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【ノベール】REDSTONE 小説upスレッド【SS】

4匿名希望:2009/03/11(水) 22:43:04 ID:BYgZYAn20
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まだブルンネンシュティグ が古都でなかった頃北の寒村に一人の男が現れた

村の隅に小屋を建て一人その地面を掘り出した 何かを探すように・・・
村人は余所者である男を嫌い
その行動を気味悪がり近づきもしなかったが
ある日 一人の無鉄砲な子供が男にこう尋ねた
「なにを探しているの?」
男は表情の無い顔でこう答えた
「歴史」


男の何かが子供の興味を引いたのだろう
子供は時折訪れわずかに話をするようになっていった
他愛も無い会話
近所に生まれた仔犬の話
好きな食べ物
友達との笑い話
そして将来の夢

「大きくなったら緑の目になりたいんだ」
緑の目・・・魔法使いを指す別称
魔法使いの多くはその瞳が深い緑色をしていることからそう呼ばれるようになった
この大陸でもごく僅かながら存在し強大な力を操るとされる魔法使い
尊敬と畏怖の対象であり多くの子供たちの憧れでもあった
「ふっ・・・」
男は初めて微かに笑った
「何だよオッサンも笑うのかよ!いいじゃん夢なんだから!!」
「そうだな・・・」
子供はプリプリと怒りながら帰っていった
男は自らの掘る穴を見下ろしポツリとつぶやいた
「魔法か・・・」
男は穴掘りを再開する 先ほどよし幾分速度を上げて

数日子供の怒りは収まらなかったがやがて思い直す
頭ごなしに叱られなかっただけマシなのだと
ここは北の寒村
自分は都会に出ることも無く一生ここで農作業をして暮らすのだろう
いつしか夢も忘れ生きる為だけに生きていくのだろう
子供は無鉄砲であったが愚かではなかった
ぼんやりと考えていたら無性に男に会いたくなった
異文化を知るであろう余所者に


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