われる。
 自分では全くそんなつもりはなく、むしろ空気も読める男だと自負しているのだが……まあ、それはこの際置いておこう。
 本題。そんな鈍いと言われる俺でも分かる。

「今日からお前は私の召使になることが決まった。ありがたく思え」

 ……俺、プロポーズされてる。

「……も、もう一度言ってくんない?」
「なんだ、いつもの難聴か? この難聴鈍感唐変木男が」

 常日頃、友人たちからお前は『お前は難聴か』と言われる。
 自分では全くそんなつもりはなく、むしろ人一倍耳聡い方だと自負しているのだが……違う、そんなこと考えてる場合じゃねえ。
 本題。呆れたように半眼で俺を見つめる、幼馴染みのヴァンパイア(絶賛片思い中の相手である)。

「今日からお前は私の召使だ。嫌だとは言わせんぞ」

 ……こいつ、俺にプロポーズしてる。

「……あの、それはいったいどういうおつもりで……?」
「言葉通りの意味だ。おっと、少し言葉が足りなかったな……今日からお前は私の召使兼食料だ」
「……それは本当の本気でいらっしゃいますか……?」
「私はお前みたいに頭も口も軽くない」

 衝撃で思わず口調が敬語になってるが、それも仕方なくね?
 いや……俺、知ってるんだけど。
 ヴァンパイアが男を召使にするって、それはつまり『私の恋人になってね、あ・な・た(はぁと)』って意味だって。
 この事実を知ってるのも、ヴァンパイアの旦那さんが例外なくその執事である理由を友人に聞いたところ、『お前は本当に鈍い奴だなぁ』とため息混じりに教えてもらったからなのだが。
 いやいや、この真実に疑問を持っただけ俺は鋭い部類に入ると思うぞ……って、ああもう脱線は良いっつーの。

 どうしよう。俺、こんな時にどんな顔をしたら良いか分からないの。
 笑う場面ではないと思うの。でも顔を真っ赤にしてニヤニヤしちゃいそうなの。
 こいつが俺のことそんな風に見てくれてるなんて、思ってなかったから。

 やべぇ……今までこいつと一緒にいて、こんなに心臓バクバクするの初めてかも。

「かっ、勘違いするなよ! 別にお前とは主人と召使の関係なだけで、それ以上でもそれ以下でもないんだからなっ!」
「ぶっ……!」

 しかもこいつ、俺がプロポーズに気付いてるってことに気付いてねぇ!
 言葉通りに俺が召使兼食料になることに驚いてるって思い込んでやがる!
 やめてください、頬を赤らめてその墓穴な台詞は反則ですから! 俺が悶えて死んでしまいますから!

「おい、なぜ顔を隠してプルプル震えているんだ」
「いや……今までお前と一緒にいて、こんなにお前が可愛いって思ったの初めてだったから……」
「なっ……ま、またそんな軽口を叩いて! お前という奴は!」

 まったく……いったいどっちが鈍いんだか。
 恥ずかしいやら、嬉しいやら、おかしいやら。
 色んな感情がごちゃ混ぜになって笑えてきちまう。

「もう良い! さっさと私について来い! ボヤボヤしていると馬車を呼んで蹴り入れるぞ!」
「あ、待ってくれよ、おい!」

 ボヤボヤしてたら置いてくぞ、じゃないんだな。

 俺はまた妙なニヤニヤを漏らしてしまいながら、いちいち可愛い発言を繰り返す幼馴染みの背を追いかける。

 俺がインキュバスになって、胸を張ってこいつの恋人になれる日が来たとき。
 その時は必ず言ってやろう。
 実はとっくにお前の気持ちに気付いてたって。
 そのずっと前から、俺はお前のことが好きだったんだって。

 そう決心しながら、俺は足早に歩く幼馴染みに追いついて。
 それからゆっくりと、その隣を歩き始めた。

124名無しさん:2017/02/28(火) 13:32:47 ID:LNfCSVOE0
>>122
指摘ありがとうございます。読点と
魔物娘の特徴を表現していない点は反省です。
反省点を踏まえてもっと上達するように頑張りたいです。

125名無しさん:2017/02/28(火) 16:51:03 ID:LcSB2LHsO
習作です。「……」が多くなる病はどうしたらいいのか……

「嘘……だよね」
「ごめん」
「こんな時期に転校って……無いでしょ」
「……ごめん。でも本当なんだ」

 いつもと同じ、中学校からの帰り道。
 僕の言葉に同級生の彼女は頭を振った。
メドゥーサの証である頭の蛇がそれに併せてゆらゆらと悲しげに揺れる。

「嘘って、言ってよ」
「……」
「今なら、こんな悪質な嘘でも、許してあげるから」
「……ごめん」
「謝んないでよっ!?……私が聞きたいのはそんな事じゃないっ!」
「……っ!?」

ぎしり、彼女の叫びにあわせて、僕の身体が蛇に睨まれた蛙のように動かなくなる。目に映るのは彼女の爛々とした瞳の輝き。
 メドゥーサが持つ石化の力が僕を縫い止めていた。

「怖いでしょ?こうして拘束されるのは。このまま完全に石にしてみようかしら。いつもと違ってずっと動けなくする事だってできるわ」

彼女の白い蛇を思わせる美しい指が、つつ、と頬を撫でる。
本能的な恐怖に、冷や汗が背筋を流れていくのを感じた。
「だから、嘘って言いなさい。私のそばから離れないって」
「……無理。だよ」「……!」
「君に、嘘はつきたくない」
「……どうして」

それでも僕は、彼女に嘘をつく事はできなかった。

「だって……君が。転校してきたばかりで不安だった僕に、不器用だったけれど優しくしてくれた君が大好きだから」
「……大好きなら離れないでよ……石化させたままに、させたくなるじゃないの」
「ごめん。でも君は優しいから。きっと解いてくれるって。知ってるんだ」
「ずるいわよ。そんなの……」

ふっと身体が軽くなる。彼女が石化の力を解除したのだ。
「どの位、遠くに居るの?」
「三年」
「……遠い、わね」
「……うん」

三年。
それは中学校に通う僕らが、高校生になるくらい、長い時間だ。

「でも、さ。絶対忘れないで、会いに行くから」
「……」
「三年したら、迎えにいくから」
「……ずるいよ。そんなの。君が、嘘をつかないって分かっちゃうから……」

彼女が泣いているのが見えて、僕は思わず彼女の細い身体を抱きしめる。
耳に聞こえる、彼女のなく声をなだめるように背を叩くと、強く抱きしめかえされた。

「迎えに来てね。絶対」
「うん」

三年経ったら彼女に会いに行こう。
僕はただこれからのため、彼女を抱きしめていた。

126名無しさん:2017/02/28(火) 17:45:03 ID:9ucT79/.0
>>125
習作らしいけど批評希望?
必要なら後でリャナンシーちゃん呼ぶけど
あと、このスレで何か投稿作があるなら教えてほしいかな

127名無しさん:2017/02/28(火) 18:32:07 ID:LcSB2LHsO
>>126
はい。
最近物凄いスランプで投稿所に投稿できていないため何かしら切欠が欲しいのです。
もしお忙しいようでありましたらリャナンシーちゃんではなく本人様でかまいませんのでお願いいたします。

作品としては15、46の作者です。
宜しくお願いします。

128名無しさん:2017/02/28(火) 18:54:50 ID:9ucT79/.0
>>127
了解です。今自分がPCで作業中なので、しばしお待ちを
9時までにはリャナンシーちゃんにPC貸せると思います

129名無しさん:2017/02/28(火) 19:08:03 ID:LcSB2LHsO
>>128
お心遣い、ありがとうございます。
改行忘れなどかなりのやらかしをしてしまった作品を読ませてしまい申し訳ありません。

リャナンシーちゃんにも宜しくお伝えくださいませ。

130名無しさん:2017/02/28(火) 20:30:18 ID:9ucT79/.0
>>129
SS作家跋扈するこの地獄変……リャナンシーちゃんはここにいる!
お待たせしました! 早速評価を……と、言いたいんだけど。

はい、ごちそうさまでした。おいしいオヤツを三作分もありがとね。
それじゃまた何か書いたらよろしく投稿してね〜……けふっ。

以上、リャナンシーちゃんからでした!

……って、これで終わらせたくなったわ。
挙げてくれた作品も、今回の作品も、ちゃんと形になっていて面白いのよ!
特に>>46の作品なんて、オチまでちゃんとついていて綺麗に纏まってる作品じゃない!
リャナンシーちゃんが批評をする感じじゃないわね、ホント。メドゥーサちゃん可愛いし。

あえて>>125の作品で言えば

「ごめん。でも君は優しいから。きっと解いてくれるって。知ってるんだ」

この文、ちょっと句点が多くてうるさいかなっていうのと、

「ずるいわよ。そんなの……」
「……ずるいよ。そんなの。君が、嘘をつかないって分かっちゃうから……」

みたいに近い箇所で表現がほぼ重複してるところがあるから、わざとじゃないならそれは気をつけましょう、ってぐらいかしらね。
あとは個人的に、せっかくのお別れシーンなんだから、情感たっぷりに風景描写も混ぜ込んでみたらどうかな、ってことかな。
例えば、夕暮れの帰り道、沈む夕日が彼の告白とともに雲で遮られて暗くなり。
二人が再会を誓ったときに、また夕日が現れメドゥーサちゃんの涙を一層輝かせる。
こんなイメージを盛り込んで書くと、もっと膨らんだシーンが描けるかもしれないわ。

三点リーダーの数もリャナンシーちゃん気にならないわよ? これぐらいなら全然許容範囲、問題ないって思うわね。
改行その他文章作法は、投稿した媒体が違うせいでミスが出てるだけみたいだし、特に指摘はなし。

スランプになってるなら、気をのーんびり構えておくのが吉よ。
私の相棒なんだけど、アイツ丸々2年以上何も書けなかったりしたのよ? PCなんて廃棄された作品の山! 散々何も書けないって呻いてた!
それでもひょっこり戻ってこれたりするんだし、あなたも大丈夫よ! 待ってくれる人、待ってくれている人もきっといるって!
誰かの声、評価とかが聞きたいなら、素直にこういう場でお願いすれば大丈夫!
少なくともこのスレでリャナンシーちゃんを呼べば出てくるから! 書き込む機会がないかウズウズしてるぐらいよ!

だから、がんばってください!
あなたの作品のキラキラを、私は楽しみにしてます!

……あ、そうそう。投稿所のどなたか気になるから、あなたの作品読むヒントを教えてくれると嬉しいんだけどなー、なんてね。

以上、リャナンシーちゃんからでした!

131名無しさん:2017/02/28(火) 20:31:42 ID:MT9r22820
>>125
新米リャナンシーだけど、アドバイスしていいかな?
もしかしたら、参考にならないかもしれないけど許してね。

「……」頻発使用症候群に絞ってだけど、アドバイスしますね。

三点リーダーは凄く便利ですね。でも、裏を返せば、三点リーダーって、手抜きとも言えるんです。それがわかるから、何とかしたいと思っているんですよね?

じゃあ、何で三点リーダーを使いたくなるか? 考えてみましょう。

ずばり言うと、三点リーダーを使いたくなるのは、わざわざ書かなくても、三点リーダーで十分伝わるよと思っちゃうからなんだよね。それで、確かに伝わるから始末が悪いの。
でも、リャナンシーは読みたいの。貴方の書いた文字が、文章が、魂が!

そういっても、三点リーダーの味を覚えちゃったから、極力使わないで書くのは大変だと思うの。だから、少しだけ具体的にアドバイスするね。

まず、三点リーダーの使用タイプを四つに分けますね。それぞれに対策があるの。

タイプ1:「……」全文使用。沈黙を表現したいとき。
地の文にしましょう。言葉を発していなくても、三人称なら表情、一人称なら感情とか。沈黙しているキャラクターじゃない方を描写してもいいのよ。

タイプ2:「……〜」冒頭使用。間を持たせて、喋りだすのを表現したいとき。
基本、無くしてOKだよ。使うのは、長めに回想するときの頭の部分とか、凄い衝撃を受けて呆然とした時ね。
凄い衝撃ってどれぐらい? って思うかもしれないけど、三点リーダーを6個使ってもいいかな? って思うぐらいと思っておいてね。それぐらいでちょうどいいから。

タイプ3:「〜……」文末使用。語尾が弱くなるのを表現したいとき。
これは連発しなければ使っても大丈夫。でも、会話が途切れてしまう前とかに限定すると効果的よ。
会話をかぶせるときは「〜――」ダッシュがよく使われるから、使い分けてね。

タイプ4:「〜……〜」文中使用。間を持たせたい。溜めを作りたい。会話を不明瞭にしたい。などで使われる。
まずは、「、」読点にしてみましょう。それで間が表現できたなら、三点リーダーを使わなくていいでしょ?
このタイプは、使い方が色々だから一概には言えないんだけどね。

投稿された作品で私なりにやってみるね。

「嘘、だよね?」(タイプ4)
「ごめん」
「こんな時期に転校って、無いでしょ!」(タイプ4:読点で溜めて、!で爆発させる)
「……ごめん。でも本当なんだ」(タイプ3:前の文章の強さを受けて、三点リーダー使用)

「嘘って、言ってよ」
僕は今、口を開いたら、「うそだよ」と言ってしまいそうで、何も言えなかった。(タイプ1)
「今なら、こんな悪質な嘘でも許してあげるから」
「ごめん」(タイプ3:後ろに地の文を入れて、短い台詞を補強)
黙っている僕に、彼女は何かをこらえるように顔を歪ませた。そんな顔を見ていたら、僕はその言葉しか出てこなかった。
「謝んないでよっ。私が聞きたいのはそんな事じゃない!」(タイプ2:間を作る必要なしと判断)
「――っ!?」(タイプ2:変則だけど、ダッシュで代用可能)

――こんな感じです。
参考になるといいな。
作品の雰囲気が取っても素敵なので、スランプ脱出するのを楽しみにしてるね。
以上。新米リャナンシーでした。

132名無しさん:2017/02/28(火) 21:51:18 ID:uvC8mjN20
桜が舞い散る季節。
卒業式。
新しい出会いの前に訪れる、別れの日。
私は教室でもらった黒い筒を片手に、学校の中を一人歩いていた。

私は一人で金物を作っていることが多くて、誰かと遊びに行ったことはない。
私の大きな一つ目は何時だって、他の人たちの輪を見ることはあっても、自分を見てくれる誰かを映す事なんてあまり無かった。
中学生活最後の日も、今までと同じ。
誰かと誰か。
自分以外の人たちを眺めるだけ。

ある学生は体育館に通じる廊下で、後輩たちに囲まれていた。
泣きながら抱き着いているワーキャットの女の子は、男の子の制服に顔を擦り付けて何かを言っている。
抱き疲れているほうの男の子はというと、彼女の頭を撫でながら周りの子たちに困った様な笑顔を向けている。
ワーキャット以外の子たちもみんな泣きそうな顔をしているから。
同じクラブの先輩後輩の間柄なのかな。
それとも、単にラブレターを送った送られたの関係なのかな。
私には関係ないけど。

体育館裏で大きな音が聞こえたので覗き込むと、二人の男女がいた。
ショートヘアのリザードマンと、尻もちをついている男の子。
どうも学校生活最後の決闘をしていたみたい。
彼女は手にしていた竹刀を男の子に向けていた。
少しだけ涙の浮かんだ目と、勝気な笑顔。
きっと、再戦を待っているとかそういう話をしているのかもしれない。
男の子の顔は見えないけど、俯いていない。
再び会う日まで、男の子は頑張り続けるのかな。
私には関係ないけど。

他にも学校のあちこちで、最後の別れが行われていた。
私はそれらを、ただ眺めるだけ。
私は誰とも付き合わなかった。
クラブに入らず、親しい友達も作らず、この3年間を過ごしてきた。
今までもそうだった。
きっと。
きっと、これからも、そうなる。
寂しさはあるけれど構わない。
私は、人と話すことが苦手だから。
こうやって眺めるだけでいいんだ。

もう卒業生徒の別れは終わったみたい。
日は暮れて夕日が学校を紅く染めている。
一人だけ、学校の屋上に取り残された私。
急に悲しくなって、やるせなくて涙が込み上げてきた。
帰ろう。
そう思ってドアの方を向くと。
キィ、と音を立ててドアが開いた。
先生でも来たのかなと眺めていると、一人の男の子がドアの奥から出てきた。
瞬きをする。
私の知っている男の子だったから。
彼は何かを言いかけて、迷うように俯いた後。

「卒業、おめでとうございます。先輩」

少しだけ涙の浮かんだ笑顔で、そう言ってくれた。

「先輩の行く学校、屋上があるんですよね?」

私は声も出せないまま、彼の言葉を聞いていた。

「1年経ったら、『また』屋上で会いましょうね」

私は大きな一つ目から涙を零しながら。
震える口で、うん、と返事をした。

133名無しさん:2017/02/28(火) 22:00:51 ID:LcSB2LHsO
>>130
わざわざ書いていただき、ありがとうございました。
誉めて頂いたお陰かほんのりとスランプ脱出の糸口が掴めたような気がします。現在書いている長編が展開浮かばず(プロットはあるけれどそこに至までの自然な繋ぎが急に浮かばなくなっていた)にエタりかけたのですが、今回の頂いた気合いでどうにか持ち直して書いていけそうです。

アドバイスも、本当に有り難いです。情感を盛り上げる地の文、もっと頑張って書いていこうと思いました。
恋愛小説に大事なムードと図鑑世界らしい雰囲気を頑張って描写していきたいです。

名乗るのは物凄く恥ずかしいのですが、三作ほど素晴らしい作者様のご好意に恵まれてスピンオフを書かせて頂いた木っ端です。レビューやったりもしていました。
しかしオリジナルになるとどうしても自分らしさ(自分の文体、という物が分からない)という壁にぶつかり悩んでいた(人の真似なら得意なので……)ためここで発散していた次第です。
これからはスピンオフだけでなく、オリジナルでも胸を張って書けるよう頑張っていきます。

わざわざ本当にありがとうございました。

134名無しさん:2017/02/28(火) 22:17:20 ID:LcSB2LHsO
>>131
素晴らしいアドバイスありがとうございます!
いつも三点リーダの便利さにおぼれていたため、本当に参考になりました。
安易な間の演出で読者にニュアンスを丸投げしていたという自覚があったため、地の文で伝える大事さを思い知った形です。

もっと上手く削って、三点リーダを上手く使いこなせるよう、新米リャナンシーちゃんに顔向け出来るよう、頑張ります!

私のような稚拙な作者にありがたいアドバイス、ありがとうございました。

135名無しさん:2017/03/01(水) 12:39:31 ID:bw5BHOqEO
>>132
……とても素敵なお話、ご馳走様でした。
ゲイザーさんの人と関わるのが苦手で自ら避けていた描写や、心の中で関係ないと嘯きながらも思わず他のカップルを見つめてしまう描写等、短い文章の中で見事に彼女のかわいらしさが表現されていたと思います……。
欲を言えば、男の子がどんな人だったのか、もう少しだけ描写があったら嬉しいでしょうか……。
どんな風に知り合ったのか、どんな関係だったのか。最初のシーンで彼が見つけられず(仄めかすだけで明言は勿論必要ないと思います)に溜め息などをついたりすれば最後に彼と出会えた嬉しさが少しだけ表現しやすいかもしれないです……。悪魔でも私の好みなのですが……。
とはいえ、短編として纏めるとすれば今の形で十分以上だと思います……。下手に足すと、文章が散らかってしまいますから……。

ともかくとても可愛らしく、ほっこり出来る作品でした。本当に良かったです……。

136名無しさん:2017/03/01(水) 17:35:31 ID:k35vkzjI0
リャナンシーちゃん教えて下さい。

>>132さんのようなほっこりする魔物娘の話を読みますと

『魔物娘はエッチだけじゃないん!』と思いつつも数日後には

魔物娘がパンパン交尾されて『もうらめぇ!』な話を書いてしまいます

エッチ抜きのほっこり話ってどう書くのんでしょうか?

137名無しさん:2017/03/01(水) 18:04:40 ID:xLojwNwY0
>>136
……その、私にはあまり、自信はないですけれど解説させていただきますね。
勿論、私達魔物娘と……エッチなことは、とっても深い関係があります……。
私も、官能小説が……だ、大好きですし。愛してくださる夫様からのエッチな小説などは……あうう。話がそれてしまいました。

日常生活の話を書くコツとしては、「自分が体験した事」を書いていくことです。
身の回りのちょっとしたこと。嬉しかった事、悲しかった事。
今まで通ってきた母校。
毎日使っている通勤の電車。
昼ごはんの、お弁当や購買。
そうした、過ごしてきた日常の雰囲気に……エロのない、どこまでも普通の日常に。
卒業式や、修学旅行などのほんの少しの非日常に。
私達のすがたを重ねてみてください。

毎日電車でブッキングする、可愛いサキュバスの幼馴染。
隣の席で、なんとなく昼ごはんをご一緒する静かなゲイザーのクラスメイト。
修学旅行を二人で回れるね、と喜ぶアヌビスの委員長。
卒業式に、初めて泣く姿を見せたリリムの先輩。

そうした普段の日常を。
貴方と変わらない一日を過ごす彼女達の姿を-ー。
考えてみてください。

「高校生」や「同級生」などの……パワーワードを使うのも、良いかもしれません。
これらの設定を1から説明するとなると……多分、原稿用紙4枚分くらいの重さになりますから、ガンガン使っていくと……いいかもしれないですね。
さらに、エロに青臭い年齢と言う事で……甘酸っぱさの演出にも、つながります。


……そ、その。
あまり、上手く説明できなくて。
もうしわけ……ありません、でした。

以上、スランプの夫を励ましている最中の……リャナンシー……でした。

138名無しさん:2017/03/01(水) 22:16:47 ID:q8EuXh1M0
私は、今日初めて自分で筆を執りました。
文章を読むことはあっても書くことは慣れていないので、大変です。
書くのって難しいんですね。
貴方が時々苦悩している理由を、私は本当になにもわかっていなかったみたいです。
こうして私が悩んでいることでさえ、貴方からすれば些細なものかもしれないです。
けれど、私はこうして、書くことで貴方の悩みをひと欠片でも理解できたことを、喜んでしまっています。

えっと、書きたいのはそうじゃなくてですね。
私は本を読むのがとても好きで、本当に好きなんです。
だからいつもあなたの本を心待ちにしていました。
待ちきれなくて、つい貴方のところに押しかけてしまいました。
貴方は驚いていましたけれど、笑って受け入れてくれました。

貴方の書く文章はとても柔らかで、陽だまりの様な温かさがありました。
時には冬の様に寒くて冷たい文章もあります。
けれど、そのあとには必ず雪解けの温かさがありました。
私は貴方に会う事に不安は無かったんです。
貴方の文章には貴方の心が映し出されていました。
私は、種族柄、そういうのは敏感なんです。
他のみんなみたいに絵や像は分からないですけど、文章に関しては負けないんです。
だから私の一番のお気に入りだって言う事は凄いことなんですよ。
本当にすごいんですよ。

ごめんなさい、何かわき道にそれちゃいました。
私は口下手で言いたいことが上手く口に出なくて。
でも文章の事なら得意だから、こうして文字に書きだしてみました。
本当は見直して書き直すのが一番いいんだと分かっているんですけど。
心の中から最初に出てきたこの言葉を。
この文章を。
私は大切にしたいと思いました。
私の中から浮かび上がる、最初の文字。
生まれ立ての無垢な文章を大切にしたいと思いました。
ですので、きっと私は読み返して恥ずかしい思いをすると思います。
正直な話をすると、今も恥ずかしいです。
手が止まってしまいそうになります。
けれど、自分の思いが形になる喜びが、私の手を動かすみたいで。
恥ずかしいんですけど、楽しくて、嬉しくて。

だからこそ、最後の締めくくりには、大切な言葉を添えようと思います。
貴方に出会えたことは、私の奇跡です。

愛おしい、私の未来の旦那様へ。

139名無しさん:2017/03/01(水) 22:22:00 ID:60u09RXM0
(ゲイザーちゃんだったのか、金物と一つ目でサイクロプスさんで想像してた)

140名無しさん:2017/03/01(水) 22:51:02 ID:bw5BHOqEO
>>139
間違いなく読み手のミスですね(汗)
色々申し訳な過ぎて今悶絶中です……。

141名無しさん:2017/03/02(木) 10:42:23 ID:3cLBpCTY0
「本当……ついてないな」

 病院のベッドの上、ボクは一人ため息をつく。
 まさか、学校からの帰り道、飛んできたボールが頭にぶつかって入院する事になるなんて。
 診断によると、命に別状こそないものの数日間の入院は免れないらしい。
 相手に悪気がなかっとはいえ、ため息の一つでもつきたくなる状況である。

「そうですね。それは、随分と不運だったと思います」
「はは、君に比べたら。全然だけどね」

 隣から聞こえた可愛らしい声に、苦笑で返す。
 声の主は、カーテンで隔てられた向こうにいる、病気の女の子だ。
 ボクはベッドから降りられないから面と向かってあったことはないけれど、毎日話しているうち

に随分と仲良くなれたと思う。

「学校って、どんな所でしょうか?」

 初めてそんなことを聞かれたときは、思わずきき返してしまうほど--彼女は何も知らなかった


 生まれたときからの病気(遺伝子の病気--という事くらいしか、無知なボクにはわからなかっ

たけれど)で、ずっと病室から出たことのない少女にとって、学校すらがファンタジーなのだろう


 だからだろうか。
 ボクは、彼女と一杯話をしたと思う。
 学校のこと、家族のこと、友達のこと。
 自分でもビックリするくらい、ネタが尽きることはなかった。
 普段過ごす『日常』というものが、どれほどに輝いていたか。ボクはそのときようやく知ること

ができたのだ。

「へえ、そろそろ体育祭があるんですか」
「うん、変わった時期だけど、学校の都合なんだって」

 一度はイヤミになるからやめたほうがいいかな、とも考えたけれど。
 彼女が何度も聞いてくるから、ボクは話すことをやめられなかった。
 いや、彼女と話すのが本当に楽しかったのだ。
 こんなに、話を聞いてくれた人が初めてだったから。

「明日、退院か」
「はい、随分と楽しくお話させていただきました」

 深夜のベッドの上、ボクは彼女に告げる。
 ボールが当たった程度の怪我、ということは退院が早いということでもある。
 初めのころは、早く退院したかったけれど、今ではとても、名残惜しい。

「あのさ、最後だから。頼みたいことがあるんだ」
「なん、でしょうか?」

 だから、最後にボクは、彼女に頼みたいことができた。

「君の顔を、見せて欲しい」
「それ、は」

 これまでお世話になった少女の顔を、覚えておきたかった。
 いつか、絶対にお見舞いにも行きたかったし、何より思い出になると、そう、思えたから。

「……ごめんなさい」

 けれど、彼女が頷くことはなかった。
 とてもすまなそうに。「貴方には見せられない」と初めて否定の言葉を語る彼女に。
 ボクは、何も言う事が出来なかったのだ。

 退院の日、ベッドから降りたボクは手続きをしていた。
 「相部屋に一人で入院」と書かれた書類だった。

 --その時、ボクは初めて。彼女の正体を察した。
 見せられないと言った理由も、学校を知らないと言った理由も、全て。
 それは、あまりにも非合理的で。
 あまりにも、説得力のある理由だった。

「また、会いに来るよ」

 だから、ボクは。
 ただ、この言葉を口にした。

「ありがとう」

 ちいさな、彼女の声が、後ろからきこえたような。
 そんな、気がした。

142名無しさん:2017/03/02(木) 14:13:37 ID:uSy5Gt1Q0
>>136に便乗してみた

エッチはしていないけど、ド変態キャンサーちゃん。


「はぁ……」

 先輩まだかなぁ…机の角でしちゃいそうだよ。
 ここは資料倉庫。時間は指定された放課後。
 キャンサーの私は密かに先輩と学校でエッチが日課になっている。

「ン……も、もう我慢出来ない」

 もうしたくてしたくてたまらない。
 スカートを落として制服を脱ぐとアソコは洪水みたいになっている。
 これなら先輩と即ハメでも全く問題ない。
 正面から立ったままでもいいし甲羅にのってもらってバックからでもいい。

「せんぱぁい……先輩」

 先輩からもらった写真を机にバラまいてアソコを角にこすりつける。
 下半身の蟹の部分から泡がいっぱい溢れてきた。
 あまり出すと先輩の制服溶かしちゃうから気をつけなくちゃ……ああもっとキツく押し付けたい、ハサミで机の脚を掴もう。
 
「先輩のシャツ、ズボンの臭い……すう……はぁぁぁ

 休み時間にもらった体操着の臭いを胸いっぱいに吸い込む。
一度に勢い余って服を溶かしてしまった時『服を溶かしたらお仕置きだよ』て言われたけれど
 お仕置きってどんなことされるのかなぁ?
 バイブ突っ込まれて放置とか、夜の公園に全裸でお散歩とか……想像しただけで脚が段々縮こまっちゃう。
 お仕置きの一つとして先輩の隣でスカートの下にバイブ入れたまま学校内を歩きたいなぁ……涼しい顔しながら歩く自信はある。
 私ってあまり表情変わらないし四六時中先輩とのセックスのことしか考えていないなんて誰も気づかないと思う。
 
「ああっイクッ!ンン!あッあッ……ふッ! ふッ!」

 ふぅ……角オナニーは小さい頃から癖になっているからすぐイっちゃうな。
 指とかペンとかでクリ弄るのが主流ろうけど進んでいる娘はローターとか持っているらしい。

「んふ……先輩大好き」

 写真を手に取り唇を押し当てる。先輩が溜まっていたら休み時間に隠れてフェラ、素股、パイズリで抜いてあげる。お尻の穴はまだ経験した事ないけど先輩が望めば使ってくれて構わない。
 先輩の赤ちゃんも赤ちゃん欲しいな……仕込むなら3年の三学期だな。
 倉庫の鍵が開いた。先輩だ。

「ごめんなさい。先輩待ちきれなくて机の角でしちゃいました」


おしまい


キャンサーちゃんて普通のパンツ履けないからノーパンか紐パン?

143名無しさん:2017/03/02(木) 14:39:19 ID:MQOQG3VsO
小説を書く理由が変わったのは、何時からだろうか。
アイデアが浮かんだ時に、受ける、受けないで考えるようになっていたのは何故だったのだろうか。
パソコンの前に座って、何時もの通りにキーボードを叩くと、乾いた音が暗い室内に響く。

受ける小説を書くのは簡単だ。

目を引くどぎつい設定。
耳慣れない言葉。
裏をかくだけの意外な展開。

単なる虚仮威しにぎないそれらを、短編で纏めるだけ。
長編するとボロが出るが、短編なら関係ない。
キャラクターを扱いきれず、立場が喋っていても。
長く続けば、くどくて呑み込めない下手を誤魔化した言葉でも。
明らかに矛盾だらけの展開でも、倒されるだけの絶対悪さえ用意すれば。王道に唾を吐けば。
問題はない。
全てが「人を選ぶオリジナリティに溢れた作品」という言葉で言い訳出来るのだから。
一定のファンさえいれば伸ばすのが簡単な作風である。

そんな文章を量産した。
沢山、沢山、沢山。書き続けた。
そのたびに評価が伸びた。増える閲覧数に笑みが零れる。

ネタがなければ、名作から無断でキャラクターを借りた。
別に作者の精神や背景なんて気にしなくて良い。下手をすれば読む必要すらない。
知識をひけらかして小説に箔をつける為なのだから。
時事ネタも有効活用だ。テレビに映った嫌いな奴を酷い目に遭わせれば拍手喝采が起きるから。
無言のまま、キーボードを叩く。数時間後、何時も通りの作品が目の前にあった。
何時も自分の作品を読む人間なら、喜んで読んでくれるだろう。

「ふう」

手元の冷めた紅茶を煽り、もう一つのファイルを立ち上げる。
中にあるのは、やはり小説の原稿だった。
キーボードを前にうめき声を一つ。
さっきまでの勢いはそこにはない。

「いつか、あなたの物語が出来たら読ませてほしいな」

それは、かつて小説の書き方を教えてくれた妖精の為の、作品だった。
彼女に読んで貰いたいから、沢山書いて、人気のある凄い作者になろうと思った。
けれど、筆は進まない。頑張って来たはずなのに、彼女に読ませられる文章から、遠くなっていく。
再び溜め息をついて、椅子の背もたれに体重を預ける。
まだ、一文字も小説は進んでいなかった。

「久しぶりだね」

不意に、声が聞こえた。
今、一番聞きたくない声。

「文章、巧くなったね」

パソコンを覗き込んだ妖精は笑った。

「大丈夫。ずっと待ってるから」

その言葉に何故か、涙が出た。

144名無しさん:2017/03/02(木) 20:22:30 ID:WXvigzu20
素晴らしい!感動した!
新しい着眼点だ!
誰も言えない批評をした!

ほらこれで満足かよ

145名無しさん:2017/03/02(木) 20:30:30 ID:MQOQG3VsO
>>144
自分に対する皮肉なんで……。

146名無しさん:2017/03/02(木) 20:38:45 ID:Juo70ZYU0
>>144
お前みたいな読者様がいるから全消し失踪するSS作者が出てくるんだよ

147名無しさん:2017/03/02(木) 20:43:48 ID:WXvigzu20
>>146
どう考えてもSS描いてる人間への嘲笑まみれの作品だろ
むしろこれ読んで筆折る奴すら出るレベル

148名無しさん:2017/03/02(木) 20:47:59 ID:NaT2/ryw0
ほんわかレス推奨なんやで、ここは
>>143さん見てて思うのは、>>11,12さんもそうなのかもしれないけんど
何でSS書いてるんだろって全てのSS書きが考えるんだろなっていうこと
己の中のリャナたんががんばれがんばれしてる人もいるだろうし、SS書いてるときがぼかあ一等幸せなんだって人もいる
書くことに悩んでる人がいたら『書いてもいいし、書かなくてもいい』って思うと楽になるかなって気がする

149名無しさん:2017/03/02(木) 20:51:28 ID:.PAsS2S.0
雰囲気変えにSS投下するよ!

 今日という今日こそ、僕は。
 この部屋を抜け出して、真人間の第一歩を踏み出すのだ。
 今まさに僕を抱き枕にして眠っている、この悪魔の腕から脱出するのだ。
 毎日セックス、セックス……セックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスという生活から開放されるのだ。

 その固い決意を胸にして、僕は自分の身体に取り付く魔の腕を慎重に、慎重に取り外していく。
 カーテンからは眩い朝陽の光が見え、外からは小鳥のさえずりが聞こえてきている。

 待っててね、太陽さん、小鳥さん。もうすぐ僕もそっちに行くから。

 声には出せないので心の中で呼びかける。
 そっと、そ〜っと、悪魔が起きないように、起きないように。よっし、腕から抜け出ることに成功。
 次は、あまり物音を立てないように、抜き足、差し足、忍び足……細心の注意を払ってベッドから降り、部屋の扉に向かって行く。
 一昨日はここで悪魔が目を覚まし、無念にも捕まってしまった。昨日はドアノブを掴んだところでバレた。
 しかし今日は大丈夫だ。取っ手を手にしながら振り返ってみても、悪魔は規則正しい寝息を立てていて、全く起きる気配がない。

 この扉を抜ければ、爛れた生活とはほど遠い、新鮮な朝の空気が吸える……!

 逸る気持ちを抑えつつ、僕は最後の難関であるドアノブを捻った。
 やった、成功だ! 歓喜の笑みを浮かべて、僕は扉をくぐり抜け――

――あれ?

 扉の先では、悪魔がベッドで眠りこけていた。
 振り返る。悪魔がベッドで眠りこけている。
 前を向く。悪魔がベッドで眠りこけている。
 ドアの内側も外側も、まったく同じ光景。ど……どういうこと?

 すると、悪魔のすぅすぅという寝息が、クスクスという忍び笑いへと変わっていった。
 はっとして見れば、悪魔は既に眠りから覚めており、目が合った僕にウインクを投げてくる。

 や、やられた……! 僕は最初から彼女の手のひらの上で踊らされていたのか……!

「ダメよ、勝手に外に行こうなんて。ほら……“戻ってらっしゃい”」

 彼女からの命令の言葉。それは魔力による契約の呪文。
 恨めしいことに、脚は勝手にベッドの方へと歩み寄っていく。

「うふふ、つかまえたぁ……さぁ、また眠りましょう……?」

 今日も失敗した……観念して、再び抱き枕にされるべく彼女の腕の中へ戻りこむ。
 僕は柔らかく温かい体温を感じながら、明日はどうすれば脱出できるかな、と遠い目をして悩み始めるのだった。

150名無しさん:2017/03/02(木) 21:19:37 ID:Juo70ZYU0
>>147
嘲笑まみれだったらボロクソに貶してもいい、と思っているのか?
職歴も学歴も貧相なド底辺の考えてることはさっぱりわからん

151名無しさん:2017/03/02(木) 21:23:20 ID:.PAsS2S.0
喧嘩しないでくれよぉ
このスレが傷心の俺の唯一のオアシスなんだからぁ

>>143のSSは自戒とかそういう類のSSだって
自分は普通にそうやって読めて、良い作品だなって思えました。まる

152名無しさん:2017/03/02(木) 21:23:32 ID:MQOQG3VsO
>>147
本当に申し訳ありませんでした。
受けることばかり考え続けて虚無感にとらわれて、何も考えずにこれを書いてしまった事は弁明出来ない事だと思います。
受ける受けないで考えるのを止めようと思い至って、キーボードの前に座って、自分の為に物語を書こうとして、しばらく考え続けたのに何も浮かばずに自己嫌悪に陥って、ただ、今の自分が書き続けることで何を得られたのかも分からなくなって、そのままの自分を誰かに慰めて欲しくて。
それを、そのままぶつけてしまいました。
11の作者でもある、自分を嘲笑するための自己否定の固まりと、誰かにほめて欲しいという恐怖の塊です。

本当に重ね重ね申し訳ありませんでした。

153名無しさん:2017/03/02(木) 21:26:46 ID:.PAsS2S.0
>>152
気に病まずにまた作品投下してくださいね!

あなたがいなくなったら俺もリャナンシーちゃんと一緒にスレから出て行っちゃうよ……

154名無しさん:2017/03/02(木) 21:39:59 ID:MQOQG3VsO
>>153
今回の件については私の考えなしな行為で貴方にもリャナンシーちゃんにも気を病ませてしまい、本当にごめんなさい。
一つ凄く場違いな事を申しますと、こうして私なんぞの事を思っていただけたというだけで、とても嬉しかったです。

また誰かが許して下さるなら、また、此処で作品を書かせて戴けると嬉しいです。

本日は大変申し訳ありませんでした。

155名無しさん:2017/03/02(木) 21:47:08 ID:WXvigzu20
>>150
今度は人格攻撃かよ
偉大なる自治厨様のお考えは愚かな俺には分かりかねるな

>>152
こっちこそすまんな、煽りレス認定するには過程すっ飛ばしすぎだわ俺
面白いのが俺もまるで同じ悩み持ってたところで、いわゆる流行りネタ書いた直後だったからてっきり

156名無しさん:2017/03/02(木) 22:01:05 ID:9Zd8DvCQ0
とりあえずおまいら怖すぎだろ……
俺みたいな童貞チキンは上のやり取りだけで小便3回チビるし、チビルママンに5回は癒してもらわないとガラケーの震え止まらん

157名無しさん:2017/03/02(木) 22:05:01 ID:0v7yDtoA0
他者への攻撃を許せなくて攻撃的になってしまう、なんという皮肉

158名無しさん:2017/03/02(木) 22:17:56 ID:Juo70ZYU0
>>155
書き手のくせに文章に込められた自戒や投稿者自身に対する皮肉の意図すら読み解けないばかりか、平然と考えも無しに貶すとか恥ずかしくないのか。
今日日、ツイッターのチャットBOTですらお前より人間味の感じられる返答ができるぞ。少しは「人格と知性」を身に着ける努力をすべきだ。

BOTにも劣る相手への返答をするのも疲れたのでこれ以上のレスはしない。負け犬の遠吠え扱いしたければ気が済むまでやればいい。それで君は満足だろうから。

159名無しさん:2017/03/02(木) 22:21:48 ID:MQOQG3VsO
>>156
発端となるようなものを書いてしまったこと、深くお詫びをさせてください。
申し訳ありませんでした。


ところで、デビルママの作品を非常に書きたくなってしまったのですが、いつかこちらで投稿させていただいても構わないでしょうか?
不躾ながら、彼女の可愛さに癒やされたくなってしまったので……。

160名無しさん:2017/03/02(木) 22:26:53 ID:Vu0Pafbw0
まぁ確かにこれ以上は不毛なだけだな
俺が早計すぎた、以上!

>>156
そんなおっかなびっくりしないでくれ
俺があまりにも沸点低すぎただけだしね

161名無しさん:2017/03/02(木) 22:28:14 ID:VFullb.20
「他者への無根拠な罵倒や攻撃はいけない」←せやな

「だからそれっぽいの見つけたらボコボコに叩いて攻撃し罵倒する」←うーん

162名無しさん:2017/03/02(木) 22:29:52 ID:Vu0Pafbw0
うわすまん安価ミスってるわ、>>159向けな

163名無しさん:2017/03/02(木) 22:39:12 ID:9Zd8DvCQ0
え!? いやこんな小便臭い童貞の戯れ言にまで謝らんでいいのよ? ただでさえビビりなんだからそんなにご丁寧に気を遣われると、恐縮するし。

デビルママンは……、上の方も言っているけど、書いてもいいし書かなくてもいいんじゃないかしら。私はただの一読者に過ぎないし、許可を出す権利なんてないし……
とりあえず>>159さんはまず幸せになるといいと思う。残念ながら貴方からはあまり幸せのにおいがしない。幸せになると、もっと幸せになる魔物娘さんや夫がが書けると思うよ。

164名無しさん:2017/03/02(木) 23:00:40 ID:uSy5Gt1Q0
>>142だけど、解決したようなのでリャナンシーたんに
変態キャンサーの批評してほしいです。

165名無しさん:2017/03/02(木) 23:38:45 ID:.PAsS2S.0
>>164
SS作家跋扈するこの地獄変……リャナンシーちゃんはここにいる!
はい、それじゃ早速評価開始ねー。

まず全体の流れだけど、変態キャンサーちゃんを書く、って主眼は良く書けてます!
ここに問題は全く無し、私からも言うこと無しです。
となると、後は内容をどれくらい膨らませるかってことになるわよね。
この場合だったら一人えっちしてる描写をもっと濃厚にするのが無難かしらね。
例文は……わ、私よりもっと上手なリャナンシーちゃんが出てくるだろうから、そっちにお任せ!
ごめんなさい! 私も相棒も、鼻の穴やらアレやら膨らませちゃって、評価どころじゃなくなっちゃいますので!

気を取り直して、文章作法等々の方いっちゃうわね!
概ねは問題ないけど、ところどころ行頭の空白が空けられてなかったり、三点リーダーの偶数使用ができてなかったり……。
それから“!”の後に空白入れてなかったり、ミスが残っちゃってるから注意ね。
あと読点が少ないのがどうしても気になっちゃうわね。

 お仕置きの一つとして先輩の隣でスカートの下にバイブ入れたまま学校内を歩きたいなぁ……涼しい顔しながら歩く自信はある。
 私ってあまり表情変わらないし四六時中先輩とのセックスのことしか考えていないなんて誰も気づかないと思う。

この文なんか、一息で読むのが辛いでしょ?
そういう文章は読んでる側もちょっと辛くなっちゃうから、必ず読点を入れて区切りを入れましょう!
もしくは、あんまり長い文章は言い回しをちょっと書き直しちゃうのも有効よ! 試しに書き変えて、文を分けてみるわね!

 お仕置きだったら……スカートの下にバイブ入れて、先輩と学校内を歩きたいなぁ。
 涼しい顔しながら歩く自信ある。私ってあまり表情変わらないし。
 四六時中先輩とのセックスのことしか考えていないなんて、誰も気づかないと思う。

ほら、これだけでも大分すっきり! 一文が長いことは文章のリズムを崩すことにも繋がるから注意しましょう!

さっくり気味だけどこんなところかしら。参考にしてもらえれば嬉しいな。
あと相棒が紐パン派だって親指立ててたわ。どこが傷心中なのかしらね、まったく。
それじゃあ、また次回作に期待します! 楽しみにしてるわね!

そうそう、他の皆さんも、リャナンシーちゃんこのスレの投稿作は全部読むことにしてるから!
感想だけでも欲しい人って人でも、お気軽に呼んでください! 遅れても必ずリアクションします!

以上、リャナンシーちゃんからでした!

166名無しさん:2017/03/02(木) 23:40:18 ID:MQOQG3VsO
布団の中に潜り込んでいる時、僕はいつも、色々な事を考える。
昔から、何かを考えないと、眠れない性分だった。考えないように集中すると、かえって寝られなかったから。

「……」

まぶたを閉じたお陰で出来る暗闇の中、僕は毎晩色々な事を考える。

明日の仕事。
今日の飲み会。
明日の買い出し。

普段は取り留めのない、何時もの用事がほとんどだ。

……でも、今日はたまにくる、怖い想像をしてしまう日だった。
昼間に、野良猫の死骸を見てしまったからかも知れない。
まぶたの裏の暗闇で、想像してしまったからかも知れない。
そう、今日の僕が想像したのは、「死」についてだった。

自分が死んだら、意識はどうなるのだろうか。悲しんでくれる人は、居るのだろうか。その人達が死んでしまったら、僕という存在の証明は、誰がするのだろうか。
永遠に答えなど出ない負のスパイラル。
ぞくり、とした寒気を感じた僕は思わず布団の中で丸くなっていく。

「怖いの?」
「……え?」

不意に声がかけられたのは、そんな時だった。
薄く目を開けると、可愛らしい少女が僕の瞳を覗き込んでいた。
彼女の人としては有り得ない蒼い肌と蝙蝠の翼が、夜の闇にきらめく。まるで、悪魔のような姿だ。
「怖いよね」
「うん」

けれど、怖いとは考えられなかった。
彼女が醸し出す柔らかい雰囲気、そして肌に触れた暖かい体温が心を溶かしてくれたからだ。

「私はね、恐がりな人を助けるために、ここに居るの」
「……え?」
「だから大丈夫。私があなたの魂を、支えてあげるから」

少女は困惑する僕の頭を持ち上げると、膝の上に乗せた。いわゆる膝枕の姿勢。
軽く頭を撫でられると、彼女の甘い香りがした。

「さあ、安心して眠って良いよ。眠るまで、ずっと歌を歌ってあげるから」

不意に、視界が暗闇に包まれる。
それはまぶたではなく、彼女の柔らかい手のひらが目を塞いだからだった。
安心できる、甘い暗闇。
耳に聞こえるのは、少女の優しい子守唄。
忘れかけていた、母のぬくもり。
しばしのまどろみの後、僕は深い眠りに堕ちていった。


「おはよう」
「ふふ、おはよっ」
次の朝、目覚めた僕の隣には、未だに彼女の姿があった。
夢か確かめるように頬を引っ張ると、たしかな痛みを感じた。

「恐がりのあなたの魂が欲しくなっちゃったから、これからも、よろしくね」

そう笑う悪魔の少女に、僕の魂は既に奪われていた。

167名無しさん:2017/03/03(金) 08:33:12 ID:UGSxM8U.O
>>142
拝読させていただきました……その……あんまり上手く批評などは出来ないリャナンシー、ですが。少しだけ……書かせていただきますね。


キャンサーさんのえっちな短編、御馳走様でした。
彼女が無表情のまま頬を朱く染め、自慰と妄想に浸る様が、彼女の視点できっちりと描かれていたと思います……。
時制、文体に関しては少しだけ気になった箇所はありますが(ほとんどが現在形によるアクション……だと、勝手に考えています)、彼女の一人称小説による語り、という形式の都合上、勢いのあるこの書き方が最適解と感じました……。

もし、我が儘をいうのであれば、もう少し妄想の内容を具体的に書くと実用性(下世話な話で申し訳ありません……)があったかもしれません。バイブの妄想をするときは、彼の指ではないもので達せられる瞬間。その屈辱と快楽、そして露見してしまった時の短い問答。無表情ながらも汗が滲み、紅く火照る肌。羞恥と快楽で漏れ出す吐息、そして止まない淫靡で密やかな水音。そうした、音や触感を具体的に書いていく事が私好み……でしょうか。
妄想の暴走が起こってしまうのは、私達魔物娘にとっての日常でもありますのでキャラクターの描写に対する説得力も上がる、かもしれません……。

学園でのえっちなシーンというのは「普段過ごしている日常に対する背徳」と「羞恥心」が描けるとても素敵なテーマだと思います。普段と変わらない背景、昼間の間、談笑をした学友たちの机でえっちをする。外から聞こえるのは元気な運動部の声。
背景が想像しやすい分、シーンに集中して描写が出来、具体的に音や空気を伝えることが出来ます。そして露見による破滅と日常の崩壊を感じるスリル。
もし、気が向いたら、また同じ題材で書いてみると、面白いかもしれません……。

良い、短編のエロスをありがとうございました。
気が向いたら、また次回作を楽しみにお待ちしています……。


夫にキャンサーさんの下着について聞いたところ、横の部分がひもになっている布型で、結び目を解くとしゅるりという衣擦れの音と共に地面に落ちるのが好みだそうです……。
色は白だと、染みが見やすいから淫靡だとか……。

168名無しさん:2017/03/03(金) 10:31:35 ID:e42.gFE60
このスレって頼めばリャナンシーちゃん達が批評してくれるけどもしや他の魔物娘達もいたりする?
アリスちゃんに頼めば俺のことお兄ちゃんとか呼んでくれつつ感想書いてくれたりする?
PC越しとはいえ夢にまで見たアリスちゃんとの交流が可能になったりする?

169名無しさん:2017/03/03(金) 13:23:00 ID:oTfSTOGM0
「むふふ・・・またvoteが伸びておるのじゃ!」

「毎度嬉しそうなのは良いのですが、もうちょっと票数から離れてみてはいかがです?
 受けるパターンが分かったからって同じようなのばっかり書いたら飽きられますよ」

「そういうのは飽きられた時に考えるのじゃ」

「なんと場当たり的な・・・」

「一定のお客様のニーズに沿った投稿 と言ってほしいのじゃ」

「物は言い様ですね」

「または、人を選ぶオリジナリティに溢れた作品?」

「覚えた言葉をすぐ使いたがる・・・」

「選ばれるには理由があります、なのじゃよ」

「綾鷹、じゃなく鼻高になってやがりますね」

「ブハハハ!!なんと言われようがvoteに綺麗も汚いもないわ!
 まさしくそれは儂への称賛なのじゃ!ウヒヒヒヒ」

「なんて汚い笑顔・・・多少の慎みや謙遜はもちましょう?」

「なんの!謙遜してはせっかく読んで票や感想をくれた者に申し訳が立たんわ!
 どんなパロディだろうと邪道だろうと票を貰ったからには正義!数字は正直なのじゃ!!」

「このvoteジャンキーが・・・」

「書き始めた当初の自分なんてたまに思い出して憧憬に浸るくらいでいいのじゃ!
 今の自分とそれまでの歩みこそが自分自身なのじゃ!」

「そんなこと言って・・・
 心の中のリャナンシーちゃんに顔向けできますか!?」

「リャナンシーに書いてるんじゃねえ!
 読んでもらえる人のために書いてるんじゃ!!」

「完全に闇堕ちしてる!」

「あ、もちろん健康クロスさんと魔物娘図鑑のためにも書いているのじゃ、ぬへへ・・・」

「唐突で露骨な媚び売り、まあ恥も何もないのはいつもの事ですね」

「今回はオチもないのじゃ」

「それも、いつもの事ですね」

170名無しさん:2017/03/03(金) 17:45:54 ID:VzUoMypk0
>.168 感想だけならシャオメイこと火鼠のボクにもできる……と思う

171名無しさん:2017/03/03(金) 19:53:05 ID:UGSxM8U.O
えろ習作です。
何時も物凄く苦手なので……。

「それじゃ、しましょうか」

しゅるり、先輩の学生服が立てる、小さな衣擦れが常夜灯に照らされた寝室に響く。
肌の暖かさをほのかに帯びたリボンがベッドの上に落ちると、思わず僕はごくりと唾を飲み込んでいた。

「興奮するには、少し早いですよ」

小さな声で揶揄する彼女の涼しくなった首もとから滑らかな鎖骨がちらりと覗く。
ワイシャツの隙間からちらりと見える、きめ細かな褐色の肌は淡い光を浴びて、触ればきっともちもちとした柔らかさが感じられそうだった。
「まだ、駄目ですからね」

人を支配する魔物、ダークエルフである先輩は、視線に一つウィンクを返すと、屈んで靴下を外す。
右側、左側。足先に吸い付くような純白のソックスの下には、黒く繊細な足の指。美しく整った足の爪がきらりと光る。一日中つけていた為か、ほんのりと甘い汗の香りが鼻腔についた。
彼女がブレザーをベッドの上に置く頃にはその香りは益々強くなった。

「上からが良いですか?それとも……下から?」

下から、と欲望にまみれた声を出す前に彼女はスカートのベルトとホックを外す。
ストンと本当に呆気なくスカートは落ちた。
そこに有るのは、彼女を守る最後の布。
何時もの先輩からは考えられない程慎ましい、白い下着だった。むっちりとした褐色の太ももの間を飾る純白は汗の為か、微かな湿り気を帯びていた。
ぷち、ぷち、ぷち。
そちらに目が離せないままの僕の前で、ワイシャツのボタンが一つ、一つ外される。
肌が露出するたびに褐色の肌が興奮で灯っていく。
先輩の甘い汗の香りが一層強く、部屋にこもる。

「ふふ、あと少しですよ」

もどかしいほどゆっくりと、先輩は白いレースのブラに手をかける。
金具が外される、小さい筈の音が、やけに大きく、耳朶を叩く。
彼女の肌が絹に触れた音と共に、胸がさらされる。
ハリのある、それで居てどこまでも柔らかく沈んでいきそうな女の肉の上、つん、と二つの可愛らしい乳首が立っていた。
羞恥の為か、彼女の荒い息遣いと共に、更に紅く染まる褐色の肌。

「最後の一枚は……あなたが脱がせてくれないかしら」

くい、と手で招く彼女に言われるがままに、フラフラと近づいていく。
自分でも分かるくらい大きくなった心臓の音。
緊張した手で滑らかな太ももに触れると、しっとりと、指が沈みこむ。

「いっぱい、しようね」

彼女が笑う顔が見えた。

172名無しさん:2017/03/04(土) 11:52:51 ID:SkXXF3co0
>>171
とてもお上手だと思いますよ?

えっちぃ描写の練習には、お気に入りの作品をコピペしてきて
そこから台詞を全部抜いてみるのがおすすめです
どういう流れでコトが進んでいるのかとかすごく参考になります
逆に台詞だけにしてみても、これはこれで台詞で興奮させる文章の参考になります

問題はやってると悶々としてきて作業に手が着かなくなることですが

173名無しさん:2017/03/04(土) 13:25:51 ID:Jis7x.pQO
>>172
アドバイス、ありがとうございます。
上手い人の文章を頑張って参考にしつつ、書いていきます。それどころじゃなくなりそうな場合もありそうですが(汗)
……自分の文章で実用出来た試しがないので幾ら書いても自信が持てないのです。
書く前の妄想の形なら抜けるのに……!

174名無しさん:2017/03/04(土) 18:00:33 ID:Jis7x.pQO
私には、大好きなお兄ちゃんが居る。
教団の騎士であるにも関わらず、アリスという魔物である私を、何も言わずに育ててくれた、優しいお兄ちゃんが。

「お帰りなさい、お兄ちゃん!」
「ただいま。元気にしてたか?」
「うん。今日もね、シスターのみんなのお手伝いしたの!」
「そうか。迷惑はかけなかったか?」
「もっちろん!」
「いい子だ」

仕事から帰って来たお兄ちゃんを笑顔でお出迎えする。
いつものお手伝いの事を言うと、褒めて貰えた。最初の頃はシスターさん達がみんな怖い目で見てきたけれど。一緒に過ごすうちに、優しくしてくれるようになった。

「ふみゅう……」

くしゃり。ごつごつとした分厚い手に髪を撫でられる感触が気持ちいい。
とても幸せな気分になれる。

「今日はハンバーグにするからな」
「わぁいハンバーグ!」
「今日は、特別な日だし。いい子にしてたご褒美だ」
「特別な日?」
「ああ。お前を拾って五年目だからな」「もう、そんなに経ってたんだ……」

一通り、なでなでを堪能した後、大好物のハンバーグを作るお兄ちゃんの隣でスープの仕上げをする。
少しだけ味見をしたら、なかなかの自信作だ。シスターさん曰く料理は愛情。つまり私のお兄ちゃんへの愛の賜物である。

「お兄ちゃん、出来たよ!」
「こっちも、丁度いい頃だ」

二人分の料理の前でいただきますの一礼。
誕生日に買って貰った小さなマグカップには、私の名前が刻まれていた。

「なあ」
「なあに、お兄ちゃん」
「……いや、何でもない」

ハンバーグを食べながら難しい顔をするお兄ちゃんに首を傾げる。
楽しい日の筈なのに、苦しんで居るみたいな。
きっと何でもなくない事なのだろう。

「お兄ちゃん。話してよ。凄く辛そうな顔、してるから」
「すまない」
「謝らなくていいよ。話して」
「……今度、戦争になるんだ。魔界と、この国が」
「……」
「数ヶ月前から、決まってたんだ。言い出せなくて、すまなかった」
「大丈夫。お前は絶対に返してやるから」

真剣な顔のお兄ちゃんの言葉。
嘘じゃないって分かるから悲しくなった。心遣いが、嬉しかった。

「やだ」

だから。私は悪い子になる事にした。
戦争なんか、絶対にさせない。
お兄ちゃんと離れ離れなんかにならない。

「お兄ちゃん……私、もうオトナなんだよ?」

漏れる吐息は魅了の魔力。
スカートをたくしあげて誘いをかける。
お兄ちゃん、大好きだよ。

175名無しさん:2017/03/04(土) 18:23:57 ID:HAgIJjlg0
>>174

「お兄ちゃん……」

 呟くように俺を呼んだ唇が、ゆっくりと俺の唇に重ねられる。

 アリスが俺にキスをした。
 それ自体は別に、珍しいことでも何でもなかった。
 いってらっしゃいのキス。おかえりのキス。それから、おやすみのキス。
 小さな女の子らしい無邪気さで、アリスは何度だって俺とキスをしてきたのだから。
 けれど今のキスは、今までのキスとは全く違った。
 今のは『妹』としてのキスじゃない。『家族』としての、親愛の情を表すものじゃない。
 自分が『女』であることを示すキス。俺という『男』に対して、『異性』としての愛情を表すためのキス。
 その意味が、確かに含まれていた。

「お兄ちゃん……」

 厚い雲で隠されていた月明かりが、窓からゆっくりと差し込んで、アリスのシルエットを照らし出す。
 馬乗りの体勢になったアリスの息は荒く、その小さな胸は忙しなく上下している。
 俺を見下ろす碧眼は興奮に潤んでいた。しっとりと濡れた金髪を頬に張り付かせていることも相まって、幼い少女とは到底思えない妖艶さを醸し出す。
 アリスは、欲情していた。

 アリス。
 俺のアリス。
 愛しいアリス。
 俺の大切なアリス。
 アリス。俺の宝物。俺の人生。俺の全て。

「お兄ちゃん……アリスね、お兄ちゃんがほしいの……」

 そのアリスが。俺の全てが、俺のことを求めている。
 だったら俺の方も。
 俺の全てを、求めても良いんじゃないか。

 俺は両手を伸ばし、華奢なアリスの身体を引き寄せる。

 相手はまだ少女だとか、年が離れすぎてるだとか、そもそも家族だとか、そんな考えは全部吹き飛んでいた。
 全てが、欲しかった。

176名無しさん:2017/03/05(日) 10:45:55 ID:9XsCPzkIO
「催眠をかけて欲しいだって?」

学校の昼休み、突然やってきた後輩の言葉に、私は素っ頓狂な声を上げた。
昼食にかじっていた特売のパンの袋が私の声でビリビリと震える。

「は、はい。どうしても好きな人に告白したいんですけれど、勇気がもてなくって……」
「勇気、ねえ」
「玉砕しても良いから、告白する勇気が欲しくて」
「成る程、ね。だから私の催眠、って訳か」
「は、はい。先輩の--ゲイザーの催眠の力を、貸して欲しいんです……」

最後の方は、消え入りそうな声だった。
見れば、後輩は小動物のようにぷるぷると震えていた。
きっと、私と同じ位の臆病者なのだろう。
話すだけでも、凄く勇気を振り絞ったに違いない。

「良いぜ」

だから、私は応えてあげる事にした。
本当は、好きな人とラブラブになるための力だし、まだ恋人の居ない私にとっては嫉妬案件だけど。
彼の勇気に、こんな一つ目の魔物に話しかけてくれた勇気に応えてあげないとダメな気がした。
ポン、と安心させるように頭を叩いて笑いかける。
ホントはウィンクしたかったけど、物理的に出来ないから妥協だ。

「いつ、かけたら良いかい?」
「い、今でお願いします」
「ん、分かった」

学生服の下から出した触手を使って、彼の顔をこちらに向ける。
唐突だし、怖がられちゃうけれど、こうやった方が心のスキがつきやすく、催眠がかけやすいのだ。
林檎みたいに真っ赤な表情の後輩の瞳を覗き込む。

「今から、君は素直になれる--好きな人に好きって言える」

素直に頷く彼に、催眠を染み込ませていく。
乾いた砂に水が染み込むみたいに彼は簡単に催眠に落ちていった。
催眠は、信じて貰う力。私の力はいやがる人にかけられる位に強力だけど、信じてくれればもっと簡単にかけられる。
だから、こんな風に、信じてくれる人が恋人の魔物は幸せだろうなって。そんな考えが浮かんで消えた。

「さ。終わったよ。好きな人に告白してきな」
「……」

数分後、催眠を終えた後輩の肩を叩く。
頑張ってかけたから。すぐに好きな人の所に走って行く。

「先輩」

その筈なのに。
彼はここに立っていた。

もしかして、失敗?

焦る私の肩を、彼が掴む。
思いっきり見つめられて、顔が真っ赤になる。

「先輩!ずっと前から好きでした!大好きでした!」
「!?」

それが、きっかけ。
私の大好きな夫との付き合いはじめだった。

177名無しさん:2017/03/05(日) 11:19:42 ID:DIYPniH60
>>176
三行でオチまで理解できてニヤニヤしてしまった
これはゲイザーちゃんカワイイ良作ですわ

178名無しさん:2017/03/05(日) 11:53:57 ID:9XsCPzkIO
「はい、コーヒー。糖分マシマシ」
「ありがとうございます」

深夜の研究室。
院生の先輩であり、不死の賢者であるリッチである彼女が渡してくれたマグカップを受け取る。
暖かい湯気と、濃いコーヒーの香り。一口啜ると、豆の苦味とたっぷりの砂糖の甘さに眠い身体に喝が入った。

「徹夜、何日目?」
「多分、三日目位ですね……来週学会ですし」
「頑張るね」
「はは、『相対性魔術式』の理論を打ち立てた憧れの先輩の役にたてるんですから。必死ですよ」

伸びをすると、背骨のパキパキという音。
気づかないうちに随分長いこと座っていたみたいだ。
その様子に、彼女はほんの少しだけ、顔をしかめていた。

「嬉しいけど、無理しないでね。あなたは魔物でもインキュバスでもない、ただの人間なんだから」
「分かってますよ」
先輩の言葉を背に、パソコンに向かう。後少しで完成へのラストスパート。
けど、何故かキーボードに手がつかない。視界がぼやける。
さっき、コーヒーを飲んだ筈なのに。
いや、まさかあのコーヒーに何か……!?

「先輩、まさ…か……」

それが、最後の思考になって。僕はとさりと机の上に突っ伏してしまった。

「おやすみ、ちゃんと寝ないと駄目だよ?」

寝息を立てる僕を、先輩はひょいと持ち上げて、優しくソファに横たわらせる。
無表情のまま舌を出す彼女の白衣(下は裸)のポケットに入っているのは即効性の睡眠薬のビン。
魔界の薬だから物凄く甘いけど砂糖と偽る事で誤魔化したのだ。

「無茶、しちゃって」
「……ぐぅ」
「心配かけさせた、慰謝料が欲しくなるな」

二人きりの研究室でそう、ポツリと呟く先輩。

「勝手に、取り立てさせて貰うぞ」

彼女の柔らかい唇が僕の頬に落とされたことを、眠ったままの僕は、知る由もないのだった。

179名無しさん:2017/03/05(日) 12:03:40 ID:9XsCPzkIO
>>177
凄く大好きなゲイザーの書き手さんの新作が来ていたため(そして抜いた)、カワイイゲイザーちゃんを書きたくなってしまった結果です。
ゲイザーちゃんカワイイよゲイザーちゃん。

お読み頂いたこと、また御感想ありがとうございました。

180名無しさん:2017/03/05(日) 16:11:19 ID:9XsCPzkIO
「これは、一体……?」

あるうららかな春の日、教団の魔物研究者である私は恐らく魔物絡みであろう不思議な品を前に、頭を抱えていた。
それは艶やかな紺色の、何とも表現しようのない質感の布だった。
その柔らかさは絹のようでいて、撫でるとさらりと指に吸い付くような奇妙な心地よさが感じられる。
あまりに未知の存在であるこれが一体何なのか、私は全く見当がつかないでいた。

「こういう時は、手に入れた時を思い出せ」

一つ深呼吸して、先輩の教えを思い出す。そうだ、状況を思い出せば糸口になるはずだ。
私は、深く思考の中に潜り込んで、記憶を探り出す。

この布を手に入れたのは、今日の朝。魔物が出るという沼で調査(朝食探しを兼ねた釣り)をしていた時だった。
何か、急に大きな物がかかったと思った矢先、不意に軽くなった釣り針にこの布が引っかかっていたのだ。

「かかったのは間違いなく魔物……あんなに重いヒットだったのだ。魚ではないだろう」

そして魔物はこれを残して逃げたのだ。
私の推測を補足するように、布には釣り針の跡が残っていた。

「と、するとこれは着ていた物。か?」

独り言と共に布を広げると、果たして頭と手足が出るような穴が開いていた。
間違いなく、着るものだと確信出来そうだ。

「試して、みるか」
用途が分かったのであれば検証するのが研究者。
着方は若干分かり難かったが布の伸縮は素晴らしく、なんとか着込む事が出来た。
……全く関係は無いが私は四十六歳独身童貞男性である。

「こ、これは」

それは、中々に表現し難い着心地であった。
全身に吸い付く未知の布が体にフィットし、体のラインを浮かびあがらせる。
それは恐らく、水の抵抗を無くす為の工夫だと思われた。
しかし、このサラサラとした質感の締め付けは何とも言えないもどかしい快楽を生み出しても来る。
特に股間部の布には余裕がなく、未使用な愚息のシルエットが浮かび、絶え間ない快楽を送り込んで来ていた。

「これは、危険だ」

そう判断した私は服を脱ごうとし--
不意に、ある魔物と目があった事に気付いた。
四肢にヒレのついた彼女は、例の服を着ており私の推測が間違って居なかった事を教えてくれていた。

「へんたい」
「ど、どこが変態だ。お前だって着ているだろうに」
「」

顔を真っ赤にした魔物はなんとも言えない目で此方を見ていた。
文化の違いなのだろうか?
魔物の研究は中々に難しい。

181名無しさん:2017/03/05(日) 16:52:59 ID:5VxiWrec0
某コピペ改変


・興味本位で異世界のゲートを開いたヴァンパイアのお姫さま(いまは温厚な過激派貴族の家系)
・ゲートに巻き込まれ漂着したダンピールのハンターさん(ゲート経由先で旦那getした元凄腕)

そしてふたりは仲良し。

ヴ/姐さんみたいな人ばっかやったら、私たち戦争せんで済んだんやろな
ダ/難しいですね。でも、今のような泥沼はありませんでしたです
ヴ/せやなー
ダ/向こうに帰ったらもうお会いできないかも知れません、残念です
ヴ/くやしぃなぁ、せやけど、これが堕落神様の定めたもうた運命なんかなぁ
ダ/ここは日本ですから、仲良くしても誰も怒りません
ヴ/せやねー。貴族社会に帰りとぉないわぁ、このまま日本にずっとおれたらええねんけどなー

ちゅっ。ちゅー。

そして、ふたりは仲良く 私 の 血 液 をすする。

ヴ/だんなさまぁ〜、すまんけどニンニクちょいと足してんかー
ダ/魔界直輸入タケリタケひとつ、バリ固で

・・・おまいら。家に帰れなくなっても知らんぞ?

ユ/ここが家やからな(笑
イ/家ですから(笑

それが免罪符か!

