てっぺんとったんで! - 1403040501

1：n.u：2014/06/18(水) 06:28:21: NMB48のヤンキーパロです｡
マジすかのNMBver.だと思ってもらえれば幸いです｡
2：n.u：2014/06/18(水) 06:35:04: 「さやか」

オレンジの豆電球だけが光る､薄暗い寂れた倉庫｡
ゆっくりと､甘い声が私の名前を呼んだ｡
一人掛けのソファに座ったまま､何?と一言だけ返すと､すっと少しの音もなく､その人物がソファの肘掛けに座った｡

「雑魚が私達の縄張りに入ったって､連絡入ったで｡」

「そうか｡じゃ､行くで｡みるきー｡」

うん｡
静かに頷いたみるきーが､私にそっとパーカーを羽織らせる｡
今夜は､どんくらい楽しめるんやろうなぁ｡
3：n.u：2014/06/18(水) 07:28:24: 人物紹介

山本彩:さやか､さや姉

難波一帯を仕切る､族のリーダー｡
父親が暴力団の組長など､根っからのヤンキー気質｡
だが､性格は至って優しく､仲間を何よりも大切にする｡

渡辺美優紀:みるきー

山本に次ぐ実力者で､副リーダー｡
中学の時からかなり荒れており､高校には入学できずに浪人して暴れていた｡
山本への､極度な依存性を時折見せる｡
4：n.u：2014/06/20(金) 17:29:03: 山田菜々:山田､菜々ちゃん､おばちゃん

4人の幹部のうちの1人｡そして､副リーダー補佐｡
普段はイジられキャラだが､喧嘩は山本も認める程の実力者｡声が特徴的｡

小笠原茉由:まーちゅん

幹部のうちの1人｡
幹部だからと気取った態度を取らない姿勢は､部下からも信頼されている｡
だが､山本に手を出した人間は小笠原に消されるとか…

吉田朱里:アカリン､朱里

幹部のうちの1人｡
喧嘩は､弱い｡しかし､手当てに関してはトップレベル｡
山本にも､信頼を置かれる｡

小谷里歩:りぽぽ､里歩

幹部のうちの1人｡
喧嘩は､吉田とおなじか､それ以上に弱い｡そしてビビり｡
だが､幹部1の努力家でやるときはやる女｡
5：n.u：2014/06/20(金) 17:34:36: 「いったぁ!!!」

「ちょっとさや姉!静かにして!」

私としたことが､情けない｡
さっきの雑魚集団､なめてかかったら鉄パイプなんかもってやがった｡
思いっきり頭を殴られそうになった時､咄嗟に避けたら頬にかすってかなり派手に裂けた｡
さっきみるきーとまーちゅんが､なんかドス黒いオーラを出して飛び出して行ったけど､何かあったんやろうか｡
朱里が､丁寧にガーゼを貼ってくれたその瞬間､バタンッ!!と勢いよく扉が開いた｡
6：n.u：2014/06/20(金) 21:39:35: 「さやかっ!!」

「おう､みるきー｡」

バタバタと駆け寄ってきたみるきーが､泣きそうな顔をして睨んできた｡

「な､ん､で!さやかはいっつも無理ばっかりすんの!?」

「ちょ､痛い痛い｡」

ガーゼが貼られてる頬の逆の頬をつねって､みるきーが私に怒鳴る｡
みるきーは､私に対してめちゃくちゃ過保護｡
ていうか､ぶっちゃけ私のことを好きなんやと思う｡
自意識過剰って言われたら､そこまでなんやけど｡

「ごめん｡泣くな､ごめん｡」

「っ…許してあげんことも…ないっ…」

「はは､うん｡」

私は､みるきーの涙を微笑みながらなるべく優しく拭った｡
7：n.u：2014/06/21(土) 12:13:20: 渡辺美優紀･過去編

「ぐああっ!!」

「こ､こいつ…むちゃくちゃ強いやんけ…!」

バタバタ｡ガラガラ｡
人が走って逃げる音｡
鉄パイプがコンクリートの地面に擦り付けられて､不愉快な音が暗い路地裏に響いた｡
私は､渡辺美優紀｡
親は､とっくの昔に私のことを見捨ててる｡
家はあるけど､居場所はないから｡
こうやって路地裏に入り浸って…馬鹿みたいや｡
こんな世界､壊れればいい｡私と一緒に｡
なんて考えても､明日はなんの障害もなく来るんやろう｡
私は､一人でため息をつくしかなかった｡