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【小説】復讐代行という名の…

1Mクラン:2008/08/29(金) 01:27:57
ツイてない…
そう思うことはよくあるだろう。
何かを落としたり転んだり…人にはたまにツイてないときなんていうのは珍しいことじゃない。
運がなかった…大半の人はそう思うだけで終わってしまう…
それが人によって作られた行為でも…

〜雨の振る駅前付近〜

「うおっ!!」

「…」

「なんだよ…クソ!!今日はツイてねぇなぁ…」

誰かが踏んだであろう水溜りの水がかかり、制服のズボンが踝あたりまで濡れている。
彼はツイてないといったが、これは偶発的に起こったことではなかった。

「…どうだ?」

「バッチシ!!」

「よし、戻るぞ」

「アイアイサ〜♪」

そう、これは「仕組まれた偶然」だ。

「にしても…相変わらず見事なお手並みで…」

「誰にだってこれくらいのことは…」

「無理」

「…そうか」

しかし、この程度のことは偶発的にも起きることだろう。
ゆえに、この行為が故意に起こされたことだなんて疑われることもない。

「戻りました〜♪」

「おう、どうだった?」

「天気待っての実行だったんだ。失敗するわけがない」

駅前から10分ほど歩いた先にある、ちょっと古い感じのビルの一室…
『便利屋 わたじま」
そこが彼らの本拠地というか…「表の仕事場」である。

「最近増えましたよね〜裏のお仕事…」

「まぁ…価格下げたからな…」

「本業に差し支えがなければいいんですけどね…」

「まぁ、裏仕事はそれだけが収入元ってわけじゃないし…いいじゃないかw」

裏の仕事…一応…復讐代行ということになってはいるが…やっていることは簡単にいえば…嫌がらせだ。

「じゃあ、私は今日の分編集して依頼人に送っておきますね」

「あいよ〜」

「じゃあ俺はこれで…今日は表は休みなんで…」

「え〜和哉(カズヤ)愛しいパートナーがこれから仕事だってのに、すぐ帰るなんて…」

「…食後のデザートくらいはコンビニで買ってきてあげますから…」

「綾(アヤ)、とりあえず仕事してくれ…その依頼、今日までだろ?」

「は〜い…じゃ、和哉…期待してるから♪」

そういって綾は奥の部屋に向かう。

「じゃあ…ちょっと用事もあるんで出かけてきます。あとは宜しくです。社長」

「あいよ〜。悪いな和哉…あんな娘で…」

「いえ…」

和哉は言葉少なくその場を後にした。
そして、一人残った社長と呼ばれた男…つまり…俺。
名前なんかには興味ないだろうから、社長でいいだろう。
和哉は便利屋の社員。綾は娘だ。

ここで、簡単に裏の仕事である復讐代行に関することを説明しておこう。
名前とは裏腹に、やっていることは可愛いと思う方もいるだろうが、それは当たり前である。
どう考えても商標登録なんてできない仕事だ。あんまり過激なことをしてブタ箱行きになってまずい飯を食うようなことにはなりたくない。
そして、何より…そういう荒っぽい仕事は、他の方の担当だ。そういった方達と仕事を争うようなことは避けたい。
ゆえに、相手が復讐内容を指定するのではなく、こちらで復讐内容を考え、実行するわけだ。
復讐代行ということだから、内容にも期待しちゃう方もいるだろうが…そこは一回あたり2000円という激安価格。ちょっとしたいたずらのような行為でも、2000円だしなぁ〜

と納得してくれる。
主な役割分担は…おおまかには分かっているだろうけど、和哉が復讐実行。綾が録画、編集。そして、社長である俺が受付だったりを担当しているわけだ。
それと、それだけが収入元じゃないといったが…それは、一部趣向者の方が、ある程度まとまった復讐映像を買い取る場合があるのだ。
過激なモノではないが、人がちょっとした不幸に見舞われてる映像の詰め合わせ…まぁ、需要があっても珍しいことでもないといえば…ないのかもしれない。

ジリリリリーン
おっと電話だ。これは…裏の仕事か…今度はどんな人が対象なんだろうな…

2Mクラン:2008/08/29(金) 04:46:54
今日も、社長から一件の依頼を聞かされた。
ターゲットは…また高校生か…最近多いな…まぁ、価格の安さと復讐レベルからすれば…高校生くらいのが食いつきがいいのも分かるが…
依頼を受けるときは、復讐相手の顔写真は必須となっている。情報だけでもいいんだが、それだと調査に時間がかかってしまう。
日常で起こりえるちょっとした不幸を演出するわけだから、その人間の生活スタイルというのは非常に重要で、これらの情報がない場合は、俺が調査をしないといけない。
もしこれに、まず誰なんだという調査まで加わったら…最近それなりに繁盛しているこの仕事…さばききれない…
親切な依頼人は、これらの情報を網羅したデータをくれるが…人任せ〜な人も多いため、依頼成立から、実行映像の送信までには、最大で2週間の時間をもらっている。
よくよく考えたら、これだけの時間を費やし、事を行って、払う額は2000円…なんという安さだろうか…