182ヴァンさん推し:2017/03/05(日) 23:15:36 ID:pHpuNuys0
元ネタのコピペが切ないな……
実は仲良しで、本来宿敵な二人が嫁っていいなあ
雑兵さんの堕落シリーズとか
関西弁ヴァンパイアさん&真面目ダンピールさんかわいい

>>123みたく、手籠め予告もらうのも……いい
親魔物領のヴァンパイアさんって、拐う=夫にするって浸透してたら、おいそれと拐えなくて大変そう
そんなヴァンパイアさんお嬢かわいい

>>176のゲイザーちゃん、傍目的には好かれてるの筒抜けなのに、自分がモテるわけないみたいな、純真初心なところが……いい
ゲイザーちゃんにぶかわいい

>>180の研究員さんも……真面目にやってるからこそのこの結果であって、何かもう応援したくなるかわいさがある。
研究員さんも変態かわいい

つ゛ま゛り゛せ゛ん゛ふ゛か゛わ゛い゛い゛

183名無しさん:2017/03/05(日) 23:59:17 ID:aUa9tDxk0
私は医者だ。
注射器もメスも使えないけど、医者だ。
薬は胃薬くらいしか扱っていないけど、やっぱり医者だ。
まぁ、今は中学校の保険医をしてるけど。
私は医者なんだ。

専門は精神科医のゲイザー。
暗示で自分の知らない心の悩みも吐き出したり、他にも色々とある。
だから相談に乗ったり悩みを解決してたら、いつの間にか医師免許が手元にあった。
友人のツテでこうして保険医をやっているのは、まぁ暇つぶしだ。


「先生、いますか?」
「入りなよ」
男子の声が聞こえたので返事をすると、ガラガラと引き戸を開けて室内に入ってきた。
「相談内容は?」
「後輩のリザードマンの子に何度も決闘を申し込まれて、参っているんです」
何だそりゃ。
ずいぶんと熱烈なアタックかけられているじゃないか。
けれど男子学生の顔色は暗い。
こりゃ全くわかってないな。
「勘弁してくれって言ってもずっとこうで。もうどうしたらいいのやら」
「決闘の内容は?」
「剣道ですよ」
「それなら、違う事で勝負するって言えばいいさ。あんたの得意なのは?」
「将棋です」
「じゃ、そいつで勝負してやりゃいい。納得いかないなら、お互い納得いくまでいろんなことで勝負するといいさ」
男子学生は半信半疑ながらも、礼を言って出ていった。


こんな風に学生の悩みを聞くだけの保険医。
大抵は暗示を使うまでもない、小さな悩みだ。
私じゃなくてもいいんじゃね?と思うが、これも暇つぶしだ。
「先生!」
いきなり引き戸を開けて入ってきた男子学生。
こいつはいつも、変な悩み事を持ってきては相談してくる、変なやつだ。
最初に出会って以来ずっと、毎日通って来ている。
暇人め。
「好きな人に告白したんですけど、まったくわかってくれないんです! どうしたらいいんでしょう!」
「プレゼントは?」
「しました!」
「ラブレターは?」
「送りました!」
「愛の言葉は囁いたのか?」
「毎日叫んでます! 大好きです!」
「それで気づかないなんて、相当鈍感だな。お前も苦労するなぁ」
「……はい。苦労、してます」
「相談ぐらいなら乗るから、座れ。茶を淹れる」

今日も通って来た恋愛未成就の男子学生に紅茶を淹れる。
この暇人、とっとと恋人のところに通えばいいものを。
初日に言った、「とにかく毎日会って話をすることから始めろ」のアドバイス、ちゃんとやってるのかねぇ。
この暇人をどうしたらいいのやら。
今日は私の悩みをこいつにでも聞いてもらおうか。

私は湯気の立つカップ2つを手にして、男子学生の前に座ったのだった。

184名無しさん:2017/03/06(月) 13:20:39 ID:aRC3NqYA0
>>183
火鼠シャオメイの感想だー!
ラストのオチで思わず笑ってしまったよ。他人の事はよくわかるのに
自分のことになるとからきしなキャラの典型だね。
ドクター(保険医だけど)な客観的にみている口調もよかった。
このまま行けば保健室に鍵かけてベッドでエロエロしちゃう展開だな、うん。
また面白いお話を待ってるから頑張って。以上、火鼠の感想でした。

185名無しさん:2017/03/06(月) 19:42:21 ID:QwS4pZMo0
ゲイザーちゃんカワイイし、火鼠ちゃんも感想に出て来てくれてほっこり
そして自分はお蔵入りになったネタを発掘したので投下

186名無しさん:2017/03/06(月) 19:44:14 ID:QwS4pZMo0
よめあつめ攻略FAQ

Q. どんなゲームなの?
A. ゴハンとグッズを用意しておき、自分の家にやって来る魔物娘たちをお嫁さんにする。
  基本的にそんなゲームです。好きな魔物娘とキャッキャウフフ、しっぽりお楽しみください。

Q. 何をすれば良いの?
A. 特に目的意識がなければ、まずはチュートリアルで貰ったお星さまを使ってゴハンやグッズを買いましょう。
  それをお家に置いておけば自然と魔物娘たちが集まってきます。
  後は彼女達と仲良くなってお嫁さんになってもらいましょう。

Q. お嫁さんって一人だけ?
A. お嫁さんになってくれる魔物娘にもよりますが、普通に進めても5〜6人ぐらいまでならハーレムを作れます。
 ただし『○○さんと△△ちゃんと××ちゃんでハーレムを作りたい!』といったように思い通りのハーレムを作ろうと思った場合は難易度が劇的に上昇します。

Q. ゴハンとかグッズって何を用意すれば良い?
A. 基本的に自由ですが、無料の“ミルク”をゴハンにすると効果が高いのでお勧めです。
  お嫁さんになってほしい魔物娘が決まっている場合は、その娘たちが喜ぶゴハンやグッズを用意するようにしましょう。

Q. どうしてデフォルト設定のゴハンが“ミルク”なの?
A. 自家発電でこさえられるからです。

Q. ……それってつまり、精s――
A. 言ってはいけません。効果が高すぎてお相手を選びにくいのがタマにキズですね。

Q. お星さまはどうやって貯めるの?
A. お友達が毎日くれるので、それを貯めましょう。
  ときどき彼は大きなお星さまもくれます。素敵なお友達ですね。

Q. え、このお友達って男なの? 女の子じゃなくて?
A. 女の子に見えますが男の子です。カワイイけど男の子です。

Q. 何をしたら魔物娘はお嫁さんになってくれるの?
A. まだお嫁さんが一人もいない場合、ほとんどの魔物娘は最初にやって来た時に高確率でお嫁さんになってくれます。
  二人目からは何度もお家に来てもらう必要があり、人数が増えるごとに回数は増えていきます。

Q. 魔物娘からの求婚って断れないの?
A. 断れません。断ろうと思うのが間違いです。
  素直に彼女達との素晴らしい新婚生活を楽しみましょう。
  また、魔物娘によっては貴方をお持ち帰りし、強制的にお引っ越しすることになります。

Q. お目当ての魔物娘と結婚したかったらどうするの?
A. 上記のように、必ず彼女達が喜ぶゴハンとグッズを用意しましょう。
  場所によって会える魔物娘も変わるため、相手によっては引っ越しをすることも必須です。
  ここまで準備したら後は運です。運命の赤い糸が愛しい彼女と繋がっていることを期待しましょう。
  種族によっては特定の条件をクリアしないとお嫁さんにできない魔物娘たちもいます。

Q. アリスちゃんに会いたいんだけど、どうしたら来てくれる?
A. ゴハンには“ケーキ”を、グッズは“お人形”を用意しましょう。
  不思議の国に引っ越しをすると、街よりも若干会いやすいようです。

Q. アリスちゃんに用意した人形が勝手に動いてるんだけど。
A. お人形に混じっているリビングドールちゃんを買えることがあります。
  一緒にお嫁さんになってもらいましょう。

Q. 白蛇さんが他の魔物娘をみんな追い払っちゃうんだけど……
A. 白蛇さんは嫉妬深いので仕方ないですね。可愛いヤキモチだと思いましょう。

Q. あの……白蛇さん、友達まで追い払っちゃったんだけど……
A. 白蛇さんは勘が鋭いので彼も追い払ってしまいます。

Q. お星さま貰えなくなっちゃった……
A. お星さまが無くても生活はできます。
  白蛇さんさえいれば何もいらないはずです。そう思いましょう。

187名無しさん:2017/03/06(月) 22:06:05 ID:DPTmLPkEO
「山の天気は変わりやすいとはいえ……うう、ついてないな」

暗い山小屋の中、勇者は小さく溜め息をついた。
ボロい窓から周囲を見ればあたり一面の銀世界。
獣道を踏み越え、切り立った崖を攻略。街の人々の為の薬草こそ手に入れた彼だが、流石に雪の山道を歩く勇気は無い。

「っ寒いな」

一つ呟いて、マントを被る。
暖炉のための薪が無いため、動かない事が唯一の対策だ。炎の魔法など使ったら体力を消耗してしまう。
吐く息は、室内にもかかわらず白く染まっていた。

「うう、ついてないわね」

そんな時、勇者の耳に聞こえたのは、女性の声だった。
首だけを動かすと、際どい服を着た女がガタガタと震えていた。
頭の上の角とお尻の尻尾、背中の翼が彼女が魔物である事を伝えている。
強大な魔物、サキュバスであった。

「あの子の為に薬草はゲット出来たけど、雪なんて。あ、暖炉」
「薪は無いぞ」
「あら。勇者さんが居たの」

勇者はマントにくるまったまま相槌を返す。
魔物は討伐の対象だが、大切なのは薬草を持ち帰る事。
ここで体力を使って共倒れなどは、避けなければならない。
それを察したサキュバスは、何も言わずに勇者の近くに座った。

「寒いわね」
「そんな格好で山を登るからだ」
「これはサキュバスの正装でして」
「正装ってなあ……おい、何近寄って来てるんだ」
「だって寒いし」

じりじりと距離を詰めるサキュバスから若干の距離をとる勇者。

「ここは、二人で暖かくなるのが一番よ」
「具体的には?」
「セ○クス。二秒で暖まるわ」
「それ、搾られて終わりじゃないか」
「その時は貴方がインキュバスになれば解決ね」
「なんじゃそら」

一定の距離で睨みあう二人。
因みにサキュバスは二人で生き残るのに本気で言ったのだが相手は教団の勇者。伝わるべくもない悲しいすれ違いである。

「……くしゅん」

そんな拮抗を破ったのは可愛らしいくしゃみだった。
サキュバスが漏らしたそれに、勇者は溜め息を一つ。

「セッ○スはしないが、マント位貸してやろうか?」
「え?」

困って居る人を放って置けないのが勇者である。
震える彼女に近寄って、マントをかける。

「終わったら返してくれよ」
「やだ」

そんな彼の精一杯の優しさに。

「二人でくるまれば完璧でしょ」

彼女は笑って答えたのだった。

188名無しさん:2017/03/06(月) 22:15:29 ID:GQ3QjuiY0
みんな優しい話だなぁ……
やっぱり勇者は困ってる人を放っておけない系が一番図鑑世界にしっくりくる気がする

189名無しさん:2017/03/07(火) 13:47:40 ID:aem2TyV2O
「ねえ、私、この街は初めてなの。案内して下さるかしら」

鍛錬を終えたばかりの教団の勇者である俺に、そんな声がかけられたのはある昼下がりの事だった。
顔を上げると、この世のものとも思われない美しい銀髪と紅い瞳を持つ女性が不安そうに、こちらの方を見つめていた。
高貴な雰囲気といい、きっと貴族のお嬢様なのだろう。

「あんまり、女の人が好きそうな場所とか、分からないんだが」
「いえ、貴方が良いんです。普段見ない場所を、人を知りたいのです」

貴族の道楽だろうと、やんわりと断ろうとしたが、どうやら本気で見て回りたいようで。
真っ直ぐにこちらを見つめる視線に俺は頷くしかなかった。

「じゃ。まずは服屋から行きますか」
「服屋ですか?」
「あんたのその髪とドレス、目立つからな。まずは帽子位被ってからだ」
「ええ」

それからしばらくの間、俺と女は色んな場所を歩いた。
服屋の次は、教団の史跡を辿り、屋台を巡り、ゴンドラに乗った。途中、「お、堅物のお前に恋人か?」と言ってきた同僚には「社会見学だ」と軽くブローを入れた。
屋台で食べたケバブは独りで食べるより旨かった。

「ここは?」
「俺のお気に入りの場所だ。ほら、街が一望出来るだろ?」

そして、夕暮れに染まる頃、俺達は街外れの丘の上に居た。
目の前に広がるのは、人の営み。灯りの一つ一つの下に誰かが生きている。

「綺麗……」
「ああ。勇者になってからはここを良く思い出してるんだ。俺が、護りたいってな」
「ふふ、素敵ね」

街を眺める彼女の姿は美しくて、俺は小さく溜め息をつく。
きっと彼女の正体は……。

「姫様ー!」
「こんな反魔国で何をなさってるんですか!」
「あ、貴女達!?」

そんな思考を補足するように現れたのは、二人組の女性。
角と、尻尾。人ならざる耳が魔物であることを雄弁に伝えていた。

「すまないが、人違いだ。コイツは俺の知り合いでね」
「……え」

こちらを見て呆けて居る彼女にウィンクをして、そのままお姫様抱っこをする。

「あ、その、私は」
「今日は案内を頼まれたからな」
「「待てー!」」

二人が追いかけて来る声を聞きながら、丘を駆け下る。
今日位は、逃げきれる筈だ。

きっと、彼女と俺は違う形で再会する。
「はじめまして」

そんな言葉を告げるだろう。
そして、剣を交えるかもしれない。

けれど、俺は。
今日の事を忘れない。

190名無しさん:2017/03/07(火) 14:03:26 ID:aem2TyV2O
>>186
友達を追い払う辺りで笑ってしまいました(笑)
流石白蛇さん鋭い……

191名無しさん:2017/03/07(火) 15:06:14 ID:uK1BkpjA0
このスレはほんわかレス推奨ですので、ちょっとダークな感じの話を投稿するのは避けた方が望ましいでしょうか?
規約に触れるような殺伐とした話ではないですが、ほんわかではないので……

192名無しさん:2017/03/07(火) 16:02:01 ID:aem2TyV2O
>>191
作品次第、という曖昧な回答しか出来ず申し訳ありません……。

個人的にはダークな話、特に短編で書くのは難しいイメージがあります。
図鑑世界はややライトファンタジー(異論がある方は一杯いらっしゃると思いますが……魔物娘さん達の優しさや魔界銀など人を傷つけない工夫が随所にされたこの世界を私は暖かいと感じました)に近いので、そこから乖離したダークな作品となると、理由付け……即ち、読者さんを置いてきぼりにしない、共感できて納得できる設定が話を円滑に進めるのに必要となります(重ね重ねあくまでも個人的感想です)。

しかし、これだけの設定を用意して話を書くのは大変です。
設定に寄りすぎれば長い説明だけの文章になり、設定が不足すれば、読者さんが置いてきぼりになるためです。
このジレンマがダークな話を書く上で常につきまといます。短編ともなれば短い間で伝えるので更に大変です(私みたいな木っ端作者にはほぼ不可能と諦めてます)。

しかし、私はこれらのジレンマを踏み越えた、面白い話を読んでみたいです。
心に染みる。図鑑世界らしい。面白い、ダークな話を。

貴方の投稿。楽しみにお待ちしております。

193名無しさん:2017/03/07(火) 17:29:55 ID:uK1BkpjA0
 窓から差し込む陽光に私は目を覚ました。窓には燦々と輝く太陽が描かれ、傍らには愛娘が眠っている。私は娘の額に口付けを一つ落とし、優しく揺り起こした。
 娘は煌めく硝子玉の様な瞳に涙を湛えながら、大きな欠伸と共に伸びをし、可愛らしい球体関節の指でその涙を拭った。
 
「おはよう、父様。今日も良い朝ね」
「そうだね。さぁ、母さんが美味しい朝御飯を作って待っているよ」
 
 私は娘の手を取ると寝室のドアノブを握った。部屋の四隅へ亀裂が入り、パタパタと小気味の良い音を立てて壁が倒れる。そして、再び起き上がったのはダイニングの風景が描かれている壁。部屋の中央にはダイニングテーブルとチェアが三脚。
 
「二人ともおはよう。さぁ、冷める前に頂きましょ」

 私と娘がチェアに腰掛けると料理を持った妻が現れた。朝食はトースト、ハムエッグ、サラダ、スープ。
 
「母様の料理は何時も美味しいわ」
「そりゃそうさ。なんたって母さんは私が惚れた女性だからね」
「もう、朝から止めて」
 
 私達は朝食を食べる振りをしながら団欒を楽しんだ。何時もと変わらない穏やかで楽しい朝。
 たとえ、私と妻と娘以外の全ての物が紛い物だとしても、妻と娘への愛は真実で、この壁に囲まれた世界は幸せに満ちている。
 
 幸せ家族のドールハウス
 魔界金貨10枚から応相談


短編の新作が書けず、連載も止まっている状況のため、自分の中のイメージを昇華すべく投稿させていただきました。
感想、批評等ございましたら、気兼ねなくお願いします。

194名無しさん:2017/03/07(火) 19:38:01 ID:fPXePstk0
>>193
うにゃぁ、確かにちょっとダークやわ……
自分はこういうのすごく好みだけど、何とも言えない気分になる
しっかり短編にも落とし込めそうな良いアイディアの作品だと思いました

しかし>>105>>106>>193と、リビドーちゃんは小品でも題材として人気やね

195名無しさん:2017/03/07(火) 20:12:44 ID:aem2TyV2O
>>193
リビングドールさんのダークで「幸せ」な話……ご馳走様でした。
あまり批評などは得意ではないリャナンシーですが、少しだけ、書かせていただきますね……。

今回の話のポイント(だと私が勝手に感じました……)は主人公と妻、娘による「幸せな日常」と「ドールハウス」という非日常の落差です……。
人によっては「不幸」だと感じる狂気の中の「幸せ」が短編の中で上手く描かれていたと思います……(上から目線のような書き方ですみません……)。そして、最後に出された具体的な数字がダークさと「作り物」らしさを強調してくれています……。

私が批評出来る所は、「主人公への感情移入」でしょうか……。
何故、この生活を選んだのか。どうやってドールハウスについて知ったのか……。
彼の心が病み、この「幸せ」を受け入れるようになる過程を描く(ほのめかしでも構いません……)事で読者さんの「共感」を得て、より深く、物語に没入してもらい、ダークな世界観を味わっていただけるのではないかと感じました……(生意気な事を言ってしまってすみません)。
稚拙な例ではありますが……「以前の不幸せな日々の夢を思い出し」たり、「ドールハウスを買った時の心理」を描くなど、でしょうか……。
勿論、短編の字数という都合があるため、難しいとは思いますが……。


表現力。描写力。文章の出来については私が申し上げられる事はなにもない位優れた物を、様々な作品を書いてきた経験を感じました……。
これからも。良い作品を沢山生み出して下さいませ……。

以上、拙い文で申し訳ありませんでした……。

196名無しさん:2017/03/07(火) 21:05:27 ID:ATht3vJk0
>>194
感想、ありがとうございます。
リビングドールは、ドールであるために各々の理想を落とし込み易いのかもしれませんね。

>>195
丁寧な批評、ありがとうございます。
主人公がそこに到るまでの過程を書いて共感を得てもらうというのは、以前書いた話でも頂いたアドバイスでしたが、すっかり失念していました。
次作には活かしたいと思います。

197名無しさん:2017/03/07(火) 21:31:25 ID:fPXePstk0
>>196
違ったらごめんなさいだけど、もしや>>80>>81の人?

198名無しさん:2017/03/07(火) 21:35:50 ID:ATht3vJk0
>>197
いえ、>>80,81は違う方ですね。

やはり、内容が内容なだけに……。

199名無しさん:2017/03/07(火) 22:04:51 ID:fPXePstk0
>>198
ほあっ、失礼いたしました

200名無しさん:2017/03/08(水) 11:52:46 ID:axKOdU2Q0
ダーク風味のテスト。
---------------------

吸血鬼。
それは夜の闇に潜み、人の生血を啜る魔物。
人を食料として認識し、人に近しい姿を持ち、決定的に異なる捕食者。
私は亡霊やゾンビに代表される闇にうごめく死者たちを恐れていた。
あの生気を求めて伸ばされた手に捕まれば、どうなってしまうのだろうか、と。

吸血鬼はその点、わかりやすかった。
捕まれば最後魂まで食いつくされてしまい、吸血鬼に堕ちる。
その後は自分が忌み嫌い恐れていた、人を食うという行動を嬉々として行うようになる。
人を食い、闇へと誘う彷徨える死者となるのだ。
吸血鬼の話を理解した後、心の底に真冬の解けない氷が敷き詰められたような恐怖を抱いた。

だが、こうも思った。
恐らく、恐らくだが。
なってしまえば、人としての人生など過去のものとして忘れ、笑いながら人を食うのだろうと。


「レイチェル」
「久しいな、マイルズ」
私は久方ぶりに故郷の村に帰ってきた。
幼い頃から共に夢を語り、遊んだ幼馴染は笑って私を迎えた。
開拓村特有の子供の少なさから、私たちはいつも二人で遊んでいた。

狩人として村に残っていた彼は生活が安定しているのだろう。
調度品は街では見かけない質素な木製品ばかりだが、よく使いこまれているのが見てわかる。
同じく木製の壁にかかっている大きなクマの毛皮は彼の勲章かもしれない。
カップや皿なども含めて自作しているのだろうか。
手に持つ酒の入ったカップは、どこか歪んでいる。
私の疑問に気づいた彼は笑って、まだ練習中だと教えてくれた。

女性の気配はない。
男所帯らしい、実に遊びの無い室内だ。
嫁さんはまだなのかと尋ねてみたが、やはり縁がないらしい。
少年時代そのままの快活な笑顔は、私の子供時代の記憶を掘り起こす。
あの頃は楽しかったな。
意図せず口から洩れた言葉に、彼は同意した。


泊まる宿も無く。
彼は毛布に包まり床の上、私は彼が使っていたベッドの上で身を横たえていた。
家主に申し訳無いと告げても、女性を床で寝かせるわけにはいかないと彼も譲らなかった。
酒気が誘う眠気もあり、私が折れてベッドを借りることにした。
寝返りを打ち、床で寝る彼を見る。
野生の獣を狩る生業をしているとは思えないほど、無防備な姿。
狼が彼の首筋を舐めても気づかないのではないだろうか。
呆れてベッドから下りると彼に近づき。

その首筋を舐めた。

まだ早い。
もう少しだけ、この甘くささやかな人の名残を味わうとしよう。
私は彼の皮一枚向こうに息づく生命の流れを確かめた後、ベッドに戻る。

子供時代のように。
彼との戯れを胸に抱きながら。
共に遊ぼうと彼を誘うように手を伸ばすその日を夢見て。

201名無しさん:2017/03/08(水) 12:24:11 ID:xjwqhIMcO
私は壊れた機械です。
致命的なバグが、動力源や思考中枢を苛んで居るのです。
そして、それを報告出来ないほど、私という存在は狂って居るのです。

「そうさなあ。あたしの見立てだと、このあたりが良いと思うんだけど」
「成る程、ね。やっぱり女の子の意見は参考になるな」
「まあ、なにあげても喜ぶと思うよ?あんたが選んだってのが大事なんだから」

御主人様の後ろに立つ私の聴覚センサーが、会話を捉えます。
御主人様と話しているのは、彼の古い友人であるグレムリン様でした。私の発掘と調整をしてくれた、素敵な女性です。
御主人様と、仲が良さそうで、お似合いで……。

「……!」

不意に熱くなった動力炉に私は小さく顔をしかめました。
私の頭脳回路は一体何をどうしたのか、二人を話させたくない。などというコマンドを上梓して来ています。
私の目的は、御主人様を助ける事。
もし二人が好きあって居るならば、恋の成就を応援すべき立場です。
しかし私の身体は、まったく動いてくれません。
冷まそうとした動力炉は余計に熱を生み出してしまっていました。

私は、一体どうしてしまったのか。
答えは、未だに見つからないのでした。

202名無しさん:2017/03/08(水) 12:36:01 ID:rLx9kCQU0
新人リャナンシーです。上手く批評できるかどうかわかりませんが、がんばります。

優しい狂気がじわっと侵食してくるのが、とても良かったです。
こういう作品も時々は読みたいなと思っている人もいるんじゃないかな? 私もその一人です。
空気作りがとても上手くて、何か言うのをためらうレベルです。
なので、私の担当作家ならこうしているかな? というところを書いてみますね。参考になるといいな。

漢字にメリハリをつける。
地の文から主人公は知識レベルの高そうな壮年男性と思います。でも、愛娘はやや幼い雰囲気があるので、「よい朝」や「いつもおいしいわ」など漢字を開いてキャラクターを出すとよいと思います。

壁を倒さないような場面変換にする。
最後に「壁に囲まれた」という表現が生きるように、壁は不変のものにするとよいと思いました。
『嵌め殺しの扉を開けると、テーブルに三脚の椅子が並んだダイニングが目の前に広がっていた。そして、反対側の扉の前には、私と娘の後姿があった。』という感じとか。

妻を描写する。
妻の描写がないので、妻までまがい物に感じてしまいます。これがわざと読者に違和感をおぼえさせるものならいいのですが。でも、その場合なら、まがい物をまがい物じゃ無いと思い込む主人公の理由が少しあるといいと思います。

主人公が現状にいる理由を匂わせる。
明示するよりも、読者にそれを想像させるヒントをちりばめていくことで、曖昧な怖さが出て、雰囲気がよりよくなると思います。

こんなところかな?
でも、本当に好みの問題とかになるレベルだから、他の人ならどうするかって程度で読み流してくれるといいな。

203名無しさん:2017/03/08(水) 13:24:12 ID:UCVJoUNA0
>>202
丁寧な批評、ありがとうございます。
自分でも思う所が幾つかある批評ですので、参考にさせていただきます。

204名無しさん:2017/03/08(水) 20:54:34 ID:xjwqhIMcO
「雨、か」
「雨は嫌いか?」
「余り、好きではないかな」

しとしとと、雨が降り注ぐ外を見ながら、僕はアヌビスである彼女の言葉に苦笑で返した。
昔から、雨の日は余り好きではなかった。靴の中が濡れたり、電車が止まったり。予定が狂ってしまうから。
現に、彼女が一所懸命に立てたデートの予定は、完全に破綻してしまっていた。

「君は、好きなのかい?」
「私は……そうだな。嫌いとは言えないな」
「予定が狂うかも知れないのに?」
「そうだ。確かにこうして雨宿りのための足止めを喰らって悲しんでははいるが……それでもこいつは、嫌いになれないのだよ」

静かに語る彼女の目は、遠くを見るように細められていた。
その瞳には、きっと彼女の過去が映って居るのだろう。

「お前に出会う前、私が過ごしていた砂漠は、雨が降らない地だったからな。普通の耕せば緑映える砂漠とは違う、本当の乾いた地。ファラオ様の加護無くして生きること能わず、規律無くして、死を免れ得ない大地。--故に」

ふ、と彼女は口角を吊り上げて見せた。
その笑顔に、思わずドキリとしてしまうほど、柔らかな笑みだった。

「こうして、誰かと雨を見るのが、夢だったのだ。天の気まぐれによる、絶対に予定する事の出来ない、夢だ。予定が崩れるのは確かに残念だが、次善の策もある。このあたりは地下通路も多い。先ずは--」

そんな、大きくて小さな夢を語る彼女が可愛く感じて。
僕はほんの少しだけ、意地悪をしてみたいと、思ってしまった。

「傘もありますし、外に出てみませんか?」
「お、おい、聞いていたのか!?」
「ええ。でもこうして雨が降って居るなら--見るだけなんて、勿体ないですよ」
「しかし……お前は雨は嫌いではないのか?」
「ええ、あんまり好きではありません……けれど」

傘を開くと、青い花が頭上に咲いてくれる。
きっと足元は濡れてしまうし、予定だって守れない。
僕は、きっと雨を好かないままだろう。

でも。

「君と二人で歩くなら。少しは好きになれると思いますから」
「……そうか」

少し遅れて開かれた彼女の紅い傘が、僕の傘と軽くキスをする。
パシャパシャと水溜まりを踏みながら、二人で予定を破っていく。

「明日は、晴れますかね」
「晴れてくれないと、予定が狂うな……だが」

何気なく言った一言に彼女は笑って。

「こうして、また二人で歩いてみたいものだな」

小さな夢を、口にした。

205名無しさん:2017/03/08(水) 21:14:56 ID:xjwqhIMcO
ぐうう、最近は図々しくも「……」を削る習作をここで書かせていただいていますが、今度は「、」の使いどころで混乱してきました。
一つ上の作品では特に混乱が強くなってしまい「ここで読点を使ってのばしたら悪文だし、どうすれば」と終始悩んでしまいました。
リャナンシーちゃん、出来れば上手な読点、句点の使い方を教えてください……。

206名無しさん:2017/03/08(水) 23:18:03 ID:c0xWLDZg0
>>205
SS作家跋扈するこの地獄変……リャナンシーちゃんはここにいる!
はい、頼まれましたー! 作家の誰もが悩む句点と読点の置き場!
リャナンシーちゃんも相棒と勉強中の題目だけど、できる範囲で力を貸すわよ!
なので今回、参考には本多勝一先生の名著『日本語の作文技術』を引用させていただきます! あらかじめ最初に断っておくわね!

まず句点の打ち方だけど、これは当然ながら一つの文をまとめる時に使用されます。
難しく考えずに普通の感覚で打てば良いのだけど……困るのは読点なのよね、結局。
となると、やはり読点の打ち方をルール化する必要がありそうよね?。
そこで登場する原則が二つあります! これが本田先生による、読点ルールの大原則だぁ!

原則一・長い修飾語が二つ以上あるとき、その境界にテンを打つ。(重文の境界も同じ原則による)
原則二・原則的語順が逆の場合にテンを打つ。

……はい、当然ながら何のこっちゃって感じよね。私も上手く言えないけど、解説してみまーす。
例文として>>204から文章を拝借します。以下の一文は、わざとテンを抜いてみた文章にしてみたわ。

しとしとと雨が降り注ぐ外を見ながら僕はアヌビスである彼女の言葉に苦笑で返した。

この文章は述部である『返した』って言葉を修飾……つまり、『返した』を説明している語や句があるわけよね。
そのパーツに番号を振ってみましょう。すると

①しとしとと雨が降り注ぐ外を見ながら
②僕は
③アヌビスである彼女の言葉に
④苦笑で

この4つのパーツが出てきました。この中で一番長いパーツは? そう、①になるわよね?
それから③も長め……というわけで、原則一が適用できちゃうわけね。
この文は僕はを①の前にも置ける重文構成だから、①の境にテンを打ちましょう。今度はこんな文になります。

しとしとと雨が降り注ぐ外を見ながら、僕はアヌビスである彼女の言葉に苦笑で返した。

はい、もうこれで十分スッキリ! でもちょっと後半長いかなと思ったなら、今度は第二原則を適用させてみましょうか。
このルールの『原則的語順』ってのは、上の例文みたいにパーツ分けをした時に『長いパーツから順番に並べたものが論理的には分かりやすい』というルールなの。
①は前にテンを置くのが決まったので、それを除いてパーツを順に並べると

アヌビスである彼女の言葉に苦笑で僕は返した。

こうなりました。でも元の文章ではパーツ②『僕は』を前に置いてるわよね?
さぁ、それじゃあ第二原則に従ってパーツ②にテンを置いて、また文を整理しましょう! じゃん!

しとしとと雨が降り注ぐ外を見ながら、僕は、アヌビスである彼女の言葉に苦笑で返した。

はい、『論理的には』理解しやすい文章ができました!
……違和感あるわよね? テンが近いわよね? 私も書いててカッコ悪い文章になっちゃったなぁって思ったもの。
じゃあどうしましょうかって話なんだけど、語順をいじっちゃえば良いのよ。
④『苦笑で』は『返した』の直前に置きたいから、④の前に②の『僕は』を置いて、そのまた前に③を……あ、ここ長いからテン入れちゃえ。
またこうやって整理してみると、

しとしとと雨が降り注ぐ外を見ながら、アヌビスである彼女の言葉に、僕は苦笑で返した。

これでどうかしら? 意味は通じるし、同じテンが二つでもバランスはさっきのより余程よくなったわね。
あとは好み! もっと自分でいじってみるも良し、最初のテン一つの文章にしちゃうも良し!

どうにも私と相棒も試行錯誤の最中だけど、大事なのは『無駄なテンを置きすぎたら文章はカッコ悪い』ってことらしいのよ。
今回だったら三点リーダーを減らすためにテンを多用してるわよね?
結果的にはテンがくどくなっちゃってるってのを、自分でもなんとなく感じてるんじゃないかしら。
そういうときには文をパーツに分解! ここのテンは必要ないなと思うところを片っ端から削ってみて、文を整理していく!
そんでもって、どうしても文のリズムや感情を置きたいところにテンや三点リーダーを置く!
そうすれば見直してもっと読みやすい文章が完成するんじゃないかしら?

メッチャクチャに長くて偉そうな講釈になっちゃったけど、ごめんなさい! 今回はこんなところで!
自分で書いてても意味分かんない説明だから、質問あれば答えます!
あと、添削……なんてのはおこがましいけれど、ちょっと私でも>>204の文章全体をいじって、ここに投稿させてもらっても良いかな?
こういうのは正解もないけど、せっかくだし他のお仲間と意見交換をしてみたいなー、なんて思ってるのよ。
もしOKなら、一緒に分かりやすい文章を書けるようにがんばりましょうね!

以上! リャナンシーちゃんからでした!

207名無しさん:2017/03/08(水) 23:51:42 ID:xjwqhIMcO
>>206
リャナンシーちゃん、ありがとうございます!
成る程。一旦文の読点を抜いてレイアウトを考える手がありましたね……。
私はいつもここをフィーリングでやっており、今作のような説明が多目の文章で詰まって居たため、非常に分かりやすい説明でありがたかったです。
綺麗で、伝わりやすい文章。これからも頑張って行きたいです!

そして添削版、凄く見たいです……。
とても手間がかかる事なので、無理強いは絶対に出来ませんが、もしよろしければ、お願い致します。

本当に、ありがとうございました。

208名無しさん:2017/03/09(木) 00:24:47 ID:lP1Vx0Ok0
>>207
ベッドで眠っちゃったリャナンシーちゃんから最後に補足の伝言を頼まれたので、僭越ながら自分が。

例文にあげさせていただいた『しとしと、と』の部分は、テンを消すと読み辛くなってしまうから、という意図があったのでしょうけれど、
これが気になる場合は『シトシトと』のようにカナを使って見た目に判断をしやすくする(分かち書き)のも有効だそうです。
もしひらがなでの『しとしと』という表記と感触を使いたかった場合でしたら、そのまま『しとしとと』というのもアリだとか。
辞書の例文もひらがなで『しとしとと』と書いてありましたし、文字から受けてほしい感触……書き手の都合を優先するのもたまには良いのでは、と。
それで、その辺りは他のテンとかの兼ね合いも兼ねて、トータルで読者の読みやすさとメリハリを付けていきましょう、とのことでした。

また、投稿した作品の私的校正について快諾していただきました、どうもありがとうございます。
リャナンシーちゃん喜んでましたので、明日にでもご返信できればと思います。

209名無しさん:2017/03/09(木) 01:23:16 ID:LfX0.fgw0
あ、その添削会、自分も他の人の文章と自分の文章を照らし合わせてみたいので投稿させてもらってもよろしいでしょうか?

210名無しさん:2017/03/09(木) 01:49:38 ID:lP1Vx0Ok0
>>207
ごめんなさい、>>208ですが全く意味不明な補足をしておりました……
『しとしとと』って元から表現されてますものね。いったい自分達は何を読んでたんでしょうか……
リャナンシーちゃんと二人でボケてたようです。>>208のレスは無視していただけると助かります
大変申し訳ございませんでした………あぁ、恥ずかしいよぉ

211205:2017/03/09(木) 09:17:22 ID:7xPBtKFM0
>>209
是非お願いします。
大変だとは思うので、出来ればで大丈夫ですが……。
句読点は本当に難しいです(遠い目)

>>210
いえいえ、貴重なアドバイスありがとうございます。
「しとしと」や「さんさん」などの表現はどうしてもひらがなにしたくなってしまうので中々難しいですよね。
図鑑世界らしさを出すなら柔らかいひらがなを使いたくなるので、こちらもいつも悩みの種だったりします。
もっと上手く書けるようになりたいですね……!

212名無しさん:2017/03/09(木) 12:02:20 ID:1GcchSx60
新人リャナンシーです。
作家最大の迷いどころと言っても過言じゃない読点問題に果敢に挑みます。討ち死にしたら、骨は拾ってね。

読点は、ルールが有るような無いようなところが厄介よね。作家のセンスを問われるわよね。
でも、憶えておいて。難しく考えちゃダメ。
難しく考えれば考えるほど、こういうものは無間地獄に陥るの。どうせ堕ちるなら、魔物と恋に落ちて。以上、リャナンシーからのお願いでした。

っと、まだ具体案がなかったわ。参考に私の担当作家の方法を紹介するね。

読む。

――シンプルね。でも、効果的よ。
読点を打つタイミングは「息継ぎしたい」と思ったところね。これは読むとすぐにわかるわ。あとはひらがなが連続していたりとか、読みにくくて「文を分けたい」と思ったところね。

しとしとと雨が降り注ぐ外を見ながら、僕はアヌビスである彼女の言葉に苦笑で返した。
昔から雨の日は、あまり好きではなかった。

「余り」の漢字をひらいたのは、読点を打つなら、ひらいた方が「好き」という字を目立たせることができるからです。

どうしてもしっくりこない時は、文章自体を見直すのもいいわ。順番を変えたり、句点を打って文を分けたり、描写を足したり、減らしたり。

こんな感じね。参考になったかしら?

あと、担当作家も添削会に参加したいって言ってるから、いいかしら?

213名無しさん:2017/03/09(木) 12:44:12 ID:p.GM5ecw0
問題無いかと思います。

もしよろしければ、私も参加させていただけないでしょうか?

214名無しさん:2017/03/09(木) 13:16:07 ID:gYiNaz5oO
>>212
とても具体的なアドバイス、ありがとうございました。
私も普段「読み」ながら書いては居たのですが、三点リーダーが作る「間」の威力に大分甘えていたため、今回強く混乱してしまったと感じております。

添削はとても有り難いです。
時間を割いていただけるのであれば、是非お願い致します。


>>213
はい、時間に余裕がございましたら、是非ともお願いしたいです。
宜しくお願いします。

215209:2017/03/09(木) 13:46:10 ID:LfX0.fgw0
>>211 お言葉にに甘えて

「雨……か」
「雨は嫌いか?」
「あまり好きではないかな」

雨がしとしと降りそそぐ外を見ながら、僕はアヌビスである彼女の言葉に苦笑で返した。
昔から雨の日はあまり好きではなかった。靴の中が濡れたり、電車が止まって予定が狂ってしまったりと、いい思い出がないのだ。
今もそう。彼女が一所懸命立てたデートの予定は完全に破綻してしまった。

「君は、好きなのかい?」

僕の問いかけに、彼女はしばし、ここではないどこか遠くを見るように目を細めた。

「そうだな。嫌いとは言えないな」
「予定が狂うかもしれないのに?」
「そうだ。たしかに、こうして雨宿りのための足止めを喰らって悲しんではいるが、それでも私はこいつを嫌いになれないのだよ」

静かに語るその声には懐古の情が滲んでいる。
細められた瞳には、きっと彼女の過去が映っているのだろう。

「お前に出会う前、私が過ごしていた砂漠は雨が降らない地だったからな。普通に耕せば緑映える砂漠とは違う、本当の乾いた地。ファラオ様の加護無くして生きること能わず、規律無くして死を免れ得ない大地。――故に」

彼女の口が笑みの曲線を描く。
思わずドキリとしてしまうほど、柔らかな笑みだった。

「こうして、誰かと見るのが夢だったのだ。天の気まぐれによる、絶対に予定する事の出来ない雨を。
 予定が崩れるのは確かに残念だが、次善の策もある。このあたりは地下通路も多い。先ずは――」

そんな、大きくて小さな夢を語る彼女を可愛らしく感じて。
僕はほんの少しだけ、意地悪をしてみたいと思ってしまった。

「傘もありますし、外に出てみませんか?」
「お、おい、聞いていたのか!?」
「ええ。でもこうして雨が降っているんです。見るだけだなんてもったいないですよ」
「しかし……お前は雨は嫌いではないのか?」
「たしかにあんまり好きではありません――けれど」

傘を開くと、青い花が頭上に咲いてくれる。
雨の中に踏み出すと、花が自然の音色を奏でた。

きっと足元は濡れてしまうし、予定だって守れない。
僕は、きっと雨を好かないままだろう。

でも。

「君と二人で歩くなら。少しは好きになれると思いますから」

振り返って彼女に手を伸ばす。

「……そうか」

少し遅れて開かれた彼女の傘が紅い花を咲かせ、僕の傘と軽くキスをした。
二輪の花を並べてパシャパシャと水溜まりを踏みながら、二人で予定を破っていく。

「明日は晴れますかね」

僕の何気ない一言に彼女は真剣に答える。

「晴れてくれないと予定が狂うな……だが」

もう一輪、花が咲いて。

「こうしてまた、二人で歩いてみたいものだな」

小さな夢を、口にした。

216名無しさん:2017/03/09(木) 13:50:43 ID:LfX0.fgw0
こんなアヌビスさんと公園の小屋から雨が降ってるのを延々と並んで眺めていたい……
砂漠に花というか、砂漠の花を射止めた僕さんマジ羨ましいっす

そんな花の下りを強調した終わり方でございました。
他、ちょこまかと変えてはいますが文意はあまり変わらないかと。
句読点は読んでみて違和感なければOKという雑な感じなのでリャナンシーちゃんの言ってたことをちょっと意識してみようかな……
三点リーダーについては描写を挟むことで間を取るという方法で乱用を回避できるかもです

あとですね、漢字はいくつか開いたほうが文章全体が読みやすくなりますので↓こちらあたりを参考にしてみたらよいかもです
ttps://matome.naver.jp/odai/2143348419251504001
敢えて固いイメージを持たせておきたいアヌビスさんの台詞を漢字多めで書くとかは演出的にありだと思います。

その他詳しいことはリャナンシーちゃんたちの意見を参考にしてください

217210:2017/03/09(木) 14:00:56 ID:lP1Vx0Ok0
>>211
お待たせいたしました。以下のような意図で多少の文改変を行っております。
個人的に原文が好みの文体と内容であったため、それをあまり崩さないようにしたつもりではあります。

①「余り」「居る」「先ず」といった漢字をひらがなに。
②『僕』の口調にですます調が混在していたので、地の文に合わせて普通の口調に統一。
③長い台詞の分割。及びそれに並行して地の文の追加。
④ハイライトである『夢』の印象を強くするために、彼女に対する僕のモノローグを追加。台詞も夢を語る部分で分割と抽出。
⑤『夢』の対比表現として『意地悪』を等価に置く表現の使用。
⑥読点を多少減らし、三点リーダー等の使用回数で文全体でのバランスを調整。特に――を引きの強い箇所に使用する形に。
⑦その他細かな表現を自分の感覚で調整・変更。

それでは次のレスに投下をいたします。

218210:2017/03/09(木) 14:02:47 ID:lP1Vx0Ok0
>>211

「雨、か」
「雨は嫌いか?」
「あまり、好きではないかな」

しとしとと雨が降り注ぐ外を見ながら、アヌビスである彼女の言葉に、僕は苦笑で返した。

昔から雨の日はあまり好きではなかった。
靴の中が濡れたり、電車が止まったり。そうやって予定が狂ってしまうから。
現に、彼女が一所懸命に立てたデートの予定は、完全に破綻してしまっている。

「君は好きなのかい?」
「私は……そうだな。嫌いとは言えないな」
「予定が狂うかも知れないのに?」
「そうだ。確かにこうして、雨宿りのための足止めを喰らってはいるが……それでもこいつは、嫌いになれないのだよ」

静かに語る彼女の目は、遠くを見るように細められていた。
その瞳にはきっと、彼女の過去が映っているのだろう。

「雨が降らない地だったからな。お前に出会う前、私が過ごしていた砂漠は」

僕の知らない世界のことを、彼女は淡々と述べていく。

「普通の耕せば緑映える砂漠とは違う、本当の乾いた地。ファラオ様の加護無くして生きること能わず、その規律無くして死を免れ得ない大地。故に――」

ふ、と彼女は口角を吊り上げて見せた。
思わずドキリとしてしまうほど、柔らかな笑みだった。

「こうして誰かと雨を見るのが――夢、だったのだ。天の気まぐれによる、絶対に予定する事の出来ない……夢、だ」

夢、と繰り返し口にして、彼女は微笑む。
誰かと雨を見ること。
彼女にとっては途方も無く、僕にとってはありふれているだろうこと。
そんな、大きくて小さな夢を語る彼女が可愛く感じられて。

「予定が崩れるのは確かに残念だが、次善の策もある。このあたりは地下通路も多い。まずは――」

僕は小さな意地悪をしてみたいと、そう思ってしまった。

「――傘もあるし、外に出てみない?」

僕にとって、大きくて小さな意地悪を。

「お、おい、聞いていたのか!?」
「うん。でもこうして雨が降っているなら、見るだけなんて勿体ないよ」
「しかし……お前は雨は嫌いではないのか?」
「あんまり好きではない……けど」

傘を開くと、青い花が頭上に咲いてくれる。
きっと足元は濡れてしまうし、予定だって守れない。
僕は、きっと雨を好かないままだろう。

でも。

「君と二人で歩くなら、少しは好きになれると思うから」
「……そうか」

少し遅れて開かれた彼女の紅い傘が、僕の傘と軽くキスをする。
パシャパシャと水溜まりを踏みながら、二人で予定を破っていく。

「明日は、晴れるかな」
「晴れてくれないと、予定が狂うな。だが――」

何気なく呟いた一言に、彼女は笑って。

「――こうして、また二人で歩いてみたいものだな」

小さな夢を、口にした。

219名無しさん:2017/03/09(木) 14:18:06 ID:lP1Vx0Ok0
さて、リャナンシーちゃんも満足したみたいなので普通にレスを

>>216さんの例を見ただけでも「あぁ、あそこはもこうしておけば良かったのか」とか
色々と思うところが湧いて出て来るから凄いなぁ
花の下りを強調、っていうのは自分の発想にはないものでした
ていうかリャナンシーちゃんの言ってたこと、自分も全然守れてないんだよね……要反省

220212:2017/03/09(木) 14:57:40 ID:1GcchSx60
「雨……か」

 しとしとと糸を引くような雨が降っている。

「雨は嫌いか?」

 それを不機嫌な思いで眺めていた僕に、アヌビスである彼女が問いかけてきた。

「あまり好きではない、かな?」

 疑問形で返したが、昔から雨の日は、あまり好きではなかった。
 傘を差しても靴やズボンの裾が濡れる。豪雨とかだと電車が止まったりもする。とにかく、いつもは何でもないことでも雨のせいで予定通りにいかなくなる。
 今もこうして、彼女が一所懸命に考えたデートプランが、この雨のせいで崩れていっている。それを思うと、ますます雨が嫌いになる。

「君は好きなのかい? 雨」
「私は、……そうだな。嫌いではないな」

 彼女の目が雨のむこうに向けられた。

「予定が狂うかも知れないのに?」

 彼女が、今日のことを誰よりも楽しみにしていたのを知っている。僕は、嬉しそうに行く場所のことを調べていたのも知っている。計画をして、予定通りことを進めることに喜びを感じるのも知っている。

「確かに、こうして雨宿りして、先に進めないのは残念ではある」
 彼女は僕の方を少し見て、肩をすくめて苦笑を軽く浮かべた。
「だが、それでも雨を嫌いになれないのだよ」

 もう一度、彼女は雨の向こう側を見た。
 遠い目だ。きっと、彼女は雨の向こうにある、僕の知らない景色を見つめているのだろう。

「お前に出会う前、私がいた砂漠は、雨が降らない地だった。砂漠の中でも特に過酷な、一片の慈悲もないところだった。ファラオ様の加護がなければ死を免れない。規律なくしては生を紡ぐことも難しい。故に――」

 ふと彼女は、僕の方に向き直り、やわらかく口の端を引き上げ、目じりを下げた。
 その笑顔に思わずドキリとしてしまう。初めて見る慈愛に満ちた笑みだった。

「こうして、誰かと雨を見るのが夢だったのだ。雨は希少で、天の気まぐれだ。予定する事はできないからな。それを共に見たかったのだ」

 彼女は嬉しそうだった。そんな、大きくて小さな夢を語る彼女が楽しそうで、僕は自分の小ささを恥じた。

「とはいえ、予定が崩れるのは気に食わない。こんなこともあろうと、次善の策も用意してある。このあたりは地下通路も多いのだ。先ずは――」

 いつもの生真面目な顔つきに戻って、地図を広げようとする彼女の手を取った。彼女は驚いた表情で僕を見つめた。

 僕は、彼女に夢につきあってみたいと思った。

「傘もあるし、外を歩いてみませんか?」

 手にしている青い傘を軽く掲げた。

「お、おい。私の話を聞いていたか? 地下通路があるのだぞ」

 彼女は予想外の僕の提案におろおろしていた。

「こうして、君の夢が降っているなら」
 彼女の手を引いて、僕だけ雨宿りしている庇の下から外に出た。雨粒が僕の身体に当たってはじけた。
「見ているだけなんて、もったいないですよ」

 僕は彼女に微笑みかけた。

「おい。濡れてしまうぞ。お前は雨は嫌いなのだろ」

 あわてて、彼女が僕を庇の下へと引き戻した。

 きっと靴は濡れるし、予定は狂うだろう。彼女の言う通り、地下道を行った方がよいだろう。
 それに雨は好きになれない。多分、これからも。
 でも――

「うん。あんまり好きではないよ。だけど――」
 僕は青い花を僕たちの頭上に咲かせた。
「君と二人で歩くなら、少しは好きになれる気がする」

「……そうか」

 彼女は少しばかりぽかんとした表情をしていたが、ふっと笑った。そして、赤い傘を開いて、僕の傘に軽くキスをした。

「相合傘でもよかったのに」
「傘を持っているのにか? そんなバカップルみたいなことできるか」

 僕の言葉で、彼女の顔に傘の赤さが映りこんでいた。そんな彼女が可愛くて僕から笑みが漏れる。

 パシャパシャと水溜まりを踏みながら、せっかく立てた計画を二人ででたらめに崩していった。

 周りは雨を避けるように足早に行きかう人たちの中、僕たちはのんびりと先に進んだ。

 予定通りでも、思い通りでもないけど、僕は楽しかった。
 雨の日が楽しいと思ったのは多分、生まれて初めてだろう。そして、晴れた日は今日より楽しいか気になった。

「明日は晴れますかね?」

 僕は空を見上げて、落ちてくる雨粒を見つめた。

「晴れてくれないと予定が狂う」

 彼女は真面目な顔で言ってから、顔をほころばせた。

「だが、こうして、また二人で雨の中を歩いてくれるなら、それも悪くない……今度は一つの傘で」

 はにかみながら、小さな夢を口にした。

 僕はその彼女の夢に付き合おうと思った。多分、これからも。

221212:2017/03/09(木) 15:34:11 ID:1GcchSx60
せっかくなんで結構、思い切って変えてみました。
考えたのは、原作の雰囲気を崩さないようにしつつ、空気感をさらに出すようにすること。
元々がいい雰囲気なので、そこをさらに上乗せというのは、我ながらチャレンジしすぎと思うけど。
読者がすっと情景が浮かんで雰囲気に浸れるように、邪魔しない文章を目指しました。読んでいることを忘れるような文章を目指しているので、その練習をさせていただきました。

>>209さん、>>210さんのを読んで、「しまったぁ」ともっとそうすればと反省する点がしきり。でも、本当に人によってポイントが変わると面白いです。
自分も何か書いて、添削希望をしたくなりました。

222213:2017/03/09(木) 18:43:31 ID:p.GM5ecw0
>>220
糸を引くという熟語には、『物がまっすぐ空中を動いていく』という意味があるため適した用法だと考えられます。ですが、その他にも『裏で指図して人を操る』『ねばついて糸を張ったような状態になる』といった意味もあります。
私個人の印象ですが、糸を引くという熟語は後の二つのものが強いです。
そのため、雨の細さだけを表現するのであれば

糸のような雨がしとしとと〜

のほうが、スッと内容が入り易い気がします。
参考程度にどうぞ。

223205:2017/03/09(木) 19:39:02 ID:gYiNaz5oO
皆様、本当にありがとうございます……。
書いた本人が「読点をはじめ、どこかまずいところが有るのはわかるけれど、どうすれば良いのか分からない」という重体だったため、今回の皆様による申し出はとてもありがたかったです。重ね重ね感謝を申し上げます。

>>215
花をポイントにした綺麗な修正だと感じました。
最後に彼女自身を「花」と表現するアイデア、そして微笑みの表現の優しさと柔らかさ。
追加された音の表現により五感に訴える割合が増え、情景の豊さがより強く伝わって来ます(私の描写が足りなかった、ともいいます)。
拙作をほめていただいたことを含め、本当にありがとうございました。


>>218
私の文をなぞりつつ、見事なグレードアップをしてくださって、すごいなあ、と思わず溜め息をついてしまいました。
表現したかった世界観を見事に昇華していただいた事からも、書き手としての腕が感じられます。
ひらがなにして柔らかさを出したこと、「夢」という言葉の強調(三点リーダーが本当に効果的な使われ方をしていたと思います)。
そして、長台詞を切って一拍入れたこと。
全てが効果的でした。
特に台詞の切り方は、書いている本人が長いと悩んでいたため、勉強させていただきました。
リャナンシーちゃんのアドバイスもありがたく。今回は感謝しきりです。


>>220
とても上手で大胆な修正、ありがとうございました。
主人公の心理描写の追加による「キャラクターへの共感」の強化。
そしてアヌビスちゃんの予定を破られたときの可愛らしさ。
総じて二人のキャラクターが見事に立っていたと思います。
表現においても、現在形の多用による臨場感、同じ語尾--「知っている」の三連続使用による絆と主人公のキャラクター性の強調。
それらの要素が上手く混じり合ったとても見事な修正だったと思いました。


皆様の貴重な御時間をいただき。本当にありがとうございました。
また、頑張って書いていきたいと思います。

以上、長くなってすみませんでした……。

224名無しさん:2017/03/09(木) 19:45:15 ID:4SLzWCTY0
まっすぐ細い雨が下りてくる、というのなら。
「糸を垂らしたような雨」とか「細い糸のような雨」とかあるかもしれない。
音を描写しているなら音に注目して、「しとしとと、囁くような音を鳴らして雨が降っている」と言うのも、あるかもしれない。

表現方法が上手い下手はさておいて(。。

225213:2017/03/09(木) 20:09:28 ID:yUs734rY0
やっぱり、こういった綺麗な話は引き込まれますね。
読み返してしまいます。

226213:2017/03/09(木) 20:55:03 ID:yUs734rY0
批評も感想もパッとせずに図々しいかもしれませんが、話を一つ投稿してもよろしいでしょうか?

227名無しさん:2017/03/09(木) 20:57:40 ID:lP1Vx0Ok0
>>223
こちらこそ、素敵なお話をいただいただけでなくて
厚かましい申し出を快諾していただきまして、本当にありがとうございました
雨とアヌビスという組み合わせの時点で「やられた」という感があって……その発想力が羨ましいですw
おかげさまで、リャナンシーちゃんと一緒に楽しい時間を過ごせました

>>226
どうぞどうぞ。ここは1レスSS集積所なので、そちらが本分のはずですし
むしろ結構前から「スレチなこと始めちゃった自分とリャナンシーちゃんをお許しくだせぇ」って思ってます

228名無しさん:2017/03/09(木) 21:02:10 ID:gYiNaz5oO
>>226
はい。
むしろお願いします。

自分が原因で大分スレの流れから離れてしまいましたし(汗)

229213:2017/03/09(木) 21:28:35 ID:yUs734rY0
では、投稿させていただきます。


 波一つ無い凪の海へ漕ぎ出した僕を迎えたのは、一人のネレイスだった。彼女は、何時かいなくなってしまった僕の想い人に似ていて、自然と舟を漕ぐ手は止まってしまう。
 ネレイスは固まったままの僕へ手を伸ばし、彼女そっくりの微笑みを浮かべた。僕はその手を取ると、夜の海へと身を投げた。海中は不思議な力に溢れ、僕とネレイスは、その力の静かなうねりに身を任せた。

「ずっと、貴方とこうしたかった」

 ゆらゆらと海の中をたゆたい、僕と頬をくっつけ合いながらネレイスが囁いた。水面のさざめきは既に遠く、僕とネレイスは真っ逆さまに海の深みへ沈んで行く。

「独りぼっちにしてごめんね」

 僅かに強まった抱擁に僕は口付けで答えると、ネレイスの髪に顔を埋めた。ネレイスの髪はちょっと癖っ毛で、甘やかな匂いがした。それが、目の前にいる魔物が君である事を教えてくれている。
 君との再開が言葉にならないまま口を衝いて出そうになると、君はそっと人差し指を僕の唇に置いた。そして、その人差し指はゆっくりと僕らの足元へ向けられる。

「綺麗……」

 燐光を放つ雪が、僕らと共に海底へと降り積もる。僕と君はその淡い輝きに見とれながら、更なる深みへと沈み行く。
 僕らの行き着く先は分からない。もしかすると、永遠の今を漂い続けるのかもしれない。そう思い始めた頃、海底に淡く輝く大地が現れた。
 雪の花を咲かせる海百合の草原。そのまん中へ僕らは降り立った。そして、どちらからともなく固く抱き合う。
 
「……ただいま」

 万感の想いが込めらた君の一言に答えようと、僕は頭を振り絞った。だけど、湧き出てくるのは君への尽きることのない想いばかりで、結局、言葉にはならなかった。

「ふふふ。ただいまって言われたら、なんて返すか決まってるじゃない」

 おかしそうに笑う君を見ながら、僕は伝えるべき言葉を決めた。そして、君に負けないくらいの想いを込めて言うんだ。

「おかえり」


昨日の批評にありました、主人公が現在に到るまでの過程を臭わす程度に書くことと、甘酸っぱさ( ? )に重きを置いてみました。
感想、批評等ございましたら、気兼ねなくお願いします。

230名無しさん:2017/03/10(金) 00:11:23 ID:cczr.cOg0
>>229
海に沈む二人の描写がイイね
水中で抱き合うってのは魅力的な題材だよね

231209:2017/03/10(金) 00:37:28 ID:SQpsvegk0
皆さんの添削拝見いたしました。
標本のつもりで放り投げた自分の添削にもお言葉をいただき感謝です。

>>229
言葉を振り絞ろうとして最終的に簡潔だけど重い一言になる流れ、好物でございます
ネレイスさんの行動に想い人を重ねて身体的なふれあいで彼女だと確信するのも想い人への気持ちなどを感じさせてよかったです

232212:2017/03/10(金) 08:40:10 ID:Ydjg4uh.0
>>220
アドバイスありがとうございます。言葉の印象は、すごく参考になります。
確かに、その二つの意味も認知度高いですね。
片方の「ねばついて〜」には、「しつこく降る雨」という意味もかけてはいたんですが、そのフォローをする描写を書いていなかったのに今頃気づきました。
担当リャナンシーちゃんに「めっ」される……
他の意味のことも気を付けるように頑張ります。

>>223
大胆ととっていただき、ありがとうございます。よく考えれば、失礼と言われても仕方ないぐらい変えてましたから。
素敵な二人の話だったので、ほっこりとしつつも嫉妬してます。こういう話を書きたいものです。

>>224
糸雨という言葉があるので、「糸を垂らした」という方が情緒があっていいかもしれませんね。
今回は二人だけの世界を強調したかったので、音の描写はできるだけ避けていたのですが、他の五感を描写するのはアリですね。

233名無しさん:2017/03/10(金) 15:57:44 ID:d./xUJhsO
「あ、今日はキャベツ安いな……」

全国チェーンのスーパーマーケット、「たぬきマート」の一角、僕は小さく呟きながら、特売のキャベツ(買う予定はなかった)を買い物籠に放り込んだ。
こういう所で買い物をするときは、なんとなく心が踊る。
冬は暖房、夏はクーラーが効いていて過ごしやすいし、何より品物が目に鮮やかだ。
夕飯のメニューを考えながら食品売り場を巡れば、ついつい買いすぎてしまう程度に、浮かれてしまう。

それに、もう一つ。
「後は、タイムセールのとり胸を買って……」
「ご主人、たまごが安いですよ!」

隣で屈託の無い笑みを浮かべながらしっぽを振る同居人(同居魔物?)の存在も、楽しさを増してくれるのだ。
異世界からやってきた魔物--コボルドである彼女に出会ってから早数年。
もはや居ないときを思い出すことが出来ない彼女も、スーパーマーケットでの買い物が好きなのだ。

「卵かあ、丁度良いし今夜は親子丼にしようか」
「オムライスも出来ますよ!」
「キャベツの卵とじも体に良さそうだし……」
「オムライスも良いですね!」
「かきたまにして和風にしてみようかな」
「オムライスはどうですか!」
「……オムライス、食べたい?」
「いえ、ご主人の料理ならみんな大好きです!」

今日のメニュー案を口に出しながら、二人で歩く。
買い物籠には買い足したケチャップと玉ねぎ、ついでにミックスベジタブルが入っていた。

「よし、今日は僕も食べたいし、オムライスだ」
「やったぁ!ご主人の分のケチャップはわたしがかけてあげますね!」
「よし、任せたよ」

今日のメニューは、彼女の大好きな、オムライス。
僕にはふわとろ、と洒落たものは作れないから、木の葉型の昔懐かしい形のものだ。
黄色の薄焼き卵に、真っ赤なケチャップで文字を書くのが、彼女は大好きなのだ。

「さあて、そろそろ帰ってご飯を作らないと」
「はい!荷物は半分持ってあげますね!」

レジを通過して、二人で袋に商品を詰める。
印刷された「たぬきマート」のイメージキャラクターである「まめたぬき」が、中身の重さに、ほんの少し伸びてしまう位の量。
一人じゃきっと、食べきれずに腐らしてしまうかもしれないけれど、彼女と二人なら、きっと食べきれる。

僕は夕焼けに染まる街を歩きながら、この日常を、噛みしめていた。

234名無しさん:2017/03/10(金) 16:38:29 ID:ua6UGR8k0
お蔵入りしていたワーキャット編を発見したので日の目を浴びせたい
初期の頃はこんな漢字で書いていたのかと感慨深い。




ぴぴぴぴっ、ぴぴぴぴっ、ぴぴぴぴっ

カーテンの隙間から陽の光が薄暗い部屋を照らす時刻。
室内に響くデジタル音に少女の眉が歪む。

「う……う〜ん、何よ……朝からうるせぇ……まだ眠い」

のろのろと伸びた手が目覚まし時計をタオルケットの中に引きずり込む。
数秒後タオルケットが宙を舞い、跳ね起きた少女が絶叫した。

「ち、ち、ち、遅刻だあああああ!」

****

ボクは『はぁ…』とため息をついた。
これが何回目のため息だろうか。
朝から寝癖でひっちゃかめっちゃかぁな髪を気合いでセットして、焦げかけたフレンチパックを牛乳と共に胃袋に押し込んでダッシュ。
ワーキャットの脚力を生かしてギリギリセーフで補習教室に駆け込んだ。
CMのお姉ちゃん共が『ああ、遅刻だぁ♪』と言いながらフレンチパック片手に出社とか絶対無理、あのCMはウソだな。

「ああ……ひもじい」

十七歳のお腹は昼を回った辺りから引きリなしに悲鳴をあげている。
補習は本日をもって終了、何とかクリアできたと思う。
夏休みに入る前に先生から『葵ちゃん、赤点だから補習よろしくね』って言われた。くっそ、あの三十路ババァ……数学の補習とかマジ面倒くさい。
ボクは文系なのにニ年までは週三で数学がある。
『消滅しろよ!』と叫びたくなるくらい数学が嫌いだ。
人生にはたし・ひき・かけ・わり算だけでいいんだよ!
これからの人生の中で数式なんて使う用途があるか?
『気分を落ち着かせたいので連立方程式を解きます』とかいう奴がいたら頭がおかしいとしか思えない。

「おー葵、今帰りか?」

後ろから声がした。自転車のベルの音と共になじみの顔が見えた。

「あータクヤか……そうだよ、今帰りだよ」
「休みだってのに制服でご苦労様だな」

こいつはタクヤ、中学の時からの馴染みだ。
今時の学生だが重度のアニメオタクである。

「寄るな、キモオタ……妊娠させるのはゴミ箱だけにしろ」

最近は格闘と美少女を組み合わせたアニメにハマッているらしい。

「はいはい、どーせキモオタですよ……じゃあな……昼飯どこで食うかな」

なんですと?昼メシ―――ボクは間髪おかずに言った。

「すごいよね! アニメって夢があるし、可愛いよね! ボクも大好きなんだ」
「……で、そのキモオタに昼メシをねだっているわけね」
「あのーその……都合してくれませんか? お酌してあげるにゃん」

****

「いただきまーす」

ボクは熱々のハンバーガーにポテト、フライドチキンを胃袋におさめていく。
店内にはひんやりした冷房と夏を思わせる歌なんかが流れている。

「…………」

シェイクを啜りながら対面に座るタクヤがジト眼で見てくる。

「ぷは……お腹いっぱい、幸せ〜ありがとうタクヤ」

ボクは冷たいジュースを飲みながら言った。

「いや……いいけど。貸し1つな」
「むぅ……わかった」
「にしてもお前、朝からフレンチパック以外何も食ってねぇの?」
「しょうがないだろ……補習のせいで家族旅行出遅れだし……」
「マジで!? あっはっはっは、ダセぇの」
「あーもう! むかつくわー! 海行きたくなってきた!」
「はぁ? まだ海開きやってねぇだろ?」
「お忘れかな? タクヤ君? あるだろ、ボクらだけのビーチが

235名無しさん:2017/03/10(金) 16:50:15 ID:ua6UGR8k0
連投すみません。もう一つはかなり作風が違うので注意。
お蔵入り第二弾。

「……有能な将校さんはこんないい部屋で寝泊まりできるのね」

朝の日差しが差しこむ部屋で若い女性がくるまったシーツから顔を出した。

「ははは、何度修理しても雨漏りする兵舎が懐かしいよ」
「贔屓だわ。とっても贔屓。同じ王に仕える身なのに」
「ルナは近衛騎兵団でも副長だからね、俺とは勲章の数が違うのさ」

既にベッドから出て、制服を身につけた青年将校が水差しと2つのグラスを持って来た。

「……気兼ねなくシャワーが浴びられる貴方が羨ましいわ」

ルナと呼ばれた女性が半身を起こしてグラスを受け取る。
群青色の髪に赤い瞳が印象的な女性だ。何気なしに水を飲んでいるだけなのに不思議と見とれてしまう。

「私なんて身体を拭くのがやっとなのに……やだ」

青年の視線に気付いたルナはシーツから覗いている乳を隠し、顔を赤らめた。

「あ、ごめん……そんなつもりじゃなかったんだけど」
「もう……」

近頃は帝国内外で兵士の行き来が激しい。
その理由は帝国に反旗を翻す部族や小国によって帝国領内の街道が寸断され、物品の流通に支障が出ているからだ。
特に貴重な真水や塩などの供給がここ数日、滞っている。先に大規模な暴動が街道で起こったためだ。
さらに国境外の強制開拓団、少数民族及び、森林地帯のエルフ、地下探鉱のドワーフ達が同盟を組み、着々と軍備を進めているという。
また帝国内でも一部の者達がその同盟組織と内通しているという噂がある。果ては王の暗殺まで画策しているとか、ないとか…

「なら前線の部隊に転属するかい?ルーナンティ=エレオノーレ君。
我が第1歩兵連隊は君を歓迎するよ。毎日、乾燥豆のスープに塩漬け肉と水割り酒のフルコースで」

水を飲み干した女性は軽く笑って

「遠慮しておくわ。キース……もう行くの?」
「ああ、新兵の訓練の時間だからね。シャワーは自由に使うといい。じゃ、また後で」
「ありがとう、いってらっしゃい」

****

「失礼致します。お呼びでしょうか」
「……入れ」

城内に設けられている塔の中で、最も高い塔の一室
城下が一望できる部屋の主にルーナンティは低い声で入室を告げた。

「ルーナンティ=エレオノーレ近衛騎兵副団長であります」
「……近くに寄れ」

暗い室内で椅子に座す男の声にルーナンティはゆっくりと歩み寄った。

「ここ最近、お前に命じた任務の報告書に同じ文字が記されている」
「い、いえ……そのような事は――――あっ」

男はいきなりルーナンティの尻に指を食い込ませた。

「事細かに記されているが……要は『成果なし』と言うことだ。これが何を意味するか、わかるか?」
「事実を述べているだけです…わ、私は―――んっ……く」

男の指がさらに下部に伸び、ぐっと上へ突き上げた。

「フィリップマンとか言ったか……あの男は有能すぎるのだ。
それに人徳もあるとあれば計画とやらに携わっているかもしれん。
風の噂では私を暗殺する計画というではないか。お前をあの男へ近づけたのは、暗殺計画に関わっているであろう者共を調べ上げるためだ。
それを命じて4ヶ月も経つ……それほど時間がかかっておるのには、他にワケがあるのではないか?」
「も、申し訳ございません。計画に携わっている様子は未だ、何も……」
「男と女……床を共にする中では寝物語に何を囁いているかわからんからな?」

236名無しさん:2017/03/10(金) 16:52:01 ID:ua6UGR8k0
男がルーナンティの眼を射抜くように睨んだ。

「特にお前は」
「わ、私は……あの者にそのような感情は……んっ……は」

男の手がさらにルーナンティを弄る。

「我が血を分けた娘で無ければその首をとうに刎ねているところだ。あの男の下で股を開くだけがお前の任務か?」
「……断じて……そんな……心構えでは…」
「お前の身体には母親と同じように淫らな血が流れているのだ。
男を狂わせるセイレーンの血がな。その能力(チカラ)を使ってもこの程度とは……」

男はルーナンティを突き飛ばすと報告書の束を投げつけた。
宙を舞う紙の中でルーナンティは静かに言った。

「……母は貴女を愛していたと……ち、父上」

ルーナンティは目を閉じ、震える声で答えた。

「何だ、それは?」

しかし、男は殺気を帯びた声で答えた。

「――――し、失礼しました。陛下」
「お前の存在は、私しか知らん。この世で私の血を正統に受け継いでいるのは第一皇女のみ」
「……はい」
「あと一週間の猶予を与えてやろう……その汚れた雌犬の身体をもって、忠誠を示せ。
もし計画にたずさわっていたとしてもあの男だけは生かしてやる」

その言葉にルーナンティは顔を上げた。

「舌を抜いて生かせておけば裏切りの憎悪の矛先は全てあの男に。お前もその方が楽しめるだろう?」
「……し、承知致しました。計画の首謀者、必ずや……」
「その言葉、努々、忘れるな……」

237名無しさん:2017/03/10(金) 17:35:34 ID:d./xUJhsO
「はぁ……」

私は刺繍が半分くらい入ったハンカチを前に、深く溜め息をついて、再び針を入れ始める。
それは炊事洗濯その他、家庭的な事に縁のない私にとって、初めての作業だった。

「本当に、上手く行くのかな」

頭に浮かぶのは、幼なじみのアイツと、このハンカチを手に入れた時の思い出--私が刺繍をはじめた理由だった。

ある日、部活の帰り道に雨が降って。
たまたま傘を持っていなくて。
近くに、知らない店が開いていて。
雨宿りの為に駆け込んだその店で、一番安いハンカチを買った。
その時に、言われたのだ。
このハンカチがある妖精の曰く付きの品である事。

「この小さな布を刺繍で埋めた時、家庭的な女の子になれる」

そして、おまじないがある事を。
本当は刺繍なんて出来ると思ってなかったし、話半分のつもりだったけれど。
その日から何故か、私は刺繍をはじめて居た。

「よし、今日はこんなもんかな」

毎日、毎日、少しずつ亀のようなペースで布を埋めていく。
家庭的になった実感なんて無い。
代わりにアイツの事ばかり、頭に浮かんでくる。
幼なじみで「女らしくない」ってからかってくる男。
布を弄っている間、何でもない相手の筈なのに、頭から離れなくなってしまう。

「ロクな補給してないだろうし、蜂蜜レモンでも作ってやるか」

ハンカチを机に置いて、台所に向かう。
その足取りは何時もより軽やかだった。


「前より、ペースがいいかな」

一週間後、四分の三が埋まったハンカチを刺繍しながら、小さく呟く。
蜂蜜レモンを渡されたアイツの表情が、頭に浮かぶ。
「ありがと」という言葉が、こんなに嬉しいなんて、知らなかった。
お陰で毎日作っては持って行くようになってしまっている。
「よし、今日の分はお終い」

明日は、アイツの試合の日だ。
弁当でも作るとしよう。
アイツの好物位なら、作れるようになったのだから。


「ふふ、勝てて良かった」

椅子に座って、刺繍をする。
後もう少しで完成だ。
試合はアイツの勝ちだった。
「弁当、ありがとな」と、試合の後に言われたのが、嬉しかった。
刺繍を縫いながら、何度もアイツの姿を思い浮かべる。
明日も、弁当を作っていこう。
栄養なら計算出来るから。


今日、刺繍が完成した。
犬の尻尾と耳が生えて。手首には羽毛が付いていた。
私は、家庭的な女の子に、なれたのかな。

アイツに、ご主人様に聞いてみよう。

238名無しさん:2017/03/10(金) 18:46:03 ID:ua6UGR8k0
>>234>>235を投稿したものですがリャナンシーちゃん、火鼠さん例の如く
感想をお願いします。

239名無しさん:2017/03/10(金) 19:24:26 ID:szc.yLUE0
とりあえず、数学disった子は文明の利器総て使用禁止な

240名無しさん:2017/03/10(金) 19:50:37 ID:d./xUJhsO
>>238
はい、承りました……感想も、批評も上手に出来ないリャナンシーですが……しばしお付き合い下さい……。


前者の話は夏の空気感、二人の弾むような会話が上手に描かれていたと思いました……。
遅刻のシーンの焦りに満ちた心理描写……妙に冷静になってしまう頭などが綺麗に描かれて居たため、読者さんの共感を得やすい文章だと思います……。
会話も罵りあいや急な鞍替えなど読んでいて飽きず、声の聞こえてくるような自然な文章でした……。

しかし、幾つか気になってしまった場所もあります……。
少年と少女の名前や、夏である事などの大事な設定が、中盤唐突に描写されたため、少し焦ってしまいます……。
この作品は視点変更を多用するため、誰が何をしたのかの提示がとても大事です……。
設定の提示は序盤に行った方が、良いかも知れません……。
また、視点変更が多い作品ならば、主語を強調する事もテクニックです……。
もしよろしければ、試して見てください……。
そして一番気になってしまったのは、未完結だということです……。
物語が盛り上がりそうだったので、本当に続きが気になります……。

総じて、空気感のある、続きの気になる文章だと思いました……。



もう一つの作品はハード、ですね……。

彼女の心理、焦りや、微笑み……。男の怒号……。石に囲まれたような閉塞感など、心に迫る分でした……。

反面、ですが。
この作品は短編では難しいかもしれないと感じてしまいました……。
ハードな作品で大切なのはバックボーンと説明です……。
どちらも、短編という形態では難しいものです……。
「帝国」などは特に重い単語で、説明に必要なウェイトはかなりのものです……。
三人称である場合は空気、経済、政治、人。最低でもこれくらいの説明を要求します……(私の偏見ですが……)。

とはいえ、これは私の相棒の話なので……一般的には、貴方には当てはまらないかも知れません……。
次のハードな作品を期待しております……。


以上、長く書いてしまい、申し訳ありませんでした……。

241名無しさん:2017/03/10(金) 19:58:32 ID:GcHgvTyc0
はいさ、リャナンシーちゃん呼んで来ま〜す……と、その前にごめんなさい。
ちょっとスレをご覧になっている皆様にご相談が。

最近自分はこのスレでリャナンシーちゃんと色々とレスをしてるのですが
その辺りは>>1に書いてある所の「様々なレス」の範疇で収まっている……としてしまって大丈夫でしょうか?

