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第二裏ゲート

1「鍵を持つ者」:2012/08/06(月) 03:18:24 ID:???
神話計算だと73万人が産まれて、36万5千人が息絶えた事になる年月であった。

2916とある世界の冒険者:2017/01/23(月) 01:18:41 ID:cKG.7TFY
>>2915
「なるほどね……読み間違えたか」
通常レベルの火魔弾での攻撃が聞かない、相手が人型レベルの機構を有していない事
だが其れよりも有益だったのは、この攻撃でこの銃の癖が分かったことだ
「なら、こっちの弾種だな」
鞄の中から新たな弾丸を取り出す。それはワイバーン落としと名高い弾丸
高濃度火炎魔法榴弾
一発の弾丸に火属性の魔石の粉を大量に詰め込み、弾頭全体に火属性の魔法を幾度も掛けた高価な弾丸
着弾すればその爆発から竜騎士すら落とせる魔弾
それゆえ、弾頭が二倍になって居る事や、距離こそ飛ぶが、長距離になればなるほど、その分の計算式が複雑で扱い辛い弾丸

其れを先ほど装填した氷魔弾と榴弾を交換する
「先ずは目玉」

先ほどより身構えて狙いを付ける
そして、再び引き金を引く

辺りに轟音と共に、赤く美しい魔石が燃える時の火花が立ち込める

その弾丸は化け物の目の付近に向かい進んでいる

2917置きレス用RP:2017/01/23(月) 21:08:35 ID:lr2ojvI6
>>2916
着弾、炸裂、大爆発、そして立ち込める黒煙…


間髪入れずその煙を切り裂いてシャキンへと高速で飛びかかってくる汚泥!
化け物の左手から振るわれることで放たれるそれは、
前述の通り、象程もある大きさのグランツ種ワイバーンを
一撃で仕留めるほどの速度と範囲を誇り、
それ故に着弾した際の威力も半端ない!!

確かにシャキンの放った一撃は化け物に命中した。
しかし、それは化け物の右腕によって阻まれ、右腕の一部を吹き飛ばしただけとなった。
流石に化け物も何が脅威であるか位、察している。
既に標的はシャキンへと切り替わっており、黒煙を振り払いながら巨体が完全にそちらへと向いた。
そして化け物の身体は欠損しても比較的高速で元に戻る。
汚泥を避け、尚且つ再生前に次の一撃を放つ…
小型の銃では威力が足りない、大型のガトリング砲でもなければ不可能か!?

2918とある世界の冒険者:2017/01/23(月) 22:21:14 ID:cKG.7TFY
>>2917

「っ!?」
化け物から放たれる高速弾。
煙が空を切ったことに反応し即座に銃と共に化け物の側面へと走って逃げ始める。

弾丸は大きくシャキンからそれて着弾。再シャキンは草むらに隠れて狙撃体勢に移る

化け物の攻撃は確かに強い。シャキンの現行の火器では到底不可能な象程もある大きさのグランツ種ワイバーンを
一撃で仕留めるほどの速度と範囲
だがそれはあくまで中近距離戦闘での話である

化け物との距離は3km。それは超が付く遠距離戦である
象ほどの大きさのグランツ種ワイバーンですら3kmという距離の前ではコイン程度の大きさになる
それに精密に当てると言う行為。それは適当に弾を撃てばいいわけでは無い
剣や盾に鎧に魔法や銃。それら人間の英知が生み出した物の一つ

物理数学

そしてそれらから生み出された数々の数式

これによって可能とされる

3kmという距離はシャキンにとって、唯一の防具なのである。
無論、この理が化け物に通じるかと言うと、そうでは無い。通じれば化け物では無くなる
この化け物もこの遠距離戦に馴れてしまえばもしくは……

「ラピュセル、何で動かない」
シャキンは焦っていた。化け物の気が剃れたのは計算通り。反撃もある程度予想済み

しかし、最大の懸念であるのはラピュセルであった。彼女が逃げてもらわなければ、現状の戦闘も意味がなさなくなる

或いは、重傷か若しくは……

(次でラピュセルが動かなければ、危険だがやるしかない)
草原からの銃口は化け物の目に狙いをつけ引き金を引く

弾種は先ほどと同じ高濃度火炎魔法榴弾

現行の最大火力は此れのみ。
今は此れでしか渡り合えない

弾丸はまたも化け物の目に向かって狂いなく放たれるのであった

2919置きレス用RP:2017/01/23(月) 22:34:29 ID:lr2ojvI6
>>2918
着弾、炸裂、大爆発、そして立ち込める黒煙…

しかし次の動きがない。
黒煙が周囲に立ち込め視界が非常に悪い。
が、微かに空気の揺れる音。
ハタとそれに気づき音のするほうを向けば着弾地点。
黒煙の奥、何かが光を放っている。

ゴッ!と空気を焼く音。
黒煙を穿ち吹き飛ばして化け物の口から熱線が照射される。
某巨神兵のソレに似た熱線は着弾時に爆発こそしないが大地を抉り真っすぐシャキンへと向かってくる!
純粋かつ高威力の魔力の前では物理現象の干渉など無いにも等しい。
人間の英知を蹴散らすが如く、膨大な魔力によって活動し周囲を見回す化け物の一撃は瞬時にシャキンの居る場へと到達した!

2920とある世界の冒険者:2017/01/23(月) 23:25:04 ID:cKG.7TFY

>>2917
黒煙の中から微かに光る物を確認した瞬間。
(マズイ……!!)
すんでの所で回避が出来た。
すぐさまその場から銃器と共に離脱した
地面を真っ直ぐとえぐりながら進む光線。そしてその後を溶解した地面を確認する
「…………」
如何するか悩んでいた。
相手は此方の遠距離攻撃に対応し始めている
このまま化け物との狙撃合戦をしていては、明らかにジリ貧だ
それではラピュセルが死んでしまうかもしれないし、もしかしたらもう……
(掛けに出るか)

鞄から軍用の救急医療パックを取出して肩にかけ、リボルバーライフルに氷魔法の属性が付いた冷凍弾を装填し
「っ!!」
そのまま、ラピュセルの元に走り抜ける。
敵を目で追いながら攻撃の気配がすれば止まり、ライフルで攻撃
多少は怯んでくれることを祈りながら攻撃を避ける。もしくは隠れる。
今の距離なら、泥の弾丸も魔法光線のまだどちらの攻撃の差も無い。ならば木々の間を走り抜けつつ、草むらに身を隠してラピュセルに駆け寄り、治療
そのまま、化け物の気を何かで引いて

後は王都の城塞兵器で何とか駆逐するしかない
シャキンは賭けにでた!

