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第三汎用スレッド

2121 ◆/yjHQy.odQ:2017/07/21(金) 22:17:15 ID:wV2CkvIM

「シィアァァッッ!!!」

「!」


 痺れを切らした【バケモノ】が、先手を打つ。
 大きく振りかぶった拳を、彼の顔面めがけて一直線に振り下ろす。
 やや大げさ、拳三つの距離を開けて半身で回避するゼオ。
 
 ……直後、彼の後ろの山肌に直径3mほどの小さなクレーターが出来る。
 風圧、及びこの怪物の魔力、気力のたぐいが当てられた、残滓の結果。
 ミノタウロスやサイクロプスと言った豪腕自慢の怪物たちを粘土細工に変える、悪魔の膂力の結果だった。


「……ア?」

 
 が。
 怪物は、次なる一撃を放つ前に、宙へと浮いていた。
 正確には、地面へと強烈に叩きつけられてのワンバウンド・フライング。
 ゼオの、【エモノ】のカウンターじみた背負投によるものだった。


「纏え――!」


 念じた、そして、喚んだ。
 ゼオの両手足には大気が渦巻き、どこからともなく金属の装甲が纏わりついていく。
 右腕は白銀の輝きを強めた。
 

「奏でよ、雷光の調……我が手に宿り敵を穿て」


 続いて、詠唱。
 下級の雷魔術、魔法学校での必須科目のそれ。
 しかし、右腕の輝きはそれの比ではない。
 加えて、絶えず変質した稲妻の輝きは、ついに増幅を圧縮させ、剣刃が如き雷孤を生み出した。
 
 射出。
 下級魔術とは思えぬ威力と速度、怪物の顔面を捉えて即座に放電、霧散した。
 この間五秒もなく。
 投げられて崩した体勢を更に崩した上で、彼は跳躍した。
 右手に握る刃を構えて。


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