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暫定保管スレ【第105話61レス以降 作品・保全ネタ】

1 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 20:45:52
現状「暫定保管庫(まとめ3)が停止している為一時的に第105話61スレ以降のに投稿された作品・保全ネタ掲載していきます
投稿された順に書き込んでいきますのでかなり読み辛いかとは思いますがご了承ください
いつか暫定保管庫が復活する日が来ることを信じて・・・

2 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 20:51:17
【第105話61レス以降】

期間
2015/06/04(木) 17:09 〜 2015/06/22(月) 16:49 337レス

3 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 20:53:00
「3名様、禁煙席ご案内です!!」
女性スタッフの明るく元気な声が響く店内
「たまにはこういうチェーン店も悪くないやろ?」
光井は空いたグラスをドリンクバーで横に並ぶ鈴木に渡しながら、優しく声をかける
「フフフ、なんだか楽しいんだろうね」
テーブルには先に席に通され、腰を下ろした飯窪の姿

「よいしょっと。さて、今日は二人ともお疲れ様やったな
 無事に帰ってきたことに乾杯!!」
光井がグラスをかかげると鈴木も満面の笑みで乾杯と続いたが、飯窪はかぼそい小さな声だった。
鈴木は一気に飲み干し、カランと氷がグラスの淵にあたり陽気な音を奏でた
「ふわぁ〜おいしかった!光井さん、料理も頼んでいいですか?」
「もちろんええで、がんばったったしな、二人とも。
いつもどおりにポテトとシーザーサラダ、そやな・・・飯窪もおるし、ピザも追加するわ」
テーブル端に置かれたボタンに手を伸ばそうとするが飯窪の反応がないことに気づき、顔を覗き込んだ

「なんや?飯窪?遠慮なんてせんでええんやで。
鞘師なんて愛佳と二人で食事いったとき、遠慮せんでバクバクたべて、愛佳の心臓がバクバクなったことあったんや」
「い、いえそうではないんですが・・・今日のことがあってどうしても元気にはなれなくて」
飯窪の言わんとすることは当然―今日のこと、亀井の襲撃についてだ
「私、何もできませんでした」
飯窪も鈴木も逃げることしかできなかった

「リゾナンターなのに逃げるのが精いっぱいでした、頑張ってなんかいないんです」
飯窪は俯いたまま、鈴木が後を受けるように語りだす
「もちろん、経験の差があるっていうのはわかってるんです。
 でも、私達だってそれなりに経験を積んできた、つもりでした。だからこそ・・・悔しくて」
光井はグラスを手に取り、何も言わずに喉を潤す
「もちろん私の力が戦いに向いていないことは私自身が一番分かっていますよ。
 感覚を繋ぐことで仲間のサポートに徹することしかできませんし・・・
 運動神経だって普通、いや普通以下なんですよね、リゾナンターなのに」

4 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 20:54:02
『感覚共有』、それが飯窪の能力
5感、即ち触覚、視覚、嗅覚、味覚、聴覚を対象間で共有させる能力でたる
自分が視たものを相手の視覚として重ねたり、相手が感じた臭いを自分でも感じられるようになる力
当然のことながら肉体的ダメージを相手に与えることなどできない

「ペットボトルのふたを開けられないくらいの力しか私はないんですよ
 普通の女の子、くらいの腕力しかなくて、足も遅くて、跳び箱も人並みにしか跳べません
 性格だって鞘師さんやあゆみんみたいに強気ではありませんし、頭だって勉強ができるわけでもないんです
 こんな自分だから、できないのが嫌でせめて個性だけでも磨いてきたつもりでした、でも何もできなくて」
「ここまではるなんが悔しいって感情を出すの珍しいね」
「そうなん?」
「はい、はるなんは道重さんの次に上だからですかね?あまり香音たちに弱音を吐かないんですよ
 ・・・まあ、陰では道重さんに相談しているのは知っているんですけど」
「!! どうして鈴木さん、知っているんですか?」
鈴木がにやにやと白い歯をのぞかせて笑った
「だってまさきちゃんが見たっていうんだもん、あの子は隠し事できないんだろうね」

そこにウエイトレスがサラダを持ってきた
鈴木は笑顔でありがとう、といって取り皿に均等にサラダを取り分け始めた。
「はるなんには言ったことなかったけど、時々私はこうやって光井さんに相談してるんだ」
「そうなんですか」
「うん、ほら、私だって里保ちゃんみたいに強くないし、生田みたいに我も強くないからさ。
 聖ちゃんのように前から体を鍛えていたってこともないし、普通にやってもおいてかれちゃうんだよね
 同じときに出会ったのにスタートが違うんだよ。でも、それは悔しくなかったし、むしろみんなが強くて誇らしかった」
半熟卵を器用に崩し、フォークでそれぞれの皿に移す
「だから、みんなに近づきたくて『透過能力』をどうすればいいのか、って光井さんに相談していたんだ
 水限定念動力とか精神破壊に比べて地味、というかどうすればいいのかわからなかったから」
鈴木はフォークの柄をつかみ、飯窪の目の高さに掲げた

5 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 20:55:00
「始めは香音だって自分の意思で好きなように透過させることもできなかったんだよ
 だから、失敗ばかりで怪我ばかりして、道重さんのお世話になってばっかりだったし。
 ほら、香音だって運動神経よくないじゃん。でも、いろいろと光井さんに特訓に付き合ってもらって」
そこまでいい、フォークを自分の左手の甲めがけて思いっきり振り下ろした
何も知らない周囲の目があったら、狂気としか思えないその行動だが、飯窪は動かなかった
だって、大丈夫だと信じていたから
「おかげで、ほらこんなこともできる」
フォークが左手を突き抜け、柄の部分が手の甲に、端が掌からとびぬけた

「もともと鈴木の力は不完全やった。ただ、『すりぬける』だけの能力
 それだけでも愛佳は十分やとおもっとったけどな。攪乱や潜入にはもってこいやからな。
 前線におるんがすべてではない、と何回も諭したんやけどな」
光井は鈴木の左手を通り抜けているフォークをつかんだ
「鈴木は自分から、力をつけたい、戦いたいっていうてきたんや
 今でも覚えているで、『りほちゃんのためにも強くなりたい』って泣きながらきたんや」

「そ、そうでしたっけ?」
「なに、とぼけとるんや?鞘師が大怪我して腰痛めて動けなくなって、それでもあきらめなかった姿をみて感化されたやろ?
 フクちゃんと生田と鞘師との4人での何回目かの戦闘でな。なんとか愛ちゃんが間にあったけど、4人ともぼろ雑巾や」
そのときの話を飯窪はしっかりと知らない。4人の誰に聞いても、曖昧にはぐらかされてしまうのだ
その話を当然のように口にしない・・・それほどそのときのことは4人にとって悔しかったはず

「道重さんはまあ、なんというか、当然、いうたらあかんけど、鞘師を一番に治しはったわ
 そんなときでも自分を見失わへん、いうのもすごいなあ」
光井は笑った。
「ハハハ・・・そ、そうですね」
飯窪は笑えなかった。
「ま、あのときの負けっぷりも今日のに近いやろなあ」
「・・・今日はあのときよりもひどいかもしれないです、光井さん
 でも、あの負けがあるから香音は強くなれたんですから、必要な経験でしたよ」
「そやな」

6 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 20:55:33
思いっきりフォークを引き抜いた
抵抗なくフォークは鈴木の体を通りぬけた。

「あの日から訓練して、香音は『透過能力』を自分の意思で完全にコントロールできるようになったんだ、はるなん
『通り抜けるもの』と『通り抜けられないもの』を選ぶこともできるから、透過能力で戦えるようになったし」

応用として、銃弾をすり抜け、相手の体だけすり抜けられないようにして、全体重をかけてタックルをかける
地面に潜り、足元に手を伸ばし、敵の陣形を崩す
「今の香音ならそれなりに戦えると思う。」
そして・・・誰にも話していない透過の可能性を鈴木はみつめるようになった

ただ、と光井はポテトをつまみながらつぶやいた
「ま、その分、失った部分はあるんやけどな」
そしてコーヒーを飲み、サラダを引き寄せ、何かに気づいたのか、壁側に少し動いた
「どういうことですか?」
「なんも、言葉のまんまや。鈴木の透過能力は『無意識に』『完全に』『なんでも』通りぬけることができた
 せやけど、訓練することで『頭で認識』してからでないと通り抜けられなくなった
 そこには『意識』するという発動までのタイムラグが生じることになった。せやから」

ガシャーーーン  「冷たいっっっ」

「とっさの出来事に反応できなくなってしまった」
ウエイトレスが転び、お盆に乗っていたグラスがこぼれ、鈴木のスカートの上にこぼれてしまった
すみません、すみません、といいながらあわててほかのウエイトレスがおしぼりを奥からとってくる

「昔やったら危険を察知した瞬間に力が発動されて、なにもおきへんかったやろうな」
「・・・いま、光井さん、予知して、逃げましたよね」
「そなの?ごめん」
妙にあっけらかんとした物言いで悪びれた様子もない

7 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 20:56:22
「それならば、光井さんはいつ、予知されたんですか?」
飯窪はそうたずねながら、濡れた鈴木のかばんを拭いている
「!! 確かに、そうなんだろうね。今の話だと矛盾していますよ、光井さん
香音の透過にタイムラグが生じるのならば、予知能力にも起こってもおかしくないんだろうね
 時間が何時何秒なんてわからないんだから、対応できないことだってあるんじゃないんですか?」
おしぼりでテーブルを拭きながら光井は顔を上げずに答える
「まあ、もちろん、何時何分おこるわかっとるものもあるけど、そうじゃないものが大半やな
 せやけど、何が起こっても大丈夫なように備えるだけや。予知能力の本質を知っとるか?」
「え?未来をみること、ではないんですか?」
「そや、それだけや。未来をみるだけ、変えたりする力はあらへん
 よく、未来は変えられるいうけど、それは正しくもあり、まちがいでもある」
「??」

「例えば列車の脱線事故、これを愛かが見たとする。それもいつの何時何分までわかっとる
 せやけど、それを現実におこさせんようにすることができるか。
 できへんことはない。せやけどそのためにとても時間がかかる
 所詮、愛佳はほぼ自分の行動しか変えられへん。事故を未然に防ぐようなことはほとんどできへんやろ
 結局、事故は起こる、せやけど愛かはその列車に乗らんことで、事故にあうことは防げる」
「それって」
「残酷なことや。たくさんの人が不幸な目にあうことわかっとっても、変えられへん
 できることはしてるで。せやけど、何も知らん人がいきなり『おたくの電車を調べてください』なんていわれて信じるか?
 まともな人間なら取り合ってくれへんやろうな、きっと。いたずらやろうって
 下手したら愛佳を犯人なんやろって疑うこともあるかもしれへん。とにかく、能力は万能やない
 何もできへんことやってある。せやから今日の二人が何もできへんからって凹む必要はあらへん」

その言葉に飯窪は救われた気がした。
何かしなくてはならない、チームの一人として果たさなくてはならない役割を考えていた
知らず知らずに自分に枷をはめてしまったのかもしれない
それを知ってかしらずか、光井は淡々と語る

8 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 20:57:06
「できることなんてほんの一握りしかあらへん。努力してもできへんもんはできんやろ
 せやけど、それでも努力することだけでも大事やと思うで
 練習せえへんでできへんことと練習してもできへんことは意味が違う、わかるやろ?」
「一回みたものはほぼ完ぺきにしないといけない、ですね」
「そや、ちゃんと練習してきたん?」
今日初めて3人とも笑い出した

「アハハ、そ、そういえば、光井さん、リンリンさんとジュンジュンさんに初めてお会いしたんですけど、お二人とも強いですね
 リンリンさんの中国拳法と炎のコンビネーション、ジュンジュンさんのパワーとスピード
 あの二人が光井さんと一緒に戦っていた仲間なんですよね」
「そや、リゾナントにきたんは愛佳がすこしだけ先やったけど、ほぼ同じくらいに仲間になったんや
 始めはぜんぜん反りもあわんくて、特にジュンジュンとは喧嘩してたな〜懐かしいわ」
過去を思い出し、光井がほんのりと笑う
「ジュンジュンさんと喧嘩とか香音からすると怖くてできないんだろうね」
「そうでもないで。べつに誰とでも正面からぶつかってきたんや
 愛ちゃんとだって愛か喧嘩したことあるし、田中さんとも・・・田中さんとはないかな」
ポテトに手を伸ばす

「喧嘩いうても手が出るわけでもあらへんし、まあ子供の喧嘩みたいなもんやな
 言いたい事言い合えるくらいやないと、パートナーとして信頼できへん、そう愛佳はおもっとる
 せやから、鈴木が生田とぶつかったり、佐藤が、特に工藤とぶつかっていることは心配してへん
 それは成長するために必要なことやから。自分を否定され、他人から攻撃される。
 人格形成の時期やから、刺激は多ければ多いほどがええ
 今日が昨日と同じ、そんなことはありえへん。気づかんうちに変わってるんや、良い方にも悪いほうにもな」
最後の部分はあえて聞こえないように小さな声でつぶやいたことを二人は知らない

「二人とも仲間を大切にしたほうがええで」
「「はい」」

9 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 20:57:56
「そういえばはるなん、なんで今日は自分からここに来たいっていったんだろうね?」
「え?あ、ああ、そういえばそうでしたね、私からお願いしたんでしたね
 でも、もう答えはでました。ありがとうございました、光井さん」
「ん?別に愛佳は何もしてへんで」
なにもわからない鈴木を残し、光井は思わせぶりに笑う

「せやけど、不要かもしれへんけど、もうひとつアドバイスや、飯窪。ほんまに聴きたかったんはこれやろ?
 愛佳がさっき言い切った、『愛佳なら鞘師に勝てる』の意味を」
「・・・気づいていましたか」
「当然や、鞘師も知りたいようやったけどな。あの時グラスが揺れたから、ショックやったんやろうな
 自信家の鞘師にしてみたら、先輩とはいえ非戦闘員の愛佳に負けるとは思うてへんやろうからな、失礼やけどな」
里保ちゃんらしいな、と鈴木は心の中で思う。

「鞘師は強い。それは認める。普通に戦ったら、強さだけなら今のリゾナンターで1,2を争っても仕方ない
 ただ、それはあくまでも普通に戦った場合にかぎる」
自身の頭をコツコツと叩いて見せる
「普通なら、や。幸いにも愛佳には未来が視えるときがある。
 自分に有利な場、状況を作ることがある程度はできるんや。
 それが愛佳の能力の『長所』になる。それを使わんのは勿体無いやろ?
 なあ、飯窪、その『感覚共有』、5感をつなぐ力やろ?視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を同じように感じさせる」
「は、はい」
「飯窪、それだけの感覚を支配できるっちゅうことやろ?愛佳なら・・・」


ガチャーーーーン

またウエイトレスが転んだようだ

「ゴメンナサーーーーイ」

10 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 20:58:38
★★★★★★

笑う、笑う、笑う、笑う、笑う、笑う、笑う、笑う、笑う、笑う、笑う、笑う

わらう、わらう、わらう、わらう、わらう、わらう、わらう、わらう、わらう、わらう、わらう、わらう、

warau、warau、warau、warau、warau、warau、warau、warau、warau、warau、warau、warau

waru、waru、waru、waru、waru、waru、waru、waru、waru、waru、waru、waru、waru、waru

わる、わる、わる、わる、わる、わる、わる、わる、わる、わる、わる、わる、わる、わる、わる、わる

悪、悪、悪、悪、悪、悪、悪、悪、悪、悪、悪、悪、悪、悪、悪、悪、悪、悪、悪、悪

さあ、笑おう、悪とともに。キャハハハハハハハ・・・・

・・・カナ★

11 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 20:59:58
>>3-10
『Vanish!Ⅲ 〜password is 0〜』(10)

12 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:01:30


一方的な殺戮。
一言で表すなら、それがもっとも相応しかった。
圧倒的な生命力と、身体能力。そして、本能のままに行動する狂暴性。
しかし科学の作り出した歪な命たちは、能力者たちの前に全くの無力だった。

「うおおおっ!!!」

「戦獣」の頭上に落とされる、鋼鉄よりも硬い両拳。
須藤茉麻の一撃が、鍛え上げられた獣を叩き潰す。まさに必殺。

その一方、徳永千奈美の見せた幻術により自分たちが断崖絶壁の縁にいると勘違いした獣たち。
必死の思いで深淵とは真逆へと逃げたつもりが、ある獣は骨まで焼き尽くされ、ある獣は芯まで凍
てつかされる。

「…大したことないね。『戦獣』も」
「ほんと」

退屈だとばかりにぼやく、炎の使い手である夏焼雅と、氷の剣士菅谷梨沙子。
その向こうでは、熊井友理奈が戯れに戦獣を浮かび上がらせ、地面に叩きつける。
浮力と、その後の超重力によって哀れな獣はお好み焼きのように体を潰して絶命した。

13 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:02:10
「二人とも、そんなんじゃ新人たちに示しがつかないよ」

有沙が、敷地の隅のほうで奮戦する一団を指す。
彼女たちは「ジュースジュース」、今回の討伐団の中で一際若いグループだ。

戦場で派手に踊る、赤と黒。
しかしその戦果は思ったほどでもなく。
頼りなさげなリーダーが指揮を執るも、効率がいいとは決して言えない。
猿のような金切り声をあげて、喧嘩を始める二人組。また、別の二人も何やら様子が変だ。よく見ると、片方が
もう片方の尻を蹴り上げ、高らかに笑っている。

「…新人としても、ひどくない?」
「まるで幼稚園ね」

あきれ返る、「サトリ」こと恵里菜。
初陣なのだろうか。そのたどたどしさが、ますます先輩組の凄さ、手際のよさを際立たせる。

「しかし不意打ちを狙ったとは言え、立ち塞がる壁がワンコロちゃんだけなんて。拍子抜け」

ベリキュー無双、とも言うべきワンサイドゲームを眺めるのも飽きたのか、空に向かって大あくびをかます友。
その口の動きが、時を止められたかのように止まった。
空が、割れたのだ。

ひび割れた青空からゆっくりと姿を現す、黄金の女性。
黄金と言っても、髪の色だけだが、彼女の姿を見たものは大抵。
その輝きを目に焼き付けながら、息絶える。

14 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:03:03
「やっぱ裕ちゃんの能力借りてた時のほうが楽だったなー。『ゲート』疲れるし」

ひとりの女が現れただけだというのに、場の空気はまるで変えられてしまっていた。
金色の闇が、覆い尽くしている。
ここにいる全員の喉元に刃が既に突きつけられているような。
自分が死ぬかもしれないというリアルな現実が、そこにあった。

「…『黒翼の悪魔』。行方不明だって聞いたけど」

清水佐紀は、ぱたぱたと翼をはためかせ宙に浮く魔人を見上げながら、苦く笑む。
戦慄。それは他のベリキューの面々の表情を見ても明らかだった。

そんな中、頭の悪そうな、いや怖いもの知らずの舞と千聖が。

「は?何あんなのにびびってんの?うける。まじうける」
「つーかさ、あのきもい羽ぶち抜いたら終わりじゃん。『悪魔』ぶっ殺したとか、すげー功績になるし」

恐いもの知らずと言えば聞こえはいいが、無鉄砲にも思えるその発言。
しかし言葉の次からの行動は、早かった。
半獣化した舞の背に跨った千聖が、空中に浮かぶ「黒翼の悪魔」目がけて念動弾を放つ。
尋常でない数の弾が、集中砲火という形で襲い掛かった。

やる気のなさそうな顔をして、ふわりふわりとそれを避け続ける悪魔。
しかしその動きは、緩い割に正確。つまり、少しも被弾してはいない。

15 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:03:50
「生意気なやつだなー。ちょっとくらい当たれっての」
「ま、うちらの本領発揮はこれからっしょ」

狂暴な角をひと振るい。
まるで駿馬のように、舞が雄大なストライドで駆け出す。

それを見た梨沙子が、氷の刀を一振りした。
千聖たちの目の前に現れた氷の階段、大きく螺旋を描きながら、羽ばたく悪魔のもとへと伸びてゆく。

「ん…」
「そのとぼけたツラ、すぐに青ざめさせてやるよ!!」

大量の弾幕を張りつつ、一気に階段を駆け昇る千聖と舞。
その先には、「黒翼の悪魔」が待ち受ける。

ふと、舞の腰のあたりに何かが乗っている感覚。
見ると、梨沙子が絶妙なバランスで立っていた。

「ちょ、りーちゃん!」
「階段だけ作らせるなんて、虫のいい話」
「梨沙子が乗ったら、舞の腰折れちゃう!!」

と言いつつも、見た目ほどの負荷はなく。
二人と一頭、ベリキュー連合軍がダークネス最強の喉元に刃を突きつけようとしていた。

舞の剛き角がいくつも枝分かれして、悪魔の周囲を取り囲む。
その隙間を縫うように、千聖がありったけの銃弾をばら撒いた。

16 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:04:47
ど派手な包囲網。
苦笑する「黒翼の悪魔」の頭上が、暗くなる。
氷の刃を携えた、梨沙子だった。

「…剣士、か」
「もらった!!」

弓なりに跳躍した梨沙子が、「黒翼の悪魔」を一刀両断しようと、刀を上段に構える。
防御の間に合わない、絶好の攻撃タイミング。誰の目からしても、そうとしか見えなかった。

「うそ…太刀筋が見えな…」

鮮血。
空に赤い花を咲かせたのは、梨沙子のほうだった。
力を失い、ゆっくりと崩れるように墜ちてゆく。

袈裟懸けに斬られた梨沙子、悪魔の握る黒身の長刀は彼女の血でぬらりと濡れていた。
鍔迫り合いさえ許さない、圧倒的実力差の前に。
呆気に取られる千聖と舞もまた、黒血の魔刀からは逃れられない。

張り巡らせた鹿角の包囲網は、一瞬にしてばらばらに切り落とされ。
あっという間に間合いを縮めた悪魔は、彼女たちを攻撃の射程圏に入れてしまう。

ひゅん、という軽い音が二人の耳に届いたその瞬間には。
全てが終わっていた。

17 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:05:38
「舞!千聖!!」

舞美が、叫ぶ。
悪魔の羽が貫いた二人は、梨沙子を追うように大地へと吸い込まれようとしていた。

「黒翼の悪魔」が翼を畳み、落ちてゆく三人を追うように急降下。
止めを刺すつもりなのだ。しかし、それを阻むは強靭な肉体。

「させないよっ!!」

友理奈の浮力によって、大空高く舞い上がった巨体。
茉麻は「黒翼の悪魔」をその両腕でがっちりとホールドする。

顔色一つ変えない悪魔。
試しに、黒い刀身を二度、三度打ち付けるも、茉麻の体には傷ひとつついていない。

「…『よろしくおねがいします。受かったらゆいたいです』なんて言ってた子が大きくなったねえ。ち
ょっと大きくなり過ぎだけど」
「はぁ?あんたなんかに会った覚えは…!!」

訝る茉麻の脳裏に、突如として甦る記憶。
彼女たち「キッズ」が生を受けてすぐのこと。幼い顔立ちを固くして、横一列に並ぶ子供たち。
その初々しい様子を慈しむように、金髪の少女が眠そうな顔で、目を細めていた。

懐かしき思い出は、断ち切られた両腕とともに。
剛体化した茉麻をあっさりと斬り伏せた悪魔は、次の標的を求めてついに地上へと降り立った。

18 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:06:20
瞬く間に、四人がやられた。
その事実が、この場にいる全員に重くのしかかる。
忍び寄る死の影が、死の吐息が、すぐそこまで来ていた。
本当にここから、生きて帰ることはできるのか。

ゆっくりと、集団に近づく「黒翼の悪魔」。
そんな彼女の体が、びくっと痙攣した。腹のあたりからは、輝く切っ先が。
翼と翼の真ん中、ちょうど腰に当たる部分を背後から貫くものがいた。

「この瞬間を、待っていた」

暗殺。
エッグでも有数の使い手である北原沙弥香。
彼女は、悪魔に気配すら悟られることなく、凶刃を突き立てる。

「ありゃ。気を抜きすぎたかな」

けれど、「黒翼の悪魔」は止まらない。
何もなかったように手に収まる黒刀を握りしめたかと思うと。
背後の沙弥香の腹を、寸分の狂いもなく突き刺し返す。

「がはっ!!」
「よいしょっと」

それでも得物を握りしめ離さない沙弥香、「黒翼の悪魔」は虫でも払うかのように。
持ち手を、蹴飛ばす。何度も。何度も。
重くへし折れる、嫌な音。ぐにゃぐにゃになった両腕が、力なく垂れ下がった。

19 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:07:04
「おいおい、ちょっとまずいんじゃないのこれ…」

手練れの能力者たちが、まるで赤子扱い。本能では嫌というくらい理解しているのに。
事実に思考が追いつかず、顔を引き攣らせ半笑いの友。

「そうだねえ。じゃ、いっちょあたしが出ますか」
「は?」

ゆっくりと前に出るリーダーの有沙を見て、冗談だろと呟いた。

「エッグ」を結成してずいぶんの長い時が経つけれど。
友は。いや、エッグの誰一人、彼女の能力を見たことがない。
能力的には大したことはないが、統率力のみでリーダーに選ばれたのだ。
口さがなく、そう言い切るものもいたくらいだった。

そんな人間が、自分が出ると言う。
友でなくとも、耳を疑うのも当然の話であった。

一方。
沙弥香の腹筋に刺さった黒刀、しかしそれはなかなか抜けてくれない。
沙弥香が力を振り絞り、筋肉を収縮させているのだ。

「うざいなあ、それ、何の意味があるの?」

刀が封じられても、彼女には鋭い翼がある。
二つの翼が細長く伸び、第二第三の刀として沙弥香を切り刻む。
それでも彼女の強靭な腹筋は力を緩めない。

20 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:07:52
防御の間に合わない、絶好の攻撃タイミング。誰の目からしても、そうとしか見えなかった。

「命と引き換えにしてでも…暗殺を成、功させる…暗殺者とは、そう、いう、ものだ…」

その冷徹な表情をして「Noel(静かな聖夜)」と仇名される沙弥香。
命と引き換えに、の言葉に嘘偽りはなかった。

「うん。立派立派。でもそろそろ終わりにするね」

指揮棒のように、右に左にと沙弥香の体を引き裂いていた翼が、ついに沙弥香の頭上で固定さ
れる。その時だった。悪魔は背後に別の気配を感じ、振り返る。

「…死にたくなければ、邪魔しないほうがいいよ。この子をやったら、ゆっくり相手してあげ
るから」

まるで少女と見紛う小さな体、幼い顔。
「エッグ」のリーダー・能登有沙は、悪魔の警告などものともせずに一歩、また一歩と近づい
てゆく。有沙の瞳には、悪魔の姿は映っていなかった。

「ごとー、そういうの、嫌いだな」

それまで気の抜けていた、悪魔の表情が険しくなる。
まるで特攻隊のような死を恐れない有沙。気に入らない。
命を捨てるのは、愚か者のすることだ。それは悪魔の美学に反する。侮辱とも言えた。
命は、燃やし尽くしてこそ輝くのだから。
その感情は、行動となってダイレクトに現れる。

細く伸びた翼が。
有沙の胸を貫通していた。
一撃。命のやり取りを至高の存在と考える悪魔が取った、侮辱への回答。
あっという間に命を奪われた有沙は、笑っていた。

21 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:08:24
意味のない、自殺行為。
なのに笑っているのは、何故だ。
答えは、自らの体の異変が教えてくれた。

ぽろぽろと、風化してゆくように。
有沙の体を貫いていた翼が細かく砕け、風に吹かれて消えてゆく。
それだけではない。沙弥香を刺し貫いていた黒刀さえ、形を維持することができずに崩壊しは
じめていた。

「どうして」
「…それが…あたしの能力だからねぇ」

息も絶え絶えに、有沙が言う。
顔面は既に蒼白、命はまさに尽きかけようとしていたが。

「血の不活性化(イナクティベーション)」。
血に関するあらゆる能力を封じる能力。それは「黒翼の悪魔」の体を駆け巡る黒血も例外では
ない。有沙の発動した能力により、黒血内のナノマシン群は、次々と沈黙していった。

対悪魔に最適とすら言えるこの力。一つだけ欠点があるとすれば。
この能力は、使役者が死亡することで初めて完結するということ。
「エッグ」の誰もが有沙の能力を見たこともないのは、当たり前の話だったのだ。

悪魔が自らの手の平を傷をつけ、血を垂らしてみる。
黒い血は、ゆっくりと軌跡を描いて地面に染みを作るだけだった。

22 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:08:56
「あはっ。結構ピンチかも」

「黒翼の悪魔」に向かって、突進してくる一人の女。
背中に水の竜神を纏った舞美が、悪魔の腹に拳を叩き込む。
ゴムが千切れるような、鈍い音。思い切りくの字に体を曲げた悪魔の頭を、力強い掌が掴み。

金髪が、固いアスファルトに叩きつけられた。

がすん。

何かが砕け散る音。
それは、黒き翼で立ち塞がるものを悉く葬ってきた絶対王者の壁が崩れる音だった。

23 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:10:10
>>12-22
『リゾナンター爻(シャオ)』

24 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:14:09
『XOXO』
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/657.htmlの続きですが
話の流れ的には
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/479.htmlの続きです。

25 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:14:40
「まだ方法はあると思うなぁ」

掲げた腕が冷えきった空間を裂くように振り下ろされようとした時、耳慣れない声が静かに響いた。

「あなたの最高傑作の秘密を明かすことが一番のトリガーだと思うけど」

あさ美の瞳の奥が一瞬、色を変えた。

「秘密?この実験体に秘密などありはしない」
「じゃ、言い方を変えるわ。その子を生み出した経緯と名前の由来、という風に」

声の在処を追って天空を見上げると、そこには漆黒の羽が散らばっていた。

「その子にはアイデンティティが欠けている。何故自分は生を受けたのか、受けなければならなかったのか、という生物の純粋な子孫繁栄のプロセスから外れたクローンだからこそ在るべき絶対的理由が」

白と黒の雑踏の景色の中から、まるでそこにベンチがあるかのように黒翼の天使が空中に腰掛けていた。
何故彼女を天使だと思ったのか、理由はわからない。少なくともここで過ごしていた時代に彼女を見かけたことはない。檻の中という狭い、閉ざされた世界。
しかし、愛の存在は組織内でもトップシークレットであったと里沙から聞いた。事実、愛が見知っている人物は研究員を除き全て組織の重役達で、他に愛が出会ったモノ達は全て愛自身の手で葬り去ってきた。
しかしその中に彼女は居ない。だが彼女はあさ美と同等の情報を持っている。つまり、ダークネスの中でもかなりの精鋭だということ。

だけど。

「今更隠すことも無いんじゃない。あなただって全てを承知した上でしょう」

ふわりと天使が居住まいを正す。
落ちてきた羽を握りしめるあさ美が、ふと表情を緩ませ、また引き締める。

「相変わらずどこから仕入れてきたのか分からない情報通ね、後藤」
「うわさには敏感みたい…昔から」

彼女��後藤にはダークネスの幹部にあるべき殺気が全く無く������むしろ憐れみに満ちていたのだ。

26 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:15:11
やるなら今だ。
そう、全身が告げていた。後藤の登場であさ美の意識は分散している。脳の時間軸も今はいじられていない。
後藤はダークネスだが攻撃は確実に行わない、何故かそう本能で感じていた。絶好機はまさに今だった。

しかし愛の身体は動かなかった。あさ美を倒す、それ以上に、愛の思考は二人の会話に引きつけられていた。
アイデンティティ、追い求め追い求め、追い続けていたもの。
里沙はダークネスに育てられた。ダークネスの組織の中での触れ合いで成長した。
私は。
私はダークネスから生まれ落ちた。怪物と闘わされ、そして捨てられた。
私に母はいない。父もいない。あるのは持って生まれた能力だけ。意味を持つ名前すら無い。
何故つくられたのか、その理由も知らず、そして無言で捨てられた。
高橋愛のアイデンティティは喫茶リゾナント、そしてそこに集う仲間達と一緒にいること。
そして避けられない、i914であること。
ではi914のアイデンティティとは。忌み嫌い心の奥底でずっと押し殺して、だけどずっと欲しかった『i914の存在理由』。

「平方根は知ってる?」
「え?」
「ルート4は2、で有名な数学の基礎よ」

あさ美は舞い落ちる黒羽を見つめながら突如、口を開いた。

「ルート9は3、ルート25は5、ルート169は13」
「二乗したら元の数字に戻るってやつか」
「そう」

後藤は空中に腰掛けながら、変わらずに笑みを浮かべている。

27 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:15:43
「でもさっきの答えじゃマルは貰えない。��3を二乗しても9になるもの。じゃあ��9の平方根はなにかしら」
「…±3i」
「そう、正も負も二乗すると正の数になってしまう。でもそれじゃ困るって考えだされたのが虚数単位のi。虚数、なんて言うけど現代科学は虚数無しじゃ成り立たないわ」
「あたし数学教えてなんて」
「じゃあこの虚数i、なんの頭文字でしょう」

あさ美が漂わせていた視線をようやくこちらに向ける。

「imaginary numberって聞いたこと無い?」
「imaginary…想像上の…数字」

あさ美の目尻にしわが一つ刻まれる。

「次。TOEはさすがに知らないわよね、Theory of Everythingの頭文字でTOE」
「………」
「日本語に訳すとそのまま万物の理論。まだこの理論には誰も行き着いていないけれど、もしこの理論が完成すれば、その名の通りこの世の事象全てを統一的に証明出来るわ」
「……へぇ」
「で、今最もこのTOEに近いと言われている理論がある。それがM理論。もちろんまだまだ未完成」
「M理論……」
「でもこのM理論が完成してTOEが成立したとしても問題がある」
「問題?」

頭上で後藤が一つ息を吐いた。

「ゾンビワールド」
「ゾンビワールド?」
「TOEが完成したとして、それは物理的理論にしか過ぎない。つまりEverythingなのにEverythingを説明していない…感情・意識については抜けちゃっているの。
TOEが説明する世界は物理的法則のみに従う感情の無い人間の世界で、それを哲学者達はゾンビワールドと呼ぶ」

28 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:16:17
そこまで言うとあさ美は一呼吸し、愛から視線を外す。

「……そうね、これが成れの果てとでも言うのかしら」

同意を示すような頭上の柔らかな笑いが純白の世界に降り注ぐ。

「ダークネス創始者は言った。
『私たちは異質で数が少ないというだけで深海に追いやられた悲劇の民。優劣に従い、表層と深海をひっくり返す』と。
しかし数の利というのはいつの時代も圧倒的な力を誇るもの。数の力をもってミツバチが巣に入り込んだスズメバチを蒸し殺すように。
そして彼女も数を求めた。彼女の論理のみに従う感情の無い兵を」

この空間に至るまでに刻んだ亡き者たちの叫びを思い出す。

「感情の無い、やと……みんなどれだけ苦しんどったと……」
「その通り、どれだけ兵器として特化しようとも生物である以上最低限度の心を持ってしまう。つまり万物の理論なんて絵に描いた餅なの。
M理論も、ゾンビワールドも全て仮定のお話、想像上のエトセトラ。まぁ研究課題としては非常に興味深かったし、何より造ったバケモノ達もある程度の役割を果たし、実際組織の体力も増した」

ここからがあなたのお話、そう口にしたあさ美が愛に視線を戻す。

「その日私は自説の論証の最中だった。気配を感じて振り返ったらあの女がいたわ、手に1本の試験管を持って」
「あの女…?」
「女は言った。『この命を使って最高のショーを創りましょう』
私は悦びに全身が震えたわ、生まれて初めて神に感謝すらした。最高の、最高の研究ができる」

29 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:16:49
あさ美は瞳孔を全開にしながら話し続ける。

「能力者のクローンプロジェクトが始まって以来、夢にまでみた理想。
他の追随を許さない、絶対的な能力者の血液を目にして興奮しない科学者がいれば教えてほしい。
ただただ彼女のクローンで終わらせてたまるものですか。より圧倒的な能力者を生み出すことが女との約束でもあったけれど、そんなの当然だわ。
最高傑作以外生まれる訳がないもの、あの遺伝子を用いるのだから。全身の血が滾った状態、不眠不休で研究と実証を重ね、ついにその日はやってきた」

あぁ、身体中が熱い。なのに震えが止まらない。

「9月14日、ヒトのかたちをしたものがようやく現れた。0から有を生み出す言霊の代わりに、全てを無に還す光の能力を携えて」

「……それが……あたし…」

「比肩するものとてない能力、溢れ出る心、現代科学の最高峰の全ての集合体、現実となった想像上の存在。敬意を込めてその名をつけたのよ……i914、と」

追い求めていたはずのアイデンティティ、欠けていた心の中心。
意味のない数字の羅列だったはずのその番号に込められたもの。

想像上の存在、という意味。
この身体に流れる、この血液。

「あなたの血縁上の母は我らの創始者。あなたの存在を生み出したきっかけの母は漆黒の女。私はそれを具現化した」

心が破れる、音がした。

30 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:17:53
>>25-29
『XOXO -Hug and Kiss- (4-e)』

31 名無しリゾナント :2015/12/22(火) 21:22:19
【第106話】

期間
2015/06/23(火) 03:00 〜 2015/08/25(火) 00:51 1000レス

32 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 02:20:26
>>23 の続きです



核シェルター級に厳重な警戒態勢を敷いている、「天使の檻」。
その肝である防護壁が、自動ドアのようにやすやすと、開いてしまう。
つんくが帯同させている二人の能力者のうちの一人・石井の能力によるものだった。