2921置きレス用RP:2017/01/23(月) 23:55:47 ID:lr2ojvI6
>>2920
シャキンが乙女のもとに駆け寄る上で問題が幾つかある。

まず周囲の状況だ。
化け物の行動で森は壊滅状態。
無数に散らばる倒木と撒き散らされた腐臭漂う大量の汚泥で真面な足場など幾つもない。

次いで化け物の索敵能力である。
シャキンの初撃からシャキンの位置を割り出すまでの感覚がやけに短いとは思えなかったろうか。
二発目もそうである。身を隠していたはずのシャキンの位置へとほぼ正確に熱線は迫った。
攻撃範囲が広く、一瞬の間があったとはいえ全力で避けなければ何れも直撃のコースである。

そして最終的な問題。
乙女の正確な位置、である。
シャキンが目に出来たのは最善でも乙女の落下地点を遠目に確認した程度だろう。
目星を其処につけ駆けるとなれば当然化け物へは接近することになる。

シャキンが駆け始めある程度化け物へと接近するまで化け物は動かなかった。
シャキンは不自然にも思うだろう、だが乙女を救うと決めた以上駆けるのだろう。
だが、それこそ化け物の狙い。
どうにも遠距離ではすばしっこく避ける相手を仕留めるのはどうすればいいのか。
答えはひどく単純だ。
点や線で駄目なら面で攻撃すればいい。
自身の身体はある程度なら自由に形状を変えられるのだ。
特に自身のこの両腕はその点に特化している。

幸運にもシャキンは駆ける先に地に臥すヒトらしきものを見つけた。
が、それと同時に自身の周囲が急に薄暗くなったことにも気が付いた。
影だ。自分や乙女を含めかなりの距離に影ができている。
見上げれば化け物が両腕を合わせ振り上げている。
その先端はハエ叩きの様に幅広くなっている。
結論から言おう、この攻撃は並の人間の運動能力では避けられない。
瞬間移動かそれに類する移動方法でも持たない限り確実に叩き潰される範囲にシャキンは居る。

それが理解出来た時、シャキンはどう動くのだろうか?
ありったけの弾を化け物へと打ち込むのか?
乙女へと駆け寄りその身を挺してかばうのか?
それとも化け物が思いもつかない方法でその攻撃を弾き事なきを得るのか?



そのどれもが果たされる前に化け物が仰け反りその両腕を自身の後ろへと落とす事になる。
乾いた一発の銃声によって。

2922とある世界の冒険者:2017/01/24(火) 21:05:42 ID:1ZDz6cc2
>>2921
森は壊滅状態。無数に散らばる倒木と撒き散らされた腐臭漂う大量の汚泥で真面な足場など幾つもない。
しかしシャキンは馴れた足取りでそれらを渡りながら走っていた。

いや、実際馴れているのだ。こことは違う環境で

――イルタ会戦

この化け物が生み出したこの状況が、辺り一面に展開していたあの戦況

いや、まだこの化け物の方が温情がある。何せ、あの会戦では今のシャキンの様な動きをしていれば即撃ち殺される

一人でも的、二人以上で固まればそれは範囲魔法の格好の的。
其れをあの化け物がしてこない訳がない。警戒しつつ前進する

化け物の察知能力に関しては、あらかた考えはあった。此方側が丸見えであると言う事も
誤算と言えば、あの熱線だ。あの攻撃が地面を張ってくれていたから良かったが、これ以上の狙撃合戦をしてしまえばアレを直接照準されれば……シャキンは死んでいたであろう。

そして最終的な問題の解決
化け物への接近

化け物がどういう思考をしているのかは分からないが、少なくとも今の乙女は釣り餌と認識されているであろう
ならばこちらは其れにかかる魚だ。
だがタダで係る程、シャキンは馬鹿では無い。
そもそも狙撃手が遠距離戦という自分の独断場から中近距離戦という相手のフィールドに向かう理由が無い
例え、乙女が瀕死の重傷だったとしてもそこから感情に駆られて走り出す程の人間が狙撃手に勤まるわけがない

理想を考えつつ、現実的な策を実行する

シャキンは走りながら作業を行う

一つは救急治療パックに大き目の石ころを詰め込む作業

そして、もう一つは銃弾が入っている鞄から、一見調理器具の様な木の枝が付いた代物に対して8発以上の高濃度火炎魔法榴弾を括りつける作業

ジャガイモ砕きと呼ばれる調理器具に似た手榴弾に高濃度火炎魔法榴弾を括りつけて
即席の結束手榴弾。正規品ならば中型重装甲ゴーレムすら破壊が可能ではあるが、あくまで即席
爆発、威力とも賭けに出るしかない一品
シャキンにとっては最後の切り札である

走りながら地に臥すヒト――恐らく乙女であろう――らしきものを見つけた瞬間、手に持っていた救急治療パックを其処に投げる
中身は瓶ばかりであり、地面に触れたら割れる。しかし、それと同時に中に入っている魔法薬
レイヴンと共に魔法店や錬金術店から『拝借』した物品
中規模の魔法障壁を展開させる魔法薬瓶と回復魔法薬瓶
同時に割れてしまえば、其処は魔法障壁が展開と同時に回復魔法が障壁内部に充満する。
つまり、一度だけ、それも一人だけ、もしかしたらあの化け物の攻撃を何とか防ぐかもしれない。
其れがシャキンの最後の賭けであった

ラピュセルには生きてもらわなければならなかった。この異変を解決できる人物として
レイヴンと共に解決してもらわなければならない。だからこそ、生きてもらわなければならないのだ

ほぼ投げたと同時に自身の周囲が急に薄暗くなったこと、化け物が両腕を合わせ振り上げ、その先端はハエ叩きの様に幅広くなっている事
それらが如何でも良かった。どんな攻撃が来ようと、自分は助からないのだ。
ならば一矢報いる。即席の結束手榴弾のピンを抜き投げようとした時だった

化け物が仰け反りその両腕を自身の後ろへと落とす事、そしてそれが予想外の乾いた一発の銃声によって引き起こされたのだ

一瞬だけ唖然としたが、そのままシャキンは即席の結束手榴弾を化け物の顔に投げつけた

2923置きレス用RP:2017/01/24(火) 21:54:54 ID:CrvpZqW6
>>2922
シャキンが投げつけた結束手榴弾は見事に化け物の顔を吹き飛ばす。
だが、その身体は崩壊せず失われた顔の部分の再生が始まろうとしている。

?『どうでございましょう?』
??「ああ、とりあえずコレでいい。量産出来るか?」
?『無論にございます』
??「狼の魔女は良い術式を教えてくれたものだ」
?『左様で』

この状況下にて何やら世間話のようなものをしながら通りかかるものがいる。

??
「しかし何だな、銃では駄目なのか?」

『量産、となりますと只の金属では付与に問題が。
 かと言って魔鉄類をこの状況下で用意するのは些か現実的ではないかと』
??
「木であるだけで、付与が容易なのであったか?」

『然り。現状入手が一番容易いものでもありますな。
 無論霊木を探し出し使えばより強力な魔道具となりましょう』
??
「まあいい、この弩で十分だろう。」

身体を包む様に折畳まれた翼が重厚な黒クロークに見える
捻れた角と尖った耳を持つ黒髪短髪の女が弩を弄んでいる。
白い翼の生えたぶかぶかのフード付き金縁黒ローブを
深々と纏う地から僅かに浮き漂うヒトガタがその横に付き従い何やら弩の説明をしていた。

2924とある世界の冒険者:2017/01/24(火) 22:11:42 ID:1ZDz6cc2
>>2923
完全に倒せていない様子を確認し、そのまま銃器をもって腰をかがめる
「……」
静かにそっとこちらに気を取られない様に動き始める

二人の人影。何だっていいし、どうだっていい。
少なくとも今は敵ではないし、味方でもない
現状は取り敢えずラピュセルを救出するだけだ。

此方に興味を取られない様に静かに匍匐前進しラピュセルの方に向かい始める

端から見れば先ほどの戦闘と爆発で死んだ死体にも見える。
但し夜間と泥だらけで此方を視認できるかが問題だが……

2925置きレス用RP:2017/01/24(火) 22:24:02 ID:CrvpZqW6
>>2924
?「…ふむ、アレか」
??『既に手は回しておいたのですが…殆どが戦闘の余波で消えてしまったようで』

シャキンの事には気が付いていないかもしれない二人。
しかし、シャキンによって作り出された障壁は目立つ。
そも二人の目的も乙女であったようで…

獣「…ガウ!」
大男「…」

身体の所々から陽炎のように黒い炎が揺らめいている
目の部分を古呪文が刻まれている布で覆っている黒い獣と、
顔を古呪文の刻まれた金属の板で覆う上半身裸の筋骨隆々なヒトガタ。
肌は黒く背中に携えた大剣から常に黒い炎を思わせる魔力が溢れ出ている。
それが乙女の直ぐ傍に立っていた。

