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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part3
1
:
名無しリゾナント
:2012/11/24(土) 11:55:51
アク禁食らって作品を上げられない人のためのスレ第3弾です。
ここに作品を上げる → このスレの中で本スレに代理投稿する人が立候補する
って感じでお願いします。
(例)
>>1-3
に作品を投稿
>>4
で作者が代理投稿の依頼
>>5
で代理投稿者が立候補
>>6
で代理投稿完了通知
立候補者が重複したら適宜調整してください。ではよろしこ。
946
:
名無しリゾナント
:2013/06/23(日) 19:15:59
安倍なつみから連絡を受けた中澤裕子が
最初にしたのは、目を閉じ、自身の額に手をやった事だった。
椅子の背もたれに全体重をかけ、これまでを思い返す。
視界が滲んでいるのは、年のせいだと、思った。
【ダークネス】によって"蘇生"された者達。
そしてこれまでに再び闇へ還された者達は数知れず。
あとは"寿命"を待つ者の一人として、中澤は現在も生き続けている。
"蘇生"された者達は否応なく自覚している。
だが、前以て死が訪れることを知ったら平静ではいられない。
慌てふためくか、周囲の人間に当たり散らすか。
事実、自身の生を嘆き、自身の創造主を恨み、自身の死に恐怖し、それらの
感情を上手く扱う事ができずに操られるがまま人類への反抗を見せた者も居た。
それなのに、それなのに、と、想う。
これがダークネスが想ってやまなかった救済への願望か。
皮肉にも、違う道を辿った所で自分達への救いは変わらなかった。
―― それを覚悟した上で、中澤達は行動していたが、いざその時に
なったと思うと、酷く悲しくなった。
この悲しさがどんな感情によるものなのかは分からない。
他人の死に悲しむことなどないと思っていた。
自分の死さえもはや悲しくないと思っていた。
中澤裕子がアサ=ヤンとして、『M。』としての活動をしていた過去。
今の国家の法律では裁くことのできない異能者達。
被検体として生死を分かたれる異能者達。
947
:
名無しリゾナント
:2013/06/23(日) 19:17:31
自分達は一体、何の為に正義を掲げ、向けて来たのか。
しかし、全て自分の中心にあった組織は瓦解し、ダークネスと呼ばれた存在は
自身が生み出した我が子によって殺された。
しがらみは、無くなった。自分の居る存在意義が、無くなった。
中澤は静かに、声を押し殺して泣いた。
こんな涙など何の意味もない。
自身で満足するためだけに泣いているのだ。
何と心の籠らない、どうでもいい涙なのだろう。
もう素直に泣くこともできないのだ。
年を取れば幼稚になるともいうのに、自分はこんな時でさえ
泣くのを拒もうとしている。
こんな時に限って年齢で突っ込まれていたのが嫌だった自分が
年齢の所為にしていることが可笑しく思えた。
そう考えたあと、中澤は自分がもう十何年も異能者をしてきた事に気付く。
劣化コピーでも人格の情報は"元"の自分なのだから。
自分達の最期が来ても、この世界は回り続けるという事実にも。
存在よりも確かに感じていたかったものが、あった。
あの頃には残せなかった"何か"に縋る自分達のエゴを、中澤は
密やかに笑う。泣くよりは、笑っていたかった。
それはあの時、高橋愛が覚悟を決めた時のように。
948
:
名無しリゾナント
:2013/06/23(日) 19:18:31
絶望はとうに見飽きている。
どんな"結末"であろうと、信じてみようと思ったのだから。
泣きながら笑おうとしていた中澤の行為を中断させたのは、卓上に
置いてある電話から流れて来た静かなメロディだった。
中澤に対して連絡をする人物はそう多くはない。
液晶画面に並んでいる電話番号。
普段ならすぐに出たであろう電話に、中澤はしばし迷ったが
自分の声が震えないよう細心の注意を払ってから声を発する。
「誰や?」
『………』
「この電話は特定の人間にしか教えてへん。
そもそも普通の回線すら使ってないからな。…紺野か?」
『中澤裕子さん…ですか?』
その声に、中澤は今までの出来事よりも驚愕した表情を浮かべた。
同時に、この電話の意図が掴めない。
何故今頃、しかもこのタイミングでコンタクトを取る必要がある?
