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レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part5
1
:
名無しリゾナント
:2014/07/26(土) 02:32:26
アク禁食らって作品を上げられない人のためのスレ第5弾です。
ここに作品を上げる →本スレに代理投稿可能な人が立候補する
って感じでお願いします。
(例)
①
>>1-3
に作品を投稿
②
>>4
で作者がアンカーで範囲を指定した上で代理投稿を依頼する
③
>>5
で代理投稿可能な住人が名乗りを上げる
④ 本スレで代理投稿を行なう
その際本スレのレス番に対応したアンカーを付与しとくと後々便利かも
⑤ 無事終了したら
>>6
で完了通知
なお何らかの理由で代理投稿を中断せざるを得ない場合も出来るだけ報告
ただ上記の手順は異なる作品の投稿ががっちあったり代理投稿可能な住人が同時に現れたりした頃に考えられたものなので③あたりは別に省略してもおk
なんなら⑤もw
本スレに対応した安価の付与も無くても支障はない
むずかしく考えずこっちに作品が上がっていたらコピペして本スレにうpうp
517
:
名無しリゾナント
:2015/01/23(金) 17:53:57
■ ラーフィングフォックス −田中れいな− ■
その少女たちは、”突然”そこに現れた。
「ほーんとに突破してきたー。」
覆面の、二人の少女。
一人は肩までのセミロング、大柄で、ふくよかな上半身、白く長い手足。
「『でれ』さんの読み通りかー、ははあーすごいすごい。」
指先だけを合わせる、やる気のない拍手。
「でも残念でしたー、せっかく頑張ったのに、無駄でしたねー。」
縁日などでは、今でも売っているのだろうか?
古典的な、白い『きつね』のお面。
『きつね』の、少女。
「くっ!はなせ!こん糸ほどけ!」
テグスにからめとられ、うつぶせで地面に転がり、もがきつづける田中。
「あははーほどけと言われて『ほどくわけない』でしょ、ねぇ?」
身動きの取れない田中のそばにしゃがむ『きつね』の少女。
「くっ…アンタら何ん?!ガキさんに何しようと?!」
「はぁ?ガキさんって誰ですかぁ?知らないなぁー『ごりら』、知ってる?」
518
:
名無しリゾナント
:2015/01/23(金) 17:54:32
『ごりら』のゴムマスク。
ノリノリでゴリラになりきっている、後ろの少女に話しかける。
「ウホウホ!ウホッ!」
「ほーらみんな知らないって言ってますよー」
「ふざっくんな!」
田中は思い切り上体を反らし、見下ろす少女を睨み付ける。
しゃがんだ膝に肘を乗せ、頬杖をつき、見下ろす『きつね』。
「まー落ち着いてー」
その目にあいた、黒い穴。
瞳の光は、うかがい知れない。
だが、わかる。
―――なめられている。
こんガキ!れいなをなめくさっとる!
「鬼ごっこも疲れたんじゃないですかぁ?ちょっと休んでてくださいよ。ほら、」
ふと、『きつね』が背後の闇へ目を向け、立ち上がる。
「やーっと、鬼がきた。」
走ってくる足音。
鬼、いや『馬』の少女が追いついてくる。
「はぁはぁはぁ…はぁっ!まってって!はぁはぁ…ゆったのにっ」
日が暮れ、下がってきた気温に馬の口から湯気が、もわもわと漏れ出している。
激しい息遣い、すでにへとへとになっているようだ。
519
:
名無しリゾナント
:2015/01/23(金) 17:55:08
「あっはは、なにやってんの『ひくし』」
「なっ!あか…俺のことは『うま』ってきめたろ!『きつね』!」
「あれ?ご自慢の体力は?フラフラだけど?」
「しょ…しょうがないだろっ!」
「だっさー、それしか取り得ないのに。」
「るさいっ!あかっ…俺はっ、こうゆう【能力】だからっ!知ってんじゃん!」
「おっと『でれ』さんからだ…」
そう、知っている。
当然ながら、知っている。
知っていて、からかっている。
これは悪い。
この『きつね』、相当に、たちが悪い。
『きつね』は、尚も文句を言い募る『うま』を無視、
ポケットから携帯を取り出す。
「鹿十かよっ!」
完全に無視。
「ちぇもういいよっ!」
そのまま、携帯を耳に当てる。
沈黙。
「了解」
携帯をしまう。
「あっち、おわったってさ。」
「え?終わった?」
「うん、おわった。」
520
:
名無しリゾナント
:2015/01/23(金) 17:55:48
「…はぁー…」
へたり込む『うま』。
「良かったー」
「ウホウホーッウホッ」
安堵する『うま』を『ごりら』がよしよしする。
おわった、とは新垣のことだろうか?
