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最近読んだ本 報告スレッド

1mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/05/14(水) 00:23
本を読んだら報告するスレです。
人が読んだ本からインスパイアされるもよし、
読んだ後に書き込んで自分で余韻にひたるもよし。

じゃ、どうぞ。

14mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/06/30(月) 22:43
>>14関連サイト
http://akiba.ascii24.com/akiba/
http://akiba.ascii24.com/akiba/news/2003/06/30/644623-000.html

15マヨ:2003/07/03(木) 01:24
かれこれ7年前にその街で働いてたけど、正直あの街の空気に耐えられなくて
逃げるようにMac屋を辞めたクチです。辞めるころ丁度そのゲームショップと
マンガ同人誌、アニメキャラグッズ店乱立の黎明期で、毎月のようにパソコン
屋、家電屋が潰れ美少女ゲー関係の店がオープンするって異様な日々が続いて
ました。ホントにねー、ヤバかったよ、街行く人々(笑) 誰もいないのに
誰かに喋り続ける(どーやら女の子の名前を呼んでいるっぽい)電波くんとか
ウロウロしてたし。高城剛は暇があると秋葉原へ行くって言ってたけど、今の
アキバってアニメとエロゲーマニア以外の電脳さんたちにとって、どんな魅力
があるのかなぁ・・・って、先月行って思った。

16mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/07/03(木) 23:25
>>15
7年前って言ったら96年ころでしょ。ちょうど96年〜97年っていうのは所謂
「エヴァンゲリオン」バブルの頃でキャラものの市場が一気に10倍以上に
なったそう。それで儲けた同人系、アニメキャラグッズショップがアキバに
進出したと書いてありました。
(チョコエッグで一躍有名になった海洋堂もこの頃進出)
もちろんエヴァバブルだけではなくって、
郊外型の家電量販店が力を持って、普通の電気製品をわざわざアキバ
に買いに出掛けることがなくなった。

家電ショップ立ち退く

パソコンショップが進出

パソコンオタクと近いアニメオタクがやって来た
で、趣都の誕生、というわけです。
ただ、アキバのあるレコード屋の品揃えがかなりコアなものらしい、という
噂を聞いたことがあります。行ったことないけど。

17マヨ:2003/07/04(金) 03:44
>「エヴァンゲリオン」バブルの頃で
そそ。活字の強弱だけで構成されたポスターがいたるところに(って分かりずらいか)。
ネルフのT-シャツ着てるやつとか屋上から狙撃したくなるほど溢れてた。そういう時代。
それとアキバでガンガン買い物するのは海外から来た旅行者ばかりだった。特に東洋系。

>あるレコード屋の品揃えが
どうだったかなぁ。アナログ置いてるところってレコファンと石丸しか行ってなかった。
今はわからないけど、アキバのレコファンは割とイイもんが安く掘れた。でも、もっと良
かったのは御徒町だったよ。特にUNIONのJazzは新宿店よりヤバかったな。潰れたけど。

18mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/07/06(日) 22:37
書名
警視庁草紙(上)(下)
著者
山田風太郎

明治の夜明け。大政奉還といってもすぐにガラリと世の中が変わるわけじゃ
なし、職を失った幕臣は明治政府のやり方がいちいち気にくわない。
ふとしたきっかけで、警察のやることを邪魔してやろうと思い立った元同心
千羽兵四郎は、その知恵袋である元南町奉行の権謀術数にたけた計略ととも
に痛快に役人達を手玉にとる。
しかし、初代警視庁のトップ川路警視正もまた恐るべき罠を張り巡らし、
千羽達を追いつめる。
江戸の風流あり、艶笑話あり、密室殺人もありまさに巨人山田風太郎の面目
躍如たる快作!
こういう時代物って今まで読んでなかったけど、結構ハマルね。
池波正太郎とかもちゃんと読んでみようかな。

19あべ:2003/08/01(金) 23:43
黒田硫黄の単行本(マンガ)を数冊読みました。
ヤッパオモロイネ。

んで、ビールと焼き茄子食ってます。

20mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/08/02(土) 23:03
>>19あ〜黒田硫黄いいよね!
アンダルシアの夏だっけ?映画の影響で近くの本屋に特集コーナーが出来てて
コミックス揃えたくなっちゃったけど、我慢してたとこ。
あと最近気になったコミックは江川達也の「家畜人ヤプー」、原作に忠実なのかな?

21mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/08/17(日) 23:35
書名:陰摩羅鬼の瑕
著者:京極夏彦

ご存知、拝み屋中禅寺秋彦=古書肆「京極堂」シリーズの最新作。
お盆休みの間に一冊を、と思っていたら書店に山積み。お。新作出てたのね、というわけで購入。
このシリーズ、必ず妖怪と古今東西の思想、民俗などなどがこれでもか、というくらい詰め込まれていてそこがまた魅力。例えば、
姑獲鳥の夏 医学・憑き物筋・ロリコン
魍魎の匡 科学・御筥教・近親相姦
狂骨の夢 心理学・密教&古代神道・輪姦
鉄鼠の檻 禅宗・ホモ
絡新婦の理 フェミニズム・キリスト教&ユダヤ教・売春
塗り仏の宴 洗脳・道教・レイプ
という風になっていて、今回は儒教とハイデッカー!
ハイデッカーといえば笠井潔の「哲学者の密室」でも登場した大哲学者。
物語冒頭で探偵小説における「死体」の扱いがふれられて、「おお、笠井への挑戦か?」なんて期待もしながら読んだのでした。(笠井は哲学者の密室で「大量死理論」というのを展開、確立してます)

