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日本の安全保障・国防

286片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/03/10(月) 03:32:26
    ◆

 「何と言うか、ふわっとした感じだった」

 思考停止。内局の中枢幹部は、その瞬間の感覚をそう表した。

 事故発生から約8時間後の正午過ぎ。石破氏があたごの航海長から事情聴取したときのことだ。

 大臣室から連絡が入り、次官や局長、統幕長、海幕長ら約20人がぞろぞろと入った。航海長が事故状況を報告し、石破氏が質問する。「メモを取れ」という指示は誰も出さず、列席者の多くはただ聴いていた。

 石破氏の独壇場だ。事情聴取は彼のとっさの思いつきで開かれた。

 午前中の衆院予算委員会の終わり間際に、メモが入った。海幕が航海長をヘリで呼んで事情を聴いている。瞬時に、自分が聴かなければいけないと思った。「自分は文民統制の主体として防衛省にいる。自衛隊の内部だけで聴いたとなると、口裏合わせがなされたという揣摩憶測(しまおくそく)を呼ぶに違いない。それを排除する」

 後日、この日の事情聴取が明るみに出て、記者会見に臨んだ次官は苦渋に満ちた顔で語った。

 「どういう流れでその場ができたのかということを今必ずしも承知していない。記憶にない」

     ◆

 聴取の数時間後の午後5時に、自民党本部で開かれた国防関係合同部会。ここも石破氏の独り舞台だった。

 航海長から聞いた情報をもとに、漁船に気づいたのは「衝突2分前」という状況を詳しく説明した。が、航海長を呼んだ経緯は話さなかった。

 制服組幹部には危惧(きぐ)があった。「事故直後の当事者証言は間違いが多い」という経験則からだ。複数の証言や状況証拠で裏をとる必要があった。

 案の定、その日夜に防衛省で開かれた会議では、もっと早い段階で漁船の灯火に気づいたという他の隊員の証言が報告された。しかし、確認のために発表は翌日まで見送られた。そして「隠蔽(いんぺい)」という批判を、自ら招いた。

 国会議員として比類ない軍事知識を誇り、防衛省で自分一人が「文民統制をする側」と力む石破氏。前次官の汚職事件で傷つき、ひたすら低姿勢の内局。その取り合わせが、危うい「大臣の独走」を生んだ。

     ◇

 〈文民統制〉 民主主義国では政治が軍事に優先する原則の下、政治が実力集団の軍を統制するシステムがとられている。

 日本では、戦前に「天皇の統帥権」を名目に軍部が独走した反省から、国会と内閣による統制に加え、防衛庁の中でも旧内務官僚を中心とした内局による統制の仕組みが作られた。内局の文官(背広組)の幹部が「防衛参事官」として長官(大臣)を補佐し、自衛官(制服組)を統制するシステムだ。この日本型の「文官統制」は、防衛省に昇格した現在も変わっていない。
http://www.asahi.com/politics/update/0310/TKY200803090198.html


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