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ここだけ禁書世界ロールスレ
6
:
朝馬統亘
:2015/07/28(火) 00:49:06 ID:TUBlv6/I
>>5
彼女へと話しかけられて、朝馬は素直に立ち止まった。既に不愉快な出来事に会った後だ、朝馬の表情には深い苛立ちと言う物が刻まれていた。
それは別に、目の前の少女に対して向けられるものでは無かったのだが。直後の出来事なものだから。振り返った朝馬の顔には、その残滓が残されていた。
彼女の言葉については黙って聞いていたし、実際その通りだと思った。自動販売機にはカメラが付いているかもしれないし、警報装置が鳴ったならば大人しくそこにいるのが筋だろう。
だが、面倒事を嫌うのが人間というもので、朝馬もまた例外では無かった。
「―――――――――――― 面倒なんだよ」
「ここから逃げた方が、捕まって時間取られるより、何倍も、何十倍も、楽だ」
それに、仮にセキュリティに捕まったからと言って、そこから先の対応は分かり切っている。大したお咎めなどなく、ただ時間だけを取られて釈放されるだろう。
だったら、さっさとそこから逃げ出した方がよっぽど良い。それに、朝馬には、別にカメラに撮られていようとも問題無い。正確には、問題にしないようにできる理由があった。
これがもっと重犯罪だったら面倒だったとは思うが。管理会社程度ならば、どうってことはないだろう。簡単に改竄して、それを無かった事にすら出来る。
だから、ここからさっさと逃げてしまうのが得策だった。―――――――――――― だが。
「が、指摘された。あんたに指摘された」
「あんたに指摘されなかったら、俺はさっさととんずらするつもりだった……だがあんたは、そうやって俺に"注意した"」
「自分が捕まりたくないから、っていうのが理由だろうが。少なくともそのために、あんたは今、気張っている」
彼女の理由が、正義感に駆られた物か、それとも自分本位の物か。そういうことは、朝馬にとってはどうでも良い事柄だった。
こうして、自分へと注意をする事が出来る、その為に使われた勇気、或いは、それに似たもの。それが無駄になる事は、朝馬は良しとはしなかった。
「分かった、大人しくここで待とう。あんたのその指摘に、敬意を払ってな」
依然、少々不機嫌そうな表情をしたまま、そう言った。
兎も角、これで彼女が駆け付けた管理会社の人間に捕まる事は無いのだろう。少なくとも、朝馬は彼女の言葉を素直に呑み込んで、そこに立ち止まった。
しかし、朝馬はそこに素直に立っているだけでもなく。彼女が立ち去ろうとするか、否か、そういう事に関わらず。彼女の背中に、声をかけた。
「……あんた、どこの学生だ」
彼女のセーラー服には見覚えはあったが、それが何処かは分からない。それが理由だった。朝馬の中では、大した意味がある訳でも無かったが。
実に、唐突な質問だった。最初か不審ではあるが……より、そう思われても、可笑しくは無いだろう。
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