今回は、ターゲットに関しての情報はたくさんあったが、肝心の生活時間帯についての情報はなかった。なので、仕事の合間に調べにいくことにする。
便利屋という表仕事は、こういった点で裏の仕事に優位だなと思う。そこらにいても別段不思議ではないからだ。
高校生ということは、バイトもするし、部活もあるし、人との付き合いもある…基本生活の割り出しができても、これらでそれが崩されることがあり、復讐を実行する時間が限られていることが多い。だが、今回のターゲットはバイトもしてないし、人付き合いもしてない様子…たまに帰宅が遅いときも、あるが、日にちは決まってるようだった。
依頼人からの追加情報もあり、遅い日は部活だということも分かった。
ここまでを見ると…帰宅、もしくは登校時に仕掛けるべきと思ったが…それ以外に、彼には習慣があった。
夕方頃の帰宅になる場合、公園によるのだ。そして、近所の子供たちだろう少年らと遊んであげてから帰宅していた。
…コレだな。
綾に連絡する。

「明日…実行する」

「あら?結構早いね〜」

「ちょっと仕込みはあるが…まぁ…簡単なほうだからな」

「そっかwOK〜♪何時集合?」

「仕込みには綾がいると目立つからな。ギリギリの時間でいい。明日連絡するから昼までに準備終わらせておいてくれ」

「は〜い」

実行日当日…

「うわっ!!…ってぇ…」

「お兄ちゃん…大丈夫?」

「あぁ…誰だよ全く…にしてもツイてないなぁ…」


「…どうだ?」

「OK〜ばっちり〜♪」

「よし」

「にしても…よくもまぁ、あんなに都合よく…」

「都合がいいんじゃない、そうなるように仕掛けたんだ…」

ターゲットは、底の浅い落とし穴的なものに足を取られ、豪快に転んだ。無論、俺が作ったものだ。
落とし穴なんて、ターゲットが来る前に誰かが踏んでしまうんじゃないか?と思われるだろうが…
ターゲットが引っかかったのは、いつも座っているベンチの数歩先の場所で、ターゲットは子供が来るよりも先に来ていた。そして、子供に声をかけられ、遊ぶといった感じだ。
人というのは習慣で行動するものだ。ゆえに、いつも必ず、無意識的に同じ行動をとっていることがある。ターゲットは、いつもベンチに向かう際には西側から向かう。少年はその反対側である東から声をかける。ターゲットはそれに答え、東へ歩く。そして、落とし穴に落ちた。
で、先に誰かがはまる不安だが、ターゲットを引っ掛ける落とし穴の周りに、同じような穴を作っておく。保険的な意味合いもあるが、誰かがそれに引っかかれば、そこらには近寄らなくなるし、一旦それを知る人間がいなくなっても、痕跡があれば、子供は警戒するだろうが、それなりに大人であれば、子供の落とし穴くらい…とさほど気にかけない。
限りある偶然をうまく利用して、必然的にターゲットが落とし穴に落ちるように仕向けた。ただそれだけのことだ。
観察力があれば難しい話ではない。ただ、綾はこれをムリという…よくわからないものだ。
とにかく、依頼は達成したんだ。さて、戻るとしようか…

3Mクラン:2008/08/30(土) 00:57:22
ねぇ…知ってる?復讐代行の話…
あぁ…妹が噂してるのを聞いたことくらいなら…
復讐っていっても、殺したり傷つけたりとかそういった類のことじゃないみたいなんだけど…
そうそう、どっちかっていうと…いたずら?
まぁ…表現近いのはその言葉よね…
でさ…価格が…一回2000円なんだって!!
え〜…なんか安すぎて逆に怪しくない?
そこなんだけど…私の後輩が頼んだらしいのよ…復讐…
どうだったの?
ん〜…偶然…にも思えるけど…こんな偶然…ないかな…って感じだった。
ってことはやっぱり…これ、ちゃんと計画的にやってるんだよね…
なんか逆に怖いなぁ…
ねぇ…コレ…やってみない?
…復讐…頼むの…?
誰を対象にするのよ?
そんなの…あのセクハラ親父に決まってるじゃん…!!
あ〜…確かに…アイツにはいつも苦労させられてるからねぇ…
で…どうする?


2週間後、一通のメールが届く。

届いたよ!!メール!!ホントに来た!!
えっ!?本当に?
見せて見せて!!

映像には一人の中年男性が電車に乗っている姿が映し出されている。
その男性は、どうやら疲れているのか…眠っている。
映像は3倍速くらいになり…

「お客さん!!終点ですよ!!」

「ほえ?終点!?まずいまずい!!電車は…」

「これが終電ですよ…」

「そ…そうですか…」

「早く降りてください。ほら、そっちの方も…」

男性は電車を降り、呆然としている…
ここで映像は止まった。

ぷふーw惨め〜w
でも…これ…たまたまじゃないのかなぁ…
じゃあ…逆に聞くけど…偶然…でこれに遭遇できる?