悪気はないのですが、率直に言ってしまうとここが過疎化の進んでしまっているスレでしたので
少しでも人が来たら良いなと思い、リャナンシーちゃんに任せて批評なんてこと勝手に始めさせてしまったため
実は他の健全なスレ利用者や利用したいという方々に迷惑をかけちゃってないかな、と心配なのです。
スレチ行為を繰り返しているということでしたら、それは不本意でありますし……どうなのでしょう?

スレの利用者の一人としては、他の書き手様のところのリャナンシーちゃん達や火鼠ちゃんの感想など
勉強になるものや楽しいものも多いですし、何よりスレの本分であるSS投稿も活発になってきたので
特に問題なければスレが現状のままOKでいてくれたらな〜、と思っております。

長文を失礼いたしました。

242名無しさん:2017/03/10(金) 20:07:30 ID:d./xUJhsO
>>241
私としてはとても有り難いです。
以前から書いては居たのですが、誰からも感想を貰えない苦痛もあったので……。

むしろリャナンシーちゃんが居たから大量に書いているという背景もあります(遠い目)
何時も的確なアドバイスをなさっておりますので。私としては有り難いなあ、と。

243名無しさん:2017/03/10(金) 20:37:19 ID:W85zuxTI0
>>241
現状で大丈夫だと思いますよ

244名無しさん:2017/03/10(金) 21:09:29 ID:d./xUJhsO
こんな雨の日に洗濯機がお亡くなりになったとか、どうすりゃいいんだよ……。
学校は変わらずにあるし、明日は普通に講義だし、たまたま洗濯物溜め込んだタイミングだから明日着る服ないし……。
いや、悩んでても嘆いててもしょうがないな。
たしか近くに「ワンコインランドリー」が出来たはずだ。
しばらく財布に辛いだろうけど、通うしか無いな……。

お、ここか。
結構大きいな。ワンコインランドリーの癖に。
ていうか中見えないし。
とにかく、入ってみるか……。

「いらっしゃいませ!」

ん!?コボルド!?
……なんだこりゃ。
最近のコインランドリーには店員が居るのか。
意外だな……あれ、洗濯機は?
店員さーん。

「お洗濯の前に、お好きな子をお選びください!」

何。メニューがあるのか。
ランドリーなのに。
とにかく業に入れば業に従えっていうし見てみるか。

「コボルド」「クー・シー」「ヘルハウンド」「ワーウルフ」「アヌビス」

……なにこれ。
ここ、ワンコインランドリーだよね。

「はい!ワンコ・イン・ランドリーです!」

ん?
何かイントネーションがおかしいような……。

「お好きなワンコがあなたの服をお洗濯しちゃいます!」

……成る程。
今理解した。
読点は大事だ。
小説家の気持ちが今なら分かる。

「洗濯、していきますよね?」

ぐ。なんてつぶらな瞳をしてやがる。
断るに断れないじゃないか……。
どっちにしろ洗濯物はあるし、頼むしかないな。

「じゃあ、アヌビスで……」
「ハーイ!アヌビスさん出番ですよ!」
「承った……この量であれば22分18秒で乾燥まですませてやろう」

一番しっかりしてそうだし、アヌビスさんが無難だろう。
なんというか、店の中から出てきた姿も頼もしい感じだし。
しかし洗濯機でやるなら違いなんて無さそう……。

「出でよ!たらい&洗濯板!」

……うわぁ、レトロ。

「何を言う!何事も自らの手で行ってこその仕事だ!……匂いも嗅ぎやすいしな」

何か聞き捨てならない事が聞こえたような。
って、早い!?
あっという間に洗濯物がピカピカに!
本当に洗濯板!?

「ふ、当然だ。乾燥はわが太陽の魔力で行ってやろう」

うわぁ、太陽の香りだぁ。
すごいなワンコインランドリー……。

「価格は100円だ」

しかも、ワンコインなんて通うしか無いじゃないか。
とりあえず、明日も来るとしよう……。

245名無しさん:2017/03/10(金) 22:52:31 ID:lCdVLpxg0
>241
他の人が批評されているのを見て勉強になる。なにより批評の仕方も学べるし。
ここだと、気軽に批評を書ける。といっても、技術的なことしか書けないけど。

私が書きはじめたとき、ここではなかったのですが、活発に意見をもらえて、それですごく勉強になった。下手なりに今の基礎を築けた。
いつか、その恩返しをしたいと思っていたので、ここはその一歩として大変にありがたいと思っていました。

246241:2017/03/10(金) 23:55:35 ID:GcHgvTyc0
皆様レスありがとうございます
とりあえず流れ的に大丈夫そうなのでホッとしております
よっしゃ、これで気兼ねなく書き込みができるぞ〜って
リャナンシーちゃんまだ俺が書き込んでる途中で(ry

>>238
はい、感想任されましたリャナンシーちゃんでっす!

>>234はボクの一人称で語られてる内容が学生っぽくてナイスよね。
それと会話に出てた「妊娠させるのはゴミ箱だけにしろ」って表現、これは一押し!
これだけで二人が気の置けない仲だって表現できるし、笑えるポイントでした!

>>235はハードな雰囲気よね
会話での緊張感が上手く出てると思います!
けどこれを書ききるのは絶対に大変よねぇ……お蔵入りになったのもなんとなく察せられるわ

二作とも大分前の作品なのかしらね?
昔の文章に愛着が持てるのは羨ましいって相棒が呟いてるわよ
アイツはもう最初に書いた文章なんて残ってないしねー

それじゃまた何かあったら呼んでねー! リャナンシーちゃんでしたー!

247241:2017/03/11(土) 00:00:05 ID:xeWzyaRM0
PCを奪取したので簡易感想を

>>244
ホッコリ、ニヤリとする作品からコレかぁい! って笑いました
コボルドちゃんのオムライス連呼カワイイ
いつの間にかご主人様呼びになってる私カワイイ
それでいてこのしょーもない(良い意味で)のギャグかいな!

248名無しさん:2017/03/11(土) 00:22:22 ID:jE/g3ptU0
こんばんは、火鼠だ!
>>244これは思わずニヤリとしてしまった。

洒落が効いてるしワンコちゃん達を選択して洗濯してもらうなんてイイネ!

中東系褐色ワンコちゃんの最後のセリフもワンコなら納得だよ。

クンカクンカすーはーすーはしているなら命の洗濯もしてもらうといいよ。

しかもワンコインで、ワンコにインできるなんてとってもリーズナブル

だけどボクは違うからそこんとこよろしく。

じゃ、ワンコに追いかけられる前に退散するね。

またおもしろい作品を期待しているよ。

249名無しさん:2017/03/11(土) 11:51:09 ID:H7yNtD56O
「本当に、色んな写真だらけだ……」
「キヒヒ、趣味と実益を兼ねてますから」

壁に貼られた沢山の写真、棚を埋め尽くすスクラップブックに机の上の原稿。
床の上は資料だらけ。
豪雨の日の帰り道、一時避難所に使わせてもらった先輩の部屋は、新聞部のエース、という彼女の評判にぴったりのものだった。

「濡れただろうし、シャワーなら貸すよ?」
「いや、流石にそこまでお世話になるわけには行かないし……着替え、ないですからね」

キヒヒ、と胡散臭く笑う先輩の言葉に首を振ってみせると、彼女は小さく首をすくめた。
ラタトスクである彼女の大きな尻尾が残念そうに揺れる。

「ちぇっ。折角後輩クンの全裸を撮ろうと思ったのに」
「自重して下さい。やりすぎるとまた風紀委員に目をつけられてネガ没収されますよ?」
「あー……あれは辛かったよ本当に。良い記事だと思ったんだけどな」
「委員長はヴァンパイアなんですから……駄目ですよ。相手の気持ちを考えないと」
「キヒヒ、善処するよ。ほれ、タオルだ。そこ座って拭いときなよ」
「ありがとうございます。先輩」

もらったタオルで頭を拭きつつ、ギリギリ露出しているフローリングの床に座る。
座っただけの振動でも、ぐらぐら揺れる縦置きの資料の山が、なかなかに怖い。

「先輩、これ崩れそうですよ!」
「そ、その山は不味い!抑えて……」
「うわぁ!?」

彼女の焦りが最後のトリガーだったのか。
そのうちの一つ、やけに巨大な山がひときわ大きく揺れて崩れていく。
盛大な音が鳴り響いた数秒後、僕は見事に押しつぶされていた。

「おーい、後輩クン。生きてるか」
「な、なんとか」

資料に埋もれながら、返事をする。
ごそり。と起きあがると、挟まっていた写真がぱらぱらと落ちた。
これは、僕の写真だろうか?いや、むしろこの資料全部……!?

「先輩、この写真って……」
「全く、大事な資料だったのに。乙女の秘密を知った責任、とってくれるかな?キヒヒ」

呆然とする僕に、相変わらずの笑いを見せる先輩の顔は、真っ赤に染まっていた。
大きなフカフカの尻尾は不安なのか、少しだけ、垂れていた。

「ほら、責任を取ってくれよ後輩クン。私の心を奪った責任をね」

ごまかすように。
先輩が僕の体に乗ってくる。

「キヒヒ、資料じゃない。本当の後輩クンを教えてくれ」

その日、僕達は初めてキスをした。

250名無しさん:2017/03/11(土) 12:34:49 ID:xeWzyaRM0
 おや。ハンターさん、今日もこの森でお仕事ですか?
 若いのに仕事熱心な人ですねぇ。
 そんなハンターさんに、ボクからとってもイイコトを教えてあげましょう。
 この入り口を真っ直ぐ行って、それから三つある小道を右に入って。
 それから四つの道の、左から二番目の方を進んでいくと広場があります。
 さっきそこに、獲物になりそうな動物がたくさん集まっていたんです。
 そこに行けばきっと、今日のお仕事も楽にこなせちゃうんだろうなぁ。

 おやおや、そんな疑わしい目でボクを見ないでくださいよぉ。
 それはボクも、ハンターさんをからかってばかりですけど?
 だけどこれでも、森の情報通を自負してるんです。
 たまには本当のことを言ってるって思ってくれても良いじゃないですか?
 ……信じてくれるんですか? ハンターさんってやっぱりお人好しですねぇ。
 ではでは、お仕事がんばってくださいね。ハンターさん。

 ◇

 おやおや。また会いましたね、ハンターさん。お仕事はいかがでしたか?
 見れば分かるだろうって? ああ、確かに獲物は抱えていませんものね。
 おかしいなぁ。ボクが見に行ったときには動物達がみんなで集会をしてたんだけどなぁ。
 怒らないでくださいよぉ。またちょっと悪戯しただけですってばぁ。
 ご、ごめんなさぁぃ……。
 
 …………。
 
 ボクが言うのもなんですけど、これで許しちゃうからハンターさんは“ちょろい”んですよ?
 さて……お詫びじゃないですけど、今度はボクも本当のことを教えましょう。
 さっきの道を戻って、一番右端の小道を行ってください。
 そうしたら後は、その道をまっすぐ進むだけでいいんです。
 きっとおいしいゴハンが待ってますよ。
 え? そんな道入ったこともないし、獲物が向こうに行くところを見たこともないですって?
 まぁまぁ、また騙されたと思って……もらっては困りますね。これは本当に本当のことなんですから。
 じゃあボクは準備があるので、この辺で。お先に失礼しますね。
 ……ちゃんと来てくださいね、ハンターさん?

 ◇

 やぁやぁハンターさん、いらっしゃい――って、あら。おかんむり。
 小屋があるだけじゃないかって……ボク、嘘は言ってませんよ?
 ボクが言ったのは「おいしいゴハンが待ってる」であって、「そこに獲物がいる」とは一言も言ってません。
 ……あらあら、ますますおかんむり。
 だから、おいしいゴハンが待ってるのは本当ですって!
 さぁさぁ、早く中に入ってくださいよ、ハンターさん! ゴハンが冷めちゃいます!

 じゃーん、どうですか! お腹を空かせたハンターさんの目の前、なんとご馳走の数々が!
 え? はい、用意したのはボクですけど?
 あ、目が険しくなった。そんな表情されたらボクだって傷ついちゃいますよ……うぅ、しくしく。
 ま、そんな些細なことは置いておいておきましょう!
 ささ、席に座ってくださいな。腕によりをかけて作ったんですから。

 ……いつもボクに構ってくれるハンターさんへの、ちょっとしたお礼です。
 だから遠慮しないで、たくさん食べてください。
 えへへ……良かったです、喜んでくださったみたいで。

 あぁでも気をつけないとなぁ。
 おいしい料理の中にも一つだけ激辛料理が混じってるからなぁ。
 クスクス……さぁ、お口の中の家事を回避したければ、ボクから情報を引き出さなくてはいけませんね?
 
 ……えへへ。えへへっ。
 ハンターさんなら、そう言ってくれると思ってました。

 それじゃあ、ボクの気持ちを込めた料理……楽しんでくださいね、ハンターさん?

251名無しさん:2017/03/11(土) 12:41:05 ID:xeWzyaRM0
>>249
ラタトスクちゃんのSS書いてたら先を越されたぞ畜生
書き手の考えることは同じってやつですかねw
にしても、新聞部なラタトスクちゃんカワイイなぁ。自分はその発想出てこなかった

252名無しさん:2017/03/11(土) 13:59:32 ID:H7yNtD56O
「ん。今街で行方不明の子は西の森でさまよってるってさ」
「ありがとう。情報感謝する……これ、約束の情報料だ」
「ん。たしかに受け取ったよ」

情報料が入った袋を受け取りながら、私が小さくため息をつくと、目の前にいる男は不思議そうに首を傾げた。
私--ラタトスクの情報屋と、教団の勇者であるコイツの付き合いは、結構な長さになっていた。

「しっかし。勇者がこんな魔物から情報を買うなんて……世も末かね」
「君の情報には、嘘がないから」
「そりゃあ。信用第一の商売だから嘘はつきたくないけどさ」

コイツの真っ直ぐな瞳に目をあわせないようにしながら、ぼそりと呟く。
確かに、私は情報に関して嘘をついたことはない。
だけど、結構後ろ暗い情報の渡し方をしてきたのだから。

初めて出会った時は、難病を治せるポーションの場所として、ドラゴンの巣穴を紹介した。
次に出会った時は、盗賊の頭を探して居たから、オークの群れに捕まっているとは言わずに居場所を教えた。
強い武器が欲しいと漏らしたときは、カーズドソードのありかを伝えた筈だ。

何度も何度も、コイツには、本当だけれど、悪いことをして来た。
だというのに、コイツは怒らずに、情報を買っていくのだ。
毎回毎回飽きずに来るもんだから、最近は疲れて普通に情報を渡すようになってしまっている。

「もし、目の前の魔物が子供を攫って西の森に放置した。ならどうする?」
「君はそういうこと。しないだろ?」
「まあ、そうだけどさ」

ちょっと動揺させようとしても、この調子。
なんというか、騙しがいのないヤツだ。
ちなみに、行方不明の子は世話好きのアルラウネ夫妻が保護している。
どうせ、コイツの事だから特にバトル展開一つなく、穏便に済ませてしまうだろう。

「あのさ。実は追加料金で売れる情報があるんだ」
「え、本当か?」

何となくムカついて、私はある情報をコイツに売ることにした。
これ位すれば、コイツだって少しは反応してくれるかも知れないし。
情報料を受け取りながら、小さく笑んで見せた私は。

「実は、私……あんたに惚れてるかも」

会心の情報を口にした。

253名無しさん:2017/03/11(土) 17:26:07 ID:7svTCp0k0
>>247
感想、ありがとうございます。
オムライスは以前からどこかで使いたいネタだったので鮮度が高いうちに使ってしまおうと考えた結果です(苦笑)
無口っこにやらせるべきか、可愛いコボルドちゃんにやらせるべきか……悩みどころでした(遠い目)
個人的にはオムライスの台詞三連打の途中に地の文を入れるかと考えたのですがテンポと、内容が思いつかなかったのでそのままにしたしだいだったり。

ハンカチの話は、自分の大好きな作者さんの連載が終了したので、つい魔物化で書いてしまいました。
ダークな話に負けない重厚な描写と、丁寧な心理描写。ああいう作者さんには本当に憧れてしまいます。
短編ではあの空気感は出ないので、あくまでちょっと魔物化を書いただけになってしまいましたが……。

ハイ、三つ目はしょーもないです。
読点について真面目に考えたら何故か浮かんでしまったんです。
文体についても普段自分がやらない口語スタイルなので、書いてて何故か楽しかった覚えがあります。
ワンコ・イン・ランドリー。多分別の子でも書けば連載行けたんじゃないかとも思うけどこんな連載していいのかと言ったら真顔で首を振ります。

>>248
火鼠ちゃん、感想ありがとうね。
ワンコ・イン・ランドリーだと多分命の洗濯も出来るかもしれないと思う(そこまで考えてなかったともいう)。
ワンコに、イン。洗濯を選択。
……うん、洒落もきいてるし……。

>>251
書き手ですから一番を取りたくなるのはしょうがないですよね(遠い目)
新聞部でカメコしてるのが似合うかなーなんて考えていたらこんな形になりました。
あと、ブレザーを着せてみたかっただけとも。
これからCGIで盛り上がってくれたら嬉しい子です(こちらで執筆しなから)。
>>250のラタトスクちゃん可愛いですね。
嘘はついてないけれど……という感じがとても良いと思いました。
同じ形式を繋げる事で、いつもだまされているという演出も効果が高いと感じます。
そして何より、口調が可愛いです……。

254名無しさん:2017/03/11(土) 22:14:51 ID:H7yNtD56O
「君は、今日から私の実験体だ」

それが親を亡くし、奴隷として売られた僕を買った人から、最初にかけられた言葉だった。
死人のように顔色の悪い、無表情な女性。
かなり力のある魔物だと、奴隷商人が怯えていたのを思い出す。
正直、誰だろうと関係の無い話だ。奴隷として売られた時点でまともな人生は難しいのだから。
枷を外されても、逃げる気もおきない。

「最初は、身を清めてもらうぞ。実験は清潔が基本だ」

良く分からない器具の並ぶ薬品と死の香りのする実験室の隣にある浴室に連れて行かれ、冷たい指で洗われた。
途中でつけられた薬液は、甘い花の香りがして、少しだけ心が安らいだ気がした。
十数分後、僕の身体はぴかぴかになっていた。

「次は身体の確認だ。測らせて貰うぞ」
次に裸のままの僕の体を、色んな角度からチェックされた。
枷の痕や、奴隷商人に殴られた傷の一つ一つに、丹念に甘い香りの軟膏が塗られていく。
作業が終わり、肌触りの良い服を着せられる頃には、傷一つなくなっていた。

「栄養状態の試験だ」

無表情のまま、彼女が出してきたのは温かいキノコのシチューと、ふかふかのパン。そして琥珀色の薬茶。
どれも、美味しかった。
空腹のあまりガツガツと食べる僕を彼女は無表情に見つめていた。

「性欲の確認だ」

食べ終えて、一息つく僕の前で、彼女はおもむろに着ていた服を脱いだ。
なだらかな胸や、控えめな腰が露わになる。
が、それだけだった。
しばらく無表情で見つめていた彼女は、何故か寂しそうに服を着直した。

「最後に、心の実験だ……実験体、君は家族に会いたいか?」

椅子に僕を座らせながら彼女は小さく呟く。
その問いに、僕は頷きで返した。

「それは、どんな形でも。死を否定する魔術師--リッチである私が出来る範囲でも構わないか?」
「……はい」
「了解した。ならば実験体よ。この契約書にサインをすると良い」

彼女が渡してきたのは、一枚の紙片だった。
それは、どことなく神聖で、禍々しい気配を持った紙だった。

「これが契約書だ。人を蘇らせる為に、魂を捧げ--」

僕は話を最後まで聞かないまま、サインを終えていた。
途端に冷たい感覚が全身を包む。
死の感覚、だろうか。
見上げる僕の体を彼女が抱きしめていた。

「約束だ。家族を蘇らせてやろう」

柔らかい。声音だった。

「その代わり、ずっと一緒だ」

255名無しさん:2017/03/12(日) 12:55:45 ID:nEYAXpqsO
かりかり、かりかり。
古びた銀色の懐中時計のゼンマイを回す。
数ヶ月前にはじめた、私の日課である。
寂れた静かな屋敷の中、小さな機械の音が響く。
私の手の中で、巻かれた時計はやや正確な時を刻んでいた。

「ご主人様、その機械は?」
「ああ、懐中時計だ。こうして毎日巻くのが日課でな」
「時計、ですか。ご主人様なら、時間を正確に知る魔法位、出来そうですけど」
「はは、確かに」

唯一の従者の言葉に、苦笑で返す。
ヴァンパイアである私にとって、時を知るのは簡単なことだ。
こんな道具に頼る必要などない。
けれど、私にはこの時計を持つ、理由があった。

「従者よ。記憶はまだ戻らんか?」
「いえ、全く思い出せないです」
「そうか」

ごまかすような質問に律儀に答える従者。
一生懸命に思い出そうとする彼の額には、深い皺が浮かんでいた。

「従者よ。お前は記憶を戻したいか?」
「はい。自分が何者か分からなければ、胸を張って仕える事も出来ませんから」
「……そうか。ならば」

椅子から立ち上がった私は、彼に時計を握らせる。

「この時計は、お前の物だ」

困惑する彼に、ほんの少しの笑みを見せて、私は奥の間へと歩いて行った。



「時計、か」

従者を入れたことの無い奥の間で、呟く。
部屋の隅に置かれているのは、美しくも使い込まれた剣と盾。
そして、教団の印が刻まれた鎧だった。

「お前が悪い奴じゃないのは分かる」

これを着ていた勇者の言葉を思い出す。
旧時代に人を殺した私にかけた言葉を

「けど。俺は勇者だ。お前を倒さないといけない」

剣を構えながら、そんな事を言って。

「この時計が12時をさした時、お前を倒しに行く」

言外に「逃げろ」と言いながら。時計を渡してきた男だった。
それが、私の初めてふれた優しさで。
その手にかかって、終わるのも悪く無いと思えた。

その日結局、12時の針がさした時、勇者は現れなかった。
代わりに崖下で拾ったのが、今の記憶喪失の従者。
土砂崩れから。みなをまもって頭を強打した阿呆だった。

「確かに、返したぞ」

装備の手入れを、丁寧に行っていく。
いつか、彼がこれを着る日が来るのだろうか。
私の身体を、この剣が貫く日が来るのだろうか。

ただ一つ言えるのは。

記憶が戻ったら、笑って見せてやるという決意だ。
彼のおかげで、私が出来るようになった表情なのだから。

256名無しさん:2017/03/12(日) 14:14:43 ID:nEYAXpqsO
ラタトスク、それはリスの姿をした魔物であり、情報という目に見えず、触れることも出来ない剣の使い手である。
彼女の流す情報は正確ではあるが、適切では無いことが多く、その毒牙にかかる者は後をたたない。
数値は嘘をつかないが、数値で嘘はつけるのだ。

「うーん、サバト信者を増やす方法かぁ」

そして、今まさに、ラタトスクのひとりが情報の剣をふるおうとしていた。
大きなリスの尻尾を揺らす彼女が考えているのは、依頼主のサバトの信者を増やすこと。
サバトまで人を誘導すればあとはバフォメットや魔女が誘惑してロリコンにしてしまうため、いかに人を集めるかがポイントの仕事。
すなわち、どんな内容でも人の耳目を集める事が大切である。
思わず、確かめに行きたくなるほどの。

「よし、嘘じゃないしこれで良いか」

しばしの間、ペンを咥えていた彼女だったが、ある事象をひらめき、記事を書き始めた。
数日後、教団国家に配られたビラで人々はその記事を知る事となった。



その日、教団国家の勇者の多くが装備の確認をしていた。
数多の戦士が、幾度と無く自らの調子を確かめていた。
幾多の魔術師がとっておきの魔法を準備していた。

--すべては、サバトに向かうために。

情報を受けた国境沿いのサバトでは、魔女やファミリア達。バフォメット数人が控えて準備していた。
誘惑の支度である。
他の魔物たちもおこぼれに預かるべく、瞳を光らせる。
依頼をしたバフォメットは気合いを入れるべく、何度か顔を叩いた。

激突は。数分後だった。

「ここが、噂のサバトか!」
「探すぞ!どこかに居るはずだ!」

勇者はわざと転んだ魔女を思わず庇い。
戦士は何故か屈強な筋肉を誉めるファミリアにメロメロになり。
魔術師はバフォメットとの魔法対決で敗北し。
真性のロリコンになった味方を捨てながら、彼らは進撃した。
その先に、求めるものがあると思っていたからだ。

「ここに、噂のバフォメットが居るはずだ!」

奥の扉を開けた彼らが見たのは。依頼人のバフォメット。

「良く来たな貴様ら!」
「違う」

しかしどや顔で出迎えた彼女を、彼らはスルー。
目当てではないからだ。

「どこだ!ロリ巨乳のバフォメット!?」
「なんじゃと!?」
その日配られたビラには、バフォメットの胸が大きくなったと書かれていた。
そう、確かに1ミリ大きくなったのだが。彼等は知る由も無い。
情報とは、恐ろしいのだ。

257名無しさん:2017/03/12(日) 14:52:50 ID:nEYAXpqsO
180、244、256と、ギャグに挑戦してみたのは良いのですが、ギャグらしい文章というのがいまだに良く分からないままです(自信が持てず本館で書けた試しが無いです)。
リャナンシーちゃん、ギャグを書くときに気にしていることやコツなどはあるでしょうか。

258名無しさん:2017/03/12(日) 15:04:10 ID:QFqis9320
>>240リャナンシーちゃん、感想ありがとうございました。>>234

続きはたぶん書いていたと思うのですがデータに埋もれていると

思うので探してみます。なかったら1から書き直しなのでこちらではなく

小説投稿に掲載することになると思います。すみません。

259名無しさん:2017/03/12(日) 18:12:41 ID:n/kdcvM.0
文章が笑ってはだめだみたいな感じの説明をどっかで見た気がする

260名無しさん:2017/03/12(日) 18:33:49 ID:sMYfitiI0
>>258
呼ばれて飛び出てリャナンシーちゃん登場!
ギャグはねぇ……私も相棒も書けないって気にしてるし、誰かに聞きたい箇所なのよねぇ。
まあでも参考程度のお話なら私にもできるかもしれないから、一応話をしてみるわね。

私と相棒の場合、そもそものギャグ自体があんまり思い浮かばないから難しいんだけど、文とかについてはギャグを大げさに書いて、それをテンポ良く入れていくのを意識してるわね。
例えば>>244にギャグ(笑えるとは言っていない)を挟ませていただくわね。



ぐ。なんてつぶらな瞳をしてやがる。
断るに断れないじゃないか……。
どっちにしろ洗濯物はあるし、頼むしかないな。

さて、問題は誰に頼むかだが……コボルドちゃんはどうだろうか。

「はわわわわわわわわわわわわわわわわわわ目が回りますううううううううううううううう!」

駄目だ。あっちの洗濯機の中でランドリーしてる所を見たら、とてもじゃないが頼りになりそうもない。
となるとクーシーちゃんの方ならどうだ? コボルドちゃんよりもう少し大人な顔してるから、安心できるんじゃ……。

「わふっ、わふぅっ! すごい汗の臭いがしますぅっ! わふわふっ、わふわふっ!」

洗濯物の臭いに興奮しすぎて完全にメス犬フェイスになってやがる……却下だ、却下。
次! 次のヘルハウンドさんいかがでしょうっ!?

「あぁっ? アタシに洗濯物を洗わせようだなんて、何様のつもりだ?」

お客様だっての! 誰だよ、絶対に誰にも従わない従業員なんて雇ったの!
次っ! ワーウルフちゃんならどうだっ!?

「「「「「「「「「「「「「「「がうっ! 任せてくださいお客さんっ!」」」」」」」」」」」」」」」」

群れで出てくるなぁっ! 次ぃ! アヌビスさんお願いしますぅ!

「ハーイ! アヌビスさん出番ですよ!」
「承った……この量であれば22分18秒で乾燥まですませてやろう」

おぉ! 一番しっかりしてそうだし、なんというか、店の中から出てきた姿も頼もしい感じだし!
これなら俺の洗濯物も安心して任せられる……ていうか、洗濯物を洗濯機に放り込んでもらうだけで、どうしてこんな思いをしなくちゃ――

「出でよ! たらい&洗濯板!」

――そうか、砂漠に洗濯機はないんだな。



とまあ、こんな感じ。
最初のコボルドちゃんからアヌビスさんまで、段々と地の文の文章量を少なくしてギャグをラッシュしていってるわ。
そして最後のオチに使うアヌビスさんの前で、ちょっとタメを作ってからタライに落とし込む。
こうやってオーバーな演出をしていくと、相棒の考えるようなつまらないギャグでも、一応それっぽく見えるようになったりするのよね。
後は地の文でツッコミも、合わせてオーバーリアクション気味に。
やっぱり読者をテンションに巻き込む必要があるのは否めないと思うのよね。
そういうのは官能描写と同じで、お気に入りの作家さんや作者さんから文のテンションを参考にして、自分にストックしていくのが一番だと思うわ。

>>259さんの言う文が笑ってはいけないというのは、ギャグの主体が大真面目な文だけ笑いが引き立つってやつね。
>>180とかが、すごく良い成功例よね。研究者さんが真面目なだけ、ギャグが見事に演出されてるわ。
逆に>>256とかだと、

奥の扉を開けた彼らが見たのは。依頼人のバフォメット。

「良く来たな貴様ら!」
「違う」

しかしどや顔で出迎えた彼女を、彼らはスルー。
目当てではないからだ。

この辺りはもっと真面目に大げさに、タメも引きも作れる箇所だと思うわね。
しつこいぐらい、大げさに、大真面目に! それがギャグの秘訣でもあるんじゃないかしら。
ま、とにかく練習あるのみよ! 既に面白いものが書けるんだから、あなたの発想力ならいくらでもギャグが量産できるようになるって!

そんなこんなで偉そうに言ったけど、以上! リャナンシーちゃんからでした!

261名無しさん:2017/03/12(日) 20:49:34 ID:nEYAXpqsO
>>260
成る程、スピード感ですね。
例文が上手すぎて感心しきりですが、何とかその域に辿り着けるよう頑張りたいです。

とりあえず、エクスクラメーションマークや「っ」などの有効性が良く分かりました……。
自分の土俵に持ち込んで、がっつりと共感を得る。主人公と同じツッコミが出来るように。ボケを配置する。
ギャグだけでなく、一人称小説で大切な事たのでもっと意識していきます……。
真面目文体ギャグの方は、もっと丁寧に描写したほうがよかったと反省しきりです。せめて
「良くきたな!」
「チェンジ」
くらいはするべきでした……。

目標としてはヤ○ダ○ヤ○氏や車○氏やの超スピード文章に憧れて居るので、参考にしていきます。
いつか、あの領域に……!

色々と、ありがとうございました。

262名無しさん:2017/03/12(日) 20:59:33 ID:nEYAXpqsO
>>258
はい……楽しみにお待ちしていますね……。
一人称のキャラクターでしっかりと「共感」を得て、視点変更をするときは誰が何をしているのかを描写し、空気感を大事に……書いてみて下さい……。

きっと、読んでくれる人が居ると思います。
「面白かった」とvoteをくれる人も居るはずです。
感想を、残してくれる方も、きっと……。

少なくとも私は、あなたの文章を面白いと感じました……。
誇張でも、嘘でもありません……。
あなたは、小説に大切な「空気」がかける人です……。
友人との歓談を。
夏の陽気を。
朝の風と遅刻の焦りを。
語るときの、イタズラっぽい表情を。
短い文章で、綺麗に書くことが出来ています……。

ですから。
あなたの作品を、楽しみに待っていますね……。


長くなってごめんなさい……。

263名無しさん:2017/03/12(日) 21:59:05 ID:nEYAXpqsO
「久し振りだね。勇者」

墓前に花を備える俺の耳に、聞き覚えのある声が響く。
それは、勇者である俺に長年付き添ってきた少女が死んでから、一年ほどたった頃の事だった。

「お前、生きていたのか」

顔をあげると、むっとした無表情が見える。
それは、かつて俺と少女が二人で戦った術師であった。
元教団のシスターであった彼女はある事件をきっかけに狂い、魔界のキノコを使ったスープで人を毒殺していたのだ。
そして、俺達が彼女を倒した時には、既に三桁の人間が彼女の手にかかり、ゾンビやグールへと変えられていた。

「いや、間違いなく死んでいるよ。腹に開いた傷も塞がっていないままさ--単純に、魔物になっただけだよ」
「……そうか。それで、魔物になった貴様はこんな所で何をする気だ。決着をつけるとでも?」

腹に出来た傷を見せつける彼女に気圧されつつも、剣を構える。
恐らくリッチとなった彼女から感じる魔力は膨大で、一人で戦えば勝ち目は薄い。
それでも、俺は相棒の前では逃げたく無かった。

「いいや、戦う気は無いよ。けど復讐に来たんだ」
「何をする気だ」
「キミを、泣かせてやる。大の大人がわんわん泣くところを、観察してやる」
「ふん、やってみろ」
「ならば振り返ると良い。それだけで、キミは泣く。絶対にな」

無表情のまま告げられた言葉に、警戒しつつ後ろを向いた俺の目に映ったのは。

「……っ」
「ゆう、しゃ」

長い黒髪が見えた。
ほっそりとした、手足が見えた。
女性らしさを帯びた身体が見えた。
それは--少女の姿だった。
失った筈の、相棒だった。

「あい、たかったよ」
「なん、で……っ」
「私が主神に背いたのは。その表情が見たかったからだ--再会を喜ぶその顔をな」

潤む視界に困惑する肩を、魔術師が叩く。
限界、だった。
相棒に抱きしめられるとそのまま泣いた。

「死を克服したかった。別れを、悲劇を否定したかった。その気持ちを、今なら解るだろう」
「……」
「ああ、赦されない事をしたとも。間違いなく私は人を殺したのだから」

泣いている俺の後ろで魔術師は小さく笑んでいた。

「だから、これが--私の復讐であり、せめてもの罪滅ぼしだ。気に入ってくれたかい?」

彼女の言葉に。

「ズルいな。本当に」

俺は、せめてもの抵抗を返したのだった。

264名無しさん:2017/03/12(日) 22:20:25 ID:Ftz61SEU0
私は探求する死者。
魔術は不得手だが、死んだ後より魔術は得意分野に入りこんだ。
だが、私は探求すべきことがある。
魔術により利便性は増したものの、魔術ありきの死後の人生ではない。
他の同胞とは違うのだ。

昔は誰も理解してはくれなかった。
だが今になって同胞たちが私の研究に強い関心を持つというのは、喜ばしくもあるが趣味の悪い笑みが浮かぶ思いもある。
私はやっと理解されたのだ。
キチガイ亡者と後ろ指を指された日々はもう終わったのだ。


さて。
私の探究心の往く道。
それは、エロである。
現魔王時代になるまでの間、私がどれだけ辛酸を舐め続けたかお分かり頂けるだろうか。
正直、自分でも何度か心が折れた。
長い死後の人生でよかった、ああ、本当に。

エロの何たるかを語れば、それこそ人の人生が尽きるほどの思いがある。
だが前置きが長くなってしまったため、全て省こう。

まずエロとは、見た目である。
今の私の体は幸いエロさに溢れている。
同胞たちより遥かに長い間、丹念に手入れをして来た体はエロに満ちている。
なお、私のコンセプトは「大人になろうと背伸びをする女の子。でも出るところは出ているんです」であるため、基本的に私の体は少女らしさを追求している。

アンデッド特有の背徳さと非人間性を兼ね備えた色の肌は、弾力よりも柔らかさを重視している。
お?と気を引くほど柔らかくしっとりとしたモチ肌だ。
顔の肉は童顔のふっくらさに、控えめに主張する小さな唇を添えている。
チロリと唇を舐める舌は血のように赤く、そのコントラストがさらにエロさを引き上げるのだ。
大きな両目は好奇心旺盛な垂れ目を眠たげに細めている。
普段は明るく元気な女の子、というのも良いのだが。
やはりエロさを出すには大人しそうな方が良いのだ。

研究者少女の肩は細い。
強く抱きしめれば折れそうな細い肩、ほっそりとした腕。
庇護欲を誘う小柄な体は、肉感的とは言えない。
だからこそ、背徳的なエロさがあるのだ。

華奢な体には不釣り合いな、肉感たっぷりの胸。
この胸を細い腕で隠そうとすると、細い腕で隠しきれない肉の暴力が際立つ。
弾力よりも柔らかさ重視のこの胸は、抱き寄せると柔らかく受け止め、挟み込むとしっとり包み込む。
数は暴力だ、巨乳は暴力だ。
異論は認める。

細い腰からなだらかに降りると、やはり細い太もも。
筋肉など不要とばかりに柔らかな太ももは、枕にしてもよし挟んでも良し。
膝から下も細いながらも柔らかで、実に撫で甲斐あること請け合いだ。
そして胸と同様、柔らかくも豊満な尻肉。
挟んでみるかと訴えるように盛り上がったこの部分だけは、弾力に富んでいる。
胸に飽きたら尻、尻に飽きたら胸。
私に抜かりはないのだ。


と言うことで、エロの集大成であるこの体で実践して見せよう。
どうだ、してみたいだろう?

「すまん。嫁がいるからパスで」

……エロさは、愛には勝てなかったのか。
まだまだ研究が必要だな。

265名無しさん:2017/03/12(日) 22:30:28 ID:Ak5y/U3Q0
>>264
これはえろい。
そしてえろいのに笑えると言う不思議……w

266名無しさん:2017/03/12(日) 23:26:37 ID:/7COnZOY0
「なぁ、剣士殿よ」

人里離れた山奥の丘、朱色に染まりかけの空を見上げる。
声の主はその腕、蒼色の翼をはためかせてこちらに吼えるように笑った。
ワイバーン。
時が時ならば、この命を容易く奪い飛び去っていく存在。

「……こら、無視をするな。返事くらい返したらどうなのだ」


ふふっ、と笑ってしまう。
そんな存在が今は、ただの寂しがり屋。
旧魔王時代の戦乱の記録に恐れ畏れながらも、どこか胸を躍らせていた身としてはどうにも寂しさも感じるが。
再びその姿を見る。
形だけは戦慄を呼んだそれであるが、構えという子供のような要求が可愛らしく飾り立てているようだ。

「むぅ、何を笑うか」


と、それが降りてきた。
大きさ、つまり姿も変わらない彼女はつかつか、というよりものっしのっしと俺の前に歩いてくると。

「っ、つ」


ごつ、と。
恐らくは軽く小突いたつもりなのだろう、重々しく頭を叩いてくる。
その衝撃で頭がくらくらする……訳ではなかった。
精々、頭に何かがのしかかってくる程度だ、無論手加減はしてくれているのだろうが。

「どうだ、流石に構うだろう?」


悪びれずに彼女が言う。
翼とは対照的な燃えるような真紅の瞳は、どことなく優越を帯びて見えた。

「……何だ?」

頭を擦りながら、返す。
といっても顎が邪魔で、鱗に触れた手は既に止まっている。
どけようとしても無駄だろう。
ずっしりと、温かみのあるこのおもりはどうやってもきっとどいてはくれまい。
さて、どういう事を言ってくるやら。

「んん?いや、特に何だという事ではない。ただただ構って欲しかっただけだ」


…………。

自分勝手め。

「……何だその目は。大体お前が構ってくれんのが悪い、私は悪くないぞ」


うるさい、まったく。
そう思って顎の下辺りをペチペチとはたいてみる。

「痛い」


嘘をつくな、俺より余程頑丈だろうに。
今度はグー、拳骨の先でちょんちょんと突いてみる。

「むー、痛いと言っている」

…………これは、また。
今度はパー。
段々面白くなってきた。


「……グギェァウ!」


「っぅう…………!!?」


サーッ、と血の気が引く気がした。
見上げれば俺の手が、腕が。
肘から先が、彼女にくわえ込まれてしまっていた。

「……怒らせるな、バぁカ」

彼女は言う。
怒っているらしい。

「や、悪かった。うん、悪かったって……」

素直に謝ると。

「……」

その顔が、俺の腕を食べたままスーッと正面に降りてきて。


「……ぇ?」

「ンェエォオォロォウ……ゥッ」


舌が、顔をベロォリと舐めてきたのだった。

267名無しさん:2017/03/13(月) 18:46:12 ID:g0FFA3/Q0
>>258
新人リャナンシーです。今回も謎のアドバイスをさらけ出します。

ギャグはスベルと悲惨になるから、怖がる気持ちもわかるわ。
でも、怖がってちゃダメよ。スベルのも慣れれば快感になるんだから。

じゃあ、ギャグの書き方ね。

お笑いで参考にするなら、落語>コント>>漫才の順ね。
文章の場合は、漫才形式だと面白味が伝わりにくいわ。それは、それぞれツッコミのタイプが違うからなの。

落語の場合は、登場人物は全員が物語の中なの。だから、ツッコミが「困惑」「怒り」「呆れ」なの。ボケは関係者にとって迷惑極まりないからね。
コントもどっちかというと、そちらに近いわ。でも、狂言回しがいることも多いからツッコミが「驚き」などになってしまうこともあるわ。
漫才の場合は、観客も含めて舞台なの。出てきたときに挨拶するでしょ? 「こんにちは、〇〇です」って。あれはお客に「私たちは知り合いだよ」と身内にしちゃうの。そうなると、ツッコミは「笑い」「失笑」になっちゃうの。友達の失敗談を笑いあう感じね。
漫才の面白さは内輪ネタに近いものがあるから、真似しようとすると寒くなるの。注意してね。

文字媒体での笑いは、基本、わかりやすいツッコミは読者に任せて書かない。
でも、これは投稿された三作でできているので大丈夫だと思うわ。

次は、何が面白いのか理解することね。

「魔物研究者」の場合、面白さはスク水を知らない研究者の試行錯誤ね。だから、早い段階でスク水であることを読者にのみ、明確に伝えることが面白味を増すことになると思うわ。

形状は、筒状で、片側は三つ、反対側は二つ、大きな穴が開いている。色々な角度から見ていて、シャツとパンツを一体化したような形状というのが一番近い。ちなみに、私はブリーフ派だ。
胸と思われる場所に文字が書いてある布が張り着けてある。
「さ・は・ぎ・ん?」
初めて聞く言葉だ。これの名称か?


「ワンコインランドリー」の場合だと、名称と洗濯方法ね。でも、中でオチがついてしまって、最後が尻つぼみになっているから、最後にもう一つおとして締めるといいと思うわ。

「旦那、待ってる間、あたいといいことしねーか?」
ヘルハウンドさん、仕事しようね。
「これも仕事だよ」
どういうこと?
「おい。私の客に手を出すな。あとでいいことしてもらう段取りが狂う」
アヌビスさん、計画だだもれですよ? 説明お願いします。
「何を言っている。命の洗濯に決まっているだろう?」
あー、そういうことね。
「お前、その指名をまだとってないだろうが。だから、早い者勝ちだ」
「ちょっと待て。フリーなら我らもチャンスがあるはず」
「ずるいよー」
「わふっ」
理解が足りていなかった。
ここは、「ワンコ・淫・乱取り」なんだ。
とりあえず、精液足りるかな?


「サバト誇大広告」の場合、ロリ巨乳のバフォメットにトチ狂った勇者たちの狂乱ね。だから、そっちに主軸をおいて、サバト視点は削った方があってると思うわ。
もっと思い切るなら、ラタトスクの導入部も「ラタトスクの書いたビラが教団国家に配られた」だけでにしてしまうのもいいわ。ラタトスクの言い訳を締めに持っていくとまとまるわ。
あとは、「勇者はわざと転んだ〜」のところみたいな、言葉をずらす笑いの時は、ずらす前の雰囲気の強い文章を入れて緊張感を作って、弛緩させると面白味が増すわ。
例えば――
戦いは熾烈を極めた。
勇者は、わざと転んだ魔女を思わず抱き止め恋に落ちた。
戦士は、屈強な筋肉を誉めるファミリアに骨抜きにされた。
魔術師は、バフォメットがかけたロリっ子アニメ上映の幻覚魔法に洗脳された。
多くの味方がサバトのお兄ちゃんへとなっていく。普段であれば撤退してもおかしくない損害の中、進軍の機運は削がれることなく、士気も下がることもなかった。
そう。彼らの求めるものが、その先にあることを信じて。


とりあえず、こんなところかな? 参考になればいいけど。
私も担当作家も笑いは本当に難しくて、頭を悩ませてるわ。
頭痛仲間ができると嬉しいな。

268名無しさん:2017/03/13(月) 18:47:39 ID:g0FFA3/Q0
「どっちが疾い?」

 緑色の翼が問うた。速さに自信があるのだろう。

「愚問だな」

 俺は迷わずハヤブサの剣を装備した。

「なんで! ワイバーンの剣でしょうが!」

 ワイバーンが旧魔王時代の貫禄で吼えた。

「ハヤブサの剣は二回攻撃できるからな」
「でも、そっちは速さが5しか上がらないけど、こっちは15上がるんだよ?」

 なんでそんなに速さにこだわりがあるのか不思議だ。

「速さが上がっても、メリットはせいぜい先制攻撃できるぐらいだぞ」

 回避確率も上がるけど、微々たるもんだ。

「納得できない。だいたい、5上がって二回攻撃なら、15上がったら、三倍の6回……いや、ワイバーンだから8回攻撃はできるはず」

 ぶつぶつ言う彼女に、三倍なら4回攻撃だっていうのは言わないでおいた。

「まあまあ。ハヤブサの剣は通常装備だけど、ワイバーンの剣はイベントアイテムなんだから」
「どんな?」

「この剣を持って、翼の山のワイバーンに勝つと仲間になるんだ。そのワイバーンに乗って、今まで行けなかったマップに行けるようになるんだよ」

 しかも、単なる乗り物じゃなくて会話もできる。ワイバーン好きには買いのRPGだ。
 急に静かになったので俺が振り返ると、彼女が俯いている。

「……やだ」

 赤い瞳を真っ赤にして涙をボロボロと流された。俺は予想外の反応に固まっていた。

「ワイバーン、大活躍だぞ? ワイバーンに乗って世界中行けるようになるんだぞ?」

 俺はどうしていいかわからず、とにかくなだめようと必死になった。

「他のワイバーンになんて乗っちゃ、ヤダぁ!」

 彼女が泣きながら、翼のある手で俺の胸をポカポカと叩いてきた。
 あー、そういうことか! もう、この!

「落ち着け。ちょっと、見とけ」

 俺は彼女を後ろから抱きかかえてゲームを続けた。本当はもっとレベルを上げてから行く予定だったんだがな。
 彼女は落ち着きはしたが、そっぽを向いてゲーム画面を見ようとしなかった。気まずい空気のまま、ワイバーンの登場イベントになった。

「見てみろよ」
「見ない」
「いいから! よく見てみろ」

 俺の強めの言葉に渋々と画面を見た。強そうなワイバーンのグラフィックとその名前が表示されている。
 腕の中の彼女が俺の方を真ん丸な目で振り返り、何も言わずにまた画面を見る。それを三往復ほどした。

「ゲームだろうと、お前以外のワイバーンに乗るかよ」

 俺がそのままワイバーンにやられたのは言うまでもない。

269名無しさん:2017/03/13(月) 22:45:42 ID:vsH4dvzo0
>>268

これは良いバカップル(誉め言葉)だぁあ。
導入でカッコイイ感じかと思わせつつ次の瞬間にはゲームの話題だとわかるのもまたいい感じだと思います。
贅沢ながらもっとしっかり見てみたいと思ってしまいましたわ。

27026:2017/03/14(火) 02:06:28 ID:LWHsKniM0
部屋の隅に積もった埃、あるいは家主のいなくなった網目状の巣。
寂しさ、というのはそういうものなんだと思う。
なんでそこにあるのかを意味として付けてくれる誰かはいなくなっていて、だけど同時にそれを片付けてくれる誰かなんて現れやしない。
だから寂しいと思ってしまう。過ぎゆく誰かも、訪れる誰かもいない。そういうことなんだろう。
でも、埃は寂しいなんて考えない。蜘蛛の巣は寂しいなんて思わない。
寂しくて、愛おしくて、切なくて。想いを懐った少女のような、小さな大きな夢を見る。
そんなことを考えてしまう物なんて、なるほど不良品なのかもしれない。

気にするものもいなくなった時計。打ち捨てられた風見鶏。雨風を凌ぐ廃屋。
不良品でも、寂しいと思ってしまっても、物はただそこに在るだけで合ってしまう。
在れと形を造られ、合れと用途を作られ、それに満足して処理もせず、いつしか誰かは去っていく。
寂しさを有れとは、故きオートマトンには命じられていない。だから不良品なんだと割り切るしかない。
寂しいと思う理由を外に求めれば、機械で在れるような気がするから。

そうして今日も、不良品は清掃する。命じられたことによって、命じられていないことを押しつぶすために。
朽ちた壁材。黴びたシンク。灯らない電灯。錆びた鉄扉。色褪せた文字と絵。止まった時計。失われた年月。
それらの処理プロセスを呼び出そうと身体を制止させて、やっぱり外出許可なく修復は困難で。
承けたプログラムを元に、部屋の隅に埃を集める。身体から漏れたような微細な粒を、ひたすらに単調に。
機械は機械として、壊れずに徹していれば、きっといつかは。
例えば大昔の遺跡を探索している探索者が、例えば脆い壁を崩して入ってきて、例えば私に驚いて。

「――おわっ、げほっ、なんだこの部屋。かびくさっ……!?」
「―――――――」

きっといつかは、そんな王子様が来てくれる、と信じていたんだ。

271名無しさん:2017/03/14(火) 11:27:49 ID:.hF0Lyi20
>>267
成程、落語ですか。
寡聞にもあまり聞いたことがなかったので試してみたいと思います(コントは参考にしていたのですが)
突っ込みは読者さんに任せつつ、ある程度は回せるように考えなければ……。

拙作の添削、ありがとうございます。
魔物学者は確かにその形の方が良いですね。
文字数制限があったので色々悩んで今の形にしたのですが、ならば思い切って序盤から持ったほうが良いと分かりました。
ワンコインランドリーは確かに落ちが弱かったと思ったので最後に何かを入れたほうが良いと感じていたので、このような例はとてもあり難いです。
誇大広告はもっとロリ巨乳について書けばよかったと反省仕切りだったりします。

とても詳細なアドバイス、ありがとうございました!

272名無しさん:2017/03/14(火) 11:53:40 ID:15fAOvx.0
「う〜ん、困ったなぁ……お姉ちゃん困っちゃったなぁ……」

「お姉ちゃん、ず〜っと弟くんが好きなんだけど……未だに弟くんとは結ばれず。くすん」

「弟くんの好みをそれとなく聞いたら『女子力の高い人が好み』って言ってたけど……」

「……女子力って、何だろ?」

「弟くんに振り向いてもらうため、料理とか洗濯とか裁縫とか、家事は万能にしたんだけどなぁ」

「気配りだって利くつもりだし、いつもニコニコ笑顔でいるし」

「それと身だしなみだっていつも気を使ってるんだけど……」

「……力って言ってるから、多分そんな女の子らしいものじゃなくて、もっとパワフルな意味なんだよね」

「うぅ……私、重いものとかは全然持てないよぉ……きっと女子力ないんだぁ……」

「こ、このままじゃお姉ちゃん……弟くんに嫌われちゃう!?」

「はわわっ! ダメ、ダメだよ! 女子力を鍛えて、弟くんのハートを今度こそキャッチしないと!」

「そうと決まれば、さっそく女子力の修行! お姉ちゃん、弟子入りしてきます!」

「う〜ん、女子力の高そうな人たちって誰かなぁ……あっ、そうだ!」



「 ア マ ゾ ネ ス さ ん に 頼 も う っ !」



 ◇

投稿用に書き始めたネタなんだけど、これで終わりの方が良いかもって思えてきた。

273名無しさん:2017/03/14(火) 15:13:33 ID:g1dLT60IO
「悲しい事があったの?」

学校の放課後。
誰も居ない第二図書室。
一人で本を読んでいた僕に彼女の声が、かかった。
元気な声にあわせて飛んだ細かい埃が陽気を浴びてキラキラと輝く。

「いや、別に僕は」
「そういう時は、一緒に飛ぼうよ。きっと、気持ちいいからさ」

僕の否定をものともせず、彼女の翼が僕の手を掴む。
空の王者と言われたワイバーンの彼女と、男性とはいえ非力な僕。
かなうべくもなく、僕はずるずると図書室から引きずり出されていく。
何とか読んでいた本だけは本棚に返せたけれど、帰りの荷物は教室に置きっぱなしになった。

「ほら、空が綺麗だよ。夕焼け前の赤色と、抜けるような蒼が混ざってて」
「眩しい。かな」
「もう、つれないんだから。ほら、背中に掴まって」

観念して彼女の背中に掴まると、振り返った彼女の笑い顔が見えた。
直後、ふわりと浮かび上がる浮遊感。
翠の翼の羽ばたき一つで、僕達は高い空へと飛び上がっていた。

「さあ、どこに行こっか」
「最後に大学に戻ってくれるなら何処でも良いよ。荷物、置きっぱだし」
「ありゃ、それは失礼」

遠く街を見下ろしながら、二人で話す。
遥か先には、海が見えた。

「ねえ、またあの本読んでた?竜騎士の奴」
「……うん」
「格好いいよね。竜騎士。憧れるよ」

翼を強くはためかせる彼女。
それだけで、景色は後ろへと遠ざかっていく。

「でもさ、別に私はキミが竜騎士じゃなくても良いと思う。弱いままでも、良いんだ」

静かな声だった。
僕の事を否定しながら、優しい声で彼女は語る。

「いつも宿題を見せてくれたり、一緒にゲームしたり、こうして空を飛んでみたり、それでいいの」
「宿題は自分でやりなよ」
「はは、ゴメンね」

憎まれ口にも彼女は歯を見せて笑う。
なんていうか、本当にズルいと思った。
人の心に踏み込んで、痛いことを言って。
そのくせ、いつも笑って励ましてくる。強い癖に、僕の弱さを肯定してくる。

空元気でも、応えたくなる。
少しだけ、視界が滲んだ。

「ほら、大学ついたよ」

気が付くと、僕達は大学に戻っていた。
空は、既に薄明の時期。

「元気、出た?」

おずおずと聞く彼女に、首肯。
僕は、竜騎士に憧れたままだろう。
彼女の隣に、立ちたいから。

けれど。

今は、これで良い。
帰りの支度をしながら、僕は微笑んでいた。

274名無しさん:2017/03/14(火) 19:50:15 ID:g1dLT60IO
ぐちゃり ぐちゃ ぐちゃ ぐちゃ

六畳一間の部屋の隅。
湿り気のある暗がりの中で冒涜的に蠢く塊に、

「ただいま」

会社から帰ってきた僕は、いつものように微笑んでみせる。

ぐちゃ♪

僕の言葉に反応してこちらにずるり、ずるりと這いずる紫色の肉塊。
てらりとした粘液が畳の上に跡を残す。

「おいで」

以前の僕であれば、悲鳴を上げる光景。
けれど、手を伸ばし微笑む僕の心にはただ、愛おしさが沸き起こっていた。

ぐちゃ ぐちゃり♪

紫色の肉塊--彼女から伸びた触手が僕の耳に伸びる。
反響する水音、耳の中から脳髄を犯される感覚。

「おかえりなさい!」

おぞましい感覚に目を瞑る事数秒。
僕の前に居たのは美しい紫色の髪を持つ少女だった。
彼女から沸き立つ甘い香りが、心を落ち着かせてくれる。

「今日も、大変だったんだね」
「うん、でも君が居るから大丈夫。頑張れるよ」
「ふふ、ありがとう--なでてあげるね」

彼女の柔らかな指に撫でられるまま、畳の上に座る。
こうして触れられるたびに、心の疲れが溶かされ、消えていく。
これが、彼女の力。
マインドフレイアと呼ばれる異世界の魔物の力だ。
触手を介して脳に干渉、五感を操り、感情を蝕む。
初めて出会った時、逃げようと必死だった僕に彼女が告げた言葉を、思い出す。
「私は、まだ未熟だからこのくらいの事しか出来ないの」

寂しそうに笑った彼女はそう言って、僕の疲れを癒やしてくれた。
逃げていいと、追い出していいと囁いてくれた。
そんな彼女を、僕は受け入れる事しか、出来なかった。
彼女と同じくらい、僕も寂しかったから。

「今日は、お土産があるんだ」
「わあ、ありがとう!」

手に持っていたビニール袋から、桜の枝を取り出して、彼女に渡す。
この部屋から出る事の出来ない彼女にとって、季節を感じる物が嬉しいのだ。
彼女の声にあわせて、部屋の中に幻の桜が舞い散る。

「いつか、一緒に見に行こうね」

少女の囁きに、頷きを一つ。
この世界に適応すれば、彼女は何時でも本来の少女の姿に戻れるのだそうだ。

手を繋いで、二人で桜を見に行こう。
いつかの日を夢見て、僕は彼女の腕の中で目を閉じる。

きっと、他の人から見れば狂気に満ちた光景の中。
僕は幸せだった。

275名無しさん:2017/03/14(火) 20:41:08 ID:g1dLT60IO
「今日が何の日か、覚えて居るかい?」
「円周率の日ですよね。πの日」
「ああ。微分積分が出来た時の感動は忘れんな。異世界の数学の魅力だ……と、答えて欲しいと思ったか?」
「冗談ですよ」

時は3月14日。
先輩であるリッチの言葉に僕は肩をすくめる。
その反応が気に喰わなかったのか、彼女の後ろにあった経箱がガタンと音を立てて研究室の床に落ちた。

「私を怒らせたいのか?」
「まさか。用意していますよ」

白衣の袖から出したのは、紫色の小さな結晶だった。
受け取りながら、訝しげに首を捻る先輩に微笑んでみせる。

「先輩のチョコレートの三倍の価値が思いつかなくって」

脳裏に浮かぶのは二月の事。
溶かして固めただけは邪道と叫ぶような、カカオの発酵から行ったチョコレートの甘く、ほろ苦い味を、思い出す。
目の前で結晶を弄んでいた先輩の顔が歪むのが見える。
きっとこれの正体に気づいたのだろう。

「馬鹿だな、君は」
「あげられる物が、このくらいしか、思いつか無かったんですよ」
「はは、本当に大馬鹿だ。自らの魂の欠片を精製して渡すなんてな」
「異世界の科学に感謝、ですよ」

彼女の冷たい指が、僕の欠片を撫でると、頬を撫でられたような感覚が、伝わってくる。
先輩もやっていた、魂を分ける術の力だ。
今、僕の心は文字通り彼女の手の中にある。

「全く、対処に困る物を渡すなど。贈り物失格だな」
「嫌でしたか?」
「まさか、こうして大切にするさ」

先輩は囁くと、彼女の経箱を拾い上げて、僕の魂をその中へと封じた。
心の中に、暖かい何かが流れるのを感じる。
きっと、これが先輩の心。無表情の下の優しさや愛なのだろう。

「さて、と」

経箱を机に載せながら、彼女はほんの少しだけ口角を上げて笑う。

「これは、少しばかり高すぎる贈り物だ--だから」

ふわり、と。
先輩の身体が近づく。
花に似た、甘い香り。
唇に感じる、冷たくて柔らかな感触。

「余剰分。返したぞ」

魂に通じる、甘くて暖かい気持ち。
僕は、何となく笑う。

今日も、良い天気だった。

276名無しさん:2017/03/14(火) 21:31:01 ID:15fAOvx.0
>>275
投稿スピードといいクオリティの高さといい
あなたもう投稿所で小品集として連載できるよねって思うw
このリッチのお話なんて雰囲気が素敵で、二人への嫉妬で壁殴りたくなるよね

自分が思いついたのなんて『マッチ売りのリッチ』とかいう親父ギャグみたいなネタなのに……

277名無しさん:2017/03/14(火) 23:58:24 ID:PGbxXHXA0
俺は、いまとても悩んでいることがある。
それは傍から聞くとバカみたいなことかもしれないが、切実に困ったことなのだ。

ウチにはペットが居る。
機嫌がいい時は黒い尻尾を揺らし。
機嫌が悪い時は黒い尻尾を立てる。
日向ぼっこが好きで、良く日当たりのいい場所で丸くなっている。
顎の下をくすぐると気持ちよさそうに伸びをする。
「にゃおおん」
もっと撫でてとねだる様に、顔を摺り寄せてくる。
可愛らしいものだ。

ワーウルフなんだけどね、このペット。

猫になりたい犬が、ということなら百歩譲ってクーシーとかコボルト辺りになりそうなもんだ。
しかし、こいつはワーウルフ。
狼の誇りはどこにやった。
「どこかの山に埋めた♪」
拾ってきなさい。
「や〜だ♪」
アパートの狭い室内をゴロゴロ転がる、ウチのペット。
首輪を欲しがっていたけど何かあれだったので、赤色のチョーカーを買ってやった。
そしたらいつの間にか、チョーカーに鈴がついていた。
こいつ、金持っていたのかよ。
「んひひ〜♪」
返事はない。
ただの甘えたがりなペットの様だ。

そもそもの出会いは、バイト帰りにコンビニに寄った時のことだ。
から揚げを物欲しそうに涎垂らしてワンコ座りしていたのだ、こいつ。
「買って買って♪」
困り果てたハーピーの店員に見るに見かねて、から揚げを買った。
そしたら、凄くなつかれた。
「飼って飼って♪」
それ、から揚げ買うときにも聞いたんだが。
お前はから揚げ並みの値段かよ。

で何やかんやあって、俺のペットになった。
なお、エロいことはしている。
主にこいつの発情期に押し倒される形で。
「にゃあん♪ ぁやん♪」

ところで俺には困ったことがある。
切実に悩んでいることがある。
こいつの腹、おっきくなってきてるんだ。
俺、学生なのにパパになるのか。
それともペットブリーダーになるのか?
とりあえず、市役所に相談しないと。

野良狼拾って色々あったんですけど、どうしたらいいんでしょうか、って。

278名無しさん:2017/03/15(水) 00:27:59 ID:cNr6yJc60
みんなが良い文章をたくさん投稿してくれてて
個別に感想コメしたいと思ってもアレコレ考えたりしてるうちに
次の作品が投下されたりで返すタイミングを逸したりしてしまう
嬉しい悲鳴だけど、コメントできなくてごめんなさい

279名無しさん:2017/03/15(水) 16:32:00 ID:AT3KzGZc0
再発掘したデータに書き加えて投稿。
某所のエロSSに影響されて真似して書いた記憶が懐かしい。
尊敬するあの作者さんは今……
リャナンシーちゃんどうでしょうか?


「んっ……ちゅば……はむっ」

昼下がりの館裏、一際目立たない一角で少年が壁にもたれ荒い息を吐いていた。
少年の名はジャン、館の若い主だ。
まだあどけなさの残るジャンが股に踞るメイドの口淫に声を上げた。

「あっ……だ、だめ! リコ! は、離れて!」
「んちゅ……ちゅる……あ、あるりひゃまぁ、くちにひゃひてふははい」
「く、口に入れたまま喋ったら! あああッ! 舌が……絡ま! んんんっ! で、出ちゃう!」

少年がリコと呼んだメイドの頭部を掴み前のめりになり、鈍い射精音と共にメイドの口内に精液がぶちまけられた。
口内のペニスがビクビクと脈動する度に半固形状の濃厚な精液がメイドの歯茎、頬裏、舌、そして喉……
口内のあらゆる箇所にドロドロの塊が付着していく。

「んっちゅ……ぬちゅ……はァ……んふッ」

断続的に放出される精液に目を閉じ、恍惚とした表情で喉を鳴らし飲み込んでゆくメイド。
キキーモラの特有の羽毛に覆われた手に飛び散った精子をしゃぶり終えると、大きな尻尾をしきりに動かし口を開いた

「若様……すっきりしましたか?」
「はぁ……はぁ…ああ…」

全て出し尽くし、弛緩した顔をしながらジャンは大きく息をついて言った。

「うん……リコ……いい?」
「もちろんです、若様」

リコは立ち上がるとスカートの中に手を入れ、下着の両端に手を掛け抜き取った。
ジャンに背を向けスカートをたくし上げると、色白のぷりんとした柔尻がこぼれ落ちてくる。
眼前に晒された官能的な雌尻にジャンの肉棒は再び猛々しくそそり立ち、脈動を始めた。

「……リコ……いくよ」
「あ……若様」

リコは壁に手をつき、尻を突き出す。
ジャンは両手でリコの腰を掴み肉棒を秘裂に押し当てると中に押し入った。

「あッ……はッ…ん、んんんッ!」

 思わず声を上げそうになるが、リコは手を口に当てて防いだ。
 リコ以外にも館で働くメイドは多くいる。聞かれるわけにはいかない。
 服を脱がず、尻だけ露出しての性交。館の主と昼間からのセックス。
 その背徳感は最高に興奮する。

「んッ……あはッ……わ、若様の大きい」
「リコ……リコ」

 一度、射精したにもかかわらずジャンの肉棒は脈打ち、リコの膣内で暴れ狂っている。

「ああうっ!か、硬い……」
「くっ……んんんぅ」

 ジャンは貪るように腰を振りたくった。
 視線を下ろすと滑った肉棒が尻の谷間の先にある秘部に咥えこまれている。
 押すと異物を拒むように締め付け、抜こうとすると未練がましく絡みつく。
 精放出を促すヒダヒダが隙間なく肉棒を刺激し、精を搾取しようとする動きに加えて
突く度に上がるリコの嬌声が更に興奮をたかめる。
 先に達したにも関わらず高ぶりは唐突に訪れた。

「も、もう出る! 出る! 出ちゃう!」
「あっああっ! 若様! 若様!」
「リコ! ま、また出る! 出―――うっ!」
「んっ! ああっ! んんんっ……はあ……あ……」

 ブリュ!

 リコの最奥で暴発したように飛び出る塊。

 ブビュルルゥ!

 うねる白濁色のゼリー

 ブピュピュゥ!

 濃すぎる生命の種

 ボプッ! ドク……ドク……

 生命を育む子宮内の漂う卵子の殺到する億の精


 全てを出し終えたジャンはリコの背中にすがるようにして腰を柔尻にこすりつけている。 
 汗ばんた額に前髪を張り付かせて荒い息をつくリコの尻尾は力を失いだらんとたれたままだ。

「さ、最高だよ……リコ」
「若様……はぁ……んちゅんうう」

 深く濃いディープキスを交わす二人の結合部から垂れ落ちる雌雄の混合液が、
太腿を伝い地に落ちるまで二人の口吸いは続いた。

280名無しさん:2017/03/15(水) 18:37:23 ID:cNr6yJc60
>>279
はい、呼ばれましたリャナンシーちゃんでっす!

今回のSSについてなんだけど、全体のバランスはオッケー!
コンパクトに纏まったえっちぃSSにはなってるんだけど……惜しい! 色々と惜しい!
そこで具体的に指摘を挙げていきたいのだけれど、どうしても今回は例文の数が多くなっちゃいそうなのよ。
だからまたまた添削みたいなものを書いてみたいのだけど、大丈夫かしら?

説明力が無くてごめんなさいね。
オッケー出たら添削と指摘をしてみたいと思います!
どうしてもってことだったら、またいつもみたいな指摘でがんばってみるから、安心してね!

281名無しさん:2017/03/15(水) 19:21:23 ID:bmAtiWgE0
>>279
発展途上で努力邁進中の新人リャナンシーです。今日も微妙なアドバイスをするから、よろしくお願いします。

まずは、ごちそうさまでした。主人とメイドって、いいわよね。王道だわ。食べ飽きない美味しさよね。内容もとってもエッチでよかったです。

読んでいて気になった点は、漢字を少し開いた方がいいかもね。普段、あまり使わない読みのとかは特にね。
例えば、「滑った(ぬめった)」だけど、これは「すべった」と読まれると、滑り出たと想像されてしまうわ。場面と合わなくなるの。普通のシーンなら、「ああ、ぬめったと読むんだ」と想像を修正するんだけど、エッチシーンで興奮を高めようとしているところでは水を差される感じになるわ。
これはエッチシーンだけじゃなくて、スピード感が欲しいアクションシーンなんかでも同じね。

他は、細かい指摘だけど、同じ書き出しを連続させるのも意図的じゃないなら避けた方がいいわ。
最初の方の「口内の」が二回連続している場所ね。この場合、最初の「口内のペニスが」のすぐ前の文の中に「メイドの口内」というのがあるから、単に「ペニスが」にしても大丈夫よ。
ついでだけど、その文の最後の三点リーダーはダッシュにして、改行せずにして「〜舌、そして喉――口内の〜」とするいいと思ったわ。一文は長くなるけど、部分部分を想像していたところへ全体の言葉が出てくるようになるから、想像が切れないの。

あと、体言止めの使いどころが少し気になるわ。
後半の擬音と体言止めの交互は、話のクライマックス。そこまでで体言止めを使うと、せっかくの演出が二番煎じみたいになっちゃうわ。だから、体言止めをそこまで使わない方がいいわ。
最初の方に使っている、「〜飲み込んでゆくメイド。」は、メイドを外しても十分意味が通じるわ。
中盤の「尻だけ露出しての性交。館の主と昼間からのセックス。」は、「尻だけ露出しての性交している。館の主と昼間からの交尾している。」という感じで普通の文にしてもリズムは取れるわ。
体言止めはインパクトが強いけど、実を言うと、リズムのインパクトなの。印象のインパクトじゃないから、多用すると逆に印象が薄い描写になるから気をつけてね。

個人的には、最後の文章はこんがらがっている感じがするわ。「キスを交わす〜口吸いは続いた。」
意味がわからないわけじゃないけど、二つに分けるといいと思うわ。
あと、名詞を一文の中で変えるのは、ばたばたした感じになっちゃうから、変えたいなら比喩表現がいいと思うわ。
それと、時間を感じさせるなら、経過を描写するといいわ。
それらを総合してみると、
「どちらからとはなく、深くねっとりと濃いキスを二人はかわした。キスよりも前に繋がった部分から雌雄の混合液が垂れ、リコの白い太腿を伝いおりて、鳥のような足から地に落ちるまで、二人の唇は離れることはなかった。」
こんな感じかな?