『お願いします。私を、ダークネスのいた場所に連れてってほしいんです。
…i914が生まれた場所へ、海上の孤島へ!』
道重さゆみは叫ぶように懇願する。
全てが生まれ、全てが終わった場所。
誰かの命を救うために、自分の命を削る為に。
949
:
名無しリゾナント
:2013/06/23(日) 19:24:53
『異能力 -Night comes. Inky night comes-』
以上です。
>>829
偉大なる第1話を立てた人が行ってるみたいですよ。
皆さんは舞台とか観に行ったことはあるのかな?
950
:
名無しリゾナント
:2013/06/23(日) 19:26:46
--------------------------ここまで。
また長くなってしまった…。
いつでも構わないのでよろしくお願いします(平伏
>>943
単なる加筆です…w
951
:
名無しリゾナント
:2013/06/23(日) 19:52:57
あ、
>>947
の下から7列目にある「十何年」を「何十年」に変えてください。
952
:
名無しリゾナント
:2013/06/23(日) 21:21:07
>>934
お手数掛けてしまい申し訳ありません。
どんぶり勘定はもうしませんorz
では行数オーバーに注意を払い続きの更新です。
953
:
名無しリゾナント
:2013/06/23(日) 21:23:45
>>746-753
の続きです
さゆみの前で、死んでいたはずの少女、小川紗季。
偶然現場に居合わせ、そして爆発に巻き込まれたのだという。彼女が持つ「不死能力」がなければ本当に死んでいたところだ
った、と当の本人はあっけらかんと話した。
「そうなんだ。あなたたちが、『エッグプロジェクト』の」
道重さゆみは、爆発事故で偶然出会った二人の少女。紗季、そしてもう一人の前田憂佳から話を聞き、そのプロジェクトの名
前を思い出した。
確かPECTの任務遂行能力に限界を感じた警察の上層部が、若い能力者を集めて育成するプロジェクトだったはず。
そういう動きがあることはさゆみも知ってはいたが、まさか実戦投入されるまでになっていたとは。警察も、各地で犯罪者の人
材バンクと化している反社会的能力者集団への対策に本腰を入れ始めたということなのだろうか。
「私たちも道重さんのこと、知ってますよ。リゾナンターって有名じゃないですか」
活発そうな少女・紗季が、笑顔で言う。
後ろでもう一人の少女である憂佳が、失礼だよぉ、と嗜めた。
「でも、憂佳たち、研修期間中ずっと聞かされてたんです。リゾナンターさんたちは、たった9人でダークネスに立ち向かった英
雄だって」
「そんな、英雄だなんて」
憂佳の言葉に、さゆみは照れくささと同時に居たたまれなさを感じる。
954
:
名無しリゾナント
:2013/06/23(日) 21:26:10
確かに自分達はダークネスという巨大な組織に対抗してきた。たった9人の能力者に対して、数百、いや末端組織まで含める
と数千の戦闘要員を抱えるダークネス。まるで巨象に立ち向かう小動物のような状況。それでも、諦めず、戦ってきた。
全ては、二度と自分達のような悲しい人間を生み出さないために。
「でも、『銀翼の天使』には負けちゃった」
「ちょっと紗季ちゃん!」
鋭い、紗季の一言。
闇に抗う意思が、砕かれたあの日。
一度は、目的を見失った。絵里が倒れ、小春や愛佳が能力を失い、ジュンジュンとリンリンが故郷に帰っても。リゾナンター
が解散しなかったのは、リーダーの愛の存在があったからだ。
その意志は、受け継がれる。
「そうだね。確かに負けちゃった。けど、1回の負けなんかでさゆみたちは終わらない」
さゆみは言いながら、強い光の宿る瞳で二人のことを見つめた。
「なるほど。さすがはリゾナンターのリーダーですね」
憂佳が、得心したように言う。そして。
「でも。ダークネスを倒すのは私たち『スマイレージ』ですから」
955
:
名無しリゾナント
:2013/06/23(日) 21:27:26
さゆみの視線を、挑戦的な態度で返す、紗季。
あえて言うなら、それは敵意にも似ていた。
