したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part6

714名無しリゾナント:2016/11/29(火) 19:49:20
ふくちゃん自身も、焦ってる…?

つい、そんなことを疑ってしまう。
もちろん聖のことは信頼している。しかし、先の見えない戦いで彼女が破れかぶれの策を選択しないという可能性がないわけではない。

そうこうしている間にも、竜の体から滲み出るように勢力を伸ばしている墨の触手。部屋の全てを覆いつくし、そして闇に返さんばかりに溢れ
ていた。このままではどのみちじり貧である。

いっそのこと、朱音本体に攻撃を仕掛ける…?

自らの中で禁じ手としていた手段が頭に思い浮かび、即座に否定する。
そんなことをしたら、羽賀老に感情をむき出しにしてまで貫こうとした自分自身の信念まで否定することになる。

最優先にすべきなのは。大事なのは。いったい何なのか。任務か。朱音の無事か。聖への信頼か。自らの、信念か。僅かな時間の間に、里保は
取捨選択を迫られていた。

「ああああ、もうっ!!!!」

やるしかない。
気合の雄叫びとともに、ストックのペットボトルの水を全て床に流す。
溢れだす水は、ゆるりと渦を巻き、やがて漆黒の竜にも劣らない水の竜を象っていった。

二匹の竜が、咆哮を上げながら互いの体に絡みつく。
清涼な水が流れのままに闇色の墨を押し流せば、墨もまた根を張るように水の中に広がってゆく。
水が墨を砕き墨が水を濁す鬩ぎ合い。だが。

苦悶の表情を浮かべる、里保。
どうやら軍配は漆黒の竜に上がったようだった。現れた時は水晶のような透明度を持っていた水の竜が、煙に巻かれてしまったかのように薄く
濁ってしまっていた。体のあちこちに墨を穿たれ、半分はもう体を奪われている、そんな様相すら呈していた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板