「政府の実力者にもいる」
NHKでも今年11月に放送された「バッチャ・バジ」の海外ドキュメンタリー、THE DANCING BOYS OF AFGHANISTAN。取材をしたアフガニスタンのジャーナリスト、ナジブラ・クラィッシは語ります。
「表向き反対していても、政府の権力者にもたくさん少年達を買春している人間がいる。名前だって分かっているんだが、命が惜しいから誰も言えない」
「バッチャ・バジ」は国際的に批判されており、アフガニスタン政府も規制に取り組んでいます。そんななかで警察を指導する立場のDynCorp社が起こした事件が明るみれば、アフガニスタン国内はもちろん、世界的な信頼を失ってしまいます。そうした理由からひた隠しにされていたようですがWikileaksによって白日のもとに晒されてしまいました。
ちなみに、この件では2名のアフガニスタン人警官と市民9名が逮捕されています。
ttp://365yen.jp/news/2010/12/37594
さてこちらは米国のテレビ局が制作した「THE DANCING BOYS OF AFGHANISTAN」のドキュメンタリーの一部です。
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「アフガニスタンにはびこる伝統の少年売春、米政府委託の民間警備会社が荷担」
“バチャ・バジ”は、10代の少年が男たちの前で踊るというアフガニスタンに古くから伝わる伝統文化。宴席に呼ばれた少年はきらびやかな衣装を身につけ、軽やかにステップを踏み、男たちをあおるようにターンを繰り返す。しかし少年たちの仕事は踊るだけにとどまらない。男たちと一晩をともに過ごすことを強いられることもあるのだ。
タリバン政権下では固く禁じられていた因習が今、アフガニスタンで復活している。番組ではダンシング・ボーイを仕込み、宴席に送り込んでいる男に密着する。男の名前はダスタガー。暇さえあれば街中を巡り、少年たちに鋭い視線を送る。ダンシング・ボーイとして素養がある子どもを探すためだ。容姿はもちろん、軽やかな身のこなしが条件だ。目を引く子どもがいれば親と交渉。了解が得られれば金を払い引き取り、踊りを教え込む。
権勢を誇る有力者にとって、ダンシング・ボーイを“所有”することはステータスの一部だ。北部の豪族マスタリーもその一人。マスタリーは多国籍軍とともにタリバン勢力と闘う司令官。「妻の許しを得て少年を競り落とした」と公言し、「少年が望めばセックスもする」と言い放つ。
知られざる児童虐待の現実を追った調査報道ドキュメンタリー。
原題:The Dancing Boys of Afghanistan
制作:Clover Films (イギリス 2010年)