?「確保だ」
??『承知』

2926とある世界の冒険者:2017/01/24(火) 22:41:26 ID:1ZDz6cc2
>>2923
そのままゆっくりと弾倉を確認する。
リボルバーライフルの弾丸がまだ多少残っている

カービンライフルは先の対ゴーレム用大型魔銃の場所に置いてきてしまった。

ゆっくりと全員の視線から外れる様に動き、そのままゆっくりと泥を拭わず銃を構える。
もはや動きが暗殺者と同じである。

狙いは司令塔になっている二人の存在

照準を合わせて、ただただ的を狙うかのような視線を向ける

2927置きレス用RP:2017/01/24(火) 22:50:10 ID:CrvpZqW6
>>2926
ローブ「礼も言わず、あまつさえ窮地を救った相手に銃を向けるとは、無礼が過ぎるぞニンゲン」
女「よい、所詮は只の鉛玉だ。狙撃手とは警戒心が強いものよ」

くっくっく、と楽し気に女が笑う。
シャキンの存在に気が付いていたようだ。
そんなやり取りをしている間に獣と大男が時間が経ち消えかけている障壁を砕き、
大男が乙女を救い上げた。

ローブ「…やはり『ソウル』が枯渇しておりますな」
女「当然だろう?ダメージがそのまま『ソウル』の消費になるのだ、よく耐えたほうだ」

2928やり直し受付してます:2017/01/24(火) 23:17:23 ID:1ZDz6cc2
>>2927
「お前らは違うな」
そう一言言うと、一瞬、振り向いたと同時に大男が救い上げた瞬間。何の迷いもなく大男と獣の頭に銃弾を撃ち込む。
撃ち込んだ瞬間、魔法が展開し鋭い大口径の氷魔法が大男と狼の頭に向かう。

「……クソッタレの語り部が」
そう呟くと
ロープと女の方に向けて照準を固めてすぐさま射撃。
同様に、ロープと女に向けて大口径の氷魔法の弾丸が撃ち込まれる。

2929置きレス用RP:2017/01/24(火) 23:28:49 ID:CrvpZqW6
>>2928
大男と獣が撃たれ霞のように消える。
当然、乙女は地に落ちた。
乙女「へぶっ!」

カエルが潰れた様な声が漏れたぞ、乙女から。

そして飛来する弾丸。
だが女が手を翳すと障壁が生み出され、いとも容易く大口径の弾が止められた。

ローブ「…アレと同一視されるのは些か屈辱ですな」
女「くははっ、胡散臭さなら貴様も引けはとらんだろうな!」
ローブ「それにしても撃ちますか。御屋形様、やはり救うのは『ソウル』のヒトガタだけでよかったのでは」
女「抑えろ、人間のやる事に一々目くじらを立てた所で如何となるものでもない。それよりもだ」
ローブ「ふむ…無駄な小競り合いのせいで折角の時間稼ぎも無駄となりましたな?」
女「人間、せいぜいあがけよ。貴様が招いた落ち度だ、これは」

先ほどまでの比較的穏やかな感じはなりを潜め、女が冷たく言い放つ。
同時に水っぽい咆哮。
化け物がその活動を再開したのだ。

2930とある世界の冒険者:2017/01/24(火) 23:44:31 ID:1ZDz6cc2
>>2927
銃弾が防がれ、今度は出来立てほやほやの銀の弾でもお見舞いしようかと考えたが如何やら終わったようだ。
ロープや女からの言葉なぞ、聞いていなかった。
否、初めから眼中になかった。こいつらが語り部で無い以上は只仲間を誘拐しようとした敵なのだ

敵の言葉なんぞに一々反応する義理なんぞ無い、それがシャキンの思想でもあった。

「たく、クソったれが」
乙女を抱きかかえる。活動を再開した化け物が迫ってきている

残念ながら身体検査も脈拍も図っていられないのだ

「すこし揺れるぞ」

そう言いながら走りつつ口笛を鳴らして、此処までこれた馬をおびき寄せる。此方の方が速度が上だ

後は城門まで逃げ切るだけだ
そこから今までのお返しとばかりに城塞兵器をお見舞いしてやる

そう思いつつ走るのであった

2931置きレス用RP:2017/01/24(火) 23:50:58 ID:CrvpZqW6
>>2930
だが…乙女を抱え馬を呼び更にはこの場から離脱する。
全てハイそうですか、と化け物が許すわけもなかった。
そも馬が来るまでに化け物が攻勢に出る。
攻撃方法は先ほどと同じ。
そもそも詰みの状態から抜け出ていなかったのに無駄に戦いを続けた結果である。
今度こそ乙女諸共ペシャンコだろう。

2932とある世界の冒険者:2017/01/25(水) 00:24:37 ID:RXrhaWfM
>>2927
「はやい……!!」

先ほどと同じ攻撃
詰んでいるこの状況で足掻く事が出来ない
出来る事と言えば乙女を外に投げて、彼女だけが助かるのを祈るしかない

「じゃぁな!!ラピュセル!またどこかでな」

乙女を投げた。火事場の馬鹿力と言うべきか結構勢いよくとばした

「……これが結末か」
押しつぶされるであろう未来。苦し紛れにリボルバーライフルに残った最後の一発を化け物に向けては放った
走馬灯など無かった。答え何て判らなかった。ただただ死を受け入れるだけだった

2933置きレス用RP:2017/01/25(水) 00:34:21 ID:UXdeuEkw
>>2932
乙女「へぶぅっ!」

乙女今日二度目の乙女らしからぬ発声。
顕現当初の神秘性は何処に行ったのやら。
ついでに破れかぶれに馬鹿力で投げたところで焼け石に水。
攻撃の範囲は如何足掻いても常人では何ともし難い広さだった。

だが、化け物も存在を忘れていたソレが窮地を救う。

グランツ「GAAAAAAAAAAAA!!!」
ローブ「ほう、やりますなあ」

ワイバーン、グランツが宙より放った熱線にも匹敵する雷撃。
それが化け物の片腕を削ぐ!!

女「やれやれ、一応何とかしたか。なら此方も目的を果たさねば」

騒ぎに紛れ女は乙女の傍らに立っていた。
弩に新たな弾を込めて。

2934とある世界の冒険者:2017/01/25(水) 00:52:27 ID:RXrhaWfM
>>2933
「……」
ただただ、茫然と立ち尽くしていた
そして死んでいない事だけが解り、取り敢えずは一旦引き弾丸を装填する

「……何だこれ」
どの勢力が敵でどの勢力が味方なのか判らない
いや、そもそも情報が圧倒的に足らないのだ。
あの化け物に対しても、そしてこのロープと女に対しても
語り部や乙女に対しても

(何に俺は片足を突っ込んだんだ?)
様々な事を考えるうちに頭が痛くなってきた。いっそレイヴンにこの状況を丸投げしてやろうかとすら思える
アイツならこういった状況も慣れてるだろうし、理解も早いだろう
あと、情報も集めているだろうし

(抜けたい……)
焼け石に水程度の弾丸を化け物の目に向けて放ちつつそう思うのであった。

2935置きレス用RP:2017/01/25(水) 20:25:58 ID:UXdeuEkw
>>2934
乙女「シャキン殿…今後も弾は要る。……無駄撃ちは控えるべきだ」

シャキンが判断力を失い、自棄になっているのを弱り切った乙女が立ち上がり制する。
額や左腕から流れる血は、回復魔法を受けたにもかかわらず治っていない。

女が弩の一撃を化け物目がけ放つ。
放たれた石らしき塊が化け物に当たりパァン!と乾いた銃声にも似た音を響かせる。
そして先ほど同様に化け物がその身体を大きくのけぞらした。