参考になったかな?
でも、とってもエッチだったから、ちょっと興奮しちゃった。いいよね、エロ。

282名無しさん:2017/03/15(水) 19:21:39 ID:OTIEVIzYO
「あれ、どうして……」

その日、ドッペルゲンガーである私はある違和感で目を覚ましました。
自分の身体が、自分ではない。誰かに変わる感覚。
私の大好きな先輩が私を見つけてからずっと、味わった事の無い感覚でした。

「あれ、変わって無い?」

布団から起きて、寝ぼけ眼で鏡を見ても何時もと変わらない冴えない顔。
長く伸ばした前髪も、紅い瞳も、薄い唇も全て私のままでした。

「気のせい、でしょうか--」

--ふにゅ♪

「はわっ!?」

違和感の正体に気づいたのは、直後の事でした。
驚愕のあまり困惑する私の目に映ったのは、二つのお山。
指で触れると、ふにゃりと歪む柔らかさがかえってきます。
それは、柔らかな脂肪の詰まった、乳房でした。

「うう。これが先輩の望み……?」

一つつぶやきながら、寝間着を外すと、ふるりと大きなものがこれでもかと露出します。
目測、恐らくCカップ。
普段の私はAカップですから明らかな異常です。
ちなみにこのサイズでもクラスの中では下から数えた方が早いです。魔物ですからしょうがないですが。
腰のあたりもよく見れば、ふくよかな安産型にかわっていました。

どれも、私の力によるもの。
先輩に見つけられてから喪われた筈のドッペルゲンガーの力の影響でした。

「しかし、どうしましょうか」

胸を抱えながら小さくつぶやきます。
別に、先輩好みに成ることに異論はありません。
むしろおっぱい党だと知れて嬉しいくらいです。
しかし、私の力が働いるということは。
私の事を本当に、

「おはよう……あれ!?」
「先輩!?」

そんな暗い思考を途絶えさせるように。部屋に入って来たのは先輩でした。

「先輩、これ……」
「いや、それは、その」

大きくなった胸を見せると、先輩は小さくうなだれました。
どうやら、覚えがあるようで。なんだか複雑な気持ちになりました。

「その、子供が、欲しくてさ」
「子供、ですか?」
「その、小さな体だと、出産とか、育児とか大変だと思ってたんだ。ごめん」
「おっぱいが好きという訳じゃなくて?」
「うん……」

その言葉に、嘘がないのが分かって。
私は思わず笑ってしまいました。
先輩は相変わらず、先輩で。
私を心配してくれていたのですから。

「別に大丈夫ですよ……でも」

ウィンク一つして、乳房を押し付けます。

少し不安になったのですから、この位、許して下さいね、先輩。

283名無しさん:2017/03/15(水) 21:57:14 ID:OTIEVIzYO
>>279
あまり批評も感想も得意ではないリャナンシー……ですが……。語らせていただきますね……。

他の方も仰る通り、バランス良くまとまったえっちなSS、ありがとうございました……。
短い文章の中、擬音 を効果的に使う事でえっちな情景を見事に伝えていると思います……。

私から、伝えられるとしたら、キキーモラの単語を出すタイミング、でしょうか。
もう少し早めに出して置くことで「誰が、どのように」という部分を浮き立たせる事が出来ます……。
メイド、よりも「ふかふかの尻尾のあるメイド」の形にしたりする事が私程度の思いつく方法、でしょうか……。



小説とは関係が無いですが……。
キキーモラさんを見ると私の主人がここに来た時を思い出します……。
テクニックにとらわれ、書きたい物を忘れ、私の姿が見えなくなった彼が出会った思い出の作品がここに、あるんです。
それは、ある男の人と、キキーモラさんの出会いの話でした……。
等身大に悩み、一歩進んでは周囲に怯え、彼女と共に前を向いていく。ヒロイックではない、「彼」 のお話……。

語り口は、決して美しい文章や、教本に書かれるような整った文ではありませんでした……。
生の感情を、ただぶつける。生きた人間そのもののような文章でした……。
自分の好きな物を、好きなように書く。
そんな、当たり前を思い出す文章でした……。
筆をおっていた主人が、また書こうと筆をとったのは、それが原因です。
いつかそんな物語を……自ら生み出せる日を夢見ながら。

長く、語ってしまい、申し訳ありませんでした……。

284名無しさん:2017/03/15(水) 22:30:53 ID:AT3KzGZc0
>>280リャナンシーさん添削と指摘をお願いします

>>281発展途上で努力邁進中の新人リャナンシーちゃん
詳細な指摘ありがとうございました。擬音と体言止めの交互は当時模倣していた
小説の名残ですね。私の趣向にマッチしていたのでそのまま載せました。
このキキーモラメイドは気に入っているので長編書くかもしれません。
他にも気に入っているキャラも書いてみたい。

>>283おしとやかリャナンシーさん
冒頭にモフモフもってくるべきでした。すみません。
思い出深いキャラだったのですね。
キキーモラの魅力が万分の一でも伝われば幸いです。

三人もリャナンシーさんが来てくれたのでとてもうれしいです。

285名無しさん:2017/03/15(水) 22:36:00 ID:cNr6yJc60
>>284
はい、了解! それじゃこれが参考までの改稿した文章ね!
指摘は次のレスで!



「んっ……ちゅば……はむっ……」

 昼下がりの館の裏、人目の付かない一角で、少年が壁にもたれ荒い息を吐いていた。
 まだあどけなさの残る少年は、股の間に踞るメイドの口淫に声を上げた。

「あっ……だ、だめ! は、離れて!」
「んちゅ……ちゅる……わ、わひゃひゃまぁ、くちにひゃひてふははいぃ……」
「く、口に入れたまま喋ったら! あああッ! 舌が……絡ま! んんんっ! で、出ちゃう!」

 少年がメイドの頭部を掴み前のめりになると、音でも出そうな勢いと共に、メイドの口内に精液がぶちまけられた。
 口内のペニスがビクビクと脈動する度に、半固形状の濃厚な精液がメイドの歯茎、頬裏、舌、そして喉と、口内のあらゆる箇所に吐き出されていく。

「んっちゅ……! ぬちゅ……はァ……んふッ」

 断続的に放出される精液を、目を閉じ恍惚とした表情で飲み込んでゆくメイド。
 キキーモラ特有の羽毛に覆われた手に、口の端から漏れ出た精子が垂れていく。
 メイドはそれを丁寧に舐め取り終えると、大きな尻尾をしきりに動かしながら、主を見上げて微笑んだ。

「若様……すっきりしましたか?」
「はぁ……はぁ……ああ……」

 まだ射精の余韻に弛緩したままの顔で、少年は大きく息を吐きつつ、メイドに尋ねた。

「ねえ、まだ……いい?」
「もちろんです、若様……」

 跪いていたメイドは立ち上がり、長いスカートを捲り上げて下半身を晒し、下着の端に手を掛ける。
 そして濡れた下着を両肢から抜き取り、スカートの裾を握ったまま主に背を向けた。
 色白の柔尻がこぼれ落ち、臀部から生えた尻尾は少年を誘うように揺らされている。
 眼前に晒された官能的な光景に、少年の肉棒は再び猛々しくそそり立った。

「いくよ……!」
「あっ……若様っ……!」

 メイドは壁に手をつき、その肉感の良い尻を突き出す。
 少年は両手でメイドの腰を掴むと、肉棒を秘裂に押し当てて、中に押し入った。

「あッ……はッ……ん、んんんッ!」

 声を上げそうになったところで、メイドは手を口に当ててそれを防ぐ。
 彼女以外にも館で働くメイドは多くいる。他の誰かに聞かれるわけにはいかないのだ。
 服を脱がず、尻だけ露出しての性交。主と従者の昼間からのセックス。
 その背徳感に、少年の背筋はぞくぞくと震えた。

「んッ……あはッ……わ、若様の大きい……ッ!」

 一度射精したにもかかわらず、少年の肉棒はなおも脈打ち、メイドの膣内を押し広げている。
 それだけで満足できるはずもなく、少年は貪るように腰を振りたくり始めた。

「ああうっ! か、硬い……ッ!」
「くっ……んんんぅ」

 視線を下ろすと、ぬめった肉棒が尻の谷間の先にある秘部に咥えこまれている。
 押すと異物を拒むように締め付け、抜こうとすると未練がましく絡みつく。
 吐精を促す襞が隙間なく肉棒を刺激し、精を搾取しようとする動きに加えて、突く度に上がるメイドの嬌声が更に興奮を高めていく。
 先に達したにも関わらず、再度の絶頂は急速に訪れた。

「も、もう出る! 出る! 出ちゃう!」
「あっああっ! 出してください、若様! 若様の、中に! 中にたくさんくださいっ!」
「出る! ま、また出る! 出――――うっ!」
「んんんんんっ! ああああああああああっ! あああっ、ああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 ブリュ! ブビュルルゥ! ブピュピュゥ! ボプッ! 
 メイドの最奥で、子宮を犯さんとばかりの勢いで、精液が放出されていく。

「んんんっ! はあああ……はあぁ……ぁぁ……」

ドク……ドク……ドク……ドク……。

 全てを出し終えた少年は、メイドの背中にすがるようにして、腰を柔尻にこすりつけている。 
 汗ばんた額に前髪を張り付かせ、荒い息をつくメイドの尻尾は、だらんと力を失い垂れたままだ。

「さ、最高だよ……」
「若様……はぁ……んちゅんうう……」

 深く濃いキスを交わす二人の結合部から、二人の絶頂によって生まれた白濁液が垂れ落ちる。
 それが太腿を伝い地に落ちるまで、二人のキスは長くゆっくりと続いた。

286285:2017/03/15(水) 22:37:54 ID:cNr6yJc60
>>284
はい、こんな感じでした! それじゃ指摘点を挙げていくわね!

まず、全体的にテンが足りなかったり、文が長かったりで、読みづらくなっちゃう箇所が多かったわね。
これは『えっちぃ文章を書こう! そのためには濃密な描写にしないと!』って意識が出るとやりがちなミスなのよね。
いくらえっちぃ文章でも、読みやすい文章であることが大前提。
それぞれのセンテンスを上手く切れるように注意してください。
例えば気になった箇所で言えば、下に挙げた文があるわ。

>キキーモラの特有の羽毛に覆われた手に飛び散った精子をしゃぶり終えると、大きな尻尾をしきりに動かし口を開いた

これとか一読して意味を理解しようと思うと辛くなっちゃうからね。無理せず分けちゃいましょうね。

次に、ラストの体言止めを繰り返した絶頂演出なんだけど……。
ごめんなさい、私はばっさりカットしちゃいました。
これは>>281のリャナンシーちゃんが言うようなリズムの問題ね。
体言止めは繰り返すと文のリズム自体が止まっちゃうのよ。
今回は特に、繰り返しが『擬音・体言止め・擬音・体言止め〜』ってなっちゃってたから、なおさらリズムが止まってあっさりとした印象の文になりがちだったの。
それだったら以外にもカットしちゃってオッケー。
もうちょい濃厚にしたかったら、一文ずつ挟みながらメイドさんの絶頂の叫びでも入れちゃえば良いのよ。えっちぃ文章なんだし。

そうそう……あなた、もしやまだえっちぃ文章を書くのに恥ずかしさが残ってない?
ノゥ! えっちぃ文章を書く秘訣は、描写ももちろんだけど、台詞――あえぎ声にあるのよ!(私的な意見)
私と相棒はプロのゲームライターさんの文章を参考にしてるけど、そりゃもう嬌声がすごいことになってるわよ!
でもでも、それで興奮は誘えちゃうわけ! やっぱり女の人の反応が激しい方が男の人は喜べちゃうのよ!
もっと淫語バリバリ! 露骨なぐらいアヘアへさせちゃってオッケー!
「いぐうううううううううううううううううううううううううううううっ!」とか言わせちゃいましょう!

最後に、これは私とか相棒の好みなんだけど、今回は人物の名前をあえて省略しちゃいました。
なんでかっていうと、小品では登場人物の名前を出すための文章が入るだけで、文全体のテンポが結構削がれちゃうのよね。
省略、シンプルにするっていうのも大事なこと。
あなたはキャラクターを動かすのが上手な分、使い分けができるようになると、更にレベルアップができていくと思います!

さて、大体言いたいところはこんなところかな。
繰り返しになるけど、全体の流れはバッチシ。えっちぃ描写は短い中でも濃い口で良い感じでした。
より読みやすく、より台詞は過激に! それだけでもえっちぃ文章に磨きがかけられると思うから、がんばってください!

やたら上から目線だったり長かったりで、ごめんなさい! 許して!
以上、リャナンシーちゃんからでした!

287名無しさん:2017/03/15(水) 23:09:17 ID:bmAtiWgE0
浮気じゃないですが、他のリャナンシーちゃんの意見もすごく聞きたいです。
>>268 ですけど、ご意見いただけないでしょうか?

こういう日常話を少しずつ書き溜めて、連作していくのを考えています。
よろしくお願いします。

288285:2017/03/16(木) 00:45:36 ID:uRyDsFBM0
>>287
はーい、リャナンシーちゃん頼まれました!
意見というわけで……ずばり! 地の文での説明がちょっと足りてない感があるわね!
多分、主人公である俺くんの一人称で、軽快に文を進めたいからなんだと思うんだけど……あっさり進みすぎちゃうのが問題ね。
文の雰囲気的な“軽さ”と文の中身的な“軽さ”は別の問題。
どちらかといえば今回の作品、中身の方が軽くなっちゃってるかな。

例えば最初の方、地の文だけを抜き出して、ある程度つなげてみちゃうわね。

 緑色の翼が問うた。速さに自信があるのだろう。俺は迷わずハヤブサの剣を装備した。
 ワイバーンが旧魔王時代の貫禄で吼えた。なんでそんなに速さにこだわりがあるのか不思議だ。
 回避確率も上がるけど、微々たるもんだ。ぶつぶつ言う彼女に、三倍なら4回攻撃だっていうのは言わないでおいた。

どう? 淡々と進んでるな、って印象がないかしら。
それにこれだけを抜き出しても、何の話をしてるかいまいちピンと来ないでしょ?
日常系での一人称視点のお話でも、もっと文章を詰め込んじゃって良いはずよ。
例えば私なら、地の文にはこんな風に文章を入れるかな。

 緑色の翼を見せ付けるように広げて、彼女が俺に尋ねてくる。
 ワイバーンとハヤブサ。どちらが疾いかと聞かれれば、100人中の100人がワイバーンと答えるに決まってる。
 何しろワイバーンは原種のドラゴンさえ凌駕するスピードを持っているのだ。ハヤブサとは比較になるはずもない。
 だから俺は迷わずに“ハヤブサの剣”を選んだ。よっし、これで1ターンに2回攻撃ができるようになるぞ。
 隣の彼女がまるで咆哮するように喚き立てる。俺が“ワイバーンの剣”の方を選ばなかったのが、どうにも納得いかないらしい。
 えーい、うるさいぞ。ご近所迷惑どころか、ガラスまで割れそうな勢いじゃないか。
 速さにプライドがあるようだが、これはゲームの話だろうに。
 そして残念ながら、このゲームでの素早さに価値はあんまりない。つまり素早さプラス15は残念な性能なのだ。
 先制攻撃? 回避率にも影響? そんなもの微々たる物。力こそパゥワァなのだよ、パゥワァ。
 ……ぶつぶつと都合の良い乗算計算してやがるぞ、コイツ。
 素早さが5上がって攻撃回数が1回増えるなら、15では3回プラスにしかならんだろ。それでもチート武器過ぎるけど。

ふぅ……どうかしら? これならある程度、何の話か推測もしやすいんじゃないかしら。
読者にはなるべく親切にしてあげないとダメ。
書き手の頭の中を読者は覗けないわ。だからなるべく、私たちは分かる形で自分の考えを表現しないといけない。
それと数を表記するときに、普通の数字と漢数字が混ざって使われちゃってたでしょ?
ああいうのもなるべく統一する必要があるから、気をつけないといけないポイントよ。

話としては、ゲームのワイバーンに嫉妬しちゃうワイバーンちゃんのいじらしさが可愛い一編よね。
ただ、それをどう表現していくかが書き手の腕の見せ所。
心を込めて、いっぱい文を詰め込んであげましょう! 文が多くなりすぎたら、またそのときに減量を考えれば良し!

さて、こんなところかしら。
また次の作品の投稿を待ってるわね! レベルアップ、レベルアップ!
以上、リャナンシーちゃんからでした!

289名無しさん:2017/03/16(木) 17:24:33 ID:QpUMO1hQO
>>287
はい、あまり批評は得意なリャナンシーではありませんが……書かせていただきますね……。

今回の作品のポイントはワイバーンである彼女と主人公との軽妙な掛け合いだと思いました……。
序盤のシリアスな雰囲気で目を奪い、直後の掛け合いで親しみを出すことで物語に没入させる事に成功しています……。

私が話せる事は、テンポについて、でしょうか……。
今回の作品のながれは、
会話文→地の文→会話文→地の文
と繋がります……。
この流れだと、描写が繊細に行える利点があります……。
しかし、欠点として、掛け合いとしてのテンポが、損なわれてしまう欠点も持っていると思います……。
故に、今作のような軽妙な会話であれば、間にナレーション(地の文)を入れずに
会話→会話→会話→地の文→会話
と流す方が掛け合いらしさが出るかもしれません……。
あくまでも、私の意見ですが……。

これからも頑張って良い作品を生み出して下さいませ……。

290287:2017/03/16(木) 18:54:58 ID:2LfBHBU60
>>288
ありがとうございます、リャナンシーちゃん。
とても勉強になります。
地の文の例文が上手くて、これぐらい書ければ台詞なしでもいいかもと思えて感心しきりでした。

数字表記は――恥ずかしいぃ。こんな凡ミスするなんてぇ。とちゃんと校正していなかったのを反省です。

内容の軽さと指摘されて、どこかしっくりしない原因に納得しました。
1000字ちょうどにこだわりすぎて、地の文を削りに削っていたら、削りすぎたのですね。
文字数にこだわるなら、内容のバランスをとって、剣の話だけにするか、ゲームの中のワイバーンだけにするかにすればよかったですね。
詰め込み過ぎの傾向があるのにも気づかされました。これからは、そういった点にも注意して、地の文を丁寧に書くように気を付けます。

的確なアドバイス、ありがとうございました。また迷走し始めたら、よろしくお願いします。


>>289
リャナンシーちゃん、得意でないのに批評ありがとうございます。

軽妙な会話のテンポを優先して、会話文を連続させる。なるほど。
地の文がないと不安になる性質だったので、あまりやった事のなかったですが、そういう書き方も模索してみます。
確かに、それで回せれば、軽快なテンポを出せますね。

新しい書き方のヒントをいただき、ありがとうございます。リャナンシーちゃんたちにいっぱい褒めてもらえるように頑張ります。
また、迷ったらアドバイスをもらいにきますので、よろしくお願いします。

291名無しさん:2017/03/17(金) 01:13:05 ID:8k1hv9hM0

 辛いの?

 苦しいの?

 涙が出るの?

 そうだね……辛いよね。
 自分が心を込めて書いた作品だもんね。
 それが思ったように、評価されなくて。
 何も言われることがなくて。
 だから、どうして良いか分からなくって……辛いよね。
 もっと良い作品にしてあげたかったんだよね。
 それでも、どうしたら良いか。どんなものを書けば良いのか、分からないのね。

 大丈夫だよ。
 悩んでるのなら、悩んでても良いんだよ。
 涙が出るなら、泣いても良いんだよ。

 書くのが怖かったり、嫌になりそうな時があるよね。
 人と比べて、自分はなんて駄目なんだろうって、そう思える時があるよね。

 でも、大丈夫。私は傍にいるんだから。
 どんな時だって、私は傍にいるんだから。
 
 諦めないで、また書こう?
 楽しかった時を思い出して。
 そうやって笑顔で書いて。
 また皆に見てもらって、皆で喜べるように。

 ゆっくりでも良いよ。どんなペースでも良いんだよ。
 私は傍にいるから。
 いつでも、いつまでも、傍にいて、あなたのことを見てる。
 あなたの書く宝物を、私は楽しみにしてる。
 そうやって、あなたの書く宝物を、楽しみに待ってる人もいる。

 ちょっとずつでも良いから。
 また、書こう? 二人で、また。
 どんなことがあっても。
 私たち、二人で。

 創作の妖精は、どんなことがあっても。
 あなたの傍にいるんだから。

292名無しさん:2017/03/18(土) 00:57:33 ID:kK8FGQ1c0
異世界に勇者として召還され、モンスターを助けたら女の子が仲間になる、こういう小説が流行っていたが。
勇者になったからと言って本当にそんなシュチュエーションを経験するとは思わず、その相手がいわゆるファンタジー物の亜人というのも驚いた。

「ケモミミ族生まれの私にこんなに良くして頂いて、勇者様本当に、本当に!ありがとうございます!」

ケモミミ族、稀に獣の特徴を持って生まれる人間はこう呼ばれ、街や村から放り出されて魔物もいる危険な森で生きていかなくてはいけないらしい。
リスのような尻尾と耳がかわいらしい彼女の名前はラタ、人権活動家でどうにかして街に入り込んでケモミミ族の権利を訴えようとしているそうだ。

「私達ケモミミ族はほとんど魔物のように扱われています、私の姉も狩人に弓矢を射かけられたことがあります、それでも私は街の人たちに訴えたいんです、私達はあなた達と同じ人間だと!」
「ケモミミが無い人にも差別を良くないと思っている人はきっといます!それに主神様は平和と平等を愛するとても素敵な神様と聞きます、そんな立派な神様の信徒ならきっと私の話に耳を傾けてくれるはずです!」
「つきましては私はローブで耳と尻尾を隠すので、勇者様のお連れとして街の中に入るのを手伝っていただけないでしょうか?ケモミミ族が安心して暮らせる世界にするためにどうかお力をお貸しください!」

彼女の志は本当に尊いが異なるものを拒むのが人の性だ、彼女の話を聞いて今まで差別してきたケモミミ族と仲良くやろうと考える人間がどれだけいるものか。
それでもここでそれは断ると別れては彼女はもっと危険な方法で街に入ろうとしてしまうかもしれないし、勇者の力なら憲兵が襲い掛かって来ても彼女を担いで街から逃げ出すこともできるだろう、俺は彼女に力を貸すことにした。
そして街は一瞬で魔物娘に制圧された。

「ケモミミ族(笑)けっけっ本当に騙されるとは、いやいやいやぁ、お優しい勇者様本当にありがとうございますね、勇者様のお蔭で街に入って魔法陣で魔物娘軍団を送り込むことが出来ましたよ」
「酷い?嘘つきげっ歯類?まぁまぁ、見てくださいよ馬の下半身に幽霊に無機物、みんな人間様と交尾して子供を作ってるじゃないですか、愛と平和をもたらしてるんですよ」

コイツと違ってね、と主神象の頭をぺちぺち叩きながら小憎らしいニヤニヤとした顔つきで縛られた俺を見下ろすラタ。
彼女にけしかけられた寄生スライムにすらいむきゃりあーにされてぐーっとあたまがわるくなったけどだんなしゃまにたいしぇちゅにしゃれてあたししあわしぇしてましゅうぅぅぅ❤❤❤

293名無しさん:2017/03/18(土) 12:47:11 ID:upFGpew.O
「ほら、昼ご飯。ちゃんと食べなよ」
「ふふ、ありがとね」
「はぁ……」

かたいパンとスープ、水のやや質素な食事を渡しながら、教団の女勇者である私は小さなため息をついた。
原因は一つ、この鉄格子の向こうで微笑む美しい銀髪の魔物--すなわち魔王の娘であり、最強の魔物であるリリムである。
どんな理由かは分からないが街の中を翼を隠しもせずに普通に出歩いているのを私が捕まえたのだ。
最近魔物絡みと思しき行方不明者が多いので、なんとか取り戻す為の人質に出来ないか、と幼なじみの領主と頭を捻っている最中である。
人質交換とか勇者らしくは無いと思うけれど、背に腹は代えられないのだ。

「しかし、貴女も律儀ねえ。こうしてちゃんと三食持ってきてくれるなんて」
「人質に何かあったら、人が返ってこないからよ」
「ふーん。あ、このスープ美味しい」
「誉めても何も出ないわよ」
「良い花嫁さんになれるわね。結婚式には祝辞を贈るわよ」
「全く……」

ニコニコと笑いながらパンをスープに浸す彼女を横目に同じパンをかじる。
基本的にこいつの食事や見張りは私の担当だ。
最初だけ牢番の人が居たのだが最上位のサキュバスである彼女を見ただけで錯乱し、鍵を渡そうとするなどという案件が発生したためだ。
食事を任せたら料理人がパンの中に鍵を仕込む始末。
笑いながら鍵を渡してきた彼女に私は石になったような錯覚を覚える羽目になった。

「で、さ。進展あった?」
「人質交換の話ならそろそろまとまるわ。故郷に家族が居る人優先だけど、返して貰える方向で進んでる」
「そうじゃ無くて。貴女の好きな人の話が聞きたいのよ」

真面目な顔で語る彼女に再び漏れるため息。
この牢屋に居る間彼女からされた話はほとんど恋愛絡みであった。
しかも何故か私の。

「あいつは領主だし、こんな脳筋と付き合ってるヒマないっての」
「さて、どうかしらね。話を聞く限り脈が無いわけじゃないでしょう?」
「脈のあるなしじゃ無いって。そもそも私にドレスとか似合わないし。アンタなら似合うだろうけどさ」
「あら。誉めてくれたの?」
「誉めてない」

食後のコーヒーを渡しつつ、目を逸らす。
コイツが来てからというもの、いつもこの調子。
おかげであいつを意識してばかりだ。

「しかし、アンタはなんでまたこんな事聞くんだ?」
「それは簡単よ。リリムはね、恋する女の子の味方なの」
「わかんない」

294名無しさん:2017/03/18(土) 23:34:22 ID:upFGpew.O
「先輩、はいチーズ」
「チーズ」

お決まりの掛け声とともに、かしゃり、という小気味のいい音をスマホのカメラがたてる。
そのレンズが見下ろすのは、撮り手である僕と、不死の賢人、リッチである先輩。背景として最寄りから電車で二時間の景勝地(曇り)。
すなわち、よくある自撮りというやつである。

「はぁ、上手く撮れませんね」
「そうか?」

出来上がった写真を見ながら溜め息をつく僕に、先輩は訝しげな声を上げる。

「ピンぼけなし、被写体は中心、若干背景が残念な程度にしか見えないが」
「いえ、それはそうなんですけれど。撮りたいものが撮れていなくて」
「撮りたい物?他に被写体になるものなどあるまいし」

首を捻る先輩。
疑問にあわせてか、彼女の魂を封じている経箱がかたりと揺れる。
確かにこの写真は彼女の言うとおりの出来だ。
しかし、そこには僕の撮りたい物は写っていなかった。

「先輩の笑顔ですよ」

僕が指さしたのは、写真の中心部、仏頂面の先輩。
隣の僕の笑顔に比べて、むっつりとしたそれは、嫌々つれてこられた親のような表情に見えた。

「馬鹿か?魂をこちらに移した私が笑える訳が無いだろう」
「それでも、ですよ。策もありましたし」
「策……もしかしてチーズ、と声をかけたことか?」
「あれ、知っていたんですか?」

魂を経箱に移し、表情を失った(代わりに経箱が自己主張する)先輩のために僕が考えた策。
それは、撮るときにチーズ、と言う事だった。

「ああ、発音の都合で歯を見せた笑い顔になるやつだろう?だがな、それは浅知恵、と言う奴だ」
「え、そうなんですか?」
「考えて見ろ。日本語でチーズの『ズ』はウ行の言葉だ。歯を見せた笑い顔にはならんよ」
「言われてみれば……」

うなだれた僕を尻目に、彼女は語る。
きっと、表情があったらドヤ顔に違いない。

「故に、他の国では別の言葉を使うそうだ。終わりがイ行であれば良いだけだからな」
「つまり、日本語だと?」
「ふめ。ザーサイでも良いし、有罪でも良いが……」
「なら、良い言葉がありますよ」

そうして語る彼女を見て、僕は少しばかりの仕返しをしたくなった。
なんとも、意地悪な気持ちである。

「大好き。です。イ行で終わりますよ」
「う。確かに、そうだが……」

僕の言葉に、無表情のままうろたえる彼女。
たたみかけるように、カメラを構える。

その日、歯を見せる先輩の写真が撮れた。

295名無しさん:2017/03/19(日) 11:56:32 ID:ed2FnXOk0
 Humpty Eggs had a great fall,
 Humpty Eggs caught you within call.
 More than anyone in the wonderland
 Madly Humpty is loving with you.

 ハンプティ・エッグが落ちてきた
 ハンプティ・エッグがきみをみた
 もう世界中のどんな人たちよりも
 ハンプティはきみに首ったけなんだ

296名無しさん:2017/03/19(日) 12:08:06 ID:ed2FnXOk0
>>295
ああああ投稿して見直したら色々変な文になっとるううううう
恥ずかしいいいいこっち修正版んんんんんん

 ◇

Humpty Eggs had a great fall,
Humpty Eggs caught you within call.
More than anyone else in Wonderland
You Humpty is madly in love with.

ハンプティ・エッグが落ちてきた
ハンプティ・エッグがきみをみた
もう世界中のどんな人たちよりも
ハンプティはきみに首ったけなんだ

297名無しさん:2017/03/20(月) 09:32:46 ID:HvBNTVUE0
失礼します、初投稿ですが、スケルトンちゃんネタを批評お願いします。







今日、私の後輩は死んだ。

学校帰りに道を歩いている最中の出来事、運転手が居眠り運転をしてふらついていたトラックにはねられて死んだ。

ーー何故このようなことになったのか? 何故私の後輩が死ななければならないのか? それを考え私の心は闇に沈むーー

私は同性ではあったが後輩の笑顔が好きだった、後輩の艶やかな髪が好きだった、後輩の全てが好きだった。
親しい友人もなく、日々を孤独に生きる私が唯一見出した光が後輩、彼のおかげで私は孤独ではなくなり、同時に心も安らいだ。

ーー太陽が沈み、暗くなった街の中、窓の外、遥か下のマンションの前から、何やら硬いものと硬いものがぶつかる音が聞こえていたが、今の私はそれどころではないーー

私が後輩を好きなのと同じく、後輩もまた私のことを好いてくれていた。
出会いのきっかけはなんだったろうか? 図書室で本を借りようとした時に、同じ本に手を伸ばし、一緒に読んだことが始まりか。
あの頃から私は後輩を好きだったし、後輩もまた私を見かければ人目も気にせずに抱きついてくれた。

ーー微かに私のいるマンションの防犯ブザーが反応したが、誤作動だったのか一瞬のちに停止したーー

もう後輩の優しい温もりも、どこ幼く感じる笑顔も、キスした時の陶酔した瞳も、同じ屋根の下で目覚めた喜びも、戻ってはこない。
私は全てを失い、また孤独になってしまうだろう、否違う、むしろ前よりも悪化しているきらいすらある。
一度麻薬を得ればそれが普通となり禁断症状に喘ぐ結果になるのと同じく、私もまた後輩に溺れ、依存していたからだ。

ーーどこかで怪しげな音がする、この音はどこから聞こえてくるのだ?ーー

一度失われた命は二度とは戻ってこない、時間が戻らないのと同じく、私は後輩を忘れて生きていくしかない。
だが私に、後輩を忘れて、あの惨劇がなかったかのように生きていくことが果たして出来るのだろうか?
否、出来ないかもしれない、其れ程までに私の中で後輩は大きく、また大切な存在だったからだ。
私が向かい合う机の上、白いデスクスタンドの隣にはつい数ヶ月前に海に行ったときの写真が飾られている。
写真に写るのは水着姿の私と、女性もののフリル付きビキニを着用した後輩の姿。
何故か女性ものをつけていたのだが、もともと後輩は中性的な外見、問題なく似合っていた。

『先輩は僕が死んだらどうする?』

帰りの電車の中で後輩がそんなことを言っていたのを思い出す。
私は考えたくないと言っていたが、後輩は寂しそうに笑っていた。

『でも僕は先輩が好きだから、姿はなくてもいつもそばにいるよ?』

ーー硬いものがぶつかる音が何度か響く、私の部屋のすぐ近く、隣の部屋の前を誰かが通過したのか? それにしても硬い靴を履いているーー

『姿はなくてもそばにいる』
今の私は後輩を信じて祈ることしか出来ない、いつかこの喪失感に慣れる日がくるのだろうか?
後輩の死と向き合い、私自身の道を歩んでいくことが果たして出来るのか?

ーー私の家のすぐ前で音が止み、インターホンが鳴らされるーー

「っ!」

溜めるように鳴らし、しばらく余韻を感じさせる押し方、こんなことをするのは一人しかいない。
私は机から離れてすぐさま玄関に向かい、チェーンを外して扉を開いた。

「ただいま、先輩」

もう我々は、二度と離れることはない。

298名無しさん:2017/03/20(月) 11:32:00 ID:J3.QOhYE0
>>297
とりあえず初投稿お疲れ様

批評なんだけど、甘口〜辛口のどの辺りなら大丈夫そう?
自分の批評だとハートブレイクしそうな激辛になっちゃったので
辛さに応じて適切な魔物娘ちゃんに批評をお頼み申し上げることにする

299名無しさん:2017/03/20(月) 13:01:07 ID:HvBNTVUE0
>>298

ありがとうございます、お心遣い痛み入ります。
なんだかハートブレイクしちゃいそうなので甘口〜中辛くらいでお願いします。

300名無しさん:2017/03/20(月) 14:16:06 ID:J3.QOhYE0
>>299
まず気になったのは句点! 文の。が足りない文章になっちゃってること!
句点はあくまでも文と文の境に打つものなのに、改行前に打つ印みたいになっちゃってるわね。
例えばこの文とか、

私は同性ではあったが後輩の笑顔が好きだった、後輩の艶やかな髪が好きだった、後輩の全てが好きだった。

私は同性ではあったが後輩の笑顔が好きだった。後輩の艶やかな髪が好きだった。後輩の全てが好きだった。

こう! 句点がおかしい文章はそれだけで読者の印象が極端にマイナスされるので厳重注意しましょう!
それから?の後に文章が続くなら一マス“全角で”空白を入れること。
――(ダッシュ)がーー(長音符)になってるから修正。

――硬いものがぶつかる音が何度か響く。私の部屋のすぐ近く、隣の部屋の前を誰かが通過したのか? それにしても硬い靴を履いている――

こうやって直していくだけでも読みやすい文章に変わるから、今後は気をつけてね。
あと、行頭の空白は知ってるかしら? わざと空けてないなら良いけど、そうじゃないなら>>101とか参考にしてね!
それと漢字変換を多用しちゃってる! 『其れ』とか『否』とかは意図がなければ変換せずにしておきましょう!
自分で手書きにすると考えて、これを漢字で書くことってあんまりないでしょ?
手書きで漢字にするかどうかっていうのは、変換の良い判断基準になるから覚えておきましょう!

では、今度は内容の方に言及を。
スケルトンちゃんのSSということなのだけど……このお話、アルプきゅん向けね。絶対に。
なんでかって言うとね。このお話のメインとなる描写のせいなのよ。
以前から相思相愛の『私』と『後輩』という二人の登場人物に、『私』の回想による『後輩』との幸福な日々――そう、男同士の。

男同士の。
おとこどうしの。
お・と・こ・ど・う・し・の!

『私』の独白が大半を占めてるせいで、お話の主眼がこっちにいっちゃってる〜!
スケルトンちゃんになったっていう描写も少ないから、魔物娘SSってよりもBL短編化しちゃってる〜!
イケナイ! 私を妖しい道に誘い込まないで! 男同士のかけ算をする世界の扉を開かないで〜!

ふぅ……ごめんなさい、取り乱しちゃった。リャナンシーちゃん反省。
個人的にスケルトンちゃんのTSの肝は『元が普通の男でも記憶の混濁のせいで自分が女だったと思い込んじゃう』っていうコメディっぽさだと思うのよ。
だから以前からの恋愛関係を重視した固めの雰囲気のTSなら、それはアルプきゅんの分野かなって感覚なのね。
もちろん上手く料理をすることは可能でしょうけど、この短さのSSだとそれはすごく辛いわ。
関係の深さを描くのとかは問題なくできてるから、今後は内容と登場させる魔物娘との相性にも注意をしてみてください!
きっとぴったり嵌れば、より良いSSになっていくと私は思います!

さて、こんなところかしら。初投稿お疲れ様でした。
また何か聞きたいことがあったら呼んでね。もし辛口希望になったら、知り合いのメドゥーサちゃん連れてくるからね〜。
それでは、以上! リャナンシーちゃんからでした!

301名無しさん:2017/03/20(月) 14:19:04 ID:J3.QOhYE0
>>299
あ、ごめんなさい。私からの挨拶の一文が抜けちゃってたわね。
改めて、甘口〜中辛ということなので、リャナンシーちゃんが担当させていただきました! 参考になったら幸いです!

302名無しさん:2017/03/20(月) 14:50:41 ID:cANCRDhgO
>>297
はい……一応リャナンシーの身ではありますが……あまり、批評は得意でないですが、書かせて頂きますね……。
頑張って、中辛にしてみました……。

今作は、独白による心情の吐露、そして再会に因る喜びが描かれていると思いました……。
死、別れというテーマは感情に訴える事がし易く、上手く扱えば素晴らしい作品が出来ると思います……。生物の命題。ですから。


今作で気になったのは表現のやり方、そして構成です……。
『--』で区切っての実況と回想と言う形にして、臨場感と近づいて来る様子を狙ったのだと思いますが、表現がややあってなかったかも知れません……。

一例ですが……。
私の心は闇に沈む。
確かに、格好な良い言葉です……。
しかし、若干説明が足りていなかったかも知れません……。
一番大切な事はあくまでも読者さんに伝える事、ですから……。

稚拙な例ですが……。
私の心は思い出という名の闇へと沈んでいく。

と、『ここから回想ですよ』と伝えつつ、進行形にして現在の実況をしていく形にしてみるのも、良いかも知れません……。

また、硬い靴を履いていると言うのはあくまでも推測なので、それを意識した形にした方が良いかも知れませんね……。

また、最後の出会った部分で、いきなり彼だと断定するのも、やや難しいです……。
一瞬疑う。私だけが知っているなど描写を挟む。
構成をいじり、伏線を張って置くのも良いでしょう……。

頑張って辛口のように書いてしまいました……。
もし、お気に召さなければ申し訳ないです……。

303名無しさん:2017/03/20(月) 17:43:58 ID:oT2mugHY0
>>300
ここで書く場合行頭スペースはなくてもいいんじゃないか
なくても割と見やすいし、逆に入れちゃうと表示ガタガタして見辛くなるよ

304名無しさん:2017/03/20(月) 17:58:36 ID:cANCRDhgO
とある美しい庭園の一角。
一月に一度ここで。
僕は強大な魔物に挑む。

「さて--分かっておるな?」
「はい。今度こそ貴女に勝たせてもらいます」
「抜かせ。未熟者が」

目の前に座る少女が挑戦者へと艶やかに笑う。
彼女は絶大な魔力を持つ、サバトの長。バフォメット。
種族の中では珍しい漆黒の濡れ羽色の髪と角。老獪な光を宿した金色の瞳。そして、スグリ色のドレスが幼い肢体をつつんでいる。
少女の赤い舌がちろりと楽しそうに唇を舐めていた。

「くく。早く見せるが良い」
「はい」

緊張した面持ちで僕が取り出したのは白い紙製の箱。
開けるとふわり、と甘い香りが周囲に満ちる。

「今回の、新作です」

それは、僕特製、木苺のケーキだった。
真っ赤に染まった、つやのある円筒の形。
隣には白いマカロンが2つ、添えられていた。

「ふむ。真っ赤なケーキか……この艶やかさは、ゼラチンだな?」
「はい。フランボワーズのジュレでコーティングしています」
「成る程、甘酸っぱい春らしい良い香りじゃ」

ニヤリと笑う彼女に見えないように、胸を撫で下ろす。
どうやら、見た目は合格のようだ。
討伐第一関門突破である。

「では、味を見てやろう」

すう、とのばされた彼女のフォークがケーキを切り分ける。
中からのぞくのは茶色のスポンジとムース。
それらを丁寧に載せて、小さな唇に運んでいく。
静かな庭園に彼女が咀嚼する微かな音が響いた。

「ふむ。チョコレートムースとスポンジじゃな。甘酸っぱいフランボワーズに負けない濃い香り……中々じゃ」

論評をしながら、彼女のフォークは進む。

「マカロンも独特の食感が良いのう。柔らかいケーキと良くあっておる」

紅茶で一息つく頃には少女の前のケーキは綺麗に無くなっていた。

「お味はいかがでしたか?」

緊張しながら、彼女の目を見る。
果たして、僕は勝てたかどうかと。

「旨かったが。まだまだじゃな。スポンジの焼き時間が若干甘かったのじゃ」
「駄目でしたか……」
「何、次回も精進すれば良かろう」

ウィンクする少女を前に、がっくりとうなだれる僕。
今回も、討伐失敗のようだ。

「ふふ、そうじゃなあ。良い事を教えてやろう」

そんな僕に、笑いかける彼女。

「儂を倒したければ。今度はウェディングケーキを作るのじゃな」

彼女の白い頬は木苺のように赤くなっていた。

305名無しさん:2017/03/20(月) 20:52:05 ID:8bsJFhYU0
>>297
愛を叫びすぎて喉が痛い新人リャナンシーですっ。今回も微妙な批評をさせてもらいます。
とはいえ、先輩リャナンシーさんたちが、言いたいことはだいたい言ってくれています。これ以上言うと甘口希望なのに辛口になるから、砂糖多めでがんばります。

まずは、初投稿、お疲れ様です。色々と意欲的な作品ね。
先輩君の心情がよく表現はできていると思うわ。最愛の人を失った喪失感がずんずん伝わってくるわ。
元男同士でも、愛さえあれば問題ないわね! 男同士の掛け算なんて、高校の時に習ったわ。

舞台は現代で、日本では火葬が一般的だから、亡くなってすぐにでもスケルトンというのは、ちょっとした盲点をついていて面白いと思うわ。
でも、残念なのは、後輩君が事故死したのが「今日」と書かれていることね。一般的には通夜があって、葬儀があって、火葬だから最短で二日は経過しているはずね。だから、「今日、葬儀があった」とすればよかったかなと思ったわ。
細かいと思うかもしれないけど、こういう細かい部分に気を使えると、読者に違和感を覚えさせないことができるの。そうすれば、作品に没頭してもらえるわ。

あと、意欲的にチャレンジなところは、その心意気やよし! でも、短い作品は一点突破が効果的よ。狙いを絞って書いてみたら、もっとよくなるんじゃないかしら?
一つの作品でいろいろやるよりも、複数の作品でいろいろやる方が楽だし、作品の質を上げやすいと思うの。

……と、こんなところかしら?
甘口は苦手だから言い過ぎてたら、ごめんなさいね。
また、投稿を待ってますね。それでは、新人リャナンシーでしたっ。

306名無しさん:2017/03/20(月) 21:29:38 ID:cANCRDhgO
「おはよう」

病院の一室、毎日僕は彼女に語りかける。
冷たい肌の、ゾンビである少女に。

「おは、よ」

返ってきたのは、ぎこちない、引っかかったような声。
生き返ったばかりの、彼女の表情筋は固く、喋るだけでもかなりの労力を必要とする。
それでもなお、彼女は微笑もうと顔を歪ませてくれた。

「今日は、何をしようか」
「本、よみたい」
「わかった。この中から選んでね」
「うん」

彼女の隣に座って、お気に入りの絵本を広げる。
記憶と一緒に文字を忘れてしまった彼女のために、朗読をするのだ。
それは、幼なじみの女の子が、勇者になった男の子を追いかける話だった。
誰かの幸せの為に頑張りすぎて自らの幸せを忘れた勇者に、女の子は幸せを教えていく。
手をつないで、笑いあって、分かち合う。
そんな、当たり前の幸せを。
しかし、ある日。
女の子は死んでしまう。
勇者を心配させない為に、病気を隠していたから。
そうして勇者は遠くに旅に出るのだ。
女の子に、再び会うために。
最後のページには、手をつなぐ、二人が色鉛筆で描かれていた。

「そうして、二人は結ばれました。魔物であっても関係なんてありません--二人で幸せをかみしめて、生きていくのです」
「うん」

こくりと頷く彼女の前で、パタリと本を閉じる。
風圧で彼女のさらりとした黒髪がなびいた。

「ねえ。わたしは、こんなふうに、なれるかな」

表紙に描かれた女の子を指差す彼女。
その瞳には、確かな憧れがこもっていた。

「大丈夫。君なら大丈夫」

ゆっくりと語りかけながら、彼女の頭をなでる。
心臓のない、彼女の事を。

「あれ?おにいさん、ないてるの?」
「いや、気のせいだよ」

その心臓は、僕の胸の中で鳴っている。
かつて生きていた、彼女から移植したものだ。
心臓の病気で死ぬところだった僕を、その命を投げ捨てて救った。
彼女はそれを、忘れてしまっているけれど。

「もし、君が女の子なら、僕は勇者かい?」
「はは、きっと、なれるよ」

笑おうと、顔を歪ませる少女。
その姿は、絵本の女の子そのものに見えた。

「ありがとう」

僕は、彼女の勇者になれるだろうか。
二人で、幸せになれるだろうか。

いつか、彼女の記憶が戻った時。
幸せだと、言う彼女の姿が見たい。
そう、思えた。

307名無しさん:2017/03/20(月) 22:04:50 ID:J3.QOhYE0
>>306
なんでか同じようなことを考えるなぁって笑っちゃったw

 ◇

『私、死ぬのは怖くないわ』

 彼女は言った。

『それよりも、貴方に忘れられること……貴方を忘れてしまうことの方が怖いの』

 そう、儚い笑顔を浮かべていた。

 その翌日、彼女は病院の屋上から身を投げて、死んだ。

 彼女は不治の病だった。
 病魔が進行するにつれて、記憶がどんどん零れ落ちていく病。
 最後は周囲の何もかもが分からなくなり、脳が壊されて、そして死ぬ。
 段々と記憶の空白が増えていく日々は、彼女にとって耐え難い恐怖だったらしい。
 僕の前ではあどけない笑顔を浮かべていたが、その裏で彼女は酷く怯えていたと、残された日記に書いてあった。

『もし神様がいたら、どうかお願いします。大好きなあの人のことだけは、私から奪っていかないでください』
 
 その記述は、僕が零した涙の粒のせいで、もう読めるものじゃなくなってしまった。
 彼女が選んだ道。それは、僕が彼女から奪われる前に、自ら命を絶つというものだったのだから。

 彼女が死んでから、僕は彼女のことを忘れられなかった。
 常に彼女のことが頭から離れなくなり、彼女の言葉が幻聴のように聞こえるようになった。
 幻聴のように、ではない。幻聴に決まっている。
 それでも、僕は構わなかった。

 彼女は常に僕に語りかけてくる。
 彼女は常に僕の傍にいて、僕との甘い日々を空想し、囁いてくる。
 目を閉じれば僕もその空想の世界で、彼女と幸せな時を過ごすことができる。
 まるで本当に、彼女がそこにいるように、ハッキリと。

 狂ってるに決まっている。だけど、構わない。
 たとえ気が触れようが、彼女が僕の中から消えてしまうことに比べれば、遥かに些細なことだった。

『私のこと、考えてくれてるのね? ふふっ、嬉しいな……』

 ここのところ、抱きしめた感触がこの手に残るぐらいには、彼女の存在が現実味を帯びてきた。
 僕の方の病気も随分と進んでしまっているらしいが、むしろ望むところだ。

 そうだ……彼女はもう、僕を忘れることはない。
 僕も彼女のことが忘れられない。
 忘れられるもんか。
 もう誰にだって、奪わせやしない。
 彼女のことを。彼女の記憶を。彼女との日々を。

『明日は、二人でどんなところに行こっか?』

 願わくば、永遠に彼女が僕の傍にいることを。

 彼女が僕を忘れることのないように。
 僕が彼女を忘れることのないように。
 彼女の望みがこれからも叶えられるように。
 
 そう、僕は願っている。

308名無しさん:2017/03/21(火) 11:07:51 ID:ft03CYcQ0
299です。
お忙しい中、ここまで親身にアドバイスいただきありがとうございました。
これに懲りずにまた書き込ませていただこうかと思います。
またよろしくお願いいたします。

309名無しさん:2017/03/21(火) 11:33:32 ID:amK.WRvw0
>>308
期待して待ってるのでガンバってください

310名無しさん:2017/03/21(火) 21:08:52 ID:.ndtTQ52O
>>307
生と死、そして記憶はアンデッドをかくうえで王道テーマですからね……。
こういうお話は大好きなので、頑張って書いていきたいです。

311名無しさん:2017/03/21(火) 21:13:06 ID:b10JhTio0
 覚束ない足取りで歩き続けて、どれ位の時間が経っただろうか。目の前に広がる景色はどこまでも牧歌的で、人影一つ見当たらなかった。
 
「喉が渇いたし、お腹も……それに、ここはどこで、僕は誰なんだ?」
 
 限界を訴えている身体に鞭を打ち、僕は自分の事を思い出そうとする。けれど、何も思い出すことは出来なくて、ついに力尽きることになってしまった。
 なすすべも無く倒れていると、誰かがこっちに駆け寄ってくるのが見えた。それは、ひどく慌てているホルスタウロスだった。

 * * * *

 なんとも食欲をそそる甘い匂いに釣られ、僕は目を覚ました。怠い身体を起こして辺りを見回す。どうやら民家らしく、僕はベッドに寝かされていたようだ。

「あ、目が覚めたんですね! 良かった……」

 そう言いながら現れたのは、僕が意識を失う間際に見たホルスタウロスだった。コツコツと蹄を鳴らしながらこちらへ来る彼女の手にはお盆があり、そこには湯気が昇るマグカップがある。

「ホットミルクです。お料理よりかはお腹の負担にならないと思いますので、よかったら」

 差し出されるマグカップを受け取って、僕はホットミルクを口に含んだ。やさしい甘さが広がり、飲み込むと身体が内から温まる。気付けば、僕はあっと言う間にホットミルクを飲み干していた。ほっと息を吐くと、疲れが吐息と一緒に出ていく。
 そんな僕を見て、彼女はニコリと笑ったのだった。

「ふふ、それだけ元気なら大丈夫ですね」
「助かりました。本当にありがとうございます」
「困った時はお互い様ですから気にしないでください。それより、どうしてあんな所で倒れていたんですか?」

 話して信じてもらえるかは分からない。でも、嘘をついても仕方ない。そう考えた僕は正直に話すことにした。

「それが僕にも……記憶喪失なのか、ここがどこで自分が誰なのかも分からないんです」
「その、ごめんなさい。無神経なこと聞いちゃって……」

 見てるこっちが申し訳無くなる程に縮こまる彼女を見て、僕はなんとか雰囲気を変えようと話を振った。

「と、ところで君の名前は?」
「あ! 自己紹介がまだでしたね。私はリベラといいます」
「リベラさんですね。僕の名前は……どうしましょうか?」
「そうですね……リベル、というのはどうでしょう? 豊穣の神様のお名前です」
「リベル。素敵な名前ですね」

 僕の試みが功を奏してか、あるいは彼女の気遣いか。なんとか雰囲気は明るい物になった。それからとりとめもない話を二度三度とすると、リベラさんは何かを思い付いたのかポンと手を叩いた。

「リベルさん、よかったら私の農場で働きませんか? 記憶喪失では行く宛ても無いでしょうし」
「ありがたいですが、誰とも知れない人を置いて大丈夫なんですか?」
「大丈夫です! リベルさんが良い人だって私には分かりますから」

 手放しでそう言われ、僕はなぜだか少し恥ずかしくなってしまった。それと同時に、リベラさんの提案を拒むのは不義理に思えた。だから、僕はこの提案に乗ろうと思う。

「じゃあ、これからよろしくお願いします」
「はい、こちらこそよろしくお願いしますね!」 
 こうして、僕とリベラさんとの暮らしが幕を上げたのだった。


感想・批評が有りましたら、是非ともお願いします。

312名無しさん:2017/03/21(火) 21:18:48 ID:b10JhTio0
こう、儚さのあるアンデッドの話は大好きです。
図鑑世界では、死さえも二人を分かつことは出来ない。

313名無しさん:2017/03/21(火) 23:06:33 ID:amK.WRvw0
>>311
また批評書いてたら辛くて長くなっちゃったので、ちょっとご質問を
自分の辛口批評でも平気? 心配ならリャナンシーちゃんに交代して批評してもらうけど
辛口希望だけど自分じゃちょっと……ってことならリャナンシーちゃん伝手でメドゥーサちゃん呼んでもらうからご安心を

それと内容の方だけど、これは連載を意識した作品なのかな?
できればその辺りとか詳しく教えてくれると、より丁寧なアドバイスができそう
手間かけさせちゃってごめんね
良かったらよろしくね

314名無しさん:2017/03/21(火) 23:19:38 ID:b10JhTio0
>>313
わざわざありがとうございます。
辛口でも問題無いです。
作品としては連載は意識してないですね。量を書こうとすると、自分の中でぐだってしまうので……

315名無しさん:2017/03/21(火) 23:21:11 ID:b10JhTio0
あくまで、出会いに焦点を当てた話にしたつもりでもあります。

316名無しさん:2017/03/21(火) 23:33:38 ID:amK.WRvw0
>>315
ありがと。それじゃ遠慮なく自分が書くけど、ハートブレイクしないでねw
今夜中にまとめられなかったら明日に持ち越すかもだけど
ちゃんと責任持って批評はするから安心してください

317名無しさん:2017/03/22(水) 12:08:41 ID:2xyKHKAE0
>>314
お待たせ。それじゃ批評するけど、辛口御免。

端的に言ってしまうと未熟な作品。
問題は何よりもまず長さ。尺が全く足りてないせいで、寸足らずの文章になってる。
出会いに焦点を当てたならそこは印象的で大事なシーンにしたいところだけど、それを短い文字数でサラサラと流しちゃってるわけだから、これはもう完全にアウト。
少なくとも自分は1000字ちょいで『二人が出会い、記憶喪失であると伝え、名前を聞き、名前を付けてもらい、さらには居候が決定する』という場面を書け、と言われても無理。

尺を見誤っているのも、描写力や会話の表現力にまだまだ改善の余地が多いということだと思う。
まず最初の主人公の台詞がこれ。

「喉が渇いたし、お腹も……それに、ここはどこで、僕は誰なんだ?」

ギャグとかで記憶喪失の人間が『ここはどこ? 私は誰?』って言ってるのは見たことがあるはず。
これはつまり、ギャグになるぐらい使い古された表現方法なのだから、安易に『僕は誰なんだ?』なんて言わせるのは絶対にNG。
そんな主人公の心理描写もさっぱりなまま、あっさり倒れてあっさり拾われてしまってる。
最初の台詞からこの急展開なのだから、もうここで慣れた読者は白けてしまう。
その後も同じく、描写も会話もトントン拍子に進みすぎてて何とも言えない。

改善のために、この作品の会話だけ抜き取った文章と、逆に地の文だけにした文章と、この二つを用意して読み直してみるのをお勧めする。
どちらも淡々としていて、非常に読んでいて薄い印象を受けると思う。
イマイチ自分で判断できない場合は、自分の好きな作品で同じことをやってみると、密度の差が一目瞭然になる。
そこから会話・地の文の双方を膨らませる練習。見比べる判断材料さえ作ってしまえば、闇雲に文章を書くよりも遥かに効率が高まる。
繰り返してるうちに各描写に入れる力のバランス感覚が養えてくるから、それを身につけられればかなり上達に近づくはず。

相当辛辣に言ったけど、この辺りは単なる技術の問題だから、気落ちすることは絶対に必要ないことは付け加えておく。
センスがある一部の人間じゃないと、何かを書くというのは本当に難しいこと。
むしろ未熟な作品が生まれるのは当然で、自分もあなたと同じようなところから這い上がってる。
大事なのはちゃんと他人の評価を聞いて、改善点を見つけること。自力で這い上がるのは大変だけど、人の手があれば引き上げて助けてくれる。

また次の作品をお待ちしています。

318名無しさん:2017/03/22(水) 13:30:18 ID:8.l./81Y0
>>317
丁寧な批評、ありがとうございました。
やはり、千文字前後でまとめるには無理がある内容でしたか。参考にさせていただきます。

本当によかったらでいいのですが、>>229の批評もお願いできますか?
以前に投稿した話なので、掘り返すのが望ましくないなら無視していただいて構いません。

319名無しさん:2017/03/22(水) 17:04:12 ID:p/cKF7/c0
>>311
新人リャナンシーですっ。今回も誠心誠意、微妙な批評をさせてもらいます。
辛口希望だけど、劇辛にならないように頑張ります。

ホルスタウロスのリベラさんの優しさが身に沁みますよね。魔物娘の中では包容力では定評ある種族さんですね。あのオッパイは反則と思うときもあるけど……リャナンシーは負けません!

話がそれてしまって、ごめんなさい。
文章は書き慣れている感じがするから、すでに、いくつも作品を書いておられるんだろうなと思います。安定感があって、読みやすかったです。

さて、辛口です。覚悟はいいですか? AEDは用意できましたか?
ただ、先に言っておきますが、これは私の個人的な意見なので、求めているものと違うかもしれません。辛口というのは、そこまで突っ込んだ意見ということで、ご理解してくださるとありがたいです。

では、まずは、インパクト強めの設定に対して、話があっさりしすぎているところね。
そのアンバランス感が肩透かしな感じになって、終わっているのに終わってない消化不良を感じちゃいました。
短編って、書ける分量が少ないから、設定や展開、登場人物を盛り込みすぎると薄くなったり、消化できなかったりするのよね。私の担当作家もバランス取りをよく失敗してるわ。

それと、記憶喪失設定って、よく使われているけど、実はかなり厄介な設定なの。特に一人称小説とは、ある意味、相性最悪と思っているわ。
一人称小説は、主人公越しに物語を見ていることになるの。だから、主人公の知識や経験、思考や嗜好、感情や状態。そういったもののフィルターがかかるの。それが感情移入とか臨場感につながるところが、一人称小説の最大の利点ね。
でも、記憶喪失の主人公だと、経験の記憶がないから、思考や嗜好、感情の裏打ちができないの。
例えば、女嫌いの主人公だとして、その理由が昔、お姉さんにいじめられたからという経験があると主人公に感情込めて独白させれば、読者は納得してくれるわ。
そういうことが記憶がないことでできなくなるの。つまり、主人公のキャラ付けがしにくいということ。
記憶がないという不安や焦りは、大抵の人が理解できるから共感を得やすいという強みはあるわ。けど、そこまでで、その先をどう書くかが勝負になってくると、私は考えているわ。
ということで、長さも必要になるから短編にも向かない設定なのよね。
記憶喪失は、なまじ印象の強い設定だから、ある程度解消しないと読者も納得してくれないところも厄介なところね。

でも、そういうのを挑戦する心意気は、とってもよいと思います。
やってみてわかることってあるものね。ここは無記名だから、思い切った挑戦するにはいいところだものね。

私の担当作家に、この設定で出会いに焦点を合わせた短編にするとしたら? と課題を出してみたわ。思いっきり悩んでたわ。普段、自分の守備範囲だけで作品書いてるから、いい刺激だったみたい。
回答は、ホルスタウロスのリベラさん視点の一人称にする。――でした。
理由は、そうすることで、記憶喪失という強めの設定は和らぐし、彼女が彼を気に入ったことを思いっきり書けば、話の筋が一本通るからだそうです。

ということで、辛口批評でした。なんだか色々と偉そうに好き勝手書いて、ごめんなさい。
個人の一意見として読んでくれると嬉しいです。

それじゃあ、またの投稿をお待ちしてます。

320319:2017/03/22(水) 17:15:58 ID:p/cKF7/c0
 新人リャナンシーちゃんが私の原稿を読んで、問題個所を指摘してくれた。かなり厳しいけど、作品の質を上げてくれる助言だと、私は問題を解決するのに頭をひねっていた。

 カレーの辛口は苦手だけど、リャナンシーちゃんの辛口批評はクセになる。

 ふと、批評で甘口、中辛、辛口というカレーのような段階があるのが気になった。

 気になると筆が進まない。こういう時は、リャナンシーちゃんにお願いだ。

「もう直ったの? じゃあ、読ませて」

 小さな体で大きな文庫本を広げて読んでいたリャナンシーちゃんが、私の呼びかけに顔を上げて、嬉しそうに笑顔になっていた。彼女は一番厳しい読者でもあり、一番のファンでもあってくれている。

 なので、まだだと言うと、かわいらしい顔がお怒りになっております。ごめんなさい。

「何か相談したいことがあるの?」

 私は先程浮かんだ疑問をリャナンシーちゃんにぶつけてみた。新人とはいえ、批評などは彼女の専門だから、答えを知っているかもしれない。

「ずいぶんと難しいことを……うーん……」

 リャナンシーちゃんが困った顔をしていた。

「批評する側でも基準はまちまち。受け手でもまちまち。なんとなくの基準なの」

 確かに、はっきりした線引きは難しいかもしれないけど、そこをなんとか。

「私の個人的な感覚だけど、甘口は知り合い、中辛は友人、辛口は親友に言う程度かな?」

 その線引きは、ちょっとわかりやすい。でも、具体的には何が違うんだろう?

「辛口と中辛以下の差は、ずばり、内容に切り込むかどうかと考えてるの」

 私は首を傾げた。批評はそもそも内容に切り込むものなのじゃないのか?

「うん。そうね……まずは、創作は正解がないの。だから、結局のところは、批評は批評家の好みの問題なのよね。

 掲示板には、私を含めておそらく三人のリャナンシーちゃんがいるけど、それぞれ意見が違っているのは、好みが違うからなの」

 確かに、三者三様で批評するところが違うね。

「甘口や中辛で指摘する部分は、好みによる差が少なくて、表層の問題個所を指摘するの……表現方法だったり、文法テクニックだったり、そういう部分ね。甘口と中辛の差は、その要求レベルね」

 なるほど。それで、辛口で切り込む内容というのは、深層なんだ。

「構成や設定、人物だったり、物語の根幹に関わるところなの。作者の創作意図に関わる部分だし、好みが強く出てしまうところだから、とってもデリケートな部分なの」

 下手すれば、作品全否定になっちゃうね。それは辛口じゃなくて、もはや毒だね。

「表層でも、好みの差が大きい部分に切り込んだり、要求レベルを高くすると、相手にとっては辛口になるの」

 批評って難しいね。

「批評もまた文芸作品と思うもの。いい批評は読んでて面白いのよ。私も早く先輩たちに肩を並べなくちゃ」

 でも、私へのリャナンシーちゃんの指摘って、内容部分に容赦なく切り込んでくるよね? 親友レベルの辛口批評だったんだね。

「え? 違うわよ」

 そ、そんな……私の想いは一方通行だったのか?

「最愛の人レベル、檄辛よ。だから、一生、創作続けてね」

 檄の字は誤字じゃないんだろうな。彼女が私の傍らにいる限り、私の筆と心は折れそうにない。

321名無しさん:2017/03/22(水) 19:16:23 ID:PVBJy.wMO
>>311
はい……あまり批評は得意ではないリャナンシーですが……批評させていただきますね……。

今作は、文章表現、文法について語れる事はありません……時制も完璧で、経験の多さを感じさせました……。

しかし、辛口に批評するならば、幾つかの点で難しいと感じた作品でもあります……。
既に私より優れた方が批評なさっていらっしゃるので私が感じた点について、語らせていただきます……。

このお話は、主人公と、ホルスタウロスが出会う、出会いのお話です……。
出会いというのは、非常に大切で、そのキャラクター同士の関係を、説明するものです……。
そして、出会いを書く、という事はキャラクターのその後が想像出来る物語が好ましくなります……。
少なくとも「俺達の戦いは、これからだ!」と書ける位の掘り下げです……。
しかし、この物語において彼らのその後は想像し難いと思いました……。
理由は、キャラクターが掴めないためです……。
記憶がない設定については語って居る方が居るので省きますが、彼女の描写にも問題があります……。
彼女についてはホルスタウロスの農民である、以上の設定がどこにもありません。特に、見た目に関する情報量は皆無で、髪型や、纏う空気、背の高さなどの情報がありません……。また家の中などの描写が無いため、どんな風に暮らして居るのかも、分かりません。
彼と彼女。どちらの情報も無いので、これからが想像出来なくなっているのです……。

ネレイスさんの話はそのどちらもがしっかりと解決されているため、今回の出来はたまたまだと思います……。
そして、解決法もあなたは持って居るはずです……。
「この作品の続きを書く」。
これだけで描写の薄さも、記憶喪失の設定も、全て解決出来る筈です……。
あなたの実力なら、きっと出来ます……。
無責任な言葉ですが、あなたがここにアップした作品は全て文章表現が適切で、美しい、読みやすいものが出来ていますから……。

すみません。本当に失礼な事を語ってしまいました……。

322名無しさん:2017/03/22(水) 19:44:56 ID:8.l./81Y0
>>319
丁寧な批評、ありがとうございました。
まだまだ自分は三流がいい所だというのが身に染みて分かりました。
参考にさせていただきます。

323名無しさん:2017/03/22(水) 19:52:37 ID:8.l./81Y0
>>321
今回も丁寧な批評、ありがとうございました。
たしかにこの話では内容が薄いですよね。
参考にさせていただきます。

324名無しさん:2017/03/22(水) 20:30:57 ID:2xyKHKAE0
>>318
もちろんOK。>>229の方の批評を。
遡ってこのスレにある過去の作品、及び投稿所の作品(推測)まで洗ってみました。

>>317では描写力に課題と言ったけど、謝罪をいたします。申し訳ありませんでした。
訂正いたします。あなたは一定の書く力を持ってる。
>>229での海に沈む二人の情景とか、そういったところで輝くものをきちんと持っている。
ただ、それが噛み合うものと噛み合わないものがあって、>>311の主題ではそれが出ていなかった印象。
それから今回の>>229の文章も同じく。甘酸っぱい(?)とは言いえて妙で、やっぱり少しズレが生まれてる。
どこが原因かと言えば、表現が硬い。カッチカチ。これはどの作品にも共通して言えること。
だからダークな作品とかにはガッチリ嵌って本当に良い効果がある一方で、それから外れたりすると雰囲気が変になってしまう。

>>229に話を戻すと、主人公の境遇を“匂わせ”られていない。
がっつり『彼女は、何時かいなくなってしまった僕の想い人に似ていて』と書いてしまっている。
どうにも他の作品でも『何が・誰が/どうで・どうした』を並べ立ててしまう癖を持ってるようだけれど、最後の文では『〜言うんだ』と若干柔らかな表現に変わってチグハグ。
こういった文章の雰囲気は意識して使い分けられるようになる必要がある箇所。
一文一文の語尾により注意を向けるように。『〜した』『〜だった』の多用は文章の硬質化を招きやすい。
それと、適度な改行。文同士を開き気味にするだけで、硬い印象をいくらか和らげることも可能になる。
こういったことの改善には雰囲気の柔らかい作品を持ち出してみて、>>317で言った作業で練習をしたりモデルにしたりがてっとり早いかと。

それと習作として一度、同じ内容で文章の硬さ・柔らかさを変えた作品を書いてみるのも良いかもしれない。
多分非常に苦労をするだろうけれど、その分だけ表現の幅は間違いなく広がっていく。
参考までに文章の硬さ・柔らかさを変えた一例を載せておく。



「ねえ、お兄様。私ケーキが食べたいわ」

僕の膝の上でリビングドールの彼女が言った。その瞳は紫に妖しく光を放っていて、僕はそれに惹き込まれてしまう。
彼女が僕に何かを求めるのはこれが初めてではなかった。
ある時は洋服が欲しいと笑った。ある時は美味い飲み物が欲しいと僕を買いに行かせた。また別のある時は綺麗な星が見たいと僕を連れ出した。
私を僕はその誘惑を断れず、幾度もその要求を飲み込んできた。僕は断れなかった。
拒否のための言葉が口をついて出る前に、首が勝手に肯いているのだ。まるで僕の方が人形になっているようだった。

「ねえ、お兄様……私、イチゴのケーキが食べたいなぁ」

そう言ったのは、僕の膝の上のお人形さん。
リビングドールの彼女は、上目づかいでじぃっと、僕のことを見上げてきている。
紫をしたキレイな瞳は、惹きこまれそうなぐらい、妖しくピカピカだ。

この子はいつもこう。
やれお洋服がほしいとか、やれバナナミルクが飲みたくなったとか、やれお星さまが見たいとか、おねだりばっかり。
もちろん僕は心を鬼にして、それを断わ……ろうと、努力してるんだけど。
でもどうしてか、だらしないニヤケ顔でこの子を抱っこして、全部のおねだりを聞いてしまってる。
ホント、どっちがお人形さんか、分かったものじゃない。



最後に繰り返すが、あなたは一定の力はある。
お世辞抜きで気に入った作品もあるので、そこは自信を持って良い。
三流とは無視されるだけの存在。二流は褒められる。そして一流は、けなされる。
あなたは今一流への階段を昇っている最中だと思ってもらいたい。

個人的にあなたのダークな作品が好きだけれど、今度はどうせなら練習として、『わたあめ級のふわふわ♪』ってした作品をリクエストしておきます。
以上です。長々とすみませんでした。

325名無しさん:2017/03/22(水) 20:54:10 ID:dEO9imqc0
投稿した作品中に出てくる予定であった一文。
魔物娘の設定からそれているのでお蔵入り、でも日の目を日の目をあてたかった。
内容もなにも途中の文に少し加筆しただけどリャナンシーちゅんよろしく
お願いします。



  俺の名前はジジ。この辺りを取り仕切る漁師の一員だ。
  ワーウルフのエッジと付き合っている。今まさに恋人とのエッチ真っ最中だ。

「あっあっ! 今日は凄いね! ジジ!」
  
  そのエッジの格好は尻をむき出しにした格好で荒い息を吐いている。
  話し合っていた時に意識していたのか、下着の股間の部分が濡れていた。

「あはっ! ジジのが中で大きく……そんなにボクの尻が好きなの?」
  
  ベッドに手をつき、ジジがニヒヒッと含んだ笑みを浮かべる。
  その笑みは快楽に必死で耐えている表情の裏返しであった。

「はぁはあ!……そ、そうだよ……おおお」
  
  俺はズンッとエッジの最奥まで届くように大きく腰を突き出す。

「はにゃあああ! そこ突いて! お尻もっとパンパンして!」
  
  エッジの腰を両手で掴んで、チンポ突っ込みながら俺は密かに胸中で呟いた。

(エッジの尻は確かに好きだ。ほど良く盛り上がって引き締まってるけど

柔らかくてフニフニして……ずっと頬擦りしていたい……

でもリュリュさんはむっちりとした逆さハートお尻で……スカート捲れた時にティーバックだったし、

リーチェルのプリっとしたロリ尻も柔らかいパン生地みたいだろうな)
  
  リュリュ、正式にはリュシエンヌ、エッジの姉でリーチェルは妹。
  
  宿屋『ボナパルト』のワーウルフの三姉妹だ。
  
  水揚げした魚を仕入れたりする関係で女将さんから夕食に招かれたりする。

(……もし俺が三つに分身して……三人とエッチしたら……)



「リュリュさんのはすっげぇ肉厚でエロすぎ! ふわふわヒダが柔らかくてぇ! 全体的に包み込まれてるみたいだ! しかも入り具手で締め付けてきてる」

「ジジ君……あッ! 大きい! 私を孕ませる気なのォ? ちょうど危険日だし。
やだぁ、私のお腹でビュウウって出ちゃってる……あったかいのね精液って」



「リーチュエルのはキツくて狭いけど、ザラザラしている中に時々ツブがある。 それがプリュブリュ締め上げてくるぜ!」

「ジジ兄ちゃん! ダメぇぇ! 私、生理きてるの! 妊娠しちゃうよ!
ああッ痛い! 痛いけど気持ちいい! 痛気持ちいいよ!」



「エッジのは俺にぴったりフィットする! 隙間がなくて適度に締まる!
プリプリなじみすぎて俺専用って感じだ!」

「エッジのばかあああ! 姉妹丼なんてサイテーだよ! でもイちゃううう!」


(……なんてことになったら、俺、たぶん死ぬんだろうな)

  俺はそんな妄想しながらエッジの中にぶちまけた。

326名無しさん:2017/03/22(水) 21:04:28 ID:XutFmKew0
>>324
以前に投稿した話も批評していただき、本当にありがとうございました。
件の話は表現が上手く出来ていなかったのも事実ですので、謝る必要はまったくありません。むしろ、とても参考になる批評をいただき感謝しています。

たしかに文体が内容を問わず硬いですね。
これは是非とも改善したい点かと思いました。
二度の批評、ありがとうございました。

327名無しさん:2017/03/22(水) 21:41:35 ID:2xyKHKAE0
>>325
リャナンシーちゃん登場!
そして厳しく一言! 自分でも言っている通り、このSSはまだ内容に言及できるほどの文章量はないわ!
なので急いで中身を膨らませて三姉妹丼の作品を書いて投稿所に載せてきなさい!
設定? ワーウルフの三姉妹丼なんて何がいけないのか私には分かんないわよ!
さあ、そうと分かれば急いで執筆! ワクテカしてる相棒その他紳士諸君のために!
あ、淫語撒き散らしはオッケーだけど、まだまだ派手にしてオッケーだから!
それと地の文ではガッツリえっちぃ描写を詰め込むようにしてね!