「ここまで来たらもう少しや。調子は…ま、聞かんでもええか」
「……」

石井は。
全身から絶え間なく漏れ出している血によって、体を朱に染めていた。
自らの使役する電流を利用して、防護壁のセキュリティシステムと同期する。つまり自らをカ
ードキー化することで、防衛装置を作動させることなく建物内を通過することができるという
仕組みだ。

ただし、肉体への損傷は計り知れない。
事実、石井の体は限界に達していた。体組織は破壊され、全身からの血が止まらない。免疫系
統が機能停止した何よりの証拠だ。
そんな姿を見ても、つんくは進むことをやめない。まるで最初からこの程度の犠牲は織り込み
済みだと言わんばかりに。

33 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 02:21:00
不意に、建物全体に轟く地響き。
外での戦闘が激化した合図だろうか。もう一人の能力者である前田が困惑気味に周囲を見渡す。

「紺野のやつ、ジョーカー切りよった」
「ジョーカー?」
「せやけど。切り札は切ったら…しまいや」

つんくの歩みが、止まる。
目の前に、巨大で重厚な防御壁が立ち塞がっていた。

「この先に、『天使』が待ってる。時間的にもぎりぎりやな。頼んだで」
「……」

答える気力もないのだろうか。
石井は床に自らの血を滴らせ、カードリーダーの端末に手を伸ばす。
電気を自在に操る石井の体が一瞬光ったかと思うと、大きく痙攣しはじめた。
口から、目から、いや、体じゅうの穴という穴から。激しい出血が止まらない。石井の体がカ
ードリーダーのセキュリティシステムと融合しようとしている。だが、その代償はあまりにも
大きい。

認証完了の、電子音が静かに鳴り響く。石井は。
そのまま自らが作り出した血の海に崩れ落ちる。
そして、二度と動く事はなかった。

34 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 02:21:33
石井の亡骸を、見下ろす形のつんく。
文字通り命を賭した部下にかけた言葉は。

「ご苦労さん。さ、前に進もか」
「は、はい」

前田は、改めて自らの上司の非情さを肌で感じる。
石井は自分が使い捨てになることを知っていた。知った上で、忠誠を示すかのように命を散らせ
ていった。それを、ご苦労さんの一言で済ませてしまう。

だが。
そこに芽生える感情など、大いなる目的の前ではまるで意味を成さない。
つんくは、ダークネスという巨大な組織に立ち向かうため、能力者を集めそして育て上げた。そ
のことがどれだけの労苦を齎したかは想像に難くない。

全ては、巨悪を倒すため。
前田もまた、任務のためなら命を投げ出す覚悟でいた。

劇場の幕が上がるように。
ゆっくりと、防御壁が上部に収納されてゆく。

徐々に姿を現す、透明なガラスによって中央を仕切られた部屋。
これが、「天使の檻」の中枢にして真の姿。
椅子に座っていた部屋の主は、訪問者の存在に気づき、驚きの声をあげた。

35 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 02:22:05
「つんくさん…?」
「おう。久しぶりやな」

派手な金髪に、白スーツ。
人を食ったようなにやけ顔は相変わらず。
その変わらなさが。

「天使」の表情を、強張らせる。

「何やねん安倍、感動の再会やのにそないな顔して」
「どうして、ここに来たんですか」

「銀翼の天使」の瞳に湛えられた、静かな、それでいて悲しげな怒り。
つんくはそれを、そよ風を受けるが如く流していた。

「藪から棒やな。俺が手塩にかけてプロデュースした逸材を訪ねに来た、ええ話やん」
「つんくさん。あなたは。『HELLO』を離れてから今まで…何をされてきたんですか?」
「そらもう、八面六臂の大活躍やがな。警察にヘッドハンティングされて、能力者による治安維
持部隊を編制。その傍ら、有望な能力者の卵たちをスカウトして、一人前の能力者に育て上げる。
能力者業界から表彰状貰ってもええくらいやで?」

椅子から立ち上がり、つんくを睨み付ける「天使」。

「何をそないに怒ってんねんな」
「私はあの日…組織の本拠地を抜け出して、新垣の。ううん、リゾナンターたちのもとを訪れた。
それは、彼女たちに会って伝えなきゃならないことがあったから」
「ほう…?」
「つんくさん。あなたの、本当の姿を」

36 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 02:22:36
つんくは。
ただにやにやとした笑顔を、浮かべ続けている。

「あなたは『能力者のプロデュース』と称して、能力者の子供達を各地から集めていた。能力の
開花。制御不能な未熟な能力を、正しい方向へと導く。そう言ったお題目の元に」
「おっかしいなあ。顔変えて、素性も変えて。『俺』やってバレへんようにしてたつもりやった
んやけどなあ」
「でも、裕ちゃんや圭ちゃんたちはその事実を、まるで見て見ぬふり。おかしいと思った。でも
ね、よっすぃが教えてくれた。本当のことを」
「はぁ。情報部の連中はそないなことまで調べてるんか」

「天使」は、その表情を少しずつ険しくしてゆく。
理性と感情の狭間、辛うじてそのバランスを取っている。

「集められた子供達。彼女たちは最初から、組織とあなたの共有財産だった」
「…ええシステムやろ?」
「ふざけないで!そのせいで、どれだけ多くの子たちが苦しんできたか…!!」
「そなの?ごめんね」

「銀翼の天使」が、純白の羽を広げる。
その羽の一つ一つが、高密度のエネルギーの塊。こぼれ落ちた羽が床面に落ちると、そこからあ
ふれ出した純粋な「力」が爆ぜる。それでも特殊合金製の床には傷ひとつ、ついていない。

37 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 02:23:06
「どうして!どうしてそんなことが言えるの!?なっちは、なっちは!!!!」
「つんくさん、『天使』の力が異常に高まってます!!このままでは危険です!!」

ダークネスの誇る超強化ガラスに阻まれてはいるものの、この状態は決して安穏としてられるも
のではない。
しかし前に出ようとした前田を、つんくの手が制する。

「俺としたことが、済まんな。まずは、邪魔なもんを取り払う」

前田の目の前に翳された手。
そのまま上に掲げ、そして、指を鳴らした。

ぱちん。

まるで、光り輝く雪のようだった。
前田は、はじめは「銀翼の天使」が能力を行使したのかと思った。
だが、そうではない。降り注ぐのは、それまで天使の檻が檻の体を成していた所以とも言える、
強化ガラスの欠片。
信じられないこと。それは、檻の向こう側にいた「天使」もまた同様であった。

あまりに突飛な出来事が、「天使」の組まれかけた武装を完全に解いていた。
それだけ異常な出来事が起こったということだ。

つんくは、能力者ではない。
それがここにいる人間の、共通認識だったはず。
しかし現実に、鉄壁の強化ガラスは、粉みじんに、跡形もなく崩れ去った。

38 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 02:23:39
「あなたは…」
「言っとくが、これは俺の『能力』ちゃうぞ」

いつの間に、背後に回り込まれていた。
迎え撃とうにも、ありえない行動速度の速さに「天使」の反射神経が追いつかない。
後ろから首を回し、顎を上げ、唇の隙間から「何か」を滑り込ませる。
吐きだそうとする「天使」、しかしそれはつんくが許さない。

「ま、専門分野やしな。薬の飲ませ方は心得ておま」

「天使」の喉に手を当て、口蓋の筋肉を弛緩させる。
小さな錠剤は、吸い込まれるようにして落ちていった。

つんくを突き飛ばし、床に突っ伏して咳き込む「天使」。
入れられたものを吐こうと、手指を突っ込んで嘔吐を試みる。が。

「無駄やで。飲んだ瞬間に胃に溶けて早く効く。それが俺の『プロデュース』した薬の特徴や」
「何を…飲ませた…の」
「安心せえ。効能は、『モルモット』で証明済みや」

その時だった。
天井に収納されていたアーム付きのモニターが、ゆっくりと降りてきた。
それとともに、液晶画面に映し出されるのは。

39 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 02:24:10
「『天使』さんに何を飲ませたのか。ぜひ、私にもご教授いただきたいものです」

白衣に身を包んだ、ダークネスの叡智。
組織の頭脳の統括者とも言うべき、紺野あさ美がそこに映っていた。
それを見上げるような格好になったつんくは。

「…世界ががらりと変わる、薬や」

厭らしく、唇を歪ませる。
そしてつんくは語り始める。弟子に、自分の研究成果を披露する。
ありのままに、全てを。

40 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 02:25:14
>>32-39
『リゾナンター爻(シャオ)』更新終了

41 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:45:34
なんやねん!
ウチが何したんや!?

「待てや女ァ!」
「言われて待つ奴なんかおらんわ!」
「んだとガキがァ!」

夕方
森の中
か弱い女の子がおっさん2人に追いかけられとる

か弱い女の子はウチの事な

なんて
ゆっくり説明しとる暇なんかあらへん!

「見ず知らずのおっさんに、追いかけられて喜ぶ趣味なんかないで!」
「こっちもやりたくてやってるんやないわ!」
「とにかく待てや!」
「嫌やーっ!」

怪しい!
怪しすぎる!
誰やねん!
このおっさん2人!?
捕まったら何されるかわかったもんやない!

学校が終わって家に帰って、写真でも撮ろうかと一番近い山に来たら
森のくまさんやなくて、2人のおっさんが追いかけて来るとか

ホンマありえんわ!

42 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:46:08
「こんガキ……いい加減にしーや!」

ベキベキベキッ!

突然、樹が折れてウチの前に倒れて来た

「うわっ!」

慌てて立ち止まる

あかん……道が塞がれてもうた
いや、それよりも

「さあ、大人しくせんかい!」

なんで後ろにおるおっさんがウチの前にある樹を倒せるん?

もしかして……
このおっさんら、超能力者なん?

「自分、さっきの写真どうする気や?」
「写真? 空とか森とかしか撮ってへんわ!」
「嘘言うな!」

ポケットに入ってるデジカメを掴む

変なモン撮ったつもりはないのに……

ようわからんけど
あのおっさんらに都合の悪いモンでも写っとるんやろか
やったら、このデジカメ渡したら終わり?

43 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:46:40
「どっちでも構へん。疑わしきは罰せよ、やろ」
「せやな」

あかん!
この会話はあかん!
ウチ絶対に殺されるわ!
もう逃げるしかないやんか!

倒れた樹に向かって走り、思いっきりジャンプする
飛び越せなくても、上に乗れば──

「逃がさんで」

──念動力──サイコキネシス

「うわっ!」

倒れてた樹が転がり足元がふらつく

「駄目押しや!」

ベキベキベキッ!

別の樹が倒れて来る

あかん
もう死んだわ
ここで何もかも終わりや

もっと生きたかった
もっと色んな事したかった
もっと……

44 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:47:13
まだ
死にたくない

助けて
誰か──!

45 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:48:10
>>41-44

といった保全作は要りますか?

46 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:54:44
>>32-39 の続きです



治癒の力を注げど注げど、体を蝕む滅びの力は止まらない。
業を煮やした「金鴉」が取った行動は。

「しゃおらああぁあっ!!!!!!!!」

勢いよく噴出す、鮮血。
炭化した足の部位を鷲掴み抉り取るという、無茶苦茶な荒療治だった。

「…あんた、馬鹿なの?」
「ざまあみろっ!このボケナスが!!」

あきれ返るさゆみに向かって強がる「金鴉」だが、大ダメージは隠せない。
何せ腿の決して少なくない肉を抉ったのだ。動く事すら難しいはず。

「てめえの滅びの力なんざ、のんには効かねえんだよ!!」
「ふぅん。じゃあ自分の体が穴ぼこだらけのチーズになるまで頑張りなさいよ」

さゆみの視線は既に、背後の「煙鏡」のほうへ注がれていた。
今回の全ての計画を描いた人物。能力の強弱は不祥だが、警戒すべきは悪魔の頭脳。

47 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:55:23
「何や自分。あいぼんさんがそんなに可愛いからって、戦いの最中に見つめてたらあかんで」
「笑えない冗談ね。あんたはさゆみのタイプじゃないし」

余裕の軽口は、策を講じている証拠なのか。
幸い、目の前の相手は「もう問題ではない」。もう一人の相手の見せる余裕、その謎を解かなけ
ればならない。
さゆみは「金鴉」の怪力によって破壊された石畳の礫を拾い上げ、「煙鏡」に向って投げつけた。
すると、礫は奇妙なカーブを描いてあさっての方向に飛んでゆく。

「無駄やで。うちの『鉄壁』にはそんなん通用せえへん。そういう『ルール』やからな」
「ルール?」
「っと。サービスが過ぎたな」

自らの能力の性能を誇りたいが故の饒舌か、それとも。
考えあぐねていると、横からけたたましい声が聞こえてくる。

「てめえ!のんのこと無視してんじゃねーよ!!」
「別に。相手して欲しかったら立てばいいじゃない」
「こんなの…がっ!ぐううっ!!」

力んだ際に、撒き散らされる鮮血。
「金鴉」は生まれたての小鹿のように、よたよたとしか立ち上がれない。
しかしそんな姿を揶揄したのは。

48 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:55:55
「情っさけないな自分。全然相手にならへんやん。あんなんうちなら10秒で終わりやで」
「はぁ!?そこまで言うならあいぼん替われよ!」
「あほか。大将が出張るんは、先鋒が死んでからやろ」
「おいこら勘違い薄らハゲ。大将はのんの方だろうが」
「そんなボロクソに負ける大将なんておらへんわ。そらうちにも負け越すわな。つまり、負け越
しゴリラや」
「負けてねーだろ!1064戦1065勝、どう見てものんの勝ちじゃん!!」
「戦った回数より勝利回数が上回ってどうすんねん。相変わらず可哀想なおつむやな」
「は!可哀想なのはお前の死にかけの頭皮だろ!!」
「言うたな…この筋肉ゴリラ!」
「うるさいハゲ!」
「ゴリラ!」「ハゲ!」「ゴリラ!」「ハゲ!」

突如として始まった低次元な言い争い。
しかしさゆみはその状況に合点がいく。この二人、コンビを組んではいるが仲があまりよろしく
ないようだ。だから、二人一緒に攻撃を仕掛けてこないのだ。

「さゆみには、出来損ないのコントを鑑賞する暇はないんだけど」
「…ああそうかよ!!」

またも、ストックの血入り小瓶を取り出して飲み干した。
すると、どこからともなく集まってくる、黒い雲。いや、雲ではない。
やがて、空を劈くような無数の羽音が響き渡る。

「やっ!む、虫!!」

虫嫌いの聖が、近づいてきた「黒い雲」を見て顔を青ざめさせる。
そう、黒い雲のように見えたのはありとあらゆる羽虫の群れだったのだ。

49 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:56:27
「確かお前ら、『蟲惑』とやり合ったことあったんやろ。それはそいつの血の為せる能力や」

その名前には、さゆみたちも聞き覚えがある。
地獄から甦ったと自称していた、黒いプロテクトスーツを身に纏った女。ダークネスではない別
の組織に与したその女が、「蟲惑」の二つ名を名乗っていた。
となると。

黒い雲はやがて、「金鴉」の元に集まり姿を覆い隠す。
千切れた筋組織に食い込み、繋ぎ、補う。虫の寄生力が実現する、究極の超回復。
負傷していた足を、二、三振り。機能は問題なさそうだ。

「これで、動けるようにはなった。お前、ぜってーに殺してやるから」
「…その割には、あなたの虫さん、繋いだ先から死んでるけど」

さゆみの言う通り、滅びの力に侵された部位に食い込んだ虫は程なくして、その抗えない力の前
に命を散らしてゆく。だが、数が力を押さえつける。次から次へと死地へ赴く小さな軍隊は、指
揮官の命令を忠実にこなしていた。

「その虫の力がさゆみの『治癒の力』の代わりってわけね。でも、逆に言えば『滅びの力』への
有効な手段も失った」
「お前をぶっ殺す方法なんざ、いくらでもあるんだよ!!」

「金鴉」が、両手を広げてさゆみの前に突き出した。
鋭い羽音を立てて、黒い塊が襲い掛かる。ただ、避けられない速さではない。素早く身を屈めて
猛攻をやり過ごすと、まるでブーメランのように虫たちは帰ってくる。

50 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:56:59
再び交戦が、動に入った。
さゆみは駆け出しつつ、執拗に襲い掛かる虫たちを回避する。

「避ける事しかできねえのかよ、虫はどんどん増えてくぞ!!」
「…馬鹿ね」

挑発しながら、使役する虫を増やしてゆく「金鴉」。
一度人間の肌に止まれば、皮膚を食い破り中の組織へと潜り込む獰猛な虫だ。
しかしさゆみは、そんな虫たちを嘲笑うが如く、動きを止めた。
喜び勇んでさゆみの白い肌に着地した虫は、触れた足から即座に灰になってゆく。

「忘れたの?さゆみの体全体にも、『滅びの力』が行き渡っていることを」
「…ちくしょう!!!!」

どのような力を用いようと、「滅びの導き手」を打ち崩すことはできない。
それが例え複数の能力を「ストック」できる能力擬態の能力者でも。
自棄になった「金鴉」が、さゆみ目がけて突っ込んでくる。まるで先に命を散らした虫と同じよ
うに。

「金鴉」が纏っていた羽虫たちの一部は、主人からはぐれ、リゾナンターたちの周囲を煩く飛び
まわっていた。しかし、積極的に害をなすことはない。
香音は、気づいていなかった。
いつの間に、はぐれた虫の一匹が、密かに。
自らの首筋に、小さな噛み跡が、ついていることに。

懐に飛び込んだ挑戦者が、拳を振るう。
速い。しかし、避けられない類のものではない。
回避行動に入るさゆみの身に、「それ」は起こった。

51 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:57:31
「!!」

突然の、立ちくらみ。
いや、そんな生易しいものではない。
まるで体中の全ての力が、底なしの穴へと引き摺り込まれる様な感覚。
今までも、薬の副作用らしきものはあった。
けれど、これほどまでに強烈なものはなかった。
つんくからは、何も。何も、聞いていない。

躊躇、そして困惑。
目の前には唸るような「金鴉」の剛拳が迫っている。

問題ない。
さゆみはすぐに思考を切り替える。
回避したところを滅びの手で迎え撃つつもりではあったが。
直接攻撃を受け止めるのはややリスキー、しかし問題ない。
いかに相手の膂力が凄まじかろうが、さゆみの全身を覆う滅びの力によって拳の先から灰と化し
てゆく。問題は、インパクトの時に発生する衝撃をどう逃がすか。

それだけの、はずだった。
しかしさゆみが今、目にしているものは。

「道重さんっ!!!!」

春菜の悲痛な叫びが、こだまする。
「金鴉」の拳は、さゆみの胸の辺りを貫通していた。
当のさゆみの表情に苦悶の色は見えない。不可解、といった感じの表情。

52 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:58:04
してやったりの「金鴉」の顔が、徐々に変化してゆく。
この顔は。さゆみが見間違える、はずもない。

「あんた…鈴木の能力を」
「へへ。虫を飛ばしてあいつの血を頂いたんだよ。お前、のんが一度に一つの能力しか擬態でき
ないって勘違いしてたろ。あいぼんの言う通りだ、『弱いふりして油断させれば』相手は必ず隙
を見せるってな」

香音の能力「物質透過」。
「金鴉」はそれを盗み取ることで、自らの腕をさゆみの体に貫き通した。
何の殺傷力もない行動。それを、「金鴉」の厭らしい笑みが否定していた。

さゆみは重心を思い切り後ろに倒し、貫いた腕を引き抜こうとする。
だが、体はびくともしない。香音の能力で摺り抜けているはずの腕が、さゆみの体を離さない。

「みんな、道重さんを助けるよ!!」
「はいっ!!」

聖の言葉で、一斉にさゆみの元へと駆けつけようとするリゾナンターたち。
それも、見えない何かに阻まれ、近づくことすらできない。

「これからがええとこやのに。邪魔したらあかんで?」

「鉄壁」の能力。
香音が物質透過しようとも、衣梨奈がピアノ線で薙ぎ払おうとも、里保が一閃のもとに切り伏せ
ようとも。
びくともしない。亜佑美が戦ったスマイレージが一人・中西香菜の使役する「結界」には、まだ
物質的な感触があった。しかし。
「煙鏡」の操る「鉄壁」には、まるで手応えがない。あたかも、最初から切り抜けるのが不可能
かのような、絶望。
つまり。彼女たちの救いの手は、さゆみには届かない。

53 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:58:36
「ここで問題です。のんが今、物質透過能力を解いたら…どうなると思う?」
「…元あった物質が、入り込んだ物質を弾き飛ばす。つまりあんたの腕は」
「そう。のんの腕は強制的に抜き取られる」

さゆみは、気づいてしまった。
「金鴉」が、何をしようとしているかを。

「愉快な置き土産を置いてなぁ!!!!」

見えない力に吹き飛ばされるが如く、「金鴉」の小さな体が後方へと飛ぶ。
その腕には、穴あきチーズのような穴が、いくつも開いていた。
開いた穴から、幾筋もの滅びの煙を燻らせながら。

「道重さん!!!!!!!」

明らかにさゆみの様子がおかしいことは、すぐに後輩たちに伝わった。
顔は青ざめ、体が痙攣していた。もっと言うなら。
さゆみもまた、「金鴉」が拳を撃ち込んだ場所から、煙を立ち上らせていた。

「いっちょあがりや」

「煙鏡」の表情は、晴れ晴れとしていた。仕事を、終えたような顔。
そう、終わったのだ。その証拠に、彼女は既に「鉄壁」を解いてしまっている。

54 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:59:20
もうリゾナンターたちを縛り付けるものは何もない。
聖が、真っ先にさゆみのもとに駆けつける。今このメンバーの中で、治癒の力を使えるのは聖し
かいなかった。
風を切る迅さで、崩れ落ちかけていたさゆみを抱きかかえ、煙の出ている場所に手を翳す。
聖の血の気が、引いた。

「だめ…ふくちゃん…さゆみの中にはもう、滅びの…力が」
「そんな」

物質崩壊の使い手である以上、自らの力で自滅してしまう危険性は常に存在している。
それを防ぐために、全身に滅びの力の被膜のようなものを纏わせ、それを防ぐ。が。
あくまでも、体の表面だけの話。被膜を何らかの方法で突破されれば、体の内面は無防備そのもの。

こちらの弱点を的確に突くやり方、頭の悪そうな「金鴉」が思いつくわけがない。
どちらかと言えば、後ろに控える「煙鏡」のやりそうなことだ。
なのに、どうして。同時に戦うことすら嫌がる関係のはずなのに。
いや。違う。大きな、思い違いをしていた。もし本当にそのようなことが可能なら。
迂闊だった。自分の至らなさを悔やみつつ、さゆみの意識はぷつりと途絶えてしまった。

信じられない。いや、信じたくない。
だが、紛れもない事実だった。

物質透過によってさゆみの体を貫通した、「金鴉」の腕。
「金鴉」は。自分の足を支えている蟲のいくつかを、自らの腕に寄生させていた。
滅びの力によって、死にかけた蟲を。

そして、置き去りにされた蟲たちは。
内部から、さゆみの体を蝕み始める。そのスピードは、聖の持つ複写の治癒の力ではもう抗うこと
はできない。
そんな状況とも知らずに、後続のリゾナンターたちもようやくさゆみのもとに到着する。

55 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 07:59:51
「フクちゃん!!」
「道重さんが大変なの!すぐに、体の中の蟲を取り出さないと!!」

駆けつけた里保の顔を見て、緩みそうな気持ちを引き締める聖。
本当は、泣き出してしまいたい。けれど、そんな暇があったら一つでも多くの行動をすべきだ。
不安で崩れそうになる心を、強い意志が懸命に支える。

「どぅーは千里眼で蟲を探して!えりぽんは糸を使って何とか蟲を取り出す。香音ちゃんはサポート、
優樹ちゃんは道重さんの中にいる蟲を瞬間移動。小田ちゃんは時間停止を。はるなんはみんなの集中
力が続くように力をわけてあげて!!」

できそうなことから、一見無謀なことまで。
聖は今思いつく、さゆみを救うことができるかもしれない方法を全員に告げた。
とにかく、やるしかない。躊躇している場合ではない。でないと。

「えりちゃん、糸、物質透過かけたから!」
「生田さんそこですっ!」
「やった、獲った!」

連携作戦は、徐々にだが功を奏してゆく。
その場にいた全員が、さゆみの命を救おうとしていた。
今ここで、彼女を失うわけにはいかない。

56 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:00:22
里保たちが最初に喫茶リゾナントを訪れた時。
リゾナンターのリーダーは高橋愛だった。
ダークネスの襲撃によって崖っぷちまで追い詰められた当時の状況は、逆に言えば再起のチャンス
でもあった。弛まぬ努力は新垣里沙に受け継がれ、さゆみの代で結実した。

右も左もわからない新人たちが、曲がりなりにも能力者社会にその名を知られるレベルにまで成長
したのは。間違いなく。

だから、失ってはいけない。

春菜の表情が、強張る。
そして何かを探すように、さゆみの手を取り、言った。

「道重さん…息、してません…」

晴れていたはずの青空は、いつの間にか灰色にくすんでいた。
低く垂れ込める雲、一陣の風が吹き込むと、ぽつり、ぽつりと大粒の雨を落とし石畳に染みを作っ
てゆく。

「え…?」

言葉が、頭の中に入って来ない。
言葉の意味が、たった一つの事実に結びつかなかった。

57 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:00:53
「うそ…だよ、ね。だって道重さん、こんなに」

聖が掌を翳し、それまでよりも一層強く、自らの治癒の力を注ぎ込む。
ただ眠っているようにしか見えないさゆみの顔。けれど聖自身、よくわかっていることだった。
対象の肉体を癒すはずの治癒の力は、さゆみの体に留まることなく、消えていた。

「やだ!みにしげさん!みにしげさんおきて!!じゃないとまーちゃんみにしげさん嫌いになっち
ゃうんだから!!!!」
「よ、よせよまーちゃん!道重さんが死ぬわけないだろ!馬鹿なこと言ってんじゃねえぞ!!」

優樹はありったけの力を込めてさゆみの体を揺さぶる。
あまりの激しさに、そして優樹の発した言葉を否定するために大声をあげる遥。
それでも、既に泣き顔でぐしゃぐしゃになっている自分自身を隠す事ができない。

「は、はは。こんなの冗談っちゃろ。道重さんが、こんなことになるわけなかろうもん」
「ねえ。みんなを驚かせようとして寝たふりしてるだけですよね?そうなんすよね!?」

笑い声を上げようとするもうまく行かず、乾いた呼気を漏らすことしかできない衣梨奈。
亜佑美は大げさに手をばたばたさせ、顔を引き攣らせて必死に目の前の光景を否定ていた。

「道重さんの時が…止まっちゃった…」

時を操り、時を統べる。
さくららしい発言と言えばその通りなのだが、あまりにストレートな表現。
何をふざけたことを、そう言いかけた亜佑美の言葉が文字通り止まった。

さくらは、顔を歪め、必死に歯を食いしばって。泣いていた。
声すら、あげずに。
そのことが、全員に一つの揺るがしがたい結論を齎す。

58 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:01:29
― 傍に、居て下さいね ―

月明かりの綺麗な晩のこと。
少女は、さゆみと一つの約束を交わした。
素直に自分の気持ちを表に出せない少女は、リゾナンターとして闇に立ち向かう自分の姿をただ見
ていて欲しいと伝えた。その背中から、何かが伝わればそれで自分は十分なんだと。
それが、その時の精一杯だった。

あの日話したことが、嘘になってしまう。
さゆみのせいではない。さゆみを救うことができなかった、自分自身のせいだ。
かつてその手を差し伸べながら、救えなかった友人のように。
すべては、自分の力が足りないから。

― お前の実力は、そんなものじゃないだろう。何を躊躇ってる? ―

その言葉が、先ほど一戦交えた塩対応の女のものなのか。自らの心に呼びかけた問いなのか。
里保は、区別がつかなくなっていた。
ただ、熱い。胸の奥が、滾っているかのように熱かった。
やがてその熱気が、心の全てを覆いつくしてゆく。

「里保…ちゃん?」

その場にいる全員がさゆみの状況に激しく取り乱している中。
香音だけが、親友の異変に気がついていた。
宙を彷徨う里保の瞳は。

燃えるように、緋く。緋く。

59 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:02:54
>>46-58
『リゾナンター爻(シャオ)』更新終了

60 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:11:01
>>41-44

ドンッ!

なんや?

大っきな音がした
思わず閉じた眼を開ける

「樹が、もう1本?」

倒れて来た樹を止める様に、別の樹が支えている

コレ、どっから来たん?
根っこ丸見えやから、どっかから抜けたって事?

「何やっとんねん! 遊んでる場合か!? 早よケリつけんかい!」
「アホ! あの樹を動かしたんは俺とちゃうわ! 」
「ハアッ!? じゃあ誰がやったっちゅうねん!?」

なんかわからんけど、取りあえず助かってる?
おっさんらはケンカしてるし、逃げるなら今のうちや!

「っておい! 逃がさへんぞ!」

──念動力──サイコキネシス

ベキベキベキッ!

走って逃げるウチに向かって、次々と周りの樹が倒れて来る

61 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:11:34
こんなん反則やー!
おっさんAの仕業やな!
って言うか、どんな手品やねん!
大道芸か!?
イリュージョンか!?
もう訳わからんわーっ!

──シ+念=カナ ──〓〓〓キネシス

ドドドドドドッ!

「「なんやて!?」」
「へ?」

さっき支えになっとった樹が、ウチの頭上を越えて周りの樹を一気に吹っ飛ばした

「いい加減にせえっ! さっきから何しとんねん!?」
「ちゃうわ! あの樹を動かしとんのは俺やない!」
「まさか、あのガキが?」

ガキって、ウチの事?
しかないわな

恐る恐る振り返ると、おっさんBがウチを睨んどった

こわっ!
って言うか

「ウチ超能力なんて持ってへんで!」
「とぼける気かいな。ま、ええわ。予定変更や。連れて帰ってじっくり教えてもらうで」

62 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:12:23
>>60-61

きっと次回で終わります。

63 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:16:29
>>60-61

今度は誘拐!?
ありえへん!
なんでウチがこんな目に遭わなあかんねん!
めんこくて可憐で、か弱いフツーの美少女やで!?
超能力なんて漫画みたいなモン、持ってる訳ないやろー!

──シ+念=カナ ──〓〓〓キネシス

ヒューン

「なんだ?」

──透視──クレヤボンス

おっさんBが、ウチより後ろの方を見とるみたい
なんかあると見せかけて、ウチが振り返った隙に捕まえる気かいな

「あかん避けろ!」
「なんだよ? 何を避けんね

ゴーンッ!
ドターン!

おっさんAの顔にドラム缶が命中し、気絶して倒れた

「おい! しっかりせえっ!」

あのドラム缶、近所の工場のやろか?
どうやって飛んできたんやろ

「このドラム缶、中身ちょっと入っとるやないか……こら効くわ」

64 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:17:10
相手は1人
物を動かせないおっさんBだけ
これなら逃げられるかもしれへん!

振り返って全速力で走る

「待たんかいっ! 俺の仲間にここまでの事をして、タダで帰れると思ってんのか!? あぁ!?」

おっかない!
メッチャおっかない!
あのおっさんBこそ、ホンマにアカンやつや!

「ハァ、ハァ……もう、走れん……どっか隠れて様子を見るか」

大きな樹に身を隠す

さっきからありえん事ばっかりや
ヤバいおっさん達に追われて、勝手に樹が倒れたり飛んで来たり
挙句にはウチが超能力が使えるとか言って誘拐しようとしたり
頭がパンクしそうや

「ハァ……ハァ……やっと、追いついたわ……手間かけさせやがって!」

ザ、ザ、ザ、ザ

後ろから草を踏む音が聴こえる
段々と近づいて来る

気のせいやろか?
真っ直ぐこっちに来てへんか?

「隠れても無駄や。俺は〝透視〟能力者や。そん位の樹なら透けて見えるで」

65 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:17:41
嘘やろ!?
ウチやなくて、おっさんBの方こそ超能力が使えるんやんか!
て言うか、おっさんAも超能力を使ってたん?

「大人しくしいや」

腕を掴まれた

バチッ

「痛っ!」
「静電気か? 驚かすなや」

確かに、今日の服は組み合わせを間違えてるわ
逃げ回って動いとる間に溜まっとったんやろ
って、今はどうでもええわ!

掴まれた腕を振りほどこうとするけど、全然ビクともせえへん

「さあ、一緒に来てもらうで」
「嫌や嫌や嫌や! 絶対に嫌やーっ!」

──シ+念=カナ ──〓〓〓キネシス

ボッ!

「熱っ!?」

ウチの脚から、火が出た

「お前、パイロキネシスの能力者か!」

66 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:18:12
火から逃げる様におっさんが離れた
その間も、ウチの脚からは火が出ている

「パイロ……キネシス?」
「いや待てよ……さっき杉の樹が動いたんはどういうこっちゃ? まさか、サイコキネシスも使えるんか!?」

おっさんがなんか言うてるけど
ウチはそれどころやあらへん

自分の脚から火が出てる
ウチの脚、おかしくなってしもたん?

「珍しい能力者、ますます連れてかなあかんな」

嫌や
嫌や
嫌や

なんやねん!
ウチが何したって言うんや!

ボワッ!

「なっ!? アホ! 待てや! それ以上はやめんかい! 森が燃えてまう! 自殺行為や!」
「全部、あんたらのせいや……あんたらのせいで、ウチの脚はおかしくなってもうたんや!」

ウチの脚から出た火が、辺りの草木を踏み荒らす様に広がっていく
緑だった景色は、あっという間に暗闇の様な黒に染まっていった

67 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:18:42
そして
ウチの心も
深く
黒い
闇の様に
染まり始めていた

春水の人生は、今ここから変わっていった

68 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:23:05
>>41-44
>>60-61
>>63-67
『秋氷』終了です。

レス頂きまして、ありがとうございます。

69 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:28:30
「え?修行?」

そう! まさ 修行するの

「なんでそんなことを思ったと?」

え〜なんでって言われてもわかんない

「わかんないのに修行ってまさきちゃんらしいんだろうね」

さっすが〜すーずきさんはまさのこと分かってる

「それでどんなことするのかな?私でよかったら手伝うけど」

鞘師さん ありがとうございます。でも、いいです

「え?どうして鞘師さんと修行したらきっと強くなれるのに」

はるなん それはまさもわかってるよ

「そうだよ 鞘師さんが自分から相手をかってでてくれたのに勿体ないとおもうな」

あゆみんはだまってて!

「まあちゃん あゆみんに失礼でしょ、謝って」

イーだ!!どぅも嫌い

「それでどんなことするんです?佐藤さん」

・・・これから考える (続く

70 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:29:06
「…新潟も陥落ですって!?」

聖はその一報を聞き、愕然とする。
敵は五大都市の半数を手中に収め、さらに勢力を伸ばそうとしていた。

「こんな時にあの人が、あの人がいれば」

聖は願う。破滅と再生を司るあの伝説の女性が復活すればあるいは、と。
しかし彼女は、敵方のあまりの狼藉に世を儚み、天岩戸に引きこもってしまっていた。

「みっしげさんは私が連れ出す!!」

そこで立ち上がったのは、しじみ目の踊り子。
聖から授かった黄金の裸エプロンを身に着け、狂うように踊る。
果たして、天岩戸は開かれるのか?

劇場版リゾナント神話シリーズ「天照」 近日公開予定(しません)

「もうちょっとがまんしたら、りほりほの布面積がもっと小さくなるからまだ出ないの」スー

71 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:31:36
>>41-44
>>60-61
>>63-67
『秋氷』の続きです。

http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/1180.html を経て
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/1170.html の流れからの今作です。

72 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:32:08
「……お姉さん達、何者や?」

春水の前には、綺麗な女の人と背の低い女の人

「あたしら、まだオバサンには入らないらしいよ」
「ギリギリじゃない? そっちはもう三十路でしょ」
「歳を言うなって。まだ20代だ……ギリギリな」

2人で会話しつつも、視線は春水に向けられたまま

どう見ても、お友達になってや〜って感じやないな
一体、何の用があるんや?

「さて、本題に入る。君の秘密を教えて欲しい」

春水の秘密?
って言ったら、1つしかないで
でも

「言いたくないわ。言う必要もあらへんし」
「強気だね。ま、こっちにも都合があるんだ。強引にでも……教えてもらうさ!」

綺麗な女の人が、勢い良く走って来る

手を出されたら反撃もしゃーないとは思うけど
やっぱり知られたくない
もしかしたら、向こうが思ってる秘密って別の事かもしれんし

「迷ってると、怪我するぜ!」

73 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:32:41
凄い速さで蹴りが飛んで来る
春水は上体を反らしながら蹴りを繰り出す

ガッ

「へえ」

脚同士が当たったけど、春水は受け流しつつ後ろに下がる

「悪くない動きだ」
「おおきに……」

まさかこんな時が来るなんてな
中2までアレ習っとって良かったわ

「ひとまず名乗っておこうか。あたしは〝傀儡師〟と呼ばれている」
「それあだ名かいな? こっちは教える気はないで。名前も……秘密も」

とりあえず距離は置けたけど、意外と衝撃が強くてジンジン痺れてる
動きにめっちゃキレあるし
このお姉さん、只者やないわ

「言っただろ、こっちにも都合があるって。そうだな……やり方を変えよう」

傀儡師がもう1人に合図を送った

「はいはい、交代しますよ」

──変身能力──メタモルフォーゼ

もう1人の女の人の姿が変わっていく
顔も体格も別人に変化した

74 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:33:12
その姿に、春水は見覚えがあった

75 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:34:38
>>72-74

『秋氷』にレスが多くて焦っております。
ありがとうございます。

お気付きの方もいるかと思いますが、
>>71を含み『Help me!!』の作者がお送りしました。

76 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:35:24
>>69

「なにしとうと?」

あ、生田さん おはようございます

「あ、うんおはよう。それ なに?」

いひひひ ひみつです

「もしかして それって昨日言ってた」

え〜なんでわかったんですか?