ま、まぁ…復讐は達成されたんだし!!いいじゃんそれで!!
そ、そうだね…
うん…

自分の思いつきとはいえ…こんなことが本当に実行されるなんて…
ホント、どうやってこんなことを引き起こしたんだろう…

4Mクラン:2008/08/30(土) 01:22:35
「おっはよ〜ございます〜♪」

「おう、泊り込みまでして…お疲れさん」

「もう…和哉ってば激しくて…」

「なんの話だ…綾、誤解されるようなことを…」

「あら〜?私は誤解されてもいいのよ〜w」

「ごほん!!綾…お父さんは覚悟はできてないわけじゃないがな…」

「社長…少なくとも…今すぐではないので…」

「ええ〜…」

「それより…編集急いでくれ。今回もギリギリだったんだ…」

「確かに…今回のターゲットは忙しい人だったし…人ごみが多すぎて逆に仕掛けとかしづらかったろう…」

「まぁ…その辺は…」


今回の依頼は少々難しかった。会社と自宅の往復が基本、休みは家にずっといる。
生活リズムは分かりやすかったのだが、その分、何かを仕掛けるスキというのがなかった。
そこで、視点を変えてみることにした…
彼は最近、仕事で非常に忙しい。ずっと働きづめで、残業なんかも当たり前だった。
相当疲れが溜まってるだろうに、遅刻することもなく、休むこともない。
ここに唯一のスキがあった。
俺は彼が退社して、電車に乗るときを狙うことにした。このときが一番気が緩んでいるからだ。
で、どうやって彼を意図的に眠りにいざなったのかというと…

香水だ。

別に変な薬を混ぜたわけではない。ベルガモット、イランイランをベースにした、ウッディータイプの香りのするものを自分にかけた。それだけである。
ベースにしたベルガモット、イランイランには心を落ち着かせるような沈静作用を促す効果なんかもあったりする。疲れた人がこういったものの香りを吸ってしまえば…緊張
が緩んでいることもあり、眠りにつきやすくなるだろう。要はアロマテラピーのようなものだ…
俺もまさかここまで上手くいくとは思ってなかったけど…まぁ、上手くいったんだだから、それでよしとしよう。

「さて…今のところ、裏の仕事は来てないから…今日は便利屋の方、しっかりやってくれな」

「了解です。社長…」

「ところで…」

「綾とは何か…」

「…何もありませんよ。安心してください…」

5Mクラン:2008/09/01(月) 00:52:11
では…今回の件は組織とは関係ないと…そう受け取って宜しいんですね?
えぇ。そこは信用いただいて構いません。
後々…何かあるようであれば…
脅し…のつもりですか?
まさか…貴方を脅して徳することなんて…こちらにはありません。
こちらとしても…貴方達がこの商売ができないと困りますから…
そうですか…

でも…肩書きだけみると…うちみたいなとこに依頼するような人には思えないですね…貴方は…
私も…人間ですよ?人なんて、生きてる以上、誰かを恨んだり嫉妬したり…珍しいことじゃないでしょう?
完璧な人間なんていない…
そうゆうこと…になりますかね…では…宜しくお願いします…
期待に沿えるような内容になるとは限りませんが…
いいんですよ…彼の無様な姿を見てみたいだけですから…


依頼人にあうというのは今回が初めてだ。
この仕事…一応問題があるものだ。ゆえに…誰がどうやってる〜なんてことはなるべくわからないようにするのが基本だ。
やってることは犯罪とは程遠いが…真っ当なことをしてるとも言えないのも事実。
しかも相手が相手なだけに…できることなら接触どころか、依頼自体をキャンセルしたいくらいだった…
だが…


「和哉、新しい裏の仕事の話なんだが…」

「話が来てるのは聞いてましたけど…結構前の話ですよね?」

「あぁ…ちょっと…な…」

「?」

「なんでも…依頼はしたいが、その依頼内容については実行者にのみ、実際にあってからじゃないと伝えないと言われててな…」

「そんなの…うちは受ける側なんだから断っちゃえばいいじゃ〜ん♪」

綾が話に割って入ってくる。

「ん〜…そうなんだが…」

「どっかの…ヤバイ系の人からの依頼なんですか?」

「いや…警察…」

「ちょ!!一番ヤバイとこもいいとこじゃない!?」

「でもな…別に俺らが不正だとかそうゆうことが言いたいんじゃないらしいが…断っちまうと…何かしらありそうだなぁ…って…」

「まぁ…正直普通な仕事ではないですし…目をつけられたら厄介ですよね…」

「でも…相手だって、親方日の丸の国家公務員だってのに…こっちに姿晒す…ってか、パパがその人が警察って分かってるってことは…」

「あぁ…本人がそういってる。ただ、事実かどうかの確認まではできなかったがな」

「…それが事実でしろ、そうでないにしろ…こちらとしては、とりあえず会ってみるしかない…ですかね?」

「和哉!?アンタそんな…」

綾の制止を押し切る形で、俺は会うことを承諾した。
結果としては、今のところ何事もないが…
確かにイロイロな危険の可能性はあった。警察というのが嘘で、どっかの好奇心旺盛な輩が俺たちの正体を探ろうとしていたかもしれないし…本当に警察だった場合、おとり捜査の可能性も捨てきれない。現状でも、そのことに関してはまだ安全だと分かったわけではない。あくまで彼がそういっているだけで、それが事実であると証拠はどこにもないんだから…彼のいうことだけを鵜呑みにするわけにもいかない。
だが…今の俺たちにできることは、彼の依頼した復讐を果たすことだけだ。この先何かあるなら、それはそのときに対処を考える…消極的な方法だが、そうしたほうが余計なことを心配する必要もなくなる。社長もその件については了承してくれた。
そうと決まれば…あとはいつも通り依頼をこなすだけだ…