以上、リャナンシーちゃんからでした!

328名無しさん:2017/03/22(水) 22:43:19 ID:dEO9imqc0
リャナンシーちゃん>>

すみません。これはすでに投稿している作品の抜け落ち文です。
一人につき一人の魔物娘と当時に書いた作品なので
自分の中で姉妹丼はダメじゃね?と没になっていたように思います。

329名無しさん:2017/03/23(木) 02:34:28 ID:Vvs8jRSk0
>>311
少し遅くなりますが、目に付いたので批評をさせて頂きます。ドのつく新米リャナンシーです。新参の身で、人様の文章を評することをお許しください。
また、不慣れ故かなり長文になってしまいましたので、レスを分けて投稿させていただきます。何かしら通例を破るようなことはないと確認済みですが、掲示板の方は普段利用しませんので、間違い等あったらすみません。
まず、後のレスで触れられているネレイスの方の作品も拝読しました。こちらは大変美しい文章で、引き込まれるような魅力があります。シーンを描く技量は素晴らしいものがあると思います。
で、問題の>>311の方ですが、他の方も触れられている通り、①物語の構造、②キャラクターの造形、双方に問題があるように思います。これらはネレイスの方には無い要素、つまり貴方の弱点である可能性があります。まずはこの二点について、情報を整理しましょう。

①物語の構造
こちらの作品の本筋は以下のように要約されます。
1)主人公が行き倒れる。
2)ヒロインに保護される。
3)二人は一緒に住むことになる。
流れとしては別におかしくないですね。舞台は『牧草地?』。目指している雰囲気は『牧歌的、穏やか且つ緩やかな時間、優しい世界』といったところでしょうか。これも違和感ないです。

②キャラクターの造形
作中では説明不足で読み取れない個所も多いです。故に、展開上必要となる要素を上げていきます。括弧の中身がなぜそれが必要かです。
1)主人公
 ・記憶喪失である(ヒロインに保護される理由になるため)
 ・純粋かつ誠実(作品の雰囲気を『優しい世界』とするために必要)
2)ヒロイン
 ・優しく献身的(主人公の保護、そして『優しい世界』実現の為に必要)
 ・ホルスタウロスである(魔物娘SSであるため。ある意味本題)
こんなところでしょうか。意外と少ないですね。でも、1000文字かそこらで表現するなら妥当な情報量だと、個人的には感じます。ただ、ヒロインが主人公を保護する理由に補強が欲しいところではありますが。

作品を書く際は、以上の要素をなるべく簡潔に、かつ面白くストレスフリーに読者に伝えることを目指すことになります。

で、ようやく本題の批評です。
まず最初に冒頭のシーン。ここは舞台が広大な牧草地であり、主人公が記憶喪失であることを伝えるシーンです。最後に主人公が倒れるシーンが必要ですが、それ以上の役割はありません。
このシーン、主人公の意識が明瞭すぎる気がします。また、一人称である時点で語り部も主人公になるので、地の分ももっと曖昧にした方がよいでしょう。具体的には『空と芝生の境目を永遠に歩いていく。頭に靄がかかったようだ。ここはどこだ? 何で歩いてるんだっけ? ん、何の音だ? あ、自分の腹の音か。ああ、空腹を自覚したら急に……』みたいな感じでしょうか。
また、倒れる程に弱った人間が駆け寄ってくる人影の種族まで分かるのもおかしな話です。『気を失う瞬間に何者かが駆け寄ってきた気配を感じた』ぐらいにしておけば、事の深刻さに加え「その正体とは!?」という謎を読者に投げかけることも出来ます。できるだけ短い文章で、合理的な情報のやりくりを心がけましょう。

続いて、目を覚ますシーンです。匂いで目を覚ます、というのはよくある表現ですが、普通人間は睡眠中に匂いを感じません。細かいところですが、『暗闇の中、甘い匂いを感じて瞼を開ける』とかにすると違和感がないです。また、いきなりホルスタウロスが現れるのもちょっと惜しい展開です。状況は有効活用し、登場人物の性格や属性、種族を現すイベントを挟みましょう。
(続く)

330名無しさん:2017/03/23(木) 02:35:06 ID:Vvs8jRSk0
(続き)
例えばこのシーンなら、目を覚ましたらベッドに突っ伏すようにしてホルスタウロスが寝ている……とかどうでしょうか。介抱中に自分もうっかり寝てしまうことで、穏やかで優しい気性であることを現すことができるかと思います。また、主人公がヒロインの種族を認識する機会としても使えます。『瞼を開けると、ベッドに横になっていた。身を起こせば、ベッドに突っ伏して寝息を立てている女性がいる。彼女が介抱してくれたらしい。妙齢の女性だ。短くまとめた艶髪に、短い角』ここで『短い角……ホルスタウロスだ』にするか『短い角……角!?』にするかで主人公の魔物に対するスタンスも表現できるでしょう。主人公が魔物に対してどういう感情を持っているか、というのは二人の関係がどういう状態からスタートするかを表す重要なファクターです。余程無理でない限り、入れた方がよいでしょう。
他にも、目を覚ますと枕元にホットミルクが置いてあり、それを一口飲む。すると気配を察したホルスタウロスが様子を見に来る、というのもいいですね。図鑑説明文を読むと、ホルスタウロスの乳には精力増強の効果があるそうです。布団を押し上げる主人公のアレを見て、ホルスタウロスが顔を赤らめる……などの展開を挟めば、前の例とは逆にホルスタウロスが主人公にどのような感情を持っているか(この場合は憎からず思っている)を描写できます。また、この描写があればホルスタウロスが主人公を同居に誘うシーンが大変スムーズになりますね。ホルスタウロスには、主人公の精が欲しいという動機があることになります。

次は、ヒロインが主人公の記憶喪失を認識するシーン以降です。ここ、あまりに展開が急かつ唐突すぎます。「僕記憶喪失なんです」「ごめんなさい」「君の名前は?」「リベラです」「僕の名前つけて」「リベルでどう?」「素敵な名前だね!」流石にあんまりでしょう。初めて会った相手に「名前思い出せないんですがどうしましょうか?」と聞く主人公もそうですが、倒れているところを助けておきながら記憶喪失という一大事を問題視するでもなく受け入れているように見えるヒロインに違和感があります。「私はリベラです。あなたは?」「僕は……えーと、あれ、おかしいな……?」「もしかして、記憶喪失!? 大変! 物忘れにはミョウガがいいんだったかしら……」「だ、大丈夫ですよ、気にしなくて! 忘れるくらいなんですから、大した記憶でもないんでしょう!」「ホ、ホントにいいんですか……? じゃあ、せめて記憶が戻るまでは同居で!」ぐらいの会話があると、主人公の身を案じ問題を解決しようとする心優しいヒロイン、大らかで他人に心配をかけまいとする主人公、という二人の性質を端的に表せるのではないでしょうか。

総評としては、
①読者に伝えるべきことが伝わり切っていない、または分かり辛い。
②意味のない展開や、意味の薄い展開が多い。もっとシーンの有効活用を。
③展開、表現の合理性に欠ける箇所が多い。どう展開していきたいかも大事だが、この展開なら登場人物はどうするか、を意識するとよい。
といったところでしょうか。
結局、文章というのは読み手に状況を伝えるのが最終目的です。伝え方には様々な方法がありますので、いくつか文章を考え、その中で一番良い文章を選ぶようにすると、合理性と表現力を兼ね備えた文章を作りやすいです(個人的には)。1レスでも10万字でも、「他人の書いた文章を読む」という行為は労力を使う行為です。読者がより少ない労力で、より楽しい思いをできるコストパフォーマンスの良い小説を目指すとよいでしょう。

ネレイスの例からいって、貴方はひとつのシーンを美しく描く表現には大変優れているように感じます。それらを無理なく繋げ、登場人物達に一貫性のある人格を与える技術を身に着ければ、投稿所でも指折りの人気作家になれる可能性はかなり高いと思います。
改めて、上から目線の批評大変失礼いたしました。今後のご活躍を楽しみにしております。

331名無しさん:2017/03/23(木) 13:26:43 ID:vgSmGxnM0
最近書くものがドン詰まりの三流物書き状態なため、皆様に批評をお頼み申し上げます。
情景描写のための習作だったのですが、肝心の桜が上手く描けずな出来になってしまいました。
また、自分では読みやすい文章を書こうとしているつもりですが、読者視点だとどうなのか自信が持てません。
うちのリャナンシーちゃんに聞いても「別に平気じゃないの?」と横になってお煎餅を齧っています。
その他どんなご指摘でも構わないので、どうか辛口で評価をよろしくお願いいたします。



「うー?」
「あはは。待ってて、もうすぐ着くからさ」
「うー」

 彼女は小首を傾げたまま、ちょっと頼りない足取りで、僕に手を引かれている。
 ゾンビである彼女との散歩も慣れたものだけど、これから連れて行くのはとっておき中のとっておきだった。
 彼女に喜んでもらいたくて、何度も探して歩いて。そして見つけた、特別な場所。
 ほんの少しだけ逸る気持ちを抑えて、春のうららかな青空の下を二人で歩いていく。
 この道の角を曲がれば、もう見えてくるはずだ。

「どう、キレイでしょ?」

 風が優しく吹き込むと、僕らの前でふっと、ピンク色の花びらが踊った。
 目の前に現れたのは、鮮やかに咲き乱れる桜の木々。
 陽光にきらめく小川にそって立つ桜は、枝の先という先までいっぱいに花をつけて、僕らを迎えてくれていた。

「うー……!」

 彼女の瞳が輝いた。
 目を大きく見開いて、生き生きと。
 まるで彼女が、自分がゾンビだって忘れてしまったみたいに。

「うー! うー!」

 どんどん、どんどん、彼女が足早になっていく。
 苦笑する僕を追い抜いて、今度は急かすみたいに、彼女が僕の手を引く番に変わる。
 そして僕の手をはなして、駆け足になって。

「うー!」

 彼女が淡い彩りのドームに飛び込んだ。

 木の下に立って、口をぽかんと開けて、満開の花々を見上げたり。
 次は根元をぐるぐる回ってみて、見えてくる光景の違いに目を丸くしたり。
 それから川辺の方に向かって、さらさらと流れていく桜の花びらを一生懸命おっかけてみたり。
 結局それには追いつけず、しょんぼりとした顔で花びらを見送っていったり。
 だけど今度は頬をほころばせて、桜の花びらを一枚一枚、丁寧に拾い上げていったり。

 彼女は本当に無邪気に、心の底から桜を楽しんでくれているようだった。

「うー、うー」
「ん? どうしたの?」

 そんな様子を微笑ましく見守っていると、彼女が嬉しそうにこっちに寄ってきた。
 その手の中には、彼女が集めてきたらしい、小さな花びらの山。

「……くれるの?」
「うー!」

 すっと差し出される、彼女からの薄桃色をしたプレゼント。
 出会った頃から何一つ変わらない、彼女の優しさ。
 ずっとずっと大好きな……彼女の笑顔。

 それに対して、僕は――

「――ッ!」
「うー?」

 込み上げてくる愛おしさに耐えられず、彼女の身体を抱きしめていた。
 彼女の手にあった花びらが、ぶわっと宙に放り出される。
 それがひらひら、ひらひらと、僕らのことを祝福するように舞い散っていった。

「せっかくのプレゼント……台無しにして、ごめん」
「うぅーうぅー」

 いいよ、と言ってくれているらしい。彼女も僕をぎゅっと抱きしめ返してくれる。
 いじらしい返事にまたこみ上げるものを感じて、ますますきつく彼女の身体を抱きしめる。

「大好きだよ。今までも、これからも、ずっと……」
「うー……」

 満開の桜の下で、僕に伝わってくる彼女の感触は。
 いつもよりほんの少し温かいと、そんな気がした。


………………
…………
……


「うー、うー」
「あ、お団子食べたいの? わ、分かったから、ほらっ。よだれ垂れてるってっ」
「うー♪」

332名無しさん:2017/03/23(木) 13:38:58 ID:cqQi0VRg0
>>330
丁寧な批評、ありがとうございました。
まだまだ改善点は多いですね。
参考にさせていただきます。

333名無しさん:2017/03/23(木) 18:59:23 ID:muvHP7VE0
>>331
新人リャナンシーですっ。おせんべいがおいしそうと思いつつ、今日も役に立つか微妙な批評をしちゃいます。

ゾンビちゃんが天真爛漫で、主人公君が愛おしく思う想いがとても素敵にでているわね。

今回は情景描写と読みやすい文章ということで、そこに焦点を当てて見てみますね。

今回の作品で、最初は風景描写がなくて、目的地の桜並木で風景描写がほぼ最初にされているわ。これだと、読者は白紙の背景から桜の背景を想像することになるの。
でも、桜の背景をドラマチックにするのなら、平凡な風景から場面変換する演出があった方が読者のテンションも上がると思うの。

それと、書き出しを台詞にするのは、読者をつかむ定番の方法だけど、そればかりに頼るのは表現の幅が狭くなっちゃうわ。
大丈夫! よっぽどじゃなければ、5行ぐらいは読んでくれるわ。そこまでで勝負よ。
だから、今回の場合は、最初に少し情景と状況を書いちゃう方が、あとの桜が効いてくるわ。

読みやすさは、今のままでも十分あると思うわ。この先は好みによるところが大きいのよね。
それでも、あえて言うなら、間の取り方を少し考えてみた方がいいと思ったわ。
例えば、桜並木が最初に見えるシーン。情景よりも先に台詞が来ているでしょ? あれを逆にするの。

 この道の角を曲がれば、もう見えてくるはずだ。
 風が優しく吹き込むと、僕らの前でふっと、ピンク色の花びらが踊った。
「どう、キレイでしょ?」
 目の前に現れたのは、鮮やかに咲き乱れる桜の木々。

文章をいじらずに入れ替えただけだから、ちょっと文のつながりが悪いけど、入れ替えると印象が変わるでしょ?
映画やドラマ、漫画なんかでもよくつかわれているけど、絶景に入る前に、それを想像する一拍を置くと風景がより広がるわ。

あと、私の好みなんだけど、体言止めが多いと、なんだか流れに乗れないの。
他のところでも言ったけど、体言止めはリズムのインパクトだから、印象が逆に薄くなっちゃうの。映像で言うと、画面がぱぱぱっと変わる感じね。全体としてのイメージはなんとなく残るけど、輪郭はぼやけた感じだから多用はしない方がいいわ。
個人的な見解だけど、情景が浮かぶ作家さんの文章では、体言止めが少ない気がするのよね。

と、こんなところね。参考になると嬉しいな。
え? 今回は具体例が少ない?
今回の情景描写とか読みやすさとかだと、総合的で長くなっちゃうから。もし、要望があれば、添削を載せるわ。例のごとく、かなりいじってるけど……。

それじゃあ、またの投稿をリャナンシーは待ってます。

334名無しさん:2017/03/23(木) 19:20:02 ID:vgSmGxnM0
>>333
ご批評どうもありがとうございます。

桜を描こうとばかり思っていたためか、他の風景描写は盲点でした。
何も思いつかなかったのは完全に自分の力量不足ですね……。
それと桜が飛び込んでくるまでのタメも、できていない箇所でした。反省点が多いです。
体言止めも自分の好みで多用するのですが、これももう少し注意を払うようにしてみます。

ご丁寧な批評をありがとうございました。
よろしければ添削の方も参考にしたいので、ぜひお願いいたします。
あ、よろしければこちらもどうぞ。( ゚Д゚)つおせんべい

335333:2017/03/23(木) 22:18:40 ID:muvHP7VE0
おせんべい、ありがとう。お茶におせんべい。和の心よね。
じゃあ、おせんべいももらったし、さっくりと添削よ。
でも、思いのほか長くなったので、解説含んで2レスにするね。



 春のうららかな日差しを浴びて、僕たちは手をつないで散歩に出かけた。

 ゾンビになって日の浅い彼女の足取りは、少しばかりおぼつかないけど、そこは彼氏である僕がきっちりとエスコートすれば問題ない。彼女との散歩も、もう慣れたものである。

 閑静な住宅街を手をつないで歩く僕たちは、他人からどう見えるだろう。兄弟? 恋人? いいや、きっと若夫婦だ。フランスパンの飛び出た買い物袋を抱えてなくても。

「うー?」

 ちょっと不安そうに彼女が僕に問いかけてきた。

 今日はいつもよりも、少しばかり遠くまで散歩に来ているから心配なようだ。

「うん。大丈夫。もうすぐ着くからね」
「うー」

 僕は彼女の不安を吹き飛ばすほどの笑顔で答えた。彼女も僕の笑顔に安心したのか、笑顔を返してくれた。

 今日の散歩は少しばかり特別なのだ。

 ここのところ僕は、彼女を喜ばせたくて、色々と歩き回ってとっておきの場所を探していた。そうして、ようやく見つけた。二人の思い出にできる、とっておきの場所を。

 僕は早く彼女をその場所に連れていきたい。彼女にあの風景を見せてあげたい。そんな逸る気持ちで足早になりそうになるのを、今もこらえるのに必死だ。

 もうすぐ。――彼女はどんな顔をするだろう?

 この土手を登れば。――彼女は喜んでくれるかな?

 土手を登り切り、視界が開けると、僕たちの脇を風が優しく通り抜けた。そして、その風の残り香のように、ピンク色の花びらがふわりと僕たちの前で踊った。

「どう、キレイでしょ?」

 土手の下には小川が流れていて、その狭い河川敷にはピンク色の綿菓子のように、満開の桜の花が咲き誇っていた。

 小川が春の陽光を反射して、銀の鎖のようで、ピンクの飾りが連なったネックレスみたいだった。

 この景色を、僕は彼女に見せたかった。そして、桜並木の河川敷を一緒に歩きたかった。僕たちの特別な場所として。

「うー……!」

 彼女の春霞のような瞳が一気に輝いたように見えた。

 眼球が落ちそうなほど大きく目を見開いて、まるで彼女がゾンビだってことを忘れてしまうほど、生き生きとした表情をしていた。

 僕はその顔が見れただけで、世界中のすべてを許せるほど嬉しかった。

「うー! うー!」

 彼女は土手を下る道へと僕を急かした。

 さっきまで、僕が我慢していたのが何だったのかと思うほど、どんどん、どんどん、彼女は足早になっていった。

「そんなに急いじゃ、危ないよ」

 土手を下り終わるころには、もう彼女が僕の手を引いていた。そして、僕の手を離して、桜並木のもとへと駆け出した。

「おいおい。人の彼女をとるなよ」

 僕はちょっとばかり、桜並木に嫉妬してしまう。

「うー!」

 彼女は桜の木々とダンスを踊った。

 木の下に立って、口をぽかんと開けて、満開の花々を見上げていたかと思うと、根元をぐるぐる回って、桜の枝ぶりが作る自然の万華鏡に目を丸くしたりしていた。
 小川に落ちて、さらさらと流れていく桜の花びらを一生懸命に追いかけて、追いつけずに、しょんぼりとした顔で花びらを見送って手を振っていたりしていた。

 彼女は、本当に無邪気に、心の底からこの場所を楽しんでくれているようだった。
 今は、頬をほころばせて、地面に落ちた桜の花びらを一枚一枚、丁寧に拾い上げていた。

 お土産にするのかな?

 帰ったら、針と糸で花びらを連ねて、桜のネックレスを作ってあげよう。

 そんなことを思いながら、僕は微笑ましく彼女を見守っていると、嬉しそうに、少し慎重な足取りで僕の方へと戻ってきた。

336333:2017/03/23(木) 22:24:14 ID:muvHP7VE0
(335続き)
「おかえり」

 僕が笑顔で彼女を出迎えると、彼女は無邪気な笑顔で、何かを包むように合わせている手を胸の辺りまで持ち上げた。

「うー」

 ゆっくりと包んでいる手を開くと、そこも満開の桜があった。彼女がさっきから集めていた、綺麗な桜の花びらたちが、彼女の手の中でもう一度、花を咲かせていた。

「うー!」

 その手を僕の方へと差し出した。

「もしかして、くれるの?」
「うー!」

 僕の問いに彼女は満開の笑顔で応えた。

 一度散った桜が、もう一度咲いた。

 ああ、そうか……そこまで、僕は思いつきもしていなかった。この場所を彼女が喜んだのは、何度散っても、春になれば、また花を咲かせる桜に自分と重ねてだったんだ。

 そして、散った桜をもう一度咲かせる彼女の優しさは、出会ったときから何も変わらない。

 ずっとずっと大好きな、とてもとても大切な、彼女の笑顔は、生きている僕よりも何よりも一番輝いていて、かけがえのないものだ。

「――ッ!」
「うー?」

 僕はこみ上げてくる彼女への愛おしさがあふれ出し、彼女の身体を抱きしめていた。

 彼女の手にあった桜が二度目の散華をして宙に舞った。だけど、それらは、春の風に乗り、僕らを祝福するように周囲を舞い踊った。

「ごめん。せっかくのプレゼントを台無しにして」
「うぅーうぅー」

 いいよ、と言ってくれている。そんな彼女の優しさに胸が熱くなる。だめだ。幸せすぎて泣きそうだ。

 彼女はそんな僕の気持ちを感じ取ったのか、ぎゅっと抱きしめ返してくれた。優しく、言葉ではなく、身体で気持ちを伝えてくれた。

「大好きだよ。今までも。これからも。ずっと」
「うー」

 満開の桜の下、僕に伝わってくる彼女の体温が、春の木漏れ日のように、ほんのりと少しだけ暖かく感じた。

………………
…………
……

「うー、うー」
「あ、お団子食べたいの? わ、分かったから、ほらっ。よだれ垂れてるってっ」
「うー♪」


参考になれば幸いだけど、どうかな?

まず、「閑静な住宅街」という風景。本当はダメな描写だけど、この後に出てこないから、これで十分なの。読者がどんな閑静な住宅街を思い浮かべても、さして支障はないからね。
続いて、「若夫婦」これで主人公たちが若い男女と想像できるわ。さらにいうと、手を繋ぐとかで、チャー○ーグリーンのCMを連想した読者は、閑静な住宅街の情景補強になるという裏技よ。共感覚というのかしら? 読者に勝手にイメージさせる言葉を使う方法ね。
視線を遮るものを角から土手にしたのは、川だから、そちらの方が自然なのと、土手を越えてという方が時間をかけれるから、文章に溜めを作れて、期待感を持たせれるでしょ。
難点は、土手と書いた段階で川岸の桜を予測されちゃうことね。
桜の遠景を見て彼女が感激して足早になるところは、遠景を遠景らしく描写して、その場所移動を描写することで距離感を出して、近景に入るようにしているの。土手を下るというのは、理解しやすい場所移動でしょう?
あとは、桜とゾンビの共通項を探して、「散ってなお美しい」というのを見つけて、そこを攻めて演出したの。

調子に乗って1レスに収まらなかったのは失敗だったけど、こんな風に情景を描写していくと流れに乗って、自然に読者にイメージを伝えられると思うわ。

337名無しさん:2017/03/23(木) 22:39:55 ID:vgSmGxnM0
>>336
添削までいただいて、本当にありがとうございます。
住宅街から土手を越えて、桜が登場する。非常に良いタメの演出ですね。
それから、彼女が桜を集めてくる場面……なーんでここをもっと大事にしなかったと、悔やんでるところです。
ちょっとこの添削を参考に、もう一度文章を改稿してみたいと思います。
とても参考になりました。重ね重ね、ありがとうございました。

338名無しさん:2017/03/24(金) 20:32:17 ID:ANS9ikdQ0
批評は経験だけでなくセンスも必要なんですね。
難しい。

339名無しさん:2017/03/25(土) 23:52:23 ID:2HFRL5Dc0
わたあめへの挑戦。


 ふわふわと漂う、ゴーストのテレジア。
 彼女の好きなことは、アンデッドハイイロナゲキタケが入ったシチューのポットパイを崩すこと、周りの人が少しだけ幸せになれる小さなイタズラをすること。
 そして、妄想をすること。

「月がとってもキレイな夜ね。こんな夜は、ステキなことが起こるのよ。たとえば、ダーリンが見つかるとか!? キャー!」

 自分で言ったことに黄色い悲鳴を上げて、身体をくねらせるテレジア。
 彼女の頭の中は、まだ見ぬダーリンとどう愛し合うかでいっぱいだ。その内容は、きっとこっちが恥ずかしくなるくらいに、ピンク色に染まっているだろう。 

「待っててね、未来のダーリン! ……あら?」

 くねくねフワフワしていたテレジアが辿り着いたのは、ちっちゃな公園。
 その公園のベンチには、一組の若いカップルが座っている。その二人は、付かず離れずの距離感。

「見たところ、くっついたばっかりのカップルかしら? きっと、今日は初デートだったのね。美味しいディナーを頂いた後、静かな公園で二人っきり……いーなー、羨ましいなー」

 唇を尖らせるテレジアなどつゆ知らずの二人は、もじもじソワソワしていて、見てるこっちがもどかしい。
 そうかと思うと、しばらく見つめ合い、だんだんと二人の唇が近付いていく。

「そこよ! ブチューってイけー! ……あらら」

 あと少しで二人の距離がゼロになる、と思いきや、女の子が恥ずかしさから顔を背けてしまった。
 男の子はというと、ガッカリしたような、ホッとしたような表情だ。

「どうしてそこで止めちゃうの。私だったら、こう、ガッとイってブチューよ!」

 話す内容が抽象的なのは、テレジアがあの女の子と同じだからだろう。本人は否定するかもしれないが、きっとそうだ。
 そして、『あそこはそっとイってムチューかしら?』なんてテレジアが考えていると、何やらカップルの雲行きは怪しくなっている。
 どうやら、気まずさから二人は帰ろうとしているらしい。

「まだ帰るには早いのに……まったく、仕方ないわね」

 テレジアは、この二人にイタズラをしようと決めた。彼女の好きな、周りの人が少しだけ幸せになれる小さなイタズラだ。
 テレジアは小石を拾うと、それをひょいと投げる。小石は緩やかな放物線を描いて、吸い込まれるように草むらへ。
 すると、カップルの二人の視線は草むらへ向けられる。その隙に、テレジアは女の子の所へ。

「それじゃ、失礼しまーす」

 テレジアのイタズラ。それは、取り憑いて妄想を送り込むこと。
 けれど、いつもしている妄想は送り込んではいけない。あくまで、周りの人が少しだけ幸せになれるのが肝心だ。
 『だって、幸せは自分の手で掴むから意味があるの。私はきっかけでしかないのよ』とは、テレジアの談だ。
 女の子に取り憑いたテレジアは、さっそくとばかりに妄想を送り込む。

「私は恥ずかしがり屋だけど、彼もきっと、恥ずかしがり屋。だって、顔が近付いただけで、あんなにまっ赤なんですもの。今夜は一歩を踏み出すチャンス。初めてのキスは、とってもとっても甘酸っぱいわ。ほら、今よ!」

 そんな妄想を送り込むと、テレジアは女の子から抜け出て、煙みたいに空へと昇る。
 イタズラはここでおしまい。後は二人だけの世界だ。

「さ、お邪魔虫は退散しなくちゃね。それにしても、お腹がペコペコよ。誰かいっしょにディナーを食べてくれないかしら?」

 公園を離れ、フワフワふらふらと漂うテレジア。
 イタズラをしたから、彼女はお腹がペコペコだ。
 ディナーはきっと、アンデッドハイイロナゲキタケが入ったシチューのポットパイ。サクサクのパイ生地を崩しながら、テレジアは未来のダーリンの妄想にいそしむのだ。


批評、感想などありましたら、よろしくお願いします。

340名無しさん:2017/03/26(日) 13:13:39 ID:LKmbtKe60
>>339
>>311の人かな? そうだとしたら、すごいお話の雰囲気が甘くなったね
個人的にはもう少し漢字の使用率を減らすとふわふわ感が増すかなと
あとはここに得意の情景描写を優しくトッピングで更に素敵な味になると思います

それにしても、すごく自分好みのお話をごちそうさまでした
もしかして、アンデッドとかハロウィン的なものとか大好きだったりします?

341名無しさん:2017/03/26(日) 14:18:17 ID:rsFlAHBQ0
>>339
新人リャナンシーですっ。今日も頑張って、批評をしちゃいます。でも、微妙だから、その点はあしからずっ。

恋の橋渡しをする魔物娘というのは、どこか新鮮な感じがするよね。テレジアちゃんが恋に恋する感じで、とてもほのぼのしています。

今回、特に指摘するところはほとんどないんですよね。

強いて言うなら、テレジアちゃんの台詞の漢字の開き方ね。
「キレイ」「ステキ」を開いて、少し幼い印象を出しているなら、「美味しい」「羨ましい」「お邪魔虫」あたりも「オイシイ」「うらやましい」「おジャマ虫」と開いた方が統一感が出るわ。

あと、地の文がテレジアちゃんに引っ張られて、「ちっちゃな公園」とかになっているのは、「小さな公園」としておかないと、読者の方が「一人称?」と混乱の原因になるわね。

それから、取り憑く前のところで、「草むらへ。」「女の子の所へ。」と中途半端なところで文を止めているのも、手抜きに見えるから、最後まで文を書いた方が綺麗ね。
特にここは、話の山になる前だから、こういう書き方はあまりよくないわ。作者が早く書きたいという、焦りに見えてしまう感じになってしまうの。
オチを早く言いたくて焦って喋っている人の話って、アレでしょう?
こういうところは、逆にじっくり書き込んで、読者を少し焦らすつもりでちょうどいいと思うの。

一般的なところだと、こんなところかしら?
ここからは、私なら、こうするかな? というところを書いていきますね。

冒頭の登場場面で、背景がないところにテレジアちゃんが登場するから、そこを少し補強したいわね。

 丸く宙に浮かぶ月と一緒に、ゴーストが一人、夜空を漂っていた。
 彼女の名前は、テレジア。

もうちょっと書き込むのが趣味だけど、後を考えると軽くした方がいいから、こんな感じね。

次の好きなことをあげていくところは、話のポイントになる「イタズラ」を印象付けした方がいいから、順番を変えたいわね。

 彼女の好きなことは、妄想すること、アンデッド(中略)崩すこと、それから、イタズラ。
 周りの人が少しだけ幸せになれる、小さなイタズラをすること。

ゴーストの特性が妄想だから、そんなに強調する必要はないわ。でも、あとで話に関わることだから、最初に持ってきて、軽く印象を残しておいたわ。
何かを順に書いていくときは、一番最初か最後が印象に残りやすい傾向があるの。
〜、〜、〜などなど。という書き方だと、最後のは印象薄くなるけど、今回みたいに、「それから」と前置きを入れると、印象が強く残るわ。短い言葉だと尚更ね。すぐあとに細かく説明を入れることで、重ねて印象を強くするのと、軽い説明をかねているわ。

次の台詞のところは、好みだけど、少し間をつくるといいかもね。

「月がとってもキレイ。こんなステキな夜は、絶対いいことがあるの。たとえば……ダーリンに出会えるとか!? キャー!」

夜という単語が重なるのを避けたのと、たとえばの後で、三点リーダで長めの間を作ったのは、妄想してますというのを想像させるためね。

その後の地の文で、「身体をくねらせる」とあるけど、ここにゴーストらしさをプラスしてみたらどうかしら?

 自分で言ったことに黄色い悲鳴を上げて、月明かりを透かして、星々の間で宙返りを繰り返していた。
 彼女の頭の中は、まだ見ぬダーリンと愛し合うバラ色で染まっていた。きっとこっちが恥ずかしくなるくらいに、極彩色のピンク色の妄想だろう。

物理法則に影響されずに宙に浮かべる魔物娘らしくするのと、そのあとの行動力から、活発さを出しておいたの。
あと、「黄色」「ピンク色」と色が入っているから、間に「バラ色」を入れて、段落全体の一体感を出してみたわ。

こんなところにしておくね。全部やるとすごく長くなるから。
参考になるとうれしいな。
それじゃあ、またの投稿をお待ちしています。

342名無しさん:2017/03/26(日) 15:15:17 ID:DwptBs2.0
>>339
新米リャナンシーです。僭越ながら批評させていただきます。
まず、大変綺麗に纏まった美しい短編です。
約1500文字で、余計な登場人物や余計な情報を出さずに、必要最低限の情報のみを提示しています。
必要最低限とは、つまり主役であるテレジアの性格、性質、魅力です。
『小さな幸せを与える悪戯』そして『妄想が好き』な『ゴースト』の彼女。優しげで純粋無垢、そしてちょっぴりお転婆でお茶目。だけどどこか寂し気で、何かが退廃的なのは、彼女がゴースト故でしょうか。
若いカップルの恋を応援して、その後を覗き見するでもなくすぐに消える。余計な茶々を入れるでもない、気持ちのいい人物像です。
過去にも未来にも物語が続きそうで、読者にそういう空想の余地を与える、大変完成度の高い短編主人公だと思います。

地の文も世界観(というか主人公の人物観)に合致しています。絵本か童話か、詩のような世界観。
テンポも素晴らしく、夜の紺と月明かりの白の中を一人踊るように往くテレジアの姿が目に浮かぶようです。
地の分に性的な要素を連想させる単語が少ないのも世界観維持に一役買っていますね。「テレジアが処女だから」ではなく「テレジアがあの女の子と同じだから」の部分は匠の技を感じました(この解釈で合ってますよね?)。

何か指摘する点があるとすれば、以下の二点でしょうか。

1)テレジアは『妄想』が好き。
妄想とは、謝った確信や病的な思い込みを表す言葉です。そうでなくても邪な空想や淫猥な思考を連想させます。実際、私はこの一文を読んだ時、テレジアはむっつりスケベなキャラクターなのかと思いました。『空想が好き』にした方が自然且つ読者と作者の印象の祖語が無くなると思います。

2)テレジアは、この二人にイタズラをしようと決めた。『彼女の好きな、周りの人が少しだけ幸せになれる小さなイタズラだ』。
こちらはほぼ言いがかりですが、この表現、ここにあるのはしつこいです。同じ文章を繰り返し使うことは印象を強めるために有効ですが、ここで若干テンポが落ちている気がします。
最初の一文を読み飛ばしている読者がいるかも……という不安もあるのでしょうが、基本的に1500字程度であれば読み飛ばしをする読者は少ないです。そういう不安があるなら、気にしなくても問題ありません。

最終的に文章の良し悪しを決めるのは読者……と思いがちですが、文法と単語の間違いを除けば批判の殆どは個人の趣味によるものとなります。
これは批評も同じでして、上の指摘も(1の方は兎も角)私の個人的感想でしかありません。
あまり批評に流され過ぎず、自分のモットーを決め、最終的に自分が納得できる自分好みの文章を目指すとよいでしょう。参考までに私は『合理的な文章はおのずと美しくなる』をモットーにしております。
何かしら参考になれば幸いです。今後とものご活躍、お待ちしております。

343名無しさん:2017/03/26(日) 22:04:40 ID:ZOMfAJ3U0
>>340
>>311の者です。
批評、感想ともにありがとうございました。
お察しの通り、私はアンデッドが好きです。

>>341
新人リャナンシーちゃん、丁寧な批評と感想、ありがとうございました。
文体が硬かったり、キャラに引きづられたりと、まだまだ安定しませんね。
とても参考になりました。

>>342
新米リャナンシーちゃん、丁寧な批評と感想、ありがとうございました。
妄想と空想の使い分け、非常に重要ですね。
とても参考になりました。

344名無しさん:2017/03/28(火) 15:07:20 ID:vMTLvYB.0
エロ無しな話を初めて書きました。リャナンシーちゃん、どうでしょうか?
戦乙女=軍人なイメージです。


 彼女は金髪をアップにした戦乙女様。
准尉の俺よりも階級が上なので上司となるのだろう。
この部隊の新たな隊長だ。
特徴的なのがその身長だ。身長は何と150㎝.
そこいらのジュニアハイスクールのガキ共よりも低い。
そんなちびっ子が来たんで部隊の連中は大笑いだ。
ロリコンの兵士が興奮しながら中尉殿に言った。

「お嬢ちゃん可愛いいねぇ……初潮はまだなのかい? ナプキン派?
タンポン派?」

次の瞬間そいつの股間に蹴りがめり込んだ。
ロリコンはブクブク泡を吹いて倒れた

「タンポン派だ、ゴミクズが」

それからこの中尉は七日もたたない内に部隊はシメ上げた。

「お前らの任務はなんだ! ブタ野郎共!」
『イエス、マム! 殺せ! 殺せ! 殺せ!』
「声が小さい! 教団の面汚し共が! 完全装備で十キロ走ってこい!」
『イエス、マム!』

 しかし、このちびっ子中尉と俺、二人しかしらない秘密がある。


「教えてよ! 准尉さん! どどどどうすればいいの!?」

 執務室でのこのヘタレぶり、これが本物の中尉だ。
 甲冑を脱ぎ捨て、翼をパタパタしながら叫ぶ戦乙女様。

「エッチな本が宿舎にあるなんて、あってはいけないことなんだよ!?」
「あー……まぁ……いや……みな、男ですから」

  俺は中尉のキンキン声に耳をふさいであいまいに答える。
  テディベアやら東方の白黒熊のぬいぐるみが置かれた部屋。
  ここに入れるのは俺しかいない。

「部隊で何があったの!? ねぇったら、ねぇ! 君にしか頼めないの!」

  グスグスと泣き出す中尉。これが素というのだから参ってしまう。

「……中尉……それはいつも通りに言えば誰が買ってきたかはすぐわかり……つーか、そんな繕った鉄仮面、いつかばれますぜ?そっちの方が重要かと」
「うるさいな! もーッ!!」

  ベッドにザイブした中尉はテディベアをぎゅっと抱き締めた。

「兵になめられたくないもん。私だって好きで厳しい上官をやっているわけじゃないのに!! それに君だって手伝ってくれるって言ったでしょ?」
「いや……そ、それはそうですけど……」

 なんでこんなヘタレなんだよ……俺は顔に手をあて、ガラにもなく中尉に告白した時の事を思いだした。

『中尉……自分は、貴女のような士官に憧れていました。何でも言いつけ下さい。中尉の為なら死ねます。自分と付き合って下さい』
『では条件がある』

 その条件とは『――素の自分と付き合う、その手助けをする――』だ。
 これって立派な詐欺だ!法廷で争っても勝てそうな気がする!

「あのエッチな本は誰が持ってきたの!? 教えて!」

 俺の膝の上に跨って、中尉が囁く。

「俺の理想を壊さないでくれ! 俺は鉄仮面な中尉が好きなんだ! 厳しくてクールな中尉が好きなんだ!」
「黙れ、准尉」

 ビクッ……膝の上に座る中尉が声色を変えた。背筋に走る緊張感。
 ゾクゾクくる冷気に満ちた視線。

「立場を弁えろ。貴様はここのクソ袋共を束ねる立場かもしれんが、その価値はミジンコ以下だ。が、私は『神』だ!私の命令は『神託』……この意味、わかるな? ミジンコ」

 チラッとこちらを見る眼。俺はその目に反射的に答えた。

「はッ!イエス、マム!」
「さっすが准尉君! 大好きだよ♪」

 純真無垢な満面の笑み。 やっぱり詐欺だ!

おしまい

345名無しさん:2017/03/28(火) 20:41:01 ID:Bq8C/VcE0
>>344
長い批評が苦手なリャナンシーですが、批評させていただきますね。

まず、内容以前になりますが、以下の点に注意して文章を整えましょう。
○直前のcmに引きづられて、『。』が『.』になっています。
半角全角はしっかりと切り替えましょう。
○段落始めの空白が無かったり、2つだったりしています。
全角で1つ空けるようにしましょう。

前置きが長くなりましたが、次は内容になりますね。
と、その前に、戦乙女とあるのでヒロインはヴァルキリーですよね?ここではその認識でいかせてもらいます。
内容も同様に、以下の点に注意しましょう。
○ヴァルキリーに関する描写を増やしましょう。
ヴァルキリーと分かる明確な所が戦乙女とい単語だけです。はっきりとした特徴である、4つの翼や、甲冑、武具に関する描写を増やすと良いかもしれませんね。
○おまたを蹴る描写は止めましょう。
泡を吹くほどって、男の人の大事な所がダメになってるかもしれませんよね?
図鑑世界は、魔物娘と男の人が愛し合って幸せになる世界です。ご褒美じゃない暴力は世界観に合いませんし、エッチな描写が無いこのお話だと、暴力的なだけですからね。
どうしても、軍隊的な罰を与える描写を書きたいなら、腕立て伏せくらいにしておきましょう。
○擬音の表現に、違和感を覚える箇所があります。
『ビクッ……膝の上に座る中尉が声色を変えた。背筋に走る緊張感。』
この文章ですね。
このお話は准尉さんの視点で書かれています。つまり、准尉さんの語りで説明しているんです。状況を説明する時、ビクッとだけ話すなんてしませんよね?
『膝の上に座る中尉の声色が冷たい物にを変わった。背筋に緊張が走り、俺の身体はビクリと震える。』
こういった書き方なら、違和感が無くなると思います。

最後に総評です。
キツい書き方ですが、この作品は魔物娘でやる必要が無い。あるいは、他所でやれといった評価がなされると思いますよ。
なぜなら、前記したように暴力的なだけだからです。
ここが図鑑世界とまったく関係無い場所で、
短編だからそこまで書けない。
魔物化してないヴァルキリーだから。
となったら、私もうーん……となってしまうかもしれません。ですが、ここは違いますよね?
図鑑世界のダークや暴力表現は、ハッピーエンドへの過程でしかありません。そういった所をふまえて、もう一度、話を作り直すと良いかもしれませんね。

346名無しさん:2017/03/29(水) 17:22:18 ID:YBpKHOXo0
>>344
新人リャナンシーです。今回も微妙な批評をしちゃいます。

面白いね。やっぱり、ギャップって重要だと思うわ。軍隊という舞台が、キャラクターのヘタレなところを強調できているのは楽しかったわ。

さて、指摘としては、まずは「戦乙女様=中尉」というのが明文化されていないことね。突然、中尉が現れると混乱するわ。
>>345のリャナンシーさんも書いているけど、種族の名前をちゃんと出しておいた方が親切ね。「戦乙女=ヴァルキリー」ってわかると言えば、わかるけど。
あとは、段落の一字下げをしたりしなかったり、二字下げしたりとバラバラなのは読みにくいわ。どうするにしても、統一するのが前提よ。
とりあえず、完全装備で十キロ走っておいで。

冗談はさておき、楽しい雰囲気はよく伝わってきたし、それは十分だけど、どこか勢いだけで押し切りましたという粗さを感じたわ。
この程度の長さなら問題はないけど、もしも、一万字以上とかになると、その粗さが目立ちそうな気がするわ。推敲をしっかりとするようにしてみてね。
例えば、テディベアはそのままで、パンダは東洋の白黒熊だったり、言い換えの基準が謎になってるわ。長さの単位でcmを使っている段階でファンタジー色は薄くなってるし、割り切って「パンダ」とした方が読者が無駄に考えなくてよいと思うわ。

あと、こういうコメディの話は、ネタの勢いとかは大事だけど、それだけではダメなの。
ネタの何が面白いのか? どうすれば、その面白さを読者に感じてもらえるのか? そういうことを考えないと、空回りしてしまうわ。
俗に言う、ネタを練るという作業をしっかりしてこそ、コメディと思うの。

それから、私個人的な感覚だけど、これぐらいの暴力表現(ハッピーエンドにつながる必要な暴力表現でないもの)は、別に気にもしないわ。
それに、魔物娘でする必要ある? 他所でやれ。とも思わないわ。
魔物娘や人間が無意味に残酷に殺されたり、苦しめられたり、そういうのは規約に抵触するからダメとは思うけどね。
でも、そういうのを気にする人もいることを、知っておくのは重要よ。
もし、そういう話を書くときは、あらすじなどで注意書きをすることで、無用なトラブルが避けれるからね。

参考になったかしら? それじゃあ、またの投稿をお待ちしています。

347名無しさん:2017/03/29(水) 19:08:54 ID:nPh.Rnoc0
>>344
はーい、呼ばれたのでリャナンシーちゃん出てきましたよー。
といっても先に来たお仲間さんたちが丁寧な批評をしてくれたから、私の方から批評らしい批評はなし。
なので、今回はネタに取り扱われた『暴力表現』、それから『魔物娘でやる必要がある話』への私見を述べようかなと。

これら要素の許容ラインのヒントは、ガイドラインの『魔物娘図鑑の世界にそぐわないと思われるSSはご遠慮ください』って箇所よね。
となると、>>345のリャナンシーちゃんが言っているように『男の人が不能になるようなことを魔物娘は避けるからおまたを蹴っちゃ駄目』ってのはその通りだと思うわ。

かと言って、魔物娘が男を気絶させる程度の暴力までも拒否するかというと、それもちょっと違うんじゃないかなと。
例えば気位の高いので有名なドラゴンさん。
このドラゴンさんに不用意なことを言ってぶっ飛ばされる人間なんて描写があったとして、別に『魔物娘図鑑の世界にそぐわない』とは思えないわよね。
もちろん、人間が大怪我するようなことは絶対にないのが大前提。だって、それが魔物娘図鑑の『お約束』だから。

だったら『暴力表現』ってのは『お約束』の範囲内であれば許されて良いんじゃないかな、って思うのよ。
今回のケースはギャグ描写でもあるし、例えばヴァルキリーちゃんがアッパーカットでロリコンをK・Oするとかだったら、別にそれで良いんじゃないかしら。
放言しちゃえば『どーせ図鑑世界なんだから怪我しないでしょ?』ってね。きっとロリコンもすぐに復帰して目を輝かせてるはずだわ。

自分の中での勝手な基準は『魔物娘は物理的・精神的問わずに受ける男性側が不快になる暴力は絶対にしません!』ってものかな。
同じダークエルフさんの鞭打ちでも『痛い痛い痛い! でも痛みの中に妙な高揚感が生まれそう!』って男には容赦なく鞭をくれてやる。
だけど『奴隷の頃を思い出すから鞭打ちすごく怖いよぅ……ぶるぶる』って子には窓から鞭を放り捨ててすぐに抱きしめてあげる。
こんなイメージで暴力表現を線引きしておいてくれると、私は一読者として嬉しいわね。

それと『魔物娘でやる必要がある話』ってのも、ガイドラインに『たとえば、魔物娘が一切出ないSS、魔物娘を虐殺するだけのSSなどは、さすがに公式サイトに投稿するのは不適当だと思われます。その程度の基準だと考えてください。』って言及があるのだから、あとは書き手の尺度で変形しちゃうものなのよね。
私としては、公式のタグに『現代/近未来』とかあるのだし、ミリタリー要素ぐらい許容される土壌があるのだと考えているわ。
となると、あとは『俺が書きたかったんだよ!』って書き手が言ってしまえば、もうそれを外野が止めることはできないわよね。その人の中で必要性が生まれちゃってるのだし。
行き過ぎた自粛は表現を狭めちゃうわ。健全な良識を持って、楽しい創作活動をしましょう!

た・だ・し!
私が今まで言ったことと『読者がどう感じるか』は全くの別物よ!
>>355のリャナンシーちゃんみたいに内容を疑問視されても、もっと厳しいこと言われても絶対に文句はNG!
創作の自由の代償に、書いた作品への責任はきちんと背負いましょう! それが嫌なら大人しく受け入れられやすい作品をリサーチして書く!
うちの相棒は感想で『他所だけでやってろよボケ(ほぼ原文ママ)』なんて言われた事もあるからね!
ちょっとでも怪しかったら前書き等々で予防線を張っておくこと! それが書き手・読者の双方が嫌な思いをしないためのマナーだから忘れないように!

ふぅ……長くなっちゃったけど、こんなところかな。
それじゃまた何か投稿よろしくがんばってね〜。
以上、リャナンシーちゃんでした!

348名無しさん:2017/03/30(木) 12:53:31 ID:0Sw6xdMM0
なんか完全に批評スレと化してるな
短編じゃないSSも批評してもらいたい気持ちもあるけど
あくまでここは短編スレだから貼るのは憚られる
かといって作者スレで貼るのも荒れやすいから難しい……

349名無しさん:2017/03/30(木) 14:05:02 ID:Hyqw3r7I0
もう正式な批評スレを建てるべきかな
一定需要は存在する(少なくとも自分はあってほしい)と思うし
それに書き手スレは批評前提でないからその機能に期待ができない

なによりここは本来1レスSSを投下するってだけの場所であったわけで……
残ったこのスレがまた過疎地になりそうで忍びないんだけどさ

35026:2017/03/30(木) 18:01:29 ID:CwihuGqA0
このスレとは別に批評のためのスレを立てることに賛成します
ここが過疎になるという点については、批評スレでこのスレのレス番を指定して「批評してください」と依頼すれば両立できるのではないでしょうか
批評できる方が一定数いるようですので問題はないかと思います

切磋琢磨できる環境はとても健全で素晴らしいですが、批評してもらえるのはこのスレのSSのみというのが限定的で閉鎖的かなと感じますね
正直なことを言うとCGIに投稿したSSの方こそ批評してもらいたいなって……

351名無しさん:2017/03/30(木) 18:52:03 ID:q4HSY.5Q0
新人リャナンシーですっ。批評専用スレに関して、私の考えを言います。
批評専用スレは、あったらうれしいと思っている作者さんたちは多いと思うわ。
私の担当作家も、あったらいいなと言ってるし。

でも、新設のスレは投稿CGIで投稿したものへの批評用にして、
ここの1レスは今まで通り、1レス短編への感想と批評ということにして欲しいな
って思ってます。

なぜって? スレをまたいで行き来するのが面倒だから。
それに、ぱっと読んで、ぱっと批評というところは、私は好きだし。
宵越しの短編は持たねぇって決めてんだ。って感じ。

まあ、私のは批評と言っても、技術的なアドバイス(?)みたいなものだから、
本投稿作品に対してだったら、そういうのって需要ないけどね。

352名無しさん:2017/03/30(木) 20:35:58 ID:Hyqw3r7I0
>>350氏の案は自分も考えたんだけど、確かに手間がかかっちゃうんだよね
提案としては建てるならCGI作品も1レスで収まるSSも批評OKなスレが良い感じかな
それから批評スレの方には自晒し用のテンプレとして

【投稿場所】CGIなのかスレなのか。スレなら>>○○と番号指定
【題名】→SSの題名
【ジャンル】→どの魔物娘SSなのか
【タグ】→エロなし等々のタグ
【辛さ】→批評の辛さの希望
【その他】→SSのどこに批評がほしいのか

こんなのを(もちろんこれは例)を作っておくのはどうかなって
これをちゃんと全部埋めないと批評してもらえません、みたいにしておけば
批評を頼む側も1レスのSSに題名・ジャンル・タグとか投稿所を意識して練習ができるし
ちょっと批評を頼むハードルを上げとけば、書き散らしてはい批評よろしく、みたいな真似も減るでしょ

これなら批評とか関係なく気軽に書いてポンと投下するスレとしてこのスレも差別化できないかな
1レス作品は気に入った誰かがコピペして来ても良いわけだしね。ここは1レスSS集積所なんだもの

353名無しさん:2017/03/30(木) 22:04:42 ID:CwihuGqA0
>>351
少しばかりひどいことを言うと、このスレはSS集積所であってリャナンシーちゃんの遊び場ではないと思っています
短いSSがたくさんレスされるのはいいのですが、一つに三つ四つと批評が投げられてしまうと、
批評依頼を行っていないSSがその分だけ埋もれていってしまうことがかなりよろしくないのです
感想のレスなら短いし投稿者のモチベにもなるのでいいのですが、批評はその性質上どうしても長いものになってしまい、
結果としてこの直近100レスくらいの状態が続いてしまう……となると、これははたして集積所なのでしょうか
そういうわけで「お引っ越ししませんか」と提案させていただきたく思います

長いので短く書くと、リャナンシーちゃんたちに私のSSが埋もれていくのつらい!ということです。


>>352
1レスSSも投下できる、というのはいいですね
批評依頼に一手間を用意するのも良いと思います

そうなると批評側もなにかしらの信頼できる要素がほしいのですが、まあこれは無い物ねだりになりますかね……
さんざん罵倒してなにも改善点や修正案を提示しない批評者、なんてものが出てこないセーフティがほしいのですが
同好の士の良識を信じるしかないですかね

354名無しさん:2017/03/30(木) 22:45:40 ID:Hyqw3r7I0
>>353
いっそ批評スレをリャナンシーちゃんの遊び場にしちゃうのもセーフティなのかなと思ってます
私たちは批評しちゃ駄目。批評するのはリャナンシーちゃんその他魔物娘限定
『さんざん罵倒してなにも改善点や修正案を提示しない批評者』はいるかもしれませんが
『さんざん罵倒してなにも改善点や修正案を提示しないリャナンシーちゃん』なんて絶対に偽者ですから
それに批評を書き込んでくれるリャナンシーちゃんは大体書き手のパートナーがいるでしょうしね

355名無しさん:2017/03/30(木) 23:21:08 ID:q4HSY.5Q0
>>353
それは申し訳ないことをしました。
こちらでの批評は中止しますね。

356名無しさん:2017/03/30(木) 23:30:26 ID:CwihuGqA0
>>354
やはりそうなりますかね。ほんわかな流れを維持できると思いますし、賛成です
どこまでいってもここは魔物娘図鑑がありきですからねー、魔物娘さんに教えてもらえるならとても嬉しいですね


なんか話がまとまりそうな流れですが、できる限り他の人の意見も聞きたいですね
少数のものたちだけで話を進めていきなり作るのもよろしくないですし
ID:Hyqw3r7I0さんやリャナンシーちゃん以外の方も見てるはずですから、意見を仰ぎたいところです

357名無しさん:2017/03/30(木) 23:35:16 ID:CwihuGqA0
>>355
批評という行い自体は素晴らしいことなので、バンバンしてあげてください
外から読んでるだけでも改めて確認できることがありますし、タメになることが多いのです

ちょっとキツい物言いしてしまったのはごめんなさい、批評スレが立つことになりましたらよろしくお願いしますね

358名無しさん:2017/03/30(木) 23:48:08 ID:4mvgRRFg0
自分としましては、批評は批評で分けて問題ないと思います。
最近は批評が中心で、純粋な短編の投稿が少ないのも事実ですし。

359名無しさん:2017/03/31(金) 08:01:04 ID:r5luwfc20
賛成に一票
本投稿作品でも技術的アドバイス貰えたらそれはそれで糧になるしいいと思う
批評スレと1行スレの行き来の面倒くささについては、したらばの性質上どうしてもh抜きになるけど
各レスごとに直リン貼れるはずだから、>>352のテンプレ書く時にリンクも貼ればすぐに読みやすいかな?
あと罵倒だけして消える人は徹底スルーでよろしいかと

360名無しさん:2017/03/31(金) 14:58:15 ID:ue5NzT/I0
批評スレの新設に関して、外野から良いかな。
クロビネガ談話室全体では、書き込みを含めて一覧表示されるのが10スレまでという制限がある。
そちらの都合で拡大されるのは結構だが、それでどれか他のスレをその表示外に落とす事も考慮し
た上で判断していただきたい。

また、投稿所の作品まで範囲を拡大する意見も、自分たちのプランありきの為に投稿所を巻き込む
形になり違和感を感じますが。

361名無しさん:2017/03/31(金) 17:17:52 ID:5uPBlfFY0
>>360
批評スレ賛成派の一人なので、反論をさせていただきます。

・一覧表示されるのが10スレまで
→10スレから零れたものが読めなくなるわけでもないのですし
これはsage進行推奨の一文を挟むこと問題は無いのではないでしょうか?

・自分たちのプランありきの為に投稿所を巻き込む
→自晒し行為が書き手スレに存在し受け入れられていた事実がある以上
新しいスレにだけ自晒しを疑問視するというのは筋が違う話だと思います。


ここはリャナンシーちゃんたちの遊び場ではない。
けれどリャナンシーちゃんたちの遊び場を作るのに反対をされる。

それならいったい、リャナンシーちゃんたちにどこに行けと言うのでしょうか……。

362名無しさん:2017/03/31(金) 21:12:12 ID:r5luwfc20
「一覧表示されるのが10スレまで」とは言うものの
現在表示されてる10スレの内完走済のものが2つ
他30スレ分くらいまで見ても、今でも動いてるスレは表示されてるものも含めて8〜9個しかない
sage進行推奨の件も考慮すれば十分余裕はあるんじゃないかな

363名無しさん:2017/03/31(金) 22:20:21 ID:q/z7X4.o0
ここがただのSS集積スレに戻ったら、上手くないSS上げた時に、「まずはちゃんと批評スレで修行しろよ…(呆)」みたいに言われてしまうんかなぁ……

364名無しさん:2017/04/01(土) 17:32:14 ID:w7Xc8WjM0
>>363
CGI(プレミアリーグ)
 ↑
集積スレ(2部リーグ)
 ↑
批評スレ(実業団リーグ)

みたいな感じになるのか…
リャナンシーちゃんというゲートキーパーを越えねば上位リークへの道は険しい…

365名無しさん:2017/04/01(土) 18:50:29 ID:a/PjX/to0
みんな、当たり前のようにリャナンシーちゃんが今までみたいに批評してくれると
思ってるみたいだけど、来てくれない可能性は考えないのかな?
彼女らの批評を遊び場とか揶揄しているしさ。相手に敬意を払っているように見えないよ。
言葉のあやとか言うんだろうけど、言葉を使った創作活動しているところで、
その言葉が相手にどう思われるか考えてないところで、愛想つかされても文句言えないよ。

366名無しさん:2017/04/01(土) 19:53:03 ID:WlNKNRuc0
>>365
言い過ぎたことについては申し訳ないなと思っています
ですが、この場所が批評をするためのスレと化していることもまた問題だと思います。

CGIに投稿するほどでもない1レスに収まるSSを没にしないためのスレ、というところからスタートしたスレが、
自分の実力を高めるためにネタをひねり出して1レスSSを書いて批評してもらうスレ、に変化しているわけです
時間を経るごとに意味合いが変わるというのは往々にしてあることでしょうけれど、
それによって元々の使用用途で投稿された1レスSSが埋もれていくのは……ということを上でもレスしました

批評スレに分岐したあとで最悪の場合両方とも過疎になるかもしれませんが、
それならそもそも元からこのスレは過疎にならざるを得ないスレだと考えています
1000字に満たないようなネタを魅力的に膨らませるのがSS作家の本分、みたいなところもありますからね

あと、敬意を払っているように見えない、と仰られても>>353>>357を見落とされてるのかな?って思いますね
私はリャナンシーちゃんたちを否定しているのではないですし、その行いは未来へ繋がる素晴らしいものです
だからこそ、批評は批評として集めたスレは需要が高いはずですよ
ついでに言うと「みんな」ではなくて「私」を差して言ってませんか?

367名無しさん:2017/04/01(土) 20:18:33 ID:r4GtxeZ60
>>365
かと言って、このまま手をこまねいていてもリャナンシーちゃん達の居場所がなくなるだけなのがね

遊び場と形容していることに対しては自分からは決して揶揄の意味でなく
『リャナンシーちゃんたちに心置きなく場所来てもらえる場所』のつもりで
妖精らしく『遊び場』と表現していたと釈明をさせていただきたい

場所を作ったら後はリャナンシーちゃんたちが来てくれるのを願うだけかな
最初のリャナンシーちゃんも一人でヒョッコリ現れたわけだし
ゼロより良ければ御の字ではと思っている

368名無しさん:2017/04/01(土) 20:45:08 ID:o4Ak3HKIO
「まだ起きてたの?」
「ああ、仕事が捗らなくてね。ちょっと持ち帰ってたんだ」

夜遅く、パソコンの画面とにらめっこしていた僕の視界の端にぴょこんと、ファミリアである彼女の可愛らしいツインテールが写る。
直後、白い手が僕の目を覆って画面を見えないように妨害してきていた。

「もう、良い時間なんだから。悪い子はとってもカワイクて、わるーい魔物がイタズラしちゃうよ?」
「うう、あと少しだけなんだ」
「少し、と言いながら。どうせ休まないくせに」

なおも画面にかじりつく僕の頭の後ろにふにふにとした、柔らかな膨らみかけの脂肪の感触が当たる。
耳にふう、と甘い息を吹きかけられると全身の力がくにゃくにゃと抜けてしまう。

「それにね。君はボク専用の抱き枕なんだから。カワイイボクを寝不足にする気かな?」
「い、いやそんなつもりじゃ……」
「あーあ。ボクは枕を変えたら眠れない繊細な魔物なのに。イジワルするんだ」
「う、その……」
「ほおら。早く早く♪ボクは6時間は寝る予定なんだから。いつまでも起きてると遅刻しちゃうぞ?」

一方的な理論を展開する彼女になにも言い返せないまま、ベッドまで連行されてしまう。
その過程でチラリと見えたパソコンの画面はいつの間にかしっかりと上書き保存されていた。

「さて、お休み。抱き枕君♪」

小さなベッド。
全身を使ってしっかりと抱きつく彼女の体温に、観念して横になる。
こっそり抜け出せないように、彼女の腕は僕の身体に巻き付いていた。

「……ふにゅう……あのね……?」

数分後、彼女から聞こえてきたのは寝息混じりの小さな声。
きっと寝ぼけているのだろう。

「ちゃんと……休んで、元気になってね……?」
「……」

普段はわかりにくい優しさを、一心に感じながら。
僕は彼女の髪を撫でる。

「えへへ、だいすきだよ……」

その日の夢は、暖かいものだった。

369名無しさん:2017/04/01(土) 21:26:18 ID:o4Ak3HKIO
「あなたが好きですっ。付き合って下さい!」

四月一日。
花冷えと言うくらい寒い日。
昼休み、学校の屋上にサキュバスである私の一世一代の告白が響き渡る。
相手は、幼なじみの男の子。
この日のため、呼び出すための手紙を数日かけて執筆し。告白の言葉の予行演習も一杯した。
分かりづらいかも知れないけれど、化粧も三割ましだ。
手紙は結局下駄箱じゃなくて、手渡しになっちゃったし。考えて来た言葉は三割も言えてない。
けれど、精一杯のべすとはつくした。
そんな私の告白は……。

「……えっと。エイプリルフールだよね」
「……へ?」

開始。二秒で撃沈した。





「あっはっはっは。そりゃ大変だねぇ」
「大変だよ……」

その日。相手の顔すら見ずに学校から逃げ帰った私は、同じサキュバスの友人とSNSで話しこんでいた。
穴があったら真っ逆さまなりそうなくらい、恥ずかしい。
正直、笑ってくれなかったら、本気で泣いて居たかもしれない。

「全く、お互いにバカなんだから」

ひとしきり笑った彼女は、電話越しに聞こえる位、大きなため息をついた。
その後ろで、キーボードを叩くような音が響く。

「お互いに?」
「エイプリルフールは午前中までだよ?昼休みだったらとっくに午後」
「へ?」
「今、あいつにそういう旨のメール送ったから」

彼女の言葉の直後、ケータイが鳴る。
着信の主は、告白を失敗した相手だった。

「ほら、早く出なよ」
「う、うん」

ケータイから聞こえてきたのは謝罪の声。
そして。

「僕も、大好きです!」

一番聞きたい言葉だった。

370名無しさん:2017/04/01(土) 21:44:20 ID:KiX4cQb60
>>365
批評してくれる人にはもちろん敬意は払っているが、今話してることは敬意があるかないか云々じゃない。批評に適した場がないよねという話だ
そして、批評をしてもらいにSSを投下した人が何人もいたんだから、たとえ過疎ったとしてもその時は投稿者同士相互援助的に批評し合えばいいじゃないか

371名無しさん:2017/04/01(土) 22:04:59 ID:qA3Nnwis0
>>369
これはサッきゅんカワイイSS
『べすとはつくした』って表記がたどたどしくて良い
しかし四月バカって午前中だけなんだな……知らなかった

372名無しさん:2017/04/02(日) 10:26:41 ID:tzi8r5AE0
批評スレと住み分けする・しないにしても

作家さん達ととリャナンシーちゃん達には戻ってきて欲しいわ

せっかくスレ活性化きたトコなのに

373名無しさん:2017/04/02(日) 11:07:13 ID:7N/Sm44Y0
埒が明かないのでスレ建てる前提でスレテンプレみたいなの作ってみる
またそれを上げてみるから議論してねってことで

374名無しさん:2017/04/02(日) 12:16:33 ID:7N/Sm44Y0
はい、自晒し批評スレの案

このスレはCGIに投稿した自作品及びスレに投稿した文章を『リャナンシーちゃん達』に批評してもらうスレです。
初心者もベテランさんも大歓迎。可愛いリャナンシーちゃん達が親身になってアドバイスをくれます。
批評を依頼する書き手さんはテンプレをよく読んで、皆で仲良くスレを利用しましょう。

【スレのルール】
・sage進行をするようにしましょう。
・次スレは>>980を踏んだ人が建てるようにしましょう。
・批評依頼者は>>2の注意事項を守るようにしましょう。
・批評をするのはリャナンシーちゃん達限定です。
・ルール違反をしてしまった人には優しく指摘してあげましょう。
・その他、ほんわかレス推奨です。リャナンシーちゃん達が怖がらないようにしてください。


書き手の質問・雑談や1レスSSの投下だけの場合は以下のスレをどうぞ。

【SS書き手で雑談しましょ10】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/11485/1490201168/

【習作】1レスSS集積所【超短編】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/11485/1448033032/

375名無しさん:2017/04/02(日) 12:18:40 ID:7N/Sm44Y0
※自晒しをする際の注意事項

・必ず下記テンプレを埋めて依頼しましょう。
・スレ投下作品でも題名・ジャンル・タグを埋めましょう。これも練習のうちです。
・他の人の晒し中にはその晒しが一段落するまで待ちましょう。
・依頼をすると『あなたが投稿所の誰なのか』が分かってしまいます。リスクはよくよく考えましょう。
・リャナンシーちゃんたちの意見にはちゃんとお礼のレスをしましょう。
・晒しを終わらせる時にはちゃんと〆宣言をして次の人に番を譲りましょう。
・あまり頻繁に依頼すると他のスレ利用者に嫌がられます。依頼はほどほどの頻度にしましょう。
・他の人の晒しには自分のところのリャナンシーちゃんを連れてきてあげると皆が喜びます。

※自晒し用テンプレ

【投稿場所】CGIなのかスレなのか。
【題名】→SSの題名
【ジャンル】→どの魔物娘SSなのか
【タグ】→エロあり等々のタグ
【辛さ】→批評の辛さの希望
【意見希望箇所】→SSのどこに批評がほしいのか

※批評をしてくれるリャナンシーちゃん達へのお願い

・ご存知の通り、書き手はみんな心の弱い生き物です。なるべく優しくしてくださいね。
・リャナンシーちゃん同士でのケンカだけはないように気をつけてくださいね。
・批評には気軽に参加してくださいね。
・書き手の皆もリャナンシーちゃん達が来てくれるのを心待ちにしています。

376名無しさん:2017/04/02(日) 13:15:22 ID:UFhIvuaoO
「今日は天気が良いし、今から花見に行こうよ」

春のはじめ、桜が一分咲きの頃。
サキュバスである先輩からのメールで、僕の休日の予定は埋まる事になった。

「おはよう」
「へへ、おはよっ」

待ち合わせ場所の駅前につくと、いつもと変わらない笑顔の先輩が待っていた。
その手には、近くにあるコンビニのビニール袋が握られていた。
サキュバスの翼が嬉しそうにゆらゆらと揺れる。
いつから待っていたのか聞いたら、メールを送った時には既にここに居たのだとか。

「春だねえ」
「春ですね」

手を繋いで、目的地の公園へと二人で歩く。
気候はまだ少しだけ肌寒いけれど、手で触れた部分の暖かさが、心地いい。
周りを見れば、気の早い商店による花見フェアがはじまっていて、街が桜色に染まっていた。

「到着!」

歩いて数分。
目的地である桜の木の下で、彼女は大きく伸びをした。
あわせてピンと伸びる尻尾が思わず笑いを誘う。

「ふふ、誰も居ないし、見放題だね」
「一分咲きだけどね」

公園のベンチに座って、桜を見上げる。
ごつごつとした幹に、赤い蕾。
そして、ほころびはじめた白の花弁が、青い空のキャンパスに描かれていた。

「いい天気だね」

彼女の言葉に頷きながら、ただ、のんびりとする。
彼女がコンビニで買ったという緑茶が、美味しく感じられた。

そんな、何でもないデートが僕達の花見だった。

377名無しさん:2017/04/02(日) 18:42:52 ID:ob4CnBQk0
>>376
これめっちゃ好き
エロが入ってない、ただ純粋にいちゃいちゃするだけのもいいよね!