「いや いくらなんでもわかるっちゃろ。 そんなにたくさん木の枝もってきたら」

近所の大掃除してると思わないですか

「いやいや ここらへんにそんな大木ないから いったいどこから取ってきたと」

あっちのほうです

「いやいやいや あっちってそんな適当に言われてもわからんし あっちってあの山?」

おーう、生田さん 大正解

「いやいやいやいや 山ってまさきちゃん! あの山からリゾナントどれだけ離れているかわかっとうと」

まさなら一瞬だよ

「いやいやいやいやいや まさきちゃんならできるかもしれんけど、そんな大きな木どこに置くと?」

あ、そっか、じゃあ返してきます (続く

77 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:36:59
「あれ? 佐藤さん 早いですね」

小田ちゃん おはよう

「おはようございます ?? その木どうしたんですか?」

ん〜まさがね、修行用にあの山から拾ってきたら 生田さんに返してきなさいって怒られた

「まあ 確かに保管する倉庫なんてリゾナントにはありませんからね 譜久村さんに相談してみたらいかがです?」

ふくぬらさんは朝 遅いからまだあってないし、いいって言わなさそうだもん

「仕方ないですね これ返しに行きましょう」

小田ちゃん 手伝ってくれるの? いい子!

「やめてくださいよ 私も佐藤さんに協力したいって思っただけですから」

でも まさ まだ何も決めてないよ

「え? じゃあほんとうに拾ってきただけなんですか?」

そうだよ

「・・・ こんな枝じゃ何もできないかと思いますけどね よいしょ 重い」

小田ちゃん 大丈夫?

「大丈夫ですよ 暑くてちょっとふらっとしただけですから フフフ、スタミナ不足ですかね?」

!! それだ 小田ちゃん!! (続く

78 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:37:34
「譜久村さん その袋 なんですか?」

「あゆみん 丁度よかった こっちの買い物袋もってくれる?」

「ああ、はい いいですけど。 中身って 食材??」

「うん 人参でしょ たまねぎでしょ かぼちゃに ピーマン」

「あ おいしそうな牛肉もあるじゃないですか!! 今夜はカレーですか?」

「あ これは今日の分じゃないの ウフフ」

あ〜ふくぬらさん おかえりなさい あゆみんも手伝ってくれたの?

「そうよ まーちゃん」

キュパッ あゆみん 大好きだよ〜

「??? ちょっと待って 何が何だか?」

「ねえ あゆみちゃん 明日 何か予定ある?」

「え? 特に・・・ありませんが」

やっほーたい! じゃあ あゆみんも参加決定だね

「な、何が? 説明してくださいよ、譜久村さん」

イヒヒ 明日からまー達で合宿だよ! キャンプしよ!!  (続

79 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:39:31
>>46-58



「半分は偶然。半分は必然。そういうこっちゃ」

それが、紺野が師と仰いだ男と最初に交わした言葉だった。

「何で俺が自分を研究室長に抜擢したか。リストの中に入ったんは偶然、せやけどそこから俺が選
んだんは俺の意思や」

組織の科学力を統べる部門の中枢に入ってなお、遠くで見ているだけであった組織の科学部門統
括という存在。
直に会いそしてその目で見た感想は。科学者としてはあまりに俗の色が強いというものだった。
もちろん、派手な金髪や目に染みるような柄物のスーツだとか、見た目の事を言っているのではな
い。

紺野の知る多くの科学者は。
一様に表情が硬く、そして自らの知性を誇示するような物言いをしていた。
しかしどうだろう。目の前の男は、人を食ったような、惑わすような態度を取る。そしてその曖昧さ
は、不思議と不快ではなかった。

後にダークネス不世出の天才、「叡智の集積」とまで称される紺野だが、室長就任まではただの
一研究員に過ぎなかった。
そんな紺野が組織の研究室長、つま科学部門のナンバー2に抜擢されたその理由。
それが先の答えに繋がる。

80 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:40:17
「例えば。道歩いてたら、自動販売機がありました。喉渇いてたら、ジュース飲みたいわぁ、そう
思うやろ?」
「つまり、『喉が渇いていた』から『ジュースを買った』と。私にそういう役割を、求めているん
ですね」
「お、ええな。そういう返し。確かにお前の言う通りや。俺がこれから研究を進めてく中で、もの
すごく何かヒントをくれそうな、そんな予感がしたんやわ」

まるで論理的ではない、つんくの言葉。
しかし、裏を返せば「科学者」という枠に嵌らない人物とも言える。曲がりなりにも現在の組織の
科学面における基礎を構築した男、掴みどころの無い言葉にもそれなりの意味があるのだろうと紺
野は推測した。

「ところで。お前が研究室長っちゅうことは周りには秘密やで。『ダンデライオン』っちゅう隠
れ蓑もあることやし、しばらくはバレへんと思うけど」
「なるほど。あれは、貴方の差し金でしたか」

「ダンデライオン」。組織の上層部が結成を決定した特殊部隊。紺野の研究室長就任と、ダンデ
ライオンの入隊はセットであった。つまり、まさか組織の科学班研究室長がそんな部隊に編成さ
れるわけがない。と思わせる目論みだったのだろう。確かに降りかかる火の粉を振り払うのも億
劫な話で、持ち前の好奇心もあり了承はしていたのだが。

紺野とつんくの邂逅から、しばらくして。
つんくは、突如組織から姿を消す。そのことについて上層部からの言及すらないという、実に不
可解な話ではあったが。
紺野は、そうなるのが当然であるかのように、二代目科学部門統括に就任した。

81 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:40:49


「世界を変える薬ですか。それはまた大きく出ましたね」

モニターに大写しにされた紺野が、問う。
つんくの言葉の、真意。飾られた形容の奥に潜む、真実を。

「私が把握しているところによると…あなたが道重さゆみに投与した薬の効果は。『表』の人格
であるさゆみに対する『裏』の人格。確か、さえみとかいう…それを、自在に呼び出せるように
なる。という触れ込みでしたっけ」
「触れ込みて、失礼な話やなあ」

かかか、と笑いながら、つんくは先ほどまで「天使」が座っていた座椅子に腰かける。ちょうど
モニターの紺野を見上げるような形だ。

「天使」はと言うと、つんくに飲まされた「薬」の影響か、床に蹲ったまま動かない。

「私は、あなたの投与した薬剤は人格統合に関わる何らかの影響を及ぼす性質のものと踏んでい
ます。道重さゆみが本来姉人格が表出した時でないと使うのことの出来なかった『物質崩壊』の
力を使えるようになったのも、そう考えればかなり自然な形で納得がいきますしね」
「ほー、そこまで辿り着いたか」

人を食ったような、読めない態度は相変わらず。
懐かしさとも、呆れともつかぬ感情に思わず紺野は肩を竦めた。

82 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:41:20
「懐かしさのあまり瞳を潤ます、っちゅうんなら少しは可愛げもあるんやけどな」
「確かに、お変わりないようで何よりです。お顔のほうは大分変えてらっしゃるようですが」
「どや。なかなかイケメンやろ」
「顔の美醜は私には判りかねますが。ただ、あまりいい趣味ではありませんね」
「…結構気に入ってるんやけどな、これ」

やや芝居がかったつんくの言葉を無視し。
紺野は話を本題に戻す。

「結論から述べます。つんくさん。あなたは、『天使』…安倍なつみを、破壊の化身にしようと
している。違いますか?」
「…半分正解で、半分間違いやな」

つんくは言いながら、体を椅子の背に預けた。

「あなたはいつもそうだ。ダークネス科学部門の初代統括という地位を誰にも話すことなくあっ
さり捨てたように、真実を決して他人に見せようとしない」
「そういう自分も『俺の資質』、しっかり受け継いどるやないか。ほんまいつまでも本題に入れ
んで困るわ」
「…ではこちらからいきましょうか。私の言葉が半分不正解なのは…『天使』の力が制御可能か
不可能か。そういったところですか」
「優秀な弟子やと、話す手間が省けて助かるなあ」

つんくと紺野の、互いの肚を探るような、そうでないような会話。
前田はそのほとんどを理解することはできない。
ただ、一つだけ言えるのは。自分が目の前の「銀翼の天使」をつんくが手中に収めるためにここ
にいるということ。
そしてその目的は、果たされようとしていた。

83 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:41:53
「安倍の。本来の人格と、全てを破壊し尽くすだけの闇の人格。周期的に入れ替わる二つの人格、
この性質のせいで、お前らは安倍をこないなもったいつけた施設に閉じ込めざるを得なかった。
せやな?」
「そうです。現時点の彼女の力は、我々が自由に使うには手に余る」
「でもな。俺の作った薬があれば、本来の安倍の人格を保ちつつ、破壊的な能力を操る能力者が
誕生する」

まるで新しい遊びでも考案したかのように。
つんくの瞳はきらきらと輝いていた。

「…本当にそんな夢物語が実現するんでしょうか」
「俺がしょうがない夢追い人やったら、こないなとこまでけえへん。ブラザーズ5のおっさん煽
ったり、辻加護の暴走のタイミング図ったり、いろいろ下準備してまでな」
「やはりそうでしたか。あまりに一度に出来事が重なるものですから、恣意的なものは感じては
いましたが」
「はは、めっちゃロックやろ?」
「転がる岩のように、ですか。積極的に動く者は、決して錆びつかない。しかし、こうも言えます」

紺野が、やや垂れ下がっていた眼鏡のずれを、手で戻す。

「無駄に動き回る者には、何の利も身につかない」
「…言うとけ」

紺野の皮肉を鼻で嗤いつつ、前田に指示を送る。
床に倒れ込んでいる「天使」の額のあたりに、手が添えられる。

84 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:42:25
「この前田はな、精神操作のスペシャリストや。こいつの能力で融合過程にある安倍の人格の統
一を、サポートする。どや、完璧やろ」
「完璧…ですか」
「随分不服らしいな。『完璧です』、お前の口癖やん」

沈黙する紺野を、挑発するかのような言葉。
だがそれに対して返されたのは。

「つんくさん、あなたは」
「何や」
「外で遊んでいるうちに随分と耄碌されたようだ。私が常日頃『完璧です』と言っていたのは、
科学者が完璧などという言葉を口にしたら終わりだという皮肉のようなものです。いついかな
る時も真理を追求する科学者にとって、完璧などという可能性を全否定するような言葉は。愚
かしいまやかしに過ぎませんよ」

侮蔑。お前はこの程度の存在に過ぎないという、見くびった表現だった。
つんくはなおも薄笑いを浮かべている。だが、その目はもう笑ってはいなかった。

「なら、俺がお前に正真正銘の『完璧』を見せたるわ」

立ち上がり、一際高く合図の手を挙げる。
それを見た前田は自らの掌に意識を集中させた。
高度な精神干渉が「銀翼の天使」に襲い掛かる。前田はつんくが所有する手勢の中でも飛びぬ
けてマインドコントロールに長けた能力者。「御宮(ごく)」の異名を取る能力者社会の重鎮
・五木老の秘蔵っ子でもある彼女に比肩するものは、新垣里沙しかいないであろう。

85 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:42:56
前田の精神干渉の力は瞬く間に「天使」の精神世界を駆け巡り、特有の世界を構築してゆく。
すなわち、現在彼女の体内で活性化している「多重人格の統一」の薬効の、サポート機構。

傍目からは、どのようなやり取りが繰り広げられているのかはわからない。
ただ、つんくの表情を見ればわかる。
「銀翼の天使」。ダークネスの重鎮だった安倍なつみは、完全につんくの手中に落ちた。

「…しまいや。残念やったな、紺野。お前、俺が失敗すると思てたやろ」
「いえ。別に。逆に、いいものを見せて貰いましたよ。今後の参考にさせていただきます」

静かに、かつ確実に行われた「天使の奪還」。
興味深そうな表情をする紺野の言葉は、本心からか。ただの負け惜しみなのか。

「精々頑張りや。お前に『今後』があるかどうかは知らんがな」
「お気遣い、どうも」

「首領」は紺野に「天使」の死守を厳命した。
しかし、この体たらくでは彼女に厳罰が科せられてもまったく不思議な話ではない。

「上じゃドンパチやってるんやろ? お前の『切り札』のことや。せやけど、ジョーカーは『切
ったらおしまい』。俺の教えの通り、何枚も切り札仕込んどったみたいやけど、俺の方が一枚上
手。そういうこっちゃ」

満足げな表情を浮かべ踵を返すつんくに、「銀翼の天使」を肩で担いだ前田が追随する。
最早見るべきものは何も無いと判断したのか、紺野を映したモニターはゆっくりと天井へ収納さ
れていった。

86 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:44:05
>>79-85
『リゾナンター爻(シャオ)』更新終了

87 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:47:00
>>76-78

「あのさ、香音ちゃん、荷物多すぎじゃない?」
「そうかな?せっかくのキャンプなんだよ。トランプに花火にお菓子・・・足りないくらいだよ」

あ〜すずきさん、まさにもおかしください!!

「んふふ まさきちゃん 今食べたら 夜の楽しみなくなっちゃうんだろうね」
「・・・」

あれ? さやしさんは 楽しみじゃないんですか?

「え いやいや そんなことないんだけど キャンプ場までどうやって行くのかなと思って」

それなら まさがぴょーんと皆さんを送りますよ はーい こっち来てください
1、2、3・・・8 ! よし みなさん いますね〜 とうっ

「イテッ 転んじゃったよ」
「もう 里保ちゃんは相変わらず転びやすいんだから。それにしても暗いね」
「あ、ありがとう香音ちゃん。まーちゃん、ずいぶん森の中に跳んだんだね」

え? さやしさん 何言ってるんです? ここ 草原ですよ

「そ、草原って こんなに暗いのに?なんだか 夜みたいな暗さなんだけど」

おーう そのとおりですよ 今は夜の0時です

「な、何言ってるの? ほら集合は 朝の9時だって聖ちゃんが教えてくれたんだよ」
(・・・ま、まさか、ここって)

すーずきさん 時差って知ってます? アフリカは日本が朝だと夜なんですよ

(キャ、キャンプゥゥゥゥ???)  (続く

88 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:48:00
「ア、アフリカァァ? なに まーちゃん ふざけてるの! 危険だから 辞めようよ」

あれ どぅー びびってるの?

「そ、そんなことないって だけど 色々と大変なことあるでしょ!」
「そうですよ、パスポートとかビザの関係とか」
「いや はるなん そんなことは 今 どうでもいい」
「どうでもよくないですよ 一国民として 国際情勢に影響を与えることは」

え〜 なにいってるの〜 まさ わかんない

「まーちゃん とにかく 今すぐ リゾナントに戻る・・なんか 今音 しなかった」
「うん あのあたり 懐中電灯が確かあの辺だよね」

ガオッ!!

「うわああああ〜 逃げろ〜」
「ねえ あれ トラ?」
「ライオン」「ライオン!!」

イシシ 4人とも元気だね〜

「何 落ち着いているの まさきちゃん! 早くリゾナントに戻りましょう」

え〜 まさたち5人だけ帰るの?

「そう 帰る・・・へ??? 5人」

そーだよ 譜久村さん 生田さん 鞘師さん 鈴木さんは別のところに跳ばしたの
地図を渡しておいたから 印のところで合流するの
どうする 先にまさたちだけ 帰る(ニコニコ    (続

89 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:49:43
>>72-74

「あんたは!」

忘れもしない
春水の脚がおかしくなった日
あの日に追いかけて来たおっさん2人の内の1人

服こそ違うけど、背格好はあの時のおっさんそのままや

「あんたの……あんたのせいで、春水の脚は!」

春水はおっさん目指して走り出す
それと同時に、傀儡師の蹴りが春水の自慢の福耳を掠めた

「うわっ!」

慌てて後ろに下がる

「落ち着け。あいつは本物じゃない」
「……なんやって?」
「変身して見た目が変わっただけさ。本物は別にいる」

そんな超能力もあるんや
って言うか

「おっさんが黒タイツとか、キモイで」
「うるさいよ! のんだって嫌なんだよ!」

声も変わってへん
本当に見た目だけなんや

90 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:50:13
「それより、普通は違う驚き方をするはずだ。目の前で人間が別の人間の姿に変わったらさ。つまり」

……なるほど

「ウチが超能力の存在を知ってる、って言いたいんか」
「当たり」

春水にカマをかけたんかいな
この傀儡師って人、蹴りだけやなくて頭もキレるみたいやん

「君の超能力、あたしらに教えてくれないかな。尾形春水ちゃん?」
「なんやねん……春水の名前、知っとるやんか」
「ああ。それに、ここがどこかも知っている」

傀儡師が足元を指して言った

ここは、春水の家の近くの森の中
けど、森の一部がゴッソリ消えた様になってる

「去年の秋頃、火災により森林の一部が焼失。不法投棄されたドラム缶に残っていた燃料に引火した事が原因とみて、現在も捜査中。と言うのが世間の認識だ」
「……それが春水と関係あるんか?」
「君が森林火災の原因」

そこまで知っとるんか
この人ら、何者なんや

「君は、火を操る能力者なんだろう?」
「……ノーコメントや」

91 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:50:44
〝火を操る能力者〟
間違ってないけど、正解とも言えん……気がする

「君は、あたしらの間じゃ〝火脚〟って呼ばれてる」

傀儡師がゆっくり近付いて来る
春水は距離を保つ様に後ろに下がる

「なかなかカッコ良え名前、付けてくれてるやん」
「本当の事が知りたい。君の能力の全てを」
「お断りや」

春水かて、実際は知らん事の方が多い

脚から火が出たんは間違いない
けど、樹やドラム缶が飛んで来たのも春水のせいやったんかは今でもわからん

自分でも使いこなせてへん超能力の事が知られて、周りの友達とかは怖がって春水に近寄って来んくなった

だから、秘密がバレる事に怯えて過ごした
口外させん様に脅したりもした
でも、結局なんも解決してへん

春水の人生は、あの日のこの場所で狂ってしもた
もう嫌や──

「本当は……こんな力を使うの嫌なんや!」

──シ+念=カナ ──〓〓〓キネシス

92 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:52:47
>>89-91

今回はここまでです。
関西弁も難しいです。

修行シリーズ(?)も1レス32行いっぱい使ってるみたいですね。
先が読めない展開に毎回ワクワクしています。

93 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:55:33
>>87-88

「みずき! まさきちゃんの計画知ってたと?」
「そうだよ! アフリカにキャンプなんて 危険なんだろうね」
「え? え? そんなこといわれても聖も知らなかったんだよ」

「はあ、まーちゃんが計画したことだから なんか嫌な予感はしてたんだよね」
「里保ちゃん 本当にそう思ってた?」
「な なにを言ってるんだ! 当たり前じゃろうが!」
「りほ 広島弁出てると」

「それよりも まず明かりをつけて朝までどうにかしないといけないと思うんだ
 ここにまさきちゃんからもらった地図があるんだけど」
「地図? じゃあ、ここのおおよその場所の目安がつくね
 貸して、香音が懐中電灯もってるから」

「「「・・・」」」」

「世界地図ぅぅぅぅ!?」
「こんなものでどうすればいいとよ! まずこの国どこよ」
「どっちが北とかわからないんだろうね。本当に安全なの?」
「・・・危険だ、まーちゃん 恐ろしい」

「と、とりあえず 洞窟とか身を守れそうなところを」
「いや、ここはサバンナっちゃろ?そんなものなかとよ
 とりあえず、今日はえりが糸で猛獣が近づいたらわかるように結界張るけん 3人は休んでいて」
「えりちゃん居てよかった。フクちゃんいるから怪我も治せるし」
「ウフフ、里保ちゃんもいるから猛獣もなんとかなるかもしれないんだろうね」
「香音ちゃんのお菓子もあるから食事もなんとかなるかな?」

「・・・あっちの5人は大丈夫かな?」
「さあ、なんとかなるんじゃない?」

94 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:57:56
>>89-91

樹の間から一斗缶が飛んで来て、真っ直ぐに傀儡師に向かって行った

「来た!」

傀儡師がタブレット端末を取り出した
レンズは一斗缶に向いている

ビデオカメラで撮影でもする気かいな

「こんのっ!」

バンッ!

変身女子(おっさんBモード)が傀儡師の前に立ち、一斗缶を両腕で受け止めた

「ナイスキャッチ。で、なんて書いてある缶だ?」
「えーっとね……〝キャノーラ油・A〟だって」
「だってさ」

傀儡師がタブレットに向かって話す

ビデオカメラやのうて、テレビ電話なんか?
相手は誰やねん

「とりあえず、コレ返す!」

変身女子(おっさんBモード)が、一斗缶を春水に投げて来た

「……止まれ!」

春水の合図と同時に、一斗缶が空中で静止し地面に落ちた

95 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:58:28
ホンマに止まった
春水の超能力って、脚から火が出るだけやないんか?

「念動力系統は間違いない無さそうだが」

タブレットを春水に向けつつ、考える仕草をする傀儡師

「もっと攻めてみる?」
「そうだな、頼んだ」
「オッケー!」

変身女子(おっさんBモード)が、春水に向かって来た

「コレ使ってやる!」

さっき地面に落ちた一斗缶を掴み、春水目掛けて振り下ろす変身女子(おっさんBモード)

アカン!
あんな重そうなモンが当たったら、春水の顔が崩れてしまう
崩れるのは変顔だけで充分や!

「燃えろ!」

脚に力を入れて、火が出る様に念じる
何も起こらない

今まで、望んで火が出た事はなかった
思わぬ時に火が出て、たまたまその場におった友達とかにバレて……

「……やっぱアカンか!」
「なんだよ、フェイントか?」
「ちゃうわ!」

96 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:58:59
一斗缶が迫る
慌てて後ろに下がる

ドォン!

勢い良く地面に叩きつけられた一斗缶は、容器が壊れて中身が辺りに溢れた

「うわっ! 掛かったぁ!」

変身女子(おっさんBモード)は、全身に油を浴びてテッカテカになった
頭は元から光っとったんやけど
ってか

「あんた、アホやろ」
「うっさい!」

変身女子(おっさんBモード・テッカテカVer.)が右パンチを繰り出す

一瞬で春水の懐に来た変身女子(略)

突っ込んでる場合やなかった
速すぎて避けられん!

──シ+念=カナ ──〓〓〓キネシス

「なんだ!?」

変身女子(略)は脚を滑らせながら地面に倒れた

「イテテテ……今のは?」
「大丈夫か、何があった?」

97 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 08:59:33
傀儡師が近づいて来た
手にはやっぱりタブレットを持ってる

「今、足元の油が動いたみたい……」
「油が……? どう思う?」

タブレットに話し掛けた傀儡師
すると、タブレットから女の人の声がした

『候補に出したでしょ。その子の能力はパイロキネシスじゃない。保有能力は〝オイルキネシス〟よ』
「オイルキネシス……油限定の念動力か」

春水の能力は、油を動かすって事なんか?
自分でも分からん超能力の事が、なんでこの人らが分かるん?
だって

「脚から火が出たんはどう説明すんねん!」

脚から火が出るなんて、怖すぎるやろ
そのせいで周りのみんなは離れてった
春水が一番に嫌なのは、火が出る事や
油を動かすだけだとか、納得出来んわ!

「確かに、そうだな」

傀儡師が、タブレットから春水に視線を移した

「ここまで付き合ってくれたお礼だ。あたしらの結論を教えてあげるよ」
「親切やな」
「礼はいらないよ。ま、言う気もないだろうけど」
「良いから、はよ言わんかい!」

98 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 09:00:04
──油念動力──オイルキネシス

地面に流れていた油が、傀儡師に向かって行く

「自分の能力を理解すると、能力の精度も上がる。若い子は成長が早くて良いね」
「そんな余裕でええんか!?」
「……ああ」

──精神干渉──マインド・コントロール

「なんや……?」

急に力が、抜け

「あたしの能力さ。もう少し、協力してもらうよ」

戦う気がなくなっていく
身体から力が抜けて、動きが止まる
春水に倣う様に、傀儡師へ向かっていた油も動きを止めた

「良い子だ。早速だが、手首にある物を外してくれ」

99 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 09:01:00
>>94-98

今回はここまでです。

尾形さんの能力設定はいかがでしょうか?

100 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 09:02:34
>>93

「小田ちゃん、私の手つかんで!!」
「あゆみん、リオン全力で走らせて!大丈夫、はるが周り見渡しているから!」

うわ〜 あゆみんのリオン 速いね〜 まさ 久々にのったわず

「ふふふ、これは日々の鍛練の賜物よ。サバンナを走るリオンとか格好いい!!」
「石田さん、ターザンみたいです」
「な、なぬっ?」

小田ちゃん ターザンってなあに?

「まさきちゃん ジャングルの動物達と友達になった人のことよ。リオンを操っているからそう例えたのかな」
「ライオンとトラも区別つかないのにね」
「う、うるさいな!ちょっと間違えただけじゃない、ほんの少し」

ふ〜ん それでリオンでどこにいくの?

「とりあえず朝になるまで安全なところにいるほうがいいと思うから。あの洞窟とかどうかな?」
「え〜洞窟?」

Doどぅ 怖いの?

「こ、怖くなんかないって。ただ蛇とかいたらイヤだなって」
「私、蛇大好きですよ。かわいいじゃないですか」
「それより、譜久村さん達は大丈夫ですかね?こんな世界地図じゃなにもできませんからね。なんでこれ渡したの?」

こんなところ来たら地図なんて意味ないなう だから修行になるの!!
まさ達がふくぬらさん達を探す修行、ふくぬらさん達はまさ達が来るまで耐えるの!
・・・ところで、ここどこ?

「「「「アフリカ!!!」」」」  (続く

101 名無しリゾナント :2015/12/23(水) 09:03:54
「・・・えりぽん、変わろうか?」
「あ、りほ。まだ大丈夫やけん、ここはエリに任せてほしいと」
「・・・嘘つき。眠くて仕方ないに決まっているのに」
「それは里保もやろ?あんなに寝てばかりの里保がこんな時間におきとうのが不思議やね」
「・・・別に、ただ目が覚めてえりちゃんと代わってもいいかな、なんて思っただけだし」
「はいはい、ありがとう
 でもエリは本当に大丈夫やから、無理してないから、里保は寝てて」
「・・・わかった」

「よいしょっと、生田、変わるよ、お隣失礼」
「なんね香音ちゃん。別にまだ寝てていいとよ」
「え?せっかくの私の好意を無駄にする気?」
「いやいやそういうわけやないけど、エリがしっかり3人守るから香音ちゃんは休んでていいとよ」
「ふ〜ん、生田ってやっぱKY」
「な、なに言おうと!!」
「アハハ、怒った、怒った!あ〜あ、元気そうだから、お言葉に甘えて香音は休むね」

「えりぽん、見張り変わるよ。私の寝袋使っていいから」
「ありがとう、みずき。でも、もう少しエリ頑張るけん」
「え〜えりぽん、ずっと起きているじゃない」
「大丈夫、エリはいつも戦闘態勢がモットーやし、オールには慣れとうもん」
「そっか。じゃあ、聖はまた寝るから、えりぽん、頑張ってね」
「任しとき!!」

「・・・なんて言って寝てるのはどこの誰なんだろうね」
「まあ、えりぽんらしいですし、こんなに頑張ってくれたんだから、ね」
「少しはうちらにも甘えればいいのに、えりぽんは本当に強情者や」
「里保ちゃん、顔緩んでる」
「朝だから光がまぶしいだけだよ」
「ほら、二人ともえりぽんがおきちゃうよ。静かにして、ねぎらってあげましょう
 それに・・・どうするか考えないとね。こんな湖の浮島の上からどうやって帰るかを」  (続く

102 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:09:55
>>79-85 の続きです



はじめてその人に逢ったのは、じいさまの名代として東京に出てきた時のこと。

「方言がちょっと似ちょうね」

能力者同士の共同作戦。
自分以外は全員年上という状況で、舐められまいと標準語を使っていたはずなのに、地元が
近いと言うその人にはすぐに見抜かれた。
人見知りの自分には、それが嬉しかった。

それからしばらくして。
ふとしたきっかけで知り合った仲間と向かった喫茶店で、その人に再会した。
もちろん、嬉しかった。けれど、その感情を表に出すことができなかった。

そして一緒に時を過ごし、その人の凄さ、素晴らしさを肌で感じて。
尊敬に値するその人に、思ったことをうまく伝えられない自分は。

リゾナンターとして仲間たちの先頭に立ち戦う姿を見せることで、それを伝えようとした。
自分の背中を見て、それでその人が何かを感じ取ってくれればいいと思った。

それが、どれだけ伝わったのか。
今となっては知る事はできない。

機会は、永遠に失われてしまった。

赤い闇が静かに訪れ、私を呑み込んでいった。
残滓のような静寂。そこに私の感情など、存在しなかった。

103 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:10:31


雨脚が、強くなりはじめていた。
風が荒れ、空を覆う濁った雲が生き物のように蠢いて、絶え間なく地上に雨粒を叩きつけ続
ける。石畳を黒く濡らすそれは、瞬く間に水溜りとなって終らない波紋を描いていた。

降り注ぐ雨が少女たちの髪を、顔を濡らしていた。もっとも。
雨のことなど、少女たちにはどうでもよかった。

「道重さん…どうしてこんなことに…」

春菜の振り絞るような声。
まだ受け入れられない、そんな思いがそこにはあった。

誰かがうう、と泣き出したかと思うと、一斉に全員が嗚咽の声を漏らしはじめていた。
リゾナンターとなってから、さゆみと共に作ってきた思い出。それが、解けない魔法のよう
に彼女たちからいつまでも離れない。一緒に笑ったことも、そして後輩を思い泣きながら叱
り付けたことも。
それでもさゆみはもう、笑わない。ただ、安らかに瞳を閉じているだけだった。

悲しみに暮れる中、一人の少女が立ち上がる。
誰も気に留めないその行動を、その危険性を、側に居た香音だけが肌で感じていた。

「里保ちゃん!!」

香音の叫びと里保が飛び出すのは、ほぼ同時。
否。誰も、里保が動き出すのを捉える事ができない。

104 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:11:02
その凄まじい殺気に「金鴉」が気づいたのは、すでに至近まで接近を許した後のこと。
雨粒を弾き切り裂く軌跡に、身の毛がよだつ。

「てめえ!!」

反射的に右手を「硬化」させ防御に出る「金鴉」だが。
里保の姿は目の前にはなかった。

「何処を見ている?」
「はぁ?!」

咄嗟に天を仰いだ。視界に飛び込む、黒い影。
里保の両手持ちで構えた刀が今にも、「金鴉」を一刀両断しようと振り下ろされる。
手首を交差させ迎え撃つも、刃先はがちりと硬化した皮膚にめり込んだ。

「ぎっ!!」

里保を跳ね返すも、硬化したはずの肉体に刃が打ち込まれた。
激しい痛み、そして出血。だが「金鴉」を青ざめさせているのは紛れもなく、目の前にいる
得体の知れない存在。

激しい雨に濡れ、里保は刀をだらりと下げて立っている。
その瞳は、赤く染まる不吉な月のような。濡れそぼった長い髪もまた、毛先からじわりと赤
が滲んでいた。

「なんだ、なんなんだよ」
「……」

斬られた箇所を蟲の力で修復しつつも、「金鴉」は里保に苛立ちを隠さない。
先ほどの急襲が、まったく知覚できない。そんなことは、彼女が能力者として生を受けてか
らただの一度もなかった。先ほどまでの里保とは、まるで違う。
手首への一撃も、もう少し反応が遅れていたら恐らく切り落とされていただろう。

105 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:11:38
対して、里保は。
表情を崩すことなく、ただ視線を向けている。そこには感情というものが見て取れない。
眼球をただ標的に向けて照準を合わせているだけのようにも、思える。

「なんなんだよてめえは!!!!」

初めてと言ってもいい、生命の危機。
恐怖はそのまま憤怒へと繋がる。「滅びの力」「蟲の力」そして「肉体硬化」をフル動員
させて、目の前の相手を叩き潰すべく攻勢に移った。

が。当たらない。
さゆみの時もそうであったが。いや、それとは比較にならない。
本気を出せば当たるかもしれない。そんな気すら起こり得ない。拳を振りぬこうが、蹴り
を浴びせようが、まるで手応えがないのだ。

ぬるり、ぬるりと猛攻をかわしている里保には。
色というものが、まるでなかった。
無表情のまま双眸だけをこちらに向けている様は、まるで機械仕掛けの人形だ。

「ふっざけんなぁ!!」

「金鴉」の使役する、黒い羽虫たちが一斉に里保に襲い掛かる。
たかられたら最後、骨すらしゃぶり尽くされる。しかし、彼らは里保に辿り着く前に。
悉く、斬り伏せられていた。雨に紛れ、細切れにされた虫たちがぱらぱらと空を舞う。そ
の隙間を、「金鴉」が突いた。

目晦まし。
最初からそのつもりだった。いかに動きが速かろうと、一度捕まえてしまえばこちらのもの。
膂力でそのか細い首をへし折るのもいいが、道重さゆみの「滅びの力」で朽ちさせるほう
が皮肉が利いているだろう。
描いたイメージを実行に移すべく、死滅の力を漲らせた豪腕が唸った。

106 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:12:12
「遅い」

「金鴉」が鷲掴みにしたのは、ただの空気。
里保は、虚ろな顔をして背後に立っていた。降り注ぐ雨から作った水の刀が四本。それぞ
れが、「金鴉」の四肢を貫く。そして、四肢の交差点を結ぶ中央に、銀の刃は突き立てら
れていた。
何をされたかすら理解できない。そんな不可解な顔をしている「金鴉」とは対照的に。表
情を変えることもなく里保は、刺さった刀をゆっくりと、抜く。
同時に噴出する鮮血が、水溜りに混じり不吉な模様を描きはじめていた。

崩れ落ちる体が跳ね上げる、水しぶき。
後ろを振り返ることもなく、里保は後方にいた「煙鏡」に目を移す。

こんなにあっけなく、「金鴉」がやられるなんて。
信じられない。いや、それ以前に。
こんな話は、紺野からは聞いていない。
仕入れたリゾナンターたちのデータには、鞘師里保がこのような力を持っているなどとい
う記述はなかった。今回の戦闘で偶発的に発生した、イレギュラーな事態なのか。それとも。

「…次は、お前だ」
「はっ!く、来るなや!!」

赤眼の剣士の矛先が自分に向いたことを知り、慌てる「煙鏡」。
直感で、理解していた。今の里保に、「鉄壁」は通用しないということを。

「のんはまだ…まだやられてねえぞ!!」

背後から「金鴉」が里保に掴みかかる。
そんな奇襲はお見通しとばかりに体を半身ほどずらした里保は、最短のステップで逆に
「金鴉」の後ろに回りこみ、手にした刀で「金鴉」の首を貫き通す。

107 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:12:45
「がっ…がはっ!!」
「蟲の生命力で擬似的に不死になってるのか」

そして、そのあどけない顔からは想像もつかない力技で、強引に「金鴉」の体を引き倒し
て石畳に刀の切っ先を突き立てた。四肢に刺さっていた水の刀も同様に、地に抉りこまれ
る。さながら、磔のように。

そして地に縫い付けられ身動きの取れなくなった「金鴉」に跨った里保は。
腹の中央に刺していた刀を抜き、そして。深々と、突き刺す。
一度ではない。二度、三度。体を貫くたびに噴き出す血が、里保の横顔を朱く染めてゆく。
肌も、瞳も、髪も。すべて。

「さ…鞘師さん…?」
「あれは一体、鞘師さんが、鞘師さんが鞘師さんじゃないみたい…」

獣の咆哮にも似た絶叫が何度も木霊する。
今までに見せた事のない無慈悲な立ち振る舞い。
亜佑美が、遥が、恐れおののいていた。血のように赤い目、そして同様の赤に染められて
ゆく黒髪。その姿を見ているだけで、自分の魂に無限の剣先が突きつけられているような
感覚に囚われてしまう。

汗が止まらない。喉が、酷く渇く。
降りしきる雨に晒されているはずなのに、狂気に満ちた熱と、相反するような背筋の寒さ
が各々の心にこびり付いていた。

それは、彼女たちよりも長く里保に接している聖、衣梨奈、香音も同じこと。
里保が、まるで里保ではない。口下手で、不器用で、でもいざ戦いに赴く際には最も頼り
になる少女。よく知っているはずの「鞘師里保」は、そこにはいなかった。

108 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:13:17
「てめ…え…ぜったいに…ゆる、さねえ…」
「まだ、死なないか」

顔を染める血を拭う事すらせずに、冷たく「金鴉」を見下ろす里保。
刀から手を離したかと思うと、荒ぶる天に向かってその手を掲げ、降り注ぐ水を巻き取り。
息も絶え絶えな「金鴉」の顔面に叩き込んだ。

