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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part6

602名無しリゾナント:2016/07/05(火) 12:58:35
「今回はそのための、予行演習。そして、十分な結果が得られたわ。あなたたちは、わたしの襲撃を防ぐことはできない。
ただ、安心しなさい。すぐに行動に移すつもりはないわ。こちらは、紺野の動きに合わせて実行する。ただそれだけ」
「いつでも、私たちを殺せるとでも言いたげですね」
「その通りよ。あなたたちはもう、『時の処刑台』の階段を昇るしかない」

無慈悲な言葉に抗うが如く、さくらは「永遠殺し」を睨み付ける。
ただそれは、狩られる恐怖との、表裏一体でもあった。

「帰って、頼れる先輩たちに相談してみるといいわ。徒労に終わるでしょうけど、少なくともあなたの心に吊り下げられた重石を軽くす
ることはできるはずよ。でもさっきも言ったけど、あなたたちは既にギロチンに首を預けた身。『時間停止』を破る術なんて、ないんだもの」
「それは…」
「無駄に抗ってみなさい。足掻いてみせなさい。それこそが、あなたがあの喫茶店で得た人間らしい心の証左なのだから。『天使』も
『悪魔』も逆らえないわたしの規律の中で、『永遠』にね」

そう言い切った後に、「永遠殺し」は。
ただ、あすかなら、あるいは。そう呟いた。ようにさくらには聞こえた。
「あすか」が何を指しているのか。人名なのかそれとも違う何かなのか。わからなかった。
と言うよりも、今のさくらを支配しているのは圧倒的な絶望。このままだといずれ自分たちは始末されてしまうという、光なき未来だっ
た。その他のことに心を向ける余裕など、どこにもなかった。

「それでは、今度こそ本当にさよならね。次に会う時は…わたしがあなたたちに『永遠』を与える時」

その言葉だけを残して、「永遠殺し」は完全にさくらの目の前から消え去った。
「時間停止」の能力がまたしても発動したこと、それを防げなかったことが与えられた絶望にさらなる漆黒を塗り重ねてゆく。まるで、
どうにもならなかった。

すっかり暗くなった空き地に、さくらの悲痛な叫び声がこだまする。
今のさくらにできることは、ただそれだけ。崩壊してしまいそうな心を、必死に食い止めることしか、できなかった。


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