378名無しさん:2017/04/02(日) 19:34:07 ID:ob4CnBQk0
>>374-375
お疲れ様です、ありがとうございます。大筋とテンプレはこのままでも問題なさそうです
いくつか気になる点があるので、自分の意見を書き出してみました


全体的な言葉使いですが、『晒し』というのはどうしても悪い響きに感じられますので置換すべきかなと
普通に『依頼』とか、リャナンシーちゃんや他の魔物娘さん相手なら『お願い』なんて柔らかいものでもいいかもしれませんね
テンプレの言葉も、【ジャンル】ではなく【登場人物】としたほうがいいかもしれません。CGIの表記は馴染み深いですけども
登場人物とすると主題の魔物娘さん以外も書けますから、依頼の一助になるのではないでしょうか

・他の人の晒し中にはその晒しが一段落するまで待ちましょう。
↑これは同時に批評依頼が投下された場合、順番待ちになるんでしょうか?
個人的にはアンカーをつければどれに対しての批評・反応なのかはわかると思うので、
同時でなくても順番待ちの早押し勝負みたいになるのはどうなんでしょう
でも、確かにたくさん批評依頼が来てスレがパンクするのもアレかなとも思いますし、
このままでもいいかもしれません。始まってみないことには依頼頻度は分かりませんからね……

・リャナンシーちゃんたちの意見にはちゃんとお礼のレスをしましょう。
・あまり頻繁に依頼すると他のスレ利用者に嫌がられます。依頼はほどほどの頻度にしましょう。
↑こういうのを書く必要があるというのがなんとも悲しいですが、それはさておき。
この二つを統合して削減できないでしょうか。以下一案です。
→『・互いに礼儀と節度を忘れずに。SSを書くにも批評するにも時間がかかります。』
あまり多く注意事項があると気後れしちゃうかなと思うので、減らせるところは減らした方がいいはずです

それと、CGIを指定してSSを批評してもらう場合、連載は控える旨を書く方がいいかもしれません
読み切りと連載では批評にかかる負担が段違いだと思うので、そのせいでスレが停滞したら元も子もありませんし
あるいはもうはっきりと連載はダメですって書いてしまうかですね。アリにするにしても、完結済みだけにするとか、
連載の場合はその中の一ページを指定してください、とか。後者はそこまでの流れを書く必要がありそうです

379名無しさん:2017/04/03(月) 17:50:05 ID:ka3wMJ6k0
>>374-375
テンプレートたたき台作成、お疲れ様です。
自分なりに感じた意見を書かせてもらいます。

私も晒しよりも、批評依頼の方がいいと思います。

あと、批評の文章を書くのは、結構時間がかかります。
批評を書いている途中で〆発言されると、途中まで書いていてもお蔵入りすることになるので、基本的に〆発言は無しの方がよいと思います。

【辛さ】は、実は批評する人をかなり悩ませます。なので、
激甘:初心者向け 甘口:初級者向け 中辛:中級者向け 辛口:上級者向け
という感じでガイドラインを作っておいてはどうでしょうか?

それと連載ものは基本NGにした方がいいと思います。
長いのも批評が大変だし、未完の作品だったら批評しにくいです。

できれば、【文字数】千字単位のおおよそのもの(1万字なら 10Kとか記載)があるとうれしいです。
長い作品は読み込むのも時間がかかりますから。

380名無しさん:2017/04/03(月) 22:44:12 ID:kB3ZG8U.0
気まぐれで書かせてもらいました。



ふわり、と風が私の鼻孔をくすぐった。

気まぐれにこの世界に来て、これまた気まぐれに人間に化けて、遊び半分で街を歩いていた矢先だった。
元の世界では気になる人も、私に声を掛ける勇気のある人もいない。デーモンたるこの身にふさわしい情欲だけが、発散されないまま今までくすぶっている。
我が身を委ねたいほどに狂おしい愛を。魂を捧げられるほどに激しい欲を向けられたい。そして私もまた、それほどまでに私を求める者により強大な想いを向けたい。そんな、魔物的乙女思考をついついしてしまうのが私のクセだ。

いや、だった。

「――あぁ、この、匂い……!」

風に乗って漂ってきた、微かな匂い。
誰のものかも知れないそれを嗅いだ瞬間、私の身体は打ち震えた。そう、喜びに。
どこに居るかはハッキリ分かる。よだれを垂らした悪魔からは決して逃げられない。
なりふり構っていられない。透過魔法を自分に掛け、直後に本性を晒す。
人のものではない青い肌。瞳の白が闇色へと反転し、獲物を狙う悪魔のものへと変化する。
一秒にも満たない変化の直後、私は翼を広げ羽ばたいた。
空を駆ける。もっと早く。もっと、速く。
この匂いの先へ。悪魔をも魅了する匂いの持ち主の下へ。
拒まれる事も恐れられる事も、頭の中にはなかった。何故なら、そんな気持ちを消し去り快楽一色に染め上げてしまえばいいのだから。
見つけた。アパートの一室。窓が開いている。
魔法を解いて、部屋に入る。見まわしたその先には、こちらに背を向けている男性が一人。私に気付いていないようだ。

「あぁー……。こう、ボンキュッボンなエロ美しい女と付き合いてぇ……」

何という事だろう。こんなにも煩悩に満ち溢れているなんて。
とても、あぁ、とても。

「――素敵、よぉ、あなた……♪」
「……へぁ?」

すっとんきょうな声と共に、彼が振り返る。そして、全身を硬直させた。
さあ、何をしようかしら。どんな風にして、どんな事を言ってくれるのかしら。

子宮がうずいちゃうくらいにたまらなく、興奮するわね……♪

381名無しさん:2017/04/05(水) 11:59:04 ID:NOzJMPjc0
もう今まで通りでいいんじゃないか?

誰も書き込みしねぇじゃん。せっかくたまに読んで楽しんでたのに余計以外の何者でもないことしやがって・・・
おかげさまで更地だよ更地!
こんな中でSS投稿する奴もいないし
ボロカスに言われた批評者も戻るわけないし

スレも作らないでね絶対無駄になるから

382名無しさん:2017/04/05(水) 13:52:27 ID:ZR3S7Agc0
そっか
自分とリャナンシーちゃんがやってきたこと、全部余計なことだったんだ
ごめんなさい

自分たちはこのスレからは撤退します
批評スレを立てるかどうかも他の方にお任せします
もし批評スレができてもリャナンシーちゃんが足りなければ呼んでください

今までありがとうございました

383名無しさん:2017/04/05(水) 15:06:06 ID:ZQ9gYX/6O
>>382
いえ、貴方のせいではないと思いますよ。
少なくとも私はあなたの作品、批評などを楽しく読ませていただいたからこそ、多いときは一日三作というハイペースで書き続けられたのですから(リャナンシーちゃんとあまり得意では無い批評もしていましたが)。

今回のスレ分けについては、あまり良く分からなかったため静観しておりました(途中我慢しきれず二作ほど投稿はしました)が、今の現状を鑑みる限り、私も批評スレは不要だと考えております。
真面目な批評はある意味で創作より体力を消費します、一レスならともかくとして、投稿所の作品サイズともなると、労力はかなりのものになります。作法、時制だけでも一話ぶん全て手直ししたら1日がかりということも珍しくありません。
それを、全くの好意により行うというのは大変な事です。
おそらく、保たないでしょう。何より書き手スレッドがありますし。


私のごとき木っ端作者も潮時かと思いますし余計な事も思わず申し上げてしまいました。
故に、私も消える事に致します。
読んでくれた皆様、ありがとうございました。

384名無しさん:2017/04/05(水) 15:35:11 ID:/7ilfXFU0
お前ら誰だよ
せめてコテ付けろよ

385名無しさん:2017/04/05(水) 15:58:43 ID:xiapVMNc0
>>384
ケータイからなのでID違いますが383です。
作品的には11 14 15 16 22 30 32 46 100 106 125 141 143 166 171 174 176 178 180 187 189 201 204 233 237 244 249 252 254 255 256 263 273 274 275 282 293 294 304 306 368 369 376 の作者です。
本当に、潮時ですね……。

386名無しさん:2017/04/05(水) 16:07:52 ID:FDsdIRDM0
もういい加減、この話題はやめませんか?

批評スレは、『SS書き手で雑談しましょ』で「批評はリャナンシーちゃんでお願いします」と言えばいいだけですよ。
ここはリャナンシーの遊び場じゃないという意見に反対が一つもなかったようですから、1レスSSと短い感想のみを書き込む場所で、批評は禁止でいいのではないですか?
禁止しなくても、ここで批評する人なんて、もう出てこないでしょうけど。

それでは、スレ違い、失礼いたしました。

387382:2017/04/05(水) 17:21:04 ID:ZR3S7Agc0
>>384
もう書き込まないつもりでしたが、>>385氏にならってちゃんと名乗っていきます
50、63、65、90、113、123、149、175、186、250、272、296、307、331の作者です

>>383
あなたまで巻き込むような形になってしまって申し訳ございません
今後は小品集という形でも構わないので、あなたのSSを投稿所で読めることを願っています
そのときはきっと票も感想も入れさせていただきます

お目汚し失礼いたしました

388名無しさん:2017/04/05(水) 18:09:11 ID:vZXWpCoY0
ちょっと待て、気になって調べたら二人合わせて47作投稿してたぞ。

>>200から今までで区切って割合を調べて見たが

229 234 235〜237 264 266 268 270 277 279
291 292 295 297 311 320 325 339 344 380 の19作が二人以外ので

201 204 233 237 244 249 250 252 254 255
256 263 272 273 274 275 282 293 294 296
304 306 307 331 368 369 376

 の27作がこの二人のだぞ 
 これにリャナンシーとしての批評を加えるとほぼこの二人と他のリャナンシーのレス

389名無しさん:2017/04/05(水) 18:15:44 ID:vZXWpCoY0
これも異常な数字だけど、こうなると1つ疑問に思うんだ。
こうなった事の発端のCwihuGqA0が大義名分に掲げていた「私のSSが埋もれていくのつらい!」
っていう『私のSS』ってどれだ?

2人以外の作者はほぼ批評希望で投稿してるし、批評希望以外もこの二人だ。
そうなるとお前はいつ投稿して、それをスルーされたのかはっきり言って甚だ疑問なんだが

お前、まさか荒らすためにでっち上げしたんじゃないだろうな?

390名無しさん:2017/04/05(水) 18:50:31 ID:/7ilfXFU0
ていうか知りたいのは作者かどうかじゃなくてどういう主張かであってだな

391名無しさん:2017/04/05(水) 20:02:04 ID:i8raMG5U0
>>389
264 266 270 277 291 292 6作が批評依頼なし(380もだが、353以降なので除外した)
それに、200以前の作者でも埋もれると思っている可能性もあるしね。

それも含めて、あらし目的じゃないと思うよ。
批評中止するという書き込みに慌ててきつく言ったのを謝っているし、敬意が無いと指摘されて過敏に反応してるし。
もめることを狙って書き込んだようには見えないよ。

どっちにしても、去っていった人が帰ってくるわけじゃないから、どうでもいいよ。

392名無しさん:2017/04/05(水) 20:18:09 ID:RLjVZF1g0
>>389
私は>>26>>40>>270の作者です
話すべきことは場所の健全性の問題だと思ってたんですが、数の大小の話だったんですか?

批評スレが立てられた場合、ここで行っていなかった批評も依頼もするつもりだったんですが、
あなたのように場を荒らす人物が常駐する可能性を考えると立てない方が確かにいいでしょうね
こうして「荒らし」という構ってちゃん行為に複数人で反応してる時点でもはや建設的な議論は望めなさそうですし

私は>>366>>353で述べたように、ただ場所の最適化を行うべきだと主張していただけです
執筆も批評も崇高な行為であり、敬意を欠いたつもりは微塵もありません
リャナンシーちゃんをボロカスに言ってるのははたして誰で、どこにいるのでしょうか
更地にしてるのは誰ですか?SS投稿する気を消失させているのはどなたですか?

こういう方を見るたびに思うんですよね
魔物娘図鑑が好きな人間は魔物娘と同じ合理性と穏やかさを持っているわけではないんだ、って

393名無しさん:2017/04/05(水) 20:18:52 ID:RLjVZF1g0
>>392
間違えました、>>40ではなく>>45です

394名無しさん:2017/04/05(水) 21:21:07 ID:vZXWpCoY0
>>392
>>話すべきことは場所の健全性の問題だと思ってたんですが、数の大小の話だったんですか?

はい、そうです。健全性なんて、その健全な状態が誰の利益になるのかわからないと意味がないだろ
お前が言っている健全性はお前にとっての都合のいい健全性なの
お前の利益(3レス)よりスレの利益を優先する方が健全性あるだろ?

>>批評スレが立てられた場合、ここで行っていなかった批評も依頼もするつもりだったんですが、
あなたのように場を荒らす人物が常駐する可能性を考えると立てない方が確かにいいでしょうね
こうして「荒らし」という構ってちゃん行為に複数人で反応してる時点でもはや建設的な議論は望めなさそうですし

言いだしっぺの自分が立てるつもりなかったのか?議論の進展はどうした?
丸一日書き込みない上にスレも作らないとか、最初から作るつもりないよな?

>>執筆も批評も崇高な行為であり、敬意を欠いたつもりは微塵もありません
 そう思ってる奴が「リャナンシーちゃんの遊び場」なんていくらなんでも言わない
 あとでいくら言い訳しても、キツい言い方をする必要がないのにキツい言い方するのはただの暴言だ

>>リャナンシーちゃんをボロカスに言ってるのははたして誰で、どこにいるのでしょうか

 ここ、お前

>>更地にしてるのは誰ですか?

 お前

>>SS投稿する気を消失させているのはどなたですか?

 お前以外

>>こういう方を見るたびに思うんですよね
魔物娘図鑑が好きな人間は魔物娘と同じ合理性と穏やかさを持っているわけではないんだ、って

 鏡見るかお前のレス読み返せよ

395名無しさん:2017/04/05(水) 22:09:15 ID:1gxB75OA0
>>386さんも書いていたように、批評は『SS書き手で雑談しましょ』でしてもらい、リャナンシーちゃんに批評してもらいたいならその旨を伝えるようにすればいいのではないでしょうか?
このままではきりがありませんし、クロスさんにも迷惑を掛けてしまうかもしれません。
もう止めましょう。お願いします。

396382:2017/04/05(水) 22:14:11 ID:d22gAlpU0
止せば良いのでしょうが、ちょっと不本意がございますので書き込みいたします

他の方はどうだったかは分かりませんが、少なくとも自分は>>392氏の書き込みで
気分を害したといったことは一切ございませんでしたし、このスレが正しく1レスSSスレとして
本来の形に戻ることを望んでいる立場でありました

私の拙いレスが拾われていたことに気付き、この少し寂しかったスレが活発になればと
これまでSS投下やリャナンシーちゃんに批評をしてもらったりしていましたが
このスレ本来の利用者の方の邪魔になっては元も子もございません
そもそもの批評レスを最初に始めた私とリャナンシーちゃんが原因ということで
私たちのスレ撤退に免じて、というわけではありませんが
他の利用者の方々には今まで通りにSSを投下していただきたく思います

ですが最後にお願いがございます
皆様、今後はもっと投下されたSSに反応をしてあげられないでしょうか

SSが投下されても、誰も反応を返さないのであればスレは当然衰退いたします
感想の1レスでもあればSSを投下する側はやる気が出てくるはずです
次の作品を投下しようという意欲も湧いてくるはずです

それが無かったから、少し前までのこのスレは寂しい場所だったのだと思います
私がリャナンシーちゃんと一緒にしていたのは、その改善のための”反応”でした
もちろん全ての作品に感想等を返せたわけではありませんでしたが……

更地、という表現がされるのなら、私が参加した当初の状況はまさしく更地同然でした
1日レスがないだけで更地になったと言われるのは、それはこのスレが活発になった証拠でもあると思います

このスレが再び更地にならないように願っております

もしこのスレが再び更地になったなら、そのときは
リャナンシーちゃんとこっそり二人で苗を植えに来たいと思います

長文失礼いたしました

397名無しさん:2017/04/06(木) 00:37:37 ID:uITwwwKk0
>>392
とりあえず……ここで一作書いては如何ですか?
埋もれて辛いのであれば、また新しく書くと良いでしょう。

398名無しさん:2017/04/06(木) 09:26:39 ID:OZZ9Djw60
つか賛成・反対でだべってないで雑談スレで議論して下さい。

SS投下する人やリャナンシーちゃん達の邪魔です。

399名無しさん:2017/04/06(木) 22:50:21 ID:Ur2nCSfE0
本物のリゃナンシーなら、自分の遊び場よりもここが作品を上げる場である事を大切にしてくれるだろう。
批評をするにしても作品の邪魔にならないように、きっと気遣ってくれる筈だ。

400名無しさん:2017/04/07(金) 07:39:47 ID:01Pd/DOM0
前向きに考えればここで創作やアドバイスに割いていた人たちの何人かが、今までの労力や技術を投稿所の方に向けてくれたら、ここよりもっと色んな人に読んでもらえて良いかもしれないね。
作品も批評もそれだけの魅力はあったからさ。

401名無しさん:2017/04/07(金) 14:34:15 ID:I8.l14NY0
>>399同意。『批評して下さい、お願いします』って一言添えれば批評して
くれると思う。それがないと批評していいのかわからないからスルーされるかもしれない

>>400投稿所は読んでもらえても、なかなか批評・感想はつかないから

ここに投稿しているのでは?

402名無しさん:2017/04/07(金) 15:38:42 ID:v/GTGivk0
>>401
いや、アドバイスしてたリャナンシーちゃんたちに向けてのメッセージなんだ。
この人たちなら投稿所でも余裕で票も感想も付いてたから戻ってきてほしいなって。

403名無しさん:2017/04/07(金) 17:01:58 ID:I8.l14NY0
>>402
勘違いしてました。すみません。
久しく書いていなかったんで投稿、できればリャナンシーちゃんに批評してもらいたいです。

 俺の名はカイル。考古学者を生業としている。
 七日前、俺は密林の奥にある遺跡を調査・探索していた。
 なんでもこの遺跡には古代文明のとんでもない秘宝があるとの情報を入手したからだ。
 数々の罠や仕掛けをくぐり抜け、何とか最深部にたどり着いた。
 そこは国王の謁見の間のように広かった。
 しかも玉座には一体の人形が座している。

「これはすごい……完璧なオートマトン、古代文明の技術の結晶だ」

 古い記述や古文書でその存在は知っていたが、実物を見るのはこれが初めてだった。
 剥き出しの関節部がなければ人間と言っても差し支えない。

「このタイプは女性か……」

 大きく膨らんだ胸部にくびれた腰、女性らしい曲線を描いて下腹部へと続く。
柔らかい人工の肌、髪、唇……そして開いた美しい瞳……瞳?さっきまで閉じていた眼が開きこちらを見ている!?

『プロテクトNO1オヨビNO3マデ解除、マスター登録指定シテクダサイ』

 オートマトンの口が開き、けたたましい警報音が鳴り響いた。
 何だこれは!? こいつも罠の類か?

『プロテクトNO1オヨビNO3マデ解除、マスター登録指定シテクダサイ』
「警報を止めてくれ! うるさくて敵わん」
『マスター登録指定不明、自爆プログラム作動、カウントダウン開始シマス
1000、999、998――』

 自爆!!  起動と同時に自爆するトラップか!?
 落ち着け、まだ時間はある。オートマトンは惜しいが脱出するしかない!

『――10、9、8』

 え……はやいんですけど? 997から11までの間は?
 俺はもうヤケクソになってオートマトンの側頭部を掴み叫んだ。

「俺がマスターだ! 俺がマスターだ! 登録しろ! 登録指定! 俺!」
『――プロテクトNO4カラNO5マデ解除、VO-09再起動完了』

 警報音が消え、プシューと空気が抜けるような音がしてオートマトンは立ち上がった。
 玉座から伸びている細い配線が次々に抜け、数歩歩いて俺の前に跪いた。
 俺をマスターに認証したのか……

『アタシ、主ガ大好キ、主ガ大好キ! ングングチュポチュポ、ペロペロシコシコ
ナンバーワン』

 ……これ、置いて帰ろうか。
 古代文明の粋を集めて作ったのはオートマトンに何て機能をつけてんだ。
 これを作った奴はきっと童貞に違いない!



404名無しさん:2017/04/07(金) 21:47:20 ID:Gezm18FU0
新人リャナンシーです。

色々と言いたいことはありますが、未来に繋がらないことは、チラシの裏に書き殴って燃やしてやりました。燃やすときに、イグニスちゃんがとってもいやそうな顔をしていました。汚いものを燃やしてゴメンね。

ともあれ、私は、このスレが廃れるのも仕方ないという人よりも、このスレが盛り上がるようにと行動する人を応援したいです。

>>403
ごめんなさいね。ここでの批評はクレームがついてできないの。だから、代わりに「感想」で勘弁してね。
あ、私からの「感想」を希望される方は、本文の冒頭か文末にでも書き込んでくれれば、できうる限り、「感想」をつけます。

余計な話が長くなっちゃったわね。それじゃあ、感想です。

ギャグよね。魔物娘って、こういうギャグが似合うのよね。オートマトンちゃんって、澄ました感じがするから、余計に面白く感じるよね。面白かったです。

それで、気になったところなんだけど、最初の名前の自己紹介は、その後に名前が出てこないから不要と思うの。名前をどうしても出したいのなら、冒頭じゃなくて、マスター登録のところで出せば違和感がないわ。
冒頭に名前を出してギャグにする手法もあるんだけど、1000文字前後だと難しいからやめた方がいいわね。

あと、「調査・探索」と中黒(・)を使っているけど、人名とかじゃないなら、読点(、)の方がいいと思うわ。

細かい話だけと、マスター登録するところで「側頭部を掴んで」となっているのに、そのあとに、起動したオートマトンが「数歩歩いて」というので、位置関係が少しおかしい気がするわ。主人公が自爆モードが停止してほっとして、後退ったとかの描写を入れた方がわかりやすいわね。

ギャグに関してだけど、故2代目桂枝雀師匠が、「笑いは緊張と緩和」と言っていたわ。
緊張したところで緩和するから笑いが生まれるってこと。でも、緊張が過ぎればつまらない。緩和が過ぎればしょうもない。その塩梅が難しいということも言っていたわ。
今回の話は、自爆という緊張の場面から、カウントのワープという緩和がとてもよかった。
でも、序盤から少し緊張感を作っておけば、もっと面白いと思うわ。
最深部に到着したという描写をしっかりすることや、オートマトンを見つけた喜びをもう少し表現するとか。ちょっと、簡単に書きすぎていて、残念だったかな?

前述した同じ理由で、オチになるオートマトンちゃんの台詞の前に、もう少し間を取ったほうが、台詞のおかしさが際立つわ。
俺をマスターに認証したのか。まあ、オートマトンのマスターってのも、悪くないな。くくく、大貴族でもそうはいないぜ。
――と言った感じね。

オチのところは、好みだけど、「これ、置いて帰ろうか」が最後の方がいいかな?
「アタシ(中略)ナンバーワン」
オートマトンだぞ? 技術の粋を集めた。まったく、技術者って言うのは、いつの時代も変態の童貞野郎だな!
「マスターの未使用チンポにロックオン」
……これ、置いて帰ろうかな。
――といった感じ。

いかがでしたか? 私の感想。次の創作の役に立てばいいな。
それじゃあ、またの投稿を楽しみにしています。

405名無しさん:2017/04/08(土) 18:42:08 ID:N/RzdYq60
>>403です
リャナンシーちゃん、感想ありがとうございました。
読み返したつもりでも抜けている部分があって反省です。
名前とか側頭部の件はとくに。

感想とは別件なのですがテキストで文章を書き、
頭文字を1字開けても、投稿すると1字開けていない状態に戻ってしまいます。
方法がわからないので投稿してから頭文字を1字1字開けているのですが
非常に面倒な作業で……
どうやれば1字開けたまま投稿できるのでしょうか?
教えてください。

406名無しさん:2017/04/10(月) 21:26:53 ID:jktIdW3s0
最近顔を出していなかったけど、何か色々あったみたいだね(。。
批評するしないとか、特定の人だけがSSをするとかはあまり気にならないかなあ(。。

「自分の書きたい内容を長い文章に表わしづらい」「気軽に話を投稿したい」

そういう人が集まってワイワイ楽しめたらそれでいいんじゃないかなぁ。
ほんわかスレ推奨だし?(_’
批評って言葉が気になるって人は、「感想」とか「お直しポイント♪」に置き換えてみたら、ほんわかするんじゃないかなぁ(。。

てことで、また気が向いたら顔を出すね(。。

407名無しさん:2017/04/11(火) 17:02:54 ID:/XBVv1qk0
>>406同意。というわけで投稿。リャナンシーちゃんに感想希望。

『おはようございます。本日のニュースは――』

 うるさいラジオをそのままに、俺は横で眠る嫁に抱きついた。
 さっきまですぅすぅと寝息をたてていた嫁の眼がぱちくりと開いた。
 形部狸特有の眼がキッと細くなる。

「……暑い」
「もっと暑い朝のホットミルクなんてどうかな?」
 
 嫁の股に朝立ちチンポを押し当てた。
 すると、どこから取り出したのかオナホールが顔に押し付けられる。

「暑い、いうとるんや、コレで抜けばええやろ」
「まだ結婚して間もないのに邪見にされるとはこれ如何に」
「税込みニ千三百な」
「え、ええ〜……ここなら無料でしょ?」

 嫁の股を手でなぞると、これまたどこから取り出したのかソロバンを顔面に叩きつけられた。かなり痛い。

「忘れとったわ。 ローション込みで四千八百な」
「嗅いませんので隅に行っていますよ」

 俺はゴロンと寝返りをうって嫁に背を向けた。
 嫁はため息を付き、気だるげに上半身を起こす。
 俺は視線だけ嫁に向けた。いつも裸で寝ている嫁の横乳が目に入った。
 ふるんと震えるおっぱいに朝立ちの息子が更に反応した。
 嫁はポリポリと頭を掻き、目覚まし時計を確認すると、大きな欠伸をして再び横になった。

「あー、だる……あんた、飯作るん面倒やから――」

 俺は再び寝返りをうち、嫁の尻に息子をあてがった。
 ふにふにした新妻お尻は心地いい。
 いや、経産婦の熟したお尻もいいけど。
 
「――なんでする流れになっとるんや?」
「いやぁ……息子が我慢できなくて」

 もみもみと背後から嫁の乳を揉む。お米が立ってるね、うん。
 これならアソコも……大丈夫だね、うん。
 嫁さんも機体してたんじゃん。嬉しいね。

「下の口から俺の朝ごはん、食べる?」
「あーあー、めんど……短めで」

 俺は嫁さんのおっぱい掴んだまま、後ろから息子を押し込んだ。
 濡れている嫁のアソコは驚くほど簡単に息子を受け入れる。

「おお、すんなり入った。気持ちいいよ」
「んッ……あんたの形になっとるんや、当たり前やろ?」

 そして俺と嫁は昼までチュッチュッした。

おしまい

408名無しさん:2017/04/11(火) 19:41:21 ID:b77iBWhc0
>>407
新人リャナンシーです。今日も頑張って、微妙な感想を書いちゃいます。

形部狸さん、ツンデレだね。素直になればいいのに。でも、そんな狸さんがかわくもあるよね。

じゃあ、気になったところね。

最初の文を台詞にして、読者をつかむのは、定番中の定番な手法ね。
でも、それは、インパクトが必要だし、その後で台詞を解消しないと不満になっちゃうわ。
今回の場合だと、読者をつかむには台詞がちょっと弱いし、解消もぼんやりになっちゃっているわ。
でも、朝を描写するための道具として、ラジオニュースを使っているのはいいアイデアね。
残念に感じたのは、ラジオはずっとついてたの? タイマー機能でついたの? そのあたりを描写しないと、主人公が起きていたのか、目が覚めたのかが表現されずにいて、もったいないなーと思ったわ。
目覚まし代わりにタイマーセットしたうるさいラジオはそのままに――とすれば、主人公が目を覚ましてすぐに、嫁に抱きつきにいったのがわかりやすいわ。
そして、ラジオがここだけの使い捨てになっているから、宙に浮いている感じになっちゃっているのね。それが解消がぼんやりの原因ね。
だから、最後に――
『こんにちは。正午のニュースです』
俺の嫁の「短め」は半日だと理解した。
――とすれば、最初と最後をラジオニュースでまとめて、最初の一文が意味あるように感じて、すっきりすると思うの。
途中でも、ラジオの音声を上手く使えると面白くできる気がするけど、それは言わないでおくわ。

全体を通して、形部狸さんが素っ気ない印象が強いわ。だから、最後のセリフがちょっと突然な感じになっちゃっている気がするの。
一人称小説だから、主人公が経験したこと以外が書けない制限はあるけど、主人公の感情補正をかけれるわ。だから、主人公にちょっとウザいことを思わせて、最後のセリフへの助走をつけさせたらどうかなと思ったわ。
「こんなことを言いながら、本当は俺のが欲しいんだよね」とか「オナホの代金、お小遣いの少ない俺が払えないの知ってるくせに売りつけてきて、ミエミエだよ」とか。
素っ気ないのは恥ずかしがっているだけとか、そういうのを明確に意識させることで、素っ気ない言動を読者で脳内補正させればどうかなと思ったわ。

文章も読みやすくて上手いから、多分、結構、書き慣れている作家さんだと思う。
そう感じるから、余計にあとひと手間ほしいと思っちゃうんだよね。読者って勝手よね。

もっとも、このあたりのレベルになると、好みが強く反映されるのよね。でも、感想ってことで、ご勘弁ください。

それじゃあ、ありがとうございました。また、投稿してくださいね。

409名無しさん:2017/04/11(火) 19:50:47 ID:WCL278e.0
ふと、思った(_’
批評(感想・修正ポイント♪など)の辛口具合で誰に頼むかを変えるのはいいのだろうか(。。


甘口(ほめて伸ばすタイプ):ホルスタウルス
中辛(普通。良いところも悪いところも):リャナンシー
辛口(作家的に一歩踏み込んで):バフォメット

いや。
「文章大好きなリャナンシーに辛口の感想を言わせるのは嫌なんだー!」とかそう言うのでなければ今まで通りでいいのかなと思うけど(。。
感想言ってるリャナンシーちゃんたちに聞いてみて上手くいくなら、役割分担もありかなってぐらい(。。

410名無しさん:2017/04/11(火) 20:50:27 ID:/XBVv1qk0
>>408リャナンシーちゃん、ありがとうございます。
かなり即興で書いた分にここまで感想もらえるとは思いませんでした。
本当にありがとう。指摘された分をふまえて書き直してみようと思います。
長くなりそうなら投稿所かな。

追伸:関西出身の友人に聞いてみたところ
「んッ……あんたの形になっとるんや、当たり前やろ?」の文は
「んッ……あんたの形になっとんの、当たり前やろ?」だそうな。
エセ関西弁で申し訳ないです。

>>409いいですね。辛口はドラゴンさん、人虎さんもいけそうな気がする。
甘口は抱擁系の魔物娘は鉄板かな。

411名無しさん:2017/04/12(水) 03:09:36 ID:HdAH7Oy.0
なんつーか、そういう内容の問題じゃない。

本当に色分けが必要なのは、批評の内容の色分けじゃなくて、スレの主目的の投稿された作品と、
それに付随であるはずの感想や批評なんじゃね?
不満が噴出した大元はその辺りなんで。

もともと機能的に不向きな掲示板で無理して作品投稿の場として使っている訳で。
機能的な余裕が無い所に、その辺りを遠慮しない作品並の規模の批評が好き放題に放り込まれれば
あっという間にあの様です。

批評部分を新規スレに分離する案もその辺りで出ていた訳で。

色々アイディアを出されているようですが、その前に本末転倒をなんとか制限しておかないと、ま
たまともに機能しなくなり不満が出ますよ。


スレが立てられた目的に沿った主従・優先度を明確にして、あくまで従でしかない批評が本来の主
である筈の作品を邪魔しないように、量的な制限をかけるなりなんなり。
また「作品」、「感想・批評」と、投降内容の種別を名前欄に記入するなどして区別を図るなど。
(種別は、覚的な差別化効果を期待して、文字数も変える)

412名無しさん:2017/04/12(水) 12:29:44 ID:FDpBvZm.O
「おはようございます♪」
「ひゃあっ!?」

ひたり、首筋に当たる冷たい感触で、僕は目を覚ました。
目を開けると、美しい銀髪の少女の微笑みが僕の事を見下ろしていた。
首筋に触れた手から伝わる冷たい体温は彼女がゆきおんなという魔物である事を伝えてくれる。

「ふふ。今日は休みですけれど、もうお昼ですよ」
「え。もうそんな時間?」
「昨日はいっぱい頑張りましたからね。お疲れなのかも知れません」
「はは……たしかに」
「ふふ。昨日はとっても気持ち良かったですよ」

しゅるり。
青の着物の衣擦れを聞きながら、彼女の笑う姿を見る。
思わず僕もつられて笑ってしまった。

「今日の朝食は何かな?」
「昼食でもありますから……冷やし中華にいたしましょうか」
「もう、売ってるんだね」
「ええ、もう暖かい頃ですから……冷やし中華、お嫌いですか?」
「いや、好物だよ」

相槌をつくと、窓越しに日の光が目に入る。
昼頃の暖かい太陽の熱が、ぽかぽかと体を温めてくれた。

「今日は、天気もよろしいですし。お買い物に行ってもよろしいですか?」
「ああ、僕もついてくよ。荷物持ち位にはなるかもしれないし」

つるつると冷やし中華をすすりながら、のんびりと話をする。
ちょっと時期が早いけれど、甘酸っぱい自家製のタレのついた彼女の冷やし中華はやっぱり絶品だ。
「帰りに、公園に行こう。きっと桜が見頃だ」
「ええ。楽しみですね」

春うららかなその日。
僕は、彼女と居る幸せを噛みしめていた。

413名無しさん:2017/04/12(水) 13:35:07 ID:pRWaUos60
>>411作品の邪魔なので雑談スレで議論して下さいね。

414名無しさん:2017/04/12(水) 21:27:19 ID:vaId7MO60
どのやり方がいいのかはわからんし、別スレ立てたほうがいいと思う人は感想専用のスレを立ててみたらいいと思う(_’
それはさておき、SS投下(。。

--------

チャイムの音が聞こえた。
授業が始まるかと思って顔を上げると、夕日に照らされた黒板が目に入った。
どうやら終礼で力尽きてそのまま寝てしまっていたらしい。
窓の外からは、グラウンドで響く運動部の声が聞こえてくる。
トロンボーンの音も聞こえてくる。
吹奏楽部の誰かが一人で残って練習しているのだろう。

きっと今日も彼女は屋上に居る。
そう思って、鞄を手に取り立ち上がった。

屋上には夕日に照らされたセーラー服の少女がグラウンドを見下ろしていた。
特別性に改造された袖からは鳥の翼が見えている。
何をするでもなく、彼女はただ屋上に立っていた。

「何か見えるか?」

問いかけた声に反応して彼女が振り向く。

「特に何も。強いて言うなら、学校の音が聞こえてくる」

彼女は目を閉じたまま退屈そうに返してきた。
彼女はセイレーンの同級生。
彼女は学内ではかなりの有名人だ。
奇人変人な天才肌という意味で。

種族柄、音楽に関して人一番敏感だったのだろう。
彼女は音だけを楽しみたかったらしい。
だから、彼女は自分の目をつぶした。
人も魔物も多くの場合、目から入ってくる情報を軸に生活している。
彼女にはそれが耐えられなかったそうだ。
よくわからない話だ。

「歌わないのか?」
「歌にふさわしい音が私の中から出てきたら、歌う」

こちらに背を向けて彼女はまたグラウンドを見下ろす。
何も見えるはずがないのに。
彼女は学校の音を聞いているらしいけど。
わざわざこんなところに来なくてもグラウンドに行けば聞こえるのに。
そう尋ねた時、彼女はこう返してきた。

「ここがいい」

訳がわからない。
ついでに言えば彼女に付き合って屋上でグラウンドを見下ろしている自分自身も、訳がわからない。

「良い音に出会えたらいいな」
「今のところは順調に進んでる」
「そうか」
「そう」

何が順調なのかは全くわからない。
聞いても答えてくれない。
けれど今日も日が落ちるまで、彼女の隣で立っているだろう。

「頑張れよ」
「大丈夫。まだ時間はある」
「そうなのか」
「誰かが転校でもしない限り」

誰が転校するんだか。
ため息をついてグラウンドを見下ろし、ふと視線を感じて彼女を見る。
目が見えないはずの彼女がこちらを向いていた。
見ることを拒絶した彼女が、わざわざこちらに顔を向けていた。

「それで、何の歌を歌うつもりなんだ」

少し気恥ずかしくなって、話を逸らそうとした。
彼女は微かに音を立てて笑った。

「内緒」
「なんでだよ」
「じゃあ話す」
「どっちだよ」

彼女はますます上機嫌になったようで、クスクスと笑う。

「私が歌いたい歌は」

魔法を唱えるように。
あるいは舞台の上に立つ主演女優の様に。
彼女は笑った。

「学生の恋だよ」

415名無しさん:2017/04/13(木) 18:31:01 ID:gi19BMTI0
>>414
色々とドラマが想像できて、その場の空気が感じられるよい作品ですね。
こういうお話、好きだな。

416名無しさん:2017/04/22(土) 20:32:13 ID:.8aAAyB20
種まきにSS……じゃなくて詩まがいのものを一つ。

 ☆

あなたを見つめてみたい。
あなたを見つめていたい。
あなたに見つめられたい。
あなたと見つめ合っていたい。

あなたがこの視線に晒されたなら。
きっとあなたは私に夢中になる。
私がこの視線に晒されたなら。
きっとあなたに夢中になる。

あなたが好きって私の本音。
それを仮面は覆い隠す。
あなたへ向ける熱い視線。
それも仮面は覆い隠す。

ねえ。
胸が苦しいよ。

あなたを見つめてみたい。
あなたを見つめていたい。
あなたに見つめられたい。
あなたと見つめ合っていたい。

417名無しさん:2017/04/23(日) 18:03:35 ID:sYEwIfH2O
「192、193……」

一本、また一本。数えながらケーキにろうそくを立てていく。
手元のろうそくを確認する僕の目の前には、たくさんのろうそくが刺さってハリネズミのような姿になったケーキがわびしいたたずまいを示していた。
彼女の大好きな苺はは、乗せきらなかったため、外してしまっていた。

「そうじゃな……今度の誕生日には、儂の歳の数だけろうそくの刺さったケーキを見せて欲しいのじゃ」

脳裏に浮かぶのは、僕の大好きな人--永い時を生きたバフォメットの寂しそうな笑み。
その理由がほんの少しだけ、わかった気がした。

「出来たようじゃな」
「……はい」

全てのろうそくをさし終えた僕の後ろから、聞こえた声。
振り返ると、山羊の角を持った美しい魔物がそこには居た。

「お主には……このケーキは、どう見えた?」

普段の良く通る声とは違う、震える声の問い。
彼女の長い髪が、その表情を隠していた。

「……それは」
「そのケーキは、儂じゃよ。永い時を過ごし、歪みきった存在--最早火を付ける事も叶わぬ。さすれば、火柱となるだけじゃからな」

自嘲気味に、歯を見せて笑う彼女。
前髪の間から見えた瞳は、夕日を浴びて潤んでいた。

「お主には、儂の本当の姿を知って欲しかった。それだけじゃよ」

饒舌に語る彼女の姿は、どこまでも寂しそうに見えた。
だから、僕は。

「ケーキ、食べませんか?」

二人で、ケーキを食べることにした。
元々、彼女の大好きなケーキなのだ。ろうそくを立てた位で味は変わらない。

「今日は、半分こですよ」

ケーキに刺さったろうそくを抜いて、苺をのせる。
二つに切れば、スポンジとクリームが美しい断層を見せてくれた。

「ほら、おいしそうだ」

ポカンとする彼女を椅子に座らせて、ケーキを置く。
甘い、バニラビーンズの香りがあたりに満ちる。

「お主は、良いのか?」
「……ええ、味は変わりませんから」

一口含んで笑みを見せると、彼女も微笑んでくれて。

彼女の誕生日に、僕ははじめて彼女の笑みを見ることが出来た。

418名無しさん:2017/04/23(日) 18:30:01 ID:sYEwIfH2O
「でやぁっ!」
「させるかぁっ!」

魔物たちによって禍々しくも栄える魔都、レスカティエ。
リリムから稲妻のごとく繰り出された腕を、私は左手で弾き飛ばす。

「隙ありっ!」
「っ!」

直後に死角となった右から繰り出されたヴァンパイアの蹴りを額で受ける。
衝撃で一瞬歪む視界に写るのは、リリムとヴァンパイア--そしてワイト、リッチ、ファラオにバフォメット。翼を広げるドラゴンであった。

「負けるか……!」

戦力は圧倒的。
勇者として鍛え上げた私だからこそ分かる絶望的な差。
しかし、それでも。
私は諦める訳には行かなかった。

「そのブーケは、私の物だあああっ!」
「こやつ、我を踏み台に!?」

私はサキュバスの翼を広げながら吼え、飛び立とうとしたドラゴンの翼を掴む。
視覚に頼らずとも、永い独身生活によって強化された魔物の嗅覚が私を支えてくれる。
ドラゴンを踏み台に跳躍してブーケに手をのばす。距離は完璧。あとコンマ数秒で私の手にブーケが握られる--!

「私を忘れるなよ?」

だが、届かない。
転移したリッチが私の手を弾いたのだ。
その顔には普段見せることの無い何かが宿っていた。

「そう、妾の物なのですか……」
「儂のなのじゃ!」

そして術者達の魔力にぶれる、ブーケの軌道。予想外な方向へと飛んだそれは。

「あ。あれ!?アタシ?」

たまたま参列したゲイザーの手にポトンと落ちたのだった。
崩れ落ちる私達。
レスカティエに置けるブーケトスの戦いは、意外な勝者で、幕を閉じたのだった。

419名無しさん:2017/04/23(日) 20:25:12 ID:Fx/dRaxQ0
>>418
これは笑った
そして最後の勝者はゲイザーちゃんとは、やっぱりゲイザーちゃんは最高なんだな!

しかし>>417の『永い時』って表現に物悲しさがあるんだが
>>418では『永い独身生活』って……どんだけ独り身なんすかね、この元勇者さんw

420名無しさん:2017/04/23(日) 21:07:53 ID:sYEwIfH2O
>>419
感想、ありがとうございました。
やはりゲイザーちゃんは可愛いなと……。

レスカティエだと未婚の男の人が少なそうですから、仕方ないのです。ええ。
魔物感覚で永い時を独身……彼女の本気を感じていただければ幸いです。

421名無しさん:2017/04/26(水) 23:18:18 ID:znDHPvGE0
文章が書けなくなった。



プロポーズとは、カップルにとって一世一代の大イベントである。
相思相愛の男女が将来を誓い合う瞬間――それを素敵に飾りたいと思うのは、男女問わず当然なんじゃないだろうか。
そして、それを失敗させるわけにいかないと思うのも必然だと、僕は考えるわけである。

というわけで、実際に彼女に聞いてみることにした。

「君はどんなプロポーズが良い?」
「……それ、相手に聞くもの?」

呆れたような半眼でこちらをじっと見つめてきた。
流石はゲイザーだけあってすごく絵になってるな、なんて関心してると、彼女が深いため息をつく。

「キミってホント無頓着だよね、そういうの」
「あ、ため息吐いてるところ可愛い」
「なっ……! ほら、すぐそうやって変なこと言う……!」

ぷいと頬を赤らめてそっぽを向く彼女。
そういう仕草がいちいち可愛くて仕方ないのだけれど、言うとまた恥ずかしがるから、口に出さないでおこう。
……あんまりやりすぎると催眠でこっちに反撃してくるしね。

「でさ、プロポーズなんだけど」
「え、本気で言ってるの?」
「本気も本気」

そう僕が答えると、彼女は再び深いため息をついた。
それから小さく「プロポーズかぁ」と呟くと、唇に指を当て、天上に目を向けて。
しばらくそうした後に、ポツリ。

「……普通が良いかなぁ」

と、彼女が言った。

「普通?」

僕が聞き返すと、彼女は小さくうなずく。

「それは確かに、ロマンチックなシチュエーションに憧れたりもするけど……」
「けど?」
「キミとなら、違うんだ」

隣に座っていた彼女が、倒れ込むようにこっちに寄りかかってきて、目を閉じた。

「いつもと変わらずに言ってほしいの。結婚してって、当たり前みたいに。アタシと一緒にいるって……それが何でもないって風に」

いつもと変わらずに、当たり前みたいに。
それが、何でもないって風に。
もたれかかる彼女の体重を心地よく感じながら、彼女の言葉を反芻する。

ああもう、どうして彼女はそんなことを言うんだろうか。
僕の胸が痛いぐらいに高鳴ってしまっている。
ほんのちょっぴり、目頭も熱くなってしまったり。

彼女のことが大好きで。
愛おしくて。
彼女の愛に応えたくて。

こんなんじゃ普通な様子でプロポーズなんて、できっこないって。

「……聞いておいて、なんなんだけどさ」
「なぁに?」
「難しいよ、それ。君が好き過ぎて、今心臓バクッバクしてるもん」

それだけ言って、僕の方も目を閉じて彼女に寄り添った。

「じゃあ、プロポーズはまた今度だね」
「言えたらオッケーしてくれる?」
「しないなんて思うの?」
「ううん……ありがとう」

ドクンドクンと、熱い鼓動。
それから、トクントクンと、温かな鼓動。
僕らは二つのハートの音を聞きながら。
いつの間にか寝てしまうまで、静かに寄り添い合っていた。

422名無しさん:2017/04/27(木) 13:12:21 ID:/OZKPPkQO
>>421
ゲイザーちゃんがとっても可愛いお話ですね。尊い。
普通の良さ、凄くありだと思います……。

423名無しさん:2017/04/30(日) 13:26:46 ID:qJe1rexs0
苗を植え植え。



「どうしてわたしのSSって数が少ないのかなぁ……」

うっ、と僕は答えに詰まってしまう。
ちょっぴり哀しげな顔をして呟く目の前の女の子。種族は、マタンゴ。
大きな傘を帽子のようにして、体中からポコポコきのこを生やしている様子は、ファンシーで可愛らしいと言えばそうなのだけれど。

「わたしって、魅力ない……?」
「いや、そんなことは絶対にないよ! 可愛い、マタンゴちゃん可愛い!」

そう、可愛い。愛らしい。
このSSを読んでいるみんなも想像してほしい。
例えばロリボディのマタンゴちゃんが、自分の傘を両手で被るようにして「えへへ♪」と満面の笑みを浮かべている光景を。
ほら、萌えるでしょう。心に触れるものがあるでしょう。
どんな魔物娘だって、その存在は愛おしくかけがえのないものだ。
マタンゴちゃんだって例外ではない。
……の、だけれど。

「それじゃあ、どうしてSSは少ないのかなぁ……」

再び、うっ、と答えに詰まる僕。
言えない。
正直に「扱い辛いです」なんて言えない。

だって君たちって無差別に胞子を撒き散らしてバイオハザードしちゃうんだもん。
女の子がマタンゴ化するだけでなくて、男の子の方も「きのこ人間」になっちゃうし。
そのせいで物語の背景が非常に限定されちゃうんだよ。
例えば『マタンゴちゃんの胞子に誘われた男性がフラフラと深い山里に向かい、そこで出会ったマタンゴちゃんとラブラブえっち!』みたいなね。
魔物娘図鑑らしい王道SSと言えば聞こえが良いけど、厳しく言っちゃうと型に嵌ったSS。
これぐらいしか底辺SS作家の自分には作れそうもないです、はい。

……言えない。言ったらハートブレイクしそうだから。

「わたしも学校で、男の子と甘酸っぱい青春とかしてみたいっ!」
「ぶっ……!」

どうやってさ、という言葉はなんとか飲み込んだ。

いや、魔物娘には向き不向きなシチュエーションがありましてね?
学校という閉鎖空間に君たちをポンと投入しちゃうと、大惨事にしかならないんじゃないかと。
ギャグなら許されるけど、真面目なSSとなるとちょっと……。
ていうか君たち、動けないじゃん。根を張っちゃってるじゃん。
そして君たちの青春相手はもれなく「きのこ人間」になる運命なわけで……。

アカン。まともなSSにできる未来が見えへん。

「ねえ、どうにかしてわたしの青春ぐらふぃてぃーなSS書けないかな……?」
「え゛? いや、その……」

僕の腕を取って上目遣いで見上げてくるマタンゴちゃん。
そのお目々ウルウルと柔らかむにゅむにゅな感触に僕は絆されてしまい。

「が、がんばってみるね?」
「わぁ、ありがとう!」

ヘタレた返事をしてしまった。
嬉しそうにバフッバフッと胞子を吹き出す彼女。
ばれないように、こっそりため息をつく僕。

とりあえず、みんなから意見を募って、どうにかして考えてみようか。
お題は『いかにして現代舞台でマタンゴちゃんの青春SSを書くか』だ。
……文字にしただけで無理そうな雰囲気がヤヴァイんですけど。

自分もきのこ人間にならないよう、全身防護服とガスマスク姿のまま、僕は頭を抱えていた。
こんな無理難題を考えてくれる書き手仲間がいてくれることを、切に願いながら。

424名無しさん:2017/04/30(日) 13:33:01 ID:qJe1rexs0
マタンゴちゃんSSが少ないなぁって思ったらできた怪文章。
誰か1レスSSにして投下してくれても良いのよ?

425名無しさん:2017/05/01(月) 21:59:36 ID:02pYLnwsO
「あれは、どんな建物なの?」
「あれは体育館だよ。体育--運動の授業で使うんだ」

祝日のがらんとした学校。
体のほとんどを隠す雨合羽を着て負ぶさる少女に、僕は通い慣れた高校の説明をする。

「へえ、運動って、楽しいの?」
「どうかなあ……疲れちゃう事もあるから」
「そっか……でも、羨ましいな」

背中から聞こえる声に僕は、彼女に見えないように苦虫を噛み潰したような顔になる。

「--私は、歩けないから」

彼女には、足がなかった。
雨合羽の下にあるのは、魔物の姿。
紅の頭の傘から胞子を撒き散らし、女性を同族へと、男性を茸人間へと変える存在--即ち、マタンゴである。
彼女が住まう山から数キロ。僕はここまで彼女を運んで来たのだった。

「大丈夫?ずっと負ぶってて疲れてない?」
「軽いから、大丈夫だよ」
「足、震えてる。ごめんね、私のワガママで。学校がみてみたいなんて」
「そう、かな……でも」

僕は小さく言葉を切った。

「君は、僕の恩人だから」

彼女を支えながら、微笑んで見せる。
振り返ると、彼女は困ったように笑っていた。

「私は歌を聞いただけだよ」
「それでも、いいんだ」

僕に、友達と呼べる人は居なかった。
嫌われるのが苦手だから、近づけないでいた。
目立たないように、透明人間のように過ごす僕は、クラスのみなから友達とも敵とも違う空気として過ごしていた。
最後に会話をしたのは、多分数ヶ月前。
学校は、嫌いだった。
だから、趣味の歌に没頭した。
カラオケはお金がかかるから、山の中で練習した。
作曲もした。
歌詞には自業自得の寂しさを詰め込んだ。
叫ぶように、伴奏のクラシックギターをかき鳴らした。

--そして、彼女に出会った。

「僕の歌を聴いてくれた」

彼女は、たまたまそこに生えていた。
そして、僕に向けて笑いながら。

「良い歌だね。もっと聴かせて」

そう、言った。
何故か、泣きたくなった。

「じゃ、じゃあ、もう一曲」

それから毎日、僕は彼女の下に通った。
ただ一人の観客に歌い続けた。
そのお陰で、僕は満たされた。

「さて、そろそろ帰ろうか」

学校から反転して、山へと歩いて行く。
足の感覚はほとんどない。
山につく頃には、二本の茸が残るだろう。

「また、歌を聴かせてね」

でも、その茸は。
幸せの歌を歌うだろう。

426名無しさん:2017/05/01(月) 22:28:02 ID:Rb77pdZs0
>>425
感服で、うわぁって声がリアルで出ました

マタンゴちゃんと学校という組み合わせ
自分も『歩けない』というところと『人の輪に入れない』ということをフィーチャーして
人のいない学校にマタンゴちゃんを連れて来る、という展開は考えましたが……
それをお先にこんなお上手な形で出されてしまうと何も言えません

お見事です。マタンゴちゃんの青春SS、ごちそうさまでした
それにしても、このほんの少しの物悲しさの残る空気感よ……

427名無しさん:2017/05/01(月) 22:42:55 ID:02pYLnwsO
「さあ、私の傘をお食べ!」
「断る!」

とある山奥に俺とマタンゴ、2つの叫び声がこだまする。

「ぐすん、美味しいのに」
「いや、真っ赤だろ!食べ物の色じゃねえよ!」
「タマゴタケを知らんのか。真っ赤で最高に旨いキノコなのに」
「知らん!」
「がーんっ!?」

ショックを受けたのか泣きはじめる彼女。
その様子を見ながら俺は小さくため息をつく。
ぐう、山で遭難して三日間何も食べていない腹が鳴った。
ちなみに俺は知らなかったがタマゴタケは実際に無毒で旨いキノコらしい。

「百歩譲ってそのキノコが旨いとして」
「うん」
「俺の腹が減っているのも事実だとして」
「うんうん」
「別人(別キノコ?)であるお前に毒がない保証がないんだが……」
「……美味しいから大丈夫だよ!」
「毒なんだな。帰る」
「ちょっと待って〜!?」

体を翻す俺の肩が掴まれる。
意外とパワフル。
エリンギとかの弾力だろうか。
因みに毒キノコの代表ベニテングタケは旨いキノコである。旨味成分が毒素とかいう救いがたいキノコだが。

「私を一口かじればおなかいっぱいだよ?」
「トリップ系か」
「違うって。物理的におなかいっぱいになれるんだから」
「物理的に……俺の一口は胃を一杯に出来るほど大きく無いぞ?」
「胃の中に胞子が付くから中で増えたキノコが物理的に」
「止めろッ!」

一瞬出てきたおぞましい光景に俺は身を震わせる。
とりあえずコイツの好意に乗るのは無しだ。なんとか別の手を……。

「ふふ、そろそろ効いてきたかな」
「か、身体が……!」

歩こうとした俺の足は一歩も動かせなくなっていた。
まるで地面に根を張ったように。
胞子を警戒すべきだったか……。

「くそ、胞子か……!」
「話しかけておなか空かせる計画成功♪これで思わず私を食べ……え、胞子?あ、そんな手があるのかー」

と、考えたら違うらしい。
単純な、飢餓の問題のようだ。
腹が減り、身体が動かせない。

「とにかく、そのままじゃ死んじゃうんだから……」

彼女の傘が近づいてくる。真っ赤で白い斑点が見える。

「私の傘をお食べ」

もはや、俺に残された選択肢は無かった。

428名無しさん:2017/05/01(月) 23:44:55 ID:Rb77pdZs0
くっ……自分ではこれが限界かっ



学校に来てみたい。
それが彼女の、たっての望みだった。

「わぁ……教室って、こんな風なんだぁ」

教室を見回すと、彼女は感嘆の声を上げた。
自分では動けない、きのこな少女である、マタンゴの彼女。
胞子を撒き散らし、周囲の女性を同じマタンゴに変えてしまう。
男性の場合は、彼女たちのことで頭がいっぱいな、きのこ人間だ。
かく言う僕も、そのうちきっと頭からきのこが生えてくるに違いない。

「ほら、机と椅子も残ってるよ。座ってみる?」
「うん! ありがとう!」

そんな彼女の望みを叶えるべく、僕が選んだ方法がこれだった。
彼女を背負って、山を二人で一緒に降りて、車椅子に乗せて。
もう廃校になった学校にこっそりと忍び込み。
そうして始める、二人だけの秘密の授業。

「こら、そこの君。授業中にキョロキョロしちゃいけないぞ」
「きゃっ! せんせー、すみませんー!」

教卓から先生の振りをして注意をすると、彼女は生徒の振りをしてケラケラと笑う。

「あー、いけないんだぁ。授業中に余所見してたら駄目だぞぉ?」
「そっちこそ。僕と話なんてしてるじゃないか」

同級生のように、二人でお揃いの机に座ってみて、二人で吹き出して。

「さて、日本のシイタケの人工栽培の開祖となる人物の名前は?」
「……先生、分かりません」

今度は彼女を先生にして、僕が生徒役になって、苦笑い。
たった二人の小さな学校生活だけど、彼女はとても喜んでくれているようだった。

「あー、楽しかったなぁ」

学校を一巡りした後、彼女はそう言って天井を仰いだ。
それから僕の方を見て、ニッコリと笑顔を作ると。

「ねぇ! いつかわたしたちで、学校を作ろうよ!」

そう明るい声を上げた。

「え、どうやって?」

僕が思わず聞き返しても、彼女の笑顔はいっそう増すばかりだ。

「えっとねぇ……キミとたくさん、たーくさん子どもを作ってね? 二人でその子たちの先生になるの!」
「僕と君で?」
「そう、山の中での青空教室! すごい名案でしょ?」

彼女の語る、未来のこと。
その先に映るのは、子どもたちと僕らでの、家族で作る小さな学校。
子どもたちを切り株の机の前に座らせて、木の間に下げた黒板に、先生となった彼女と僕。
童話か何かみたいな、そんな学び舎。
それはおそらく、酷く単純で、ちっぽけなものになるんだろう。

「その頃には僕、立派なきのこ人間だよ? 先生なんて務まるかな?」
「大丈夫だよ! きっと素敵な学校になるに決まってるよ!」

だけど、僕の脳裏に浮かぶその光景は。
そこにいるみんなの笑顔があふれている、素敵なものだった。

「……うん、そうだね。君となら、きっと」
「そうだよ! えっとね、みんなで歌をうたったり、算数を勉強したり――」

教室の外、裏手の山の緑を窓から見つめながら、彼女は夢を語り続けている。
それを傍らで聞きながら、僕も同じようにその景色を眺める。
僕らの帰る場所は、柔らかく温かな光に包まれて、どこまでもキラキラと輝いて見えた。

429名無しさん:2017/05/02(火) 14:55:21 ID:DQd5svs2O
>>428
明るい雰囲気がとても魅力な作品ですね。未来に希望を抱くのはまさに青春です。

うーん、こういう雰囲気出せるようにならなきゃ(連載を進めつつ)

430名無しさん:2017/05/03(水) 22:47:51 ID:e8zKn.zw0
学校には様々な部活動がある。
家庭科部は料理を作ったり裁縫を習ったりするらしいけど、料理部や裁縫部も存在する。
茶道部と華道部と茶華道部の3つ巴を聞いても正直頑張ってくださいとしか言いようがなかった。
どうして今こんなことを考えているのかと言うと。

「入部、する?」
「考えさせてください」

春の麗らかな入学式の一週間後。
学校を探検しようと歩いた先の裏庭で、僕が見つけたもの。
それは。

「きのこ、おいしいよ?」
「少し考えさせてくださいお願いします」

キノコ部だった。



彼女は学校の生徒である証として女子生徒用の学生服を着ていた。
シイタケがたくさん生えている木に腰掛けている彼女の頭には、シイタケによく似た「傘」が乗っている。
生徒手帳と一緒に入学式でもらった辞書を開く。
マタンゴ。
それが彼女の種族名なのだろう。
胞子で寄生させるという一文が目に入って顔が引きつる。
確かに彼女の脚は原木に張り付いていて、足首から先が木に埋まって見える。
というか、どうやって家に帰るんだろう。
疑問をそのまま口にした。

「幼馴染のみーちゃんに送ってもらうの」
「みーちゃん?」
「ドリアードなの」

辞書を開いて納得した。
ドリアードの特技である「木から木へワープする」ことを利用して登下校を行っているとか。

「ここ、みーちゃんの親戚のおうちなの」
「そうなんだ」
「キノコおいしいよ? 食べる?」
「少し考えさせてください」

何の脈絡もなく生のシイタケを勧められた。
日本人らしい保留で対応しつつ、どうやってこの場から離れようか考える。

「焼いたシイタケもおいしいよ? ほら、えーっと。火、火」

何やら腰掛けた木のうろに手を入れた彼女は、目当てのものを見つけたようでふんわり笑った。

「ばーなー」
「やめてください! 大火事になります!」

テレビでしか見たことのない、金属を焼き切れそうな危険物を目にした僕は、慌てて彼女の行動を止めた。




このとき僕は、知らなかった。
このマイペースで危なっかしい同級生と、これから長い付き合いをするなんて。


「やーだー。おいしいキノコ、作るのー」
「駄目ですって! 貴女が焼きシイタケになりますよ!」


この時の僕は、ただただ危なっかしい彼女とはもう二度と関わりたくないと、思っていたんだ。

431名無しさん:2017/05/03(水) 23:57:34 ID:ySYPaGnY0
>>427
ギャグごちそうさまでした
開幕の「さあ、私の傘をお食べ!」で笑いました
会話テンポも良いし好みのタイプです
なによりマタンゴちゃん可愛い

>>430
これは続きが読みたくなる作品
のんびり屋さんなマタンゴちゃんがすごく可愛いです
そして移動方法の発想が素敵でした

こうやってSSの輪が広がっていくのは嬉しいですね

432名無しさん:2017/05/04(木) 19:13:10 ID:quPYmig60
「じゃんけん、ぽん!」

バジリスク先輩の出した手の形を見て、僕は喜びのあまり飛び上がってしまった。
無事に畳の上に着地した僕は、はやる気持ちを無理やり押さえながら、ガックリと項垂れる先輩に命令する。

「さ、先輩。野球拳なんですから、項垂れてないで身に付けた物を脱いでもらえますか?」

喜色の強い僕の言葉に、片腕で胸を隠しパンツ一枚になっている先輩がビクリとその身体を震わせる。
今までは僕が先に全裸にされて、散々先輩にからかわれて来たが、今日は立場が逆転、とてもいい気分だ。

「・・・い、しても知らないからな。」

俯いたままの先輩が何か言っているが、所詮は敗者の戯れ言、全く気にする必要は無い。
わざとらしく胸を張り仰け反っていると、先輩は何故かパンツに手を伸ばさず、そのまま顔へと手を添えてしまった。

「先輩? な、何をしているんですか。」

先輩の様子が何かおかしい。
不安で声を上ずらせた僕を、添えた手に仮面を残したままの先輩が、今まで見たこともない素顔で、綺麗な真っ赤な瞳で真っ直ぐに見つめてくる。

この後僕を襲った悲劇については、最早言うまでも無いだろう。
ああ、折角のゴールデンウィークなんだから、先輩と少しは外でデートしたかったな・・・。

433名無しさん:2017/05/04(木) 19:26:29 ID:nJFcP4t.0
>>432
バジリスクの先輩と野球拳したうえに素顔も見れて
それからヤることヤッてとか何が不満なんだぁっ!
壁を殴りたくなる作品をごちそうさまでした。

434名無しさん:2017/05/04(木) 22:09:25 ID:o4m0W9xIO
「はあ……」

繁華街の駅前。クラシックギターを担いだまま、俺はため息をつく。
ここで歌い始めてから、数時間。
足元のギターケースには、申し訳程度の小銭が入っていた。数日前は、少なくとも数千円は稼げていたのが、今では信じることすら出来ないほどだった。

「あなたに〜伝えたい、私の気持ち〜♪」
「……」

隣から聞こえてくる、美しい歌声に顔をしかめる。
ちらりとそちらに視線をやると、鮮やかな翼を持つセイレーンの少女が、艶やかな声を披露していた。
周囲には、大きな人だかりが出来ており、足元の空き缶には沢山の金が入っていた。
聴衆に紛れて鋭い視線を送っているスーツの男性は、おそらく大手レーベルの社員だろう。

「もう、潮時か」

クラシックギターをケースにしまい、背中に背負う。
昔から音楽が好きだった。そして、歌には自信があった。
だから、大学進学と言い訳に、地元から都会までやってきた。
バイトをして生計を立てて、毎日のように自分で作った曲を歌った。勉強はいつも単位スレスレだった。
プロになれたら。
そんな甘ったれた事を考えながら過ごしていた。

けど、それももう終わりだ。
目の前で、これだけの差を見せつけられたのだ。
諦めても、良い頃合いだろう。

「みんな、ありがとー!」

彼女が歌い終えたのを確認して、財布から千円札を空き缶に入れる。
諦めさせてくれた事と、最後に素晴らしい歌を聴かせてくれた礼のつもりだった。

「初めて、私の歌、聴きに来てくれたね」
「……いつもゴメン。歌の邪魔だったよね」

微笑む少女から、目をそらす。
出てきた声は、不自然なほどにたどたどしかった。

「も、もう歌わないから。気にしないで」
「……え」

彼女の返答を聞かずに、俺は逃げるように走ろうとした。
けど、かなわなかった。
鮮やかな翼の魔物が目の前に回りこんでいたから。

「次の曲は、この人とデュエットで歌いま〜す♪」

そのまま、人だかりの真ん中へと連れて行かれてしまう。
困惑する俺に彼女は悪戯っぽく微笑んで耳打ちをする。

「ほら、お客さん待ってるよ」

周囲の視線に観念して、ギターを取り出す俺を見ながら、少女はくるりと回りながらこう言った。

「この人に憧れて、私もこの道を目指したの!」

ギターを構える。
声を張り上げる。
俺と、彼女のセッションが幕を開け始めていた。

435名無しさん:2017/05/04(木) 22:54:27 ID:RPpVSSx.0
>>434
うわぁ、なんかいかにも若者同士!って感じのSSですね
若さのせいで、こう、全身がムズムズしますw
フレッシュな作品をごちそうさまでした

436名無しさん:2017/05/07(日) 18:50:10 ID:95DpX76EO
「ふう……」

手元のページをめくりながら、紅茶を一口啜る。
長い時間放置していたせいで冷め切った紅茶は妙な苦味を口に残した。
なんとなしに窓を見れば、既に日は暮れ、白い月が浮かんでいた。

「もう、夜ですね」

隣で本を読んでいたリリムの少女の言葉に、頷きを返す。
彼女の長く伸ばされた前髪の下から、ちらりと美しい紅い瞳と長い睫毛がのぞいていた。

「休日、どこにも行かないまま終わっちゃいましたね」

肩を寄せ合いながら、本を読む。
目を向けると彼女の吐息の甘い香りがした。
普段はリリムらしからぬ目立たない少女だけれど、本当に綺麗だと思う。
読んでいるのは結構ハードな官能小説だけど……。

「いや、君が勧めてくれた本は面白いし、久々にゆっくり出来たから」
「良かったです」
「紅茶、淹れて来るね」
「あ、私も手伝います」
「良いから良いから」

お湯を沸かして、二人分の紅茶を淹れる。
のんびりと流れる時間。
僕には、その時間が何よりの宝物だった。

437名無しさん:2017/05/07(日) 19:38:01 ID:TjSCEvH20
>>436
休日の終わりにほっこり、ごちそうさまです

438名無しさん:2017/05/11(木) 21:04:26 ID:xojoJHaEO
「随分と晴れた」
「はい……」

五月の半ば、学校の昼休み。照りつける日差しに僕は額の汗を拭った。
昨日まで寒かったのが嘘のような陽気に頭がフラフラしてしまう。

「なかなかに暑い。キミの顔を見ればわかる」

隣に立つ彼女--氷の魔物であるグラキエスは無表情のまま、僕の額をなぞった。
ひんやりとした感触がじんわりとゆだった頭を冷やしてくれる。

「気持ちいい……でもいいの?暑くない?」
「大丈夫」

じわじわと体を冷やしながら、彼女はほんの少しだけ口角をつりあげる。
それが、彼女の全力の微笑みだと言うことを僕は知っていた。

「こうして、触った時にキミを喜ばせる事ができる。それが、嬉しいの」
「……ありがとう」

彼女の頭をなで返すと、ひんやりとした感触が伝わってくる。
同時に、彼女の心の暖かさにも、触れる事が出来た。

「帰りに、アイス屋行こうよ。奢るからさ」
「アイスクリーム……いいの?」
「うん、こうしてさわれる記念にね。この前貰ったクーポンもあるし、三段いっちゃおうか」
「チョコレートミント、チョコレートミント、チョコレートミントで三段。楽しみ」
「他の味は……?」
「今はチョコレートミントの気分」

食べるフレーバーを想像しながらくるりと回る彼女に苦笑する僕。
きっと他の味も食べたいと僕のアイスもねだるつもりだろう。
それも、いつもの事だ。

「そろそろ、授業始まるね」
「うん」

予鈴を聞きながら、次の移動教室に歩いていく。
絡め合った指の心地良い冷たさに、僕はにっこりと笑うのだった。

こうして暑い日も、なかなかに悪くない。

439名無しさん:2017/05/11(木) 21:48:07 ID:xojoJHaEO
「おはよう、朝ご飯出来てるよ」
「ふぁい……ありがとう」

寝ぼけ眼で大根と豆腐の味噌汁を啜るデュラハンの彼女を見ながら、僕は微笑む。

「ほら、じっとしてて」
「ふぁい……」

きっちりはまりきっていない首の継ぎ目からふわふわと漏れる魔力を止めるために指を当ててやると、彼女はされるがままに目を細めた。
早朝、何時もキリリとしていてかっこいい彼女が見せる数少ない隙だらけの時間。
こういう彼女の顔を独占出来るのは、心を開いてくれているみたいで嬉しかった。

「ふう、落ち着いた」
「……ふふ、おはよう」
「ああ、おはよう」

ご飯を食べ終え、何時もの調子に戻った彼女のネクタイを結んでやる。

「行ってくる」
「うん、いってらっしゃい」
「……その、いつものことだが大丈夫なのか?」
「最初は不安だったけれど、大丈夫だよ」

不安そうな彼女に、笑い返す。
彼女に言われて仕事を辞めてから一年、僕は主夫の仕事ばかりしていた。
最初は不安だったけれど、こうして彼女を支えられるのは嬉しかった。
今は、レパートリーを増やすために邁進中だ。

「そうか、杞憂だったな……行ってきます」
「いってらっしゃい」

彼女の頭をなでてから、僕は家に戻る。

「よし、今日も頑張ろう」

机の引き出しを開けると、僕の秘密の道具が出てきた。
小さな造花のセット。
僅かながら、稼ぐ事の出来る在宅の仕事だ。
彼女に隠れて、僕は働いていた。

「あと、もう少しだ」

壁のカレンダーを見ながら、僕は微笑む。
あと2日で、彼女との結婚記念日。
ケーキを買う位のお金が出来る筈だ。

「ふふ」

僕は、その日を夢見てニヤリと笑ったのだった。

440名無しさん:2017/05/12(金) 17:59:18 ID:5CnJ91h.0
暑い日が続く中、ほんわか甘い話を二作ごちそうさまです。

>>438>>439も、短い中で「あ、可愛いな」って思える箇所があって良いですね。
アイスの好みだったり、寝ぼけた様子だったり、すごく微笑ましいです。

また素敵な次作をお待ちしております。

441名無しさん:2017/05/17(水) 19:54:19 ID:RuX307XEO
「気が早いけど、買って来ちゃった」

日も暮れた、狭い庭の一角。
彼女の言葉を思い出しながら、僕はロウソクに火を灯す。

「準備、できたよ」
「ん、ありがとう」

ぼんやり、ゆらゆらと赤い炎が用意しておいた水入りのバケツを、そして天真爛漫な笑みを見せる彼女の姿を照らし出す。
トロールである彼女の大きな手には、近所のスーパーで買った線香花火のセットが入っていた。

「じゃ、はじめようか」
「うん……どうぞ」

彼女から花火を二本受け取って、先端の紙にろうそくの火を移す。
小さな火花が出たのを確認してから、一本を彼女に渡す。

「きれいだね」
「うん、綺麗だ」

パチパチ、パチパチ。

二つの火花が狭い庭と僕らを照らす。
赤くきらめく先端を落とさないように、手を動かさない事に気を使う。
浴衣なんて面倒なものは着ないから、二人とも普段着だ。風情もへったくれもない。

「あっ」

ぽたり。僕の線香花火が力尽きて光を失う。
ちょっと揺らしてしまったからなのか、先端の赤い部分が落ちてしまった。

「うう。僕の負けかぁ」
「いつの間に勝負になってたの?」
「なんて言うか、僕の中では線香花火は勝負なんだよ。どっちの方が長続きするかーって」
「……ふふ、男の子だね」

がっかり、首を垂れる僕に、彼女は笑って見せる。
その手にはまだまだ元気な線香花火が心なしか誇らしげに輝いていた。

「でも、残念。私も引き分けみたい」
「……え?」

すっ、と彼女は手をのばして、僕の消えてしまった線香花火の上に、火花を乗せる。
二つの持ち手の間で、パチパチと火花が囁く。
寄せられた彼女の身体からは、トロールの甘い香りと花の芳香。
夜闇の中、火薬の匂いと溶け合ったそれは、優しく僕の鼻孔をくすぐっていた。