「がぼっ!!」

顔面に思い切り鉄球を打ち込まれたような、衝撃。
いや、それは次に訪れる悲劇からすれば些細なこと。
張り付いた水が「金鴉」の顔を覆い尽くし、決して離れない。掻いても掻いても、指は水
を通り抜けてしまう。
待っている結末は、窒息。死。

「宿主が死ねば、お前の体で蠢く汚らしい蟲も死ぬだろう」

呟くようにそんなことを口にする里保を、「金鴉」は死のヴェール越しに睨み付ける。
瞳に焼き付けられる、果てしない憎悪と、そして恐怖。

「こんなの、こんなの里保ちゃんじゃない!!」

聖は、否定する。受け入れられない。
確かに相手は、敵だ。自分達を陥れ、そのためにリヒトラウムに遊びに来ていた多くの人
々を犠牲にした憎むべき相手だ。でも。

彼女を止めるべきか。
幸い、後方の「煙鏡」は自分が戦禍に巻き込まれたくないのか、強張った顔をして遠巻き
に様子を窺っている。割って入るなら今しかない。

109 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:13:50
それでも、誰一人、動かない。
いや、動けない。頭ではわかっている。わかっているはずなのに。
理屈ではない。生物としての、本能。今あの場に行けば、命を失う。
里保がそんなことを、自分達に刃を向けるはずが無い。信じている、はずなのに。

「衣梨が行く」
「えりちゃん!!」

前に踏み出す衣梨奈を、間髪いれずに香音が制止する。
衣梨奈の表情に、悲愴な決意にいち早く気づいていたからだ。

「『精神破壊』は使っちゃダメだ!!」
「邪魔せんで!里保を、里保を止められるんは、衣梨しかおらん!!」

かつて里保が精神操作能力者の手に落ちた時に彼女の窮地を救ったのは、他ならぬ衣梨奈。
最大の出力で「精神破壊」を使った結果、里保を傷つけることなく相手を撃退することに成
功していたのだが。

「今の鞘師さんに、生田さんの『精神破壊』は危険すぎます」
「どうして!!」
「狂気で、狂気を鎮める事はできないからです」

あの時里保が現実の世界に戻ってきたのは、衣梨奈の奔流のような能力と里保の強靭な意思
がうまく噛み合ったから。でも、今は違う。最悪、二人とも失ってしまう。
春菜が私情を捨て、冷静に判断した結果の結論だった。

「じゃあ、どうしたらいいと!このままやったら、里保が…!!」

里保は。
いや、返り血に染まった剣鬼は。
ずたずたに切り刻まれた「金鴉」の上に跨り、刺突の構えで切っ先を心臓に向けていた。

110 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:14:37
静かに、それでいて力強く。
落とされる刃に、眼下の相手が最後の悪あがきを仕掛ける。

まっすぐに突き出さようとしている掌。
問題ない。掌ごと、貫き刺すだけだ。
そんな時。聞こえるはずのない声が、里保の脳裏に甦る。

― やめて りほりほ!! ―

「………みっ、しげ、さん?」

里保の呟きと、振り降ろした刀が砕け散るのは、ほぼ同時。
全身に刻まれた赤の憎悪。それが、波が引くように消えてゆく。
ただそれは、彼女自身の限界をも意味していた。
意識が、消えてゆく。まるで血に染まった負の力が退くのに巻き込まれるように。

膝から崩れ、そして地に伏す里保。
雨はいつの間にか、止んでいた。

111 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:16:05
>>102-110
『リゾナンター爻(シャオ)』更新終了

112 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:22:32
>>3-10

パイプ椅子が二脚とスチール製の机、その上に置かれた机上灯
鼻をつく黴の酸いた匂いとタバコのくぐもった臭いで思わず鼻がまがりそうになる
おあえつらえ程度に作られた小さな窓にはセンスの悪い艶やかな色のカーテン

「・・・どういうことですか?」
「なにがだ?」
目の前に座っている人物に小田は問いた
「・・・こんな話はお聞きしておりませんが」
「確かにこの部屋はきれいとは言えない。いや、汚いな、その点は認めるし、謝ろう
 しかし十分にこちらとしては丁寧にもてなしているつもりだ。贅沢なものだ。
 時間はいっぱいあるんだ。のどが渇いたろう?お茶だ」
そういって腰をあげ、部屋の片隅に置かれた冷蔵庫から琥珀色の液体の入ったガラス瓶を取り出す
「・・・へんなものではないですよね」
「失礼だな。ただの日本茶だ。自白剤とか混ぜてなどいないから安心してくれ」
自分で言ったことが面白い、とでもいうように口元を綻ばせてみせた

「あらためて問うが、小田さくら、ダークネスが一から開発に成功した能力者だな」
「・・・その言い方は好きではありませんが、真実です」
瞳に暗い光が一瞬灯ったが、相手は気づかなかったのか小田は判断できなかった
「能力は『時間跳躍』、5秒程度の時間を自分だけが動けるようになる。その間、君以外は時間が止まったことを認識できない」
人気のアニメキャラクターが表紙を飾るメモに書かれたのであろう『報告』を読みあげながる
「・・・ええ、ただ、その間の出来事は消えるわけではないので、銃弾は認識されない5秒の間でも5秒分の距離を動きます」
「なるほど」

テープレコーダーのアナログな音が会話の空間を埋める
「素朴な疑問だが、その5秒の間、君にとって時間はゆっくりと進むのか?
 それともわれわれが感じる5秒、そのものの長さなのか?」
「・・・5秒は5秒です」
そういって小田はパン、パン、パン、パン、パンと5回手をたたいた
「・・・このくらいの時間と感じてください。その間に超速度で移動できる、とかそんなことはありません」
「認識できない時間になんでもできる、というわけでもなさそうだな」

113 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:23:19
「・・・その通りです。自分だけの時間を作る以外はたいしたことはできません
 ・・・超高速で動くにはまた別の力が必要ですね。それこそ別の能力、ですかね」
「随分と自分を過小評価しているものだな」
「・・・過大評価するどこかの誰か、よりは優れている、とだけお答えしましょう」
「それは、私も知っている人のことか?」
「・・・ご想像の内に」
無表情という表情を浮かべた

突然隣部屋から悲鳴があがった
「ぎゃああああああああ」
その声に小田は聞き覚えがあり、壁際に駆け寄り、耳を当てた。何か漏れてくる音がないのか
「・・・石田さんですか」
「そのとおりだ」
「・・・何をしているんですか?」
「さあ??私にも詳しくはわからない。ただ、はっきりしているのは、相棒があの子をとても気に入ったことだけだ
 ちなみに彼女は君と違い、私達のもてなしを十分に喜んでくれたぞ」

「いやあああああああ、もふもふしてるううううう」
なおも続く石田の叫びで小田は壁から離れ、椅子に座りなおした

「・・・しかし、心配ではないのか?」
女は覗き込むように机に肘をたて、小田に声をかけた
「・・・何がですか?」
「隣にいるのは仲間だろ?私の目には君の表情が変わっていないように見えるが」
「・・・あの人なら大丈夫ですよ。自分でなんとかするでしょうし。
 ・・・大声をあげる、ということは元気に生きている証に他なりません
 ・・・それに、あなたがたがそんな乱暴をするはずもないですし
 ・・・あと、たまには痛い目に合えばいい。調子にのってばかりでしたから。」
「ハハハ・・・君はやはり面白いな」
女につられて、小田も笑う

114 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:23:58
小田のその表情を見て、女は真顔に戻った。一挙一動を逃さまいとする緊張感が再び部屋に満ちた
「ほう、ずいぶんいい笑顔だ」
「・・・どういう意味ですか?」
「いや、われわれの得た情報では、君は初め『笑う』という感情を持っていなかったと聴いていたからだ
 眉ひとつ動かさずに地下の組織を潰した、という報告もある
リゾナントでどういう経験をしたのかは知らないが、いい笑顔だ」
「・・・ほめ言葉として受け止めておきます」
「何も純粋な褒め言葉だ、それ以外の深い意味なんてない。笑うことはいいことだ。健康にも精神にも」

小田が女の常にあがった口角に目を注ぐ一方で、笑顔の女は手元に広げた別の資料にも手を伸ばした
「小田 さくら。誕生日、不明。血液型 不明。出生地 不明。まったく作る価値の乏しい資料だと思わないか」
「・・・そうですね。ただ何も無い、私は『無』から生まれた、と答えれば満足でしょうか?」
「満足はしないな。名前しかないなんて悲しすぎる」
小田は首を振った
「・・・ダークネスで教育された時には名前すらなかったですよ」
無言で女は資料を小田に手渡した。その資料に目を配り、沸々と怒りが込み上げてきたのか指先に力がはいる。

「ダークネスはコードネームを好むのか、わからないが、名前をつけたがる。万国共通だ
 私が把握しているのはGやAなんていうcodeもあるが、君のものはまた特殊だな」
「・・・いや、これはコードネームなんかじゃない」
憎しみで歯軋りを始め、爪が指に食い込むほどに拳を握りこむ
「・・・これはただの識別番号、ただの番号、私を人間ではなく、ただの兵器として存在させるだけのものだ」
資料を両手で細切れになるまで破き、破き、破き、地面に叩きつけた
いつの間にか立ち上がり興奮のためか肩を大きく上下させる小田を女は椅子に座ったまま見上げる

「水でものんで落ち着くがいい」
コップを差し出し、一気に飲み干した
「ただの水だが心を落ち着かせるには十分だろう。さあ、話の続きをしようか」
「・・・」

115 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:25:40
しかし小田は何も話そうとしない。沈黙に耐えきれず女が問いかける。
「どうして答えないんだ?何か不満でもあるのか」
「・・・はい。大いに不満があります」
小田は自身の前におかれつづけている、それを指差した
「・・・これはなんですか?」
「?? 何って、それは

 オリジン弁当ダ」

リンリンは満面の笑みで言った
「おいしいぞ。日本の誇る味だ」
「・・・いや、結構です」
「なんでダ?確かに刃千吏の経済事情でこんな古い日本支部の一軒家に連れてきてしまったことは申し訳ナイ
 だが、それ以外は一流のお茶葉に日本の名水、そして、美味しい日本の味だゾ」
カーテンはリンリンの私物だがそのファッションセンスが独特のため、小田には理解できなかったのだ

「・・・そこですよ。リンリンさんは中国出身ですよね」
「モチロンダ」
「・・・じゃあ、なんで中国料理でもてなしてくれないんですか!
 ・・・本場中国の料理を、炒飯を、麻婆豆腐を、そして小籠包を、小籠包を、小籠包・・・」
正直小田はリンリンにつれられてここに来るまでの間、非常に楽しみにしていた
刃千吏の総帥の娘でグルメがもてなしてくれる。期待せずにはいられようか
小田には無理であった。この家に到着するまでに口の中は唾液で満ち溢れていた
それなのに、それなのに
「・・・小籠包がないなんて」
「いや、そんなこといってもリンリンの地元は小籠包有名ではないからナ
 仕方ない、リンリンのオリジンのシュウマイを一個あげるから、機嫌を直して」
そこにぎゃあああとまた石田の声が響く

116 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:26:17
ついに我慢できなくなってリンリンは小田を連れ添い立ち上がり、隣部屋のドアを開けた
「うるさいぞ!ジュン!何しているダ!まだ小田ちゃんへのもてなしが済んでないんだ・・・?」
「・・・石田さん、なにしてるんです」
言葉を失いかけたリンリンともともと大きな眼をさらに広げた小田の目の前には
「あ、小田ちゃん、た、助けて」
「グルルル」
石田はジュンジュンもといパンダに抱きかかえられていた

「・・・ジュンはいったいどうしたんだ?」
興奮気味のジュンジュンに口をあんぐりさせたリンリンがようやく我に返り石田に問いかけた
「え、え〜と、リンリンさんと小田ちゃんがあちらで話されている間に私も弁当を用意されまして。
 それでジュンジュンさんがお茶を用意するといって席をたたれたんです」
じたばたとどうにか逃れようともがきながら答える石田の姿は捕えられた宇宙人の如く滑稽に映る

「それで、もてなしだと聞いていたので先にお弁当を選んだんですね
 ジュンジュンさんが帰られてお茶を出していただいたんですが、『石田ちゃん、そっちはジュンジュンのだ』って」
「・・・まさか石田さん、豪華なお弁当を選んだんではないですよね?」
「そ、そんなことない!ただ私はから揚げが乗っている弁当を選んだだけだ!!」
私は何も悪くないとでも言うように堂々と精一杯胸をはる石田だが、小田はため息をつく
「石田ちゃん、ジュンは肉食ダ。楽しみにしていたんだろう、その唐揚げを」
そうだとでもいうように「ガウッ」と吠えた

「え?パンダって草食ではないんです?」
「パンダだけどジュンジュンダ。肉が大好物だ。あと小柄でダンスが巧い子モ」
「!!」
慌ててまたじたばたと暴れだす石田をみて、小田はにやりとほくそ笑んだ
「・・・よかったですね。石田さん。最近、道重さんからの愛情が足りないってぼやいでいたところでしたからね」
「こらあ、小田ぁ!嘘いうなあぁぁ」
「ジュンジュンさん、石田さん、思う存分愛してほしいって言ってますよ」
それを聞いて俄然気合が入ったのか、道重には負けたくないと思ったのかジュンジュンは大きな体で石田を包み込む
「ぎゃああああああ」

117 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:27:49
それを一人冷静に見ていたリンリンはつぶやいた
「リゾナンターも変わったナ」

「ん〜もういい!自分でなんとかする!」
リンリンも助けてくれないと悟った石田はリオンを出現させた
「おう、青いライオンちゃんダネ」
動物好きなリンリンは目を凛凛と輝かせる
「ジュンジュンさん、怪我させたらごめんなさい」
十分にジュンジュンが自身を解放してくれるように力を抑えてジュンジュンの背中にとびかからせた
そのまま二人は床に倒れこみ、背中越しのジュンジュンを通し、石田にも相当な衝撃が走った
しかしジュンジュンのロックが緩んだ瞬間を逃さず石田は抜けだした

「イテテ。石田ちゃん、少しイタイネ」
パンダから人間に戻ったジュンジュンはリンリンの手を支えにして立ち上がった
「ジュンジュンさんが離してくださらないからです!」
「石田ちゃんがかわいいカラナ」
かわいいといわれて満更でもないが、あれほど長く抱き(かかえ)られたのは初めてであり当然身構える

「ん?ドウシタ?石田ちゃん、遊ぼうヨ」
「や、やめてください。も、もう・・・」
石田の構えをみて、小田が悪いことを考えたときの笑みを浮かべた
「・・・ジュンジュンさん、石田さんはジュンジュンさんと相撲をとりたいようですよ」
「 !! 」
慌てて首をふる石田だが、ジュンジュンはそうなのか、といって構えに入っていた
「うわわわわ、リ、リオーン」

ジュンジュンとリオンの立ち合いは大きな衝撃波を生み出した
空気が弾けたようにびりびりと窓ガラスが震え、リンリンの結いたポニーテールが揺れた
「すごいネ、石田ちゃん。ジュンに正面からぶつかるだけのパワーがある
 そして昼間の戦闘で魅せた機動力。実に頼もしいネ。そうは見えないが、度胸もアル」

118 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:29:36
それに同意するように小田は頷く。しかし、とリンリンは言葉を選びながら続けた
「小田ちゃんも気づいているんではナイカ?石田ちゃんの最大の弱点を」
「・・・弱点?」
小田は挙げることができなかった。石田はリゾナンターにしては珍しくバランスの取れたタイプと評価していたからだ
「そう、石田ちゃんは小田ちゃんが気づいているように突出した『何か』がない、そして何かが残念ダ」
当然気づいていると思いこんだリンリンは石田には聞こえないよう配慮しながらも断言した
「正確に言うならば、あと一歩、その一歩分の何かがタリナイ。すべてが平均以上ダガ、100点がナイ
 石田ちゃんらしさ、といってしまえばいいのかもしれないガ、実に残念ダ」
そう言っている間にジュンジュンに石田は再び抱え込められてしまっていた

「・・・残念ですか。それこそが石田さんの良さと私は思いますがね」
「それもまた真ナリ。長所は短所、短所こそが長所であるからナ」
じゃれるジュンジュンと必死になって逃げ惑う石田をみて小田は思う
(・・・それなら私の弱点はなんだろうか?時間を止め、自分だけが動ける空間を作る能力)

そうやって悩む小田を見てリンリンは細かく破り捨てられた小田の『番号』のことを思い出していた
(こうやって悩むなんて、リゾナンターに出会えてよかったナ
 誕生日もリゾナンターに出会ったあの日にしたそうだしナ
 君にはすでにいい名前が付いているから前を向けるだろう?)

「コラ、ジュンジュン、いい加減石田ちゃんと遊ぶのやめなさい!
今度はリンリンが石田ちゃんと遊ぶ番ダカラ!!」
そういいながらジュンジュンに駆け寄るリンリンのブーツから紙切れがふわりと舞い上がった
それは小田がびりびりに破った資料の一片

風になびかれて右に左に流れる紙切れ
何が記載されていたのか今は判断できないが、紙の中央にはたった一つの文字
それは終わりでもあり、始まりでもある、唯一の数字
破かれる前の資料にはこう記載されていた
『被験体名 小田 さくら(仮) : password is 0 』

119 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:32:32
>>112-118
『Vanish!Ⅲ 〜password is 0〜』(11)です
久々。おひさ〜。なんてねw
はっきりいって保管庫がなくなっても俺はモチベ変わらんよ。書くときに書き、落とせたら落とすだけ。
作者は作者の役割果たすだけでいいんじゃない?
この回は「からあげ弁当たべて怒られるだーいし」と「小籠包な小田ちゃん」をかきたかったから満足♪
タイトルの意味も半分示せたので、次回からは展開しますよ。

120 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:48:01
>>101

「なんとか朝を迎えましたね、おはようございます」
「・・・おはよう」「・・・」「・・・はよう」

おはよー! あれ はるなんにあゆみにどぅは声が小さいですよ!
あいさつしないと元気になれませんよ!はい、せーの

「「「「おはようございます」」」」

よくできましたっ さあっ 今日も元気に過ごしましょう

「ちょっとまって、まーちゃん さすがに一晩中 アフリカの洞窟で危険がないか視てたから疲れたよ」
「そうです まさきちゃん わたしも疲れたから すこし休みましょう」
「ごめん 休まないとリオンも動かせないから やすませて」

んもー みんな体力ないんだから! そのための修行でしょう

「・・・まあちゃんだけでよかったんだよ、はるは一言もするって言ってないのに」

ん? Doどぅ なんか言った?オダベチカを見習って、元気だよ

「いや、私も疲れてますよ。でもやるだけのことはしないといけませんし」
「小田ちゃん、何してるの?」
「携帯の設定いじってるんですよ。GPSついているから対応しているはず、と思いまして」

え〜 つまんない

「つ、つまんないって、まーちゃん 遊びじゃないんだよ!」

じゃあ、ふくぬらさん達はどうするの? あ、さっき、まさ、iPadしたけど圏外だよ

「あ・・・本当ですね。ダメみたいです。大陸の98%対応なのに」   (続く

121 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:50:03
「・・・えっと、えりにもわかるように説明して」
「はい。荷物はここにあります」
「それは知っています。続けてください」
「はい、寝袋は4つあります」
「はい、寝ることはできると」

「ごはんをたくための飯盒があります」
「はい」
「しかし、お米がありません」

「野菜を斬るための包丁があります」
「はい」
「しかし、野菜はありません。もちろん、お肉もありません」

「コップが4個あります」
「はい」
「しかし、飲み水は各自のペットボトルしかありません」

「お菓子はあります」
「はい」
「しかし、まーちゃんがいつのまにかジョロキア・ハバネロ入りの激辛に変えてしまいました」

「ライターはあります」
「はい」
「燃やす木がありません。この島には木がありません。」

「周りは水に囲まれています」
「はい」
「深さがどれくらいあるかわかりません。釣竿もありません。もちろん飲むのは危険です」
「・・・」「・・・」「・・・」「・・・」
「「「「NOおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」」  (続く

122 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 11:59:27
『ある変態な一日』

758 名無し募集中。。。2015/08/09(日) 10:59:55.56 0
リゾナンター工藤遥の部屋に潜入調査するダークネスの羽賀諜報員という話で一本

759 名無し募集中。。。2015/08/09(日) 11:51:25.58 0
ハンガートラップにかかる諜報員朱音…その時目にした光景とは!?





シパパ

760 名無し募集中。。。2015/08/09(日) 14:03:03.75 O
やっやめろよみずきちゃん!羽賀ちゃんがみて…ああっふっふぅ


シパパパパパ

761 名無し募集中。。。2015/08/09(日) 15:18:09.76 0
ノリ*‘. 。‘)<これが譜久村聖の「複写」の儀式!なんて羨ま・・・恐ろしいの

762 名無し募集中。。。2015/08/09(日) 17:48:31.15 0
ふくちゃんがくどぅーの「千里眼」の能力複写したら・・・やばすぎるなw

763 名無し募集中。。。2015/08/09(日) 18:47:31.54 O
ふくちゃんに持たせてはならない能力一覧

千里眼 言わずもがな
物質透過 鍵をかけた部屋に楽々侵入
感覚占拠 その気がなくとも即発情
振動 またのきか(ry

764 名無し募集中。。。2015/08/09(日) 19:21:19.90 0
精神官能とかムチとかツブシがきく能力がいっぱい

765 名無し募集中。。。2015/08/09(日) 19:58:47.34 0
そう考えるとどんな能力でもダメなんじゃないか?って気がするw

そもそも「複写」能力って時点でアウトのような?ww

766 名無し募集中。。。2015/08/09(日) 20:05:07.06 0
使う人間次第で正義の味方にもエロの化身にもなれるという諸刃の剣
それが”能力”

767 名無し募集中。。。2015/08/09(日) 20:53:41.16 O
ホントにこの住人はフクちゃん好きだな君が

768 名無し募集中。。。2015/08/09(日) 21:32:10.24 0
さゆとはるなんが再会したようだ。

769 名無し募集中。。。2015/08/10(月) 00:09:05.79 0
はるなんは変1に接触し変2の暴走を止める算段か…毒には毒を!変態に変態を!w

770 名無し募集中。。。2015/08/10(月) 00:58:36.49 0
変態×変態で変態倍増

771 名無し募集中。。。2015/08/10(月) 06:33:06.93 0
昨日は変態な日だったなw

123 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:00:46
>>121

3時間 経ちました〜 はい おきましょう!!

「すこしは体力戻ったけど、どぅは千里眼使える?」
「うん、なんとかあゆみんは?」
「・・・まだちょっときついかな?はるなんは?」
「うん、がんばれそう」

よ〜し、みんなふくぬらさん達を探しに行きますよ

「佐藤さん 譜久村さんたちがどこにいるのかわかるんですか?」

え〜 それを探すのが修行だから どぅとはるなん頑張って

「なんではる達が?」

どぅとはるなんでふくぬらさんの居場所を探さないと場所わからないから
まさは適当にこの辺、って飛ばしただけだから

「この世界地図のどのあたりですか?はい、なるほど、ありがとうございます。この辺り、だそうです、工藤さん」
「無理いってばっかりだよ。ふぅ、やるけど、はるなん手伝って」
「はい。いきますよ」
「・・・・」
「視えた」「私も」
「どこ?譜久村さん達はどこにいた?」
「・・・湖の上の孤島」
「は?」
「おっきな湖の上の浮島にいる」

へ〜 あそこ湖の上だったんだ 暗くてみえなかったわず
これで目的地わかったし、急いでいきましょう!!
さ、まさたちもレッツゴーー!!      (続

124 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:02:45
「りほちゃん、なんとかならない?」
「さすがにこれだけの水を操るのは無理だよ」
「香音ちゃん、なんかいい考え浮かばない?」
「う〜ん・・・難しいんだろうね、香音の透過なんて役立ちそうにないし。えりちゃんのワイヤー操作は?」
「捕まえるとかはできるかもしれんけど、ここから出るとかは無理やけん」

「じゃあ、魚を捕まえることはできるんじゃない?」
「でも、魚がみえんとえりには無理やし」
「あ、それくらいなら私に任せて。渦巻きくらいは作れるから」
「うわあ、りほちゃん、すごい、湖に大きな渦ができた。ほら、えりぽん、あそこに魚がいるよ」
「よし!今、このときにワイヤー伸びりい!!」
「ナイスキャッチだ、生田」

「・・・でこの魚どうやって食べると?」
「任せて香音がさばいてあげるから」
「さすが、香音ちゃん」

「なにしてると、里保?」
「ラ、ライターがつかなくて」
「貸して、なんやつくやん。もしかして使ったことないと?」
「そ、そんなことないって!調子が悪いだけだよ、ほら、着くから」
「里保ちゃん、どや顔する必要ないと思うんだろうね」

「では、試しにいただきます・・・」
「どうやった?」
「・・・不味い。泥みたいな味がする」
「そんな、せっかくの食料なのに、ハーブ塩さえあれば」
「いやいや、普通の食卓にない調味料出されても」
「あ〜聖、まさきちゃんの能力コピーがあと1つあればなんとかなるのに」
「・・・フクちゃん、あと一つって言った?じゃあ、一回は使えるの」
「え?うん、そうだよ、でも3回しか跳べないから、4人脱出はできない」
「「「3回もできるならはやく言え!!!」」」   (続く

125 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:15:54
「あゆみんがんばって」「あゆみんファイト」あゆみん いけ〜〜「石田さん もっと頑張れるはずです!」
「ハア、ハア・・・もう疲れた。ねえ、少し休ませてよ」

え〜 あゆみんもう疲れたの?まだ2時間しか経ってないよ

「まーちゃん、リオンに5人のせて、2時間サバンナを走りっぱなしなんだよ
 フルマラソンよりも長い時間かけて、長い距離走らせられてるんだからさ、少しは労わってよ」
「う〜ん、それもそうですね。くどぅ、このへんで日差しはないか探してもらえる?」
「そうだね、ずっと座ってばかりではる、疲れちゃった。あっちに池があるので休みましょう」

うん! まさ、お菓子もってきたの! はい、小田ちゃんあげる

「あ、ありがとうございます。手づかみでグミですか・・・」
「まーちゃん、私にも頂戴!」

はい、あゆみんにもあげる

「・・・なにこれ?」

ヌガー

「・・・なにそれ? ??? (パクッ) !! おいしい!! これってフランスの味?」
「なんでまーちゃん、こんなにお菓子持っているの?」

ふくぬらさんのカバンに入ってたわず。まさが美味しそうだから交換したの。こっちはうぃくたさん、さやしさん、すーずきさんの!

「へ〜って、こんなにあるんじゃ 譜久村さんたちの食料はどうしたの?」

サバイバルだからないよ。 でもかわいそうだからまさのおきにいりのせんべいは入れたよ。あゆみんあげる!

「ヌガーうめ〜! これもいただきっ! ・・・・ひぎゃぁぁぁああああ みず〜〜〜〜」  (続く

126 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:22:09
『幼女狩りの時間』

888 名無し募集中。。。 2015/08/18(火) 13:19:21.30 O
フラゲ日だー
新曲作品くるー?

889 名無し募集中。。。 2015/08/18(火) 13:59:41.72 0
来る
きっと来る

890 名無し募集中。。。 2015/08/18(火) 16:41:49.66 O
889
きっとアカンのが来るで

891 名無し募集中。。。 2015/08/18(火) 19:29:17.26 0
| 。.・)

892 名無し募集中。。。 2015/08/18(火) 21:51:24.73 0
さあ 幼女狩りの時間なの

893 名無し募集中。。。 2015/08/18(火) 22:37:03.33 0
あの吉澤さんの名言が台無しw

898 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 08:03:45.82 0
892
_l‘)< ですわ
e゚ リ < ですね

899 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 10:33:53.16 O
現体制は幼女供給システム(小田村みずら)の連携がすごいからな
時間跳躍と接触感応のコンビネーション恐るべし

900 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 12:26:11.17 0
リゾナンターは性戯の味方だから

901 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 12:46:17.91 0
字が違うwwwwwww

902 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 15:29:47.73 0
| 。.・) <幼女は正義なの
_l‘)< ですわ
e゚ リ < ですね

903 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 16:56:05.57 0
ホゼナンターとしては902の人物たちを監視する必要があるな

904 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 17:29:15.19 0
Σノハ;*゚ ゥ ゚)<え!?幼女に性戯・・・?

905 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 17:31:56.54 0
タイーホしたぞ!/                \ 謝ってもダメ!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ゴメンナサイナノ ヤラナキャヨカッタデスワ ̄∨ ̄ ̄ ̄
  ___.                           ___.
 ヽ=@=ノ      oノハヽo  ノノハヽ☆ ノハヽ☆  ヽ=@=ノ
 ( ´∀`)      (・ 。.・*从 (‘ l_‘∮从 リ゚e゚*リレ  (´∀` )
 (つ ☆ つ ―――⊂-⊂― )-⊂-⊂―)⊂-⊂―)―⊂ ☆ ⊂)
  | 警察 |       | | |   | | |  | | |    |.警察 |
 (__)_)      (_(__)  (_(__) (_(__)  (_(__)

907 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 18:39:54.16 0
幼女に性戯はタイーホでも仕方ない

908 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 19:48:21.18 0
从*´◇`)< こうして世界の平和は守られたんだろうね

909 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 19:57:48.30 0
あの変態が最後の一人だとは思えない・・・

127 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:26:34
910 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 20:36:45.64 0
リリイベMC。
工藤「私この曲(OMW)で一番好きなところがあってダンス組が2人で向かい合うダンス見たいです!」
ダンス組「えー恥ずかしいー!」「だって太もも触れるんですよ!(迫真」「誰の太もも触りたいの?」「譜久村さん」
工藤譜久村の太ももに手を添える。工藤「私今一番勝ち組です!」 via Twitter for iPhone
2015.08.19 19:25

MVのダンス講座にて
鞘師「そう言えば!MVでえりぽんにガッツリ太もも触られてて」
譜久村「なに喜んでんだよ!」
工藤「いいなぁ触れて…」
譜久村「触りたいんだー」
事案発生。工藤譜久村で披露する事に。
鈴木「いつから変態講座になったんだ。」 #morningmusume15

@
娘。川崎チッタリリイベ ダンス講座コーナー。 Omwのダンス四人組がステージ中央で踊る事になった時、
譜久村さんが照れたり生鞘の二人が「えーッ」と嫌がる素振りを見せる中、
石田さんだけが「やりますか!」と素早く譜久村さんの元に。やる気満々かww

911 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 20:55:58.96 0
おいおい…ネタだったのにリアルに変態じゃねーか!wだーどぅーまでどうなってんだ?

128 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:27:12
治癒の能力とは…

細胞を活性化させることによる、細胞の超再生。
というのが定説であった。
ところが、ここに来て新説が浮上してきている。

すなわち、対象に接触することにより能力使役者の体液を浸潤させ、体液内のDNAを対象者の体内に侵入。
体内のDNAが対象の細胞を活性化させるというものだ。
これにより、「治癒能力者」が必ず能力使役対象に接触しなければならないという最大の謎を解明すること
が可能となったわけだ。

129 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:28:11
しかし、この原理だと副作用も生ずる。
すなわち、治癒の源が能力者のDNAであるがゆえに対象者が能力者の影響を多少なりとも受けてしまうということ。
例えば、能力者と同じ嗜好の持ち主になる可能性が考えられる。

自分のことがかわいいと思うようになる。
運動するとすぐに足が攣ってしまう。
歌唱力が著しく低下する、等々。

つまり、10数人程度の集団で治癒能力が使役された場合。
最終的には全員が治癒能力者と酷似したパーソナリティの持ち主になる可能性があるかもしれない。




| 。.・)  ノノ∮‘ _l‘)|||9|‘_ゝ‘) ノリ*´ー´リ 从*´◇`)ノハ*゚ ゥ ゚) 川c ’∀´) 川* ^_〉^) ハo´ 。`ル 从 ´゚e゚ リ








从*・ 。.・)从*・ 。.・)从*・ 。.・)从*・ 。.・)从*・ 。.・)从*・ 。.・)从*・ 。.・)从*・ 。.・)从*・ 。.・)

130 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:33:21
914 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 22:54:26.74 0
うわぁああああ

915 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 23:02:10.37 0
リ*‘. □‘){ .。oO 从*・ 。.・) <( 変態は幼女の中から蘇るの…)

916 名無し募集中。。。 2015/08/19(水) 23:05:28.24 0
ぎゃー!変の軍団きたーガクガクブルブル

だがある意味「新説」と言うより「真理」だなw

917 名無し募集中。。。 2015/08/20(木) 00:08:42.41 0
AAでこんなに恐怖を覚えるなんてw
戦慄が走ったw

919 名無し募集中。。。 2015/08/20(木) 08:28:11.63 0
ノノ*・_l ・) ノナo’u’o)。。8‘ ー‘)ノリ*‘. 。‘)→ 从*・ 。.・)从*・ 。.・)从*・ 。.・)从*・ 。.・)

こうなる日も近いのか・・・

920 名無し募集中。。。 2015/08/20(木) 13:10:10.60 O
Z→全員
D→どこかへ
A→?