6Mクラン:2008/09/01(月) 01:25:04
依頼人は今までにないタイプだったが、復讐内容に関しては特に指定というものはなかった。実際にあったりするくらいだから、少々の無理難題は覚悟していたが…
だが、条件はあるにはあった。ターゲットが悪さをした後に、復讐を発動させてほしいということ。最低3回はやってほしいということ。依頼完了後のVTRは俺が彼に手渡しするということ…こんなところだ。
料金はきっかり3回分を前払いされた。あとは、回数が増えるごとに後払いということだが…連続で同じターゲットを相手に復讐をするというのは、基本的にうちではタブーとなっている。当然、こちらの存在に気づかれる率が上がるからだ。
今のご時世、いろんな人から恨まれる人というのは珍しいことじゃない。当然…ターゲットが重複することもめずらしいことではない。そういった場合はどうするのかというと…ひとつの依頼をこなし、その映像を送る。ここまでは一緒だが、依頼が後になった側には…依頼の金額であるお金はいただかないことにしている。これはこちらに危険が及ばないようにするための手段だ。他の依頼人からも同等のお金をとってしまうと…その依頼人が繋がっていた場合に、ナニが起こるかわからないからだ。ゆえに、最低1ヶ月…の期間中は、すでに復讐を行った相手への復讐は行われない。いくら鈍感な人間でも、連続してツイてないことが起きれば、さすがに偶然じゃないと思ったりもするだろう。そう思われてしまうと、この仕事はおしまいのようなものだ。たとえ正体がバレなくても、連続していくごとに警戒心も生まれてきて、仕事をしづらい環境になるだろう。商売的な見方をしても、連続して復讐を行うというのは達成が難しくなるばかりで旨みがない。
引き受けてしまった以上…やらないわけにはいかないが、今回はリスクが高い…それに…ターゲットである人間は…俗にいう不良だ。しかも徒党を組んでいるタイプの。
普段から一人になることが少ないということだったり、ちょっとした接触でインネンをつけられる恐れなんかを考えると、ターゲットとしては難しい部類にはいる。それに対し、悪いことをしたら復讐をする…つまり、準備らしい準備をする時間はない…全く、厄介なことが重なっているとしか言いようがないな。
しかし…この依頼…端から見ると、悪いことをしたら災いが返ってくる…因果応報だってことをターゲットに教えようとしているんだろうか…いくら警察だからって…わざわざこんな遠回りなことをして不良を更正しようとするだろうか…まぁ、そんなことは気にしてもしょうがないか…
今回はいつも以上に難しいんだ。余計なことを考えず、仕事をすることだけに専念しよう…

7Mクラン:2008/09/01(月) 02:27:40
不安要素はたくさんあったが、実際に実行してみるとそんなに難しいことはなかった。
一回目…ゲームセンターで喧嘩をしていた。その後、一人で店を出て行ったので、後をつけると…ラーメン屋に入っていった。当然、後から入店。
注文後、トイレにいったので…連れのフリをして、隣のやつの頼んだやつに胡椒たっぷり振っておいてくれと店主につげ、自分は注文しようとしたときに電話がかかってきた設定にし、店を後にする。当然、その事実をターゲットが知ることもなく…彼は胡椒たっぷりのラーメンを豪快にすすり、豪快に吐き出すことになった。彼は店主に文句をいうかと思ったが…ターゲットの持つ意地っ張りな性格が幸いしたのか、特に文句をいうこともなく、ターゲットはえづきながらラーメンを食べていた。
二回目…前日に万引きをしたのだが、その日はずっと仲間と一緒で、復讐をすることができなかったので、翌日に実行することに。
人ごみの多いところへ出かけているターゲット…見た目は確かに怖いといえるが、街中では彼をわざわざ遠巻きに避けるような人はいない。せいぜいぶつからないようにするくらいのモノだ。これは好都合と…俺はターゲットの靴を踏む。踵側のところだ。ここを踏むと、当然靴が脱げる。そしてバランスを崩し…こける。すぐに裏を見るが、もうそこに俺はいない。いや、いたとしても俺を捕まえて文句をいうことはないだろう。
これに関しては、以前少し話したが、俺の才能が関係している。
俺は…存在感がそこまであるほうじゃない。そのうえ、その存在感をさらに低くすることができる。簡単にいえば…迷彩を着てジャングルにいるような状態になることができるのだ。単に息を細め、心を落ち着かせるだけ。それだけのことしかしていてないのだが、人はそれだけで俺を見失う。これが俺の才能…はっきりいってしまえば…使いどころはこの仕事以外にはないようなモノだ。だから…使わないともったいない…っと、その話は今しなくてもいいだろう。
そして…三回目…
この日は雨が振っていて…ターゲットはコンビニの傘差しから傘を盗み、堂々と歩いている…
朝から降っているのにも関わらず、傘を今盗む…ここら辺はよく分からないが…まぁ悪事は悪事だ。そろそろ復讐を実行しよう。
ターゲットが車一台が通れるくらいの細い道に入っていく。
下水路があるが、水が処理しきれずにあふれかえっていて…道路は水溜りだらけだ。車が通るたびに凄まじい水飛沫が舞う。
ターゲットは、先日までのこともあり、車に警戒している様子だったが…そんな足のつくモノを俺は使わない…