緊張の糸が切れ、すっかりたるみきった二人をしり目に、
”最初からたるみきった”『きつね』が、
ふたたび田中のそばにしゃがみこむ。
「ききましたぁ?うちらの用事は済んだんで、もう帰りまーす。
田中さんも、帰ったほうがいいですよ。」
笑っている。
仮面越しにでも、わかる。
嘲笑している。
身動きできぬ田中を、あざけっている。
「このっ!済んだってなん?ガキさんになんしよったと!」
「だからしらないって」
瞬間湯沸かし器、田中の顔が怒りで紅潮する。
「打っ倒す!!とにかく!打っ倒す!」
「んへ?ウッタオ?何語それ?だっさ」
『きつね』が立ち上がる。
521
:
名無しリゾナント
:2015/01/23(金) 17:57:19
「まてっ!こん卑怯もんが!」
「うるさいなぁ…」
ひとつ大きく伸びをする。
「さっきからキャンキャンキャンキャン…『弱い』くせに。」
「なん?!」
見下ろす。
「ほんとは『弱い』んでしょ?田中さんって。」
『きつね』が田中を見下ろす。
「常人離れしたパワーとスピード、ねぇ…」
「…お前…」
知っている。
「そのテグス、切れないでしょ?」
この少女は理解している。
「田中さんのことは調べたうえで、この太さ、この本数、用意してるんで。
まー、あたしが調べたわけじゃないけど。」
高橋と出会う前、【共鳴増幅】に目覚める前の…
522
:
名無しリゾナント
:2015/01/23(金) 17:59:47
「パワー?スピード?出せなきゃ無いのと同じ、『弱い』のと同じ。で、あとの頼みは、」
…嫌い…
「【共鳴増幅】でしたっけ?この状況じゃ結局それ何の意味もないじゃん。」
…なにが【共鳴】だ…なにが…そんなもの…
『きつね』の面。
その目にあいた、黒い穴。
…まあ、いいや…
穴の向こう、『きつね』は田中を見下ろした。
「しばらくすれば、糸はほどけるんで、そのあとはご自由にお帰りく…」
いや、見下ろせない。
―――真に強烈な打撃は、人が吹き飛ぶことを許さない。―――
田中が、見えない。
―――足は地面に根が生えたかのごとく、その場にとどまり―――
穴の向こう、すべてが真っ暗に。
―――脱力した全身は弓なりに”垂れ下り”―――
523
:
名無しリゾナント
:2015/01/23(金) 18:01:20
いや、見えないのは、田中ではない。
―――重い頭は、突き刺さるがごとく―――
”田中しか”見えていない。
―――真っ直ぐに落下し―――
真っ暗になるほど、目の前に、
―――地面へと―――
『きつね』の顔面に、両足を揃えた”田中の足裏”が
激突する。
―――激突する―――
「『打っ倒す!』そう言ったっちゃろ!」
田中は”空中で”そう、言い放つ。
テグスにからめとられ、相変わらず身動きできぬまま、
”空中で”
そう、言い放った。
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