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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part6

286名無しリゾナント:2016/02/12(金) 20:43:03


暗い。
何も、見えない。

絡みつくような闇の中に、明日香は身を置かれていた。
ここがどこだかはわからない。事務所の医務室でないことだけは確かだ。
だが、これだけはわかる。この闇は、据え付くような闇の臭いは、「HELLO」が今までひた隠しにしていた存在。

「やっと。落ち着いて話せるな」
「…裕ちゃん」

粘り気の高い闇の中に、鮮やかな金髪が浮かび上がる。
どぎついカラコンも、勝気な表情も、今は闇に紛れそして馴染んですらいる。
組織の長たる中澤裕子は、深い闇を従えてその場に立っていた。

そこで、明日香は気付く。昨日の裕子への違和感、その正体に。

「もう気付いてるみたいやけど、うちの組織はもう『社会正義のために邁進する組織』と違う」
「…だろうね」

明日香の見た光景。
非合法薬物の取引に護衛として参加するばかりか、敵味方ともに惨殺し薬物及び金銭を強奪する。闇社会に跳梁跋扈
する悪人たちを狩る、と自称する組織のすることではなかった。

「言い訳するつもりはない。せやけど。うちらの理想を実現させるためには、こうするしかあらへんのよ。綺麗事だ
けじゃ、組織は動かへん」

言葉はシンプルだったが、そこに様々な苦悩や苦渋の思いが見て取れた。
諦めのような、それでいて強固な決意のような。
生半可な感情で裕子が話しているわけではないことを、明日香は理解した。そして理解したからこそ。


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