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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part6

201名無しリゾナント:2015/12/23(水) 22:05:49
冗談じゃないと右手首に力を込め、くるんと箒を回転させた。

「あわぁっ?!」

力の支点がズレた優樹は目を丸くし、勢いそのままにプール側へと身体を投げ出される。
そのまま水面を揺らそうかという寸前で、その姿は消えた。

「……それ反則じゃない?」

誰もいなくなった空間に苦笑しながら、里保は呟く。
はぁ・はぁっと短く息を吐き、「落ちたら負け」というルールが、優樹にとって有利であることに今さら気づいた。
水面を掠める前に能力を発動する限り、彼女が負けることはない。
確かにこちらは“水限定念動力(アクアキネシス)”を有している。
水砲を撃ち上げて優樹を攻撃することは可能だが、「プールに落ちないために」も有利になりうるのだろうか。

思考を纏めようとすると、再び風の音を感じる。
考えさせる暇を与えてくれないなと振り返る。
しっかりと箒とデッキブラシが噛み合う。
いつも後手に回る。
“音”を感じ取るだけでは、まだ、遅いのか。


―――「ちゃんと、聴こえるよ。安息の、優しい、そう、“平和の音”みたいなやつがさ」


一度、同期の前でそんな話をした。
同期の誕生日の夜に、生命を散らした敵の前で。いつかその音を聴けるようにと、途方もない祈りを捧げたんだ。


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