この先ややネタバレ





娯楽小説としては合格の出来。ただし、ミステリーというジャンルに限定してみると、トリックの暴き立てが予想の範囲内だっただけに、「もっと驚かせて欲しかった」というのが正直なところ。
これまでのシリーズは「こうくるかぁ(驚」という展開が多かったので、過度に期待してしまうのです。
あと、ハイデッカーに関しては完全に消化不良。私自身、「存在と時間」を読んでいるわけではないので偉そうなことは言えませんが。

22mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/10/07(火) 23:59
えー、しばらく書き込みしていませんが、全く本を読んでいなかった、という
訳ではなく、どれも途中で挫折して、他の本に浮気、という展開だったのです。
とりあえず列挙しておくと、
唯脳論 養老孟司  
鏡子の家 三島由紀夫
モンスーン 寸
ファウスト 
(舞城王太郎、西尾維新、佐藤友哉の小説、東浩紀の評論、笠井潔のインタビュー
などが収録されたムック)
などです。かなり偏ってますね。
おすすめは「モンスーン」著者寸です。寸ってすげー名前。

23mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/10/08(水) 00:00
書名:山ん中の獅見朋成雄
著者:舞城王太郎

ミーハーだと言われようと、今一番注目してる作家、舞城王太郎の新作。
去年群像に掲載された作品が早くも単行本化。
この作家、メフィスト賞(ミステリーの賞ね)でデビュー、三島由紀夫賞
もとって、ノリに乗ってるところ。
で、本作は「これぞ最強の純文学!」と帯で謳っているようにミステリー
ではなく、福井の山の中で繰り広げられる獅見朋成雄(シミトモナルオ)
少年の数奇な物語。
でも、ミステリーとか、純文学とかのカテゴライズは無用の筆運び。
この作家の作品は「僕」とか「俺」の一人称で全部語られるんだけど、
「僕(とか俺)」の認識と拡大した僕=世界の認識がシームレスで、そこが
魅力なんだと思う。
(自分のことを語ろうとすると(または語っていると)それが含まれる世界の
ことも同時に語ってる、っていう感じ。うまく言えない。)

24mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/10/14(火) 23:19
書名:「新しい人」の方へ
著者:大江健三郎

大江健三郎氏は日本でも指折りのまじめな人である(多分)。
「人類の共生」の為にせっせと智慧と知識の蓄積をし、その蓄積を
物語に紡ぐのが彼のテーマである(多分)。
その思想のルーツは近代フランス思想であり、わかりやすく言えば
「左の」人である。
本作は読売新聞(=わかりやすく言えば「右」の新聞ですね)の
CMに出演する前(あの大江が?!と私は驚いた)、ちょうど
米(と英と軍事的協力を行った諸国と異議を唱えなかった日本)による
イラク爆撃の最中に週刊朝日に連載されたエッセー。
こんな世界で「新しい人」になるため、おとなもこどももどんな生活習
慣を持つべきか、ということを優しく説いています。

さて、少し紹介の仕方が皮肉っぽいでしょうか。
でもね、大江には「何か」を期待してしまうのですよ。
今だからこそ、「人類の共生」を何をもってすべきか、きっちり回答し
て欲しい。彼の最近の著作は「救い主」が登場して「人類の共生」を
目指すのだけど、結局最後はその具体的なビジョンが提示されることなく
物語は終わってしまう。
大江だからこそ、それを言葉に、物語にすることができると期待もするのですが。

25mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/10/28(火) 00:09
書名:メキシコ人はなぜハゲないし、死なないか
著者:明川哲也

「日本の自殺率25.1、メキシコの自殺率3.1」この本の帯に付された言葉。
どうやら、これはホントのことらしい。WHOのサイトにも世界各国の10万人
あたりの自殺率が出ているようである。
日本の自殺者数が3万人を越えるというニュースを聞いたことがあるが、1億4
千万人分の3万だから、25.1という数字も信憑性のある数字である。
じゃ、なぜメキシコはこんなに自殺率は低いのか?
それにどうやらハゲも少ないらしい。
自殺って、この本、「重い本」なのか?っていうとそうじゃない。
(たしかに650P超の厚さだから、物理的には重いけど)
NYの日本人料理人が悲嘆に暮れて自殺したところからこの物語は始まる。
彼を助けるのはネズミ。そのネズミとメキシコに4つの宝を探しに行く。
そこに待ち受けるのは数々の不思議で美しいエピソード。
いってみれば冒険ファンタジー。
テーマがテーマだけにやや消化不良なところはあるものの、全体的に楽しく
読めたのでした。

26mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/11/25(火) 23:37
少し読んでいたものがたまっていたので、簡潔に紹介
書名:ZOETROPE
編:フランシス・フォード・コッポラ
訳:小原亜美

映画監督のフランシス・フォード・コッポラが新進の作家の短編を紹介する企画。映画の脚本の元となるストーリーを探している内に自身が編者となって出版まで手がけることになったそう。7編のショートストーリーが入ってます。どれも良い出来ですが、カレン・E・ベンダーという人の"Anything for money"という話が切ないラストでグッときました。

27mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/11/25(火) 23:56
改行しないと読みにくいかな?続いて。。。
群像12月号
舞城王太郎、愛媛川十三、絲山秋子 ほか

舞城王太郎のものはどうしてもチェックしてしまう。
群像なんて今まで立ち読みすらしなかったのに。
「愛媛川十三」というのは舞城作品に登場するミステリー作家。
もちろん、舞城本人。
その愛媛川(舞城)がミステリーと純文学に関する課題を出し、それに答えて
舞城が小説を書く、という趣向。
課題に対してミステリー作家が答えるという趣向(群像では「現代文学 演習」と呼んでいる)
はこれまで出題者と回答者が別れていたのに、最終回の今回は本人が問題を出して、本人が
答えるという禁じ手できました。
ルール、というか(ミステリーという形式の定まったスタイルとか色々)を逸脱する
のが舞城のキャラクターなので、それも一興ということでしょう。
で、それぞれのタイトルが
「いーから皆密室本とかJDCトリビュートとか書いてみろって。」(愛媛川十三)
「私たちは素晴らしい愛の愛の愛の愛の愛の愛の愛の中にいる。」(舞城王太郎)
ですからね。群像を普段読書生活の中心においている人たちにわかるのでしょうか。