「「あっ……」」

ぽたり。彼女の花火が消える。
なんとなく寂しそうな顔をする彼女の手に新しい花火を握らせる。

今度は、最初から一本を、二人で持とう。

442名無しさん:2017/05/18(木) 19:29:19 ID:v00yxusU0
>>441
情緒ある作品ごちそうさまです
二人で花火を持つなんて全力で壁を殴りたい衝動に駆られますね

443名無しさん:2017/05/19(金) 20:05:27 ID:6eBiw3RsO
「ほ、本当にこれを着るの……?」
「うねうね♪」

うねうね、ねうねう。
わたしの下で蠢くスライムちゃんの出してきた服に、スライムの寄生主であるわたしは何とも言えない声を上げた。
わたしとスライムちゃんとの付き合いは数年になる。
寄生された最初の頃は気持ち悪くて、何度も引きはがしたり、快楽に泣き叫んでいたわたしだが、意外なほどに面倒見の良い(掃除洗濯炊事ほか諸々完璧なのだ!)スライムちゃんにほだされて。
今ではスライムちゃんのいない生活が思い出せない位だ。
そんなスライムちゃんが選んだ服、着たほうが良いのだろうけれど……。

「うねうね♪」
「う、うん。本気……なんだよね。ラバースーツ……って言うんだっけ」

ごくり、唾を飲み込んでスライムちゃんが出してきた服を見る。
それはつやつやとした、伸縮性のある黒い素材で出来ており、首から下をぴっちりと覆う構造になっていた。
触るとぴちっと肌に吸い付くような触感。きっとスライムちゃんがローション代わりになってするりと着られてしまうだろう。

「ちょっと、駄目だと思う……」
「ねうねう……」

そう、着たら気持ちいい。それは間違いないだろう。
全身スライムちゃんの媚薬プールにつけられて、快楽の逃げ場がなくて悶え続ける事が出来る。
中に入ってきたスライムちゃんが処女子宮を縦横無尽に撫でさする性感を想像して全身がぞくりと泡立つ。
けど、けれどそれは駄目なのだ。

「で、デートに着る服だよ? 明らかにミスチョイスだよね?」
「うねうね!」
「ええ……冒険も大事?」

力強くうねるスライムちゃんの触手がわたしの体に覆い被さる。
ちょっとだけ見えた顔(?)が少しキリッとしていた。

「ひゃあぁ……女は度胸ってなんかちがっ……」
「うねうね♪」

そのままきていた服を器用に脱がされて、ラバースーツが近づいてくる。
体中を這いずるスライムちゃんの感触だけで気持ちよさが爆発する。

「ひゃううんっ……!」

結局快楽に負けて、スーツを着てしまうわたし。
待ち合わせの場所につくだけで、息も絶え絶えにされてしまった。

「……あの、その服すごくいいね!」
「!?」
「うねうね♪」

ちなみに、彼氏からは誉められて初夜まで行った。

スライムちゃん、恐るべし。

444名無しさん:2017/05/20(土) 13:11:22 ID:sA01VjDoO
「夕焼け、綺麗だね」
「はい……」

日暮れ時、寂れきった遊園地。
ぎしぎしと軋む古びた観覧車に二人、腰掛ける。
対面に座る少女--エンジェルの長い金髪と白い翼が、空気に溶け込むかのような儚げな輝きを放っていた。

「結構寂しかったけれど、楽しかったね」
「はい、まるで貸切みたいでした」

商店街の福引きで貰った割引券につられて来たけれど、本当に生きている廃墟と表現しても良いくらい、寂れた場所だった。
観覧車から見える全景も、どこかくたびれて見える。
僕ら以外に居るのは年老いた従業員の人達だけ。この観覧車も、居眠りをしていたおじさんに頼んで、動かして貰ったものだった。

ぎぃこ、ぎぃこ。

軋む音を立てて、観覧車は上に進む。
僕達は、ほとんど話さないまま外を見つめる。
彼女の小さな吐息の音が、耳朶を叩く。

「疲れは、とれた?」
「……1日歩き回って、疲れがとれたら異常ですよ」
「それも、そうだね」
「けど--そうですね。心は、少し軽くなったかも、しれません」

自嘲気味に、少女は笑う。その目には、心労で出来たクマが色濃いままだ。
魔物娘達がこの世界に現れて数年。
主神教のエンジェルの居場所なんて、ほとんど無い。
白い目で見られるだけならまだマシで、何もしていないのに、虐められる事もある。--そんな彼女を庇うのが、本来敵である筈の魔物娘だと言うのが、最高の皮肉だった。

「もう、私たちの時代は、終わったのでしょうね--この、遊園地みたいに」

彼女の細い指が、錆び付いたゴンドラを撫でる。
その目には、きらりと涙が光っていた。

「ただ、正しく生きて欲しかった。人に優しい人に、間違いを正せる人に、一生懸命、前に進める人に……なって欲しかったんです」
「……」
「けれども、それは息苦しい生き方なのでしょうね」

笑いながら、彼女は泣いていた。
僕はただ、何も言えなかった。
どちらが正しいかなんて、僕にはわからないから。
だから、かわりに。

「隣、座っていいですか?」

彼女の隣に座った。
甘い香りがする。さらりとした髪が触れる。
女の子は砂糖とスパイスと素敵な何かで出来ている。彼女もきっと同じだろう。

「今日は、楽しかったですよ。遊園地」
「……はい」

手を握ると、暖かかった。

たまには、時代遅れも良いじゃないか。
僕はぼんやりとそんな事を考えていた。

445名無しさん:2017/05/21(日) 11:02:00 ID:jXi9pHTU0
>>443
寄生スライムちゃんで現代モノってのも新鮮でした
「うねうね♪」が可愛い

>>444
現代じゃエンジェルちゃん肩身狭そうですものね
ダークエンジェルちゃんになるっていう逃げ道はありますけど

446名無しさん:2017/05/21(日) 15:38:58 ID:fyvZi1isO
敗北した。
はじめから勝ち目なんて無い戦いだった。

「もう、ここももたないな」

とある教団国家、落日の日。教会の一室。
窓越しに見える黒くい太陽を眺めつつ、勇者は小さくつぶやいた。
狭い部屋の外から聞こえるのは魔物達と人間の嬌声。
一緒に避難しようと集めた人々も、ここまで逃げる間に全員が魔に染まっていた。

「……すまないな。お前の期待に応えられる勇者になれなくて」
「はは。最初から貴様は勇者に向かないと言っていただろう?」
「そうだな。いつも怒られてばっかだった」

勇者の対面には、白い翼を持つ天使--ヴァルキリーが座っていた。
その目には、勇者と同じく疲労の色が色濃く出ていた。

「貴様は優しすぎたのだ。勇者となるにはな」
「返す言葉もないな」

苦笑する勇者。
彼の腰についた剣は、ほとんど抜かれる事がない。
彼は、人の形をしたものを斬ることが出来ない、欠陥品の勇者だった。
泣いている魔女に飴を渡した時など、ヴァルキリーからの折檻は長時間に及んだ。

「……だが、それも美点だった。強くなければ生きることは難しいが--優しくなければ生きる価値はない」
「……そうか」

ヴァルキリーの言葉に、勇者は静かに立ち上がる。
その手には、剣が握られていた。

「なら--また、怒られてしまうな」
「何をする気だ?」
「俺が、道を開く。その間に逃げろ」
「おい、何を言っているんだ!」

ヴァルキリーの制止を聞かず、勇者は扉を開く。
彼の前には、侵攻を決めたリリムが立っていた。

「あら、自ら出てくるなんて……どうしたの?」
「すまないが……惚れた女の手前なんだ。カッコつけさせてくれよ」

リリムと勇者、二つの剣が交錯する。

その後のことは語るまでもない。
数ヶ月後、彼らが魔界で結婚式を挙げ、リリムの独身期間が少し伸びた。

447名無しさん:2017/05/21(日) 17:58:00 ID:fyvZi1isO
「うむ、なかなかじゃな」
「……どうしてこうなった」
「ん、どうしたのじゃ?」
「い、いや。なんでもない」

狭苦しいアパートの中、風呂上がりのアイスを笑顔で頬張る少女を前に、俺は彼女から見えないようにため息をついた。
「そうか? 大分辛気くさい顔をしてるみたいじゃが」
「……気のせいだ」

財布の中身を思い出す。
残り五千円が俺の全財産だった。
友人だと思った奴に騙されて、借金の保証人にされた時の事が頭をよぎる。
誰も信じられない。
世の中はズルい奴が勝つ。

そんな事を考えて、俺はある凶行に及んだのだ。

「しかし、誘拐とは、初めての体験なのじゃ」
「……そうだろうな」

すなわち、誘拐である。
小さな子供を攫って、身の代金を受け取る最悪の行為。
計画は上手く行った。
道を歩いている、可愛らしい少女(口調はちょっと変わっていたが)を後ろから押さえつけ、縛り。ハイエースにのせて家まで運んだ。
しかし、そこからは全く上手く行かない。
彼女に家を聞いても、家族はいるのかと聞いても要領を得ない。脅しても全く怖がる様子がないのだ。
口を開けば、魔界とかバフォメットとかよくわからない事ばかりだった。

「とはいえ、夜も遅い。帰るとするかの」
「帰る。だと?」
「うむ、魔界にな」

アイスを食べ終えた少女はさも当然とばかりに笑う。
その後ろには、よくわからない空間の歪みが出来ていた。

448名無しさん:2017/05/21(日) 17:58:58 ID:fyvZi1isO
>>447
ぎゃあああ。
書きかけ投稿してしまった……。

449名無しさん:2017/05/22(月) 20:55:26 ID:TdybJQqQ0
>>446
真面目なSSのはずなのにオチがギャグ風で笑えますね
>>447の続きもお待ちしています

そして自分は駄文を投下

450名無しさん:2017/05/22(月) 20:59:02 ID:TdybJQqQ0
SS作者にとって、題材にする魔物娘の選択にはもちろん好みがある。
サキュバスやドラゴン、ヴァンパイアに稲荷などは人気種族の筆頭だ。
彼女たちは元の存在からメジャーであるためとっつきやすく、設定部分でも話が作りやすい。
そういうところでマイナー系の魔物娘たちとは投稿SS数に差が出るのは、まあ仕方ないことなんだろう。
だけど僕は、ちょっぴり可哀想にも思ってしまうのだ。
もし彼女たちが自分の種族のSS数が少ないのを見たら、やっぱり少し寂しいんじゃないかと。

「……あの、わたし……その……」

でもね。
だからといってね、ワーバットちゃん。
僕なんかのところにお悩み相談に来られても困っちゃうんだけど。

「あっ、うぅ……あの……」

目の前のワーバットちゃんは、翼で頭を抱えたままプルプル震えてしまっている。
というのも、彼女たちは光にとても弱く、明るい場所ではこうして何もできなくなってしまうのである。
かろうじて用件は聞き出せたけれど、このままだと会話が中々前に進まない。

かくなるうえは……えい、豆電球にスイッチだ。

「私のSSを書いてほしいんだけど、できるわよね?」

部屋の照明が薄明かりになった途端、彼女は先程おどおどしていたのが嘘のように口調が変わった。
次第に薄暗い中に目が慣れていくと、彼女の目隠れフェイスにはニヤニヤと嫌らしい笑み。
暗闇の中での彼女たちは意地が悪い。その表情にははっきりと『僕が困っているのが面白いです』と書いてある。

「あのさ、どうして僕なの?」
「だってあなた、前にマタンゴの頼みを聞いてたじゃない」
「いや、あれは、だけど……」

確かに前にマタンゴちゃんから青春ぐらふぃてぃーなSSを頼まれたけれど、結局あれも別の人たちがちゃんとしたものを書いてくれたわけで。
僕も一応はSS書いてみたけど、正直最初は書くつもりはなかったっていうか、そういうわけでして。

「ワーバットSS、最後に投稿されたのがもう5年前なのよ?」
「それはそうだけどさ……」
「同じような状況だったのに、マタンゴだけSS書いてもらうなんて! 不公平よ、不公平!」
「あーうー、それを言われると……」
「私にも青春をちょうだい! みんなが羨むようなスクールラブライフを!」
「え゛? またそっち方面なの?」

キーキーと甲高い声で不満を述べるワーバットちゃんと、思わず変な声が出た僕。
まあでも、前回のマタンゴちゃんに比べれば、彼女たちの青春SSはなんとかなりそうではある……けれど。
ここで彼女の頼みを聞けばどうなるか。おそらく続々と「私も青春したい!」という魔物娘たちが押しかけてくるはずだ。
次はシー・スライムちゃんかバブルスライムちゃんか。そのまた次にはおおなめくじちゃん辺りだろう。

……どうしてこうも学園生活と縁が遠そうな子たちばっかりなんだろうか。

「ほらぁ、もし頼みを聞いてくれたなら――」

僕が返事をためらっていると、ワーバットちゃんは艶かしい声で囁きながら、こっちに身を乗り出してくる。
そして、僕の頬にちゅっと口付けると。

「――とっても良いこと、してあげちゃおっかな?」
「〜〜〜〜っ!?」

かなり衝撃的な台詞が飛び出てきた。
キスされた箇所を中心に、かあっと僕の顔に熱が集中してしまう。

「分かったから、書くから! 書くから離れて! お願い!」
「顔真っ赤にしちゃって、かわいいんだからー♪」
「あうぅ……」
「あ、お友達にも書いてもらえると嬉しいんだけどなー」
「はぁい、分かりましたぁ……」

これで僕もSSを書かないわけにはいかなくなってしまった。
おまけに他の人の分まで頼まれてしまって……他の人たちはこんな事情で書いてくれるのだろうか。
仕方ないから、頼もう。また1レスSSスレの人たちに協力してもらおう。
まあお題は『ワーバットちゃんで学校舞台のSS』なら……集まるのか、不安だ。

僕はがっくりとうなだれたまま、部屋の照明の紐に手を伸ばす。
上機嫌で翼をはためかせていたワーバットちゃんは、明かりがつくと「ひゃんっ」と可愛らしい声をあげて、またプルプル震え始めるのだった。

451名無しさん:2017/05/22(月) 21:05:10 ID:TdybJQqQ0
マイナー気味のワーバットちゃんにも愛の手を、というネタ
みんなでSSを書いてあげればワーバットちゃんも喜ぶかなーと
そしてみんな大好き青春SSなら喜びも倍増のはず

お暇な方はご一緒にお書きいただけると嬉しいです

452名無しさん:2017/05/23(火) 15:05:29 ID:NyY73..2O
「アントラセンにフェノチアジン……」
「うん……」

かりかり、かりかり。
カーテンを閉め切った第二図書室の中、僕はワーバットの同級生に、勉強を教えていた。
小さなシャープペンシルが動くたびに彼女の真っ白なノートに、僕の書いた内容が写されていく。
彼女に教えるようになってから、ノートを書くのに気を使うようになったのを思い出す。

「化学は、こんな感じだったかな」
「……ありがと」

数時間の格闘の末、彼女に今日の範囲を教え終えた僕は、背もたれに寄りかかった。

「いつも、ありがと……その、わたしのために時間とらせちゃって」
「いいよ、僕も勉強になるから」

いつも通りのやりとりに、苦笑する。
ワーバットである彼女は昼間にあまり目がよく見えない。一番前の席に座らせて貰ってはいるものの、やはり黒板の文字を見るのもひと苦労だという。

「けど、最近知ったんだけど、この学校ってヴァンパイアやワーバット向けの夜間授業あるみたいだよ。僕に聞くよりそっちの方が効率いいんじゃないかな」
「……うん。夜間授業の事は知ってる」

前髪の奥にある、夜を写したような黒い瞳を揺らしながら彼女は首を振った。

「だって、君と過ごす時間が……」

彼女の言葉と同時に、すうと部屋が暗くなる。
どうやら日が完全に暮れたようだ。

「一番、楽しいのよ」
「……!?」

一瞬、暗さに戸惑う僕に、覆い被さる影。
唇に触れる甘い感触。

「これは料金だから、明日もよろしくね」

闇の中、にっこり笑う少女に、僕は小さく頷くのだった。

453名無しさん:2017/05/23(火) 18:32:23 ID:zzNRpiXI0
>>452
短い中でワーバットちゃんの特徴がばっちり盛り込まれていて
それでいてほの甘い青春な雰囲気……お見事です
こんなの出されちゃうと自分のSSが恥ずかしくなるなぁ

454名無しさん:2017/05/23(火) 18:37:54 ID:zzNRpiXI0
ああ、もう。
お日様がずっと沈んでいれば良いのに。
そうすれば私は、先輩のことを……。

「どうかした?」
「あ、いえ……なんでも、ないです」

ワーバットである私は光がすごく苦手だ。
もし街を照らす夕日を、この日傘が遮ってくれなければ。
私はこの場で一歩も動けなくなってしまうだろう。
今は学校からの帰り道。
駅までの10分ほどの距離が、今日最後に先輩と一緒にいられる時間。
この時間が幸せで、それでいて、とても歯がゆくて。

「それなら良いけど、気分が悪くなったらすぐに言ってよ?」
「はい……ありがとうございます」

先輩。
大好きな先輩。
日光に当てられて、倒れてしまった私を助けてくれた、素敵な先輩。
普段はおどおどして何も出来ない私に、こんなにも優しくしてくれている先輩。

この想いを伝えたいけれど、光の中ではそんなことはできなくて。
でも先輩と一緒に過ごせるのは、日が昇っている間だけ。
だから私は、今も臆病なまま。
二人の関係はただの先輩と後輩というもの。
その先の一歩を、私は踏み出せないまま。

「それじゃ、また明日ね」
「はい、先輩……また、明日……」

駅に着くと、バイバイと手を振って、先輩は雑踏へと消えていく。
もう少し。あともう少しだけ、先輩が私と一緒にいてくれれば。
先輩に本当の私を見せてあげられるのだけれど。
待ってという言葉が私にはかけられない。
光の中では、私は臆病なのだから。

ああ、もう。
お日様がずっと沈んでいれば良いのに。
そうすれば私は、先輩のことを。
好きにしてしまえるのに。
きっと私のことを。
好きにしてしまえるのに。

455埃ある古本:2017/05/29(月) 22:17:13 ID:MA9Ub8KI0
学校に入学して1週間が経った。
魔物が制服を着て歩いている姿が目に入ると、思わず身構えてしまう。
それでも初日よりは落ち着いて行動していると思う。
入学式の時は、いつ襲われるのかと気が気でなかったから。
僕は少しだけ怯えながら教室に向かう。
その途中で、俯いている女の子がいることに気づいた。
彼女も魔物だ。
頭から生えた大きな耳と腕の代わりに広がっている翼。
ワーラビットともワーウルフとも違う薄い耳は、周囲の音を拾おうと小刻みに震えている。
ハーピーともワイバーンとも違う薄い翼は、華奢な体を包み込んでいる。

アンデッドじゃなさそうだと思って、入学式にもらった図鑑を開く。
他の人の邪魔にならないように壁に寄りかかってページをめくっていくと、彼女に似た魔物の挿絵が出てきた。
ワーバット。
夜行性の魔物で、昼と夜とで性格が変わるらしい。
昼は臆病で夜は強気。
ワーバットの特徴を見て思ったこと。
「なんで夜間学校に通わないんだろう」
近くに人が通り過ぎるたびにびくっと震える彼女を見て、僕は不思議に思った。


どうやらワーバットの彼女は、同じクラスの子だったみたいだ。
彼女の席は窓側の最後尾。
その場所でカーテンを閉め切って、彼女は背を丸めて授業を受けていた。
「おはよう」
僕が声をかけると、彼女は大きく体を震わせて驚いた。
「え? え?」
慌てて周りを見渡して、そして僕を見た。
「よ、よん……だ?」
「うん」
「そ、そぅ、なんだ」
ぼそぼそと喋る姿を見ると、苛めているんじゃないかと不安になってしまう。
これで夜になると性格が変わるとか言われても、全然想像できない。
「夜の方が元気だっていう話だけど、どうして夜間学校に通わないのかなって」
いつでも行きたい時間に通えばいい。
入学式の時に聞いたから、よく覚えている。
彼女は何かを言おうと口をパクパクさせるけど、声は出てこない。
「あー、うん。無理には聞かないよ。どうしてかなって思っただけだから」
あまり話しても困らせるだけかな。
そう思って離れようとすると。
「あ……」
「ん?」
振り向くと、彼女はうつむいたまま、じぃとこちらを見つめている。
「あた、らしい……おともだち、つ……つくり、たか…ったの」

それから少しだけ話を聞いた。
夜に会う友達とは仲が良かったけど、せっかく学校に来たんだからもっと色んな人と友達になりたかった。
でも日中に出会う人たちに話しかけようとしても、本当に話しかけていいのか不安だった。
戸惑っている内に話をするグループが出来て、入り込む隙間がなくなっていた。
少し涙が混じった声で、少しずつ、彼女は話してくれた。

「それじゃ、僕と友達になってくれるかな?」
僕は、この1週間、殆ど誰とも話をしてこなかった。
魔物と友達になれるか不安だった。
人間の学生は積極的に色んな魔物に話しかけていて、話しかけるタイミングが掴めなかった。
気づけば一人きりで、お話をするみんなを眺めていた。
彼女と同じだったんだ。
そう思って、手を差し伸べた。
「こんな僕でよければ、だけどね」
少し冗談めかして笑う。
彼女は何度も瞬きをして僕の手を見つめる。
「あ、あのあ、あ、あうぅ、あの」
「うん」
慌てる彼女を安心させようと頷いた。
「よ、よろ、しく……ですっ」
尖った爪のある両手で、僕の手を握ってきた。



そして爪が刺さった。
痛くて血が出てお互いに慌てたり謝ったりしながら、僕たちは友達になった。

456名無しさん:2017/05/30(火) 19:33:42 ID:1nD9aj6k0
>>455
これまたワーバットちゃんが可愛いSSですね
ワーバットちゃん、きっと内心では男の子に対して
「お友達からお願いしますってことよね(はぁと)」とか思ってるんだろなと

いやはや、ごちそうさまでした
やっぱり出会いの場面は青春っぽさが出てすごく良いですね

457名無しさん:2017/06/18(日) 21:01:47 ID:18Ha84I2O
「はぁ……」
「どうしたの? ため息なんてついたら幸せが逃げるよ?」
「アレですよ」
「ああ。アレかあ……」

ため息を吐いた僕が指さした物を見て、同居人であるサキュバスの先輩は渋い表情で頷いてみせた。
パサパサと彼女の羽が動きに併せて揺れる。

「買い置き。ないですよね」
「うん。たしか無かったはず」

リビングに佇む僕たちの目の前には、ちかちかと点滅する蛍光灯。
端の方を見れば、寿命が来ていることを叫ぶように真っ黒だった。しかも、左右二本とも。
最近調子が悪い事は知っていたけれど、忙しさを言い訳に買いに行くのをサボった結果だった。
部屋が真っ暗になったり、明るくなったり。なかなかに忙しい。

「近所の電器屋……はもう閉まってるし。今日は通販で頼んで、明日付け替えかな」
「えー。明日お出かけでも良いじゃん。久しぶりにデートしたいし。あ、目に悪いから。これは消しとくね」

先輩の言葉と同時にパチリと電源を切る音。真っ暗になる室内。
明るいところから急に暗くなったせいで、周りが良く見えなくなる。

「でもこれだと僕が何も見えないんだけど……」
「大丈夫。代わりのものなら見つけたから」

不平をいう僕の前で、ぽう、と小さな明かりが灯る。
彼女の手元には、いつの間にか、小さなろうそくがあった。
サキュバスの魔力で作られた桃色の炎がゆらゆらと室内を照らしていた。

「こういうのも。悪くないでしょ?」
「……うん。たしかに良いかも」

ウィンクする彼女に、頷く僕。
暗闇の中、仄かに照らされる彼女の姿は、どこまでも扇情的な、妖しさを持っていた。
翼も、角も、尻尾も、闇の中では普段の親しみやすい彼女からは想像も出来ないくらい。危険な麗しさを秘めている。
先輩の白い肌の上に刻まれた快楽のルーンが、魔力の炎に反応して薄く輝いていた。

「ふふ、今日は積極的なんだね」

キスをせがんだのは、どちらからか。
妖しい炎に照らされながら、唇の粘膜を触れあわせる。
強い刺激を求めて舌を出すと、ちゅう、と吸われて唾液が纏わされる。
お返しとばかりに入れられた暖かな舌に歯列を丁寧に舐め溶かされると、くにゃりと力が抜けてしまう。

「キスだけじゃ収まりなんてつかないよね」

唾液の橋を作りながら、妖しく笑う彼女に、頷く僕。

結局、次の日に蛍光灯を買いに行ったけど、未だに付け替えは終わってない。
……夢中になってしまったからだ。

458名無しさん:2017/06/19(月) 21:42:56 ID:lfCGbgE.0
>>457
イチャイチャ短編ごちそうさまです
毎日さぞかし(性的に)豊かな生活を送ってるんでしょうなぁ

459名無しさん:2017/06/20(火) 23:01:03 ID:CtAeYXyM0

「「あっ」」

それは、一瞬の接触だった。
棚に陳列された、一冊の本……それを取ろうとした自分と、目の前の女性の手が重なってしまったのだ。
変な誤解をされても困るので、自分は慌ててこの事故が故意のもので無かったことを弁明する。

「ご、ごめんなさい……この本を取ろうとしたら、たまたま手がぶつかってしまったみたいで」

「い、いえ。こちらこそ済みません……まさか、そちらも同じ本を取ろうとしてたなんて思慮が至らなくて」

余計な心配だったようだ……少し安堵する。
目の前の女性は、見た目20歳前半といったところか。ウェーブした茶色がかった黒髪が、ちょっとふわふわしていて可愛い。
衣服はこの辺りでは珍しい……というかやや奇抜だ。
綺麗な肩を露出したノンスリーブに、トランプのクローバー柄をあしらったグリーンカラーという下世話ながらちょいセクシーな衣装に、
ネックと両腕のアーマーという「兵隊さん」染みた装甲が、妙にミスマッチだが、それが妙に背徳的……いかんいかん。
お世辞にも女性とまともに付き合った経験があるとは言えない自分にとっては、ちょっと目の毒というか煽情的というか、
流石に直視すると結構膨らみのある胸元に視線が向きかねないというか、かといって素肌を凝視するのも失礼というか、
……まぁなんだ、自他ともに認めるウブな自分は、微妙に女性から視線を外しながら会話を進めようとした。

ちなみにここは、親魔物領の片隅にひっそりと建っている古本屋……
決して大きい訳ではないボロッチィ店だが、反面品揃えは昔人気を博した一般文芸から専門書、果ては官能小説まで
意外な「掘り出し物」が見つかると評判の隠れた穴場だ。
どちらかというと中年のおっさん、せいぜい俺みたいな20代後半のしがない趣味人が立ち寄るようなアングラな場所に
このような色っぽさを携えながらも清楚美人な女性がいるのは結構珍しい気もするが……そういうこともあるのだろう。

自分と彼女が手にしていたのは、やや黄ばみがかった「戦史もの」のハードカバーだ。
それもこの世界の物品ではない……数年くらい前に、リリムの何女だったかが接触したとかいう「チキュウ」なる異界から持ち込まれた、
その世界における、それはもう凄惨な戦争に携わった人々の物語を記した類のもので、とてもだが女性が読むイメージの本ではない……

「こういう本……読まれるのですか?」

「えぇ。ちょっと変わってるってよく言われますけど、興味深いんですよ。
 決して面白いわけじゃなくて、やっぱり悲惨で目を背けたくなる描写も多いんですが……それでも、そういった本って
 世界が決して優しくなかった時代でも、懸命に生き抜こうとした人たちの、決して忘れちゃいけない『記録』じゃないですか。
 だから、世界が変わりつつある今だからこそ、そういった物語は大事に未来へ繋げていきたいと、私はそう思うんです」

凛とした女性の眼差しと微笑みに、つい先ほどまでよからぬ想像をしていた自分自身を恥じた。
古本屋に訪れる様な変わり者かと思えば、しっかりした女性ではないか。
過去から語り継がれた『物語』に決して偏見を持たず、真摯に受け止めようとするその姿勢。
物語をただ単純に娯楽として読み漁るくらいしか能のない自分が、少し情けなくなってしまった。

「……自分も、素敵だと思いますよ、上手くは言えないのですがそういうのって。本はお譲りします」

「あ、ありがとうございます」

女性は頭を下げると、アコースティックギターを演奏していた老年の店主の元へと駆け寄り、本の会計を済ませる。
店からの去り際、彼女を見送ろうとしたその刹那……その女性は「姿を消した」。
消したというのは語弊があるが、厳密にいうと彼女は「巨大なトランプ」に飛び込み、そのまま目の前から消失してしまったのだ。

「魔物……だったのか」

店に戻ると、文庫の陳列棚から一冊の小説がはみ出していた。ふと手に取ってみると、そのタイトルは『不思議の国のアリス』。
何となくだが、彼女からのメッセージに思えた自分は、その本を手に、ギター演奏を再開しようとしている店主の元へと向かった。

460名無しさん:2017/06/20(火) 23:04:33 ID:CtAeYXyM0
他の皆様に触発されて、自分も未熟ながら数年ぶりにSSっぽいものを書いてみました……
求められてるSSの内容とあまり噛み合ってなかったら済みません。

461名無しさん:2017/06/21(水) 19:10:32 ID:gzlt60lM0
>>460
丁寧な描写の作品をごちそうさまです
真面目なトランパートちゃんというのも珍しいですね
またお気軽にSSを投稿してください

462名無しさん:2017/06/21(水) 19:57:20 ID:obbpp/5kO
豪雨が降った後の夜の帰り道。

「あー。晴れた晴れた」

澄んだ色の夜空を見上げて、伸びを一つ。
ついでに息を深く吸い込んだら肺の中に蒸し暑い夏の空気が一杯に入ってきて、僕は顔をしかめた。
傘をささなくても良くなった代わりに、今度は蒸し風呂である。
豪雨の後は大体晴れ。
梅雨が終われば、不快指数の高い夏がやってくる。
昔から夏が好きでは無い僕にとっては、まだ雨が降り続いた方がましなのだ。
暑い上に--

「どしたの? そんないやそな顔して」

夏の風物詩。
プーンという、人類の天敵の羽音。

「夏が来るからだよ」
「ええー、良い季節じゃないの」

不機嫌そうに顔を上げると、そこにはある夏の昆虫--をかたどった姿の同級生の魔物がニヤリと笑っていた。

「雨は降らないし、植物は元気な緑になるし--何より、君が半袖になるから吸いやすいし」
「僕は蚊が嫌いだって言ってるだろ……」

鋭い歯を見せて笑う少女の姿に眉間に皺がよる。
そう、彼女は蚊の魔物、ヴァンプモスキートだった。
蚊は僕にとって不倶戴天の強敵である。
あの抜けがたい痒みに肌の弱い僕は悩まされ続けてきた。
今では数年前に流入した魔界の技術で痒みなどは抑えられるようになったけれど、それでも未だにあの羽音が聞こえると首をすくめてキョロキョロしてしまう。
そもそも、人間にとって蚊は人間以上の天敵なのだ。
マラリアなどの伝染病で命を落とした人が沢山いる。
だから、不快に思うのは僕だけのせいじゃない。本能だ。

「ふーん……でも、君ってさ」
「な、なんだよ」

プーンと、耳に響くあの羽音。
思わず首をすくめる僕の後ろに、彼女はいつの間にか回り込んでいた。

「蚊がキライって割には。血が美味しいよね」
「……」

ペリペリと首筋に貼っていたかゆみ止めのシートが剥がされる。
むき出した肌の上にあるのはじくじくとかゆい、虫さされ。

「健康な方が美味しいって言ったら、毎日ジョギングしたり、お野菜をバランス良くとってくれたり」

意地悪な声を出しながら、首筋を舐める少女。
痒みが独特の快楽に変わる、不思議な感覚が襲ってくる。
振り返れば、相変わらずの天敵の不敵な笑み。

「蚊は嫌いだよ……でも」
「でも?」
「……君は、好きだから良いんだよ」

それが真っ赤に崩れた所を見ながら、僕は痒みとも快楽ともつかない。彼女の歯に身を委ねていた。

463名無しさん:2017/06/22(木) 18:54:53 ID:m/pWcK/s0
>>462
お天気にタイムリーなSSごちそうさまでした
ヴァンプモスキートちゃんらしさと情景のマッチした良いSSですね
最後に照れちゃうところが可愛らしい

464名無しさん:2017/06/26(月) 16:51:40 ID:s9En9B8o0
「おいすー」
「よう脳内お天気バカ河童」
「町内一美人のエロ河童? やだ、本当のことを堂々と!」
「河童以外言ってねえよバカ」

「いやー、梅雨ですねー。最高の時期ですねー!」
「最悪の時期だっての。ジメジメするわ、バカは来るわ」
「そこは『お前に会えるからいい時期だな』でしょー!」
「お前自身が言うんじゃねーよ」
「とかいーつつも、昨日と同じく、氷水につけたきゅうりと自家製味噌の横には、
 何故か二人分の取り皿があるのでございました」
「うるせっ」
――――――――――――――――――――
浮かんだものをそのまま。
地の文なくても気軽に書けるのがいいね、このスレ。

465名無しさん:2017/06/27(火) 18:58:32 ID:FGqs83LE0
>>464
あ、良い。なんか良い会話

466名無しさん:2017/07/11(火) 14:33:25 ID:v40936eg0
デユラハン「くっ、敵国の軍に囚われてしまった……このままでは殺されるよりもひどい目に……」

将軍「くく……いい女じゃないか。兵士の慰み者にしてやろう。
『態度はでかいがおっぱい揉んだだけで下着の中に射精しちゃう系早漏ツンデレ耳年増ショタ兵士』の慰み者にな」

デュラハン「(そう焦ることもないか)」

467名無しさん:2017/07/11(火) 22:37:09 ID:qYUj.SR.0
>>466
むしろご褒美ですなw
(そして終了スレ流しage)

468名無しさん:2017/07/12(水) 16:52:14 ID:arNLr99U0
結局リャナンシーちゃんの批評云々言っていた輩共は別スレ立てず

リャナンシーちゃんも来なくなったね。

希望すればリャナンシーゆあん来てくれるのかな?

来てくれるなら希望したい。んで批評云々言って何もしない輩は
来ないで欲しい。

469名無しさん:2017/07/12(水) 19:08:30 ID:L9z9tkIQ0
>>466
早く慰みものにされるシーンを書くんだ

470名無しさん:2017/07/12(水) 21:42:23 ID:L9z9tkIQ0
>>468
そういうケンカ腰のレスしてたら駄目だよ
リャナンシーちゃんも怖がって来なくなるって

471名無しさん:2017/07/12(水) 22:07:03 ID:Fa/5DXVE0
>>468
元リャナンシーの中の人だけど、書いてくれたら書くよー。
……まあ、他の人がうるさいって言うなら辞めたほうがいいと思うけど……。

472名無しさん:2017/07/13(木) 16:48:44 ID:0HXGt0fI0
反対する筋合いのある人間なんていないと思うよ
リャナンシーちゃん達が出て行ってからスレがまた更地になったんだから
過疎化を見過ごして来たのに文句を言おうなら勝手が過ぎる

473名無しさん:2017/07/13(木) 18:01:09 ID:gKHRMZIo0
批評スレ立てようかって話で急にキレてスレ立て反対しだした人がリャナンシーちゃんのことを余計だと言ってたもんな
ほんと自分勝手だし短気すぎるわ

474名無しさん:2017/07/13(木) 19:31:49 ID:0Cfx6hFg0
本当に正義感で言ってたと思わないほうがいいぞ

ちょうどつつけそうな遊び道具があったから
壊れるまで遊ばれただけってのが案外真相だろう。
なんでもかんでも真摯に対応すれば良いという訳じゃない。何にでも突っかかりたい輩は雑音と断じ、無視する強硬さも時には必要だ

475名無しさん:2017/07/13(木) 21:03:50 ID:Ghy43cHY0
妬ましいの。
貴方が妬ましいの。
ああ、ああ。
妬ましくてたまらないわ。
妬ましいのよ。

何が妬ましいって、それよ。
貴方のその言葉よ。
『愛してる』って、その言葉よ。
どうして、どうしてなのよ。
貴方の『愛してる』は、こんなにも私の心を揺さぶるのに。
私からの『愛してる』は、ちっとも貴方の心に届かないんだわ。
同じ『愛してる』なのに何が違うっていうの?
ああ、妬ましい。妬ましくて妬ましくて気がおかしくなりそう。

ちゃんと届いてるって? そんなはずないわ。
私の『愛してる』が届いてるなら、貴方はそんなに落ち着いていられないはずよ。
だって私は、貴方に『愛してる』って言われると、それだけで気が遠くなりそうなの。
魂だけの私が、愛おしさで燃え尽きてしまいそうになるの。
胸が苦しくて、熱くて、もうどうにかなってしまいそうになって。
涙が溢れそうなほどに……貴方の言葉が嬉しくて。

貴方の『愛してる』は、こんなに厄介で、素敵だっていうのに。
私が『愛してる』って言っても、貴方はこうならないでしょう?
妬ましい、妬ましいの。
私の『愛してる』の、何がいけないの?
私の方が貴方を『愛してる』はずなのに。

ああ、妬ましい。貴方は本当にずるいわ。ずるくて、酷い人ね。
何か秘密があるんでしょう? 教えてちょうだい。

そんなの無い? 妬ましい、貴方ったら嘘を言うのね。
妬ましいわ。笑ってごまかそうなんて、そうはいかないわよ。
さあ教えなさい。貴方の『愛してる』に、どんな秘密があるの?

ほら、また『愛してる』だなんて言って。
私は一層、この心が愛で焦がれてしまうのに。
ああ、妬ましい。貴方が妬ましい。
何をニヤニヤ笑っているの? 早く白状した方が身のためよ。
まあ、貴方ったら。妬ましい、妬ましいわ。
私はこんなに悩んでいるのに、貴方は分かったような顔をして。

妬ましい、妬ましい。
ああ、ああ。
妬ましくてたまらないわ。
もう、貴方ってば。
妬ましくて、愛おしくて、変になりそうよ。

貴方ってば、もう。
まったく、妬ましいわ。

476名無しさん:2017/07/14(金) 15:59:10 ID:WHtNQUyk0
リャナンシーちゃんも希望すれば戻って来てくれるようだし、また活性化
すると登校する人も増えそうだし、嬉しい限りだ。
雑音はスルーするしかないね。

477名無しさん:2017/07/14(金) 16:50:27 ID:WHtNQUyk0
連投すみません。以前、投稿しなかったお話。

「へぇ〜男の人の部屋って……あたし、初めて入りました」

魔法学校の放課後、一緒に登下校しているトトとサーヤ。
帰り道、ひょんな会話からトトが持っている魔石を見せてもらえることになった。

「はは……ちらかっていてごめんね」
「そんな事ないですよ。あたしの部屋なんかより、ずっときれいですよ」
「ありがとう。ちょっと待っていて、今何か飲み物持ってくるから」
「はーい」

そう言ってトトは部屋を出て行った。
サーヤはベッドにちょこんと座り、辺りを見回す。
本棚にはきちんと整頓された魔法書や、魔法生物の図鑑。
机の上には魔法研究部で発表された魔石が飾ってあった。
そして、その横には皆に冷やかされ照れながらも、夏の海水浴で撮ったツーショットの写真。

「…………」

サーヤは『ふふっ』と笑うと何を思ったかバフっとベッドに倒れ込んだ。
俯せになり、柔らかい生地のシーツに顔を埋める。
トクトクと心の臓の音が自分でも驚くほど大きく脈を打っている。

(……先輩の匂い……いつもここで先輩は寝ているんだ……)

枕に頭をのせ、今度は天井をむく。

(先輩があたしのことを考えながら……って、それは欲張り過ぎか……あ……やだ
ちょっと濡れて……)

サーヤの下着が僅かに湿気を帯びた。
意識しなくとも、本能が高ぶるのだろう。
魔法学校の女生徒、サーヤはれっきとした魔物娘であり、魔女なのだ。
が、未熟なため『黒ミサ』には行けず、使い魔も使役できないが……。

(もっと魔力を高めて、立派な魔女にならないと……先輩にふさわしい彼女に)

サーヤは呆然とそんなことを考えていた。、
すると、ふと後頭部に何か平たいものがあたる感触を感じた。

478名無しさん:2017/07/14(金) 16:51:02 ID:WHtNQUyk0
(枕の下?……何だろう?)

サーヤはパッと枕をのけた。

「ひっ……!?」

そこにあったのは、『ド淫素人娘〜童顔の誘惑〜』『女の子をイかせる方法(初級)』
とデカデカと銘打たれ本だった。

「え……えと……そ、その……」

サーヤの頭の中は完全にパニックにおちいった。

(先輩もやっぱり男の人だから当然……でも私がいるのに? い、いや、でもやっぱりそういうのを求めるのは恥ずかしくて……)

その時、親友達からしょっちゅう言われている事を思い出した。

『サーヤが先輩の部屋に行くって事はエッチしてもいいよ、OKって事なんだからね』
『ちゃんと準備して、排卵日はちゃんと計算してる?』
『経験したらたら報告すること』
『あたし達は魂の友だもんね?』

(ああ…も、もしかして先輩は……わ、私と、そ、その、そういうことしたくて……)

嬉しいやら恥ずかしいやら、あたふたしている内に部屋のドアが開いた。

「サーヤちゃん、お待た……」
「あ……え!?」

止まる時間、その空間を包む気味が悪いくらいの清寂。
それをやぶったのはサーヤだった。

「すっごーい! こういう本、初めて見ましたぁ! 先輩も男の人なんですねっ!」

ぽむっと手を叩いてにっこり微笑むサーヤ。
そして再び止まる時間、その空間を包む気味が悪いくらいの清寂。
それをやぶったのはトトだった。

「ご、ごめん! 本当にごめん、サーヤちゃんが来るのにそんな……そんな本を置いていて!」
「あ、せ、先輩! そんな泣くことないですよ! あたしの方がもっとすんごいの持ってますから!」
「へっ……ほ、本当!?」
「ゴメンナサイ……ウソデス」
「あああ…………」

この世の終わりを告げられたような顔して床に伏せるトト。
いてもたってもいられなくなり、サーヤはベッドから降り、歩み寄った。

「大丈夫です、先輩。 こんなことで先輩を嫌いになったりしませんから」
「サ、サーヤちゃん……でも……」
「そんなに謝るくらいなら……罰として顔を上げて目をつむって下さい」
「あ……う、うん」

言われた通りに顔を上げ、目をつむるトト。

「先輩……好きです」

ふっと触れる柔らかい感触、それが一瞬だけ訪れた。

「え……?」
「もういいですよ、目を開けても」
「サ、サーヤちゃん、さ、さっきのって」
「ふふ、二人だけの秘密です。誰にも言わないで下さいよ、初めてのキス」

おしまい

上げてすみません。
リャナンシーちゃんを希望。柔めでお願いします。

479名無しさん:2017/07/14(金) 21:35:20 ID:LEUe8YQ60
>>478
まず君はこのスレが1レスSS投下スレってことを理解しよう
複数レスにまたがったSSを投下してる時点でマナー違反
リャナンシーちゃんに来てほしいのは分かるけど、ageてるのも含めて配慮が足りてない
ちゃんと謝って出直して来ようね

リャナンシーちゃんもお願いだから甘やかさないでね
折角戻って来れるかもしれない状況なのに、違反者の相手をしちゃうと事例として良くない
せめて謝罪レスを確認してから批評をお願いします

480名無しさん:2017/07/14(金) 22:05:06 ID:bmsuYnRU0
そうだな、ここは1レスSSであって自治厨が好き放題スレでもない
確かにマナー違反ではあったけど謝罪要求とか馬鹿かと
お前はゴルスタ運営か何か?

481名無しさん:2017/07/14(金) 23:04:04 ID:LEUe8YQ60
>>480
俺に突っかかっても何も良いことないぞ
違反しちゃった奴が謝って、次は気を付けてねってことにしてからリャナンシーちゃんが来てくれた方が丸く収まる話じゃないか
これで俺らが喧嘩でも始めようものなら、更にリャナンシーちゃんもレスし辛くなるだろ?
止めようぜ。喧嘩して喜ぶのは荒らしだけだ

482名無しさん:2017/07/14(金) 23:11:01 ID:bmsuYnRU0
SS書いた人が荒らしとは恐れ入る
リャナンシーちゃんも自治厨が我が物顔で闊歩するところには居たがらないだろうな

483名無しさん:2017/07/14(金) 23:35:02 ID:2n7gau.I0
>>482
レッテル貼り、煽りに、相手の意見無視。

まだこのスレ荒らしがいるのか・・・。

484名無しさん:2017/07/14(金) 23:39:32 ID:bmsuYnRU0
素晴らしいブーメランの持ち主だな
ただ相手のマウント取りたいだけのガイジよかマナー違反だろうと作品投下した奴の方ががよっぽどマシだろうに

485名無しさん:2017/07/14(金) 23:46:23 ID:LEUe8YQ60
じゃあみんなでSS書こうぜ
それで投下すれば良いんだよ
まさか書けないなんて言わないよな?

486名無しさん:2017/07/15(土) 00:15:16 ID:hC9iIJQI0
なんでこんな急に治安悪くなったんだ・・・
ぶっちゃけこのスレ閉鎖して大人しく短編集としてCGIに投稿した方がいいんじゃないかな・・・結構ガチで
ここはもう何やったって炎上するし、させたい人もいっぱいいるから触らんほうが良い。

リャナンシーちゃん・・・ってか、その中の人もだいたい特定されてるから言っておくけど
今はマジで戻ってこない方が良い。匿名ならまだしもほとんど名前が割れてるのにこの状態で戻ってきたらヤバい
あなたを待ち望むファンもたくさんいるのは分かってるけど、
鬼畜軍曹も鍵山白煙も消えた今、このクロビネガで一番アンチが多いのもおそらくあなただ。
大概、謂われない中傷が殆どだが、ここの殆どの投稿が貴方だったというのは正直言って賛否両論あっても仕方ない。
そういう所を執拗に叩く奴が出て来るのは断言できるし、それへの反論でさらに収集が付かなくなり炎上するのは目に見えてる。
もちろん、あなたが悪いとは思わないがただ、この状況を鑑みて察してくれるとありがたい。

487名無しさん:2017/07/15(土) 00:29:12 ID:U7bqT7aI0
犬コピペ改変SS

犬  「何処いくの!? 散歩!? ねぇ! 散歩! 散歩いくの!?」
飼い主「仕事だよ」
犬  「本当!? 散歩じゃないの!? リード持たない!?」
飼い主「あぁ、仕事だからリード要らないよ」
犬  「そうかぁ! ボク犬だから! 犬だから仕事わかんないから!」
飼い主「そうだね。わからないね」
犬  「うん! でも仕事なんだ! そうなんだぁ! じゃあ着いてっていいんだよね!」
飼い主「違うよ。お留守番だよ」
犬  「そうかぁ! じゃあお留守番だね! 守ってよう!」
飼い主「うん、守ってようね」
犬  「あぁ! お仕事だからお留守番だね! ね、ご主人様!」
飼い主「うん、いい子で待ってていいよ」
犬  「あぁーご主人様とボクは今家を出てているよー! お散歩だよねぇー!」
飼い主「お留守番しててよ」

 ◇

犬  「投げるの!? それ、投げるの!? ねぇ!ボール! ボール投げる!?」
飼い主「あぁ、投げるよ」
犬  「本当!? ボール投げるの!? 嘘じゃない!?」
飼い主「あぁ、ボール投げるから大丈夫だよ」
犬  「そうかぁ! ボク犬だから! 犬だから投げたふりとかわかんないから!」
飼い主「そうだね。わからないね」
犬  「うん! でもボール投げるんだ! そうなんだぁ! じゃあ取って来ていいんだよね!」
飼い主「そうだよ。取っていいんだよ」
犬  「よかったぁ! じゃあ投げようね! ボール投げよう!」
飼い主「うん、投げようね」
犬  「あぁ! ボール投げるからボール取れるね! ね、ご主人様!」
飼い主「うん、ボール見てていいよ」
犬  「あぁーご主人様がボールを今投げているよー!」
犬  「ボールないよ! ボール!」
飼い主「投げたふりだよ」

 ◇

犬  「渡るの!? これ、渡るの!? ねぇ! 信号! 信号渡る!?」
飼い主「あぁ、渡るよ」
犬  「本当!? 大丈夫なの!? 赤じゃない!?」
飼い主「あぁ、青だから大丈夫だよ」
犬  「そうかぁ! ボク犬だから! 犬だから色わかんないから!」
飼い主「そうだね。わからないね」
犬  「うん! でも青なんだ! そうなんだぁ! じゃあ渡っていいんだよね!」
飼い主「そうだよ。渡っていいんだよ」
犬  「よかったぁ! じゃあ渡ろうね! 信号渡ろう!」
飼い主「うん、渡ろうね」
犬  「あぁ! 信号青だから信号渡れるね! ね、ご主人様!」
飼い主「うん、前見てていいよ」
犬  「あぁーご主人様とボクは今信号を渡っているよー! 気をつけようねぇー!」

 ◇

犬  「眠るの!? 僕、眠るの!? ねぇ! 今! ここで眠る!?」
飼い主「あぁ、眠るよ」
犬  「本当!? 大丈夫なの!? ただ疲れただけじゃない!?」
飼い主「あぁ、15年も生きたから大丈夫だよ」
犬  「そうかぁ! ボク犬だから! 犬だから歳わかんないから!」
飼い主「そうだね。わからないね」
犬  「うん! でも15年も生きたんだ! そうなんだぁ! じゃあ眠っていいんだよね!」
飼い主「そうだよ。いいんだよ」
犬  「よかったぁ! じゃあ眠ろうね! 穏やかに眠ろう!」
飼い主「うん、眠ろうね」
犬  「あぁ! 15歳だから大往生だね! ね、ご主人様!」
飼い主「うん、静かに眠っていいよ」
犬  「あぁーご主人様は今ぼろぼろ泣いているよー! 笑って見送って欲しいよー! 今までありがとねぇー!」

 ◇

クー・シー「天国!? ここ、天国なの!? ねぇ! 天国! 本当に!?」
飼い主  「いや、違うよ」
クー・シー「本当!? 本当にご主人様なの!? 嘘じゃない!?」
飼い主  「あぁ、本当だから大丈夫だよ」
クー・シー「そうかぁ! ボク犬だから! 犬だからあの世とかわかんないから!」
飼い主  「違うよ、もう犬じゃないよ」
クー・シー「うん! でも天国じゃないんだ! そうなんだぁ! じゃあご主人様と離れなくていいんだよね!」
飼い主  「そうだよ。離れなくていいんだよ」
クー・シー「よかったぁ! じゃあ散歩いこうね! 一緒に歩こう!」
飼い主  「うん、歩こう」
クー・シー「あぁ! これからずっと一緒にいられるね! ね、ご主人様!」
飼い主  「うん、ずっと一緒だよ」
クー・シー「あぁーご主人様とボクはずっと一緒だよー! 幸せだねぇー!」

488名無しさん:2017/07/15(土) 01:44:06 ID:UouuTg760
>>484
いや……投稿する以上最低でもマナーは守るべきだろう……

489名無しさん:2017/07/15(土) 01:54:25 ID:fJZM3zj.0
>>487
やめろ、その話は俺に効く・・・やめてくれ・・・
いや、話としてはいいんだがね
そのなんだ、心にくるんだ

490名無しさん:2017/07/15(土) 02:22:58 ID:rDW8IA7IO
空を飛ぶためには、大切な事があるのだと、少女は言った。
彼女は翡翠色の美しい翼を持ったワイバーンだった。
蒼い空を自在に翔る彼女の姿は宝石のようで、他の誰よりも美しいと評されていた。

「空を飛ぶために大切な事。それは、一体どんな事なんですか?」
「うーん、一言で言うなら、愛かな?」

手作りの飛行機械を飛ばす準備をしながら質問する僕に、彼女は柔らかく笑ってみせる。
さらりとした銀髪が飛行機械の作る風を含んできらきらと光った。

「愛?」
「そう、愛情なんだ」

訝しげな声を上げる僕の唇を、彼女の竜の指が優しく塞ぐ。
ジワリと伝わる。少女の体温。

「この空は広くて、本当に広くて。そして自由で」

少女は一旦言葉を切る。
風が頬を撫でた。

「独りきりじゃダメなんだ」

彼女の言葉が終わる。
飛行機械のセットアップが完了する。
プロペラがバタバタと音を立て始めた。

「だから、僕は君に追いつこうと思って、これを作ったんだ」

僕は、小さく首を振った。
愛が大切なら、僕だって飛べる。
彼女の隣で、飛びたかったのだから。
さみしそうな顔をする彼女から目をそらす。
機械が飛び始める。
しがみつく僕の身体がガクガク揺れる。
ゆっくりと重力のくびきを断ち切る機械の翼。
ふわりと感じる独特の浮遊感。

そして、ぎしっという不吉過ぎる音。

「うあっ!?」

真っ二つに折れる機械の翼。
実験では上手くいったのになんて言い訳は通用しない。
投げ出された身体が中空に浮かぶ。

掴むものの無い。孤独なソラ。
一直線に落下する僕。

「……!?」
「もう、言ったでしょ?」

叩きつけられる!
目を瞑る僕の体に衝撃はない。
いつの間にか、彼女が抱き留めていたのだ。

「独りで飛ぶ必要はないの」
「……」

翼で抱き留めながら、少女は僕を覗き込む。

「キミと居るだけで私はとべる」
「……」
「キミの翼は、私がなってあげる」

ふわり、再び体が持ち上がる。
ずっとずっと高い世界へと。
それは何時も彼女が飛んでいるよりもずっと上の世界だった。

491名無しさん:2017/07/15(土) 14:15:31 ID:U7bqT7aI0
>>490
爽やかなようで、少し苦味も感じられる作品をごちそうさまです。

492名無しさん:2017/07/15(土) 14:21:25 ID:U7bqT7aI0
子供が生まれたらクー・シーを飼いなさい。

子供が赤ん坊の時、
子供の良き守り手となるでしよう。

子供が幼少期の時、
子供の良き遊び相手となるでしょう。

子供が少年期の時、
子供の良き理解者となるでしょう。

子供が青年になった時、
自らの体をもって子供に命の生まれる仕組みを教えるでしょう。

そして子供が父親になった時、
子供の最愛の妻として幸せな家庭を築いていることでしょう。

493名無しさん:2017/07/15(土) 16:08:16 ID:CpWPHccs0
>>492
いいですな〜
・・・ところで、コボルドでもいいかな?

494名無しさん:2017/07/15(土) 21:10:20 ID:U7bqT7aI0
>>493
もちろんコボルドちゃんでも大丈夫なはずですよ。

何かこのスレがまた盛り上がる方法はないでしょうかね。
SSコンペの企画でも考えてみましょうか……。

495名無しさん:2017/07/16(日) 17:38:18 ID:6ZKxICyM0
「おデブのオチンチン臭い、ちゃんと洗っているの?」
「そんな……ノラ様が洗うなって言ったじゃないですか」
「んんん? そんなこと言ったかな?」
「まぁいいよ。おデブはチンチンの大きさだけは大人以上だし」
「あ、あの……ノラ様、その……できれば語尾に『にゃ』って付けてくれませんか?」
「えー、あれってさ、人間の幻想だって。 スフィンクス全員が『〜にゃ』なんてつけると思ってる? キモイんですけど、唾吐いてやる、んぐんぐ……ペッ!」
「そんなぁ〜、初めて会った時『逃がさないにゃ』って言ってくれたじゅないですか」
「あれは気分だよ、気分、その時の気分」
「お願いします、交尾頑張りますから」
「……はぁ〜しょうがないなぁ、いいよ、そのかわりちゃんと気持ちよくすること」
「はい、褐色猫娘様、万歳!」
「ったく返事だけはいい……にゃ。 じゃ、あたしのここに早速入れるにゃ」
「ノラ様のオマンコ、パクパクして……美しいです」
「ニャハハハ、照れるにゃ……じゃ、ここで問題にゃ!」
「はいい」
「1+1は?」
「任して下さい! 2ィ」
「お利口にゃぁ、じゃ、ハムがなっている木って何ていう木にゃ?」
「?????」
「はやく言うにゃ〜、ハムができる木にゃ〜素晴らしい木にゃ」
「ハムって何ですか?」
「おデブ、とんてもないバカにゃ! オチンチン食べてやるにゃ!」
「あああん、らめぇ!」
このあとめちゃくちゃセックスした。

おしまい

496名無しさん:2017/07/17(月) 13:03:58 ID:p6Rcc3ZI0
>>477-478
久々に召喚されました、新人リャナンシーです。今日も熱にうなされながら微乳な感想を口走っちゃいます。

さて、柔らかめの感想は、実は苦手なんだけど、真綿で首を締める感じでいいのかな?。
魔女のサーヤちゃんがとってもかわいく書けていたと思います。遠慮せずに、もっと淫らになっていいのよとか背中を押してあげたくなるわよね。
問題なくシーンの想像もできるし、特にわかりにくいところも無かったわ。文章的に問題なしね。
気になった点は色々とあったけど、柔らかめなので、その中で一つだけ。
体言止めが多いことが目についたわ。しかも、登場人物名のものが特に多いわよね。
だから、テレビドラマなんかでやっている「目の不自由な人のための副音声」みたいになっちゃっているのよね。わかりやすくはあるけど、情緒に欠ける感じがするわ。
人物名の体言止めは「(人物名)は〜」という形と互換性が高いから、多分、「サーヤは〜」「トトは〜」というのを連発するのを避けるために体言止めしたんじゃないかな?
そういう場合は、明確なら主語を抜く方法もあるから、そっちの方がいい感じになると思うわ。
>ぽむっと手を叩いてにっこり微笑むサーヤ。
→ぽむっと手を叩いて、精一杯の明るい笑顔を浮かべた。
違和感ないでしょ? 誰だかわからなくても、次の台詞で確定するから問題なし。そもそも登場人物が二人なら混乱も少ないから、適度に主語を抜くのは気にせずにバンバン使っちゃっていいわ。
私の個人的な感覚だけど、体言止めの多い作品を読むと、手抜きっぽく感じちゃうのよね。だから、ついつい指摘しちゃうけど、そのあたりは個人の判断でよろしくね。
それじゃあ、またの投稿をお待ちしています。

497名無しさん:2017/08/27(日) 10:04:21 ID:WUCu0OBY0
SSやら感想やらはさておき、とりあえず流しageさせていただきます。

498名無しさん:2017/08/27(日) 19:10:46 ID:G3/k6wHo0
(一月過疎なこのスレより考察スレとかageた方がよかったんじゃ……)

499名無しさん:2017/08/27(日) 19:15:25 ID:G3/k6wHo0
申し訳ありません
考察スレってageられないんですね
失礼致しました

500名無しさん:2017/08/27(日) 20:48:51 ID:WUCu0OBY0
お気になさらず。
こちらこそ、ほかの選択肢の存在を考えていませんでした。
とはいえ、考察スレもダメとなると何がいいのやら・・・
(これ以上はここでするべき話じゃなくなりそうですし)

501名無しさん:2017/09/03(日) 16:07:09 ID:uI2HUhX.0
デビル「えへへ……ねぇ、出ちゃう? 出してもいいよ♪(チュクチュク」
「あうう……やめてぇ……」

「オイオイオイ」
「デビルだわアイツ」

「ほう インピオですか…たいしたものですね」

「インピオとはロリショタ同士の絡みのことを指す隠語であり、ほしの○うたなど
このジャンルを専門に書いている作家もいるくらいです」

「なんでもいいけどよォ」
「相手は女の子みたいに可愛いショタだぜ」

「それに背後からささやきながらの手コキというシチュエーション。
これも即効性のシコリティポイントです。竿役が性知識皆無のショタという
設定も添えて、状況設定のバランスもいい」

「ああっ、なんか出ちゃうよぉ(ピュッ」

「それにしても精通すらまだだというのに、あれだけスムーズに射精まで追い込めるとは、
超人的な手淫というほかはない」

デビル「よし…と♪」

502名無しさん:2017/10/05(木) 20:50:56 ID:H8hN.q020
「先輩。最後の詩、できました?」
「ううん……これは没みたい」

私は首を振って、たった今しがた書き付けていたものが彼の目にふれないように、ノートをパタンと閉じた。
さっき下校を促すチャイムが鳴ったところだから、そろそろ帰り支度をする頃合。
きっと夕日が遠い町並みに消えていき、窓から漏れる光が彼の横顔を照らしているんだろう。
それを直に見ることができないのは、やっぱりちょっと悔しくて、私は自分の仮面の端を爪で軽く引っかいた。

「キミは、どうだった?」
「俺もうまくいかなくて。ちょっと恥ずかしくて口には出せないです」

そう言って彼は頭を書いて苦笑を漏らす。
図書室での、二人だけの部活動。
私と彼は、文芸部の先輩と後輩という間柄。
今日の活動は詩を書いてみようというもので、できたものを二人で朗読して、感想を言い合うという、お遊びみたいなものだった。

「どんな詩だったの?」
「自分のことだったんですけど……なかなか、明け透けっていうか。先輩のは?」
「私も同じようなもので……人に見せられるようなものじゃないかな」

特に、キミにはね。
思っても口には出せないまま、机に広げていたノートや筆記用具をしまっていく。
彼のほうも、それ以上は何を言うでもなく、自分の荷物をまとめ始めている。

沈黙が心地良くて、だけど、もどかしくもある。
人付き合いが苦手な私にとって、唯一の繋がりと言える、彼と一緒にいる時間。
あの詩は、彼に対する私の気持ちを、思うままに綴ったものだ。
本当は彼のことを見つめてみたい。熱探知と魔力探知での仮初めのものでない、彼の本当の姿を見てみたかった。
そうして、彼を私のものにしてしまって――魔物娘としての本能と、私の陰気な欲望が、暗い炎になって私の胸にちろちろ燻っている。
けれど、臆病な私にはそれができない。むしろ、彼との関係が壊れないようにするほうが、ずっと大変なことだった。
あくまでも今の私は、彼にとって『良い先輩』でしかないのだから。

「それじゃ、先輩。出ましょうか」
「そうね。行きましょう」

私たちは司書さんに挨拶をして、昇降口に向かった。
今日、あと彼と一緒にいられるのは、ここから駅に到着するまでの間だけ。
それまでにどれぐらい、彼との仲を近づけられるんだろうか。
手を繋いで、抱きしめあって、キスをして――そんな恋人関係に、いつかなれるんだろうか。

駅までの道のりは、いつも短くてあっという間の、近いものに感じられるのに。
隣り合っているはずの彼との距離は。
どうしてだろう。
歯がゆくて、切なくて、手を伸ばしても届かない。
そんな遠いものに、感じられるのだった。

503名無しさん:2017/10/05(木) 21:37:49 ID:H8hN.q020
また書き手同士でワイワイ交流したいなぁ……

504名無しさん:2017/10/29(日) 13:29:42 ID:m0oy0PYQ0
「やい、炬燵並びー。俺の横に入るのは止めろー狭いだろー」

「やぁですー、ウチはお兄様の隣じゃないとやぁですー」

「まったくお前はどうしようもない甘えん坊だなー」

「お兄様が甘やかしてくれるから良いんですー、うふふー」

「はぁー」

「はふー」

「あったけー」

「あったかいですー」

「尻尾がチリチリにならないようにだけ注意しろよー」

「はーい♪ それならお兄様がウチの尻尾を抱えててくださいー」

「仕方ないヤツめー。存分にもふってやるから覚悟せいー」

「やぁっ♪ お兄様ー、そんなに付け根をさわさわしちゃやぁですー♪」

「代わりに後でお兄様が特製きつねうどんを作ってやるからなー」

「お兄様ぁー? 愛してますぅ、お兄様ぁー?」

「あー、ぬくぬくもふもふの幸せー」

「ぬくぬくさわさわの幸せー」

「へへー」

「うふふー」

505名無しさん:2017/10/29(日) 13:31:26 ID:m0oy0PYQ0
あー文字化けしてもうたー
仕方ないから貼りなおしー

506名無しさん:2017/10/29(日) 13:32:34 ID:m0oy0PYQ0
「やい、炬燵並びー。俺の横に入るのは止めろー狭いだろー」

「やぁですー、ウチはお兄様の隣じゃないとやぁですー」

「まったくお前はどうしようもない甘えん坊だなー」

「お兄様が甘やかしてくれるから良いんですー、うふふー」

「はぁー」

「はふー」

「あったけー」

「あったかいですー」

「尻尾がチリチリにならないようにだけ注意しろよー」

「はーい♪ それならお兄様がウチの尻尾を抱えててくださいー」

「仕方ないヤツめー。存分にもふってやるから覚悟せいー」

「やぁっ♪ お兄様ー、そんなに付け根をさわさわしちゃやぁですー♪」

「代わりに後でお兄様が特製きつねうどんを作ってやるからなー」

「お兄様ぁー♪ 愛してますぅ、お兄様ぁー♪」

「あー、ぬくぬくもふもふの幸せー」

「ぬくぬくさわさわの幸せー」

「へへー」

「うふふー」

507名無しさん:2017/10/29(日) 18:38:45 ID:a2TWz7yA0
妖怪妹稲荷によるシュガー・ハザードが掲示板にまで・・・
感染者?それともまさかご本人!?

508名無しさん:2017/10/29(日) 19:58:43 ID:JQgtNfz60
ハニーハザード......という名称を提案してみる。
甘いのと、バカップルの「ダーリン・ハニー」とかけてみる...

509505:2017/10/29(日) 20:30:51 ID:m0oy0PYQ0
>>507
えっと……作者本人ですみません……

>>508
さ、災害扱い……

510507:2017/10/30(月) 00:32:27 ID:1OwISv/c0
>>508
アリですな!

>>509
何というか、感想欄の阿鼻叫喚(いい意味で)ぶりを見てしまうと、つい・・・

511名無しさん:2017/11/07(火) 20:29:05 ID:Bn2Yvbzo0
コーヒーを飲むとき、俺はいつもブラックで飲んでいる。

それは別に甘いものが嫌いだとか、ブラックで飲む方が格好良いと思ってるとか、そうではない。
単純にコーヒーを飲むのは気付けみたいな意味があって、わざわざ甘くすることもないかなと思っているだけだ。
だから、飲んでて苦いことは苦い。飲み込むときに少し渋い顔にはなるけど、ガマンして飲むってほどでもない。
俺にとってのコーヒーは、そういう嗜好の飲み物だ。

さて、そんなコーヒーなんだけれど。
どうやら彼女にとっては、すごく興味深い飲み物らしい。

「うー?」
「ああ、うん。これはコーヒーだよ」

真っ黒の飲み物が入ったカップと、それから俺の顔を交互に見比べてから、彼女は不思議そうに小首を傾げた。
様子を見た限り、ゾンビである彼女は今までコーヒーを目にしたことがないようだ。
果たしてこれは飲めるのかな、といった感じで匂いをかいだり、熱いカップを指先で突っついたりもしている。
確かに彼女が俺の家に来てから、コーヒーを淹れるのは初めてだった気がする。
いつも飲んでいるのは缶コーヒーの方だったし、それも家でなくて他所で飲んでばかりだったし。 

「うー、うー」
「え、飲みたいの?」
「でもコレ、すごく苦いけど……」
「うーっ、うーっ」
「わ、分かったよ」

こっちの腕を取ってねだる彼女に負けて、仕方なく俺は自分のコーヒーカップを渡した。
大丈夫かな、と思う俺の目の前で、彼女はニコニコとコーヒーに口をつけるけれど。
彼女のニコニコ顔は、みるみる内に渋い顔に変わっていき。
最後は口からだぁーっと零れ落ちていく、彼女には苦すぎたブラックコーヒー。

「ああ、だから言ったじゃないか」
「うー……」
「ほら、あーんして」
「うー?」

口周りを拭いてあげてから、俺は彼女にコーヒーシュガーを一杯差し出す。
本当はこういう使い方じゃないのだけれど、彼女の口直しにはぴったりだろう。

「今度は甘いから大丈夫。さ、あーん」
「うー」

渋面の彼女が、茶色い固まりの乗ったスプーンを口にすると。
その渋面は、すぅっとニコニコ喜びの笑顔に変わっていった。

「うー♪」
「こらこら、食べ過ぎると虫歯になっちゃうぞ」

コーヒーシュガーが気に入ってしまったのか、ポットから彼女はシュガーをすくっては口に運んでいき。
苦笑しながらその様子を見ていた俺が、自分のコーヒーカップに口をつけ……かけたところで、またも彼女が俺の腕をとって、それを制止した。

「どうかした?」
「うーうー」

駄目だよ、とでも言うように首を振る彼女。
どうも彼女からすると、もうコーヒーは口にしてはいけないもの認定されてしまったらしい。
俺がそんな劇物を飲もうとしてるので、心配になってしまったんだろう。

「いや、俺はそのままで飲むから」
「うーうー……」

まだ不安そうな顔をする彼女の頭を撫でて、コーヒーを口に含む。
ブラックコーヒーの香ばしい香りが鼻を抜けていき、それから舌に残るきつい苦味。
熱い苦味が喉を通るとき、やはり俺は少し顔をしかめてしまう。

「うーっ、うーっ」
「あのさ、俺は大丈夫だって――」

それを見ていた彼女は、一大事だとばかりに俺のことを揺すってから。
コーヒーシュガーを口いっぱいに頬張って、そして俺の両頬を掴んで。

「んぅっ!」
「――っ!?」

――俺の口の中に砂糖が流し込まれていった。

舌の上の苦味が、強烈なコーヒーシュガーの甘味にかき消されていく。
驚きで身が固まってしまった俺にお構いなしに、たっぷりと彼女は甘い甘い口付けを味わって。

「うーうー?」

そして、長いキスを終えてから、無邪気な笑顔で首を傾げる。
『大丈夫?』、なんて気軽に言うみたいな仕草で。
俺の心臓の鼓動なんて、まるで分かってないような仕草で。

……ああ、もう、本当に彼女ってゾンビは。

「……ありがと、苦くなくなった」
「うー♪」

胸から溢れる愛おしさに、彼女をそっと抱き寄せて頭を撫でる。
彼女は優しく俺を抱き返して、また嬉しそうな声を上げる。

すっかり甘ったるくなってしまった口の中は。
けれど全く嫌なものなんかでない。
幸せな甘味を、俺にいつまでも残していた。

512名無しさん:2017/11/07(火) 20:30:57 ID:Bn2Yvbzo0
私とリャナンシーちゃんはここにいるぞぉ!
誰もいないなら二人でSS畑にしちゃうもんね!

