したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ここだけ禁書世界ロールスレ

4朝馬統亘:2015/07/26(日) 19:38:32 ID:???
>>2
その少年は、少なくともまともな人間では無いように見えた。
金色に染められた髪をオールバックにしていて、目付きは悪いがしかし、未だあどけなさは顔に残っていたが、何か彼女とは違う、近寄り難さを醸し出していた。
それは彼女の方へと歩いているように見えた。テーラードの内側から財布を取り出して、小銭を取って服の内側に戻すと、自動販売機の前に立った。
「自分に関わるな」という雰囲気を抑える事無く振り撒いていた。それもそこらの不良が悪ぶってそうしているものではなく、心の底から湧き出るようだった。
彼女の事を気にすることもなく、また有無を言わさず、自動販売機へと小銭を投入した。……そうすれば、彼女ならば分かるだろう。何が起こるか。

「……ん?」

何時までたっても自動販売機のボタンが点灯しない。試しに、目的のアイスココアを押してみても出てくることは無かった。
自販機への投入金額を映すディスプレイには、間抜けに「いらっしゃいませ」と浮かんだまま。がしゃがしゃと返金レバーを下げても、小銭は出てこなかった。
その少年―――――――――――― 朝馬 統亘にとっては、それははした金ではあった。大した物では無かったが、それでも。
ムカつくものはムカつくのだ。飲み物は別に諦めても良かったが、それでも言う通りにしない自販機への苛立ちは抑えられず。

「―――――――――――― クソッ、ふざけやがってッ」

自販機を蹴飛ばした。そこまで力を入れたつもりでは無かったが、しかし。それは正常に、動作してしまった。
盗難防止の警報装置が作動する。ピーッ、ピーッ、という音が繰り返し鳴り響く。管理会社には既に連絡は行っているだろう、直ぐに此処に来るはずだ。
どうするかな、と。後頭部を掻きながら思った。大したことにはならないだろう、とは言えこんなことに時間を取られるのも癪に障る。
さっさとどっかに行って、別の自販機を探そう、と決めた。そして、そこから踵を返そうとしていた。
さて、そこに残るのは少女一人だ―――――――――――― ここで朝馬を逃がせば、そうなれば、ここに駆け付けた管理会社の連中に捕まるのは彼女の方だ。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板