あとは、絲山秋子氏の小説、初めて読みました。

28mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/11/26(水) 00:03
さて、ラストは
書名:ヤクザ・リセッション さらに失われる10年
著者:ベンジャミン・ベルフォード

米経済誌「フォーブス」アジア太平洋支局長のB・ベルフォード氏が「政・官・業」+ヤクザの
癒着構造を指摘する本書。
今本当に金を稼いでるのは悪いことをしてる奴、といういうことがよ〜くわかります。
日本て、想像している以上に泥沼ですね、ということを再認識しました。

29mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/12/04(木) 00:01
書名:グリーン家殺人事件
著者:S.S.ヴァン・ダイン
訳者:井上勇

たまには古典のミステリを読まなきゃね、ということでヴァン・ダインに挑戦。
このヴァン・ダインという人、病気療養中の2年間になんと二千冊に及ぶミステリ
を読破、これなら自分にも書けると執筆を始めたそう。

古い邸宅で次々におこる殺人事件と、屋敷に渦巻く一族の確執。
名探偵ファイロ・ヴァンスが鮮やかにその謎を解く!

ちなみにこのヴァン・ダインという人、「ヴァン・ダインの二十則」というのを
作って、ミステリを書く上での守るべきルールというもの定めています。
参考までに解説されているサイトを紹介
http://www.cityfujisawa.ne.jp/~katsurou/rule/dyne.html

30あべやま:2003/12/06(土) 15:43
グレッチカチャッター!

31mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/12/08(月) 23:57
あべちゃ〜ん。グレッチ買ったの?
ヴィンテージ?何年製?
いい買い物したね!かわいがってやってください。

32mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/12/20(土) 00:46
書名:二百年の子供
著者:大江健三郎

>>24にてややシニカルな紹介をしてしまいましたが、いろんな意味で
期待の大江健三郎の読売新聞での連載小説の単行本化。
大江氏の子供達をモデルとした3人が四国の森の中で繰り広げる不思議な
タイムトラベル冒険物語。
大江氏の故郷でもある四国の森という舞台はこれまで何度も氏の小説の中で
用いられてきたモチーフ。
(最近のお気に入り舞城王太郎がその出身地福井にこだわって舞台設定する
のは少なからず大江の影響か?と思ってしまう私は読書範囲が偏っていると
いうことですね、はい。)
うん、エッセイなんかでお茶を濁さないで小説を書くべきです。この人は。
読後、優しい気分になれる小説でした。大江が求める大きなテーマはどうし
ても消化不良になってしまうので、こういう小品がよいのかなぁ。

33mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/12/20(土) 00:58
書名:葉桜の季節に君を想うと言うこと
著者:歌野晶午

年末になると恒例の「このミステリーがすごい!」略して「このミス」の
本年第一位になった作品。
毎年、ベスト10に入った作品の2〜3作はお正月休みにまとめて読むように
してるのですが、偶々書店にて書名が目に付いたのでちょっと早めに読んで
みることに。
この作品「本格ミステリーマスターズ」と銘打ってあるだけあって、トリック、
伏線、どんでん返しとミステリの王道をいくストーリーでした。
ちょっと前に「ハサミ男」というミステリの傑作を読んだときにその手があったか、
と驚いたものでしたが、本作もそれと同じ驚きが。
おっと。これ以上はネタばれになるのでここまで。
それにしてもいいタイトルです。

34mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/12/29(月) 02:06
書名:文化=政治
著者:毛利嘉孝

「世界で起こっているいまどきの政治運動を考える」という帯文に惹起されて購入。
難しそう?いやいや。簡単に紹介すると(これも帯文からそのまま引用しましょう)
"反グローバリズム運動や反戦運動に見られる、ストリート占拠、カーニバル、パフォーマンス、
サウンドデモなどの80年代以降の「新しい社会運動」の波を、「新しい文化=政治運動」として
とらえ直し、その可能性を実践的視点から考察する"というのが本書。
一番近いところでいうと、渋谷で頻発している(らしい)サウンドデモ、反戦運動は所謂いままでの
左翼的闘争とは一味違う。そのような新しい「社会運動」の形が生じたのか?と、いうことを
WTOに反対するシアトル闘争や、古くは英ノッティングヒルでのカーニバルとサウンドシステム、
レゲエ、パンクの結びつき、あるいはゲイカルチャーとエイズ政策に対する運動などなどを紹介しています。

詳細は本書を読んでいただくとして、いくつか章立てされている中の、最高にかっこいいタイトルを
紹介しておきましょう。

「資本主義的な生産関係に対する批判としてのDJ」
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!! って感じやね。

35mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/01/05(月) 00:07
年末年始休暇はゆっくり本が読めるからイイネッ。
帰省するときには必ず一冊は購入して行き帰りは読書タイム。
毎年「さぁ、今回の休みは何を読もう。。。」って書店であれやこれや探すのも、いと楽し。
で、今年の帰省用に手に取ったのは
書名:孤島の鬼
著者:江戸川乱歩

