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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part5

2名無しリゾナント:2014/07/26(土) 02:34:54
まさか、こんな日が来るとは。

鞘師里保は感動に打ち震えていた。
今日は願いつつも叶うことのなかった願いが、ついに叶った日。

「どうしたのりほりほ、箸止まってるよ?」
「え、は、はいっ!」

テーブルの向かいにいるのは、里保が尊敬するリゾナンターの偉大なるリーダー。
これまで、喫茶店が忙しかったり里保が学生生活で忙しかったりで機会がなかったのだが。
ついに、道重さゆみとの二人きりの食事にこぎつけることができたのだ。

能力を持つものとして、か弱き人々を守ること。
共鳴するものとして導かれた自分たちの、指名。
そしてさゆみがいなくなる将来への、不安。

色々と話したかったのだけれど、いざそのシチュエーションに立たされると言葉も出ない。
そもそも。さゆみはこんなに年の離れた自分と会話などして、果たして楽しいのだろうか。
自分のような口下手な人間が、さゆみと二人きりになっていいものか。
二人だけの食事会に相応しくない思考が頭をぐるぐると駆け廻っていた。

「さすが水軍流の剣士だけあって、自戒の念が強いのね。けど、そういう人間だからこそ、喰らい甲斐がある」

思わずさゆみのほうを見る里保。
いや、話したのはさゆみではない。
辺りを見回すが、声の主はどこにもいなかった。

「見回しても無駄よ。あたしはあなたの心の中にいるのだから」

頭の中に、邪な音色を帯びた声が響く。
里保は、ゆっくりと瞳を閉じた。下手に騒いでは、相手の思う壺。
さゆみの気分を害してしまうという、状況に相応しくない気遣いも含まれてはいたが。


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