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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part6

644名無しリゾナント:2016/08/18(木) 13:24:03
興味なさそうに、瞳を開く「黒翼の悪魔」。
それは能動的な行為ではなく、部屋の扉が開かれたことによる反射的なものだったが。

「あんた…何してんの」

目の前に姿を見せた声の主は、「悪魔」に呆れられるほどに。
白衣らしきそれは、ずたずたに引き裂かれ、白い部分がまるでないほどに血で染まっていた。

「どうしても『黒翼の悪魔』さんに会いたくて、ここまで来ました」
「どうでもいいけどあんた、もうすぐ死ぬよ。紺野」

黒き荊の洗礼を浴びつつここまでやって来たと思しき少女 ― 紺野あさ美 ― は、そこに立っているのがやっとというくらいに
消耗しきっている。「悪魔」の言葉に偽りがないことは、紺野の足元を濡らす夥しい量の出血が物語っていた。

「ご心配なく。適切な処置を受ければ、死にはしません。ただし、交渉が短く済めばの話…ですが」
「…いちーちゃんのクローンなんて、絶対に作らせない」

命を賭してまでの要件とは思えないが。
紺野は確か組織の科学部門に所属する研究者だったはず。となればその長は例の変わり者だ。彼ならば自らの戯れのために使いの者
を寄こすことなど、朝飯前だろう。道化らしいやり方ではある。
だが、終わってしまった命を弄ぶつもりなら、容赦はしない。

「私がここに来たのは、『黒翼の悪魔』さんにある提案を持ちかけるためです。このことは、統括にも話していませんよ」

今にも紺野に絡みつき、身を引き千切らんばかりににじり寄っていた荊の動きが、ぴたりと止まる。


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