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暫定保管スレ【第105話61レス以降 作品・保全ネタ】

49名無しリゾナント:2015/12/23(水) 07:56:27
「確かお前ら、『蟲惑』とやり合ったことあったんやろ。それはそいつの血の為せる能力や」

その名前には、さゆみたちも聞き覚えがある。
地獄から甦ったと自称していた、黒いプロテクトスーツを身に纏った女。ダークネスではない別
の組織に与したその女が、「蟲惑」の二つ名を名乗っていた。
となると。

黒い雲はやがて、「金鴉」の元に集まり姿を覆い隠す。
千切れた筋組織に食い込み、繋ぎ、補う。虫の寄生力が実現する、究極の超回復。
負傷していた足を、二、三振り。機能は問題なさそうだ。

「これで、動けるようにはなった。お前、ぜってーに殺してやるから」
「…その割には、あなたの虫さん、繋いだ先から死んでるけど」

さゆみの言う通り、滅びの力に侵された部位に食い込んだ虫は程なくして、その抗えない力の前
に命を散らしてゆく。だが、数が力を押さえつける。次から次へと死地へ赴く小さな軍隊は、指
揮官の命令を忠実にこなしていた。

「その虫の力がさゆみの『治癒の力』の代わりってわけね。でも、逆に言えば『滅びの力』への
有効な手段も失った」
「お前をぶっ殺す方法なんざ、いくらでもあるんだよ!!」

「金鴉」が、両手を広げてさゆみの前に突き出した。
鋭い羽音を立てて、黒い塊が襲い掛かる。ただ、避けられない速さではない。素早く身を屈めて
猛攻をやり過ごすと、まるでブーメランのように虫たちは帰ってくる。


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