921 名無し募集中。。。 2015/08/20(木) 15:02:28.17 O
AはああっふっふぅのA

922 名無し募集中。。。 2015/08/20(木) 15:24:40.43 O
全国同時ああっふっふぅ

923 名無し募集中。。。 2015/08/20(木) 18:49:58.65 O
922
これぞ共鳴現象

924 名無し募集中。。。 2015/08/20(木) 21:15:40.93 0
シパパって効果音が聞こえる訳だw

131 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:39:03
>>102-110 の続きです



目を疑うような光景が、広がっていた。

非の打ち所の無い勝利のはずだった。
事実、自分たちはあの恐ろしい悪魔を無力化することに成功した。
そう、思っていた。

「天使の檻」襲撃チームのアタッカー部隊である「ベリーズ」「キュート」の波状攻撃に、なす
術もなく崩れ落ちた「黒翼の悪魔」。そして、ついに「ベリーズ」の展開した特殊空間陣によって闇の彼方に沈められた。
一度取り込んだら、決して逃がさない。
「七房陣」の恐ろしさは、苦楽を共にした「キュート」のメンバーなら全員知っていた。それなのに。

あの悪魔は、いとも簡単にそれを破ってみせた。
全身を切り刻まれ満身創痍だったあの女を飲み込んだ異空間、それが弾けるように破壊し尽され、地に伏した「ベリーズ」のメンバーの中心に「黒翼の悪魔」は立っていたのだ。

132 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:40:40
「いやあ、意外と時間がかかったねえ」

能登有沙の能力によって封じられたはずの、「黒血」。
しかし、悪魔は全身から漆黒の血液を流しつつも、その背中にはまごう事なき黒翼がはためいていた。

「ベリーズ」のキャプテンである佐紀が、地に伏せつつ信じられないものを見るような顔つきで悪魔を見上げる。
いや、彼女だけではない。その場にいる全員が、不可解と恐怖の入り混じった視線をそこへ向けていた。

「そんな…うちらの『七房陣』、ううん、『八房陣』は完璧だったはず…なのに」

茉麻の悔恨に満ちた言葉が、むなしく響き渡る。
田中れいなに「七房陣」を破られてから。
「ベリーズ」のメンバーたちは自分たちの力を磨き、技はさらなる進化を遂げた。
その名は、今は亡き友のために。七つの力に、忘れないと心に誓った少女の名を添えて。「七房陣」は「八房陣」へと生まれ変わった。

だが、蓋を開けてみれば、強固なはずの陣はあっさりと破られてしまった。

「まあ確かに厄介な陣だったけどね。けど、『キッズ』総出で甚振ってくれたおかげで、『悪い血』が早く流れ出きったから。ある意味、助かったよ」

黒血とは、微小なナノマシン群によって構成される特殊な血液。
とは言え、血液を作り出すシステム自体は普通の人間と変わらない。能登の能力は、「現存する」血液の力は完全に封じることができた。だが、彼女の死後「新たに作り出された」血液には効果は及ばない。
そして外界から遮断された空間は、汚染された血を洗い流し、新たな血液を生み出すには格好の場所となったのだ。

133 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:41:55
まさに皮肉な、結末。
苦悶と、無念の表情で次々と頭を垂れてゆく「ベリーズ」メンバーたち。

「あんたたちがごとーを隔離してくれなかったら、やばかったかもね」
「ま、舞波…」

最後まで踏みとどまっていた桃子も、ついに旧友の名を口にしつつ意識を失ってしまった。

「みんなを助けるよ!!」

リーダーの舞美の声が、一際大きく響く。
その声の力強さに我に返った「キュート」のメンバーが、瀕死のはずの敵目掛けて駆け出した。
「ベリーズ」が瓦解した理由はわからない。けれど、先ほどまでの優勢がそう簡単に覆るわけが。
しかしその侮りは、意外なものたちによって覆された。

「どういうつもり?」

打ち放たれた千聖の念導弾。
それを「黒翼の悪魔」に届く前に無効化した相手に向かって、舞が問う。
赤と黒のコントラスト。黒目がちな瞳が、嬉しそうに細くなった。

「どういうつもりも何も。最初からこうするつもりだったんですよ?」
「あんたたち、まさか」
「そのまさかだよっ!!」

赤と黒の影が、早貴を襲う。
咄嗟に回避行動に出たものの、その鋭い爪は早貴の二の腕あたりを掠めていた。
先ほどの少女と同じような赤い帽子を被った、猿に似た少女が血に染まった爪を見てほくそ笑む。

134 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:43:18
「なるほどねえ。『ジュースジュース』は、ダークネスのスパイだった、と」

愛理が、いつものとぼけた口調で事実を確認する。
敵であるはずの「黒翼の悪魔」に従うその様子。操られているようにはとても見えない。

「ええ。潜入は楽でしたよ」

「黒翼の悪魔」を守るように、立ち塞がる四人の少女たち。
彼女たちの中での一番の年長者が、こともなげにそんなことを言った。

「さて。私たちの任務は二つ。ひとつは、警察機構の対能力者部隊に潜入すること。そしてもうひとつが…」
「ちょっとうえむー、何やってんの!!」

猿顔の少女が、慌てたようにその名を呼ぶ。
そうだ。確か「ジュース」は五人組の構成だったはず。ではあと一人は。

「ああああっ!!!!!!」

すらっとした長髪の少女が、嬉しそうに誰かを抱きしめている。
いや、違う。強靭な両腕は、がっちりと相手を捕らえて離さない。足が地面に届かないのか、もがくようにばたつかせている。
抱きしめられていた小柄な女が、潰された声を上げていた。

「佐紀!?」

顔を青白くさせ悶絶しているのは、「ベリーズ」のキャプテン清水佐紀。このままでは彼女の命が危ないのは明白だった。
泡を吹き、血さえ流しているのを見た舞美が助けに入ろうと、ベアハックを極めている少女へ突進したその時だ。

135 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:44:25
足元に突き出た、黒鉄の牙。
気づくのがわずかでも遅かったら、貫き刺されていた。

「ダメだよー。後輩の邪魔しちゃ」
「くっ!!」

ふわりと微笑む「悪魔」、舞美は彼女を睨み付けることしかできない。
「ジュース」のメンバーたちは、全てを切り裂く鋼翼に守られていた。

歯軋りをするような思い。
今の舞美を支配している感情だった。
目の前の、美しすぎるほどの金髪と正式に対面したのは、ダークネスの幹部からリゾナンターの殲滅を拝命した時のこと。
あの時は、圧倒的な実力差に何もできずに異空間に送り込まれた。
当時より強くなったと思えるくらいの研鑽を重ねてきた。はずなのに、突付けられたのは無力な自分という現実。
このままでは、呑み込まれてしまう。

一方。佐紀を甚振るのに飽きた少女は、今度は傍らに倒れていた雅に目をつける。
佐紀を投げ捨てると雅を抱え上げ、そのままぐるぐると回し始めた。

「あははは、楽しーい」
「もう、うえむー!遊んでないでこっち来て!!」
「えー、めっちゃ楽しいよこれ」
「いいから早く!」
「はーい」

キーキー喚く少女に辟易したのか観念したのか。
遠心力で雅を打ち捨て、四人のもとへ走る少女。ここに、五人の赤と黒が揃う。

136 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:45:41
「申し遅れました。私たちは『ジャッジメント』。空位になった粛清人の、新たな継承者です」
「粛清…」

リーダーらしきその女性は、はっきりそう言った。
最初に顔を合わせた時のままの、困り顔。けれど、今ははっきりと見える。困惑した表情の奥に潜む、黒い感情が。
そして、「粛清人」。
そのキーワードは一度でも闇の側に身を置いた人間なら、誰もが震え上がるほどの響きを持っていた。
しかし「黒の粛清」「赤の粛清」の後継が、彼女たちだとは。

「『セルシウス』『スコアズビー』…いや、今は『キュート』に『ベリーズ』か」
「組織が命により、あなたたちを粛清します」
「暴れちゃうよー」
「というわけで。覚悟!!」

若き粛清者たちが、一斉に襲い掛かる。
相手は5人、対するこちらも5人。まともなら、各個撃破も可能だろうが。

「悪いけどさぁ。今は、待ってる暇はないんだよね」

再び舞美たちを狙う、黒き槍。
「黒翼の悪魔」も加えたこの軍勢、攻撃を凌ぐのが精一杯。
いや、負傷している「ベリーズ」の面々のことも考えるとこちらの不利は明白だ。

ふと、目の前の景色が揺れる。
まだ攻撃は受けていないはずなのに。舞美が周囲を見渡すと、早貴が顔を青ざめさせているのが見えた。

137 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:46:43
「ばっかだなあ。『毒のジャッジメント』はもう始まってるのに」

猿顔の少女が意地悪く微笑む。
咄嗟に舞美が周囲に霧状の水を巻いて希釈を試みるも、最初の一撃で毒を受けていた早貴には効果が薄い。

「リーダー、ごめん…」

早貴の苦し紛れの言葉と、その傍らで舞が「ジャッジメント」の一人に吹き飛ばされるのは、ほぼ同時。
拳を薄紅色の結晶状の何かで固めた女が、薄ら笑いを浮かべていた。

「なんかむかついてきたぞー」
「むかついてるのはこっちのほうなんだよ!!」

やる気満々の女に向け、千聖が念動弾の構えを取る。が、肝心の弾は一向に発射されない。

「あれ?何だこれ、ちくしょう!体が、動かな…」

自らの体の異変に戸惑う千聖に、先ほどまで佐紀や雅を蹂躙していた少女が急襲した。
強烈な拳を腹に受け、声すら出すことなく倒れてしまう。ここまで、あっという間の出来事。

「いやいやいや…こりゃ全滅かな」

「黒翼の悪魔」と「ジャッジメント」たちを遠くで見ているのは、吉川友と真野恵里菜。
彼女たちは既に、戦況の敗色が濃厚と見ていた。しかし、どことなく他人事な様子の真意とは。

138 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:47:40
「まのちゃんどうする?」
「どうするも何も。うちらだけで何とかできるわけないじゃん。さぁやものっちもみんな死んじゃったし」
「だよねえ」

つんくの仕掛けた、総力戦ではあるが。
ここで総員玉砕することに、何の意味も無いのは確かだった。
育成中の後輩能力者たちがいる限り、対能力者部隊自体がなくなることはない。あわよくば、実力者の生き
残りということで今より待遇が良くなる可能性すらある。

恵里菜の判断に頷く友。
瞬間、激しい閃光が二人を襲う。
敵の攻撃か。しかし、目が眩んだ隙に何かを仕掛けるわけでもなさそうだ。
光が退いた後に彼女たちが目にしたのは。

天使。

純白の羽根を広げた、人の形をした光。
その存在を「銀翼の天使」と認識するまで、恵里菜と友は棒立ちしたままの姿を晒していた。
恐怖のあまりに体が動かない? それとも目の前の敵を倒すという闘争本能?
その、どちらでもなかった。

雨上がりの空。
雲間から現れる太陽、その光を浴びたいと思う自然な欲求。
恵里菜は。その光の中を覗きたい欲求に駆られる。彼女の能力ならば、それは容易いことだった。
本能は、絶えず警鐘を鳴らしていた。
逃げろ。引き返せ。それでも。

恵里菜は覗き見てしまった。
光の奥にある、闇の深淵を。

139 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:48:36
「ぅあああああぁあああぁ!!!!!」

白目を向き、引きつったように体を仰け反らせ昏倒する心の読み手。
深淵の闇に何を見たのか。髪は一瞬にして白くなり、顔は干からびたように枯れていた。
彼女の心はもう、息をしていなかった。
天使は。空ろな表情で、その様子を見ている。

「ちょ、だ、だれか…」

想像を絶する出来事に、思わず腰が砕けてしまう友。
宙を彷徨っていた天使の視線が、動いた。動くものに反応する、形あるものを虚無の彼方へ送るだけの目。

「あーあ、やっぱこうなっちゃうんだ。つんくさんも大したことないねえ」

半ば失神しかけていた友の前に降り立つ、黒き翼。
彼女がピンチに駆けつけてくれたヒーローでも何でもないことは、見るからに明らかだった。

闇夜のような羽を携え、「黒翼の悪魔」が「銀翼の天使」と向き合う。
こうして対峙するのは、「さくら」を連れて来た時以来だろうか。その時の彼女は心を乱され、溢れる狂気
をこちらに向けている状態だった。しかし今から思えば、その時のほうがまだ人としての佇まいを残してい
たかもしれない。

少なくとも、今のような「人の形をした別の何か」ではなかった。

140 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:49:07
「せっかく檻から出られるようになったってのにさ。残念だよ」

悪魔は肩と背中の小さな羽を竦め、がっかりした顔をする。
しかしそれも、束の間のこと。

「でも。こうなったらこんこんも許してくれるよね? 全力で殺しにかからないと、ごとーが危ないからさ」

口にする危機感とは裏腹に。
悪魔の顔は、歓喜に満ち溢れていた。

141 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:50:40
>>131-140
『リゾナンター爻(シャオ)』更新終了

参考資料
https://www.youtube.com/watch?v=u2m04De8bSk

142 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:53:18
>>94-98 の続きです。

今度は、春水の身体が勝手に動き出す
右手が左手首に延びる

「え、え? どういうこっちゃ? てか、コレなんか関係あるん?」
「あるはずさ」

外したのは、静電気防止のリストバンド
それに
春水が愛用してる黄色の腕時計

「両方預かる」

春水の意思と関係なく、傀儡師にリストバンドと腕時計を渡してしまう
まるで操り人形みたいに

「なるほど……〝傀儡師〟っちゅうんは、そう言う事やったんか。てか、それ返せや!」
「力尽くで取り替えすんだな。さあ来い。遠慮はいらないぞ」
「言われんでも!」

──油念動力──オイルキネシス

動きを止めてた油が、傀儡師に向かって地面を進んで行く

「コントロールが不安定なのか? ただ地面を這うだけじゃないか」
「やかましいわ! まだ能力者デビューしたてや!」

浮け!
飛べ!
当たれ!
なんでもええから起これ!

143 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:54:05
「うおっ!?」

いきなり春水の足元が動いて倒れそうになる

「なんや!?」

いつの間にか、春水の足元に油が集まって来とった
倒れそうになったんは、これが動いたから?

「何をやっている、能力のスタミナ切れか?……思っていたのと違うな」
「やかましいわ! 勝手に期待しといて勝手に落胆するなっちゅうねん!」

後ろに下がり、傀儡師から離れる
すると、油が春水を追う様に流れて来た

「不安定やけど、なんとなくわかってきたで。この能力の使い方が!」

多分、春水に近い油が動かしやすいんやろ

油と言ったら滑る
滑ると言うたら

「これしかないやろ!」

──油念動力──オイルキネシス

足元の油に集中してコントロールする
常に地面に油がある様にすれば

「春水は誰よりも自由に動けるんやで!」

144 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:54:37
交互に両脚で地面の油を蹴って進む

「得意のフィギュアスケートか。急に人が変わったな」

傀儡師の周りを移動しながら加速する
充分なスピードが出た所で

「これでも喰らい!」

回転しながらジャンプ
そして、足元から油を撒き散らす

「うわ!」

撒き散らされた油は辺りに飛び、もちろん傀儡師にも掛かった

「……これだけか?」
「必殺! オイル・ダブルトゥループや!」

ドヤァ!

「……これを頼む」
「オッケー」

傀儡師が変身女子(略)にタブレットを渡す
そして、壊れた一斗缶を拾った

「オラァッ!」

ガコーンッ!

145 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:57:09
>>142-144

多忙を言い訳に、半スレ振りの投下です。
爻さんみたいになりたいです。

146 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 12:59:25
>>142-144

傀儡師に蹴られた一斗缶が、春水の顔面に向けて猛スピードで飛んで来る

「うおっ!?」

上体を後ろに反らして一斗缶を避けた
つもりやったけど

「掠った! 今ちょっと鼻の先を掠ったで!?」
「遊んでる暇は無いんだよ」

──精神干渉──

春水の腕時計を握る傀儡師
その手には、力が入っていた

「おい! アカンって! それは春水の

バキィッ!

傀儡師の手の中で、腕時計が砕けた

春水の腕時計が、壊れた
よくも
よくも!

──油念動力──オイルキネシス

樹の間から大っきなドラム缶が飛んで来て、傀儡師に向かって行った

「ようやくか」

──精神干渉──ライン・マニピュレート

147 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 13:00:03
傀儡師の手元から金属製のワイヤーが伸び、ドラム缶に巻き付く
傀儡師に向かっていたドラム缶は、軌道を変えて春水達から離れた場所に落ちた

「まだまだやぁっ!」

──油念動力──オイルキネシス

ドンッ!

ドラム缶から液体が溢れ出す
あれは

「油とちゃうんか?」
「あのドラム缶の中身はガソリン、一応は油だ」

傀儡師がワイヤーをしまい、春水から離れる

確かに臭い
てか、油やったらなんでも操れるんやろか?
いや、細かい事は気にしとれん
とにかく今は

「逃がさへんで!」

溢れたガソリンと一緒に傀儡師に迫る

「……あたしらの結論、教えてやるよ」

148 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 13:01:45
>>146-147

ちなみに『秋氷』の時点で油念動力と気付いた方はいますか?

149 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 13:09:26
【第107話】

期間
2015/08/25(火) 00:40 〜 2015/11/01(日) 15:13 856レス

150 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 13:33:09
>>146-147

──精神干渉──ライン・マニピュレート

傀儡師のワイヤーが春水の足元に伸びる
春水は寸前で避けて、ワイヤーは足元のガソリンに浸かった

「死にたくなければ全力で後ろに下がれ!」
「はぁ?」

いきなりなんやねん
油断させてワイヤーで脚でも引っ掛けるつもりかいな
そんな手には引っ掛からへんで

傀儡師はワイヤーを手元から離し、ガソリンに浸かって無い端っこを春水に投げる

「おい! 春水はゴミ箱ちゃうで!」

投げられたワイヤーが春水の脚に触れる
その瞬間

バチッ

火花が飛んだ
そして

ボォッ!

「うわぁっ!」

151 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 13:33:40
足元に集まっていたガソリンが燃え上がり、春水を包む

これは
この火や
この火が春水を苦しめてるんや!

でも、なんで?
なんで今、火が点いたんや?

熱い
めっちゃ熱い
肌が焼けそうや
春水の自慢の白い肌が、焦げパンみたいになってまう

まあ
いっか
生きとっても、仕方が無い

春水なんか居らん方が、みんな安心してられるやん

そうや
怯えたり脅かしたりせんでも良くなるし

もう
これで
春水の人生
終いや

152 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 13:34:51
>>150-151
また短いですが。

ちなみに、本作のタイトルは『秋氷』ではありません。
完結したら発表します、と焦らす程の意味合いがあるのかどうか。

用語wikiの更新ありがとうございます。
自作について掲載されて、作者とっても嬉しいです。

153 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 13:42:32
>>125

「なんでまさきちゃんの能力コピーしたってだまってたと!」
「そうだよ、フクちゃん、3回も跳べるならリゾナントに戻れるじゃない」
「え、でもそれじゃあ、まさきちゃんたちと合流できないよ」
「そんなこといってる場合じゃないんだろうね。香音達、命の危機に瀕しているんだよ」

「水は残り少し、食料は激辛せんべい、助けをよぶ手段もない、周りは水に囲まれてる」
「だれがどうみたって、死亡フラグ建築たちすぎとるっちゃろ!!」
「でも、ここで瞬間移動で帰っても、キャンプにはならないもん
 聖、まさきちゃんの『修行する』って思いに感動したから、聖も頑張りたいって」
「気持ちはわからなくもないけど、さすがに準備なしでこれは無理難題だよ」

「と に か く! いったん、ここから瞬間移動で脱出しようよ。まーちゃんのコピーはどれくらいのことできるの?」
「・・・まさきちゃんのはそもそも作るのが難しいから、あまり練習できてないの。半人前だよ。
 どこに跳ぶのか安定しないし、3人を連れて跳んだことがないからどうなるか聖もわからない」
「でも、ここ以上の悪い場所はなかなかないと思うんだろうね」
「そうだよ、やってみよう。4人同時に跳べなくてもやるしかないよ」

「で、でも」
「聖、えりたちを信じて!何が起きてもえり達なら大丈夫やけん」
「そうだよ、フクちゃん、香音は聖ちゃんを信じてるから」
「だって友達だから!!」

「・・・わかった。みんな聖の手のうえに手を重ねて」
「頑張ってね 聖」
「・・・うん、行くよ!!」
(シュンッ スタッ)
「!! フクちゃん大成功だよ!4人ともそろっているんだろうね!」
「・・・でもなんかいな?妙に涼しい気がするっちゃけど」
「うん、私も、なんだか開放的な気分がするな」
「(やはり2.5人分しか跳べなかったか)」   (続く

154 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 14:03:17
『ロングブレスマン参上!』

53 名無し募集中。。。 2015/08/28(金) 05:01:07.29 0
乙です
いいお知らせと悪いお知らせがあるんだ

悪いお知らせは...DVDは出ないんだ
カメラは入ってなかった
超引き映像は売らないだろうね

いいお知らせは...あのロングマンと殺陣を見た人がインスピレーションを受けて作品ができるんじゃないかと

54 名無し募集中。。。 2015/08/28(金) 06:58:36.84 0
そんな・・・まーちゃんのくすりゆビームが見れないなんて!?レポ読んで楽しみにしてたのにw

ロングブレスマンの出る作品はきますか?

57 名無し募集中。。。 2015/08/28(金) 17:49:05.09 0
ロングブレスマンってw

58 名無し募集中。。。 2015/08/28(金) 19:09:46.09 O
実物見たことないから楽天カードマンみたいのしか想像できない

59 名無し募集中。。。 2015/08/28(金) 19:34:15.08 0
ベースが白でアクセントに赤メタリック
大和マンのほうが近いかもw

クウガって言う人もいたかな

60 名無し募集中。。。 2015/08/28(金) 20:37:13.36 0
ロングブレスマンどこかに写真貼ってあったんだけど…見つからない

61 名無し募集中。。。 2015/08/28(金) 20:39:37.49 0
見つけた!みれるかな?

http://pbs.twimg.com/media/CNa9BQxUkAE-3AV.jpg:orig

63 名無し募集中。。。 2015/08/28(金) 20:47:40.92 0
こんなのどうやって作品に出せばいいんだよwwww

65 名無し募集中。。。 2015/08/28(金) 21:21:33.21 0
敵か味方か謎のヒーロー「ロングブレスマン」w

66 名無し募集中。。。 2015/08/28(金) 22:46:04.25 0
?<りほりほの脱ぎたての服でなら永遠にロングブレスできるなの

67 名無し募集中。。。 2015/08/28(金) 23:18:17.77 0
ロングブレスって息を吐くんじゃなくて吸うのもあるの?w

79 名無し募集中。。。 2015/08/29(土) 15:52:55.09 0
ノリ*´ー´リ<ロングおさわりマン参上ヤシ

83 名無し募集中。。。 2015/08/29(土) 21:34:34.01 0
ロングブレスマンの能力は何だろう?

呼吸=酸素限定念動力とか?

84 名無し募集中。。。 2015/08/29(土) 23:21:02.53 O
無酸素か酸素過多でやれてしまうな

85 名無し募集中。。。 2015/08/29(土) 23:36:37.44 0
ロングブレスマンの恐るべき能力は…
相手の呼吸と自らの呼吸をシンクロさせることで相手に強制ロングブレスをさせるという内容

86 名無し募集中。。。 2015/08/30(日) 00:12:55.42 0
なんて人畜無害で健康的な能力w

バストアップが期待できると聞いてあえて戦う人もいるな…

87 名無し募集中。。。 2015/08/30(日) 01:15:15.92 0
ノハ*゚ ゥ ゚)<・・・

88 名無し募集中。。。 2015/08/30(日) 05:18:33.45 O
生田鞘師飯窪工藤石田尾形牧野…

半数以上だなw

89 名無し募集中。。。 2015/08/30(日) 10:28:30.89 0
実際にはるなんとくどぅーが食いついたみたいだしねw

90 名無し募集中。。。 2015/08/30(日) 12:04:50.53 O
凡奇湯に続く御用達アイテムか

155 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 14:08:27
>>153

ねえねえ なんで あゆみん まさに口きいてくれないのかな?

「まあちゃん、それ本気でいってるの?」

む! なにさ、どぅにはわかるの? あゆみんがまさのこと無視するりゆう

「佐藤さん、申し訳ありませんが私でもわかりますよ」
「そうよ、まあちゃん、あゆみんにあんな激辛せんべい食べさせるなんて怒って当然なのよ」
「・・・」

え〜 だって鞘師さんにあげたら美味しいって、すーずきさんにもあげたら目に涙浮かべて笑ってたよ

「・・・それ、たぶん違う意味の笑いだと思う」
「そうですね、鈴木さん、おそらく泣いておられたんじゃないです?」
「・・・」

そうなの? ごめんね、あゆみん

「でもあゆみんもそろそろ許してあげてもいいんじゃないかな?」
「・・・(言えない、唇が辛すぎて開かないなんて漫画みたいなことになってるなんて)」
「ところで、くどぅ、譜久村さん達の居場所を見つけないといけないんじゃない?」
「あ、そうだった。よし、集中だ!!!・・・は?」

なに? どぅ なにみえたの?

「い、いや、なんでもない」
「どうかしました工藤さん?」
「な、なんでもないよ、あゆみん、このまままっすぐであってるから走らせて」
 (い、言えない、鞘師さんと生田さんが・・・)

よーし、あゆみん いけえええええ  (続く

156 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 14:09:56
>>150-151

──


「協力ありがとう、刹那の考察者さん」
『あの娘をおびき寄せるのにどれだけ掛かっているのよ! コレの為に3時間くらい待ったんだから!』
「仕方ないだろう、物事には段取りがあるんだから。そうカッカするとシワが増えるぞ」
『大きなお世話よ! ……それで、あの娘はどうしたの?』
「気を失った瞬間に転送して脱出させた」
『命に別状は無いのね』
「ああ。しかし、短時間でも爆発の炎に包まれたのなら、多少なりとも火傷が有りそうだが」
『全く無かったの?』
「無傷さ。それどころか、綺麗な真っ白い肌だったな。良いねぇ、若い娘は」
『……きっと自己防衛が働いたのよ。燃焼したガソリンを、自身から遠ざかる様に動かしたんでしょう』
「それなりに使いこなしてる様子だったしな。能力は確定して良いんだよな?」
『油念動力で間違いないでしょう。ただ、油と言っても種類は様々。食用・燃料を問わず干渉が可能だった事も確認出来た』
「キャノーラ油でもガソリンでも動かせていたからな。こちらで用意していた缶の中で、量が少ない〝A〟だけが動かせたのは?」
『一度に干渉出来る量が少ないからでしょうね』
「発火については?」
『これも読み通り、能力自体での発火では無いわ』
「やはりコレか」
『静電気防止のリストバンドね。引火点の低いガソリンが近くにあった、静電気が発生しやすい環境が整っていた。この2点が揃って発火現象が起きた、これが』
「『あたしらの結論』」
『発火に対する恐怖心からか、干渉対象はキャノーラ油に優先される様ね。極限状態であればガソリンへも干渉するみたいだけど』
「まあ、今回の調査としては十分過ぎる結果が得られた。あたしとしては満足だよ」
『帰ったら一杯付き合いなさいよ。おつまみ用意しておくから』
「了解」
「おばちゃんとの話は終わった? のん、油まみれだから早くシャワー浴びたいんだけど」
「帰る前に缶の片付けを忘れるなよ。A〜Dが4セットあるからな」
「また運ぶの!? Dとか満タンじゃん! はぁ……早くシャワー浴びたのに……」
「……さて、彼女は気付いてくれるかな? あたしからのプレゼントに──」

157 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 14:36:33
──


「……ん、あれ?」

目を覚ますと、樹にもたれ掛かって寝てた

ここ、どこや
森の入り口?

「そうや! あいつらは!?」

慌てて立ち上がり、辺りを見回す
けど、誰もおらん

「逃げたんか? てか、春水はどうやってここまで来たんや?」

生きてんのは良いけど、訳が分からなすぎるわ

ふと、左手首の違和感に気付いた
見ると、黄色い腕時計が付いていた

「春水の腕時計……傀儡師に取られて壊されたはずやのに」

ショックで記憶が曖昧になっとるんか
無事ならそれで良いんやけど

「……帰ろ」

いつまでもこんな所に居ってもしゃーないし

帰っても良い事は無いねんけどな

158 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 14:37:05
パタン

足を踏み出すと、足に何かが当たった
足元を見ると、タブレット端末があった

「これ、傀儡師のちゃうん? 忘れてったんか?」

タブレットを拾って操作する

「ロック掛かってへん……えらい無用心やな」

ホーム画面には、基本アプリのアイコンしか無い
通話履歴を見てもなんも無くて、さっきのテレビ電話の相手はわからん
撮影した写真や動画が無いか見てみる

「あるやん。撮影日は……去年の11月?」

再生してみる
監視カメラみたいに、高い場所から撮られたらしい映像が流れる

「屋内? 人が米粒みたいに小ちゃいで。えらい広い建物なんやな」

小ちゃい人影をよく見ると、10人の女の子が群がる大人達を蹴散らしているのがわかった
しかも、素手以外にも超能力らしい方法で戦ってる

「あ、ズームした」

再生中の動画がズームされて、戦闘の様子が見やすくなった

超能力者の女の子が10人も集まって戦うって、どんな状況やねん
それに10人の内の1人は、女の子って言うより女性って感じやな

159 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 14:37:37
「あれ、コッチの娘……」

先陣を切る女の子の能力、春水と同じ?
いや、ちょっと違うっぽい
春水の能力は油らしいけど、この娘は水みたいや

てか

「めっちゃ使いこなしてるやん! ほんで、めっちゃ強い!」

群がる大人達を次々と倒していく

あんなに力強く動かせるなんて、今の春水やったら全然出来へん
それに能力だけやのうて、素手でも強い

「メッチャ凄いで、この娘!」

ウチが嫌ってた超能力
出来るなら使いたく無い超能力

でも
この娘は
自身の能力を
自信を持って使ってるみたい

会いたい

名前も知らない能力者の娘によって
黒ずんでた春水の心が
洗い流される

160 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 14:38:12
この娘に会いたい
だって

強くて
カッコ良くて
自信を持ってて

そして
何よりも

「メッチャ可愛い!」

161 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 14:47:33
>>72-74
>>89-91
>>94-98
>>142-144
>>146-147
>>150-151
>>156-160

これにて『春水』完結です。
タイトルにひねりがなくって、ごめんね。

話題に上がった合流編ですが、野中さんと牧野さんの能力が固まらないので未定です。
12期編の未来は、皆様の手の中にあります。

162 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:00:33
『12期加入妄想中。。。』

248 名無し募集中。。。 2015/09/11(金) 09:55:42.50 0
12期加入はそんな劇的でなくて普通な感じでも良いかな?と

処童流総会為上京する羽賀→工藤を見かけ一目惚れ→リゾナントに訪れ道重が(色んな意味で)ピコーン☆

羽賀の護衛で一緒にいた野中(エージェントチェル)は方向音痴の為羽賀を見失う→リゾナントにいる事を突き止める→誘拐されたと勘違いし強襲するが…(幻影 http://www35.atwiki.jp/marcher/m/pages/1101.html?guid=on)

タブレットを頼りにリゾナントを訪れた尾形→野中のリゾナント強襲の騒ぎに巻き込まれ…

その時13人の心に響く『助けて!』の言葉…(闇を抱く聖母 http://www35.atwiki.jp/marcher/m/pages/1073.html?guid=on )

牧野救出→12期加入

こんな感じなのを読んで見たいw妄想は出来るけど書く技術がないのか辛い…

250 名無し募集中。。。 2015/09/11(金) 12:20:22.39 0
>>248 妄想追加

その時13人の心に響く『助けて!』の声…→突然の事に驚き戸惑う3人→その様子に「もしかして?」と思いつつも3人に帰るように指示し声のもとへ向かう10人→(闇を抱く聖母 http://www35.atwiki.jp/marcher/m/pages/1073.html?guid=on )

残された3人…さっきの声は何か?心を突き動かすこの気持ちは何か?抑えきれず10人の後を追う3人→たどり着いた先で見た壮絶な戦い→恐怖で足がすくみ隠れて見ている事しかできない…その時!…(今飛び込む勇気 http://m.youtube.com/watch?v=Fv_2OZuljHo )

牧野救出→12期加入

誰か書いてほしいなぁ・・・

253 名無し募集中。。。 2015/09/11(金) 18:33:50.66 0
12期の中ではあかねちんは書きやすいほうだと思うけどなあ

256 名無し募集中。。。 2015/09/11(金) 23:48:04.13 O
253
どういった理由で?

257 名無し募集中。。。 2015/09/12(土) 01:18:56.81 0
最年少キャラだし工藤大好きだからメンバーにからめやすいとか?

163 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:07:55
『ちぇるの相方募集中。。。』

175 名無し募集中。。。 2015/09/07(月) 00:25:23.24 0
チェルがカッコいい話を書きたいんだけど、はーちん以外で誰か居ないだろうか。

176 名無し募集中。。。 2015/09/07(月) 00:27:27.55 0
相方的な意味でも良いし、一緒に居て絵になる意味でも。

177 名無し募集中。。。 2015/09/07(月) 00:51:15.94 0
師弟関係的な小田ちゃんとか「今飛び込む勇気」のツートップの相方まーでも合いそう

178 名無し募集中。。。 2015/09/07(月) 03:48:51.05 0
ちぇるのカッコイイところを引き出せるのはまーちゃんしかいない…かもしれない

179 名無し募集中。。。 2015/09/07(月) 06:35:04.47 0
逆に何故はーちんじゃダメなのか?お笑い色強くなるのか?w

180 名無し募集中。。。 2015/09/07(月) 10:45:34.02 O
仲がよすぎてって意味じゃないかね

181 名無し募集中。。。 2015/09/07(月) 11:11:34.53 0
一緒にお風呂入ってるかもしれないと思うと色々捗ります

182 名無し募集中。。。 2015/09/07(月) 12:12:28.13 0
前に朱音姫の守護者みたいな案なかったっけ?

183 名無し募集中。。。 2015/09/07(月) 14:17:58.71 0
>>175です。
はーちんじゃダメというか、流れ的にあかねちんと
組ませようかなっていうのがあって。はーちぇるも考えたんだけど
チェルに守ってもらうようなお人じゃないかなと。

184 名無し募集中。。。 2015/09/07(月) 14:24:38.07 O
のなねちんコンビだと
毒舌姫と気ぃ使いの(でも戦闘になると強い)従者って役どころ
みたいのはどうでしょう

185 名無し募集中。。。 2015/09/07(月) 15:23:56.04 0
184
あかねちんってチェルに対しても毒舌なの?
あまり二人が絡んでる所見たことないからkwskお願いします。

188 名無し募集中。。。 2015/09/07(月) 20:54:20.36 0
野中さんはうっかりキャラなのでそこをあかねちんによく突っ込まれるとか何とか

189 名無し募集中。。。 2015/09/07(月) 23:13:46.16 0
これ見ると普通に良いお姉ちゃんだな

1 【中国電 72.1 %】 ◆fveg1grntk 2015/09/07(月) 21:04:51.57 0
http://ameblo.jp/mm-12ki/entry-12070546284.html

HELLO
野中美希です(*^_^*)
最近の12期
http://stat.ameba.jp/user_images/20150907/20/mm-12ki/97/39/j/o0480064113418583936.jpg

真莉愛ちゃんとあかねちんがずっとわいわいお話ししててかわいい 学校の休み時間みたいなテンションでわいわい 見ててにやにやしてしまう

今日聞こえてきたトーク内容グラサン
真莉愛ちゃん「おもしろくなくなくなくない!さあ、どっちでしょう!!」
あかねちん「うーん、おもしろい!」
真莉愛ちゃん「正解」
あかねちん「じゃアルプスいちまんじゃくやろう!」



( ゚д゚)ハートハート

次々と話題が変わっていって聞いてるこっちも飽きないです笑

優しく見守っております

164 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:21:01
『フェラメントヴィータ発射中。。。』

190 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 00:49:48.12 0
ちぇるの能力まだ定まってないんだっけ?思い切って『超電磁能力』とかどうでしょう?(言い方正しいか不明だけど)wこれだと地場を狂わせ方向錯乱出来るしフィラメントヴィータも放てるしw

191 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 02:14:51.47 O
12期は定まってると言った感じではないね
電気の力と言えば小春を思い出すなあ

192 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 07:57:13.19 0
小春の念写能力も実は発電能力の産物ってのはなる程と思ったもんだ

193 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 11:15:01.67 0
フィラメントヴィータは出したいよね。
結局どういうのなのか映像みてもいまいち分からないんだが。

194 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 11:42:31.19 0
大量の電気を使用して発射するからレールガンやエヴァの陽電子砲のようなイメージだけど違うのかな?

195 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 12:17:36.29 0
見たことないけど両手の指で△作るみたいなポーズだっけ>フィラメントヴィータ

196 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 12:19:45.06 0
スワスワ達が一日ぐるぐる回ってようやく作り出すエレクを一発で消費するフィラメントヴィータ
感謝祭とか簡単に撃ちまくってたけど片手だった気もするw

197 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 12:24:13.46 0
クラルスの構えはサタデーナイトフィーバーが一番近いと思う(古い)

198 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 14:38:25.78 0
おっさん乙w

199 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 14:56:49.11 0
このポーズ?
http://ameblo.jp/otobokejojo/image-12046271528-13355561656.html

200 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 15:10:00.87 0
それかな
チャラいなあw

201 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 19:57:27.94 0
チィース!とでも言いそうなポーズだなw

202 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 21:38:32.08 0
フィラメントヴィータをラジャーと同じ使い方しているの見るともしかして武器の名前じゃないのかな?

204 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 22:32:50.91 0
発射とかセクシービームみたいだな

205 名無し募集中。。。 2015/09/08(火) 23:31:18.36 0
199
微妙に違う気がするけどw
でもこのチーッスでフィラメントヴィータって言ってるから
武器というよりは必殺技を叫んでる感じかも。

チェルが「超電磁能力」を身に付ける事になるとは誰が予想したかw

206 名無し募集中。。。 2015/09/09(水) 01:04:59.19 0
あとは実際に超電磁能力を使う野中さんをお披露目するだけだね
カモンッ!

207 名無し募集中。。。 2015/09/09(水) 01:38:34.17 0
超電磁は色々流用出来そうだ…超電磁砲とか超電磁波とか…超電磁ヨーヨー…超電磁タツマキ?超電磁スピン!!
見たか電磁の必殺技 怒りをこめて嵐を呼ぶぜー
我らの 我らの フィラメントV

すまんつい・・・w

208 名無し募集中。。。 2015/09/09(水) 04:15:46.47 0
ステルス能力かと思いきや思いっきりレーザー光線ぶっ放したゆうかりんってのがあったね

209 名無し募集中。。。 2015/09/09(水) 06:45:58.21 O
それ■さんや

210 名無し募集中。。。 2015/09/09(水) 07:30:12.26 0
そう考えると解釈次第で能力は無限大の可能性を秘めているな

212 名無し募集中。。。 2015/09/09(水) 10:42:25.52 0
一見バラバラになってる能力の数々もつなぎ合わせてみると面白い
12期もそういう感じで考えてみたらいいのでは

221 名無し募集中。。。 2015/09/09(水) 18:59:05.82 0
保管庫さんなら超電磁話題をどう冷静に評価してくれたのか気になるところ・・・

165 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:22:02
225 名無し募集中。。。 2015/09/10(木) 00:23:06.77 0
212
愛ちゃんのテレパシーとテレポートが実は光能力の応用だったりとかね
真莉愛のカウントダウン・ドレイン・応援はどう繋げたら良いのか…w

226 名無し募集中。。。 2015/09/10(木) 00:44:28.67 0
カウントダウンが減っていく相手からエネルギーを吸い取る
そのエネルギーは応援として味方にエンチャントできる

みたいな

227 名無し募集中。。。 2015/09/10(木) 02:42:53.14 0
吸収するとなると増幅とは意味合いが違って来るよね。

229 名無し募集中。。。 2015/09/10(木) 07:28:01.66 0
まりあの能力は作品書くにしても扱いが難しそう…
あかねちんの能力は治癒しかまだ出てないっけ?

230 名無し募集中。。。 2015/09/10(木) 12:08:33.33 0
229
確か処童流っていうのもあったようなw

233 名無し募集中。。。 2015/09/10(木) 12:44:28.62 0
処童流は鞘師の水軍流みたいな特殊技能で超能力ではないかな?と…雑談では人形使いやドッペルゲンガーなんかも出てたけど作品としてはまだないよね?