ローブ「もっともな意見ですな…おや、立てますか」
女「大したものだ、主も従者も悪くない」

ズズン、と少し離れたところにワイバーンが堕ちた。
乙女同様、深手を負い、その身体で無理をしたらしい。

ローブ「おいニンゲン、さっきの回復薬は?…いや、そこで呆けていろ」

ローブがふよりふよりとワイバーンに近づいていく。
女は女で乙女に近寄っていく。
化け物に動きがない。

2936とある世界の冒険者:2017/01/25(水) 22:54:57 ID:RXrhaWfM
>>2935

「……あぁそうだな」
乙女が立ち上がった事、傷が癒えていない事。心配事は多々ある
だが、死んではいない。それだけは良かった
リボルバーライフルに銃弾を装填して後ろに下がる。

女とロープが戦っている姿を見ながら今までの事を考える。

半身不随で生きる屍だった。其れが気が付けば全盛期と同じ体力に戻っていた
そして旧友のレイヴンが来たかと思えば王都があんな状況になった状態。
酒場に何とか辿りついたかと思えば、今度は語り部とそこから生まれたラピュセル
――そしてリグレットの炎獣

何が何だかわからない。何故彼女が獣に?

様々な事が複雑に絡みついている

今回も、この敵も、この女とローブの奴もだ。
乙女を助けるべく駆けつけたが、得意の狙撃戦では苦戦し、一か八かの即席結束手榴弾も効果なし
だが、こいつらの持っている武器は効果絶大だ。

だが、そもそもこいつ等はなんだ?

なぜ乙女を攫おうとした?
その目的は?
信用ならない語り部だが、こいつ等もまた未だに敵か味方か判らない。

魔藥取締り局やマフィア相手に抗争している警備隊なら分かるのかもしれないが
生憎こちとら只の軍人だ。女とローブが敵か味方かを見破るすべなど持っていいない

だが乙女の関係者か其れを知るものである事は確かだ。

どう動くか。最善手が全て裏目に出た今となっては答えは無い。

――ローブ「おいニンゲン、さっきの回復薬は?…いや、そこで呆けていろ」

「……ないよ、あれが一度きりだ」

あんな回復薬、そうそう持てる筈が無い。あの回復薬と魔法障壁の瓶も錬金術師の店やら魔法薬店から持ってきたものだ
其れも、偶然、偶々であ。
どちらも本来の値段なら、シャキンの給料の5〜8倍ほどの値段である
こんな状況で寧ろ、良く残っていた方だ
今あるの何てせいぜい本当の軍用医療品のみ――つまり痛み止めと包帯が少々と針と糸程度である

「呆けていろか……そうさせてもらうよ」
皮肉に対して素直に受け取る。実際、変な事をして周りを混乱させるよりかは万倍もマシだ

動きが無い化け物に目をやる。自身が長期戦覚悟で戦った相手があんなにあっさりと動かなくなった。
こいつ等は何なのだろうか……?
疑問が大きくなる

「さっきはすまなかったな、撃ったりして」
言葉を投げる。拾われるか、無視されるか、あるいは罵声か皮肉か
まぁ、どれが帰って来ようとも、対して差がないと思う

2937置きレス用RP:2017/01/25(水) 23:10:45 ID:UXdeuEkw
>>2936
女「ああ、問題ないぞ狙撃手。貴様は腕はいい、後は武器だな?」

そういいながら女は自身の巨大な左鉤爪を露わにする。
その爪先につままれているのは、ゆらゆら揺れる青白い炎と錯覚するような輝きを放つ魔石だった。

女「使え『ソウル』の女」
乙女「?…いや、如何しろというのだ?」
女「ん?貴様、自身が何であるか知らんのか?」
乙女「そういう貴女は私のことに詳しいようだが…」
女「貴様自身のことは知らんよ、私が知っているのは『ソウル』の事だ」

魔石は女から乙女に手渡された。

ローブ「ふむ、貴様は良き働きをした、これからも精進しろ」
ワイバーン「…GURURU」

ローブが何やら呪文を唱えるとワイバーンの傷が多少は癒える。
しかし本調子には程遠いようだ。
グズリ、と化け物がその動きを再開しようとしている。

2938とある世界の冒険者:2017/01/25(水) 23:30:50 ID:RXrhaWfM
>>2935
「あぁ……ありがとう」
一瞬の驚き。想定した言葉と違って純粋に驚いたようだ

「あの化け物、20mmが聞かないとはね……今度はいっそ次は30mmの銃でも特注してみるかね」
呟くように言う。
20mmですら、対ゴーレムとしては大型の魔銃
もの陰に隠れようと物陰ごと破壊する銃なのだ

30mm――そこまで行くと銃では無く砲の部類である
多少無茶をすれば3km以上の狙撃もできなくはないだろう。
但し、撃った直後に体が無事であればの話だが。

ゆらゆら揺れる青白い炎と錯覚するような輝きを放つ魔石
そして、ソウルという言葉
「……ソウル?魂?」
乙女より先に疑問を口にしてしまう

ローブが何やら呪文を唱えるとワイバーンの傷が多少は癒えていく中で

グズリ、と化け物がその動きを再開しようとしているのを見つける

「クソッタレ、あれまだ生きてるのかよ」
化け物の動きを見て反射的に銃を構える。
ここまでの再生持ちだと、もう230mm攻城用大型魔法でも打ち込んでやりたくなる

2939置きレス用RP:2017/01/26(木) 00:06:49 ID:2JIUBbps
>>2938

「くっくっく、未だそんなことを言っているのか?きいていないというのは少々語弊がある。
 単純に当たっておらんのだよ、狙撃手。貴様の攻撃は。
 あれは膨大な魔力を鎧として纏った存在と言っていい。目に見える部分は全て、な」

化け物が動き出すのを見て女が常人の右腕で弩を構え、異形の左腕で器用に弾を番える。
その状況下、ローブがとうとうと語りだす。

ローブ「我らは便宜上そう呼んでいる。お前の言う魂も『ソウル』ではあろうな」
乙女「…私は何なのだ?いや、自分がどういうものかは理解しているつもりなのだが」

ローブ
「では理解は早かろう。見た目こそ血を流すヒトのようであるがその実、
 お前は非実体である精霊に近い存在だ。
 流す血が地に落ちる前に消えているだろう?
 周囲がお前の状態を把握できるようにそれらしく見せているだけなのだ。
 実際のところ、お前の身体に血は流れていない。
 いま目に映っているお前の姿は一種の幻覚みたいなものだ」
 傷ついた姿になっているのは単純にお前の『ソウル』が枯渇しかけているからだ。
 そのまま『ソウル』が無くなればお前は霞のように消えるだろう」
乙女
「…成程、回復魔法がいまいち効いていないのはそういうことなのか」
ローブ
「回復魔法の大半は当人の自然治癒力を異常な速度で進めるものだ。
 となれば代謝も何もないお前の身体に使ったところで意味もない。
 高位の術ともなればまた違う結果もあるかもしれんがな…
 現状最も確実にお前の身体を癒すのは失われた『ソウル』の補充だ」
乙女
「『ソウル』の補充…この石を使うということか?」

2940とある世界の冒険者:2017/01/26(木) 00:25:10 ID:j602t0Z2
>>2939

「……わるかったな、理解が悪くて。こちとら一般人なんだ」
ため息をつきながら大きく肩を落としつつ、女の言葉を返す。
女の言う通りならば、なるほど確かに全て合点が行く。ネタや仕掛けが分かれば、案外大したことは無い。

