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暫定保管スレ【第105話61レス以降 作品・保全ネタ】

7名無しリゾナント:2015/12/22(火) 20:56:22
「それならば、光井さんはいつ、予知されたんですか?」
飯窪はそうたずねながら、濡れた鈴木のかばんを拭いている
「!! 確かに、そうなんだろうね。今の話だと矛盾していますよ、光井さん
香音の透過にタイムラグが生じるのならば、予知能力にも起こってもおかしくないんだろうね
 時間が何時何秒なんてわからないんだから、対応できないことだってあるんじゃないんですか?」
おしぼりでテーブルを拭きながら光井は顔を上げずに答える
「まあ、もちろん、何時何分おこるわかっとるものもあるけど、そうじゃないものが大半やな
 せやけど、何が起こっても大丈夫なように備えるだけや。予知能力の本質を知っとるか?」
「え?未来をみること、ではないんですか?」
「そや、それだけや。未来をみるだけ、変えたりする力はあらへん
 よく、未来は変えられるいうけど、それは正しくもあり、まちがいでもある」
「??」

「例えば列車の脱線事故、これを愛かが見たとする。それもいつの何時何分までわかっとる
 せやけど、それを現実におこさせんようにすることができるか。
 できへんことはない。せやけどそのためにとても時間がかかる
 所詮、愛佳はほぼ自分の行動しか変えられへん。事故を未然に防ぐようなことはほとんどできへんやろ
 結局、事故は起こる、せやけど愛かはその列車に乗らんことで、事故にあうことは防げる」
「それって」
「残酷なことや。たくさんの人が不幸な目にあうことわかっとっても、変えられへん
 できることはしてるで。せやけど、何も知らん人がいきなり『おたくの電車を調べてください』なんていわれて信じるか?
 まともな人間なら取り合ってくれへんやろうな、きっと。いたずらやろうって
 下手したら愛佳を犯人なんやろって疑うこともあるかもしれへん。とにかく、能力は万能やない
 何もできへんことやってある。せやから今日の二人が何もできへんからって凹む必要はあらへん」

その言葉に飯窪は救われた気がした。
何かしなくてはならない、チームの一人として果たさなくてはならない役割を考えていた
知らず知らずに自分に枷をはめてしまったのかもしれない
それを知ってかしらずか、光井は淡々と語る


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