234 名無し募集中。。。 2015/09/10(木) 12:52:18.31 0
マネキンごっこに「あかねちん」…懐かしいなw

238 名無し募集中。。。 2015/09/10(木) 22:59:12.99 0
マネキン遊びもアカネチンも最近やってないのね…

166 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:27:24
『変2能力複写中。。。』

260 名無し募集中。。。 2015/09/12(土) 08:34:02.71 0
フクちゃん能力コピー中ダイジェストでどうぞw

https://pbs.twimg.com/media/COmnFk2UcAAiEvJ.jpg
https://pbs.twimg.com/media/COoDxxiUYAEpduq.jpg
http://stat.ameba.jp/user_images/20130804/23/morningmusume-9ki/56/bb/j/o0404072012634938715.jpg
http://stat.ameba.jp/user_images/20131210/22/morningmusume-9ki/e5/76/j/o0480064012776826558.jpg

https://pbs.twimg.com/media/COnbty9UkAAGBZ4.jpg
https://pbs.twimg.com/media/COnbtzIUsAA0-G6.jpg

小田ちゃんの能力だけはコピー出来なかったようです…

261 名無し募集中。。。 2015/09/12(土) 08:36:55.56 0
必然性もあるし説得力あるなぁ
うんw

262 名無し募集中。。。 2015/09/12(土) 13:39:21.71 0
コピー能力も手かざしでOKにすべきだったな

263 名無し募集中。。。 2015/09/12(土) 14:24:46.67 O
?<それだけは断固阻止ですわ

264 名無し募集中。。。 2015/09/12(土) 15:17:59.15 0
てか接触複写は■だけでしょ?w
他の作品は敵の能力もコピーしてるからやり方が違うと…

265 名無し募集中。。。 2015/09/12(土) 17:12:45.65 0
フクちゃんより鞘師の方が接触厨だよね。

266 名無し募集中。。。 2015/09/12(土) 19:52:30.34 O
アクアキネシスに接触は不可欠ヤシ

281 名無し募集中。。。 2015/09/13(日) 20:35:04.21 O
ふくちゃんのふくちゃんをすわすわ

283 名無し募集中。。。 2015/09/13(日) 21:25:32.10 0
スワスワ〜
http://pbs.twimg.com/media/COVUMncWIAAOmFQ.png
http://pbs.twimg.com/media/COVUMwkWgAAHpcC.png
http://pbs.twimg.com/media/COVUMyXWIAArGHu.png

167 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:40:40
>>155

なんでこんなことになったんだ
フクちゃんの瞬間移動で跳んだだけでこんなことになるなんて
普通、こんな器用なことおこりようがないと思うんだ
いくらフクちゃんが・・・フクちゃんだとしても
友達だから、友達だと思ってたのに・・・友達だよね?
・・・間違いないよね?本当に友達なんだよね?
ねえ、大丈夫だよね???
ああ、なんで?

はあ、みずぽん、道重さんの影響を受けすぎとるとえりわかってたけど、ここまでとは思わんかったとよ
道重さんをコピーしすぎて、あんなことになってしまったと?
きっといろんな変な成分がみずきの中に紛れ込んで・・・
なんでか知らんけど、道重さんはえりのことりほみたいに猫かわいがりしなかったやろ?
ま、安心しとったけど、こうなるなんて

「ねえ、聖ちゃん。りほちゃんとえりちゃんどうしたんだろうね?」
「え、ええ、ど、どうしたんでしょうね?おなかでも痛いのではないですか?」
「え〜ごはんも食べてないのに?おかしいね」
「でも確かにそうですわね。聖もおなかすきました
 ほかほかのごはんに味噌汁が食べたいな」
「意外と庶民的なもの好きなんだよね」
「日本人ですからね。香音ちゃんは何を帰れたら食べたいの?」
「う〜ん・・・なんだろう・・・あっ 思いついた」
「なんですの?」
「オムライス!!」
(ドキッ)

(リュックの中に着替えあってよかった)(着替えがあって助かったと)

(い、いえない・・・湖の上にパッドが5枚も浮いているのが視えたなんて)   (続く

168 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:44:33
>>131-140 の続きです



物心がついた時から、ずっと一緒だった。
気が付けば彼女の隣に自分がいて、自分の隣に彼女がいた。
キョウメイノウリョクシャのフクサンブツ。それが自分たちの存在。難しいことはよくわからないし、もっと言えばどうでもよかった。

キョウメイ、の代わりに彼女たちが手に入れたのは両者間に限定されたテレパシーとでも言えばいいのか。
互いの考えていることは、言葉を介さずとも理解することができた。
だから、どこへ行っても、何をしても。互いに似たような行動が増える。
白衣を着た研究者たちは、彼女たちのことを「双子のようで双子じゃない」と評した。
そして彼女たち自身がその言葉を無邪気に捉えていた期間は、あまりにも短かった。

「天才」。
組織の人間たちは彼女たちの片割れを、そう評価しはじめるようになった。
持ち前の器用さ、そして変幻自在の「能力」。何よりも戦場において彼女が用いる「知略」は、組織の上層部に喜ばれた。
その一方で「天才」ではないほうの片割れは、不当に評価を貶められていた。「擬態」能力、確かに便利なものではあるがそれだけ。そんなものはクローン技術でいくらでも量産できる、と。
似たような存在でありながら、あからさまに格差をつけられる。そのことは、彼女の心に次第に翳を刻みはじめた。

169 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:45:30
「天才」の彼女に対する、激しい劣等感。
それが、逆に今の彼女を幹部の地位にまで上り詰めさせた。
ただの擬態ではなく、擬態元の保有能力をもコピーする技術。ともすれば肉体に強烈な負担がかかるのを、極限まで増強した体力・生命力によってカバーした。そこまでしないと、彼女には勝てない。彼女に似た自分ではなく、オリジナルの自分にはなれない。
どこまでも昏く疾しい黒い感情に飲み込まれてしまう。自分が、崩壊してしまう。だから、そうならないように、生きてきた。

なのに、何故。
焼け付くような赤い眼の剣士に、あわや命を奪われるのではというところまで追い込まれた。
まるで役に立たない。これでは、元の「天才」じゃないほうの片割れのままではないか。
冗談ではない。あの暗く黴臭い、一筋の光すら差さぬ昏き思考に飲み込まれてたまるものか。
許さない。絶対に許さない。「天才」に遅れを取るようなことがあってはならない。
それが自らの、唯一の存在証明なのだから。

170 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:46:12


「…っの、野郎!!!!!」

死地から脱した勢いは、そのまま憤怒へと形を変える。
力の抜けた里保の襟首を掴み、宙へと吊し上げる「金鴉」。
この状態の里保なら、今の満身創痍の「金鴉」でも容易く縊り殺せるはず。
だが、程なくして自分が残りのリゾナンターたちに囲まれていることに気づいた。

「鞘師さんを離せ!!」
「里保におかしな真似しようもんなら許さんけんね!!」

亜佑美が獅子と甲冑の二体を降臨させ、衣梨奈もまた得意のピアノ線を靡かせる。
それだけではない。遥が。香音が。さくらが。二人のバックアップに回るように、背後に控えていた。

「ザコのくせにのんを追い詰めたつもりかよ…めんどくさ…まとめてぶっころ」
「ちょい待ち」

里保に与えられた屈辱で頭に血が上る「金鴉」を諌めたのは。
いつの間にか包囲網のすぐ側まで近づいていた「煙鏡」だった。

「あいぼん…邪魔すんじゃねーよ」
「邪魔て。うちはピンチを救いに来たんやけど」
「ピンチ?ふざけんな。のんはピンチでも何でも」
「態勢立て直し。一時撤退や」
「はぁ!?」
「自分…うちらの目的、忘れたん?」
「そんなのこいつらぶっ殺してからでも」
「ええから、下がれや」

有無を言わせぬ「煙鏡」の低い一言。
納得のいかない顔をしていた「金鴉」も、渋々ではあるが従わざるを得ない。

171 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:46:44
「ま、そういう訳や。そのしじみ顔の確変、楽しかったで?」

逃げる気か。
包囲したリゾナンターたちが「煙鏡」に目を向けたその時だった。

「鉄壁」の発動。
見えない何かが、「金鴉」と「煙鏡」を包むように湧き出てくる。
手出しできないことを知ってか、用意された花道を歩くが如く、悠々と「煙鏡」の元へ歩いてゆく「金鴉」。
それを、衣梨奈たちは指を咥えて見ていることしかできない。

「うちらの真の目的は自分らと遊ぶことやない。道重さゆみもあの世に送ったったし、本来ならもう用なしなんやけど」
「ううっ…」

さゆみの名前が不意に出され、唇を噛む遥。
目の前の相手が、改めて「仇」なのだと思い知らされる。

「『苦情』なら、あとでいくらでも受けつけたる。ほな、”鏡の世界”で待ってるわ」
「鏡の世界?何それ」
「アホか。のんがこいつらと遊んでる間に、見つけたんや。『あれ』をな」
「まじで?さっすがあいぼん、伊達に頭薄くないね」
「おいおいそないに褒めても…って貶しとるやないか、誰が毛なしじゃドアホ!!」

ふざけた会話を繰り広げながら、「煙鏡」と「金鴉」の姿が掻き消える。
おそらくテレポート能力を使ったのだろう。どこに移動したのか、リゾナンターたちには皆目見当はつかない。

172 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:47:15
「あんの野郎…!!」
「それより!!」

今の彼女たちには、仇敵の動向よりも大事なことがあった。
それは、今より少し前。里保の体から赤く禍々しい力が消え失せた時のこと。

彼女たちにも、聞こえたのだ。
里保を制する、さゆみの声が。

「道重さん!!!!」

誰かが、叫んだ。
そして誰かが、走り出す。
雪崩を打つように、全員がさゆみの元へと駆けつけた。

「聖!道重さんは!!」

衣梨奈が、血相を変えて横たわるさゆみの側にいる聖に問う。
努めて感情を抑えようとしている聖だが。

「もう…道重さんの声は聞こえない。さっきみたいに、喋ってもくれない」

重い沈黙。

「けど。生きてる。呼吸も、してる」

こらえ切れず、春菜がうっと声を上げた。
崩れ落ちる亜佑美、またしても顔をくしゃくしゃにする遥。
でも、今度は悲しみの涙ではない。

173 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:47:46
「みにしげさーん!!!ってあれ、やすしさん?」

優樹が、さゆみの横に倒れている里保に気づく。

「り、里保ちゃんは大丈夫…なの?」
「いつの間にか、道重さんの傍らに倒れてて…激しく消耗してるみたいですが、命に別状は無さそうです」

恐る恐る聞く香音に、戸惑いつつも春菜がはっきりと答える。
ただそれは、二人の安否とともにきつい現実を突きつけることになる。
リーダーと、攻撃の要の脱落。
それは、文字通りの意味を超えてメンバーたちに圧し掛かってきた。

途方に暮れかける心を必死に押し留めようとしていた、その時だった。

「みんな!!」
「光井さん!!!!」

そこには息も絶え絶えに、必死の思いで駆けつけた光井愛佳の姿があった。

174 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:48:25


間に合わなかった。
大型遊戯施設に辿り着いた愛佳が、炎に包まれ変わり果てた景色を見て最初に思ったことだった。
そして、倒れているさゆみや里保の姿を見ていよいよそれは確信に変わった。
自分が「視た」未来が少しだけ変わっているのも、さゆみの介在によるもの。ただ、未来の結果は変わったとしても、悲
劇を変えることはできなかった。

だが。
聖たちの話を聞くうちに、愛佳の顔色が別の意味で青ざめる。
愛佳の事務所を訪れた、能力者。記憶は歪められ、焼き付けられた嘘の「予知」はそのままさゆみを誘き寄せる罠と化した。
つまり、自分が相手方にいいように使われた挙句、今目の前に広がる残酷な結末の片棒を担がされたと。

「そ…んな…うちは」

失意と怒りと後悔が、愛佳の体から全ての力を奪い去る。
まるで、寄る辺など何一つなかったあの頃。絶望のあまり、学校帰りの電車のホームから身を投げ出そうとしていたあの頃
の自分に引き戻されてしまうような。そんな思い。

だが、愛佳は持ち直す。
確かに自分は取り返しのつかないことをしてしまった。それはきっといつか償わなければならないことなのだろう。だが、
今はその時ではない。何よりも、今この場にいるメンバーの中で自分が一番の年長者である。後輩たちを動揺させるよう
なことを、してはならないのだ。

「道重さんと鞘師の状況は」
「命には別状ありません。ただ…」
「わかった。二人はうちが病院に連れてく。自分らも…撤退や」

傷つき倒れた二人はもちろん、後輩たちの身の安全も図らなければならない。
相手の素性を知らないとは言え、さゆみにここまでの手傷を負わせたのならば非常に危険な人物であることは愛佳にも容
易に想像がついた。浅からぬ因縁を持つダークネスではあるが、ここは一時撤退するのが望ましい。そう、思っていた。

175 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:48:55
「それは、できません」
「え?」

愛佳は、耳を疑う。
異を唱えた人物。聖は、いつになく力強い口調ではっきりとそう言った。

「ちょい待ちフクちゃん、道重さんが敵わんかった相手やで」
「わかってます。でも、あの人たちをそのままにしておくわけにはいかないんです」
「つまらん意地張ったところで、現実は何も変わらへん。もう一度だけ言うで、撤退や」
「できません」
「譜久村ぁ!!!!」

つい言葉を、荒げてしまう。
きつい怒声に一瞬身を竦める聖だったが、すぐにまっすぐな視線で愛佳を見つめ返した。

「…なあ。自分、こん中で一番の先輩やろ。せやったら、状況を冷静に見てから物言いや」

それでも聖は首を縦に振らない。
この光景を、愛佳はどこかで見たことがある。
それは彼女が「予知」の力を完全に失ってしまってから、間もない頃。

176 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:50:02


「研修」と題し、とある山中にサバイバル合宿を実行するリゾナンターたちに愛佳が帯同することになった。
目的は新しくリゾナンターとなった、四人の少女の適性を見極めるため。
別件の仕事で参加できなかったさゆみを除き、聖夜の惨劇を能力を失うことなく乗り切った年長メンバーが後輩たちを指導する。
リゾナンターは警察組織に引き抜かれた愛に代わり、里沙が指揮を執っていた。

虚ろな天使に徹底的に破壊された、喫茶リゾナント。
小さくも暖かかった居場所をずたずたに引き裂かれたのをきっかけに、意図せずにその要因を作ってしまった里沙と、れいなの
関係は最悪の状態に陥っていた。そんな事情を抱えた二人が、後輩の指導とは言え行動を共にする。
能力を失ってしまった愛佳が帯同を申し出るのも致し方ない話であった。
そして出来事は、その合宿のさ中に発生する。
ただし、火種はれいなと里沙ではなかった。

「聖には…できません」

珍しく声を強く震わせる、一人の少女。
普段はおっとりとしている、そう思われていた聖の、強い反抗だった。
合宿中のミーティングにおいて、話題となった「味方の同士討ち」への対処法。
何らかの能力で操られ、敵の尖兵と化した。吸血鬼となり、見境なく味方を襲い始めた。考え方、思想の違いから最早言葉では
どうすることもできなくなった。そんな時に、どう対応すべきか。

かつてダークネスに籍を置いていた里沙は、時としてかつて味方だった相手だろうと、被害は最小に食い止めるべきだと説いた。
つまりそれは、最悪の場合はかつての仲間を自らの手にかけなければならないということ。
その考えに、聖は真っ向から異を唱えたのだった。

177 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:50:53
「フクちゃん。その優しさは新しい不幸を産むことになるかもしれないよ?」
「それでも…嫌です!みずき、そんなこと絶対に、絶対に!!」

頑なすぎる態度に、里沙が呆れ交じりにため息をついたその時だった。
思わず人物から、喝が飛ぶ。

「ガキさんに、何言うと!?」

聖も、他の三人の少女たちも、里沙も。
そして彼女のことをよく知っている愛佳さえも目を疑った。

「ガキさんは先輩やろ! 先輩の言うこと聞けんかったら、リゾナンターやめり!!!!」

どちらかと言えば、自分に関係ないことに関してはまるで興味を示さないれいなが。
積極的に後輩を叱り、そして冷戦状態だった里沙の肩を持つような発言をした。
そのことにも驚きではあったが、愛佳はれいなが叱り飛ばしているのにも関わらず、自らの意思を曲げていないようにすら見える聖のほうにより驚きを見せていた。
その芯の強さ、頑固さはある意味これから先頼りになるかもしれない。
ただ、そうでない場合もある。と。

178 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:51:29


あれから数年が過ぎた今。
聖はあの時さながらの、頑なさで愛佳の意見を否定する。
何か策でもあるのか。いや、策があったとしても危険な目に遭わせるわけにはいかない。
どうすれば、彼女を思いとどまらせることができるだろうか。
そう思いかけた時、愛佳の携帯が大きな音を立てる。
画面に現れた文字を見て、その表情がぱっと明るくなった。

「…愛ちゃんや」
「ええっ!!!!!」

愛佳が口にした名前を聞き、全員が驚きの声を上げる。

高橋愛。

リゾナンターを率いていた、かつてのリーダー。最強の、光使い。
彼女たちにとって、愛の存在はまさしく光。
愛佳が携帯に耳を当てるのを、若く、そして儚げな少女たちは固唾を呑んで見守っていた。

179 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 15:52:50
>>168-178
『リゾナンター爻(シャオ)』更新終了

180 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:11:05
『変態ホゼナンター集い中。。。』

330 名無し募集中。。。 2015/09/16(水) 20:57:52.33 O
書いてもらえることに感謝しつつ更新されたらちょっとした一言でも感想を書きましょう

保管庫さんも頑張ってくれたおかげで過去作が読めるありがたさも忘れずに

更新あるまでこちらはいかが
http://www35.atwiki.jp/marcher/m/pages/840.html?guid=on#id_a1be56ac

331 名無し募集中。。。 2015/09/16(水) 21:22:02.75 0
ちょっと待って!何故それ?リンク絶対間違ってるw若気のいたりを許してほしいんだろうね…

333 名無し募集中。。。 2015/09/16(水) 22:50:14.54 O
当時より変態の数が増えてるのは気のせいか

334 名無し募集中。。。 2015/09/16(水) 22:53:18.01 0
これのことか?ホントに中の人あれじゃねーか?と疑ってしまうw
ちぇるは匂いフェチだしはーちんは裸族だし…12期は有望だな

はいっっ
朱音は最近、子役さんにハマってます
ちっちゃい子が大好きなんです(^^)
特に、
鈴木梨央ちゃんと渡邉このみちゃんが好きです
すっっごいかわいいんです
演技もすごいんですけど、
歌がすっっごく上手いんです
憧れちゃうしほんとにかわいい!
とにかくかわいい!!!!!!
いやされます

http://ameblo.jp/mm-12ki/entry-12073903646.html

335 名無し募集中。。。 2015/09/16(水) 23:32:25.69 O
リゾスレと言ったら変○
リゾナンターが変○の集まりになるのは必然
しかし現実のメンバーまで変○の集まりになったとしたらこれは逆共鳴現象と言えるのではないか

336 名無し募集中。。。 2015/09/17(木) 00:08:22.37 0
必然なのかよw共鳴を発動する条件が変○だったなんてダークネスもビックリww

337 名無し募集中。。。 2015/09/17(木) 00:37:34.54 0
変態レズスレでも『共鳴』w

972 名無し募集中。。。 2015/09/16(水) 23:05:42.87 0
あかねちんの急な覚醒は変2か小田作の寵愛を受けた可能性が高い
あるいは中の人の影響か

973 名無し募集中。。。 2015/09/16(水) 23:15:07.07 0
あれほど小田を近づけるなと言っておいたのに
中の人と共鳴しているようだな
教育係は何をしていたなの!!

从*・ 。.・)<良くメモっとけよ!
ノハ*゚ ゥ ゚)<はい!

338 名無し募集中。。。 2015/09/17(木) 01:56:40.18 0
変態とは…
自らの心をさらけ出す究極の行為
むき出しになった魂と魂が互いに触れ合った時 凄まじい共鳴が発生するのだ

340 名無し募集中。。。 2015/09/17(木) 08:04:20.23 0
触れれば共鳴が溢れだす〜♪

341 名無し募集中。。。 2015/09/17(木) 09:09:16.56 O
触れるだけではなくさすったり肉を摘んでムニムニするとなお良しヤシ

342 名無し募集中。。。 2015/09/17(木) 11:23:03.29 0
童貞が言っても説得力が…w

343 名無し募集中。。。 2015/09/17(木) 16:25:53.64 0
ノリ*´ー´リ<どどど童貞ちゃうわ!

344 名無し募集中。。。 2015/09/17(木) 19:07:58.99 O
今夜もやります過去作発掘
こちらをどうぞ
http://www35.atwiki.jp/marcher/m/pages/1189.html
流れでこちらも
http://www35.atwiki.jp/marcher/m/pages/1105.html?guid=on#id_bbabba6e

345 名無し募集中。。。 2015/09/17(木) 21:47:23.49 0
変態だなあ(褒め言葉)

346 名無し募集中。。。 2015/09/17(木) 21:56:34.03 0
まさかこの時に変123のMの刻印で変態になってしまったのか…w

『朱音姫の冒険』変態要素無くせば普通に12期加入の流れとして良いんじゃないかと思う

348 名無し募集中。。。 2015/09/18(金) 00:50:20.21 O
リゾスレの歴史だな

349 名無し募集中。。。 2015/09/18(金) 06:56:58.25 0
変態の歴史か・・・違うと信じたいものだw

350 名無し募集中。。。 2015/09/18(金) 07:10:15.54 0
http://i.imgur.com/N0uKr7W.jpg
http://pbs.twimg.com/media/COCKVWUVAAA1a_9.jpg
http://pbs.twimg.com/media/CPBp2WgU8AM12xk.jpg

181 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:19:02
『リホナンター募集中。。。』

351 名無し募集中。。。 2015/09/18(金) 09:30:02.21 0
まさかりほりほがこんな変態になるなんて加入時の時には夢にも思わなかったな…

352 名無し募集中。。。 2015/09/18(金) 10:56:15.43 O
全てはあのchuから始まったのだ

353 名無し募集中。。。 2015/09/18(金) 12:19:08.91 0
いやその前からのような気もするけどw
以前はリホナンターに狙われる餌だったのが…今やもち肌ナンター・ビルナンター・山ナンター…と数々の異名持つハンターに!ww

354 名無し募集中。。。 2015/09/18(金) 16:11:41.42 0
赤目りほりほ=あのchuで目覚めてしまった変3

355 名無し募集中。。。 2015/09/18(金) 16:28:40.90 0
これじゃあ変3も理性失うわw

http://i.imgur.com/crAhIBu.jpg

356 名無し募集中。。。 2015/09/18(金) 20:15:48.81 0
リホナンターに冷たく言い放つりほりほはもう見れないのか?

361 名無し募集中。。。 2015/09/18(金) 22:45:30.48 O
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http://www35.atwiki.jp/marcher/m/pages/1093.html?guid=on
ちょっと前の話題に上がっていた内容も含まれてるのでちょうどいいカナ☆

362 名無し募集中。。。 2015/09/18(金) 23:09:11.68 0
小春乙w
リホナンター久し振りに読むとやっぱおもしろいなwもし今『再会編』やったらどうなるのかな・・・デレデレになってるりほりほとリホナンターが目に浮かぶ

363 名無し募集中。。。 2015/09/18(金) 23:22:28.37 0
やっぱリホナンター作者さんは突き抜けた変態だな

365 名無し募集中。。。 2015/09/19(土) 05:05:07.12 O
まさかリホナンターの餌が変ナンターになる日が来るとは

366 名無し募集中。。。 2015/09/19(土) 07:13:06.94 0
突然姿を消したリホナンター

最後のキスを忘れられないりほりほ…

りほりほをりほりほするのがリホナンターならば

さゆをちゃ、ちゃゆー!するのがサユナンター!

湧き上がる思い(変態)を胸に愛する人を探すための旅にでる…

367 名無し募集中。。。 2015/09/19(土) 10:50:24.18 O
感動的なんだか感動的じゃないんだかw

368 名無し募集中。。。 2015/09/19(土) 12:36:07.48 0
<感動巨編なの

369 名無し募集中。。。 2015/09/19(土) 13:53:28.63 O
??<感どぅー巨乳なの

370 名無し募集中。。。 2015/09/19(土) 15:18:14.53 O
巨乳というより虚乳

372 名無し募集中。。。 2015/09/19(土) 19:35:32.87 0
リホナンターの作者が未だに誰なのかわからない。

377 名無し募集中。。。 2015/09/19(土) 23:47:01.85 O
作者とさゆでいうならこんな作品あった
http://www35.atwiki.jp/marcher/m/pages/827.html
「わたし○○○○○○○○から」

378 名無し募集中。。。 2015/09/20(日) 00:46:18.67 0
>>377
「これ以上リゾスレを変態スレにしてはいけない、そういう良心が働いたんだ。最近じゃ 「真性レズビアンでロリ愛好の変態アイドル道重さゆみをこれ以上野放しにしてもいいのか?」スレと大して変わらな……」

2年前にはもう手遅れの状態だったのか…w

182 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:20:39
>>167

あゆみん とばせー

「ひいひいひい、ま、まあちゃん、少し休ませてよ」
「・・・大丈夫ですよ、石田さん、あなたの力はこんなものではないですから」
「ホントに小田ちゃん そう思っている?」

そうだよ がんばれ あゆみん!!
・・・ん? 待って待って ストップ 戻って 戻って

「どうしたの?まあちゃん?」

あっち! あっち! あゆみん 戻って

「あっちって何があるの?もしかして譜久村さん達をみつけたの?」
「いや、はるのみえたのはこんな近くじゃないよ」
「あっ あれをみてください、野生の象にキリン、シマウマです」
「・・・野生の王国、ですね」

あっち あゆみん あっちにいるの!

「え?う、うん、このへん???」

とうっ

「あ、まーちゃん、どこいくの!危ないよ」
「・・・仕方ないですね、私達もいきましょう」

来て〜〜みんな〜

「はいはい、行きますよ !! うわ、まあちゃん??な、なにこれ?」
『イガネオ〜テケスタ』           (続

183 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:23:20
「よし、じゃあ、みずき、りほ、香音ちゃん、行くと!」
「行くってどっちに?」
「う〜んと、胸の高鳴るほうへ」
「具体的にどこなんだろうね。まあ、いいや、適当に行けば集落でも見つかるんだろうね」

ガサガサッ

「な、なに?あそこの茂みから聞こえたけど」
「フクちゃん、私の後ろにいて。私が偵察してくるから」
「りほ、えりも行くとよ」
「いえ、守られてばかりではいけません、私がいきますわ」
「いいや、ここは香音が」
「「「どうぞ、どうぞ」」」
「・・・すると思ったんだろうね、全く、まあ、いいよ、なんかあっても香音なら透過で逃げられるから
 ほら〜そこにいる何か、出てきなさい〜出ないと目玉をつっつくぞ〜」

ガサガサッ

『ヨイナテンナマダメ〜ヨテメヤ』
「・・・何、これ?」「・・・クラゲ?」
『タレグハトマカナ〜イタイア』
「・・・何語かいな?」「・・・これ食べられるのかな?」
『イタイアグスマイエネ、ヨイタイア、ヨイタイア』
「・・・どうする?」
「とりあえず、怪我してるようだから手当てしますわ。ほら手を握って」
(パアアアア)
『ヨイナクタイ、ヨイナクタイ』
「なんだか喜んでるみたい」
『マサウオウョジ、ウトガリア』
「この子どうしようか?」
「・・・とりあえず、連れていこうか?独りぼっちだと動物に襲われそうだし、この子は肉食じゃなさそうだし」     (続

184 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:26:22
何年経っても同じ事の繰り返し

取り入っては裏切り、裏切っては取り入る

友など居無い
仲間など居無い
共に生きる者など、どこにも居無い

他者と交わる事の無い道を行く天涯孤独な人生
そんな私に〝予言者〟は告げた

「日本へ渡れ」

〝予言者〟は更に告げた

「Shine where we are placed」

置かれた場所で咲く。置かれた場所で輝く

私にも、太陽の光が当たる事を知った
私にも、咲かせる花が有る事を知った
私にも、照らす相手が居る事を知った

私は、もう独りでは無い

友と呼んでくれる者達と
仲間と呼んでくれる方達と
共に生きていこう

想いと願いが響き合うこの場所

『リゾナント』で──

185 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:26:54
>>184
保全作『meet-key』(仮題)

雑談か何かで出たアノ設定が含まれています。
続きませんので、あしからず。

186 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:28:30
>>182-183

「なに、この子〜かわいい〜」
「小田ちゃん、それ本気で言ってるの?」
「え〜石田さん、こんなにふにゃふにゃしててくりくりなお目眼でぬるぬるですよ。キュートじゃないですか」

ぶ〜あゆみん 好き嫌いだめだよ

「いや、好き嫌いっていうか・・・」

ほら、あゆみん、抱いてみて 気持ち変わるかもしれないし

「うわあああ、なんかぬるぬるする」
(ビビビビビビビビビ)
「ギャピイイィィィィ、し、痺れる」
「それは可愛らしさにやられたって意味ですね」
「いや、どう見ても物理的に痺れてるよ。電気クラゲなのかな?」

『スデイシヤク モテット テレワラキ』

ほら〜この子なんだか怒ってるよ、あゆみん 謝って

「ゴ、ごめんなさいいいいい」
『スルユ スルユ』

それであなたは誰? 名前がないなら まさがつけてあげる

「まーちゃん、それはちょっとどうかな?」
「そうですよ、まさきちゃん、人間と話したり、陸にいるクラゲなんて不思議すぎるんだから」

・・・よし 君の名前は スワスワ

「・・・聞いちゃいないし」

187 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:30:54
「どう、これならよくみえるでしょ?」
『ルエミ ルエミ クヨ ルエミ』
「・・・なんで香音のリュックにこの子をいれるんだろうね」
「だって香音ちゃんのリュックが一番大きいし、香音ちゃんのパワーなら背負えるっちゃろ?」
「がんばって 香音ちゃん」

「それで、今度こそどっちいくかいな?」
「とりあえず、今の時間帯だと太陽があっちにあって雲があっちに流れてるから・・・うん、こっちが北だね」
「とりあえず街を探すのが一番と思いますわ。食料がないとどうにもならないし」
「ちょっと、待って!後ろのこの子が暴れてるんだけど」

『チッア チッア カマナ ノシタワ』
(ビビビビ・・・)
「あぎゃああああああ、し、痺れるううぅぅぅ」
「か、香音ちゃん!」

(間隙)

「・・・それでどっちにいくことにするんだろうね」
「香音ちゃん、頭がBomber Headだよ・・・ちゃーちゃんみたい」
「この子が指さしている方にいってみようか?
 電気くらげだとしたら海とかに着くかもしれないし、そうしたら町がきっとありますわ
 それに・・・」
「なんかいな聖?」
「なにかの本で読んだことがあります。動物の中には地球の電磁波で自分の位置を把握できると」
「! それじゃあもしかしたら この子が磁石かわりになるかもしれないっていうこと?」

「それなら 早速この子の指す方に進むと」
「・・・でもこの子、仲間のところにいくつもりだとしたら私達どこに行くことになるのかな(ぽつり)    (続

188 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:31:28
スワスワ〜
『ワスワス ワスワス』
スワスワスワスワ〜
「ワスワスワスワスワスワスワス〜」

「こらあ、まーちゃん、遊ぶな!ああ、頭がおかしくなりそうスワスワスワスワ・・・」
「でも、おかげで一つわかったことがありますよ」
「はるなんなに?譜久村さん達の居場所?」
「いえ、スワスワちゃんは逆に言っているんです。例えば、りんごならごんりみたいに」
「おださくら、なら、らくさだお、ってことですか?」
「なんだかややこしいなあ !! ギャピイイイイィィィ ご、ごめんなさいいいいぃぃぃ」
『スルユ スルユ』
「・・・その通りのようですね」

あゆみん スワスワちゃん ぷんすかぷんだよ

「それから電気を発せられるということは体内に電気を発生させる器官があるということです
 ということは電気にこの子は敏感なはずです。もしかしたらこの子は生き物の電気を感じられるかもしれないですよ」
「よし、だーいし、スワスワちゃんを抱えて、リオンで跳ぶぞ」
「ハ、はい・・・り、リオ〜〜〜ン」

いけ〜あゆみん

『スデイイチモキ モテト ガゼカ ♪』
「あ、この子笑ってる、楽しそうだ、あゆみん お手柄だぞ」
「そ、そうかな? ギャピイイイイィィィ」
「あ、嬉しくて放電した」

イシシ あゆみん 気に入られてよかったね あれ、スワちゃん 怪我してる これどうしたの?

『タレタウ デウュジ トマカナ イシホ マカナ テシガサ』

189 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:33:58
『だーいし感電中。。。』

605 名無し募集中。。。 2015/10/10(土) 23:02:28.17 0
だーいしが感電してるとなぜか微笑ましくなる不思議

606 名無し募集中。。。 2015/10/11(日) 09:47:18.59 0
ノハ*゚ ゥ ゚)<だーいし感でだーいし感電…フフフッ
川c ’∀´)<やかましいわ!
川* ^_〉^)<イヒヒヒヒヒ
ハo;´ 。`ル<ちょいアフロだなあゆみん

一方その頃
Σノノ∮‘ _l‘)<!駄洒落の予感…!?
|||9|‘_ゝ‘)<ん?どしたと聖?
从*´◇`)<駄洒落を言うのは誰じゃー
ノリ*´ー´リ<誰じゃろなー

607 名無し募集中。。。 2015/10/11(日) 12:37:33.00 0
ダジャレ大会かよw

190 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:36:08
>>186-188

「イタカ? イナイゾ ソッチハドウダ」
「コッチニモ イナイ マズイゾ」
「マズイナ コノママ デハ オレラノ イノチガ アブナイ」
「ドウニカシナイトナ」

〜〜〜〜〜

『ノイタス ノイタス カナオ イタベタ クフカア』
「・・・なんだかこの子、暴れているんだろうね」
「頼むから、放電はしないであげてね、香音ちゃんがしびれちゃうから」
「どうしたのかしらね?急に暴れだしたりして」

〜〜〜〜〜

「アソコに イタゾ」
「ヨシ サキマワリダ ミカタに ツタエテカラ オレハオッテイク」
「ワカッタ アノヒトにバレナイ ウチニ タノムゾ」
「アア オレモ イノチガ オシイカラナ」

〜〜〜〜〜

「もしかして、おなかすいたと?日もこんなに高いけん、えりもおなかすいたっちゃ」
「それはえりぽんが朝ごはん食べなかったからもあるんじゃない?」
「でも、食料なんにもないんだろうね・・・どうしようか」
『ノイタス カナオ ノイタス カナオ (じたばた) 』
「ほらほら、いい子だから、香音ちゃんのリュックで暴れないようにしてね」
『 !! ヨイワコ ヨイコワ』
「な、なんだろうね、また暴れだしたんだけど」
「でもさっきまでとも違うようだよ」
「!! みんなあそこ!!」
「「「「ダークネス」」」」『ヨイコワ〜』   (続

191 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:39:20
>>112-118

「道重さん、ようやく眠られましたね」
「そうだね、鞘師、ありがとう」
高橋は道重に極端に耳のバランスの崩れたうさぎのキャラクター毛布を掛けながら、鞘師に微笑みかけた
「疲れたでしょう?今日、ホント、いろいろあったから」
「・・・そうかもしれないですね
 ダークネスの襲撃、亀井さんとの戦闘、亀井さんがいなくなった真相、そして道重さん
 肉体的にも精神的にも疲れました」
氷水で冷やしたタオルを絞り、道重の額に優しくのせ、高橋は答える
「そうだろうね。さゆも眠り始めたわけやし、鞘師も眠っていいんだよ
 あとはあっしが全て面倒みるから、なんなら鞘師のために子守歌唄ってあげてもいいがし」

冗談に鞘師はぷっとふきだした
「なに言ってるんですか、高橋さん、変なことおっしゃらないでくださいよ」
「そうかな?鞘師が頑張ってくれたから、あっしにできることを考えただけなんだけどな」
「あははは、き、気持ちだけで結構です」
「そんなに面白い?」
「はい、面白いです」
「う〜ん、難しいな」
両腕を組み、高橋は道重の部屋のもかもかのソファーに腰を下ろした

「さゆだったら、こんなときは『え?本当ですか!』なんて言ってすぐ横になったのにな」
「そ、それは道重さんだからですよ。道重さん、高橋さんのこと、大好きでしたから」
「なら、鞘師はあっしのこと、嫌いなの?」
「そんなはずないじゃないですか!高橋さんのこと、大好きですし、尊敬していますよ。ただ道重さんのようにはできません」
高橋がソファをポンポンと叩いた
ここに座りにおいで、のサインだ
もかもかのクッションに隠された高橋が置いていったお古のソファがぎしっと音を立てた

「はい、これ、サイダー。ちょっと炭酸抜けちゃったかもしれないけど」
サイダー瓶をカバンの中から取り出し、鞘師に手渡した

192 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:39:52
「ありがとうございます・・・おいしい」
「よかった」
キュポンっと栓が開けられる音が響いた
「これ、北の国で教えてもらったんよ。リンゴのサイダーなんだよ」
さわやかな甘みが口の中で渦を巻き、酸味が喉の奥を刺激する
「クセになりそうでしょ?」
「そうですね。初めて飲みました」
唇をペロリと舐めて、ラベルに目を向ける

「高橋さんはどちらに行かれてたんですか?」
「ん?あっし?
 色んなところ、暑いところ、寒いところ、高いところ、低いところ、都会、田舎、ジャングルに砂漠、かな」
視線を宙に向けながら指折り数える高橋は思い出話に移らんとしていた
「北の国ではね、親切なおばちゃんがね、あっしのことを」
「なんのために行かれたんですか?」
「へ??」
「何が目的だったんですか?」
鞘師の握る瓶の中に波がたっていた

「高橋さん、私は高橋さんのことを尊敬しています、大好きです、憧れです
 でも、一つだけわからないことがあります。なぜ、私や田中さん、道重さん、新垣さん達を残して一人で旅立ったんですか?
 何も言わないで、『するべきことがある』なんて置手紙だけ残していなくなったあの日を忘れられません
 どれだけ残された私達が不安だったのかわかりますか?
 リゾナンターとして、いや、人間としてあなたから学んでいる途中だった私達の目の前からいなくなった、あなたは
 新垣さんも田中さんも道重さんも光井さんもフクちゃんもえりちゃんも香音ちゃんも残されたんです
 教えてください、高橋さん、するべきことってなんだったんですか?」
��
真剣なまなざしをむける鞘師に高橋はサイダー瓶をテーブルに置いて答えた
「・・・難しいよ、答えるのが」
「それでもいいです」