「うお!!てめぇ!!」

「…クソ!!ツイてねぇ…」

依頼達成。あとは綾の編集を待つだけだ。

数日後、すべての復讐の編集が終わったとのことなので、俺は依頼人に連絡を取った。
すぐに見られるようにノートPCを持参し、依頼人に会う。
内容には納得してくれたようだった。正直目的が不明瞭で、彼の満足する結果だったのかは…正直分からない。

それにしても…よくもまぁこんなことを実行しますね…

依頼人は、ちょうど三回目の映像を見ていた。
俺は合羽を着て、自転車で彼の横を通り過ぎた。当然、これでも足がつくように思えるが…合羽を着てては人物を特定することはできず、自転車も、盗難モノではないにしても、特徴なんてあるようなものじゃない。これだけの情報から俺を特定することはできない。
また、追いかけてくることも想定していたが、そこは速度を上げることによって、追いかける気を起こさせないようにする。特に難しいことではない。

ともかく、私の依頼はこれで完了とさせていただきます。少々無茶を言ったのにお受けくださってありがとうございました。
いえ…では…
また…依頼するかもしれません…
今度は…同じようなことはしませんよ。こちらの条件通りにやらせていただきます。
たとえ…私が警察でも…ですか。
ええ。
中々肝が据わってらっしゃる…この件で私の首根っこを押さえているからですか?
…貴方が…それをしないと判断したからです。
そうですか…

その後、特にナニを話すでもなく…コーヒーをお互いに飲み終え、店を後にした。
今後、彼が無茶な依頼をしてくることはないとは思うが…まだすべてを信じているわけではない…
だが…俺にナニができるわけでもない…俺のすることは…結局、これからも変わらないということだ。

8Mクラン:2008/09/03(水) 22:51:08
う〜ん…
最近の仕事の増え方といい、この前の依頼人みたいなのといい…どうも今までの流れと違うのよね〜
別にそれが嫌ってわけじゃないけど、こういったことが起きるってことは…何かがあるってこと。
いい兆候なら歓迎だけど…悪い可能性だって否定できない。
パパはあまり気にしてないように見えるし…和哉は仕事がくれば確実にそれをやってのけちゃうし…
和哉は、「仕事にだけ集中していればいい」っていうけど…私的にはどうしても気になっちゃう。
元々のマイナス的思考のせいもあるんだろうけど…裏家業である以上、慎重に慎重を重ねるくらいでちょうどいいんじゃ…とも思う。
和哉は十分に考えた上での発言だろうけど…パパは…別に自分の父親を信用してないわけじゃないけど…
まとめて復讐映像買ってくれる人がいるけど…だからといって、それでお金儲けといったことは考えてないと思うし…
結構な額になるみたいだけど、仕事が増えても依頼のペースは和哉に任せきりにしている。
依頼の話は日に数度来るが、それを全部請け負うわけではない。人手が少ないんだから、受ける仕事を増やしても当然さばけないんだから。
そういった場合は、こちらから連絡する〜という形をとったり、メールにて詳細を先に送ってもらったりしている。
使える人を増やせば、さばくこともできるんだろうけど…この仕事、誰にでもできるわけじゃないし…何より信用が問題だ。
下手に他の人に仕事のことを話されても厄介だし、復讐内容は実行者が考えるので、過剰なことをやられてしまう場合も考えられる。
どちらにせよ、絶対的とまではいわないが…忠誠みたいなものが高い人じゃないと、思い切って使うことはできない。
そういった点から考えていくと、パパも考えなしに行動しているわけじゃないってことは分かる…
ん〜…やっぱ考えすぎなのかなぁ…普段は明るくしてるけど、こうして一人で物事を考えてるときはどうしてもマイナスになりがちになる…
そりゃ、私が気にしたってどうなることじゃないってのくらいは分かってるけど…常に最悪を想定しておいたほうが、もしものときに安全だと思う。
もし仮に警察等にご厄介になったとしても、さほど重い罪にはならないとは思うけど…ああいったところは、無理やりにでも罪をつけるような感じだと私は思ってる。
別に警察を信用してないわけじゃないけど…銃が撃ちたいから〜なんて理由で警官になるような人もいるような昨今、警察を頭から信用するなんてこと…
とにかく、あの二人が考えないようにしてる分、私が考えないと!!

ま、でもとりあえず…この気分をスッキリさせるためにお風呂でもはいろ〜っと♪

9Mクラン:2008/09/07(日) 07:52:32
思わぬところで、仕事で得た知識が役に立つ。そんなことがたまにはあるだろう。
便利屋という仕事柄を考えると、そう珍しいことでもないように思うかもしれないが…
今回役に立ったのは…裏の仕事の知識だった…

