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906
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/08/16(火) 02:09:06 ID:???0
田中春奈(女子十番)と香田瀬津奈(女子三番)が戦っている時、前原のどか(女子十八番)は走っていた。
ああ、本当によかったのか。
自分だけ逃げてよかったのか?
とにかく今は逃げるしかなかった。瀬津奈から「逃げて」と言われたからには。でもそれより、逃げなければならない。今止まったら――確実に殺される!
商店街に逆戻って、住宅街の方まで走る。かなり遠いので体力は削られるが、この際仕方ない。それなら意地でも死なない。瀬津奈が待ってる。のどかは一緒に生きようと言ったことを忘れてはなかった。
だから生きる。
瀬津奈の為にも、死んではならない。
念の為、カッターを片手に握っている。何故なら相手が金属バットを持っているのでかなり不利なのかもしれないが、ないよりマシだった。何せ、――相手はあの青木はる(男子四番)だから。だから逃げなければならない。とにかく彼に追いつかれてはいけない。何故、こんなことになってしまったのか、それは私にも分からない。
意地でも逃げなければ!
のどかはずっと頭の中、瀬津奈や早乙女亜巳(女子六番)と三人で遊んだ記憶が鮮明に引っ張られていた。
少し前、はるは野球とかでよく使う金属バットをいじりながらも、不安をずっと抱えていた。どうせなら、サッカーボールがよかった。ボールには父親との想い出が沢山つまっているのだから。今、そのボールが手元にない。きっと、学園に置いてきてしまったんだろう。戻ろうかとも考えたが、無理だった。既に禁止エリアに入っている。そんな場所に踏み込んだら間違いなく首輪が爆発して、あの世行きだろう。
それは絶対に許されないこと。
天国のお父さんが呆れるに違いない。
だから何とかして生き残って、夢を叶えるしか他はない。
人殺しとか、プログラムで勝った人は何者になれるのか?
どっちにしろ、無理だろうけど。
静木青(男子十番)を思い出して、はるはハッと覚めたように目を丸くさせた。
せー。せーは大丈夫なのかな。
何かたまに保健室行きになることもあるし、心配だ。
もしかしたら何処かで今もきっと一人で泣いているのかもしれない。
そんなせーを誰かが殺すのかも、いやShirua(男子十一番)ならありえるのかも。
妙に不安になる。もし青が死んだら、はるはきっと壊れるのかもしれなかった。それは、はる自身も思っている所だ。その時、のどかが走っているのを見かけた。思わずバットをぎゅっと握って、歯を鳴らす。ぎゅっと目を瞑った。
そうだ、もっといい方法があったじゃないか。
せーを生き残らせるために、俺がせーの代わりに人を殺すことが。
二人になった時は、俺が自殺して。
今は、これしかない!
今に至って、はるの思いはまだ変わらなかった。親友を生き残らせて楽にさせてあげたい。ようやくのどかに追いついて、バットを振り下ろすことができた。背中を殴った為のどかはうつ伏せに倒れる。それでもはるは殴ることを止めなかった。
背中に、足に、腕に、頭に。これを何回か繰り返して、生死の確認をする。まだ生きていたら、更に同じことを繰り返す。のどかの身体が跳ねたかと思えば、動かなくなった。はるは足蹴でのどかを仰向けにする。鼻から口からも血が出ていた。もう、死んでいる。口は動いていないのだから。
人生で生まれてはじめて人を殺した。それも、クラスメイトを。これでは、自分の父親の命を奪った犯人と変わりないのではないか。
しかし、その考えもすぐに打ち消して、ディパックを抱え直してその場を去った。一人殺した。思わず笑いをこぼしそうになった。これで、この調子で青の生存率を高く出来るように頑張らなければ。
ねえ、せー。
俺がクラスメイトを殺したって話したら多分「何やってんの、君は」って怒るだろうけど。
でも、せーの為だから。
せーにはもう苦しんでほしくない。
だから、許してね。
女子十八番 前原のどか 死亡 【残り三十人】
序盤戦終了
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