193 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:40:24
「そっか、うん、そうだよね。ガキさん・・・しか知らないもんね」
「新垣さんは知ってらしたんですか?」
「さすがにガキさんにはいわなきゃいけない、と思った。だって、あっしの一番の理解者だからね」

新垣は知っていたのに、知らないふりをしていた―その事実を鞘師はどう受けてよいものかわからなかった
(なんのために?どうして自分もしらないふりをしていたんだ?)
誰よりもいなくなった高橋に対し、声を荒げていたのは新垣だった、あの日
その眼に浮かんでいた涙を鞘師は覚えている
涙に浮かぶ感情を鞘師は取り違えていたようだ

「鞘師、私はダークネスからなんて呼ばれているか、知ってるやろ?」
「i914」
蚊の鳴くようなか細い声でつぶやいたのは高橋がその名を忌みていることをしっての配慮
「ダークネスの成功作、i914なんて、あっしのことをあいつらは呼ぶ
 成功作って、あっしが敵対しているのにわざわざ言わなくてもいいのになって思わん?」
「そ、そうですね」
「あいつらはあっしが大切なんだろうって感じるよ、大嫌いな名前で呼ばれれば呼ばれるほど。皮肉だね」
鞘師はどのように反応すればいいのかわからなかった
同情?否定?共感?・・・どれも違う気がした。だからこそ無言になる
「・・・」

「あっしはあっしや。それ以上でもそれ以下でもない。
確かにi914という化け物を内に飼ってるのは事実や。だからってあっしがあっしでない答えにはならんよ
 だけど、それをどうやって確かめる?1+1=2みたいな公式で示せないやろ?」
「それを確かめるために旅に出た?」
「違う」
鞘師は目を丸くした。この話の流れからそうに違いないと思いこんでいたからだ
��
「自分自身は一人なんて、自分が信じて、周りにいる友が信じてくれればそれでいい
 それで十分だよ。それがガキさんであり、れいなであり、さゆであり・・・・みんなだよ
 あっしは本当にいい仲間に巡り合ったよ、幸せ者だよ、今でも幸せ」
「それではなんのために??」

194 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:40:55
足をぶらぶらさせて高橋は背もたれにもたれかかった
「同じように迷っている声が聞こえたから」
「『声』ですか?それって私達を集めたような」
「ただ助けてっていう叫び、かな。悲痛な救いを求める声。聞き流すわけにもいかないじゃない」
「それで旅立った」
高橋は頷いた

「いろんな出会いがあったよ、嬉しい出会い、悲しい出会い、怒った別れ、喜んだ別れ
 一期一会以上に複雑に絡み合った世界で私達は生きているんだって気づかされた
 そのなかで自分ができること、それを見つけられたら幸せ、それを実現できたらもっと幸せと感じたよ」
「私達との出会いはどうでしたか」
破顔一笑の笑顔で肩に腕を回して、高橋は鞘師を引き寄せた
「最高の出会いだよ。こんなに可愛い後輩を持てるなんて幸せだね」
その屈託もない不細工な笑顔をみて鞘師は感じた
(この人は変わっていない。強くて、素直で、そして優しい)

「私も幸せです。高橋さんみたいな人で出会えて」
「あひゃひゃ、褒めてももうサイダーないがし」
「ええ、大丈夫です。これ以上飲んだら肥えてしまいますから」
「え〜鞘師はもう少し健康的になったほうがいいよ」
鞘師はむっとして、そうでもないんです、と強く言ってのけた
しかし、高橋は気にせず笑って答える
「あのさゆだって昔はもう少しぷくっとしていたんだから、大丈夫だよ、鞘師は」
静かに寝息を立てる道重の寝顔は二人からは見えない
「道重さん、大丈夫ですかね?」
「・・・どうだろう、これはあっしも大丈夫なんて簡単に言えない」
��
「質問ばかりで申し訳ないのですが、もう一ついいですか?」
何も声に出さなかったが、鞘師はyesと捉えた
「亀井さんってどんな方だったのですか?道重さんがあれほど取り乱すなんて信じられないのですが」

195 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:41:42
鞘師はあの夜の血の気が引いていた真っ青な道重の顔が忘れられないのだ

「絵里は、優しい人。そして、あの子ほど素直で、正直で、こだわり強くて、可愛い子を知らない。
 ちょっと抜けてて、でも真面目で努力家で、ムードメーカーで、実際、誰からも愛されてた
 通っていた病院でも人気者だったみたいで、アイドルだったようだよ」
「それならなんで、亀井さんがいなくなったのに、どうして騒ぎにならなかったんですか?」
ふと浮かんだ疑問を口にしたが、高橋の顔が暗くなった
「・・・ガキさんにお願いした。すべてを書き換えて、って頼んだ。病院関係者から行きつけのお店から、友達から、家族も」
「家族にもですか?亀井さんの存在自体を消そうとしたんですか?」
「いや、海外留学してることにして、病院は完治した、ことにした」
「それにしても酷いと思います」
「それはあっしも同感や。都合のいい工作だ。だけど、いなくなったままの絵里を家族はなんて思う?
 必死で行方不明の捜索願をだすやろ?悲しんで、苦しんで、泣くに決まっている
 だってあっしとガキさんは、絵里のことを・・・間違っているのはわかっている」
「・・・」
「それはれいなもさゆも愛佳もリンリンもジュンジュンも知っている
 このことを知っているのは8人しかいないし、悲しむのもそれだけでよかった
 ・・・ダークネスは気づいてしまったようだけど
 絵里とさゆは親友だった。なんでも通じ合っていて、どこにいくのも一緒だから、さゆは一番辛かったやろうね」
「・・・それでいいのですか?」
「間違いだね、確実に。だけどあんなにいい子を失って悲しむ思いをするのは私達だけでいい
 だって私達に原因があるのだから。私達と出会わなければ、普通に青春を過ごし、普通に学校に通い、普通に恋愛できただろうからね
 えりが一番普通の生活を望んでいた、それを結果的に奪ってしまった、その責任は私達にあるんだから」
「・・・」
��
道重の静かな寝息しか聞こえない闇を破り、高橋が語る
「絵里はね、幸せになりたかったんだ。でも、幸せを追い求めなかった
 なぜだかわかる?
 『幸せになりたい幸せになりたいってずっと思ってると幸せになりたいってだけで終わっちゃうんです
  幸せだなぁって思ってるとずっと幸せのまま過ぎていくんです』
 絵里が教えてくれたことだよ」

196 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:42:13
「・・・素敵な言葉ですね」
「ぽけぽけしているのにどこか超越していた。現実的なさゆとはそういう意味でも凸凹コンビだったね
 そんな絵里だからこそ・・・今度こそ私は絵里を救いたい」
瞳にあふれる強い意思を感じた鞘師は改めて思うのだ、力になりたい、と。

鞘師が亀井が高橋に伝えた言葉を飲み込まんとしていると、突然高橋がごろんと横になり、自身の頭を鞘師の膝にあずけた
「な、なにされてるんですか」
「ん〜休んどるんよ。気張ってるばっかりやったら、疲れるやろ?
 楽しいときは楽しむ、哀しいときは哀しむ、怒るときは怒る、忍ぶだけじゃもたんよ」
「だからっていきなり横にならないでくださいよ」
「それもそうやね」
よいしょっとつぶやき、体を起こし、道重の傍らにしゃがみこんだ

ふと横を見ると安心しきった顔ですやすやと寝息を立てる道重の姿が目に入った
『さゆみ、寝顔は不細工だからみてほしくないの』
そう彼女が赤ら顔で言っていたことを思い出したが、その寝顔は決してそうは思えなかった
むしろ、美しい、神秘的だ、と鞘師は感じ、ついついその頬を触れたい衝動に駆られた

「さゆも苦しんどる。だから、夢のなかくらいは幸せにしてあげようかな」
頭をぽんぽんとなでて、鞘師を手招きした
「???」
ここにおいでとでも言うように寝ている道重の近くの絨毯を指で示した

道重を挟んで高橋と鞘師は向かい合う
「よいしょっと」
いきなり道重の布団に入りだした高橋を見て、鞘師は大声をあげそうになり、慌ててこらえた
「た、高橋さん?」
「ほら。鞘師も入って」
「む、無理ですよ」
「ええから、ええから。さゆを元気つけたいでしょ?」
「・・・」

197 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:42:44
すごすごと道重の隣に横になる鞘師。高橋、道重、鞘師で川の字が作られた
「どう?」
「・・・変な感じです。お二人と寝ているなんて」
「あひゃひゃひゃ、そうかもね。でも、修学旅行みたいで楽しいやろ?
 まあ、あっしは修学旅行にいったことなんてないんだけどね」
笑いながら高橋は道重の髪の毛をいじって遊んでいる

(そうか、この人も小田ちゃんと同じようにダークネスによって普通の生き方ができないようにさせられたんだった)
小田さくら、ダークネス、独特の感性、使命感、いろいろな部分がこの人と似ている、そう感じた
どれだけの重荷を背負っているのか?なんでここまで強く慣れるのか?
どうして私達を選んだのか?どこまで知っているのか?
訊ねたい欲望がこみ上げてくるが・・・
「あれ?鞘師は楽しくないの?」
そんな無邪気な声が押さえ込む

「た、楽しいです」
「・・・うそつき」
「う、嘘ではないですよ」
顔はみえない、声が聞こえるだけなのに、この人は全てを把握しているように感じてしまう
「嘘。だってなんか重いもん、声が」
精神感応? そう思ったが、鞘師は違う、と感じた。あくまでも感じただけだが、このひとは・・・
「わかるよ、鞘師のことは。だって一緒に居たんだから。ここにね」
私のことをまっすぐみてくれる数少ない人だから

「鞘師、偉そうなこと、一つだけ言っていいかな?」
「一つだけ、ですか?」
「な、なんや?そのもう、何回も言っているみたいな言いぶりは!!」
あわてて否定する鞘師だが、それを高橋は冗談やよ、と笑ってみせる

198 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:43:19
「鞘師、今のリゾナンターで、重要な立場にいるのはわかっている
 リーダーはさゆやけど、前線にたっているんは鞘師でしょ
 つらい思いは人一倍多いと思う、れいなもそうだった」
久々に出会った田中の姿を脳裏に鞘師は浮かべた。
相変わらず10代半ばが好むような動物柄のファッションに身を包んでいた、派手な顔立ちが月夜に映える
あえて、そんなファッションで自分自身を守っているように、本当は繊細なことも知っている
人前では見せないように振舞っているからこそ、高橋といるリラックスした田中を鞘師は高橋とは違う憧れの対象としていた
いつしか、鞘師も願っていた、この人たちのように強く、なりたいと

しかし、高橋はそう願っていなかったようだ。優しい声をかけてくる
「鞘師、緊張しているでしょ?力入ってばっかりだと疲れちゃうよ」
「そ、そうですか?」
「自分でなんでもしなきゃいけない、そう思っちゃだめだよ
 今の鞘師の立場はなんとなくわかる。でも、一人じゃないんだから
 さゆだっているし、フクちゃんや生田やズッキもいる。
 力をぬいて、信じること、それが必要かな」
「・・・」
「おやすみ」
すぐに寝息が聞こえてきて、鞘師も天井のマス目を見上げた
(私、頑張りすぎてるのかな?)
考えようとしたが、睡眠欲が疲れ果てた肉体を夢の世界へと誘うのは容易であった

★★★★★★

テレビから流れる天気予報
アイドル出身の『美人』天気予報士が原稿を読み上げる
『明日も本日と同じようにいい小春日和となるでしょう
 しかし、週末にかけて、大荒れの天気となり、暴風を伴う雷雨となるでしょう』

だってさ、亀井さん★

199 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:44:54
>>191-198
『Vanish!Ⅲ 〜password is 0〜』(12)です
気づけばもう冬ですね。道重さんが卒業して一年近くですか。遅筆が・・・
これでカップリングパートは終えたので、次から「起承転結」の「転」ですね。
一体いつ完結できるんだか(笑)12期出せねえなw
まー修行以外も読みたいな〜『作者』として刺激受けたいです。

200 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:49:38
怒りも
悲しみも
喜びも

あたし達は共有できる



独りが一人へ
一人がみんなへ
みんなが一人へ

想いが届く

何時でも
何処に居ても
何をしていても

想いは届く



それがリゾナントに集まった仲間の証

他の誰でも無い
この13人が仲間



繋いでくれたのは
共鳴、でしょ?

201 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:50:23
>>200
保全作『届く 想い』

823の方ではありません。
残り2ヶ月、13人の'15を精一杯に楽しんで
メンバーもファンも

202 名無しリゾナント :2016/01/11(月) 16:55:37
【第108話】

期間
2015/11/03(火) 21:02 〜 2015/11/18(水) 21:08 308レス

203 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:22:26
鞘師さん──

朱音には、信じられません



鞘師さん──

まりあ、とっても胸が苦しいです



鞘師さん──

頭が、真っ白です



鞘師さん──

鞘師、さん……



鞘師さん──

不安、ですよ

204 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:22:53
鞘師さん──

こんな事、受け入れられませんって



やっさん──





鞘師さん──

こんなの、考えたことがありませんでした



鞘師さん──

今、どんな気持ちなのでしょうか

205 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:23:17
里保ちゃん──

どういう事か、よく分かんないよ



里保──

それが里保、って事っちゃんね



里保ちゃん──

こうなる前に、出来た事、無かったのかな

聖には、もう何も出来ないのかな



今の

鞘師里保の

心の声が



聴こえない

206 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:23:53
>>29-31
保全作『Lost R』

現実のメンバーだけで無く、スレにも衝撃的な運命が課せられるとは。
'16への試練でしょうか。

門出はしっかりと祝いたいと思います。

207 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:24:23


そっと、目を開く。
視界全体が、薄もやに覆われているかのように煙っている。
自分は、なぜこんなところにいるのだろう。
里保は、少しずつ、自らの記憶を遡ってみた。
塩の女との対決、さゆみの登場、そして。

うちは、死んだんじゃろうか…?

そんな想像を打ち砕く、断片的な痕跡の襲来。
激しい雨、荒れ狂う奔流、鮮血。そして、狂気。
そこで、悟る。
自分は。また、”やってしまった”のだと。

「りほりほ?」

声が聞こえる。
暖かい。けれど、今は聞きたくない声。

「りほりほ」

やめてほしい。
うちのことなんて、ほっといて。

「りほりほっ!」
「わあっ!?」

後ろから、強引に抱き竦められたような感触。

「び、びっくりしたぁ!みっしげさん!!」

振り向かざるを得ない状況に、視線を向ける。
が、そこにはピンク色の丸いふわふわした光が浮いているだけだった。

208 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:25:20
「あのあの、これはどういう」
「ここは、さゆみとりほりほだけの世界」

さゆみらしき存在に言われて、思い出す。
そう言えば、精神操作の導き手によって、他者と精神だけの状態で意思疎通を行うような空間が生み出されるということ。
春菜が衣梨奈とともに「スマイレージ」の和田彩花を救った時、そのような現象が発生したと聞く。さらに遡れば時の魔
物と言うべき存在にさくらが囚われたのを救い出した時、紛れもなく里保自身も体験したことだった。

「でも、道重さんの姿が…」
「さゆみには、きっとりほりほがさゆみを見ているのと同じような姿が見えてると思うの」

つまり、視界の晴れない靄の中、赤とピンクの二つの球体が浮かんでいる。
想像するとなかなかシュールな光景ではあるが。

「…そういう世界にしてるのは、きっとりほりほがそう望んでるから」
「みっしげさん、うちはいったい何を…!!」

自分が気を失ってから、ここに至るまでのこと。
人の口から、聞きたかった。けれど、聞きたくなかった。
あの忌まわしき、赤眼の魔人のことなど。

「いや、何でもないです」

咄嗟に言葉を引っ込める里保。
しかし、まるでそんな里保の顔を覗き込むように、さゆみは訊ねる。

209 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:25:57
「りほりほは、あの子のことが嫌いなの?」

言葉に、詰まる。
まさかそんなことを聞かれるとは、夢にも思わないとはこのことだ。
里保の中で、過去の出来事が渦を巻く。
それはさながら、かけがえのない存在を呑み込んだあの日のように。

「うちが!『あいつ』を!好きなわけないじゃないですか!!!!」

気がつけば、大声で叫んでいた。
あいつは。自分を心の奥底に閉じ込め、そして有り得ないほどの力を振るった。
そのせいで、自分は友を救うことができなかったのに。
そしてさっきも。水は荒れ狂い、その禍々しい赤い瞳の色はそれと良く似た色の液体を求め…

「さゆみもね。最初は、『お姉ちゃん』の存在を受け入れることができなかった」
「えっ?」

里保は俄かにその言葉を疑う。
だって、「二人」はあんなに仲が良さそうだったではないか。
そう。さゆみは自分とは違う。出したくなかった。二度と表に、出したくなかった。
なのにあいつは姿を現した。目の前でさゆみがあんなことになったせいからなのかもしれないが。
それでも。「彼女」を許すことなんて、できやしない。

どことなく里保がさゆみに遠慮がちな原因の一つが、そこにあった。
近づいてはいけない、触れてはならない。でないと、自分の中の「血の色の魔人」は。

210 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:26:39
「でもね。いろいろ抵抗してみたりもしたけど。結局わかっちゃった。『お姉ちゃん』も含めて、さゆみなんだってことに」
「道重さん」
「絵里…鞘師も知ってる、亀井絵里ちゃんから言われたんだ。『さゆは、さゆのままがいい』って。だから」

目の前のピンク色が、ふっと薄くなる。
さゆみの姿が少しだけ、見えたような気がした。

「『それ』もひっくるめて、キミ自身でしょ」

でも、そしたら、どうしたらうちは。
その言葉を紡ぐより先に。
道重さゆみは、里保の精神世界からかき消えていた。

211 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:27:24
>>34-37
『リゾナンター爻(シャオ)』更新終了

少しでもスレの存続の力になれば幸いです

212 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:28:50
>>34-37 の続きです



「お疲れ様です!」
「お疲れ様です!!」

外仕事から戻ると、いつもこれだ。
男装の麗人を地で行く、金髪のライダースーツ。
ダークネスの幹部たる地位に就く「鋼脚」は、複数の黄色い声のお出迎えに辟易しつつ、仰々しい総本部の建物へと足を進め
た。そのルックスから、男性というよりもむしろ女性の構成員のほうに妙な人気がある。かと言って邪険にするわけにもいか
ず、適当に愛想を振りまいてしまうのは彼女の悪い癖でもあった。

しかしまあ、何を考えてるのかね。あの芋博士は。

芋博士、というのはもちろんダークネスが誇る「叡智の集積」Drマルシェこと紺野あさ美のことだ。
組織の頭脳に対して皮肉りたくなるほど、状況は煩雑化していた。

まず、組織の幹部全員、それと主だった戦闘部隊の総本部での待機。
不便極まりないが、これは些か仕方ない面もある。何せ、「詐術師」「不戦の守護者」が謀反を企て「首領」の命を狙ったの
だ。これは紺野の意向というより、「首領」の右腕である「永遠殺し」が強く働きかけたのだろう。

だが、その隙をついて例の問題児たちが騒動を起こした。
東京を代表する総合アミューズメントパーク「リヒトラウム」。夢と光の国、と形容されるその施設を、問題児。「金鴉」と
「煙鏡」が急襲したのだ。

夢の国の実質的オーナーが、日本を代表する巨大企業・堀内コンツェルンの総帥である堀内孝雄であることは闇社会では周知
の事実。だが彼があらゆる意味においてのセキュリティをダークネスの商売敵にあたる、「先生」と呼ばれる男に率いられた
能力者集団に任せていることは裏の世界でも一握りの人間しか知りえないことである。

傍から見れば、縄張りを知らない馬鹿が何の考えも無く死地に飛び込んだと。
たとえそれが標的であるリゾナンター殲滅のためだとしても。そういう考えに至る。しかし。

213 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:29:21
「どうしました、浮かない顔をして」

不意に、背後から声をかけられる。
足を止め、振り返るとそこにはいつもの白衣が。

「誰のせいだよ…ったく」
「のんちゃんとかーちゃん…「金鴉」さん「煙鏡」さんの件は、私の差し金ではありませんよ」

どうだか。
疎ましげに声の主、紺野あさ美を一瞥し、それから再び廊下を歩き始めた。

「それより、こんなところで油売ってる場合かよ。『天使の檻』がやばいんだろ?」
「あれは”先ほど、一区切りはつきました”が」
「ずいぶん勿体つけた言い回しだな。まるで、これからが本番みたいな」
「そうですか? まあ、ご想像にお任せしますよ」

並び歩きながら、言葉の応酬。
組織の情報部を統制する人間と、科学部門の統括責任者の組み合わせだ。嫌が応にも、心理戦の口火が切られる。

「さっきの話に戻るけど…あのチビ二人の目的は知ってるんだろ?」
「ああ。実は、『リヒトラウム』の地下に『ALICE』があるんです」
「はぁ!?」
「元はと言えば、私が堀内さんにお預けしたものだったんですが。どのルートかは知りませんが、彼女たちの知るところにな
ったみたいですね」
「お前なあ…」

214 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:31:03
「鋼脚」が呆れて絶句してしまうほど、紺野がさらりと口にしたことは深刻だった。
紺野率いるダークネス科学部門が開発したという、兵器。名は「ALICE」、情報部でもそれ以上のことは知ることは出来
なかったが、数度米国の砂漠で行われた実験の結果だけは判明していた。

それが、普段から自分たち能力者の存在を疎ましく思っているだろう連中の手にあること自体好ましくないのに。
さらにそれを刺激するような「あの二人」が接近している。

不可解な点もある。
どういう経緯かは知らないが、悪童たちはわざわざリゾナンターたちを「リヒトラウム」に招き入れ、その場を戦場とするこ
とを選んだ。これが理解できない。

「紺野。あいつらは何で、あんな場所にリゾナンターたちを誘き寄せたんだ?お前…」
「私は何も聞いてませんよ?」

「鋼脚」が言うより早く、紺野が自らの関与を否定した。
しかし。眼鏡のレンズの奥の目が。微かに笑っている。

「どうせ、予測はついているとか言うんだろ」
「どうでしょうね。ただ、彼女たちと付き合いの長い『鋼脚』さんなら、ある程度はわかるんじゃないですか?」
「おい、まさか」

嫌な予感。
けれど、恐らく正しい予測。
「鋼脚」は理解してしまう。あの二人が何を狙っているか、そして有り余る力を手に入れた時に何をするか。
長い付き合いとは、皮肉なものである。

215 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:31:26
「そうですね。混乱に乗じて、『ALICE』を奪う。ダークネスの総本部にぶち込むくらいのことはするかもしれません」
「ったく…冗談きついぜ」

あくまでも冷静な紺野。
肩を竦めながらも、「鋼脚」はそこに紺野の自信を見る。
先ほども、天使の檻の決着がついたと語っていた。あのつんくがそう易々と組しかれるのはあまり想像はできないが。
このゲームの主導権は、既に彼女が握っている。

「まあ、そうならないためにも。リゾナンターさんたちには頑張っていただかないと」
「またあいつらかよ。随分便利な駒になってるじゃねえか」

思えば、ベリーズやキュートといった若手の精鋭を敢えてぶつけたのも。
時を操るさくらをリゾナンターにくれてやったのも。
紺野が先に見据える何かのための、強力な駒を作るための準備なのではないのか。
何かとは何だ。何を企んでいる?

「鋼脚」は、紺野が自らの障害となり得る二人の幹部を闇に葬り去った計略を知る数少ない人物の一人だ。
その意味においては、彼女の協力者の一人とも言える。が。

「彼女たちは、いい素材だ。きっと大きな仕事をしてくれますよ」
「それは、質問に対するイエスと捉えていいのかい?」
「…ご想像にお任せします、とだけ言っておきましょうか」

216 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:32:03
相変わらず、肝心な部分だけは決して表には出さない。
それがDr.マルシェの「叡智の集積」たる所以ではあるのだが。
まあいい。「鋼脚」は気を取り直す。本音を出さないのはお互い様じゃないか。
いいぞ、こんこん、などと称えるような関係ではもうないのだから。

「おや、どちらへ?」

本来ならば、紺野と「鋼脚」の向かう先は同じ幹部が居を構える区画のはず。
しかし、闇に溶け込むライダースーツは大きく左へと曲がる。

「ちょっとやぼ用でね」
「ああ、確かそちらの方角には。私もたまには様子を見ないといけないのですが」
「よく言う。負け犬には用はないって顔してるぜ?」
「まさか。これでも色々と尊敬してたんですよ? 『彼女』のことを」
「まあ、伝えておくわ」

それだけ言うと、振り返ることなく手を振る「鋼脚」。
彼女たちの立ち位置の違いのように、白衣と黒のライダースーツは、少しずつ、距離を広げていった。

217 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:32:40


地下区画。
打ちっぱなしのコンクリートで囲まれた部屋の中央に、大きなガラス製の水槽があった。
この中には、生命体の傷を急速に修復する溶液が満たされているらしいが。ともかく。

「なあ。お前のかわいい後輩が、お前のこと『尊敬してる』だってさ」

返事はない。言葉は空しく宙を舞うのみ。
それでも「鋼脚」には、ヒステリックに怒り喚く水槽の向こう側の相手の反応を、容易に想像できた。

― そんなこと言って、きっと内心あの子、あたしのことバカにしてるんだから! ―

台詞まで浮かんでくるほどのリアルさ。
ただ、現実として彼女は沈黙している。

手負いの黒豹 ― 黒の粛清 ― は、新垣里沙に傷つけられた体を、水槽の溶液に蕩わせていた。
美しい、黒の光沢を帯びたメタリックボディ。だが、そのあちこちがまるで金属疲労にでも見舞われたかのように激し
くひび割れている。誰の目から見ても明らかな、ひどい損傷。それでも、「鋼脚」は知っている。彼女が最も酷く受け
たダメージはそんな目に見えるものではない。

自らが侮り、下に見ていた後輩に手ひどくやられるどころか、命を失う一歩手前まで追い詰められた。

その事実は、おそらく「黒の粛清」のプライドをずたずたに切り裂いたはずだ。
そして、里沙の精神の手は、彼女の最も触れたくない鉄の心を、強く押した。

体だけのダメージならば、意識を取り戻してもおかしくないくらいのレベルには回復している。
紺野の言葉を信じればそのような状態にあるはずなのだが。「黒の粛清」は一向に意識を取り戻す気配がない。

218 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:33:17
彼女と、粛清人の双璧を成していた「赤の粛清」。
その二人が同時に欠けることは、粛清制度の崩壊を意味していた。
その代用として急遽現場に投入されることになった、「五つの断罪」。「天使の檻」の動乱にも駆り出されるほど重宝
されているようだが、彼女たちはまだ、若い。必然的に、「鋼脚」にかかる負担は大きくなる。

はやくうちを楽にしてくれよ、と訴えかけても、当の本人は眉間に皺を寄せつつ水槽に浮かぶばかり。

「傷心のあまり、現実逃避…って、梨華ちゃんはそんな柄じゃないわな」

ひとりごちつつ、ひんやりと冷たいはずのガラスに手をやった。
わかる。溶液の中、堅く瞳を閉じている「黒の粛清」。けれどその奥には眠っている。

黒き死神に相応しき、漆黒の、復讐の炎が。
仇敵を焼き尽くし、骨すら残さないほどに。苛烈な。憤怒の感情が。
おそらく彼女は、目覚めるだろう。その牙を、新垣里沙に突き立てるために。

けど…それまで待ってらんないんだよな。悪いけど。

「鋼脚」は踵を返す。
拳を交える理由なら、こちらにもある。
けじめだけは、しっかりとつけなければならない。
同じ力を持つものとして。そして、闇に心を食われた人間の、道標として。

219 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:34:01
>>51-57
『リゾナンター爻(シャオ)』更新終了

ちなみに前回更新の最後のさゆの台詞は
こちらからの引用となります
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/1111.html

220 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:34:56
「……こんなガキに、俺が負けた?」

「相手にもなりませんでした、See you」

コツコツコツコツ……

「話が違う……あいつ、ハメやがったな。何が『ガキだから余裕』だ……こいつの強さ、リゾナンター並じゃねーか」

コツ

「〝リゾナンター〟? What is it?」

「え、いや……」

「多少強引ですが、訊き出す方法はありますよ?」


バチバチッ

──

「興味深い。会えるだろうか、その〝リゾナンター〟に」

221 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:35:34
>>108
チャット会場より転載

222 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:37:29
>>51-57 の続きです



最初におかしいと思ったのは。
突如として舞い込んできた、仕事の数々。
聞けば、他の警察機関に属さないフリーの能力者たちも同じような状況だという。
能力が萌芽して間もない少年少女の保護のような仕事から、大組織の隙間を縫うようにして悪事を働く小悪党の
成敗まで。
一つ一つの仕事はそうでもないが、塵も積もれば何とやら。気づけば外部からの電話を取ることもままならなくな
っていた。
旧来の知己を頼ったり、中にはかつての盟友であるリンリンに頼み込んで「刃千吏」の駐日特派員を動かしても
らったり。
とにかくそうして、ようやく身辺が軽くなった愛が自らの携帯を覗き込んだその時。

山のような着信履歴の中から、「愛佳」の名が視界に入る。

かつて読心術の使い手であった影響だろうか。
何となく、嫌な予感がした。
今、自分を身動きが取れないようにしているのが、誰かの差し金なのではないかと。
そして、同じような立場にあったのだろう。すぐさま、携帯がけたたましく鳴り始めた。

「ちょっとちょっと!どうなってんのよ!」
「里沙ちゃん!?」

いつもの"ガキさん節"とでも言えばいいのだろうか。
しかし、どことなく切迫した様子があることに気づき愛佳の着信の件を切り出してみると、ご明察。
里沙もまた、急な仕事の依頼に身柄を拘束されたのに似た状態に陥り、ようやく落ち着いたところで携帯に愛佳
の着信履歴を見つけたのだった。偶然がいくつも重なると、それはもう偶然とは言えない。

223 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:38:04


藁にも縋る思い、というのはこういうことを言うのか。
愛佳はそのことを体の芯から実感する。

「もしもし、愛ちゃん?愛ちゃん!」
「愛佳、今、どうなってる?」

光と夢の国、というキャッチフレーズには程遠い絶望的な状況。
文字通り彼女の希望となった愛に、愛佳は自分と若きリゾナンターたちを取り囲む状況を説明しはじめた。

「金鴉」と「煙鏡」と名乗る、二人のダークネス幹部。
彼女たちが、リゾナンターたちを「リヒトラウム」の敷地へと誘き寄せたこと。
さらに偽の予知を愛佳に刷り込むことで、さゆみをまんまと罠に嵌めたこと。
そして、さゆみが倒されたこと。さらに、里保までが。
二人とも一命は取り留めたものの、それでも安穏としてはいられない状況であること。

「そうなんや…そんなことが」
「譜久村たちは、道重さんの仇取るなんて言いよる。せやけど、うちは…」

撤退。
愛佳の思いは変わらない。けれど、横目でちらりと見た聖の意思もまた変わっていないのは明らかだった。
そして恐らく、他のメンバーたちも同じ思いなのだろう。
自分には。彼女たちと共に戦った時間が短い自分には、その強い気持ちを説き伏せることができないだろう。
けれど、かつてリーダーとして若きリゾナンターたちを率いていた愛ならば。
愛佳が愛の電話に希望を見たのは、そういう理由からであった。

224 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:38:34
「愛佳。フクちゃんに代わって」
「ん…はい…」

愛に促され、愛佳は聖にスマホを手渡す。
かつてのリーダーの登場に緊張しているのが、聖の手の震えに表れていた。

「フクちゃん?」
「はい。お久しぶりです」
「状況は愛佳から聞いた。そのダークネスの幹部が、『金鴉』『煙鏡』を名乗っているなら。あーしの知ってる
あの人たちなら。きっと、辛い戦いになる」
「はい」
「そして。さゆが戦えない今、そこにいる若い子たちの指揮を執るのは、フクちゃん。それは、わかるね」
「…はい」

愛の話す言葉を、一言一句、聞き漏らさぬよう神妙な面持ちで聞いている聖。
もしかしたら、高橋さんも反対するのかもしれない。
たとえかつてのリーダーに異を唱えられても、気持ちは変わらない。
けれど、日が落ちた後の夕闇のように、不安が聖の心に迫ってくる。
そんな彼女の耳に届いたのは、意外な一言だった。

「で、フクちゃんは。どうしたい?」

聖は。試されている、と直感した。
もちろん、携帯の向こう側の様子であるからして、愛が今どのような表情でそんなことを言ったのかはわからない。
けれど、感じる。聞こえる。言葉の意味以上に、愛が、里沙が、そしてさゆみが座っている座の意味を、問われて
いる。

225 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:39:07
「聖は…あの人たちのことを追いかけたいです」
「どうして? さゆをやられて悔しいから?」

「金鴉」がさゆみを貫いたあの瞬間。
狂気に満ちた、相手の表情を思い浮かべると、今でも肌が粟立つ。深い、怒りだ。
けれども。

「そういう気持ちがあるのは、否定しません。でも、それ以上に…今、あの人たちを放っておいたら、道重
さんのように、ううん、もっと多くの人が犠牲に…だから…」
「あの二人は強いよ?」
「…勝てます」
「そっか。なら、行っておいで」

聖は、はっきりと「勝てる」と口にした。
慌てたのは愛佳だ。聖を宥めることを期待していたのに、これではまるで逆だ。
聖から携帯をひったくるように奪い、それから口角泡飛ばす勢いで愛に問い詰め始めた。

「ちょちょちょっと愛ちゃん!何や今の!何言うたの今!!」
「フクちゃん、あの二人に勝てるってさ」
「んなアホな!道重さんですら勝てなかった相手を、そないな簡単に」
「あーしは。フクちゃんを信じてる」
「そんな…」

信じるだけで実力差が埋まれば、おそらく今頃はダークネスなどとうの昔に壊滅している。
そう言いそうになった愛佳に、愛とは別の声が聞こえてきた。

226 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:39:51
「もしもし、みっつぃー?」
「新垣さん!?」

何と。
愛の他にも里沙がいたというのか。
折れかけた心が再び、甦る。そうだ。彼女ならきっと。
愛佳は、無言で携帯を聖に差し出した。

「もしもし、譜久村です」
「フクちゃんか…話は大体愛ちゃんとの会話でわかってる。だから、あたしが聞きたいのはただ一つ。あの
二人とさゆみんが戦ってるのを見て、どう思った?」
「…付け入る隙は、あると思います」
「じゃあ、あたしからはもう何も言うことはないね。頑張ってきな」
「は、はい!!」

話の方向が、愛佳が期待していたのとは逆に向かっているのは明らか。
聖から携帯を受け取る愛佳の顔は、今にも泣きそうだった。

「に、新垣さん…」
「何よー、そんな情けない声出して」
「だって…せ、せや!新垣さんならうちの言うてること、わかるやろ!」
「みっつぃー、愛ちゃんが一度言い出したらテコでも動かないの、知ってるでしょーが。それに、今回ばか
りはあたしもフクちゃんの意見に賛成かな」
「え…」

あまりに無謀な若手の突入。それを制止するどころか支持するとは。
思わず昏倒してしまいそうな愛佳を、里沙の言葉がはっとさせる。

227 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:40:32
「フクちゃんがさ、勝てるって断言したんでしょ? そういうの、あんた今まで聞いたことある?」
「…ないです。うちがリゾナンターやった時には、そんなこと」
「だったらさ、信じて応援してあげるのが、先輩ってもんじゃないの?」

正論である。
かつてのリーダーとサブリーダーがそう言ってるのだ。正論にならない、はずがない。

「私も譜久村さんの言う通り、あの人たちには勝てると思います。ゆっくりお話しする時間はありませんが、
根拠ならありますから」
「飯窪…」

愛佳は、後輩たちの顔を交互に見る。
いつの間にか、逞しく成長している。自分と入れ替わるようにしてリゾナンターとなった遥や優樹たち年少
者ですらも。
ベリーズやキュートに立ち向かった時も、彼女たちの姿に成長を見たが。あの時よりもさらに、ずっと。

何や…うちもまだまだ過保護やったんやな…

「わかりました。うちもお二人の意見に、賛成します」
「そっかそっか。でもまあいざって時にはうちらがそっちに…」

突然のことだった。
里沙の音声に、耳障りな雑音が混じり始める。
そして、文字通り、どこからか「割り込む」ものがいた。

228 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:41:06
「どーも、つんくでーす」
「つ、つんくさん!?」
「お取り込み中のとこ、申し訳ないんやけど。俺もそこの二人に用があるんでな。一旦切らしてもらうで」
「ちょ、ちょっと何を…」

泡を食った愛佳が文句を言いかけたところで。
通話は、強引に切られてしまった。

つんくの登場が何を意味するのか。
愛佳にも、そして若きリゾナンターたちにもわからない。
ただ、今はそれを詮索している時間はない。

「とにかくや。道重さんと鞘師はうちに任せとき。うちももう、何も言わん」
「光井さん」
「ただ、道重さんの代わりに、これだけは言わせてや。『気ぃつけて、行ってきな』」
「はいっ!!!!」

8人の声が、重なる。

「でも、あの二人を追うにもどこに行けば」
「あ」

香音のもっともな疑問。
「金鴉」と「煙鏡」の二人がどこに消えたのかがわからなければ、追うことすらできない。

229 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:41:41
「そもそもあの二人は道重さんの他にも何かを目的としてるような口ぶりでしたが」
「肝心の目的がわからんっちゃけん」
「マジすか!ったくじゃあどうすりゃいいんだよ…」
「あれですよ!あれ!トイレに行ったとか」
「亜佑美ちゃんそれはないと思う」
「はぁ…自分ら、それもわからんと『勝てます』なんて言うてたんか」

呆れ混じりのため息をつく愛佳。
そんな中、優樹が思いついたように口を開く。

「確か…かがみの、せかい?」

去り際に「煙鏡」が残した言葉。
鏡の世界で待っていると。鏡…鏡、鏡。さくらが、あっ、と声を上げた。

「佐藤さん、それです!!」
「それですってさくらちゃん何がわかったと?」
「あの実は…あの二人にミラーハウスに連れて来られた時に、下に続く階段を見つけてたんです。もしかし
てそれが」

そのことを裏付けるように、どこからか、腹に響くような音が聞こえてくる。
春菜の超聴覚が、それを正確に捉えた。

「小田ちゃん、ナイス。確かにこの音はミラーハウスからだよ」
「よし!そうと決まれば乗り込むぜ!!」
「あっちょっとくどぅー、待ちなさいよ!」
「まさも行く!!」
「あ、えっと。光井さん、行ってきます!」

瞬く間に、三々五々走り出すメンバーたち。
うちらの頃はここらへんで「がんばっていきまっしょーい!」なんて言うてたんやけど、と過去を顧みつつ。

もう、小うるさい先輩は必要あらへん、か。

何かを決意するような表情の愛佳、その視界には頼もしい後輩たちの後姿が大きく、そして遠く映し出され
ていた。

230 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:42:13
>>116-123
『リゾナンター爻(シャオ)』更新終了

231 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:43:03
スワちゃん、はるなんのそばで静かにしてて! とうっ

「リオン、手加減はいらないからね」
「はるなんはスワスワを守って、ここははる達でなんとかするから」
「(時間跳躍)」
「う、うわあ、スワちゃん、覗き込もうとしないで、危ないからね、みんなに任せましょう」
『ノイタミ〜カルイ、コノア』

はるなん もっと しっかり見ててよ スワちゃん 震えているよ

「もう、銃なんて卑怯だよ、くどぅ、サポートして」
「わかった。まあちゃんもいる?」

いらないもんね〜 オダベチカ サポートよろしく

「私は必要なんですね、ありがとうございます、頼りしてくれて」
「何言っているんだ、小田ぁ!気を抜く・・・な。う、うわあ、あ、あぶない」
「あ、よかったですね、怪我しなくて」
「お、小田ぁ! わざと時間跳ばしただろ!」
「なんのことですか?私は佐藤さんのサポートをさせていただいているだけですよ」

なにしてるの? もう、まさでみんなやっつけちゃったよ

「す、すごいですね さすがまーちゃん」
『イゴス イゴス ンャチアマ』
「スワちゃんも喜んでいるよ、ほら、あゆみんも喜んで」
「う、うん(・・・でもこの展開って) ! ギャピイイイイィィィ」
「あ、また、放電した」

スワちゃんも怪我なくてよかったね。それでこの人たちどうする?
とりあえず、ぽいっ、どこかに送っちゃった!   (続

232 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:43:38
从*´ ヮ`)<外の雨、止まないっちゃねー・・・

川*’ー’)<れーな?寒いからそろそろ中入りなよ?

