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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part6

573名無しリゾナント:2016/06/23(木) 00:25:03
>>565-571 の続きです



「…でね。こうやって、こうやって。はい。『リゾ・リゾ』の出来上がり」
「うわぁ!おいしそうですねえ…さすが道重さん、レンジでチンだけじゃなかったんですね!!」

階段を下りてゆく途中で、さゆみと春菜らしき二人の会話が聞こえてくる。
こちらまで漂ってくるいい匂いに、聖は憶えがあった。確かこれは。

まだ、リゾナンターが最初の9人だった頃。
ふとしたことがきっかけで喫茶リゾナントに顔を出すようになった聖、そんな彼女に当時のメンバーだった亀井絵里がよく振る舞
ってくれたのが、「リゾ・リゾ」。メインのリゾットもさることながら、デザートの豆腐ヨーグルトの優しい甘さは小学生の聖を
瞬く間に虜にした。
それ以来、「リゾ・リゾ」は聖にとって喫茶リゾナントを代表する味となっていた。

キッチン裏の階段を下りたところで、こっそりとさゆみと春菜の様子を窺う聖。
さゆみと春菜は、まるで姉妹のように仲睦まじく料理を作っている。
その姿を見て、聖はこれまでのさゆみと自分の関係を思い出していた。

新しいメンバーとして、リゾナンターに加入した聖たち四人。
しかしそれは想像以上の茨の道でもあった。
既に能力者としてキャリアを積んでいる先輩たちに比べ、あまりにも弱い自分たち。
水軍流という武術を修め、水限定念動力を少なくとも聖の目には自在に操る里保はともかく、他の三人はまるで戦力にならなかっ
た。特に聖は能力者の養成所に通ってまで自らのスキルアップを目指していたのに、それが実戦では役に立たない。そのことに気
付いた時から、聖にとって喫茶リゾナントは常に気の抜けない修羅場と化していた。

だが、自分たちの後に入ってきた春菜たちは、偉大なメンバーたちとの間に聖たちという年齢も実力も近い存在を挟むことで。
幾分かは和らいだ状況で先輩たちと接することができた。聖がさゆみに対して未だに遠慮がちなのに比べて春菜がさゆみと距離を
縮めているのも、そういう背景に原因があるのではないだろうか。


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