江戸川乱歩っていったら、小学校のとき図書室で少年探偵団シリーズを片っ端から借りてむさぼるように
読んだものです。読書の原体験はこの辺にあるのかなぁ、やっぱり。
当然、小学生向けの少年探偵団には乱歩のおどろおどろしい世界はカットされていて(と、いってもサーカス
や見せ物小屋などの"闇"は十分に怖かったものですが)、今になって改めて再読すると、とんでもない
世界なわけですよ。
で、この「孤島の鬼」は明智小五郎が登場するおなじみのシリーズではなく、フリークスが大挙して登場する
お話。もちろん、推理小説としての仕掛けも用意されているし、後半はハラハラドキドキの迷宮探検と、
肩の力を抜いて読むのにはもってこい、といったところでした。
しかし、こんなすげぇ世界、当時だから逆に書けたんだろうなぁ。
つづく。

36mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/01/05(月) 00:10
続いて。
「孤島の鬼」にはもう一本、「猟奇の果」も収録されてましたが、ちょっとおなか一杯でこちらはパス。
代わりに実家にあった漫画(弟のやつ)を箸休めに。
書名:11人いる!
著者:萩尾望都

古典中の古典、SFサスペンス。
宇宙大学最終試験は無人の宇宙船で選ばれた10人と53日間を過ごすこと。
いざ、宇宙船にたどり着き、人数を確認すると11人いる!
初めて顔を合わせたメンバーは誰が偽物なのかわからない。そして、相次ぐトラブル。

舞台設定、キャラクターと全てが完璧。並のエンターテイメント小説には太刀打ちできない面白さ。
ハリウッドあたりで映画化しないかなぁ。
つづく。

37mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/01/05(月) 00:11
最後に。
浜松(私の実家ね)〜東京間は新幹線こだま号で約2時間半。ミステリに登場する犯人ならこの間に
アリバイトリックでも実行するのでしょうが、凡人の私は本を読むくらいしか有効な時間の過ごし方
がわかりません。ってことで、帰りに読む本を駅近くの書店にて購入。やっぱりミステリ。
書名:重力ピエロ
著者:伊坂幸太郎

「このミス2003」で3位になった本作。さて、お手並み拝見っていう感覚で読んでみました。
以前紹介した葉桜の季節に〜ほどではないにしろ、ミステリとしてまあまあの出来。
ただ、欲を言えばもっとどんでん返しが欲しいところ。
しかしながら、本作が評価されているのは魅力的な人物設定らしい。確かに登場する兄弟と癌に冒された父
親との関係、ラストの清々しさはなかなかよかった。

以上、今年は何冊読めるかなぁ。

38のぐち:2004/01/07(水) 00:28
タネモさん、アケマシテオメデトウゴザイマス。ご無沙汰です。
いつもROMっててばかりですみません。

妹が結婚して浜松住んでます。向宿ってとこです。ご存知ですか?
浜松と読んでちょっとコーフンしてしまったので書き込みです。

良い年になりますように。ではまた〜!

39mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/01/07(水) 22:23
おお、のぐちさん、久しぶり。

向宿って駅の東の方でしょ。多分。
「ステーキのあさくま」ってお店があったような気が。
今でもあるのかな?
浜松はホント、お正月に帰ったときも穏やかで暖かな気候でしたよ。

40mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/01/18(日) 02:35
一度本を読む生活に弾みがつくと、活字なしだとどうもムズムズしてしまう。
寝る前に読む本、出勤途中で読む本、散歩のついでに喫茶店に立ち寄り読む本。
と、いうことでここ最近、パラレルに読んでいた本を紹介。

書名:陽気なギャングが地球を回す
書名:オーデュポンの祈り
著者:伊坂幸太郎

重力ピエロはそんなに悪くなかったけど、やや物足りなさを感じでいたのは事実。
で、もう一冊「このミス」にランクインしていた「陽気なギャング〜」を読んでみた。
ミステリという部分でのトリック、どんでん返しは予想内のことだったけど、重力ピエロ
よりはいい。ストーリーは銀行強盗が銀行を襲撃直後、別の現金輸送車襲撃犯にその戦果を
奪われて、さぁどうする、というもの。
陽気なギャングがよかったので、過去の著作、「オーデュポンの祈り」も。
これが既読の2冊よりはるかにいい。コンビニ強盗未遂をおこした青年が辿り着いた島は
外との交流が一人の男を除いては一切ないところ。しかも何でも知っていて、会話をする
案山子がいる。未来も予知できるこの案山子が「殺されてしまう」。青年の運命は?案山子
は自分の死を予知できなかったのか?
やや、村上春樹っぽいところはあるけれど、この路線のものをもっと書いて欲しいところ。

書名:著作権の考え方
著者:岡本薫

ちょっと著作権のことを勉強しようと思って。特に最近急激に増えているマンガ喫茶の項も
あって、非常に参考になる。マンガ喫茶には著作権法でいうところの「展示権」(これ美術
館などで適用されているもの)が著作権者にとってはあるのではないか、という表記に注目。

書名:空の青さをみつめていると
著者:谷川俊太郎

BOOKOFFで購入。著者の50-60年代の代表作を収録。ぱっと適当にページを開いてそのページ
の詩を読む。

書名:茶席の禅語2
著者:有馬頓底

これもBOOKOFFで。今月号の雑誌Relaxでヤン富田が「ビート禅」なるものを紹介していた
ので、久しぶりに禅関係の書物でも、と思っていたら100円であったので押さえで購入。
茶室に掛けられている掛け軸の言葉を紹介。もちろん「麻三斤」の項もありましたよ。
これも適当にパラパラ読む。

41mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/01/25(日) 23:18
書名:ららら科學の子
著者:矢作俊彦

