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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part6

661名無しリゾナント:2016/09/09(金) 13:10:41


「鋼脚」は、暗い階段を一歩ずつ降りながら、思い返す。
手にした小瓶、その中の液体が揺蕩うのと、歩を重ねるように。

― 残念ながら、ほとんど望みはないと言っても過言ではないでしょう ―

白衣の科学者・Dr.マルシェこと紺野は、何の感情も乗せずにそう言った。
望みがないというのは、「鋼脚」の盟友であった「黒の粛清」の意識回復について指していた。

紺野が言うには、「黒の粛清」が組織の裏切り者である新垣里沙と対戦した際に、その精神に甚大なるダメージを負ってしまったの
だという。それは、物理的な側面もさることながら。

あれほど侮っていた後輩に、完膚なきまでに叩きのめされた。

このことが、普段から聳え立つようなプライドを誇る彼女の心を、木端微塵に粉砕してしまったのだという。

実際、フィジカル面においては粛清人は圧倒的に里沙を圧倒していた。
自らの本来の能力である「鋼質化」を隠し、獣化能力者として振る舞い、そして純粋なる暴力でかつての後輩を蹂躙していった。だ
が。

結局「黒の粛清」は、敗北した。
自らの心の弱さを突かれ、突破された。実力では凌いでいたものの。数々の死線を潜り抜けた経験を持ち、相手の心理を何重にも揺
さぶり続けた里沙の前に、鋼だったはずの彼女の心は脆くも崩れ去ってしまったのだ。

あいつも、馬鹿だよな。妙なことにこだわりやがって。

金髪の麗人は、そうひとりごちる。
元々「黒の粛清」が新垣里沙にこだわったのは、「キッズ」粛清の邪魔をされて一矢報いられたのがきっかけ。
受けた屈辱は、何倍にも返す。それが粛清人の流儀ではあったが、それが仇となり里沙に倒された。


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