ただ、シャキンは一般人なのだ。軍人ではあるものの、そのほぼ全てが対人戦闘である。このような化け物は専門外なのだ
計算は出来るが、推理は出来ない。
もしかしたら、この化け物への対処法が戦った中に隠れていたのかもしれない。
しかし、それでも其れを汲み取れるかは経験と知識と才能が物を言う。
単純にシャキンにはそのどれもが欠けていたのだ
女が戦っているのを少し見つめたのち、ローブの方を見る


ローブの話を聞いている。今後の仲間であるラピュセルの行動と回復方法。知らなければならない。
今後の対策の為にも、勉強できるうちは勉強するのが得策だ

なにより、もう仲間を失いたくないのだ

2941置きレス用RP:2017/01/26(木) 20:31:06 ID:2JIUBbps
>>2940

「だが、狙撃手。貴様は戦士だろう?
 命のやり取りの場においてその言い訳は通じない。
 死ぬ為に戦うというならそれでも構わんがな?」

化け物が動き出した、だというのに女は手近の倒木に腰を下ろしくつろぎ始めた。

ローブ「さて、もう一つ試させてもらおうか?『ソウル』の女」
乙女「試す?」
ローブ
「自らの益のない戦いに身を投じる気概や良し。
 故に御屋形様はお前の手助けをしろと私に言われた。
 しかし、お前達が今回の騒ぎの元凶を突き止めるに至るか私は甚だ疑問だ。
 先程の件も含めてな」
乙女
「…何をすればいい」
ローブ
「アレに一撃食らわせてみろ。無論有効打を」
乙女
「徒手空拳なのだが」
ローブ
「……本来であればそれで十分のはずだ、お前の在りようでは。
 だが、必要なら此れを使うがいい」

そう言ってローブが手渡したのは木剣だった。

乙女「…素材が木に見えるのだが」
ローブ「馬鹿を言え、ヤドリギだぞ」
乙女「……いやだから木ではないか!?」

さて、こんなもので如何有効打を与えろというのか…考えなければ

2942とある世界の冒険者:2017/01/26(木) 21:24:14 ID:j602t0Z2
>>2941

「戦士では無く、兵士……いや、まぁ言い訳だな確かに」

戦士の様に自らの力で駆け上がる存在では無く、使い潰される存在の兵士
実際、自身も使い潰された存在、だがそれは言い訳にしかならない。
死ぬために戦う奴等居ない。生きる為に戦うのだ。
其れが人間相手か化け物相手かの差

其れだけだ

「全く、退役してから正論を言われるなんて想像してなかったよ」

バツが悪そうに苦笑いを浮かべる

動き出した化け物。しかし、それを如何する事も今は出来ない。
現状の火器では有効打らしき有効打は打てなかった。
いや、戦えた武器はある。だがそれは3km先に置いて来たのだ。

「……武器を置いて来るんじゃなかった」
ぼそりと呟く
仮にあったとしても、比較的有効だった銃弾は全て手榴弾にくっつけたのだ
手が無い

そして、その後にローブと乙女の会話を聞いて
「……」

知識は無い。それでも解る事は有る。
(ラピュセル、怒って良いんだぞそれ。つかキレて良いんだぞ?)

武器がまさかの木剣。

「なぁ、あー……」
もしもの為に予備の武器があれば借りたかったが、そう言えば名前を聞いていなかった事を思い出した。
かと言って、名を名乗る雰囲気でもなければ状態でもない。
バツが悪そうに頭を掻く

「……武器貸してくれないか」
やや主語を濁しつつ、頼んでみる。とは言っても恐らく無理であろうと予想は付いている

(がんばれラピュセル。すまんが、俺は無力だ)

2943置きレス用RP:2017/01/26(木) 21:59:20 ID:2JIUBbps
>>2942
女「うん?これか?…これを貸すと答えを教えているようなものだからなあ?」
ローブ「御屋形様、既にそれが答えを言っているようなものなのですが」
女「そんな事はなかろう?少なくともこれが何であるか知るまい」
乙女「魔道具である、と言う事ぐらいしか分からないな」
女「そうだな、魔道具だ」
乙女「……ううむ」

悩む中、ついに化け物が動く!
話し合っている中、一つに集まっているシャキンら目がけ、右パンチ!!

乙女「って、攻撃する以前の問題だ!!」
女「防がんと全員ぺしゃんこだぞ?」
乙女「ああもうなにがなんだかああああああああああああああ!!!!」

肉体的にも精神的にも限界に近かった乙女が吠えた。
りきんだせいで持っていた魔石が握り砕かれる。

乙女「だあああああああああああああああああああああああ!!!!!」

乙女の姿が一瞬にしてヒーターシールドを構える戦士のそれへと変わる。
右手に携えているのは木剣だが。
注目すべきはその構え突き出した盾より発生した障壁。
よほど強力なのか凄まじい体格差をものともせず化け物の拳を見事に止めた。

女「そうそう、その感じだ」
乙女「どの感じなのだ!?」

2944とある世界の冒険者:2017/01/26(木) 22:20:33 ID:j602t0Z2
>>2943

「なるほど、魔道具か……あーなるほど、分からん」
肩をすくめて諦める。

「まぁ少なくともそれが体内の魔力を吸うとか体の魔力を元にしてとかの部類なら、俺には扱えないし、触れられないし、下手したら死ぬな」
シャキンは元々、魔法適性が低く、日常生活ならともかくとして、子供でも出来るファイヤーボール等の超初級魔法すら使えないのだ
定期的に魔法藥を飲んで日常生活を送っていた時代もある
流石に現在では日常生活ではそんな事は無いが、流石に上位レベルでの体内魔力に依存する魔道具等は触った途端に激しい動機が走る
厄介な体質である

「すまんな、ラピュセル。如何にかしてやりたいが、如何も出来ないんだ」
現行の火器では足手まとい
しかも、残弾もやや厳しい
ラピュセルに賭けるしかないのだ

「いいぞ、ラピュセル。その調子だ!」
乙女の姿が一瞬にしてヒーターシールドを構える戦士のそれへと変わったのを見てやや驚いたが、精霊の一種だと考えるとなるほど合点が行く。
回復して元に戻りつつあるのだろう

「……その感じ……らしいぞ?」
近接武器は専門外なので適当な相槌を入れて濁し始める

2945置きレス用RP:2017/01/26(木) 22:28:38 ID:2JIUBbps
>>2944
女「女子供でも使えるように設計させたものだ。自身の身を守るためにな」

化け物をのけ反らせるほどの威力を誇りながらである。

女「弾こそやや特殊ではあるがな。まあ普段こんな巨体とは対峙する前に逃げるだろう?」

弩、それ単体で一定の機能を有している、ということらしい。
弾はおそらくその効果を更に高めるのではないかとも思われる。

乙女「いやもう何が!?」
ローブ「冷静になれ、女。貴様はアレが放つ一撃を止めた、それはどういった理屈だ?」
乙女「り、理屈!?」

異形の二人はこの状況を楽しんでいる。
化け物は熱線の一撃を加えようと準備に入った!!