矢作俊彦久々の新作。
矢作の著作は「スズキさんの休息〜またはかくも誇らなるドーシーボーの騎行」と「気分は
もう戦争」(原作、もちろん作画は大友克洋)しか読んでいないけど、どちらも大好きな本
なので、迷わず購入。(でも去年の秋に出てたのね。気がつかなかったけど)
今回の主人公も「革命の闘士」。今回も、と書いたのは、既読の2作品の主人公もそうだったから。
でもチェ・ゲバラのような英雄じゃない。
物語は30年前紅衛兵に憧れて中国に不法入国して、南方の村に「革命的実践」という名のもとの農作業を続けて
きた男が蛇頭の船で30年ぶりに東京に帰ってきたところから始まる。
矢作の描く「男」は潔い。既得権益を簡単に捨てることができる。「国」さえも。
こんなかっこいい捨て方のできる人ばかりだったらもうちょっと日本もましな国になるかも。

42プカヤ:2004/02/04(水) 18:49
書名:キルケゴール著作集
著者:キルケゴール

最近の、読書の鬼、プカヤ先輩の読書傾向は、全集の一気読みっス。
年末から、年始にかけて、ジャック・ラカンの「エクリ」全3巻を読みました。

そこからのつながりで、
年始から、キルケゴールの著作集を3ヶ月で読破してやろう計画が、
自分の中で、持ち上がりました。
(多分、今どき、キルケゴールなんて読んでいる人、ほとんどいないのでは)。

今、5巻まで、いきました。(全部で21巻〜)。

この人、変人です。信仰心とエロスの間で、悩みに悩んだ哲学者と、一般的に、
言われています、
っが、俺から言わせると、悩みすぎの人です。

そんなプカヤも、今日、横浜に部屋を決めてきました。

さらば、東京!!!
これからは、オイラを、生粋のハマっ子と呼んでクレイ、オーティス・クレイ。

43mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/02/07(土) 23:08
キルケゴールって高校の時、担任の先生に無理矢理読めって言われて
「死に至る病」と「不安の概念」に挑戦したけど、難解すぎて
どちらも挫折してしまいました。当時から比べて読解力が上がってるわけ
でもなし、こうした「重厚な読み物」を集中して読む時間もないわけで、
しばらくは本棚の肥やしになってることでしょう。

書名:世界を食いつくせ! A COOK'S TOUR
著者:アンソニー・ボーデイン
訳者:野中邦子

爆音でラモーンズをかけながら料理するNYの一流シェフ。ま、言ってみりゃ
PUNK料理人が世界中を廻りながらその土地の料理に舌鼓を打つ、料理紀行文。
わざわざクメール・ルージュに会いに行ったり、モロッコの砂漠で子羊の丸焼きを
味わい、ポルトガルでは豚の屠殺に立ち会ったり、日本では納豆に辟易したり、
「くそったれ」な体験が満載。そういう体験の中で食べることの罪悪と快楽を
問い直す。食べること=生き物を殺すこと、が隠蔽された都会の生活では特に
罪悪を感じることはない。でも、美味しい料理を食べるという快楽とは表裏一体
なのだ、と感じるのでした。

44フカヤ:2004/02/12(木) 21:03
キルケゴール著作集第8巻

「哲学的断片への結びとしての非学問的あとがき」の中巻が収められていますが、
何が泣けるというと、翻訳者による後書きっス。

要は、この翻訳本が出たのが、1969年の秋なんす。
(東大安田講堂の時ネ)。

そこで、翻訳者は、率直に心情を吐露しています。こんな具合。
「我々翻訳者たちは、この本の翻訳中に、
燎原の炎のごとく広がった大学闘争の、
その火の真っ只中に立たされた。」

「この困難な状況の中で、我々翻訳者たちは、
大学人として、最低限必要な教育と研究と、
またさらに基本的な人間としての義務を遂行するために、
いくたびもこの訳稿の筆を中断しなければならなかった。」

「この異常事態の中を、右往左往する翻訳者の叱咤激励して、
どうにか出版にまでこぎつけた編集者たちに感謝を申し上げる」

っと、なにやら、戦場からの手紙のような文章が載っていますがな。

そして、巻末には・・・
「最後に、この国が多数決の暴力や問答無用の暴力の道を去って、
ことだまのさきわう平和の道を―――おそらくまたしても高価な代償を払って
―――学ぶ日が訪れることを嘱望しつつ、いまこの本を、
暴力抗争のなかに投じられる「平和の剣」として世に問う」
とありまんがな。

ことだまのさきわう平和の道―――なんて素敵な言葉なんでしょう♪♪♪

45mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/02/20(金) 00:14
書名:あ・じゃ・ぱん
著者:矢作俊彦

この人の著作をまとめて読もうとアマゾンで購入。こういう目的買いのときのアマゾンって便利。
さて、本作は第二次世界大戦後、東西に分割統治された日本が舞台。架空の昭和史。
もちろん、西は資本主義国、東は社会主義国。
天皇の崩御を境に東西を分けていた壁を超えて東から西に移動する人々。主人公はCNNから派遣
された黒人の特派員。彼は新潟でゲリラ活動を行う田中角栄と接触する。
語り口はハードボイルドであるのに、優れた文明批評であり、一方で巧みな言葉遊びがちりばめ
られたり。二段組で770ページと、分厚いのに全く飽きさせない筆力。いや〜満足、満足。

46フカヤ:2004/02/20(金) 05:58
署名:雪国
著書:川端康成

今日、中目黒で、
人と待ち合わせることになりました。

っが、知る人ぞ、知る、待ち合わせには、
必ず早くきてしまう、フカヤは、
例によって30分も早く来てしまいました。

しかし、読むべき本を家に忘れてしまっていたので、
古本屋へ行って、なんとなく買って、
ケンタッキー・フライドチキンでなんとなく読み始めました。

それで、人と会った後、祐天寺のドトールで読み継ぎ、
読了。

なんか、あんまり、パっとしない小説だな、というのが、
正直な印象。
モラトリアム小説とでもいいましょうか。
主人公の方に、いいご身分ですね、と嫌味の一つも言いたくなりますよ。

