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暫定保管スレ【第105話61レス以降 作品・保全ネタ】

102名無しリゾナント:2016/01/11(月) 11:09:55
>>79-85 の続きです



はじめてその人に逢ったのは、じいさまの名代として東京に出てきた時のこと。

「方言がちょっと似ちょうね」

能力者同士の共同作戦。
自分以外は全員年上という状況で、舐められまいと標準語を使っていたはずなのに、地元が
近いと言うその人にはすぐに見抜かれた。
人見知りの自分には、それが嬉しかった。

それからしばらくして。
ふとしたきっかけで知り合った仲間と向かった喫茶店で、その人に再会した。
もちろん、嬉しかった。けれど、その感情を表に出すことができなかった。

そして一緒に時を過ごし、その人の凄さ、素晴らしさを肌で感じて。
尊敬に値するその人に、思ったことをうまく伝えられない自分は。

リゾナンターとして仲間たちの先頭に立ち戦う姿を見せることで、それを伝えようとした。
自分の背中を見て、それでその人が何かを感じ取ってくれればいいと思った。

それが、どれだけ伝わったのか。
今となっては知る事はできない。

機会は、永遠に失われてしまった。

赤い闇が静かに訪れ、私を呑み込んでいった。
残滓のような静寂。そこに私の感情など、存在しなかった。


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