「…間違いない…かな…」

「私としても、疑いの余地なし…かなぁ…」

「ん〜…だとしても…メリット性は…」

「恨み…なんですかね?そんな覚えまるでないですけど…」

「それはないと思うけどなぁ…基本人畜無害だし…」

「じゃあ…」

「まさかの…同業者…ですかね?」

「まさか…だね…ホント…」

「でも…可能性はゼロじゃないんじゃないか?仕事が少しずつ減ってるし…」

「手口がより過激…ってのも…引っかかりますよね…」

「過激っていうか…後先考えてない感じ?」

「やりたい放題やって、うちに罪をなすりつけるとか…?」

「それじゃ、俺個人を執拗に狙うのもおかしいでしょう…」

「じゃあやっぱ…嫌がらせ?」

「仕掛けてくる理由はともかくとして…俺らの手口を真似た模倣犯がいるってのは…確実だろうな」

「情報…集めてみる?」

「このままじゃ死活問題…ではないにしても、正直いい気分ではないな…」

「とりあえず…まずは調査からで…いつも通りにやってみますか」

「故意にやられてたら…どうする?」

「どうするって?」

「…そりゃ…ねぇ…w」

「うわぁ…悪い顔してる〜w」



先日から、俺は誰かにいたずら…では済まされない可愛さのいたずらを仕掛けられている。
幸か不幸か…まともに被害にあってはいないが…どうも偶然…では済ませられないようなことばかり起きている。明らかに、誰かが作為的に行っていることだ。
狙いが何で、誰がこんなことを仕掛けてきているのかはわからない。だが、身の安全のことも踏まえ、このままにしておくわけにもいかないのは確かなことだ。
仮に個人的な理由で狙われてるのだとしたら、二人を巻き込むのはお門違いというもの…しかし、一人でどうにかできるとも思ってはいない。
最終的に二人にも被害が出る可能性だって否定できない。相手の手口は…存在がばれることを恐れてないせいか過激だ。調査をするにしても、細心の注意をしないといけないな…

10Mクラン:2008/09/15(月) 00:05:31
因果応報という言葉がある…
個人的な解釈でいくと…まぁ、悪いことをしたら同じことが自分にも返ってくると…そんな感じだ。
そういった意味では、俺がターゲットにされることはまぁ仕方のないことと言えるのかもしれないが…頭めがけて花瓶が落ちてくるようなことまではしてない。
悪運の強さから、さしたる被害はなかったが…ジャストミートしていたら…ケガだけで済んだだろうか…
…相手が俺を狙ってきていると分かってたから…俺は大胆に相手の調査をすることにした。そうすれば、綾や社長に被害が出ることもないだろうし、俺に目を向けさせていれば、綾や社長の調査もやりやすくなるだろうと判断した結果からだ。
調べれば調べるほど、仕掛けてくるいたずら…いや、もうあれはいたずらじゃないな…調査されていることに対しての妨害…それはどんどんエスカレートしてきている。それだけ、俺が確信に近づいているということなんだろうか…最近は、どこにいても何かしら起きる。まぁ…そうしてくれたほうがこっちとしてもありがたいのだが…
ここ数日の間で、自分をつけまわしてる人物はもう特定できたし、その人物を調査していくに連れて、仲間だろうとおぼしき存在も掴めてきている。今日はそれの裏付けのためにとあるところに向かっていたのだが…今日は行くのを止めるべきか?あの人に迷惑をかけるわけにはいかないし…

いや、ここで足を止めるわけにもいかないな…ここはひとつ…


…数分後

「いらっしゃいませ〜」

「…醤油ラーメン…特濃で」

「…はい!少々お待ちください…」



「お待たせしました〜醤油で〜す♪」

「…どうも」

「店長からの伝言で、たまにはプライベートで顔出せ!ですって♪」

「もうちょっとしたら…少し暇になるかもしれないから、そのときにって…」

「かしこまりました〜♪」

ここは一見するとただのラーメン屋だが…ちょっとした裏の仕事もしている。特濃は合言葉のようなもの…なんだが、本当に特濃な醤油を用意するあたりは…
いや、そのことは今は気にしなくてもいい。裏の仕事とは…主に情報…人に関してだ。一応大元はマンサーチャーという、人探し専門の仕事だったらしいのだが…今の時代、それだけでは食っていけないということで…情報等も扱うようになったとかで…まぁ、ここの話をしていると長くなりそうだから、とりあえず本題に戻るとしよう…
これで必要な情報も手に入った。あとは…綾たちと合流して、お互いの調べたことを確認して…どうするかを決める…
どうするか…なんて、考えるまでもないんだけどな…さっきも、尾行してたヤツに脅し…というかな感じのことをいっておいたわけだし…
邪魔な尾行を追い払う手段…それは尾行に気づくことだ。そうすれば、その日の間くらいは後をつけたりはしない。それに大きな独り言で…

「人を尾行するってことは、それなりにリスクが伴う…そうじゃないかな?○○君?」

どうせ調べてることなんて気づいているだろう。だが、どこまで〜というのは把握してない。俺は彼らの頻繁に立ち入るところに足を向けたりしてはいたが、それはこちらが調べた情報を利用しただけで、そこを調査しにいったわけではない。そういったところに足を伸ばすことにより、相手に少々の恐怖感を与えるが目的だったのだが、それが予想以上に響いていたようで…ちょっとした一言で相手により強い恐怖を与えることができた。このあと、尾行していた男は早々に立ち去っていった…
これで心置きなく綾たちに会いにいける。さて…本当にどうしてくれようか…