雰囲気は、異論は色々あるでしょうが、サルトルの「嘔吐」に似ています。
というか、「嘔吐」も、哲学的命題(!)を引いてしまえば、
雰囲気小説とでも言うものです。
時間が停滞して流れ、主人公は孤独に思索し、
そして最終的解決は、明示されず・・・

サルトルは、「飢えた子供の前では、私が書いた「嘔吐」は無力であった」
と、60歳台で、自己否定というか、既得権益を放棄します。
それに対して、クロード・シモンかだれかが、
「当たり前じゃ〜、もともと文学は、個人的慰みでしかない」
と言っていましたが、俺もそう思います。

川端文学を読んでいると、本当、個人的な慰みですよ、文学なんて。

47mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/02/28(土) 22:50
書名:マイク・ハマーへ伝言
著者:矢作俊彦

一昨年、TVシリーズ化もされた「濱マイク」ですが、この小説からとったのでしょうか。
舞台も同じ横浜だし、ハードボイルドだし。
さて、本作は矢作氏の処女長編。まだ初々しさが残っていて小説の完成度で言うと既に
紹介した「あ・じゃ・ぱん」や「ららら科學の子」には及びませんが、大人になれない
不良達のハードボイルドっぷり、その痛々しさが逆に際だつように思うのでした。

48mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/03/09(火) 00:15
sage進行で人知れず報告。
文藝春秋とファウスト、それぞれの新刊をチェック。
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungeishunju/index.htm
http://shop.kodansha.jp/bc/magazines/faust2/
文藝春秋はなんといっても話題の芥川賞受賞作が掲載。
とりあえず、綿矢りさの「蹴りたい背中」を通読。
ルックスの話題性とは裏腹に、ネット上でけなされてるほど内容は悪くはないけど、
私には「お年頃の女の子の揺れ動く気持ち」っていうのがわからない。
多分、うまく描写できているのだ、と思うのですが。
そもそも、一般的な女流作家(という呼び方が正しいかわからないが)の
私小説的な語り口の作品はあまり好きではない。
柳美里しかり、山田詠美しかり、吉本ばななしかり。一応読むけどね。
もうひとつ、「蛇にピアス」はもう、最初の出だしで読む気がしなくなった。
自分を傷つける話は痛々しい。
もう一つ、ファウストは惰性で購入。
お気に入りの舞城王太郎がThom Jonesという米国作家の初翻訳に挑んでいて、
お手並み拝見、といったところだったが、自作の濃厚さを少し薄めて、幸せそうでいて
実は底なしに救いようがないアメリカの空気をまぶしたような作品だった。
他には乙一(おついち、と読むらしい)の作品が収録。
この作家のは「GOTH」以来だったけど、ドラえもんを題材にとった青春小説は後味が
よかった。(とはいえ、この作家のこと、暗黒面は存分にでていましたが)
あとは、東浩紀の評論(舞城の「九十九十九」に関して)は全然、ダメ。
自説(動物化するポストモダン参照)に無理矢理こじつけて、話題の作家舞城の作品を
分析、というのが薄っぺらい。確かに「大きな物語」が崩壊=ポストモダンという文脈に
この「九十九十九」はハマるとは思うけど。
などなど。長文失礼。

49mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/03/21(日) 14:17
書名:不連続殺人事件
著者:坂口安吾

2ちゃんねるのミステリー板に「○○殺人事件」だけで1000をめざすスレッド
http://book.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1073397821/l50
というのがありまして、古今東西の「○○殺人事件」をみんなで紹介しているわけですが、その中で
本書を発見。坂口安吾と言えば「堕落論」とか「桜の森の満開の下」でどちらかといえば純文学の人
だと思っていたので、これは意外、読んで見ようかとAMAZONで購入。
地方の素封家に招かれた作家、芸術家達。愛憎絡み合うシチュエーションの中で次々に起こる殺人事件。
語り部の作家と共に招かれた探偵「巨勢博士(こせはかせ)」は解決できるのか?

とにかく、登場人物が多くてその人間関係を掴むのに骨が折れました。ミステリとしては普通の出来だと
思いましたが、ミステリの要素に加えて人間を描写する独特の「安吾節」もあって、なかなかに楽しめた
のでした。

50mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/04/25(日) 14:40
書名:華氏451度
著者:レイ・ブラッドベリ
訳者:宇野利泰

この一ヶ月、仕事が忙しくてゆっくり本を読む時間がとれなかった。
時間がとれなかった、というより、精神的余裕がなかった、というほうが近いかも。
さて、本作は書籍の所持が一切禁止された近未来のお話。
華氏451度というのは摂氏に直すと221度で、紙が自然と発火してしまう温度のこと。
「焚書官」が違法に書籍を所持している人のところに行って家もろとも焼き払ってしまう。
焚書官モンターグはある日、その行為に疑問を持ち始める。。。。。
そもそも、この本を読んでみようと思ったのはフジTVで深夜にやっていた「お厚いの
がお好き」という難解な本を30分でわかりやすく紹介する番組の最終回で取り上げられ
ていたから。(本作は全然難解ではありませんが。)
本がこの世から消えてしまったら、日々の生活を暮らしていくことは出来るけど、なんと
も味気ないものになるんだろうな。
レイ・ブラッドベリの作品を読むのはこれが初めてだったけど、あと何冊か読んでみよう
と思う。

51誰そ彼は:2004/05/05(水) 00:15
初めまして 掲示板の書き込み初体験ですが おじゃまさせていただきますm(_ _)m
最近購入したのは 中川いさみ 「兄さんのばか」と ボブ・ディラン全詩集302編 です 前著書は 2度目の購入です。これからの季節5月病対策にうってつけです。
ボブの詩集は 原文とほぼ直訳の2冊セットで、人生の様々なターニングポイントで、手にとって読みふけりたい著書のひとつかも…

52誰そ彼は:2004/05/05(水) 05:08
あのぉ m-taneさんが以前 買い込みされた 矢作俊彦氏って 大友克洋氏画/「気分はもう戦争」の原作者ですか?

53mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/05/06(木) 22:45
>>51-52 誰そ彼はさん、こんにちは。
ボブ・ディラン詩集とはまた渋い。訳者は誰なのでしょう?良い訳ですか?
恥ずかしながら私はボブディランのアルバムを一枚しか持っておりません。
そのうち聴こう、と思っていたらついつい後回しになってしまって。
矢作俊彦氏は「気分はもう戦争」の原作者ですよ。おすすめは文庫にもなって
いる「スズキさんの休息」です。

54mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/05/06(木) 22:47
書名:コズモポリス
著者:ドン・デリーロ(Don DeLillo)
訳者:上岡伸雄

昨年、この作者の「ボディ・アーティスト」という中編を読んだのですが、
これが小説というより長い散文詩のようで、例えばある出来事があるとすると
その出来事の全体像を描くというより、ディテールのみを描くようで(しかも
そのディテールも決してその出来事を語る上で重要ではない)時間の感覚が麻痺
するような読後感を覚えたのですが、その作者の最新作を購入。
今回は前著のような散文詩的な表現方法を使いながら、長〜いリムジン(ハイテク
装備付き)に乗ってNYを移動する投資キャピタルの青年社長=エリックの一日を描く。
リムジンの中にはPC設備から何から全て揃っていて投資判断をする環境は整っている。
エリックは日本円に投資をしており、その為替変動にすべての資産を失う緊張感が伴う。
NYの渋滞をのろのろと進むリムジン。途中、車を降りて情婦とSEXしたり、反グローバル
運動に巻き込まれて街の破壊を目の当たりにしたり、結末へと進んでいく。

55誰そ彼は:2004/05/07(金) 08:14
m-Taneさん ありがとう早速本屋に行って矢作著書探します
ボブ・ディラン全詩302篇(Lyrics 1962-1985)全原文付
訳者:片桐ユズル/中山容
実は 自分も彼の楽曲についての知識は全くありません。 ある詩を目にすることがあり 感銘を受け それがこの詩篇からの抜粋であることを知って 探しました。
訳は ほぼ直訳ですが、これがまたぐっと 刺さる感じで良いのです。
訳者いわく「原文をまず読んで、わからなかったら訳を読む程度にして欲しい」とありますが 私は訳の方から入ります。
目を閉じて開いたページで今日を占ったりして…因みに今日は「ラヴ マイナス ゼロ」…うーん。
ところで、mo-Taneさんの持っている 彼のアルバムのタイトルは?

56誰そ彼は:2004/05/07(金) 08:15
mo-Taneさん ありがとう早速本屋に行って矢作氏著書探します
ボブ・ディラン全詩302篇(Lyrics 1962-1985)全原文付
訳者:片桐ユズル/中山容
実は 自分も彼の楽曲についての知識は全くありません。 ある詩を目にすることがあり 感銘を受け それがこの詩篇からの抜粋であることを知って 探しました。
訳は ほぼ直訳ですが、これがまたぐっと 刺さる感じで良いのです。
訳者いわく「原文をまず読んで、わからなかったら訳を読む程度にして欲しい」とありますが 私は訳の方から入ります。
目を閉じて開いたページで今日を占ったりして…因みに今日は「ラヴ マイナス ゼロ」…うーん。
ところで、mo-Taneさんの持っている 彼のアルバムのタイトルは?

57mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/05/08(土) 01:09
>>56
私の持っているBob Dylanのアルバムは
Bringing it all back home
です。
ちょうどLOVE MINUS ZEROが収録されてるやつでした。

歌詞の力ってすげぇ〜なぁ、とつい最近思ってまして何故かといいますと
先日「永遠のモータウン」という映画を見まして、この中でモータウンの
名曲が演奏されるのですが、もちろん、字幕で対訳が出るのです。で、
聞き慣れた曲の訳詞を見ていると新鮮な驚きというか、新たな感動を覚えた
のですよ。

58M沢:2004/05/08(土) 12:57
あー、それ観たんだ?
ピーター・バラカンの番組で、ちょっとだけ観たんだけど
ギターの人が「マイ・ガール」?イントロ弾いてみせて
「この曲がかかる度に『オイ、これは俺が…』って言いかけて止めるんだ、
また、アタマのおかしいジジイが…って思われるだけだからね」
みたいなのあったでしょ?あれにグッと来ました。
シネアミューズ嫌いだけど観に行きます。

ちなみにディランと言えば片桐ユズル、ニッポンのビート詩人ですな、
ウチの本棚じゃ『ボブ・ディラン全詩302編』と
『赤塚不二夫1000ページ』がきちんと並んでます。

59mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/05/18(火) 23:22
書名:「おたく」の精神史 一九八〇年代論
著者:大塚英志