2946とある世界の冒険者:2017/01/26(木) 23:01:49 ID:j602t0Z2
>>2945

「なるほど、理念や設計思想としては最高だな。それに整備性と生産性に頑丈と来たらいいのだが」

高威力の武器でありながら、女子供にでも使えれるほどの反動。弩特有の生産性と整備性の高さも素晴らしい

だが懸念もある

「……問題は相手が先に気が付いて、対応が遅れた時だな。この化け物、3kmは余裕で攻撃範囲だぞ?現に俺と3kmでの狙撃戦を繰り広げたぞ?」

たしかに女の言う通である。こんな化け物が現れたら、先ずは逃げる。しかし、もし相手が先に気が付いたら?
この弩は強いが、シャキンの記憶が確かなら弩の有効射程距離は大よそ60m
もし有効射程距離が他の弩と大差なければ……
せめて、100mの射程距離は欲しいと考えてしまう

そして、もし通常の狙撃戦を知っている人物なら3kmという言葉に、失笑を浮かべるだろう。
何せ、狙撃の最長記録は2.6km。それも超が付くほどのエリート狙撃手が専用のスコープを別注しさらに観測手も計算が得意な種族から選抜しての結果だ

ハッタリと取れる言葉でもある。

「何にせよ、素晴らしい武器だな。その弩は」
どんな機構にせよ弾にせよ、兵器としての有効性を無数に含んだこの弩は、間違いなく傑作である。
市場に流れれば、間違いなく買い手が文字通り山ほど着く


「攻撃が来るぞ。その熱線は注意しろ!」
と叫ぶ

2947置きレス用RP:2017/01/26(木) 23:25:01 ID:2JIUBbps
>>2946

「だからこそ軍隊というものが存在しているわけだろうに。
 誰も彼もが武器を取って戦う世の中など笑えもしない。
 デカ物の存在に気が付かぬ戦うための職業など意味もない。
 故にそのIFは無意味だ。
 それと個人的に私は銃が嫌いだ。射程が長いものほどな。
 互いに命を奪い合うなら相手の存在を感じる距離でやらねばならぬ。
 相手の息遣い、においまでもを感じ取って、それでもなお奪い合えるなら奪い合え。
 引き金一つで一方的に相手を?本来命のやり取りというのはそういうものではない…
 まあ、個人的な意見であるがな?」

そこらの倒木に降りかかった汚泥目がけ、ただの石をつがえて女が弩を撃った。
石は泥にめり込んだ。
有効射程50m程度の普通の弩の挙動。
先ほどまでと使い方は変わっていない。
女の話が事実であるなら化け物に放った弾は特殊であるが弩にこそ真価がある。
ではこれは一体どういうことなのか。

乙女「いや無理だ流石にさっきみたいに防げる気がしないというかさっきのもまぐれだああああ!!!」

乙女も錯乱している。
化け物の熱戦は万全を期するつもりか溜めが長い!!

2948とある世界の冒険者:2017/01/27(金) 00:46:11 ID:6iRju3oQ
>>2945

「あぁ、そうだな」
困りながら合図地を打つ。
適当に売ったのではない、ただ純粋に困ったのだ

まず、まさか此処まで白熱した意見が出てくるとは思って居なかったのだ
そもそも、女子供が使えると聞いて商隊への護身用と想像していたが如何やら違ったようだ。

そして、銃への女個人の思想を聞いて更に困る。
シャキンとしては武器にここまで高潔な思想を持ったことが無いのだ。

戦争があり、それに生き残るための手段の一つに銃があるだけなのだ

シャキンに理念や思想があるならば、それは現場特有の思想の一つ

――理屈や方法はどうでもいい!今日を生き残るための武器をくれ!!

此れだけだ

しかし、それを言う程この現状で空気が読めていないわけでは無い。

言った所でどうしようも無いのだ。下手をしたら火に油を注ぐだけになってしまう。

敵でも味方でもない奴が敵になるのだけは防ぎたい。

そこらの倒木に降りかかった汚泥目がけ、ただの石をつがえて女が弩を撃ったのを見つめる

何をどうするのか。何が起きるのか。見当もつかないのだ

ただただじっと見ているだけだ。


「乙女、がんばれ!お前にしかできない事だ!!」
割と本心九割である。残り一割はやや死を悟り始めてるが

2949置きレス用RP:2017/01/27(金) 21:40:51 ID:RtCT7XFs
乙女「考えろ考えろ…ええと……」

目の前の敵は単純な火力では倒せない。
目に見える部分は全て魔力の鎧。
今更だがゴーレムに該当する魔法生物。
つまりは内部に核を持っている筈だ。
しかし有効打になったのは弩の一撃。
貫通して核に当たった?
今、目の前で撃たれたソレは標準的な弩の性能を示している。
魔力の鎧を抜くほどのものではない。
だと言うのに敵には十分すぎる威力を発揮している。
付与されている魔術は武器の性能を強化する類のものではない…

私の在りようであれば徒手空拳でも如何にかなる、と彼らは言った。
確かに攻撃は防げた。
防御の魔法など簡単なものしか知らないが単純な障壁であれば砕かれていた筈だ。
だがそうはならなかった…いや、あの時、私は攻撃を防ごうとしただろうか?
……違う、私は相手の攻撃を打ち砕こうとした!
盾という形にはなっていたが、守るためのものではなかった、寧ろ攻勢に出るための一撃。

根本的な勘違いだ。
ともすれば見方を変えれば何かが見えてくる筈だ。

そう言えば『ソウル』が何なのかもハッキリとは理解していない。
魂なども含む、ということはもっと大雑把な括り、総合的な何か。
が、おそらく物理的な肉体は含まれていない。
そして手渡されたのは木の剣。
殴りつけるためのものではないのは明白。
ヤドリギで出来ているとか言っていたようだが…ん?ヤドリギ?

神話において何モノにも傷つけられない神を殺したのはヤドリギの武器ではなかったか。
傷つかなくなった神を祝い、他の神々がモノを投げつける娯楽にふけっていた所、
神を傷つけぬ契約を交わしていないヤドリギが刺さる、といった話だった筈だ。
この場合、神に与えられた祝福は他のモノにとっての呪いである訳で……

乙女「つまりなんだ、私が繰り出すべき攻撃は…こういう事かあああああああああああ!!!」

化け物が今まさに一撃を放たんとした時、乙女が振るった木剣から斬撃が飛ぶ!!
魔術によって生み出された一撃は化け物へ直撃、その身体を大きくのけ反らせ熱線発射を中断させた。

乙女「即効性の呪術!これが答えか!!」

2950とある世界の冒険者:2017/01/27(金) 22:37:27 ID:6iRju3oQ
>>2949
「おぉ……」
魔術によって生み出された一撃は化け物へ直撃、その身体を大きくのけ反らせ熱線発射を中断させた。
ラピュセルが放った攻撃が敵に見事に当たった証拠だ

――即効性の呪術!これが答えか!!

どうやら、乙女の中で答えが出たようだ。
しかし、それが答えなのか否かは女やローブしか知らない。
其方の顔色や様子を伺う

「……まるで師匠と弟子の稽古だな」
ぼそりと呟く。

余裕を浮かべている女の姿も、そして其処から考える様に言うローブの姿

そして悪戦苦闘し、今答えを見つけた乙女の姿。平時なら微笑ましい光景に見える
しかし実際、今は非常事態であり、乙女が有効打を与えているその化け物につい数十分前には殺されかけたのだ
世の中分からない物である。


――女やローブはラピュセルにとっては味方なのではないのだろうか
そういった疑問が浮かび上がる。
しかし、如何なのだろうか、本当の所は分からない。
それでも、彼女らはラピュセルだけにでも味方をしてやってほしい。
そういった思いがある