11Mクラン:2008/10/02(木) 22:18:48
あのあと、社長らと合流して、各々が調べた情報を話し合った。それにより判明したのは…

彼らは自分たちと同じシステムで仕事を請け負ってはいるが、料金はうちの半額。
復讐内容は、最初はうちと同じようなものだったが、徐々にエスカレートしていったような感じらしい。依頼人の意向に沿ってたわけでも、別途料金を貰っていたわけでもないあたり…本人たちがただのいたずらでは満足できなくなったといったところだろうか…
歳は16〜19程度。成績はいいらしい。
元はうちと同じ人数で始めたが、めんどくさくなったのか、興味を持ちそうな人間を呼び寄せたのかは定かではないが、そんな感じで少しずつ増えていったようだ。現在は7人だ。
そして…俺を狙った理由だが…これがまたバカらしい話だった。
俺には特に復讐依頼があったわけではないらしい。彼らはもっと依頼が来るようにするため、復讐サイトなるものを立ち上げようとしていた。そこで、復讐内容のサンプル的動画、画像が必要となり…ということだった。
突っ込みどころが満載すぎて、逆に突っ込む気も起きなくなってしまうような話だ。

「それにしても…事業拡大しても稼げるような業界じゃないってのにねぇ…」

「単に自分たちが暴れたりすることに対しての理由付けがほしかったんじゃないか?ありがちだろ?そういう話は…」

「自分たちがやってることが正しいと思い込んで…なおかつストレス解消ができる…そうなれば、こうなることも不思議じゃないのかもな」

「和哉は…ストレス解消になったの?この仕事…」

「まさか…まぁ…スリルを楽しむ、どうやって偶然を生み出すかを考える、そういったことに少なからず気分の高揚を覚えたりはしたが…スリルがほしいからといって、ギリギリなことをしたことはない」

「そうよね〜。確実に仕事をこなすって感じだったもんね〜」

「まぁ、小僧たちがナニを目的にとかは正直どうでもいいんだ…こんなダサイ仕事でも、うちはあくまで非合法の商売…裏家業なんだ…仕事は荒らすは、知らないとはいえうちに手を出すわ…さすがにこれは許せないよなぁ…」

「じゃあ…殺りますか?」

俺は昔懐かしい首を掻っ切るという動作をしながらいう。

「おいおい…うちは893さんじゃないんだから、そんなことまではしないってwちょっと世間の厳しさと、裏の世界に足突っ込むってことがどんだけのことなのかを思い知らせてやるだけ…」

「それも十分893的なような…」

「まぁ、気にするなって!!警察沙汰にはならないよう努力するw」

「ん〜…努力だけなの〜?」

こんな冗談を飛ばしながら、彼らにお痛をした罰を与える作戦を考える…
話がまとまり、計画に必要なところへ連絡を入れる前に俺は…

「…社長…」

「あいよ?」

「この件が終わったら…」

「あぁ…そうだなぁ…こんなことが起きちまったんじゃ、しょうがないよなぁ…」

「あ〜やっぱりそうなる?」

「まぁ…当然といえば当然だな。あくまで信用商売でもあるわけだし…」

「その話は、この件片付けてからでも遅くはないだろ?よし、とりあえず準備に入るとするか!!」

「いろんなところに貸し作ることになりますね…」

「いいじゃねぇか!!どうせ最後だしよ!!それに…あいつらだってうちに貸しのひとつやふたつはあるんだしよw」

「あんなお子ちゃまにここまでするのも大人気ないような気もするけどね…」

正直俺もそれは思ったが…社長のいう、これが最後という言葉もあり…派手にやってしまえという考えのほうが勝ってしまっていた…

12Mクラン:2008/10/20(月) 00:43:42
おい、今日どうするよ?もういい加減あいつ狙うのやめね?なんか上手くいかないしさぁ…
サトシの話じゃ俺らのことばれてるっぽいしな…
そうだなぁ…サンプル用のやつなんだし、別に躍起になることなかったよなぁ…
あれ?そういえば他の連中は?
あぁ…なんか今日は用事があるんだってさ
ふ〜ん…まぁ俺も今日は用事あるんだけどな
そっか。じゃあ今日はもういいか。またみんなで集まったときにこの件について話あおう
OK。そんじゃな〜

さぁてと…あいつらには悪いが…今日は合コンだ♪
人に何かいたずらをするのも楽しいけど、やっぱ男として生まれたからには…なぁ?w

にしても…集合場所がちょっと変なのが気がかりだな…
でも嘘ってことはないだろう。何せ付き合いの長いやつからのお誘いだからなw

ヴィー・・・ヴィー・・・

ん?メールか・・・もう集まってるから早くこいよ・・・
なんだもう集まってるのかよw気の早い連中だな。こりゃイロイロと期待できるかもしれないな…グフフ…

さて…そろそろ集合場所だけど…あいつらどこにいるんだ…

おーい、こっちこっち!!
あの人がそうなの?やだ〜結構カッコいいんだけど〜w
ちょっとアンタ!!あの人は私が…

マジ?w俺もてちゃってる?wうはwww
こりゃちょっとダッシュでいったほうがいいな…イケメンはつらいぜ…w

騒ぐなよw今行くからわぁ!!