从*´ ヮ`)<ん。わかっとぉ・・・・
       泣き止むまでと思ったっちゃけどれーなの役目じゃなさそうやけん

川*’ー’)<雨が泣き止むまで?んー・・・・いつかは晴れるんよ
       まぁ・・・あーしもれーなも今泣いてないならそれで良いがし

从*´ ヮ`)<愛ちゃん・・・(ま、水遣いのあの子を泣き止ませるのはアイツの役目っちゃね)
       久し振りにココア入れてよ。ほんのり甘いのね

川*’ー’)<お。ええよー。

雨の日ホゼナント

233 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:44:09
「えっ、鞘師が!? マジでぇっ?」

「ゴメンゴメン、余りに驚き過ぎたけん、つい大声が……」

「そりゃ驚くやろ、急やけん。えっと……今いくつやったとかいな」

「あ、17さ、じゅうななぁっ!?」

「ゴメンって! わざとじゃないけん許してよ〜」

「それにしても、まだ若いのに鞘師もよく決断したったい。知らん間に大人に成っとるって事かいな」

「良いっちゃろ。いつかは皆もリゾナントを出るやろうし。歳の近い鞘師が抜けて、皆も色々と考えるやなか?」

「でもさ、鞘師は無責任に『出る』なんて言わんやろ」

「そう言われたんなら自信持ちーよ」

「お別れの日まで、鞘師との毎日を大事に過ごす事やね。1日でも無駄にしたら後悔するけん、良い?」

「っ! 返事がデカイ!」

「あ、おあいこね……そのうちリゾナントに顔出すけん、またね」

「ハイハイ。勉強も頑張りーよ、マサキング」

ツー ツー ツー ツー

「夢の様な時は、あっという間に過ぎてくけん

──仲間と響き合える今を、大事にするっちゃよ」

234 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:44:47
>>173
保全作『R to R』

田中さん、おめでとうございます。
かつて、貴女と肩を並べた赤い娘と、再び並ぶ日は来るのでしょうか。

235 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:45:35
人を愛して命を知った
命を愛して人を知った
人の命に愛し方を知り
命を殺して人を愛した
人の命で殺し方を知り
愛を殺し人に命を捧げし先には祈りの言葉

ならば我らの行きつく先は夢幻の闇か見果てぬ夢か―


そこは病院だった。
病院と言っても健康保険証が正規のルートで使用される事は決して無い。
むしろ正規の医師免許を取得し、日夜人命の救助に明け暮れている―
なんて者は残念ながらこの病院には存在していない。

自分達の様な、言わば正規の道から逸脱した者達御用達の、その界隈では有名だが
普通に生きてればまず足を踏み入れる事はないだろう。そんな施設だった。
施設自体は大学病院並の検査機器も備え付けられ、一般の病院と何ら遜色も無い。
たとえ外傷を治せるのは能力の恩恵でも、十分に医療施設と言っても差し支え無い。
どこか後ろ暗い雰囲気が漂っている事を除けば、ではあるのだが。

236 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:46:15
そんな後ろ暗い雰囲気の、夜のせいだけでは無く後ろ暗い廊下の奥、その一室。
『準備モード解除します、実践モードスタート迄180秒…』
甲高い電子音と共に無機質なカウントダウンが始まる。
やれやれ…休憩がたった3分かと心の中で舌打ちをし、準備中とは思えない速度で
一見自転車の様なトレーニング機を漕いで居た高橋愛は
遊歩道をサイクリングでもしているかのようにギアを下げた。

「どう?愛ちゃん、負荷はきつく無い?」
部屋のモニターを通して見知った顔が話かけてくる。いや、見知った顔だなんてもんじゃない。
初めての仲間であり、親友であり、好敵手であり、家族よりも近しい存在。新垣里沙、通称ガキさんだ。
少年の様に落ち着いた、でもどこか甘さが混じった声に、自他共に認める表情豊かな小さな顔。
2つ年下の彼女から出来る?大丈夫?等と訊かれたら高橋は決まってこう返す。
「問題無いんよ、ガキさん」
事実、今の高橋には7倍の重力位何とも無かった。
最近になって入ってきた後輩リゾナンター達も能力の使い方と制御方法が分かってきたと言っても、
率先して稽古を付けている側が負けてしまっては何とも格好が付かない。

「今日の相手は武装特化型の石黒彩をベースに、…ある能力を足してみたから心して掛かってね」
さらりと言った相棒は、この後高橋に訪れる景色がそう良いものでは無いと告げる。
石黒彩は高橋が初めて能力を使った相手であり、1度敗戦した相手であり、
5人掛りで勝利したものの、かなり手痛い目に合わせられた相手である。
「うぇ。苦手なんよねーあの人」

237 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:46:52
ガキさんの能力、精神干渉を最大限に使った実践シュミレーションとは言え、
止めるまで行っている身には痛覚も視覚も何もかもが現実と変わり無い。
「いつもみたいに力任せで行ったら、首飛んじゃうからね。そこだけ注意して」
お互い初戦の事を思い出したのかやれやれと言った様に溜息を一つ付いて、ヘッドセットを装着する。
付けなくたって出来るらしいけど、ガキさんへの精神負荷を考えるなら付けて下さいとさゆと愛佳が煩いのだ。
音を遮断してないと少しの物音でも集中が途切れ、映像や威力が保てないらしい。

万が一能力の一端が発現しないようにガードグローブを嵌め、お気に入りのパーカーを脱いで部屋の中央に立ち呼吸を整える。
紺野から渡された時は何も考えずに付けて危く窮地に追い込まれたグローブだったが、
今や暴走しがちな能力者達の日常生活が、この応用である程度円滑に行えてるのだから大したものだ。
その点だけはダークネスの権威を借りた研究を褒めてやろうとは思っている。

「あ。そのままの重力で行く?戻そうか?」
うっかりしてた風を装って言ってるけど、トレーニングの為だ。
戻す気は無いのは心を読まなくたって分かる。
「問題無いんよ、ガキさん」
口の端を僅かに上げ、どんな相手だろうと冷静にただ殲滅するイメージを膨らませ目を閉じる。
負荷を掛けても尚、強い敵と戦うって時のこの癖はいつまで経っても治らない。
我ながら戦い好きが治らないと思ってはいるが、それが高橋愛がリーダーとして務まった所以でもある。

『2・・1・・・0。実戦モードスタートします』

238 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:48:02
>>200-202
ホゼナント代わりの見切り発車の上今日はここまでで力尽きた…許してにゃん
タイトルは「先輩の意地」とかにしときます

239 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:48:50
ノノ*・_l ・)<飯窪さんてアレですよね 低姿勢過ぎやないですか?

ノハ*゚ ゥ ゚)<あんたねぇ、礼儀正しいと言いなさいよ…で?

ノノ*・_l ・)<あのー、春水としてはもっと堂々としててもええと思うんですよ意外と強いし

ノハ*゚ ゥ ゚)<うん、褒めてるんだろうけど意外とはいらないかな

ノノ*・_l ・)<スタイル良いっていうか細っこいし

ノハ*゚ ゥ ゚)<細さはアンタ程じゃないけどね

ノノ*・_l ・)<せやろか?

ノハ*゚ ゥ ゚)<タメ語は止めなさいタメ語は

240 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:49:29
ノノ*・_l ・)<はて?鍋スレってなんですかね?美味しい鍋を追い求めるんですか?

ノハ;゚ ゥ ゚)<まあある意味色んな鍋を食べてさせられてるけど、ってすっとぼけたわね…

ノノ*・_l ・)<ほな>>244はんが見たい言うてくれたんで暫らく保全はこれで行こかと思てますので

ノハ;゚ ゥ ゚)<スルーしない!先輩をスルーしないの!

ノノ*・_l ・)<109話以降もネタが切れるまではWはるなもご贔屓に〜

ノハ*゚ ゥ ゚)<スルーしながら…腕上がったわね…

ノノ*・,_l ・)<おやおや、飯窪さん構って欲しかったんですか?

ノハ*゚ ゥ ゚)<そ、そんな事は無いですよ

241 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:50:12
ノノ*・_l ・)<( ´,_ゝ`)プッっていう嘲笑との複合なんやって

ノハ*゚ ゥ ゚)<そもそも尾形ちゃんのAAに特徴が無いものね

ハ`・_> ・ル<中の人がどれ使うか迷っとるだけで別にこっちでもええんですけどね

ノハ*゚ ゥ ゚)<あら今度はあーりーに化けてく気?その手は食わないわよ

ノノ*`〆´リ<へっへっへ…姐さんの二の腕も触らせてくれんじゃろか

ノハ;゚ ゥ ゚)<変身能力の無駄遣いとはこの事だわ…私に震えるニの腕など無いっ!!
   _, ,_
ノノ∮‘ _l‘)<…はるなん、はーちん、無償の愛とは何か教えて差し上げましょうか?

ノハ;゚ ゥ ゚)ノノ;・_l ・)≪ご遠慮させて頂きます

242 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:50:49
     -=ヽノノ*・_l ・)ノ<ヒャッハー!魔法使いスレ復活キタ――!

ノハ*゚ ゥ ゚)<同じSSスレとして励みになりますね…ってどこ行くの!?

           舐めるように見てくるんやー!ほな飯窪さんまたなーー>

Σノハ;゚ ゥ ゚)っ<ちょっと!

ノハ*゚ ゥ ゚)<・・・ハァ・・・
                             チラッ (・|_ ・*| 。oO(歌はともかとしてく寂しがってますやん)
                                 ( つ.|
ハ*゚ ゥ ゚*ルナ<・・・・さーみしくないよ〜寂しくなんか無いよぉ〜♪

(没ネタだろうと折角だから投稿するよホゼナント)

243 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:51:27
おっと痛恨のミスしてた…正しくは(歌はともかくとして寂しがってますやん)です
ノノ*・_l ・)<ともかって誰やろ?昔の敵なんですか?朋子さんなら存じ上げてますけど

ノハ*゚ ゥ ゚)<ソレイジョウイケナイ…それはそうと読んで来たの?

ノノ*^_l ^)<うん!

ノハ*゚ ゥ ゚)<ぐっ…それは良かった(何このキラキラした笑顔)

ノノ*・_l ・)<所で飯窪さん配給の様子見てくるんやろ?お芋さんあるなら春水もついて行こかな

ノハ*゚ ゥ ゚)<…言いにくいんだけどハイキュー!!ってのは漫画だし舞台化の事よ?

ノノ*´・_l ・`)<えっ…お芋さんは貰われへんのか…

ノハ;゚ ゥ ゚)<…お芋さんなら焼いてあげるから…生田さんかあゆみんが

ノノ*・,_l ・)<あー、飯窪さんが焼くと炭になりますもんね

ノハ;゚ ゥ ゚)<言い返せない自分が悲しいッ

244 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:52:11
ノノ*・_l ・)<ブタメンは生粋の変態さんやからな。壇はぅさんは悪魔やけど

ノハ*゚ ゥ ゚)<いいえ!大悪魔よ!…ってこのネタは流石に古いんじゃない?

ノノ*・,_l ・)<人には言えへん黒歴史ってのは大概皆持っとるからええんです

ノハ;゚ ゥ ゚)<最近変身してはどっか行ってるみたいだけどまさか

ノノ*・_l ・)<やだなー、ボランティアですって……情報集めも

ノハ*゚ ゥ ゚)<うーん、まあ良いけど。一人で危ない事しないのよ

ノノ*・_l ・)<はぁーい。…過保護やなぁ飯窪さんは

245 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:52:45
ノノ*・_l ・)<290ゲットや!300までは行けるやろか

ノハ*゚ ゥ ゚)<AA保全で連投する気なの?

ノノ*・_l ・)<…300まで行けるやろか

ノハ;゚ ゥ ゚)<うん、私が悪かったわ

246 名無しリゾナント :2016/03/11(金) 11:55:49
【第109話】

期間
2015/11/18(水) 19:50 〜 2015/12/3(木) 19:48 273レス

247 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:04:15
「Wはるなん支援中。。。」

20 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/18(水) 20:49:54.07 0
ノノ*・_l ・)<前スレが21時、このスレが20時

ノハ*゚ ゥ ゚)<その次は19時かしら…

ノノ*・_l ・)<ほな朝6時位までになったら健康的で宜しいな

ノハ*゚ ゥ ゚)<それはちょっと厳しい気もする

23 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/18(水) 20:55:22.41 0
ノノ*・_l ・)<今って40レス未満は30分 61レス未満は60分 でそれ以上放置すると即死やな

ノハ*゚ ゥ ゚)<こういう時こそ役立てたいものね

ノノ*・,_l ・)<出遅れた事については飯窪さんのせいですのであしからず

ノハ*゚ ゥ ゚)<ちょっ・・・あんたの事待ってたんでしょうが

24 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/18(水) 20:58:45.39 O
白きはるなと黒きはるなが交わりし時
貧しきふたつの丘に豊穣をもたらさん


古き言い伝えですじゃ

26 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/18(水) 21:06:44.56 0
ノハ*゚ ゥ ゚)<ゴクリ…譜久村さんみたく肩が凝ったりするのかしら

ノノ*・_l ・)<貧しいは余計や

35 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/18(水) 21:56:35.56 0
ノノ*・_l ・)<前スレ300取ったしお胸さん膨らむんやろか
 ( つ と)
ノハ;゚ ゥ ゚)<はーちんはもう少し体重増やしなさいね?

ノノ*・_l ・)<それはそうと60迄イかなあかんのに誰も居ませんね

ノハ*゚ ゥ ゚)<字体ボケ止めなさい…ハロステ見てるのよきっと

36 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/18(水) 22:13:37.61 0
60の壁はWはるなの胸囲並の厳しさ

38 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/18(水) 22:21:04.95 0
ノノ;・_l ・)<ウチら貧乳組の弾避けになってせん?

ノハ*゚ ゥ ゚)<仕方ないのよそれがWはるなの定め…

41 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/18(水) 22:40:18.08 0
>>38
川c ’∀’)<知らなかったーいつもこんなにそばにいたのに

39 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/18(水) 22:30:06.28 0
ノノ*・_l ・)<中の人見切り発車した保全作が全然進まないって嘆いてましたよ

ノハ;゚ ゥ ゚)<AAの方がすぐ書けて気楽らしいのよね…困ったものだわ

ノノ*・_l ・)<どっちかにしたら宜しいのにな

ノハ;゚ ゥ ゚)<出番が減るわよ…まあ60行ってから考えましょ

48 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/18(水) 23:21:37.52 0
ノノ*・_l ・)<あともうちょいやで

ノハ*゚ ゥ ゚)<なんとかなりそうね

ノノ*・,_l ・)<たわわにはなりませんでしたけどな

ノハ*T ゥ T)<はーちんもでしょ!……チッキショー!

248 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:05:17
スレ保全もままならないこの世の中

某アメコミヒーローによく似た名前のあいつがやって来る

ハニー色の全身タイツに身を包み、粘液放出能力で巨乳どもを絡めとれ

貧しい(乳)ものの味方、共鳴が生んだアクロバティックヒロイン、その名も



無πダーマン


coming soon(嘘)

249 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:05:51
ノノ*・_l ・)<壮大などんでん返しって事はお芋さんがどっさりやな!

ノハ;゚ ゥ ゚)<どういう基準なのかそこが知りたい

ノノ*・_l ・)<飯窪さんで言い直すとジョジョに漫画ヲタクの飯窪さんが出るって事位のもんですよ

ノハ*゚ ゥ ゚)<!最高にハイって奴だぜぇええええええっ!!!!

川c;’∀´)<まーた2人で変なテンションになってる…もう60越えてるよー

ノノ*・_l ・)ノハ*゚ ゥ ゚)<…お粗末様でした

250 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:06:26
http://i7.wimg.jp/coordinate/3yj9v8/20151118235504108/20151118235504108_1000.jpg
ノノ*・,_l ・)<そろそろ深夜ですし水かけます?お芋さんでも食べさせます?

ノハ;゚ ゥ ゚)<人形なんだから止めなさい分裂も変身もしないから

ノノ*・_l ・)<ちぇー。グレムリンが見たかったんやけどな〜

ノハ*゚ ゥ ゚)<もっと酷いのといつも闘ってるでしょうに…

251 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:07:03
http://hello.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1447669704/881
ノハ*゚ ゥ ゚)<どうやらhelloのルールはほぼ1ヶ月前に戻ったっぽいわね・・・やれやれだぜ

ノノ*・_l ・)<それ言いたかっただけやないですか?

ノハ*゚ ゥ ゚)<なんにせよ、実験なんて大抵人騒がせな事だもの

ノノ*・_l ・)<どうせ騒ぐなら良い話題で騒ぎたいもんですけどね

252 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:07:33
197 名無し募集中。。。@転載は禁止 New! 2015/11/21(土) 00:55:05.67 0
狐のスレみると戻しただけっぽいな

ノハ*゚ ゥ ゚)<なん…だと?散々弄った挙句結局昨日の設定に戻されてるですって?

ノノ;・_l ・)<やってられへんな完全に狼で遊ばれとるで

ノハ;゚ ゥ ゚)<ホゼナンターもまた様子見しなきゃいけないのね…

ノノ*・_l ・)<てっきり小田さんの仕業かと思いましたわ

从;´’v’リ<流石にそれはやりたがらないよ…

253 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:08:04
http://www.ustream.tv/channel/satoyamamovement
ノノ*・_l ・)<ユーストはやっとるからな

ノハ*゚ ゥ ゚)<おまけにまさかのWはるな並び http://i.imgur.com/L4VkYEq.jpg

254 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:09:41
「ふぅ、ふぅ・・・な、なんとかやっつけたね」
「りほちゃんの刃ももはや脇差になっちゃったね」
「えりのワイヤーも切られてしまったと・・・」
「でもえりぽん、ワイヤー使わなくても殴って倒しにいけるからすごいよ」
『イヨツ〜ナンミ〜イヨツ〜』

「よいしょっと・・・(ごそごそ)」
「?? 香音ちゃんなにしてると?」
「ダークネスが何か食料とかもってないかなと思って。アフリカにきたんだから準備をしているだろうし」
「さすが香音ちゃん」
『ネイイマタア』

「・・・だめだ、なにももってない。水だけでもと思ったんだけどね」
「こまったね、りほちゃん」
「うん・・・だけど、できることでがんばるしかないね。つらいことばかりだけどがんばらないと」
『ンタウョシンシガ、ネダ』

(ドサッ)

「な、なになに?あっちの方だ。いってみよう」
「あ、またダークネスだ。でもすでにやられているみたいちゃね」
「(ごそごそ) こ、これは!!」
「なになになに?」
「里保ちゃん、はい」
「お水だ!」
『ネダ、シエガンデンド』

「でも、こんなものも懐にはいっていた」
「な、なにこれ、『スワスワ補完計画 〜これで私は幹部になりました(経験者 Y)〜』??」
『スワスワ??』 (続

255 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:10:24
渇いた空気、淀んだ空気、凍える空気、震える空気、ぬるり、ふわり。
肌に触れる風が熱を奪い、ほんの少しの殺意達を孕みながら、幾つも纏わりつき通り過ぎて行く。
心の裏が蝕まれそうになるのを歯を食いしばり、足の小指のその先に迄ギュッと力を込め耐え忍ぶ。
ぞくり。自ら能力を遮断している身には、まるで脳髄のその中の中まで抉られ覗かれているような
不快感とも永遠の快感とも受け取れる時間が続く。

暫らくして、僅かに温かい空気に包み込まれるのを感じ、そこでようやく瞼を開いた。
立ち眩む程の光量、次いで見えて来たのは荒涼とした一面の砂だった。

「…は、あっ…」
能力を遮断しただけでこれか―。
いかに普段自らの異能に頼りきっていたかを痛感する。
息を止めていたつもりはまるで無かったが、五感を解放した安堵と共に胸に押し込めた空気を交換する。
心を許した友とは言え、特訓をと依頼したとは言え、精神の中にいとも容易く入り込まれ、
全てを掌握されるという感覚を久し振りに喰らって心の安定が保てなかったようだ。

「ちょっとぉ〜、そんな状態で本当に大丈夫?」
「なん、今日は居るんか…」
精神世界ではいつもの口癖はその役目を終えていた。素の力で挑むのだから虚勢を張る必要は無い。
辛い、悲しい、寂しい、苦しいと思う時、いつも傍らに友が居る事にただ安堵していた。
まあ相当にリアルな夢を見てるような物だからと互いに笑っていたが、この記憶は実践と等価値だと知っているのだ。
「何も無い事を願うけど、念の為。勿論、ここに居るだけで手助けはしないよ?」
「んー、その約束やし」

256 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:12:28
瞼を焼き尽くすような太陽に見渡す限り続く砂の丘。何もここまで再現しなくてもと思う程の暑さ。
不思議と空気はカラリとしていて吹き抜ける風に心地良さを覚えた。
終わりも始まりも分からぬ砂漠。見慣れた景色や人を破壊し合うよりずっと良い。
「はい、じゃあこれ。あと喉渇いたらちゃんと飲んでね。こっちだろうと干からびるから」
なんとまあ不吉な。これを見せているのはガキさんやろうにと突っ込みを入れながら
もう一組のガードグローブを此方でも受け取り、気休めのペットボトルと共に腰のバックパックに捻じ込んだ。

「さて、と。それじゃ、御大をお迎えに行くとしますかね」

ザクッ。ザクッ。右、左、右、左。7倍の重力を背負い歩き続ける。
踏み出す度に飲み込み、隙あらば捉え新たな永劫の住人にしようとする砂の海。
10分も歩いただろうか。外の時間では10秒にも満たなかったかもしれない。
どこから現れるとも知れぬ輩を迎えるのに最適そうな丘の頂きから辺りを見下ろす。
「ふー……」
大丈夫、心も身体もざわつかない。今から戦うのは過去だ。飲み込まれるな。

まだ周囲に人影らしきものは見当たらない。

257 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:12:59
ウェーブのかかった長い茶髪に白い肌。鼻に付けたピアス。気の強そうな目線に少し小馬鹿にした表情。
まして見渡しの良い砂漠だ。敵としての彼女を見間違うはずが無い。まさか今回は上から?見上げた途端、
ズブッズズズズズッ……
足元の砂が意思を持ったかのように急速に沈み出した。獲物を捕らえる蟻地獄の様に円錐状に落ち窪んでいく。

「んなっ!?」
とっさに砂を思いっきり蹴り上げ脱出する。次いで受け身を取った身体ごと砂漠の丘を転がり落ちた。
口の中に少し砂が入ってジャリジャリとしている。目に入らなかったのは不幸中の幸いだろう。
折角登ったのになんて思いながら頂上を見ると案の定、薄ら笑いを浮かべた人物が立っている。
間違い無く石黒彩だ。一体いつ、何処からあの攻撃を放ったのか。

「なーんだ、逃げちゃったのかぁ。残念残念。
 可愛い後輩の為に一瞬で終わらせてやろうという先輩の温か〜い心遣いだってのにねぇ」
しかし抜けられるとはねぇ〜等と笑いながら右手に掴んでいた砂をサラサラと振り落とす。

「…直接の先輩やった覚えは無いんですけど」
事実だ。情報として先輩だと知っていても、高橋の中で石黒彩は敵、ダークネスの1人としてインプットされている。
不意打ちとは言え無傷だ。子供騙しの様な攻撃に一瞬で終わる、そんな生半可な鍛え方はしていない。

「ははっ言うねぇ〜。そうでなくっちゃあ…楽しいなぁ、楽しい方が良いんだよ…戦いはさぁ。
 お前もそうなのだろう?リゾナンターの高橋愛、不屈の前リーダー?……いや。『戦闘狂い』よ!」
そう言い放つ刹那、石黒の瞳が冷たく爛々と輝いた。

(つづけ)

258 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:13:58
>>255-257
『先輩の意地』

259 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:25:19
ノノ*・_l ・)<すまんな今日はここまでやで

ノハ*゚ ゥ ゚)<>>124さんこぶしライブ楽しんで来て下さいね♪れいれいとかれいれいとかれいr

ノノ#・_l ・)=○)*゚ ゥ ゚)・∵. アリガトウゴザイマスッ!!

ノノ*・_l ・)<125さん風邪には睡眠が一番の薬、しっかり寝や〜

260 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:29:52
156 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/25(水) 11:18:26.61 0
ノノ*・_l ・)<シンクロと言えば立ち泳ぎが大変だし揃えるのも難しいんやで

ノハ*゚ ゥ ゚)<見えない努力が美しさを支えてるのよ

ノノ*・_l ・)<ウチらも目指すは友情努力勝利やな!まずは河川敷行きましょう飯窪さん

ノハ*゚ ゥ ゚)<そうそうまずは殴り合いから・・・ってどこのジャンプ漫画だ!

157 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/25(水) 11:36:42.02 0
二人とも邪魔なものがないから水の抵抗を受けずに済むよねw

158 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/25(水) 12:31:03.26 0
事実だとしてもひどいw

159 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/25(水) 12:40:40.82 0
ノノ*・_l ・)<屋上へ行こうぜ…久しぶりに…キレちまったよ…

160 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/25(水) 14:25:52.69 O
Wはるなのネタスレになっとるw

261 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:30:53
ビーッ! ビーッ! ビーッ!

部屋に大きな音が響く

警報!?
何なにナニ!
地震!? 雷!? 火事!?
もう一個何だっけ?

ブゥン……

明かりが消えて、警報の音も聴こえなくなった

今度は停電!?
何がどうなってるの?

部屋の中が静かになって、遠くで鳴る激しい音に気付いた
それに部屋が微かに揺れてる

もしかして爆発!?
この施設で、何が起こってるの?

暗い中、手探りで扉まで進む

ガチャガチャ

扉を開けようとするけど開かない
鍵は、掛けられたまま

怖いこわいコワイ!

暗い部屋に独りきり

262 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:31:24
みんなはどうしてるんだろう
もしかして、先に逃げちゃった?
そんなの嫌だ!
置いて行かないで!

助けて 誰か!

「大丈夫?」

扉の向こうから声がした
すぐに扉が開けられる

眩しい

目の前には、懐中電灯をこちらに向ける女の人が居た

誰?

「助けに来たよ」

助けに、来た?

「真莉愛を?」
「真莉愛ちゃんって言うの? 素敵な名前だね」

女の人は、懐中電灯を自分に向けて顔を見せてくれた

綺麗な人だけど、真莉愛の知らない人
ここに来てから見た事のない、優しい笑顔

誰なの?
どうしてここに?

263 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:32:09
>>261-262
空前絶後の見切り発車です。

タイトルは万が一にも完結した時に。

264 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:32:54
ノノ*・_l ・)<真莉愛編始まったんやな楽しみにしとこ〜

ノハ*゚ ゥ ゚)<綺麗な人…ゴクリ…優しい笑顔だなんて楽しみが増えますねウフフフフ

ノノ;・_l ・)<あのお方じゃないかもしれへんのにこの反応て…しっかりして下さい

ノハ*゚ ゥ ゚)<丁度1年経過したさゆロス症候群の症状としては当然の反応です

ノノ*・_l ・)<なにそれ怖い

265 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:33:27
「あの……あなたは
『──!』

ピシッ

遠くから大きな音が聴こえたと思ったら、天井に亀裂が入った

ガラガラッ

天井が崩れて破片が真莉愛を襲う
声を上げ、目を閉じて床にうずくまる

「きゃあっ!」
「危ない!」

女の人が、真莉愛を庇う様に抱き締める

ダメ!
潰れちゃう!
死んじゃう!
真莉愛のせいで!
この人が──

(大丈夫だよ)

え?

サラサラサラ……

潰れる様な衝撃はなかった
代わりに、肩や脚には砂を浴びた様な感触

「ふぅ、上手くいった」

266 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:34:57
>>265
空前絶後の見切り発車 >>261-262の続きです。

さゆロス展が武道館公演まで開催していれば……。

267 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:37:27
ノハ*゚ ゥ ゚)<Wはるなからさんはるになるかもしれません

Σノノ*・_l ・)<さんはる!…3角関係やな!滾るわ〜

ハo;´ 。`ル<いやいや3角関係と違うし別にここは2人でやってなよ

ノハ*゚ ゥ ゚)<でもはーちんとでは得られない何かが生まれそうな…

ノノ*・,_l ・)<そしたら工藤さん春水と新生ハリセンボンでも組みます?

ハo´ 。`ル<ありだなそれもな

ノハ*゚ ゥ ゚)<おいちょっと待て

184 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/27(金) 12:22:40.00 0
元ネタこれかw

http://stat.ameba.jp/user_images/20151126/17/morningmusume-10ki/78/67/j/o0480036013494818142.jpg

185 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/27(金) 12:34:51.58 0
工藤はるちゃん登場でν’s(乳ューズ)結成ですか?w

186 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/27(金) 12:48:46.14 O
??<良かったウチ入ってない…

187 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/27(金) 18:17:36.54 0
可変式の方々はちょっとお断りしています
むしろだーいしの方が当確の可能性…

188 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/27(金) 19:51:45.12 0
可変式w

268 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:43:36
193 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/28(土) 12:44:04.34 0
そういえば喫茶店って誰が経営してるんだろ。

195 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/28(土) 13:07:53.65 O
シェフ石田がいるから大丈夫なんじやない?

196 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/28(土) 13:33:38.42 0
シェフ石田に『うええおええ丼』を受け継いで貰いたいなw

197 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/28(土) 14:18:06.34 O
Dマガのサマーキャンプで朝食つくりまくってたしな

198 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/28(土) 16:13:39.50 0
お好み焼きもひっくり返せるしシェフ石田の腕は信頼できる

199 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/28(土) 16:15:47.55 0
すっかり定食屋と化した喫茶リゾナント
看板娘のクリアが腕を奮います

225 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/30(月) 00:41:18.81 0
199
店名も変わっちゃいそうだねw

http://helloshop.jp/smartphone/detail.html?id=000000006803&category_code=&page=1

http://helloshop.jp/shopimages/helloshop/0000000068032.jpg

200 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/28(土) 16:39:32.17 0
喫茶リゾナントに新たなメニューが増える日も近いなw

201 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/28(土) 17:46:35.64 O
冷めた紅茶ないことだけアピールするのもバカらしいホットティー(30文字)

202 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/28(土) 20:30:07.93 0
うまいなwようはただのホットティー何だろうけどww

204 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/28(土) 22:06:45.38 0
ノハ*゚ ゥ ゚)っ旦<紅茶なら入れられるよ!ほら!飲んでみて

川c;’∀´)<ゴク…うん、凄く苦い!そして熱ッ!…保護者どこ行った!

ノハ*゚ ゥ ゚)<ええーそんな訳無いでしょ…ゴク・・・・ってほんまや!

ノノ;・_l ・)<…飯窪さんはやっぱウエイトレスだけしとって下さい。え?ちゃいますよ〜
       笑顔と話術が一級品なんやし喫茶リゾナントでも適材適所ってやつですよ

川c;’∀´)<熱過ぎるのは置いといて同じレシピで同じ様に淹れてるはずなのに何故苦くなるのか…

从;´◇`)<ある意味才能なんだろうね

205 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/28(土) 22:54:31.74 0
もしかして…はるなんの作る料理がまずいのは料理自体は美味しいはずなのに『五感占拠』の影響で近くにいる人の味覚が狂うのでは?

206 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/29(日) 00:13:14.62 O
食べても害がないならある意味安心だw

269 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:44:38
207 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/29(日) 00:35:06.46 0
某Bのキャプテンの料理は殺人的らしいしなw

208 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/29(日) 00:44:20.69 0
          (.⌒⌒⌒)
           |___|    <お呼びですか?
          川´・_・リ ∬
     ☆ノノハ /   つヽ ●∬ ボコッボコッ  
     ル*’ー’リ しーJ .| ̄ ̄ ̄
     /ヽ○==| ̄ ̄ ̄| |___|
    /::::::||_.|___|::|~从从~|
 ((( し' ̄(_)) ̄ ̄ ̄ ̄(_)) ̄(_)) ガラガラ

209 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/29(日) 03:15:38.18 0
飯テロ来たw

211 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/29(日) 11:09:51.17 0
それでは清水佐紀が腕によりをかけて作ったキャプテンカレーをご覧ください
http://rr.img.naver.jp/mig?src=http%3A%2F%2Fimgcc.naver.jp%2Fkaze%2Fmission%2FUSER%2F20120406%2F12%2F153032%2F146%2F480x531xe1b4a52000a72d3f333d21a6.jpg%2F300%2F600&twidth=300&theight=0&qlt=80&res_format=jpg&op=r

216 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/29(日) 17:38:44.52 0
211
ちょっと待てこれカレーなのか?たまごふりかけにしか見えん。

212 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/29(日) 13:12:00.45 0
・・・おぱよカレー破壊力抜群だなw

213 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/29(日) 13:56:55.18 0
我々の理解が及ばない世界なんだよキャプテンカレーは…w

215 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/29(日) 17:38:25.01 0
下手な能力よりよほど恐ろしいな…w

217 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/11/29(日) 18:37:06.58 0
これを食すにはおぱょへの相当な愛と勇気が必要である

270 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:46:43
247 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/12/01(火) 12:46:03.14 0
見切り発車が本スレで完結、出来るかどうか。
終点と経由は決まっているのに、経路が定まらず迷子です。
真莉愛、なんとか頑張ります。

253 名無し募集中。。。@転載は禁止 2015/12/01(火) 22:21:51.52 0
247
ノハ*゚ ゥ ゚)<真莉愛編いつまでもお待ちしております

ノノ*・_l ・)<春水達も適度に保全しつつ頑張るでー・・・・所で石黒先輩編は?

ノハ;゚ ゥ ゚)<うっ…新スレで会おう!

271 名無しリゾナント :2016/03/26(土) 08:51:58
【第110話】

期間
2015/12/03(木) 19:59 〜 2015/12/18(金) 17:53  239レス


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シングルV「リゾナント ブルー」 / モーニング娘。

ヽ( ゚∀。)ノ<やっぱこれを見ないとね!


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