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:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/08/16(火) 02:10:37 ID:???0
淡本綾唯(女子一番)は、何処に歩いても全く海原青歌(女子二番)が見つからないことに、苛立ちを感じていた。一体何処にいるのか。出席番号はそんなに離れていない。相野輝己(男子二番)の次のはず。なのに、何故。
知っている。
このプログラムでは、誰も信じられないということ。
しかし、青歌は少なくとも、そんなんじゃないはずだ。どんな状況にあっても、決して自分を変えない。それは何度か見かけていた綾唯も知っている。青歌は必ず人を傷つけることは出来ないし、中居螢太(男子十六番)が気に入らないとはいえ、流石に人は殺さない。殺すほど、青歌が嫌っている人間なんて、かつていただろうか?
人を虐める者や、からかう者は基本的に青歌の敵。それと、男女差別が、今の青歌にとっては許せないものであろう。「俺」ということによって、青空町の一部の住民から色々批判を言われるが、此処で挫ける青歌じゃないし、むしろ刃向かうということが正しいのではないか? どんな相手にも、油断や甘えを許さない青歌。綾唯はそんな彼女が親友であることに何となく、誇りを持っていたのかもしれない。それは同じく一緒にいる黄泉泉(女子二十番)も多少は同じこと考えてはいる。
だから、海原青歌という少女は、五年A組の女子の間では多少存在が輝いている。その横に立つ淡本綾唯と黄泉泉という存在はみんな、どう思っているのかまでは分からない。ただの、海原青歌と愉快な仲間達ってことで終わるだろうなと思うけれど。
綾唯に支給された物は、十二色のクレヨンだった。当たりは来ないと思っていたのでほぼ予想通りだが、まさかここまでとは考えられなかった。これでは全然使えない。クレヨンでこの先何か役に立つことがあろうか。それにしてもこのクレヨンを見ていると、嫌なことを思い出す。
あれは、我のせいで。
悪いのは、他の誰でもない自分で。
一体、どれくらい自分を責め続けたんだろう。
青歌にも泉にも見せていないこの傷跡を完全に消せるのだろうか。
死ぬことで今までの想いを消せたら、どんなにいいことか。
立ち上がった途端、綾唯の肩に感触が突然残り、ばっと勢いよく振り向いた。時間を経てなければ、はっきりと誰なのか分からなかった。数秒、ナイフを持っている雪下よう(男子十八番)が驚いたような顔で思わずナイフを落としてしまった。あっと言わせない間に、綾唯はようが持っていたナイフを拾いそれをように向ける。
雪下よう。綾唯は関わったことがないので詳しくは知らないが、確かお金持ちで動物好きらしかった。それは誰とでも関わりを持つ青歌から簡単に聞いただけだけど。月下香介(男子十九番)、涙下伎璃(男子二十番)と、苗字の半分の字が同じなので正直申し訳にくいが、存在は薄かったはず。
その人が今自分を殺そうとした?
「汝、何のつもりだ」
「何のつもりって僕はただ声をかけようとしただけで」
「嘘をつくな。何故ナイフを持っている」
綾唯は元々誰も信じなかった。元からの性格で、更に男がどうしても嫌いだ。今も昔もずっと。それのこともあってか、今、疑いの
目をように向けているのかもしれなかった。
しかし、もうなりふり構っていられなかった。
今はただ「敵」を追い出すべき。
「ご存知だとは思うが、我はこの世に存在する男共が大嫌いだ。汝もその対象に入る。悪いことは言わない。今すぐに我の目の前から消え失せろ。そうすれば危害は加えない」
「でも」
「消え失せろ」
綾唯の鋭い目が光り、ようは恐怖に怯えてディパックを担ぎ、前へと走った。ナイフを下げ、一度じっと見眺める。多分、果物ナイフだ。コレは当たりなのか外れなのか微妙に判断し難い。けど、使えるはず。
青歌。泉。待っていろ。
すぐには、死ぬな。
【残り三十三人】
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