ナニが起きたのか理解するのには時間がかかった。
俺は確かに目の前のかわいこちゃんたちのところに早足で向かっていた。
そしたらいきなり浮遊感…っていうか、地面が抜けた…そんなことありえるのか?
でも事実として、俺はそのまま落下していった…さすがのイケメンだって空は歩けないさ…
そこはいいとしよう。もう過ぎたことだ…で…なんだあのマイクを持ったおっさんは…それになんでみんな笑ってるんだ?さらにいうなら…なんだあのでっかいカメラ…どう見ても業務用ってやつだよな…
微かに声が聞こえてくる…

いや〜やっぱり男は合コンって言葉に弱いんですね〜wしかも、可愛い子がいると分かると駆け足で向かってくる!もうこれは性としかいいようがない!!
男の人って、みんないつでも狼なんですね〜w
普段はおとなしいってか…クールなやつなんですけどね〜…
どんな人でも女の子の前じゃ素直に欲望むき出しってことですねwある意味正しい行動とは思えますが…日本の未来がちょっと心配…

なんだこれは?なんでこんな和やかムードで話してんだ?俺はなんか知らないけど落下したんだぞ?普通ならケガしてるとこだぞ?
てか…なにあいつは嬉しそうに俺のこと語ってるんだ?

え〜と、彼はまだ状況が理解できてない模様ですね〜wちょっと可哀想な気がしてきたぞ〜w同じ男として〜w
確かに、ちょっと可哀想ですね…実験のこと、伝えてないですし…
そりゃあ伝えたら実験にならないですからねw

実験?何のことだ?とりあえず…

「なにこれ…俺…騙されたの?」

13Mクラン:2008/10/20(月) 00:44:16
「いや〜上手くいってよかったね〜w」

「まぁ…そうなるようにしてもらったからな」

「番組的にはモザイク入れるってのが…惜しいけどなぁ…」

「てか…アレ放送する気なの?w」

「まぁ…人動かしてる以上、金にしないといけないからな…でも、そこは俺らには関係ないさw」

「そうですね…」


今回はかなり他の人を巻き込んだ仕掛けとなった。
内容を見てればおおまかに分かるとは思うが…うちはあくまでいたずらのレベルで何かをする。だから、大掛かりなことをしても、いたずらの範囲で済ませないといけない。
そう考えた結果が…アレだった。
まず、地方TVの方に連絡を入れる。ここには以前まとまったズッコケ映像を買ってもらったことがあり、イロイロと面倒なことを省くことができた。計画を伝えたらそくOKがもらえた。
次に前につけていたやつを、一人になったところで捕まえた。別に何かやばいことをしようってわけじゃない。彼らの親しい人間の連絡先を聞いただけだ。おおまかには調べていたので必要もないことともいえるのだが、全員に同じことをしても面白くないので、彼にはちょっとした背徳感を味わってもらおうと…
そして、主だった連絡先を押さえたら、それをTV局の方に渡し、連絡をつけてもらう…
あとはもうほとんどおまかせ状態だ。綾にはエキストラ…というかサクラの子として動いてもらったが…

「にしても…人にあれだけいろんなことしておいて、自分に降りかかることは疑わないとか…やっぱ子供だよね〜w」

「まぁ…親しい人間を使ったからな。それに、若い奴ってのは、自意識やらが過剰にあるんだ。天変地異が起きても、自分だけ助かるとか思ってたりな…w」

「でもよぉ…全員同じ手口で引っかかるってのもバカな話だよなぁ…」

「まさか、狙われた人間に関連性があるなんて思わないでしょう…俺が問い詰めた彼以外はねw」

「そうだね〜w」

「でも…これって仕返しになるんか?」

「大丈夫ですよ。その辺は…」

「もう手打ってあるのか?w相変わらずだなぁ…和哉…」

「さすがマイダーリン!!」

「ダーリン…ねぇ…」

「おほん!!とりあえず、一段落ついたんだ。これからしばらくは…本業一本だなw」

「…ですね…w」

「そういえば…例の人は納得してくれたの?ほら定期的にいたずら動画買い取ってた人…」

「あぁ…そっちは問題ないw事情話したらすぐに納得してくれたよw」

「それなら何も問題ないですね…」

「でも…私、事務だけじゃ暇だよ〜w」

「…仕事覚えればいいじゃないか…俺は事務だけしかしない女を妻にする気はないぞ?」

「マジ!?じゃあ頑張る!!」

「和哉…」

「安心してください、簡単に仕事覚えられると思ってませんから…w」

世の中にいくつもある偶然…中には誰かが引き起こした必然もあるが…
こうして普通の生活に戻るってことも…必然だったのか?
いや…これから綾に仕事を教える…これは普通の生活じゃないな…
まだまだ…スリルと無縁の生活ってわけにはいかないな…やれやれ…

14Mクラン:2008/10/20(月) 00:49:19
簡単なあとがき

復讐代行…まぁそこまで珍しいお題ではなかったんですが、スケールを下げることで、他所にありそうなものとはちょっと違ったものができたかな〜なんて考えてますw
一話完結を目指して始めた割に、全くもってそれができなかったっていうのは…ちょっと悔しいですが、掲示板の文字数的な部分も少々含まれていますので…その辺はご勘弁をw
よくよく考えると、強引な手法を使ったとはいえ、しっかり完結させたのは久しぶりな気がしますw
ブログやらナニやらでイロイロちょこちょこ書いてたときもあったんですが、どうしても完結までいかないという…なんとも物悲しい結果ばっかりw
なので久しぶりに完結できて嬉しいですw
こんな大して面白くもないモノですが、少しの暇つぶしにでもなったのであれば幸いですw
次回作は…特に何も考えてませんが…ここでないとこでやる可能性のが強いかも…w
そのときはちゃんと書く場所を記載致しますw
最後に…

こんな駄文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました〜♪


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