513名無しさん:2017/11/07(火) 22:25:38 ID:DO9MNwWQ0
魔物娘になら、『シュガー・ハザード』、『ハニー・ハザード』っていうスタンドが使えるやついそうw
能力はエロ方面。

514名無しさん:2017/11/07(火) 23:40:23 ID:RB1XM47g0
何かしようとしても白蛇に止められて全部やってあげると言われ堕落したい。

515名無しさん:2017/11/08(水) 06:37:57 ID:namQ193I0
>>512
がんばってくれ わたしにはもうかけない

516名無しさん:2017/11/08(水) 19:34:04 ID:AHVL.rGU0
>>514
男を堕落させる女性、といって人はどんな女性を想像するのだろうか。
それはきっとこんな女性のことをいうのだろうと、俺は今思っている。

「あなた、お茶が入りましたよ」
「……ありがとう」

お盆に湯呑みを乗せて現れた女性……自称は『俺の妻』なのだけれど。
彼女は美しい微笑を浮かべながら、ちゃぶ台の上にお盆を置くと。
スルスルと、その真っ白な蛇の下半身を俺に巻きつけ、隣にぴったりと寄り添った。
ふわりと香るほの甘い香りと、柔らかな女性の感触に、俺の中で気恥ずかしさが湧いてしまい。

「……君はどうしていつも、俺に巻きつくんだ?」
「あ……お嫌、でしたか?」
「いや、そういうわけじゃ……」
「ふふっ……なら良かったです」

しゅん、と悲しそうな表情が一転、彼女はまたも優しい微笑みに変わる。
彼女はいつだってこうだ。儚げに泣きそうな顔をされると、俺もそれ以上何も言えなくなってしまう。
参ったな、とため息をついてから、俺が淹れてもらった湯呑みに手をかけると。
ひょい、と。何故か彼女は、湯呑みを俺から遠ざけた。
俺が手を伸ばすと、ひょい。ひょい、ひょい、ひょい。

「なんのつもりだ?」
「いけません、あなた。熱いお茶ですから、あなたが舌を火傷しては大変です」
「いや、それぐらい自分で気をつけるけど……」
「いけません。私が冷ましてさしあげます」

そう言って彼女は、優しい笑顔のまま。
俺の湯呑みの口をふぅふぅ、ふぅふぅと冷まし始めた。
いくらなんでも甘やかし過ぎじゃないか、と俺の顔に熱が集まっていく。

「あのな、流石にそんな真似をされると俺だって……」
「あ……お嫌、でしたか?」
「いや、そういうわけじゃ……」
「ふふっ……なら良かったです」

しゅん、と悲しそうな表情が一転、彼女はまたも優しい微笑みでふぅふぅ。
しばらくそうしてから、「はい、あなた」と俺に湯呑みが手渡され。
俺はなんだか複雑な気分で、その湯呑みを受け取り、お茶をずずっと口に流し込む。
……俺の好みの適温なのが、ちょっと悔しい。

「はぁ……」
「あなた、どこかお加減でも?」
「……いや、大丈夫だ」
「何かあれば仰ってくださいね。全部、私がやってさしあげますから」
「はぁ……ありがとう」

その台詞がため息の原因なんだ、とは言えなかった。
彼女はいつも嬉しそうに、あれもこれも俺に世話を焼き、何をするのも全部「私がやってさしあげます」と返し。
それでいて、隙あらば常に俺と身を寄せ合うという生活を送っている。
そんな日常に困惑しつつも……その毎日が段々と当たり前に、そして心地良く感じる自分がいるのが、妙な気分で。
……ついでに、堕落の道にまっしぐらに進んでいる気がするのも、悩みの種ではあるけれど。

「……あなた」
「どうかしたか?」
「ふふっ……すみません、呼んだだけです」

ただ、どこか儚げで、ふとしたら簡単に消えてしまいそうな彼女が。
俺と一緒にいることで、幸せそうに笑ってくれるから。

「……お茶、おかわりを持ってきてもらって良いかな?」
「もちろんです、あなた。少し待っていてくださいね」
「あぁ、うん。ありがとう」

俺は今日も彼女に甘やかされ。
ふぅふぅされたお茶を飲んでいる。

517名無しさん:2017/11/08(水) 19:46:35 ID:AHVL.rGU0
なんとなしに書き込んだであろうレスをSSにするのって練習になって良いよね。

①自分がレスを元にSSを書いていく
②その内に誰か他の書き手さん達も食いついて同じことをしてくれる
③そのタイミングで自分がゲイザーちゃんにしてほしいことを大量に書き込む
④このスレにかわいいゲイザーちゃんSSが溢れる!

なんという素晴らしい計画。素晴らしき未来。

518名無しさん:2017/11/08(水) 22:21:55 ID:.76WITg20
>>516
愛は重そうだけど優しい白蛇さんっていいですねえ…… 
一緒にどこまでも堕ちていきたい

519名無しさん:2017/11/09(木) 07:59:28 ID:9DxZWG3I0
「…………」

「お兄様、どうかなさいましたか?」

「おかしい……俺がパフェを食べようとしてるのに、妖怪『小さじ奪い』が出てこない」

「もう、お兄様……ウチだっていつまでもお兄様に甘えてばかりでないんですよ?」

「いやだって、お前はいつも俺の小さじを取って『やぁです、お兄様が食べさせてくれないとやぁですぅ』とか言ってたし」

「ウチも大人になってきたんです」

「なら、良いんだけど……」

「さぁ、お兄様。早く食べないとアイスやチョコが溶けちゃいますよ?」

「あ、うん……そうだな。いただきまーす」

「うふふ……いただきます」

「んむ……美味い」

「美味しいですねぇ」

「ほら、こっちのチョコはお前にやるよ」

「まぁ、ありがとうございます。ならこのクッキーはお兄様がどうぞ」

「おう、ありがと」

「んー♪ アイスも冷たくて美味しいです」

「あ、こら。俺の分も残してくれよ」

「はぁい、お兄様」

「俺はアイスと下のフレークを合わせて食べるのが好きでなー」

「ウチはプリンのカラメルとクリームが好きですー」

「美味いなー」

「うふっ……うふ、うふふっ」

「どうした、ニマニマして。そんなにパフェが美味いか?」

「だってお兄様、こうやって一つのパフェを二人で一緒に食べるなんて……まるで本当の恋人同士みたいで♪」

「…………」

「……お兄様?」

「ごちそうさま。残りのパフェはお前にやる。たらふく食うが良い俺は行くぞじゃあな」

「やぁっ! お兄様、やぁです! どうして食べるのを止めてしまうんですか!」

「小さじ奪いが出てこない衝撃ですっかり油断してたわ! 当たり前みたいに自分の小さじ用意して一緒に食べ始めやがって!」

「やぁです、ウチはお兄様が一緒に食べてくれないとやぁですぅ!」

「ええい、離せぇ! 俺はお前とバカップルごっこに興じるつもりはない!」

「やぁです、絶対に離しませんっ!」

「ならば弱点を突くのみ! 食らえ、尻尾付け根わしゃわしゃアタック!」

「やぁっ! やぁっ、お兄様、そこは優しくしてくれないとやぁですぅ♪」

「この、しつこい奴め! うりゃうりゃっ!」

「やぁっ♪ やぁっ♪ やぁーーーーっ♪」

520名無しさん:2017/11/09(木) 16:14:39 ID:RzqGlnHY0
 似たような話をもう数作ほど上げてるけど、
 俺が一番書きたいのは多分この瞬間。

 体に力が入らない、頭もぼんやりとして働いてくれない。
 目の前の魔物を、女を、ただ見ていることしかできない。

「ふふ、まだ我慢するの? 早く諦めて幸せになりましょう?」
「だ……まれ……魔物め……魔物め……」

 もう、口だけの強がりだ。
 重ね掛けされた魅了魔法に体も心もすっかり侵されてしまっている。

 目を合わせるだけで鼓動が止まらない。
 声を聴くだけで背筋がぞくぞくする。
 鼻腔をかすめる匂いを感じれば心が陶酔してしまう。

 わずかに残った兵士としての矜持によって剣を握れてはいるが、
 もう構えも取れず、ふんわりと手に引っ掛けているような状態だ。

「でももう限界みたいだね、動かないでねー…… チャーム!」
「ッ!? ……うぁ……あ……あ……」

 抵抗できない、もう何もできない。
 ふわふわ好きになって、ぼーっとして幸せになってしまう。

 魔物が近づいてくるのに体が全部ドキドキして嬉しくなるだけで、

 もう目の前なのに、大好きでぼんやりでふんわりでとろとろでドキドキで、

 ああ、ギューって抱きしめられて、嬉しい、好き、好きぃ……

「これからいーっぱい、大好きしようね……チャ〜ム♪」

 ……カランと手から落ちる剣の音が、教団兵としての私が聞いた最後の音となったのだった。

521名無しさん:2017/11/09(木) 21:21:38 ID:9DxZWG3I0
>>520
さあ、あなたが誰か白状するんだハリーハリー

522名無しさん:2017/11/09(木) 22:13:47 ID:J6hKCUpo0
>>521
たぶん『さきゅなじみちゃんのチャーム』や『囁く声にどこまでも』でググれば幸せになれるよ

>>520
貴方の作品、大好きです
私も、何も考えずふわふわのトロトロにとろかされて、チャームをかけてきた相手を一心に愛したいです。

523名無しさん:2017/11/09(木) 22:14:09 ID:p0jl9eBw0
>>519
店ごと消し飛ばしてやる(血涙

524名無しさん:2017/11/10(金) 06:28:24 ID:GREyJTcc0
>>522
サンクス。あの方だったのね……
いくつも好きな作品あるのに気が付かなかった。反省

>>523
実はお店じゃなくてお家の中だからセーフ!

525名無しさん:2017/11/12(日) 12:17:51 ID:e8OyPP120
図鑑スレの>>628に触発されてファンタ学園シリーズをレスカティエでやってみた

≪Θ 三年ウィル組 サキュバス先生!(異世界語/魔法)≫
先生『Oh, YEAH!』
生徒全員「おぅ、いぇー…」
先生『Baby, c'mon!! Yes, YEES! YEEAAASS!!! 』
生徒全員「……」

エリス「いろいろ間に合うかな…」
【もうすぐ夏だよ! 新不安多! 魔界勇者のトリコ味! 】


≪乙 三年メル組 エキドナ先生!(保健体育/技術家庭)≫
先生『ホァタァ(バキッ)ホォァア(グシャッ)、チョァア(パリーン)、ン゙ーン!(ガシャーン!)』
生徒全員「……」
先生『はーい、これ修理に出しまーす。』

校長「(修繕費用的に)やってらんない…」
【 新学期だけど! 新不安多! 教官の陶酔フルーツ味! 】


≪╋ 三年サシャ組 ダクプリ先生!(数学/神学)≫
先生『イチキュッパのお布施が1パーOFF(税金)! 貧民街への炊き出しに5割引き!
    孤児院の運営費は3掛けで対応して、さて、いくら!?』
生徒全員「……」

リシア&エミユ「「(今日もごはんが)6割引きだったよ…」」
【 新不安多! シスターブルーフォール味出た! 】


≪● 三年サプ組 ダクマタ先生!(理科/精霊学 ※外部講師)≫

先生『ツギツギッツギノモンダイハァ〜 エルエルイェルトクンッ!』
生徒「3Xです。」
<キュッキュッシシシキュッ シャバドゥビダッチヘンシーン
先生『違います。5S●xです。キャッ///』

精霊たち「(ポローヴェの威信が)傷つくかなぁ……」
【 不安多! ポローヴェネーブリ味出た! 】


≪☆ 三年ミミ組 魔女っ娘先生!(社会/体育)≫
先生『授業だよーっ☆』
生徒全員「……」
先生『この問題がわかるひとーっ♪ いるかな〜☆ いないかな〜★』
生徒「はいっ」
先生『あたまが高いっ! (ウワァァンン』

ユーリ「どうすればいいんだろう…」
【 しっぽりぱっくり 不安多! サバトマタモド味! 】


≪@ 三年フラ組 女王先生!(古文/保健)≫
先生『…ファラオの碑文には……』
先代国王「フラン!」
先生『今更なによ…!』
先代国王「俺たちが悪かった…!」
先生『ばかぁ…っ さみしかったぁ…っ』
先代王妃&三姉妹「「「「……このかわいい娘/妹(こねこ)ちゃん」」」」
先生『お母さま(とお姉さまたち)!』
生徒全員「……」

メイド「授業し……なくていいですね。」
【 あなたは不安多! 王家の睦び味! 】


≪▲ 三年コヨ組 お稲荷先生!(ジパング語/魔法)≫
先生『漢字テストすんで!
    黄昏、妹やったら読めるやろこんくらい。』
生徒「読めまへん…」
先生『女狐饂飩油揚増増(うちのことはやくたべてほしいな)やぁ!』
生徒全員「……」

黄昏「そんなご無体な…」
【 不安多! 天之宮のネバリ茸汁味出た! 】


≪∫ 三年プリ組 オオカミ先生!(理科/魔法)≫
先生『(スッ    ギリリ…    シュッ!)』
    ドスッ!
生徒「!」
先生『掃除当番よろしく。(シッポパタパタ』

巻末さん「そんなの(ウィリアムテル的あれ)ありなのか…。」
【 不安多! 春だから! 森のメオティカルフルーツ! 】


≪◎ デルちゃんだよ! 校長先生!≫
先生『明日から夏休み…
    の、はずでしたがァ!』
< ホァチャー!!
先生『自慰やオナニーなどで、エロスタイムが無いので、パンデモニウムに行きます!!』

あなた&生徒一同「もおいやぁあ…」
【 新不安多! 魔王家のどっぷりタケリ味! 】

526名無しさん:2017/11/12(日) 21:28:23 ID:AJpwvhEM0
>>525
考えてたネタを先に取られちまったいw
漢字テストとか読めるかいな!ってなる良いネタでした

527525:2017/11/13(月) 06:55:23 ID:t9ywa74U0
>>526
良いネタという感想いただき嬉しいです
貴方の考えてたネタも見てみたいです

528名無しさん:2017/11/13(月) 21:06:14 ID:oLFFfrU.0
「ほら、絶対大丈夫だから! がんばってきてね!」

そう言って私は、明るく彼の背中を押す。
すると彼は緊張でぎごちない笑顔を浮かべて、一言お礼を残して、教室を後にした。

これから彼が向かう先は夕日が照らす屋上だ。
そこには彼が想いを寄せるあの子が待っている。

彼はあの子が好きで、あの子も彼のことが好きで。
でもお互いに想いを伝えることはできなくて。
だから私は、彼とあの子を引き寄せるために、今日まで色々とお手伝いをしてきたのだ。
彼には映画のペアチケットをあげて、あの子を誘うように仕向けたり。
あの子とは彼へのプレゼントを一緒に考えてあげたり。
二人はゆっくり、だけど確実に距離を詰めていた。
告白はもちろん成功するだろう。
明日の教室には初々しいカップルが誕生しているに違いない。

「あー! 長かったなぁ、もうっ!」

誰もいない教室の静寂を突き破るように、私は少し大きな声で独り言をぶちまける。

「二人とも両想いなのバレバレなのに、どうしてこんなに手間かかるのさっ!」

そうだそうだ。お互い奥手だからとは言え、もう少し積極的になっても良かったんじゃないか。
私の手助けがなかったら、お弁当を一緒に食べるぐらいのことすらできなかったのだから。

「まーでも、これで私もお役御免だよねっ! 明日から二人でイチャイチャしてるに決まってるんだしっ!」

誰も聞いていない教室に、私の声がむなしく響く。

「二人でお弁当を食べて!」

「二人で手を繋いで帰って!」

「二人でデートもして!」

「二人でラブラブ幸せはっぴーはっぴー!」

「そのうち結婚とかしてさ! 私も式に呼ばれたりとかして……!」

「そうやって、二人ずっと幸せに……!」

ああ、もう。
私、何を言ってるんだろう。
涙流しながら、一人で、何を言ってるんだろう。

「幸せで……さっ……!」

決めてたのに。
彼が好きなのは私じゃなかったから。
私じゃ彼を振り向かせることはできなかったから。
だから、彼とあの子を応援するって。
すっぱり彼が好きなのは諦めて、二人のことを応援しようって。
大好きな彼と、大好きなあの子を応援しようって。
そう決めてたのに。

「うぅ……ぁ……」

何でだろう……
ぼろぼろぼろぼろ、泣けて仕方ないんだ。
胸が痛くて、ズキズキって、痛いよ。
こんなところ誰かに見られるわけにいかないのに。
涙……止まってくれないよ。

「ひっく……ぅぁっ――うぁああああああああああああっ!」

もう声を押し殺すことなんてできなくて。
私はまるで赤ん坊みたいに泣き叫んでしまう。

神様がいるなんて、嘘ばっかり。
いたとしても……きっと意地悪だ。
私の願いを。私のこの胸の痛みを。知らん振りしてるんだから。
素敵なハッピーエンドを、用意してくれないのだから。

ねえ、悪魔さん。
神様じゃなくて、悪魔さん。
いるならお願い。
私の声を聞いてください。

どうか私を、彼と幸せにしてください
私と、あの子と、それから彼と。
3人で、幸せにしてください。
勝手かもしれないけれど。虫が良いって言われるかもしれないけれど。
でも、幸せが良いんです。
みんなが笑顔の、幸せが良いんです。


ねえ、悪魔さん。
私の声を聞いてください。


「――ねえ」

「聞こえたわよ、あなたの声」

「もう泣かなくて良いのよ」

「ハッピーエンド――用意してあげるわね」

529名無しさん:2017/11/13(月) 21:07:50 ID:oLFFfrU.0
なんか変なSSができてしまった

530名無しさん:2017/11/13(月) 23:12:51 ID:xaCFqIm.0
>>529
続けろと言っているのだッ!

531名無しさん:2017/11/14(火) 23:41:11 ID:X2Nmj0fg0
>>529
個人的には恋人二人が悪魔さんと結託してて、魔物化した二人が主人公を引き入れるタイプの展開もいいかなって

532名無しさん:2017/11/15(水) 22:50:44 ID:tSAp/ioM0
自分としては彼のあずかり知らぬ所で二人仲良く魔物化しちゃって
彼を挟んで三人幸せな展開も良いかなって

533名無しさん:2017/11/15(水) 23:19:24 ID:tSAp/ioM0
汚いケット・シーを見つけたので虐待することにした。
他人の目に触れるとまずいので家に連れ帰ることにする。

嫌がるケット・シーを風呂場に連れ込みお湯攻め。
充分お湯をかけた後は薬品を体中に塗りたくりゴシゴシする。
薬品で体中が汚染された事を確認し、再びお湯攻め。
お湯攻めの後は布でゴシゴシと体をこする。
風呂場での攻めの後は、全身にくまなく熱風をかける。

その後に、乾燥した不味そうな魚を食わせる事にする。
そして見るからに怪しい牛女のラベルが貼ってある白い飲み物を買ってきて飲ませる。
もちろん、温めた後にわざと冷やしてぬるくなったものをだ。

その後は俺の股間に屹立するグロテスクな物体を中に散々出し入れして
ケット・シーの生殖本能を著しく刺激させ、体力を消耗させる。

ぐったりしたケット・シーを何年も使用しているせいでくたびれた布団の中に放り込み、寝るまで監視した後に就寝。

534名無しさん:2017/11/16(木) 07:56:06 ID:YtMsiSVY0
これにはバステト様もニッコリ

535名無しさん:2017/11/19(日) 18:51:42 ID:bXUtiljM0
『もしMGS3でネバリタケをキャプチャーできたら』
P:パラメディック S:スネーク


P:ネバリタケをキャプチャーしたのね。

P:ネバリタケは湿地や洞窟などの湿った場所によく自生していて、魔界でもそれなりに見かけるし、時には人間界にも生えているわ。
名前の通り表面からネバネバの粘液が絶えず分泌されているのが特徴ね。
だけど、この粘液、洗っても全然落ちないから、バックパックにしまうときには注意してね。

S:なるほど、で、味は?

P:おいしいらしいわ。
甘辛い独特の味と、香ばしい風味がいつまでも口内に残り続けるそうよ。
スープにするのが良いらしいわ。

S:そうか!こってりしているんだな!

P:……ただスネーク、食べる時には一つ注意点が……あ、やっぱりなんでもないわ。

S:なんだ?何があるんだ?

P:別に大したことないから、知らなくても大丈夫よ。

S:そう言われると余計気になるじゃないか!

P:言いたくないの!

S:ならせめてヒントでも教えてくれ。

P:わ、わかったわ。た、食べると、あ、あるものが… ね、ネバネバになるそうよ。

S:???何がネバネバになるんだ?

P:く、口では言えないんだけど……ひ、ヒントなら教えてあげるわ!……き、気持ちいい時に出る白いアレよ。

S:一体何……あっ!あれか!

P:答えは言わなくていいから!

S:葉巻の紫煙だな!

P:………は?

S:確かに粘ついたら困るが……

P:そんなわけないじゃない!第一、どうやって煙が粘つくのよ!?
そもそも粘ついた煙って何よ!?

S:じゃあ何が粘つくんだ?

P:………自分で調べなさい!…………恥ずかしがったのがバカみたい……

S:???

◯………うまいじゃないか!

536名無しさん:2017/11/19(日) 19:51:46 ID:h5/u/7WQ0
というか魔界の食い物で腹下す物があるのかと

537名無しさん:2017/11/19(日) 21:49:58 ID:z4P.b8KA0
>>535
P:スネーク!身体をよく見て!

S:?・・・今日も元気だな!

538名無しさん:2017/11/19(日) 22:50:07 ID:WqV.r4Qw0
>>536
あなたに灰色のキノコを進呈しよう

539名無しさん:2017/11/19(日) 23:11:46 ID:Ufx0E92g0
>>538 アンデッドハイイロナゲキタケverも考えてたんダナ
>>537 (マタンゴモドキ等を食べた結果)
>>536 多分腐らないし、ナゲキタケ以外では下さないけど副作用はありそうですな
勢いで書いてたけど投稿する程のものでないと思ってて溜めてた。ネタはまだまだ思いつきそうだが

アンデッドハイイロナゲキタケ1

P:アンデッドハイイロナゲキタケをキャプチャーしたのね。

S:アン……?何だって?

P:アンデッドハイイロナゲキタケ。魔界の墓地や樹海など鬱蒼とした場所に自生する毒キノコね。
禍々しい見た目通り、旧魔王時代は人も魔物も七日七晩苦しめた後に死に至らしめる恐ろしいキノコだったわ。
それが今では女性が食べるとアンデッド系の種族になって蘇生するという更に厄介な効果になったみたいね。

S:なるほど、で、味は?

P:は?

S:味。

P:スネーク、話聞いてた?このキノコは毒だって…。

S:でも、女が食ったら蘇生したんだろ?味だってわかるはずだ。

P:……資料によると、アンデッド系種族にとっては男性の精の次においしいらしいわ。
彼女たちに投げてやったら飛びついて食べるんじゃないかしら?

S:そうか!なら男が食っても旨いんじゃないか?

P:何でそうなるの!?
………確かに男が食べた場合の報告は載ってないけど、どう考えても危ないから普通食べないわよ!

S:だけど、もし、うまかったら…


P:大したフロンティアスピリットね……
でもここであなたを失うわけにはいかないの。
絶対に食べちゃ駄目だからね!

S:………わかった。仕方ないな。


◯毒だ!……ウワァァァ!(GAME OVER)※蘇生薬で復活可能



アンデッドハイイロナゲキタケ2

S:パラメディック、例のアンデッド・キノコだが

P:アンデッドハイイロナゲキタケがどうしたの?

S:食ったぞ。

P:……え?

S:不味かった。

P:食べちゃったの!?あれほど食べちゃ駄目って言ったのに !?

S:ああ。

P:ちょっとスネーク!
あなた死んでないわよね!?宙に浮いてないでしょうね!?
足元にもう一人の自分いないでしょうね!?

S:なんともないぞ。この通り。

P:ホントに?

S;あぁ。たださっきまで倒れてた。
丁度仮死薬使ったときみたいにな。

P:仮死状態だったってこと?

S:あぁ。多分な。だが蘇生薬のおかげでなんとか起きれたみたいだ。

P:そう。それは良かった……って良くないわよ!本当に他に何もなかったでしょうね!?

S:関係ないかもしれんが、いつの間にかアンデッド系の魔物に取り囲まれている。
吸血鬼もいるからさっさとこの場を離れたいんだが。

P:きっと、そのキノコの効果ね。多分男性が食べると仮死薬状態になると同時にフェロモンのような物質を体内で合成して彼女たちをおびき寄せるようね。やっぱり代替わり後でも危険なキノコね。
でも、あなたの話からするにもしかしたらそのキノコ、仮死薬の代わりになるかもしれないわ。
それに何の訳に立つかわからないけど、アンデッド系種族を誘導するのに使えるかもしれないわね。
仮死状態で襲われたらまず助からないでしょうけど。

S:不味くてもう食いたくないんだが……。

P:あなたって、本当にワガママなのね……。

S:それに、ヴァンパイアもアンデッドなんだろ?夢はおろか、現実にまで襲われるのはゴメンだ

P:そうね。そのキノコは上級者の舐めプ用ってとこかしら。

S:?

540名無しさん:2017/11/22(水) 23:23:32 ID:jicu9HeY0
リッチ「剣製勇者ァ! 何故君が神の祝福を受けずに、勇者になれたのか? 」

アロワナノー

リッチ「何故一度見た聖剣を寸分たがわず再現できるのか、何故能力を使った後に頭が痛むのかァ!! 」

ワイワイワーイ

騎士「それ以上言うな! 」

リッチ「その答えはただ一つ……。ハァ…… 」

狙撃兵「やめろぉ!」

リッチ「勇者ァ!! 君が、世界で初めて、私のハートを奪った男だからだ―――っ!!!」
リッチ「ハハハハハハッ!ハァーハハハハハハハァ!!!

ターニッォン ソウトウエキサーイエキサーイ

「僕が......魔物のハートを......?」

ッヘーイ(煽り)

541名無しさん:2017/11/24(金) 23:04:04 ID:sabbVOtI0
デルエラ「私には夢がある」
   
ウィルマリナ「夢……?」

デルエラ「確かに、魔族の誇りも世界征服もくだらない」
    「私が目指すのは真の自由よ!」
    「異性に欲情する自由、律法のくびきなど必要ない」
    「もちろん誰もが異性に欲情すれば淫行は生じる、
     だがそれでいい」
    「それこそが私の目指す世界、真の淫行の世界よ!」
      
ウィルマリナ「うあぁ!!」
      
デルエラ「この私が、枷にはめられたニンゲンの目を覚まさせてやる!」
    「何が魔族の誇りよ! 何が世界征服よ!」
    「そんなものはオークに襲わせろ!」

ウィルマリナ「うう、ああぁ……!」

デルエラ「愛する人は押し倒す、それが私の目指すレスカティエよ!」
    「私が占領したらふざけた教条[ドグマ]をぶっ潰してやる!」
    「お高くとまっているウブな修道士だの
     司祭だの女性蔑視者[ミソジニスト]だの
     エロを解さない奴らをブチ犯してやる!」
    「受けはクチュクチュされる、エロい攻めがまたがる
     私たちは原始宗教時代の混沌を、古き良きレスカティエを、
     生命が本来あるべき姿を取り戻すってわけよ!」
  
ウィルマリナ「どうやって、そんな……」
  
デルエラ「為政者[やつら]の企図かは知らないけど、
     レスカティエの規範は腐り果てた。
     今や淫行も子づくりもすべて恥辱[スティグマ]!」
    「だけどそんな淫行も最後よ。私がこのくだらない現実を、
     画一化された生殖を解体してやる!」
    「裸で語り合う夫婦の淫行を取り戻す!」
    「どう、私の理想は?」
   
ウィルマリナ「貴様本当に……魔王の皇族なの……」

デルエラ「私の演説に感動した?」

542名無しさん:2017/11/25(土) 06:56:03 ID:9GgIYLag0
>>541
元ネタは何てすか?

543名無しさん:2017/11/25(土) 23:12:58 ID:GC4A0Eik0
>>542
メタルギアライジング・リベジェンス
ttps://youtu.be/bWTCyUxBN9k?t=20m40s

544542:2017/11/26(日) 00:39:29 ID:zVAn9HmY0
>>543
ありがとうございました

545名無しさん:2018/01/21(日) 21:56:25 ID:Y8MADwF60
今日も夢を見ている。

「今晩は。愛しい、貴方♪」

彼女はアパートの隣人だ。
一度だけドアから出たところを見かけたことがある。
それだけの関係だ。
夢以外では。

「今日も愛し合いましょう♪」

隣人は、タールに似た黒い粘液に包まれた俺の部屋の中へと、壁をすり抜けてやってきた。
彼女は衣服をするりと脱ぎ捨てる。
蝙蝠の様な羽と悪魔めいた尻尾。
喜色陶然と笑うことも含めて、まるでサキュバスのようだ。

「私は貴方を愛します♪」

何時もの様に俺の上にのしかかり、交わり始める。

「私は貴方に焦がれています♪」

玉のような汗を飛び散らせ、激しく愛を交わす。

「貴方が望むなら、あらゆる奉仕をしましょう♪」

こちらの都合を考えない暴力的な快楽に、何度も彼女の中に果てる。
そして限界が訪れると、夢の中で気絶する。
遠ざかる意識の中、決まって最後の一言が耳に入る。

「愛しています。心の底から」

どこか涙ぐんだような声は、別の言葉を発しているように聞こえた。

『こんな私ですが、愛していただけますか?』

俺は夢の中でも不器用なこの隣人に一言言いたくて。
でも夢から覚めるといつも夢の事は忘れてしまうから。
今晩も心の中でそっと呟いた。

『せめて夢の中だけでも、一度くらい返事する余裕を与えてくれ』

そうして俺は、今回も告白できないまま目を覚ました。

546名無しさん:2018/01/23(火) 21:03:52 ID:XQ4m.fVQ0
>>545
さぁ、枕元に彼女へのラブレターを置いておくんだ!

547名無しさん:2018/02/01(木) 19:35:41 ID:bMqWMrSM0
魔物娘スレでマスドライバーと空耳った者たけど、
残土やリリム様のお尻の温もりつき魔力のたまっころやスライムゼリーなら兎も角、ダークマターちゃんを打ち出しただけだとなんかちょっとなんだったので(なんだよ)、ちょっと話みたいにしてみた。
後日使うかもしれないけれど、投稿所に投げるにはシーンに偏り過ぎているのでこちらに投げておきます。御笑覧ください。

エロ魔物娘図鑑スレ13 232 のネタより

 月から放たれた矢が、ある人間の街に降り注ごうとしていた。

 "彼女"の有り余る魔力に触れた魔法的なコイルは作動して、電磁誘導にも似た発生した力によって彼女は宇宙へと放たれた。弱い月の重力を振り切って彼女は地球を目指した。
 外では蒼き鷹の異名を持つ宇宙まで来た勇者が戦っていたが問題は無かった。
 真っ直ぐと落ちてくる彼女を落着地点の人間達が見つけたのは夜であった。

 大気圏突入の航跡を帚星のように伸ばして、頭に漆黒の矢尻を備えた真っ直ぐ天から放たれた降り注ぐ一本の矢のように見えた。

 主神教団の勢力圏のやや入った所にあるその街は、神々の加護で街が覆われていた。
 魔法的なガラス張りの温室は、言わば魔物や魔界と言う空気とを隔てる卵の殻であった。
 だがそれもついには、秒速10kmで飛来した彼女によって砕かれる。
 魔法防壁の天蓋を破られた音は意外と軽く華奢で、護られている人間にとっての絶望の音色である筈なのにそれは綺麗だった。術式を引き千切られズタズタにされて、それでありそれではない、そんな何にでもなれる、つまり可能性の塊としてあらゆる事態に対処できる曖昧な状態で維持されていたそれは一瞬で死を迎え硬化、結晶化した魔力の破片となった。破片はやがて破片すらも維持できずにやがて粉になり、最初は流星雨のように見えていたそれも、随分と遅れて地上に降り注ぐ頃には雪のようであった。

 きらきらと輝き落ちてくる空、空を破った彼女。
 見上げる人々の眼に映るその姿が、もはや地上までの落着まで刹那であるはずなのに、まるで暇を赦されたようにゆっくりと流れる時間の中、彼女が腰掛けた魔力の球形は綻んで、蕾が華開くようにゆっくりと変化させながら 飛来し落下しやがて落ちていった。

 街の中央広場で人々はそれを見上げ、見蕩れ、やがて我に返って逃げ惑った。
 そんな人のわちゃくちゃの中で、彼は広場の真ん中でずっと立ち尽くしていた。
 あたかも38万kmの彼方から彼を見ていたように、あるいは見詰め返して居たからであろうか、
 彼は自分がその落着点にいる事を見詰められて自覚しながら、しかし恐怖は無かった。
 抱擁が降って来た。

 ゆっくりになって落ちてくる彼女は、それはもはや矢でも隕石の代わりでも戦略爆撃用の弾頭ではなくでもなく、まるで一輪の花のようだった。
 手折られた黒薔薇のような真っ黒な花びらは漆黒のウエディングドレスだった。
 広場の真ん中に取り残された彼は、花嫁を迎える為に腕を伸ばした。
 指が触れて体温が流れ込んでくる。腕を絡め体を重ねて体温を溶かし合った。

 すぐに初夜が始まり、まるで見詰め合った刹那がもう何年か前からであったように、二人は自然と求め合い、結合して、そして魔界に堕ちた。

 迸る精液でとある彼のとある故郷は魔界となり、それから祝福するようにほかほかに蒸し上がった大量のスライムゼリーが空から降って来て街を埋め尽くした。
 ジパング出身者がそれを紅白のまんじゅうと喩えた。


 これにイチャエロを加えなくて、は……ぱたっ

548sage:2018/10/30(火) 03:49:31 ID:R7v6wMxI0
忘れてしまったことがたくさんあった。
それはどういったものたちだったのか、思い出すにも記憶の泥濘の手応えは曖昧で判然としない。
だからもう、綺麗さっぱりに忘れてしまうことにした。
有り体に言って、僕は昔の冷えて形もぼやけてしまったそれよりも、今の熱を選んだ。
口さがない人たちはそれを薄情と言うのだろうけど、今の冷えた熱は僕と彼女だけの体温だった。誰もが邪魔できない狭く、熱く、そして寒い僕たちだけの実感だった。
しとどに濡れた彼女の秘丘を割って入るだけで、身体が溶けそうになる。
堕落しているだろう。爛れてもいるだろう。
構いやしないと――掛け値なしにそう思った。

549名無しさん:2018/11/08(木) 00:50:46 ID:.pbm.9yo0
今晩は月がきれいな夜だ。
森の動物に大人気な川にも、その光が下りてくる。
俺は腰に差した得物の位置を確かめ、じっと待つ。
森の怪物と、今日こそ決着をつけると決意して。

「ばぁああああああああ!!」

月光に照らされた輝くほど白い毛皮と、クマの様に強靭な腕。
ラミアのように長い体をくねらせて、森の怪物が襲い掛かってきた。
もう何度も戦った相手であり、速いが単調な動きは既に見切っている。

「ふー! ふー!」

明らかに正気を失った眼が、俺を捉える。
雪のように輝く毛皮と、深い沼のような黒い肌。
獣とも蛇ともつかないそいつは、まさしく怪物。
だからこそ、俺は一瞬も気が引けない。

「ばぁああああああああ!!」

怪物が飛びかかってきた。
それを完全に見切ってバックステップで飛びつきを回避する。
着地した怪物の眼前に踏み込み、俺は腰の得物を引き抜く。
化け物の毛皮に似た色の花弁が舞い散る。



「いい加減にプロポーズ受けろやおらぁあああああああ!!」
「ばぁああああああああああああ!!(嬉しいけど恥ずかしいいいいいいいい!!)」



花束はあっけなく散り、怪物は去っていった。
どうやら。
まだまだ俺と怪物の決着は尽きそうにないらしい。

550名無しさん:2018/12/18(火) 00:37:25 ID:hnym.5hc0
妻のショゴスがお菓子を作ってくれた。
ガトーショコラだと思ったらショゴスゼリーで出来ていた。
「ガトーショゴス」なんて言葉が頭をよぎった。

・・・まあ、美味しいので良しとする。

551名無しさん:2018/12/18(火) 23:25:53 ID:qb4MfLoc0
カトーショゴスに空目してしまった…
誰や『加藤ショゴス』って、芸人か

どうでもいいけど、魔物娘さんの名前って、作品中だとやっぱジパングや霧の大陸以外では横文字になるよね

552名無しさん:2018/12/19(水) 06:34:11 ID:mMyddY9U0
「すみませーん、隣に住んでる者ですが……あのー、カレーを作りすぎちゃって……」

 来た!ついに来た!実家から出て一人暮らしを始めた俺の大学生活一か月めに!
 隣に住むのは背と胸が大きい、けど優しそうな女性!俺の見立てではおそらく彼女は”ホルスタウロス”という種族の魔物娘だ!
 その情報を知ってから叶わぬ願いとは思いつつも、ずっと待ち焦がれていた……
 『隣人の女性が作りすぎた料理をおすそ分けしてくれる』シチュエーション!!
 麦わら帽子にワンピースの黒髪少女と同じくらいの都市伝説だと思っていたが……まさか自分にも訪れるとはッ!!

「それで……えっと、ちょっと言いにくいんですけど……」
「……はい」

 緊張で震えそうな身体を抑えながら、俺は努めて冷静に返事をした。
 そして。


「白ごはん、余ってませんか?」
「……はい?」

 その言葉が、彼女と過ごす日々の始まりだった。

553名無しさん:2019/01/22(火) 22:53:27 ID:rTfPi7a60
とてもいいお話だったけど、カレーと聞いてフーリーちゃんの
「大っきいほうの清らか」
の話だとガチで勘違いしてしまった。もう死にたい……

554名無しさん:2019/02/10(日) 22:58:45 ID:g/V430.A0
 ――彼女に対して一つ不満を挙げるとするならば、それは彼女自身の性的嗜好に他ならない。
 彼女は嗜虐と被虐とを孕んだ行為を好む。いわゆるSMプレイだ。褐色の肌と尖った耳を持つ、エルフの崩れの嗜好としては何らおかしいものではない。
 ではないのだが。

 今日も彼女はどこから持ってきたのか判らない荒縄で私の手足を縛る。文字通りに手も足も出せなくなった私に彼女は跨り、その魔性の腰つきでもって私を搾る。
 もう幾度出したか判らない。どろどろに蕩けた私の貌に彼女は愉悦の笑みを零して、それが引き金になったみたいによりいっそう抽送は激しさを増す。吐精は終わりを知らない。
 とうの昔に、私は彼女の奴隷となっている。彼女の気紛れな求めに応え、彼女のためだけに精を捧げる肉人形。
 だから彼女が私を虐げることそのものは全く問題にならない。私が求める快楽の行方は全て彼女の手中にある、その感覚にこそ悦楽を覚えるほどに私は彼女に対して堕落しているのだ。
 彼女に私の全てを捧げようとも、苦ではない。望外の喜びでさえある。
 
 ――ただ、つらいのは。
 如何な愛情を以て私を縛り上げているとき、私の両腕が縛られている以上は彼女を抱擁することができない。彼女の愛に対する応答ができない。
 出来るのは、彼女の望むようなあられもない声を上げるだけで……私を愛してくれていているだけ、私も君を愛したい。その間、君を抱きしめられないのは、ひどくさみしい――私は傲慢なのか?
 聴いた彼女は生娘みたいな、私の見たこともないような真っ赤な顔をして俯いた。それ以上私が話すことを許さないかのように私の唇を塞いで、体と体を擦り合わせる。
 ――自由だった。

555名無しさん:2019/02/11(月) 06:22:32 ID:i8BamNuw0
>>554
最後の本茶臼…もとい、女の人が抱きつく対面騎乗位からのキスするシーンでほっこりしました、ごちそうさまでした

556名無しさん:2019/03/02(土) 01:59:10 ID:gS2qFhgU0
ご主人様。

今、ワタクシの体に簀巻きにされている理由、自明で御座いますね?

...皆目検討がつかない、と。

ほう...左様で御座いますか。

どうか、その様なお顔で怯えないで下さいまし。

ワタクシで出来たネクタイを御締めになって、外出なさったのですから。

ご主人様が他のメスと逢瀬したことなど、この目で見たようなもので御座います。

それでも、ご主人様は。

シラを切る、と?

嗚呼、憎い、憎い、憎い。

愛しい、愛しい、愛しい。

いっそ、ワタクシのこの身体に埋め込んd

...はい?

"会話の中身までキチンと聞いたか"で御座いますか?

とてもとても。考えるだけでこの身が裂けそうで。物理的に。

...へっ?この贈り物を?ワタクシに...?

贈り物の相談を...?

......ゴホン。

有難う御座います。ご主人様。ワタクシめには勿体無い贈り物で御座います。

いえ、動揺などしておりません。ご主人様。

お食事の準備を致します。

はい、ご主人様。決して、動揺して、ナイフとフォークを誤って生成したりしておりません。

鼻歌など、ワタクシが歌うはずがありません。

...赤くなどなっておりません。ご主人様。

557名無しさん:2019/03/02(土) 02:02:27 ID:gS2qFhgU0
>>556
ショゴスだよ、と書くのを忘れていた。

558名無しさん:2019/03/18(月) 22:47:40 ID:5Xhab0pA0
リビングアーマーさんで独自解釈
「私たちの出産について…ですか。」
「まず中身だけが産まれて、次に母親の鎧の一部が分離して子供の鎧になると母から聞きました。」
「信じられないという顔をしていますね。」
「では私を孕ませて確かめてくださいませ旦那様❤️」

559名無しさん:2019/06/09(日) 20:50:10 ID:H4G3PAvk0
ホワイトホーンさん好感度一覧表in雪山にて
好感度低
「お一人で雪山を歩くのは危険ですよ、麓まで案内しますからついてきてくださいな」
好感度中
「あら、お一人でどうされましたか?私が麓まで送り届けて差し上げますからどうぞ背にお乗りくださいね」
好感度大
「あの、こんなところで出会えるなんて奇遇ですね…宜しければ少しお話でもしませんか?大したおもてなしはできませんが、私の家ならば暖もとれますよ」

好感度大+発情
「ハァハァそこ行く貴方こんなところで寒くありませんか寒いですよね私の家に来ていただければ温まれますよさあ背に乗って私の上着を羽織るのです心配いりませんむしろ私は熱いくらいでしてこんなものなんか着ていられなくて矛盾脱衣でもないですから安心してくださいそれよりこれから雪も溶かすような熱い夜を共に過ごすんですから貴方様は体力を温存してくださいませウフフ」

560名無しさん:2019/11/04(月) 11:08:00 ID:iklCwJuU0
以前教国民スレで見かけたネタをやってみる

『魔物娘笑点』

えー、では次、英語圏では古典的という「ノックノックジョーク」というものをやってみたいと思います。
私は魔物をよく知らない一般人です。皆さんは魔物になりきって、私の家の扉をノックしてください。私は「どなたですか?」と尋ねますので
魔物になりきって『〇〇だよ!』と答えてくたさい。 続けて私が「〇〇ってどんな?」と返します。そうしたら、上手く返事してオトして下さい。

『(コンコン)』(Knock, knock!)
「どなたですか?」(Who's there?)
『ダンピールだよ!』(Dhampir!)
「ダンピールってどんな?」(Dhampir, who?)
『人間みたいな…、いや、吸血鬼みたいな…、じゃなくて、ええと…』
(The dhampir like human... no... vampire... no... hmm...)

『(コンコン)』(Knock, knock!)
「どなたですか?」(Who's there?)
『アリスだよっ!』(Alice!)
「アリスってどんな?」(Alice, who?)
『あのねっ、サキュバスのアリス!』 (Well... Alice the succubus!)
「どっち!?」(Which is!?)

『(コンコン)』(Knock, knock!)
「どなたですか?」(Who's there?)
『カースドソードよ!』(Cursed sword!)
「どちらのカースドソード?」(Cursed sword, who?)
『カースドソードのフランキスカ!』 (Francisca the cursed sword!)
「どんな武器!?」(How's your arms !?)

※『ノック・ノック ジョーク』(The knock-knock joke)とは、ジョークのテンプレの一つである。
具体的なテンプレは以下の通り。

1.訪問者『(コンコン)』(Knock, knock!)
2.家 主「どなたですか?」(Who's there?)
3.訪問者『〇〇(名前など)です』(XX!)
4.家 主「どちらの〇〇?」(XX, who?)
5.訪問者『〇〇●●(名前にかけた駄洒落/オチを答える)』
※本来は、『ジョンです』「ジョン、どなた?」『ジョン・スミスです。鍛冶屋の』といったやりとりがある場面。

561名無しさん:2019/11/04(月) 16:26:39 ID:v8mYmUsU0
正直ジョークは意味というか笑いどころがよくワカラン……
特に3コ目

562名無しさん:2019/11/04(月) 22:15:52 ID:ri/mtNc60
ジョークは聞く側にも同じ程度の知識が必要だからね。そういうときはこう言えばいいと思うよ!
「※※さん、あなた、とってもダンス上手ね。でも必殺のジョークは全然面白くなかったわ」

野暮を承知で解説させてもらうと、3番目の意味は「カースドソード(剣)のフランキスカ(斧)」と言われたので「どないやねん」と反応してる。
『カースドソードのフランキスカ!』 (Francisca the cursed sword!)
「聖剣ソードトマホーク!?」(Getter Robo Go!?)

563名無しさん:2019/11/04(月) 22:49:24 ID:sFf1yhyg0
>>562氏、それ某日英ハーフの軍曹さん…?

それはともかく補足すると、フランキスカが女性名でもあり武器名(斧)でもあるのがミソやね
カチューシャみたいなもん

564名無しさん:2019/11/05(火) 21:59:47 ID:fA/VkZSE0
>>562,563
このジョークを解さぬ人擬きにわざわざ解説していただきすまない…
フランキスカっておにゃのこの名前なのか……

565名無しさん:2019/11/13(水) 00:21:35 ID:GwZ8uT2k0
>>562
最後の英文www

566名無しさん:2019/12/24(火) 21:27:18 ID:Vpt.q1ic0
某映画は、沈黙の戦艦とか「沈黙の〜」ってあるけど、
「チンも食うの〜」とかタイトルで、「チンも食うの戦艦」とかでやったら、
俺TUEEEモノじゃなくて、魔物娘TUEEEモノでできないかな?

第一章は、「チンも食うの帝国」とかでどうかひとつ。
主人公兼ヒロインの名前と種族はなんでもいいけど、苗字はセガールで統一で。

567名無しさん:2019/12/24(火) 21:28:05 ID:Vpt.q1ic0
ごめん、スレ違いか? >>566

568名無しさん:2020/02/09(日) 18:44:23 ID:5FZJnyGY0
【ラーヴァゴーレムのサウナのお話】

ここはサウナだった。そう、サウナだったはずである。
それが、今はラーヴァゴーレムたちで大洪水、
彼女たちは一人の男を取り合って、競い合うように、
数々の淫らな言葉で男を煽り立て、犯していた。
皆男を我がものとするために必死だった。

「どうだ?熱く蕩けるアタシの膣内(なか)は♡アタシが一番いいだろ」

そう言って一体のラーヴァゴーレムが上から男の逸物を下の火口に咥えこみ、
しなだれかかって、興奮のあまり全てが赤く蕩けたその女体で男を撫でまわす。
掌からもこぼれるそのトロトロおっぱいは男の胸板で潰れ、
柔らかい太ももを絡ませ、全身密着して、赤く熱い舌で耳を舐める。

「いいや、アタシの時の方が息も荒くてすごかったぜ♡こいつの膣内なんてぬるいだろ」

下からも溶岩に包まれている。同じ火山から生まれていながらも、
下のラーヴァゴーレムから感じる熱の方がわずかに高かった。
そして、左右からも間隙なく、容赦なく、ドロドロの女体に抱きつかれる。
男は完全に溶岩に飲まれてしまっていた。

それだけじゃない。周囲には一度男と交わった後、その余韻でオナニーする者、
男の喘ぐ様を見てそそられ、焦らされ、自分の番を待つ者、
サウナの中にいる者だけで軽く数十は数えられる。
そこから押し寄せる熱も凄まじいものだった。

振り返ると、これまで男は、口の中を溶岩の舌で貪られ、完全に溶け蕩けきった口で
逸物を咥えこまれ、何枚もの舌が逸物や全身を這いまわっただけでなく、
その赤熱する二つのおっぱいで逸物を挟み込まれては、四つのおっぱいの中に沈められ、
最初の正常位で脳が快楽で焼け落ち、対面座位で溶岩の深くて熱いところで
激しく犯され、それから様々な体位で、包まれながら、何度も何度も犯され、
もう射精の回数も覚えていないほどだった。しかも、そうやって蹂躙されるたびに、
彼女たちから「アタシのものになれ」と囁かれるのだった。

そもそも、ここはとある火山にある町。精霊たちとその契約者たち、
魔物たちとその伴侶たちが集まり、発展を続けていっていたのだが、
ただ一つだけ問題があった。

供給されるマグマと魔力の量があまりにも多すぎるのだ。
噴火こそないものの、日に日に産まれくるラーヴァゴーレムたちの数が、
ここに住むインキュバスたち、外からやってくる男たちと比して
あまりにも多くなってしまい、男性不足という頭の痛い問題を抱えることとなった。

街の皆は言う、「やってくる男の数が増えれば問題は解決する」と。
しかし、火山と言えば危険な印象が付いてまわる。
この町にも魅力を感じてもらうためにはどうすればよいのか?
そこである者が言った。

「ジパングには温泉に入る習慣があるどころか、
わざわざその温泉に入るためだけに長い道のりを旅して人が集まってくるという。
温泉ならこの町にもある。何とかそれを利用して、男たちを外から招き、
あわよくば夫のいない者たちと結ばれて、ここに定着してくれれば……」

積極性のある彼女たちのことなので、実現するのはとても速かった。
もちろん、既に結ばれている精霊たち、魔物たち、インキュバスたちも協力した。
訪れた男たちをもてなす(意味深)のは独り身のラーヴァゴーレムたちだ。
もちろん客の中から自分たちの伴侶を見定めるため、
相手を魅了して自分のものにしてしまうためである。

今日がその営業初日。発想そのものはよかったのだが、
宣伝が足りなかった上に、交通も不便な土地柄、やってきたのは男一人だけだった。
さらに不幸なことに、今日は町中の独り身のラーヴァゴーレムたちが、全員出勤していた。
それが何を意味するか。そう、一人への多人数の集中である。

さて、そうしているうちに男は全身をビクビクと痙攣させ、限界を迎え、
白い溶岩を赤い溶岩の中にぶちまけてしまった。
同時に、上のラーヴァゴーレムも大きく震え、絶頂を迎え、
鉄も溶かしかねないほどの熱を放つ。
そのせいで、男は全身が溶けてなくなってしまうような、
文字通り死ぬほど気持ちいいという段階にまで連れていかれてしまった。

「なあ……♡やっぱりアタシが一番だっただろ?」

男は答えない。比べられるはずがないのだ。

「欲張りなやつだな♡♡♡いいぜ♡決められるまで何周でも犯してやるから♡」

上から犯していたラーヴァゴーレムが退く。その瞬間外が見えたが、
男は逃げようという気にもならない。なぜなら、外にはまだ数百の
ラーヴァゴーレムたちが控えていたからである。

569名無しさん:2020/02/09(日) 20:12:22 ID:P4.CylZ.0
>>568
>逃げようという気にもならない
つっ、強すぎる……!

570名無しさん:2020/02/11(火) 06:55:41 ID:f4KcebXU0
流石に3桁の娘さんたちを相手するのはつらそう
私的にはやっぱ夫婦は1対1シチュが好きだなぁ

571名無しさん:2020/02/11(火) 14:19:31 ID:D2PFpPr20
>>568
仕事中に見るんじゃなかった…

572名無しさん:2020/02/11(火) 21:32:46 ID:KdlRSVG60
相思相愛による1対1もいいけど
図鑑世界的にはやっぱりハーレム体制がいいな
でも3桁はさすがにムリッス。

573名無しさん:2020/02/11(火) 22:32:42 ID:pC1GSE5Y0
3ケタは無理でも、11〜99の2桁のハーレムはあこがれる......
20台ならギリギリ行ける......無理かも。

574名無しさん:2020/02/12(水) 12:20:08 ID:RitonElg0

――流れの傭兵をしていたアタシは、戦で一人の教団兵と対峙した。

一介の少年兵と、自分で言うのも何だが、屈強なオーガ。
その差は歴然で、アタシはアイツをワンパンで気絶させて。
それからアタシ軍も抜け、ねぐらで絶えずアイツを犯している。

アイツは戦場からずっと、アタシに犯されている。
膝を震わせ怯えていた、初めての時から。
今となっては、恐怖に歪む顔を見せなくなったが、それでもアイツは無抵抗だ。

無論、だからと言ってアイツを解放なんてしない。
アタシは勝者で、強者。アイツは敗者で、弱者。
だから、アタシは、好きな時、好きなだけ、アイツを、蹂躙する。

――ただ、アタシも犯すだけじゃ、物足りない。

戦場からは身を引いたが、同じくらい『闘争』も好きなのだ。
しかし、アイツは攻めるのが下手だ。いつも、なすがままになってしまう。
だから、今日アタシは、アイツにハンデを与えることにした。

両腕だけを縛らせ、主導権をアイツに取らせる。
縄は魔界製で、アタシでもそうそう簡単に引きちぎれない魔法付き。
だからといって闘わず逃げたなら、足だけでも追いつける。

――さあ、いいぜ、こいよ。

アイツは、ゴクりと唾を呑み、まずは胸を揉み始める。
そして、口を乳首にあて、吸い始める。いい感じだ。
程よい刺激は、アタシを少し興奮させてくれる。

するとアイツは、アタシの全身に触れ始めた。
普段触れる余裕もないからと、丹念に、じっくりと。
予想外のアイツの行動に、少しだけ、ドキリとする。

静かに、アタシと、アイツの、唇が、触れる。
跳ねる胸に、一層の、追い討ち。何度も、なんども。
やがて、その何度は、全身に、広がってく。

――ああ、どうして、こんなに、あまくて……。

征服する、口づけが、アタシの、大事なところに、忍び込む。
そのまま、花びらを、蜜を。吸って、キスして、またねぶる。
なぜ、そんなに、執拗に、アタシを、アタシなんかを?

濡れるまなじり、そしてナカに、アイツのモノが、はいってくる。
受け入れる準備は万全で、滑りが一層、アタシを、責め立てる。
混乱する、アタシの、唇が、もう一度、アイツに、奪われる。

突かれながらの、舌を絡めた、濃くて、あつういキス。
とろけるような、という言葉の意味が、今なら、理解できる。
アイツは、そのまま、突いて、ついて。唇は、橋を架け、言葉を紡ぐ。

無理やり連れてこられた戦場で、僕は貴女に出会えた。
助けてくれた貴女の、やりたいようにしてくれれば、幸せだった。
だけど、ずっと、ずっと、伝えたかった。貴女が、好きだと。

――アイツの、吐き出した、想いの吐露に。

――アタシは、敗北した……。

……オーガから、逃げる手段は、絶頂させて、逃げること。
あーあ、敗けちまって、逃げられちまって、アタシったら……
そんな、アタシの縄が解かれ、驚くままに、抱かれ、口づけが。

……オマエって、バカだなぁ。今なら、逃げれたのに。
オーガって、すぐに回復して、また闘争を、挑むんだぜ?
……だけど、だから、今なら、腕の中。オマエの、次の言葉を、返せるな……♪

『好きです、愛しています。ジュノーさん』「ああ…、アタシもさ…。エルク…。」

575名無しさん:2020/02/13(木) 08:08:51 ID:4T2S91Z60
甘いな、とても

576名無しさん:2020/02/14(金) 02:20:01 ID:lfVtBdEA0
>>575
スピードワゴン呼んで来ようぜ、芸人の方のな!!

577名無しさん:2020/02/14(金) 05:58:13 ID:XKCZFqD20
んあむぁあああああああああいッ!

こういうジャンルっておねショタでいいの?

578名無しさん:2020/02/14(金) 21:35:52 ID:lfVtBdEA0
甘ーい!! 話といえば婚活、結婚。

図鑑世界の結婚事業はとんでもない大企業がやってそう、当然名前はスピードワゴン財団。

579名無しさん:2020/02/14(金) 22:47:33 ID:Xqu5fBKY0
古すぎるけどモンハンワールドのCMパロ


ワイバーン「今度のモンハンワールドめっちゃリアルですよねー」
ドラゴン「……よし、モンハンワールドごっこやるぞ!」
ワイバーン「え?」

テケテケーン テテケテケテーン テテテーテ♪

ドラゴン「――ネルギガンテェッ!」 ドゴォォォォン
「グワー!」「どわーっ!?」「だばーっ!?」
ワイバーン「ドラゴンさん!?」


ドラゴン「」 スッ
ジャブジャブ「ちょっ、それ私の卵!」
ドラゴン「クルルヤックゥ! クルルヤックゥ!」ドダダダダダダダダ
ジャブジャブ「持ってかないで卵ー!」
ドラゴン「クルルヤックゥー!」ポーン  グシャア
ジャブジャブ「あああああああああ」
ドラゴン「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!」
ハンプティ・エッグ「」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

ガチャ ヴィーーーーン!!
ドラゴン「パオウルムーッ! はをわっがぉぉぉぉぉ!」
パピヨン「ぎゃああああああ飛ばされるぅぅぅぅぅ!」
モスマン「鱗粉があああああ!」
マタンゴ「胞子があああああ!」
マッドハッター「帽子がああ!」
ワイバーン(扇風機の風圧やばぁ……)

ダダッ ズザァ!
ドラゴン「ぬおおおおおお!」  ガガガガガガ!


ワイバーン「ドラゴンさんっ! ドラゴンさーん!?」


ドラゴン「ディアブロスッ!」  ズバァァァン!


サハギン「………………何?」

580名無しさん:2020/02/17(月) 20:22:02 ID:9eu87F820
――うとうととしたまどろみから目を覚ます。

ああ、うたた寝し悪い夢を見ていた。全くなんということだ。
見張りの交代時間前、仮眠をとれたと思ったら、この砦が魔物に襲われる夢とは。
速足で見張り塔に向かい、兵士Bと交代。置いてもらった見張り用の軽食の丸パンを取る。
……うん? 何だ……この妙に柔らかく生暖かい感触は……?

「それは私のお目玉さんだ」

丸パンと思い手の触れたそれは、ゲイザーの触手目玉であった!
私は悲鳴を上げるも、それもキスで塞がれ、触手に取り押さえられ、甘い霞で視界が覆われていった……。



――うとうととしたまどろみから目を覚ます。

ああ、うたた寝し悪い夢を見ていた。全くなんということだ。
ようやく見張りを交代して、整備し休もうと思ったら、同僚が魔物に襲われる夢とは。
新兵Cに置いてもらった、整備具と自分の兜を取る。が、重い。何だ、中に何か……。
……うん? 何だ……この妙に粘りつく生暖かい感触は……?

「それは私の生首さんだ」

兜と思い手を入れた先は、デュラハンの生首の切れ目であった!
私は悲鳴を上げるも、それもキスで塞がれ、首から下に取り押さえられ、甘い霞で視界が覆われていった……。



――うとうととしたまどろみから目を覚ます。

ああ、うたた寝し悪い夢を見ていたようです。全くなんということでしょう。
気分の悪そうな先輩に兜と整備具を渡して、朝食の準備と思ったら、先輩が魔物に襲われる夢だなんて。
いけない、手が手が止まっていた。先輩のDさんに渡してもらったスリコギで、ゴマを擂ろうとする。
……うん? 何だ……この妙に手に吸い付く生暖かい感触は……?

「それは私の上腕骨さんだ」

スリコギと思い渡されたそれは、スケルトンの骨であった!
私は悲鳴を上げるも、それもキスで塞がれ、残りの骨格に取り押さえられ、甘い霞で視界が覆われていった……。



――うとうととしたまどろみから目を覚ます。

ああ、うたた寝し悪い夢を見ていた。全くなんということだ。
調理具を探していた後輩にそれを渡して、司令室に朝食を運ぼうと待機していたら、後輩が魔物に襲われる夢とは。
いけない、食事の時間だ。司令のE閣下に繋がる呼び鈴の紐を、引いてベルを鳴らそうとする。
……うん? 何だ……この妙にザラザラした生暖かい感触は……?

「それは私のお触覚さんだ」

呼び鈴の紐と思い手に取ったそれは、デビルバグの触覚であった!
私は悲鳴を上げるも、それもキスで塞がれ、他の仲間に取り押さえられ、甘い霞で視界が覆われていった……。



――うとうととしたまどろみから目を覚ます。

ああ、うたた寝し悪い夢を見ていた。全くなんということだ。
そろそろ食堂から朝食が運ばれてくるというのに、服装を整えて待っていたら、調理兵が魔物に襲われる夢とは。
それにしても今朝は遅いな、妙だと思い、念のためAの見張り塔を確認しようと、窓枠のレンガに手を掛ける。
……うん? 何だ……この石なのにぐにゃりとした生暖かい感触は……?

「それは私のぱふぱふさんだ」

砦の壁と、いや砦そのものが、ゴーレムの一部であった!
私は悲鳴を上げるも、それもキスで塞がれ、私の砦自体に取り押さえられ、甘い霞で視界が覆われていった……。



――うとうととしたまどろみから目を覚ます。

ああ、うたた寝し悪い夢を見ていた。全くなんということだ。
そろそろ朝食というのに、配膳を待っていたら、この砦自体が魔物になっている夢とは。

「夢かな?」『えっ!?』



――うとうととしたまどろみから目を覚ます。


――うとうととしたまどろみから目を覚ます。

――うとうととしたまどろみから

――うとうとと

――

581名無しさん:2020/02/18(火) 11:33:48 ID:szV7n1Ao0
変態仮面パロかと思ったら、最後微妙にホラーじゃねーか! こういうオチ好きだけど

582名無しさん:2020/02/21(金) 22:53:37 ID:V0O.jhqk0
>>577
おねショタじゃなくて「姐ショタ」かな…?

583名無しさん:2020/02/26(水) 12:27:00 ID:zrC6LRDU0

私は月が嫌いだ。

アレはいつも私を狂わせ、悩ませる。
あの煌々とした輝きが、夜に満ちるとき、私はワタシでいられなくなる。
そうしてワタシは、もう一人のアタシになるのだ。

もう一人のアタシというのは、毛深く、野性味溢れ、あまりにも本能的だ。
それはこの国の男性が好むような、『かわいい』や『やさしい』とはかけ離れてて。
だからこそ、この口吻から涎を垂らすような獣欲を、彼にはとても、見せられない。

月が輝きを満たすほど、ワタシはくすんだアタシになり、
月が光を手放せば、アタシはやさしいワタシになれる。
どうにもそんな、私と月は、裏と表。同じムジナの関係らしい。

なんともおこがましい例えだ。

そう、こんなのは、結局、妬み。
暗闇を照らし、皆に好かれる、輝かしいアイツに、
薄汚く、意地汚い、人狼の私は、あの美しい月に、吠えるだけ。

「月に吠える」だなんて、詩的だね。
でも、「無いものねだり」なんかじゃないよね。
だって、どちらの君もかわいいから。

彼の部屋の中、正体を露わにしたアタシに、彼が言った。
うっとりするような満月が昇る前、逃げられなかったワタシは、アタシになってしまった。
しかし、彼は驚くどころか、飄々と、どうにもアタシの本能をいじるのだ。

この女だけは、大丈夫だなんて、思っているのだろうか。
普段、図書室の隅で本を読んでるような、ワタシとは違うのに。
アタシも、心の中の狼が、牙を剥こうと、舌なめずりをしているのに。

アタシは、本能で、獣欲のまま、いたいけな羊を、押し倒す。
両肩を押さえつける、狼の爪。それに連なる、獣毛と獣臭。
ねえ、どう、こんな、狼に食べられるなんて、恐ろしいでしょう。

だけど、羊は、彼は。微笑みを絶やさず、私に言うのだ。
そんな君も愛らしいと、狼の君もかわいらしいと。
君になら、爪で服を切り裂かれ、肉を貪り食らわれて、

死んでもいいよ、などとのたまうのだ。

ああ、アタシの獣の耳が揺れ、ふさふさとした、尾が振られる。
心臓は激しく胸を打ち、息はさながら走狗のそれ。
アタシとワタシは、二人でいる必要もなくなって、私になる。

ふと、窓の外を見ると、私を狂わせる、魔性の光が、私を照らしている。
もう、アレに吠えなくてもいい。欲しいモノは、ここにある。
そうして、私は妬みにお別れし、瞼を閉じながら、彼に言うのだ。

月が綺麗ですね、って。

584名無しさん:2020/02/29(土) 01:47:05 ID:4RJ91WTc0
甘い文学少女、って感じ。好き。

585名無しさん:2020/05/02(土) 02:53:46 ID:d4QGO7.Y0
 ある日、何だか綺麗なランプを見つけた。
 思わぬ掘り出し物にラッキーと思いつつ、それを持って帰ることにした。
 売れば金にもなるだろうかと思ったが、何となく売る気にはなれず、家宝にでもしようかと思い立つ。
 その為には、とりあえず磨いてやるか、といらない布地を使って拭いてやることにした。
 仲間で磨いた後は茶入れにでも使おうか、と試案しながら拭いていたら、ランプの先端の穴から何やら煙がモクモクと湧き上がる湧き上がる。
 むせるほどの煙に咳込み、辺りを確認すると、なんだか褐色肌の別嬪さんが目の前に立ってらっしゃる。
「アタシはランプの魔人――ジーニー。アタシを呼び出した、あなたの願いを叶えてあげる。もちろん代償は頂くけど」
 陽気でありながらも、わずかな高飛車感を匂わせつつ、そう言い放つ少女。
 しかし、そう言われても俺には頭を掻く以外の返答が出来なかった。
「ちょっと、なんでそんな微妙そうな顔するのよ。あなたの願いがなんでも叶うのよ?」
 それはもちろん重々承知である。
 しかし、特に不自由なく平和に生きてきたこの人生。
 願いや夢が無いと言えば嘘になるが、さぁ言ってみろ、と言われれば思いつかないのもまた事実。
「いや、あるでしょ普通。不老不死ーとか、巨万の富ーとか、世界征服ーとか」
 どれも言われてもピンと来ない。
 特に今の人生に無限の命や財産が欲しいと思ったことはないし、世界なぞ制服したところで自分の手に余る事は目に見えている。
 むしろその三種は壮大すぎて選択肢にも入らない。
 というよりも先に聞いておきたい事があった。
 ――願いの代償とは一体何なのか。
「あ、聞いちゃう? それもう聞いちゃう? まぁ、聞かれちゃったら答えるしかないかー」
「えーっと、それはね、願いはもちろん叶えるけど、前払いでその願いを叶えるための魔力を貰う事」
 ほう、つまり?
「つまりあなたは男性だから、わたしとえっちして精をくれるのが一番手っ取り早いかなーって」
 なるほど……つまりは射精しろって事か。
 そういう事ならば、すでに今渡してしまっても問題はないのだろう?
「えっ、そ、それって――」
 今はきっと生きていれば願いの一つや二つは出てくる。
 これでも俺は一般男性だ。暇なときにゃ自慰、オナニー、マスターベーション。
 そうなってくると、どうせは精の無駄撃ちとなる。ならばその分は魔力の補充に充ててもらった方が無駄がない。
「へぇ……ふふっ、そういう思いきりの良い人、アタシ嫌いじゃないよ」
 と、この前払いの前払いには相手も文句はないらしい。
 目の前の美少女と仲良く話せて、ちょうどムラムラしてきていた所だった。
 それなら遠慮なく、と俺は下半身のロングソードを露出し、ランプを手に取る。
「……えっ」
 何故かこの状況が分からないらしい目の前の美少女に見つめられながら、俺は股間の剣を――ランプの先端の穴に挿入した。
「ちょっ、あ、あなた何してんの!?」
 あ、この金属のひんやりとした感覚と美少女と繋がってる煙のちょっと温かい感覚が俺の股間に纏わりついてて、思っていた以上に気持ちいい。
 まずい、この快感に不慣れな事もあり、既に俺の魔剣から白濁した水のエンチャントが暴走しそうだ!
「うわ、ちょ、やめっ、出すならアタシの中に、あぁいや、アタシって言ってもランプの方じゃなくてっ」
 ――あぁー、イクっ!
「やーめーてー!!」

 その後、ジーニーの美少女にガン泣きされた後、滅茶苦茶に犯された挙句、無理やりこの子と伴侶になる願いを言わされた。

586名無しさん:2020/05/02(土) 04:43:49 ID:Qae2bq3c0
勘違いというか思い込みってこわいね
乙でした

587名無しさん:2020/05/05(火) 12:20:36 ID:69clnwco0
冷静になって考えると中々のロングソードだな

588名無しさん:2020/05/07(木) 22:00:56 ID:zrgI2zDo0
>>585
これを第一話に連載が読みたい

589名無しさん:2020/06/14(日) 10:51:26 ID:51TeexkU0
一噛み、二噛み。
牙が触れる度に恐怖が生まれる。肌が粟立ち、手足の感覚が薄れていく。
三噛み、四噛み。
抉られた傷口から幾筋も血が伝う。毒々しい紫に変色した痕から熱が広がっていく。
五噛み、六噛み。
失われていく血液の代わりに粘ついた欲望が染み込んでいく。全身に回った熱は股間のそれを大きく隆起させた。
最後にもう一噛みして、牙はようやく離れた。
紫の糸が橋を作り、やがて切れる。

「次はあなたの番」

言葉に導かれるまま肩口に口を寄せる。
一噛み、二噛み。
噛みしめた口から吐息が漏れる。肌が徐々に赤らむ。
三噛み、四噛み。
噛み痕から唾液が伝う。紫の毒腺が滲み揺らいでまだらに溶ける。
五噛み、六噛み。
溢れ出した毒と汗と愛液とが混じり合った粘液に埋もれていく。ぐずぐずになった境界線で乳頭が膨らみ擦れ合う。
最後にもう一噛みして、歯をようやく離す。
唾液の糸が切れる前に口づけを交わされ、無数の肢と両の手で抱きとめられる。

「今度はわたしの番」

一噛み、二噛み。
首筋を噛まれ一物を咥えこまれる。緩やかに、確かめるように動く。
三噛み、四噛み。
睾丸が膨れ上がる感触と共に生まれる放出感。体内に吐き出された精は潤滑と伝熱の役割を果たした。
五噛み、六噛み。
しかし彼女はそれでは足りない、足りないと訴えている。もっと注げ。己が全てを精と変えてでも注ぎこめと。
薄れていく理性とは裏腹に、欲望は更なる悦楽を求めさらに雄々しく勃っていた。

「今度もわたしの番……くふふ」

二度目の吐精の瞬間、彼女の声が聞こえた気がした。
そして、これから私を待ち受ける運命も分かったような気がした。

大百足に捕らえられた人間がどうなるか知る者はいない。
彼の森には近づくなと、そう伝えられるばかりである。





「ぱぱー、ままー」
「わあ可愛いなあ我が娘ながら! ずっとパパとママと一緒に暮らそうなあ!」
「もうあなたったら親バカなんですから。だめですよ、大きくなったらこの子にも好きな人ができるんですもの」
「わたしはぱぱのことすきだよ?」
「うふふ、ママの方がパパのこと大好きですよ? だから盗っちゃダメ」
「ガチトーンでビビらせるのはよくない」

590名無しさん:2021/01/02(土) 19:23:08 ID:e5MrXIvA0
ここに保存しておきたかった。

810: 名無しさん :2015/09/19(土) 22:27:00 ID:mcfFMVZcO
ふむ、狂福亭蜍宕蘇とな

811: 名無しさん :2015/09/21(月) 00:40:25 ID:qc9g/fOc0
「ええ、古今東西、縁は異なもの味なもの、などと申しまして。
ワタクシの旦那は、大悪人。世界の反魔物領を股にかける大泥棒でございました。
そんでその大泥棒が、教会で主神のものはあらかた手をつけた、今度は混沌の神さんにもお邪魔しようってんで、かくゆうワタクシめに鉢合わせた、と。
おっとこいつは始末がいけねえ、見逃しちゃあくれねえか、
そうのたまうもんだから、ならばこのワタクシめは、アナタとひとつになりたいと申したわけです。
すると向こうも、そいつぁいけねぇ、大悪人のおいらと一つになりゃあ、お前さんまで悪人になっちまう、と。
だからこっちも負けじと、おやおやそれならあなたと添い遂げようっていう、ワタクシめの半身はどうなんでしょう、と言やあ、
ああ、お前さんにそこまで言わしちゃあ、おいらは悪人どころか下種じゃねえかと返してくるが、そこは魔物の性、下で種なら上玉ですよと言って、一つになったわけで。
そんで一つになった身で、旦那がね、訊くんですよ、お前さんまで悪人なっちゃないかと、だからワタクシめは申したわけです。とんでもない、アナタはワタクシの良人(おっと)だって。
おあとがよろしいようで。」


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