それにしてもどうやって答えを導き出したのか後で聞いてやろう

2951置きレス用RP:2017/01/27(金) 22:48:41 ID:RtCT7XFs
>>2950
乙女「よし、次で決め…う………あれ?」

がくん、と乙女が膝から崩れ落ちる。
同時に鎧が消え、いつもの姿に戻る。

乙女「……か、身体が動かない」
女「『ソウル』が又枯渇したな」
乙女「ん、な…」

ローブ
「銃弾、魔弾、最終的に物理的干渉を威力の基盤とする攻撃では様々なものが障害となる。
 今回の場合は相手のサイズが大きな障害だ。
 だが魔術的干渉の場合、基本障害となるのは同じ魔術。
 当たれば確実に効果を発揮する。
 次に問題となるのは呪いの対象だろう。
 呪いとは対象の『何か』に干渉する魔術。
 通常、『何か』に重きが置かれ様々な呪術が生まれているわけだが…
 だがある魔術系統は『何か』を考えるのではなく、対象に『ソウル』を選び出す術を見つけた。
 これが如何なる存在にも当たれば効果をもたらす攻撃方法と精錬されたわけだ」
乙女
「……、いや、解説は後にして欲しいのだが」
ローブ
「ならん、興が乗ってきた。今喋る」

2952とある世界の冒険者:2017/01/27(金) 23:24:31 ID:6iRju3oQ
>>2950

「おい、大丈夫か?」
駆け寄ろうとしたが、歩みを止めた。
乙女の回復方法は特殊なのである。通常方法での回復は意味が無い

――女「『ソウル』が又枯渇したな」
ソウル、精霊に近い乙女が回復するための唯一の手段。

石以外にソウルの回復方法はあるのだろうか?
呪術関連となると、相手からの吸い取り
若しくは生贄が必要なのだろうか

ローブの解説に耳を傾ける

正直な所、分からないのが大半である

これは別にローブの教え方が悪いとかでは無い。シャキンの知識不足が原因なのである
学びが無いが何とか点と点を線で結ぼうと必死に行う

(つまり、『何か』に対して呪術は共振を与えるのか……?)
(いや、それとも元々呪術とはその『何か』に攻撃を与える方法で、ソウルはその核心。そして今回の攻撃は、呪術の鋭利発展型という事か?)

うんうんと唸りながらローブの言葉からどういう事かを考えている。

自分では使えないのに、こう言った事は考える癖があるようだ

2953置きレス用RP:2017/01/27(金) 23:59:56 ID:RtCT7XFs
>>2952
女「兎にも角にもレギオン、納得したな?」
ローブ「承りました、メンシュハイトノイ、我らが主よ」
女「では、これにて終いだ。いつまでもアレを放置する意味はないな?」

やおら女が立ち上がる。
そしてゆっくりと自らを覆っていた羽を広げる。
二対の黒翼と巨大な左鉤爪に捻れた角と尖った耳を持つ黒髪短髪の女、それが化け物を見据えた。
受けて立つように化け物が両腕を交差、一体化させ振り下ろす!
この速度では、のけ反らせるぐらいで攻撃を回避できない!!

ノイ
「失せろ下郎。そしてその身をもって貴様の主に知らすがいい。
 自らの足で我が前へとその身を晒し戦えとなあ!!」

突き出した異形の左腕から展開ぶっ放された魔砲は、
振り下ろされた腕を最初に果ては化け物の全てを吹き飛ばした。

レギオン「では『ソウル』の女、ラピュセル。我が主の命により、好みを一旦お前に預けよう」
乙女「………じゃあまずアノ魔石が欲しいのだが」
レギオン「そう易々と作り出せるものでもないのでな、飯を食い寝れば『ソウル』も幾らか戻る」
乙女「…回復魔法がきかない分、ヒトの体より不便じゃあないか?」
レギオン「ヒトが数回死ぬ打撃を食らって離界しないのだから差し引きプラスだろう」

こうして胡散臭い仲間と新たな術を得、ワイバーンに背負われ乙女は無事帰還する事が出来たそうな。
因みに主の窮地を救った忠犬ならぬ忠竜のワイバーンは『ロヤリテート』という名が与えられた。

2954とある世界の冒険者:2017/01/28(土) 00:14:15 ID:4i4Yw.42
>>2950
最後に彼らは名前を名乗った。律儀にもお互いの名をだ
これは恐らく長い付き合いになるかも知れないという事だろう

少なくとも、それにシャキンが含まれたはいないのかもしれないが


――「失せろ下郎。そしてその身をもって貴様の主に知らすがいい。
 自らの足で我が前へとその身を晒し戦えとなあ!!」

あの化け物を作った。もしくは操っている存在が居る
もし、これがダース単位できたら?下手をしたらグロス単位で居るのかもしれない。

寒気にも似た悪寒が体を走る

(武装の強化が必要だな)
この状況、銃の実用性よりも強大な何かが必要となるな。情報が必要だ、あらゆる面で情報が必要だ

「……あんにゃろう置いていきやがった」
ワイバーンに背負われ乙女をみてぼそりと呟く

「仕方ない、こっちも帰るか」
武器と馬を回収して帰る。暫くは王都の武器を幾つかかっぱらっておこうと心に誓うシャキンであった


その後、あんな事件が起きるとは知らずに……

2955???の独り言:2017/01/31(火) 00:12:50 ID:XXLFArbQ
-???-

「…さてさて、現界はどうなっていますやら、いやはや口惜しいですねえ今回ばかりは」

黒一色の世界でソレは呟く。

「筆舌に尽くしがたい様々な物語が生まれているんでしょうねえ…
 あー、勿体ない勿体ない、後世の誰にも語られることなく埋もれ消えていく物語の数々!!
 出来損ない共の中に記録として残すなんて殊勝なやつがいるとは思えませんしねえ。
 まあ、出来損ない共が勝手に動くのは想定内。
 物語の乙女がいい線行くのもまあ、予定調和となるんでしょうねえ。
 ですが二冊分とはいえ今回の騒動を考えればチカラ及ばずでしょう。
 アノ二人には悪いですがこうもトッ散らかってしまった以上私の望む物語を続けることは不可能。
 舞台の白紙撤回もやぶさかではないんですよねえ…
 次に私が顕現する頃にはジグザールが過去の物語になっていることでしょう。
 冷静さを欠いていたせいで懸念材料を残したままなのが痛いですが、
 龍脈によほどの変動がない限り封印が解かれることもありませんしねえ。
 万が一城が大地ごと宙に浮かんだなんてことでもない限り!はっはっはっはぁ!」

愉快そうにソレは笑う。
笑っている己自身が一番愉快な存在に成り下がっているとも知らずに……

2956とある世界の冒険者:2017/02/14(火) 22:55:11 ID:XAC77g/.


 王都――裏路地
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「――駐屯地まで、ここから一本道。」
「騎士達が掃討してくれたから、今は獣は居ない。」
「駐屯地についたら、そこでアルス・ストラグルを頼れ、良いな?」

<う、うん、ありがとうお兄ちゃん……!>
「礼は良い。 ――走れ!」

裏路地から赤いリボンを付けた少女が飛び出て、走りだす。
表通りは獣達の死体でひどい腐臭だが、何事も起きなければ少女の脚でも5分とせず駐屯地に付くだろう。


そして――


「―――――。」

少女が飛び出た路地裏から響き渡る銃声、獣声。
アウトマチック式と思われる銃が連続して弾丸を吐き出す音、44口径特有の炸裂音と衝撃音。

魔術光と殴打音、またアウトマチック式拳銃の連射音。 獣の悲鳴。

……音が収まるまで、1〜2分と掛からなかっただろうか。
そこから加えて1分、路地裏から青年の姿が現れる。

銀混じりの白髪、瘴気を避けるための口元までを覆う長い紅マフラー。
腰に巻きつけられたガンベルトと二丁の"最新改良型”アウトマチック式拳銃。
同様にガンベルトに収められた刺突用の杭<スパイク>が付けられた近接用ショットガン二丁。
取り回しの良い44口径の六連装回転拳銃二丁、背中には狙撃用のロングレンジライフル一丁。