>>2で東浩紀を取り上げたけども、この人も「おたく」を食い物にして、ニューアカ的なレトリックで
日本のおたく文化を語っているのかと思ったけども、それはちょっと違った、というのが本書の感想。
どこが違うのかと、いうとこの人が所謂おたく文化を作った側の人、ということ。
白夜書房がまだセルフ書房と呼ばれていたころ、「まんがブリッコ」という現在のロリ系漫画誌を立ち
上げ岡崎京子や桜沢エリカを起用していた編集者としてのキャリアを原点に、あの宮崎勤の公判に関与
していたり、アニメージュにわざわざプロレス特集を作ってUWFの立ち上げ興業に取材にいったり。
つまりはおたく文化の作り手としての現場感がばりばりにあるのです。
(東浩紀とは違う、というのは東氏にはその現場感が全くない、ということ)
ただ、どっちがいいかというと簡単には軍配は上げられない。「おたく」を外部から語るのか、内部から
語るのか、というのが両者の違いであって(もちろん、東氏は前者、大塚氏は後者)それぞれの視点は
興味深い。

60mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/06/09(水) 23:30
書名:マンハッタン・ブルース(原題:Dirty Loundry)
著者:ピート・ハミル(Pete Hamill)
訳者:高見浩

古本屋で見つけたハード・ボイルドもの。まずは書名に文句。なんでも「マンハッタン」ってつけりゃ
いいってもんじゃないでしょ、しかも舞台がNYなのは前半、後半はメキシコに移ってんじゃん。
この本、初版が83年だから、当時はハード・ボイルドものっていったらなんでもこんなタイトルつけて
たんでしょう。
さて、ハード・ボイルドっていうのは基本的に主人公の一人語りでお話が進んでいくわけです。
一人語りのサスペンス、ミステリには決定的な弱点があります。
それは、「事件が全て終わった後に、その主人公が生きていて事件を語っている」ということ。
なぜって、ハラハラしながら主人公のピンチの場面を読んでいても、「この人後から物語を語って
いるってことは、多分助かるな」という予測が成り立ってしまうからなのです。
現に、この作品の中にも数々のピンチに襲われる主人公ですが、そのピンチを乗り越えていくの
です。サスペンス、ミステリの醍醐味は最後に訪れる事件解決というゴールがいかに素晴らしいか、
あっと言わせられるか、という側面があるので、「あらかじめ予測可能な要素」があるということは
ある種ハンディキャップを背負った形で物語を進めないといけない、ということなのです。
だからこそ、より魅力的なキャラクターを作るか、ということがハード・ボイルドには必要になるのです。
例えば、小粋な、皮肉の効いたセリフをいかに織り交ぜるか----
「いまのきみみたいに怯えてる人間てのは、たいてい愛の破局に悩んでいるものなのさ」
「経験があるのね、あなたも?」
「ああ、この世の悩み事はすべて体験してるからね、おれは」
なんていうくだり。こうした会話や独白が主人公のキャラクタを作っていくわけです。
さて、長くなりましたが、この作品、ハード・ボイルドとしてはなかなかの出来ではないでしょうか。
キャラクタ設定もよいし(とはいえ、フィリップ・マーロウほどではありませんが)、キューバ革命
と絡めたプロットの進め方にもグイグイと引き込まれました。

61mo-tane </b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2004/06/19(土) 23:54
書名:ストリート・キッズ
(原題:A Cool Breeze on the Underground)
著者:ドン・ウィンズロウ(Don Winslow )
訳者:東江一紀

古本市で購入。久しぶりに爽やかな読後感が残るミステリ。
主人公は若き探偵、ニール。上院議員の家出娘を捜しに一路ロンドンへ向かう。
探偵としてのスキルをたたき込むグレアム。リアルタイムに進行する捜索と
過去の探偵修行のエピソードが巧みに織りあう。この辺の探偵修行の描写が秀逸。
長編なのに途中でだれないし、むしろ早く次のページを読みたくなって、栞をはさむ
タイミングがつかめない。(これって、面白い読み物の条件だと思う)
そして主人公の若さ故の負けん気、葛藤、正義に向かう意志の強さ。これが物語を
ほろ苦く、でも爽やかなものに。

62フカヤ:2004/06/23(水) 06:58
署名 自己批評 スターリニズムと知識人
著者 エドガール・モラン 訳者 宇波 彰

最近の世間的な左翼批判の波による、というわけでもないけど、共産党の人間
による共産党批判みたいなものを、よく読んでいる今日この頃のフカヤですが、
この本は、共産党の本家本元のような、フランス共産党員による、まさに、
「自己批評」の本です。

エドガール・モランは、誠実な知識人であり、前から好感を持っておりましたが、
この本も、戦前から戦後へかけての「フランス共産党」について、
誠実に語っております。内容は、なにも共産党に限らず、もっと抽象化して、
優れた組織論としても読むことができます。
社会変革への意思が、実は、個人的なモロモロの悩みを解消するための出口の
一つであったこと。
合理的な組織が、神格化していき、やがて宗教的な神秘主義の外皮をまとうよ
うになること。
派閥抗争なるものは、結局は、個人の嫉妬をその最大のエネルギーとしている
こと。等等。

この本の中で、一番笑えた(?)場面は、スターリンが語ったという、
「人民こそは、国家の最大の資本である」というような言葉。
これについて、モランは、「一人の指導者が語った言葉としては、
最大に資本主義的な言葉である」だって。確かに。

1976年出版の古くて、新しい本でした。

63フカヤ:2004/06/23(水) 20:45
さらに続きとして、この本からの引用ですヨ。
「つまり、彼らの「脱走」を説明するには、性格の弱さ(成功に酔っていること、
自己中心主義、絶望的な個人主義など)といったものを見つけはした。
しかし、これは問題を隠したい時に、すべてを説明するためのありきたりの、
やり方なのである。」

そうなんですよね、仕事がうまくいかない時は、とかく個人の性格のせいに、
しがちですが、いつまでも、個人の性格で左右されているようでは、
組織は壊れますですよね。


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