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門番と瀟洒な従者

1浅野のはら@美鈴支援:2004/04/03(土) 23:30
彼女は独りでそこにいた。
寒々しく自分を照らす蒼い月を見上げ、1回だけ嘆息を吐いた。
こんな夜は独りでいるのも悪くない、そう思っていたのだが・・

「咲夜さぁ〜ん、何処ですかぁ〜?」

その場の雰囲気を一遍に壊してしまうような気の抜けた声が足音と共に聞こえてきた。
彼女はもう1回だけ溜息を吐くと、振り返って応えた。

「何よ、美鈴」
「咲夜さん、こんなところにいたんですね。探しちゃいましたよ〜」
「いいから用件を言いなさい」

探し人を見つけて嬉しそうに笑っている美鈴に話を促す、

「あ、そうでした!レミリア様もパチュリー様も皆お待ちですよ。早くいきましょう」

美鈴はにっこりと満面の笑みで咲夜の手を取り、紅く彩られた館へと歩き出した。

「ちょ・・美鈴、私は別に行くなんて・・・」
「何言ってるんですか、今日は咲夜さんが紅魔館にやってきた記念日じゃないですか。主役を欠いたパーティーなんて味気なくてつまらないですよ〜」

そう言って、先を歩いている美鈴の能天気な笑顔を見て咲夜は抵抗を止めそのまま歩き出した。

「まあ、こんな日もいいかもね・・」
「?何かいいましたか?」

軽く微笑んだ咲夜は地を蹴りそのまま夜空へと飛翔した。

「何やってるの、美鈴。置いてくわよ」
「わわっ?!待ってくださーい、咲夜さーん」

もう咲夜の瞳には蒼い月は映っていない--


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