「……ふ、ぅ。」
「あの女の子を追わないと……。」

「……ごめんなさい、埋葬は、後でします。」

硝煙の匂いと血の匂いを染み付かせた青年が、多くの武装を身に纏い、そこに居た。
今路地裏を除けば――さぞショッキングな光景が広がっているだろう。

2957とある世界の冒険者:2017/02/16(木) 19:28:05 ID:7ked.le6
>>2956
それは、クォヴレーが逃げた女の子を追い掛けている途中のことだった。路地の一本から、不意に虫の羽音が聞こえてくる。ブブブブブ、という蜂の羽音だ。

――蜂。クォヴレーにとっては、ある日を境に消えてしまったとある少女を思い起こさせる虫。
王都では蜂などさして珍しくもないし、街中でも頻繁に見掛けるのだから、この辺りに巣を作っていたところで何ら不思議ではない。
だが、路地から飛び出してきた一匹の蜂の姿は街中では決して見ないが、しかしクォヴレーのよく見知った特徴的なフォルムであった。

その蜂は不規則な動きで飛びながら、クォヴレーが向かおうとしていた方向へと進んでいく。まるで何かへと導くかのように。

2958とある世界の冒険者:2017/02/18(土) 11:33:56 ID:ymqHm0Yo

「―――。」

以前に見た――そう。
混濁した記憶の中に確かに記録のあるその虫にふっと脚を止める。
いつだかから見なくなった蜂、以前は良く会っていたものの朧気な姿を想起させるもの。


「……方向は同じ。」
「なら……。」

今は非常事態。本来なら虫の一匹程度は無視するべきだ。
だが、「なにかあっては」という考えからか、その脚は蜂を追うことを決めた。

2959とある世界の冒険者:2017/02/18(土) 22:49:20 ID:tKbOS8rg
蜂を追い掛けた先に着いた少し拓けた十字路の中央は、ダンス会場だった。
十数体の“獣”のなり損ない達――人と呼ぶには歪で、“獣”と呼ぶには中途半端で、獣と呼ぶには醜悪だ――と、一つの人影が踊(たたか)っている。

人影はタイトなライダーススーツを着こんだシルエットから女性であることが伺い知れるが、顔は蜂を模した面を着けていて見えない。
同様に、体の各所には蜂を連想させる黄と黒の縞模様のプロテクターを装備している。
両手には槍というには柄が短く穂先が長い、剣というには柄が長く刀身が短い、なんとも言えない半端な武器。
その武器で時には刺し、時には切り、何かを背後に庇うように立ち回っているのがわかる。そして、チラリと先程の少女がつけていた赤いリボンが見えているのも。

クォヴレー追ってきた蜂はその人物目掛けて飛んでいく。

2960とある世界の冒険者:2017/02/22(水) 00:00:32 ID:baUFHlNg

「……!」

仮面の女性が持った赤いリボン、それは間違いなく自分が見送った少女のものだった。
目は良い方で、この距離であればハッキリと分かる。

「――――。」

その様子を見て直ぐに腰のガンベルトから44口径の六連装回転拳銃一丁を右手に、左手には近接用ショットガンを引き抜く、
複数体居る獣の内、面を付けた女に離れた一体の眉間、首元、眼球に狙いを付けて右の銃の引き金を「3」回。

引き金を退くの同時にに駆け出し、別の獣複数体に狙いを定め「魔力によって弾丸を一点に収束させたショットガ」ンの引き金を「二」回。
人間の腕程度なら容易く吹き飛ばす程度の威力の弾丸は、成り損ないの獣程度であれば確実に脳天を吹き飛ばすだろう

2961とある世界の冒険者:2017/03/01(水) 22:16:52 ID:wPttzLHU
≪ヴヴヴ……≫
低い唸り声を鳴らして仮面の女に近付いていた獣の成り損ない――仮にバスタード(出来損ない)とでも呼ぼう。そのバスタードは意識外からの銃撃を受け、即座に崩れ落ちる。
同じように収束したショットガンを受けたバスタード達は、次々に肉体を飛び散らせて沈黙していく。

「……!」
クォヴレーの突然の加勢に驚いたのか、ほんの僅かの間だけ仮面の女の動きが止まった。
が、すぐに切り換え、舞い飛ぶように他のバスタード共を剣槍で切り、貫き、処理していく。
そしてある程度まで周囲のバスタードの数を減らしたところで、右の掌を宙に翳した。

「おいで、皆」
くぐもった声と同時に黄と黒に彩られた召喚用の魔法陣が展開され、そこから無数の蜂型魔蟲が溢れ出し、仮面の女を取り囲む。
クォヴレーをここまで連れてきた蜂もその群れに加わったようだ。


身のこなし、蜂、くぐもってはいたが聞こえた声。そのいずれもが、クォヴレーが知る人物である可能性を濃くしていく。

2962とある世界の冒険者:2017/03/06(月) 00:32:48 ID:RSvQMrxo

「……。」

仮面の人物の正体――は、今は気にしない。
今重要なのはまだ敵が残っているという事、そして自分が救けた筈の少女のリボンが仮面の女の手元にある、ということだ。

「援護する。」
「弾丸は直線だ、難しいだろうが、極力軸線上に入らないようにしてくれ。」

そのため、端的にそれだけを告げて残る数体のバスタード目掛け引き金を引く。
会話が必要であれば、「処理」が済んでから話せば良い。

少なくとも成り損ない共が残っている中で話すよりは、そのほうが建設的だ。

2963とある世界の冒険者:2017/03/18(土) 23:43:44 ID:3e6jgJbw
「…………」
声には出さず、手でオッケーサインを作って了承した旨を伝える仮面の女性。

「(さて、さっさと片付けますか)」
召喚された無数の蜂の魔蟲達が6つの集団に別れて集まり、そのまま6匹の人間大の大型の蜂へと融合・変化。
仮面の女性の指揮の下、バスタード達に襲いかかる。

≪ギィ!?≫≪ギャガ!≫≪ゴッ……≫
蜂達もクォヴレーの射線に入らないよう巧みに飛び回りつつ、強靭な顎や鋭い尾針でバスタードを咬み千切り、貫き、駆逐していく。

「(通常の“獣”よりもよっぽど脆いし弱い……となると、元になったのは多分――)」
何の力も無い、真正の一般人。恐らくクォヴレーも同様の結論に辿り着いたことだろう。
だが、それをいちいち意に介してはいられない。自身と生き残った人々を守るためには滅ぼすしかない。その正体が何であれだ。

「(数は多いけど、それだけ。この分ならもうすぐ片付くかな)」
バスタードは一体一体の能力は大したことがない。これならまだ野良の魔物の方が手強いぐらいだ。
みるみる数も減っていっている。殲滅までもう数分もかからないだろう。

2964とある世界の冒険者:2017/03/22(水) 22:47:19 ID:PBenrSDw

「――。」

そうしてやがて、最後に残った一体の頭蓋を散弾が撃ちぬく。
魔力で束ねられた弾丸は獣――元人間の頭程度は容易く吹き飛ばす威力を持つに至っていた。


「……。」

銃を腰のベルト/ホルダーに戻し、深く息を吐きだす。
一先ずは、済んだ。 元市民であったろう出来損ない達は、その全てが――残念ながら――躯と化した。

「……。」
「他宗派であったなら悪いが……。」

手で小さく十字を切り、僅かな時間祈りを捧げる。
これで魂が報われる――とは思ってもいないが、礼儀的な物だ。

やがて、ほんの5秒程の時間にも満たないそれを終えて。

「……そのリボンの持ち主を知っている。」
「屯所に走るように促した、10前の少女だった、……彼女は?」

まず、「一番」気になっていた事を期せずして共闘することとなった女性に問いかける。

2965うさぎ:2017/11/06(月) 03:23:33 ID:a0l8AeZg
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