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暫定保管スレ【第105話61レス以降 作品・保全ネタ】

192名無しリゾナント:2016/01/11(月) 16:39:52
「ありがとうございます・・・おいしい」
「よかった」
キュポンっと栓が開けられる音が響いた
「これ、北の国で教えてもらったんよ。リンゴのサイダーなんだよ」
さわやかな甘みが口の中で渦を巻き、酸味が喉の奥を刺激する
「クセになりそうでしょ?」
「そうですね。初めて飲みました」
唇をペロリと舐めて、ラベルに目を向ける

「高橋さんはどちらに行かれてたんですか?」
「ん?あっし?
 色んなところ、暑いところ、寒いところ、高いところ、低いところ、都会、田舎、ジャングルに砂漠、かな」
視線を宙に向けながら指折り数える高橋は思い出話に移らんとしていた
「北の国ではね、親切なおばちゃんがね、あっしのことを」
「なんのために行かれたんですか?」
「へ??」
「何が目的だったんですか?」
鞘師の握る瓶の中に波がたっていた

「高橋さん、私は高橋さんのことを尊敬しています、大好きです、憧れです
 でも、一つだけわからないことがあります。なぜ、私や田中さん、道重さん、新垣さん達を残して一人で旅立ったんですか?
 何も言わないで、『するべきことがある』なんて置手紙だけ残していなくなったあの日を忘れられません
 どれだけ残された私達が不安だったのかわかりますか?
 リゾナンターとして、いや、人間としてあなたから学んでいる途中だった私達の目の前からいなくなった、あなたは
 新垣さんも田中さんも道重さんも光井さんもフクちゃんもえりちゃんも香音ちゃんも残されたんです
 教えてください、高橋さん、するべきことってなんだったんですか?」
��
真剣なまなざしをむける鞘師に高橋はサイダー瓶をテーブルに置いて答えた
「・・・難しいよ、答えるのが」
「それでもいいです」


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