「紗季ちゃん、ほら、お仕事お仕事」
「忘れてた。それじゃ私たち、負傷者の治療の続きをしてきますね」
展開された空気を収拾するように声をかける憂佳に、何事も無かった風な口調で紗季が挨拶をして立ち去る。それが逆に、先
ほどの時間の異質さを際立たせていた。
なんなの、あの子たち…
さゆみの胸に、いつまでも違和感が纏わりつく。
それを振り払うように、再び負傷者の救護活動に専念するのだった。
956
:
名無しリゾナント
:2013/06/23(日) 21:28:35
「もう紗季ちゃん、あんなこと言わなくてもいいのに」
崩壊したロビーの瓦礫の陰。
非難めいた憂佳の言葉だが、紗季はものともしない。
「かにょんだったらきっともっとひどいこと言ってたと思うよ。それに、どうせいずれは敵対することになるんだから」
「それはまだ、わからないよ」
憂佳は否定するが、その表情には暗い翳が差していた。
「そう言えばさ、『エッグ』の落ちこぼれたちがリゾナンターの子たちにちょっかい出したんだってさ」
「ほんとに?でもなんで…」
「さあ。どうせ手柄あげて復帰でもしたかったんじゃないの?みっともない話だよね」
紗季の、明らかに悪意のある口調。
「エッグ」と名づけられた若い能力者集団は、警察組織に登用されるに当たって、一種の篩い分けをされた。結果、紗季や憂
佳は残留し、7人の少女は組織から切り捨てられた。リゾナンターに奇襲をかけたのは、再評価してもらうための一手だった
のだ。
「よしなよ。昔の仲間のことを悪く言うのは…」
「憂佳は綺麗ごとばっかり。つまんないよ」
顔を顰め、苛立ちを見せる紗季。だが、すぐに笑顔になる。
957
:
名無しリゾナント
:2013/06/23(日) 21:29:32
「でも、これからはきっと面白くなる。名ばかりのリゾナンターなんかよりも先に、あたしたちがダークネスを倒すから。邪
魔をされたら、あいつらごと潰せばいい」
言いながら、紗季は足元の瓦礫を思い切り蹴飛ばす。
砕け散った建材の破片が、耳障りな音を立てて飛び散っていった。
958
:
名無しリゾナント
:2013/06/23(日) 21:31:30
>>953-957
短めですが、更新終了
お手数ですが代理投稿をいつでもいいのでお願いします
959
:
名無しリゾナント
:2013/06/24(月) 06:16:19
>>949
行ってまいりました
朝から目にするには少しばかり刺激的な冒頭だった
960
:
名無しリゾナント
:2013/06/25(火) 08:13:07
>>958
どんぶり勘定えもええんやで
スマの二人には微妙に死亡フラグが立ったような
961
:
名無しリゾナント
:2013/06/26(水) 01:52:39
銭琳は船の甲板で思いに耽っていた。
正規ルートでは故郷に居場所が知れてしまう可能性がある為だ。
違法ではあるといえど、信頼をおける故郷の仲間による手引きで
この船は並の人間、異能者ですらも認識されないようになっている。
そういった異能保持者が船乗りだから、というのもあるが。
李純は自室で眠っている。というよりは、この船に乗るまでの間
彼女の意識は戻っていない、まるで赤子のようになっていた。
肉体を変容させる異能を保持する李純が、以前の様に動くかは分からない。
それほど彼女の肉体に傷痕を残してしまった『i914』という存在。
だが、そんな非情な存在が、瀕死の状態だった銭琳と李純を
追ってでもとどめを刺そうとしなかったのは何故だったのか。
【瞬間移動】は相手の位置を把握し、座標を知らなければ行使は難しい。
だがあのi914であればそれを推測することは容易かっただろう。
もしかしたら、とは思う。
『蓄積』という行動原理によって、"何か"を得た疑似精神が多少なりとも
"情"というものを悟っているのだろうか。
だが、肉体は分かっていてもi914の本能に抗えるとは思えない。
あの強く、たくましく、だが人の悲しみを誰よりも感じてくれた人。
そんな中で、心の底から湧き出て、全身を支配する畏怖に抱かれる時。
きっとそれが、彼女の中に眠っていたi914だったのかもしれない。
今でも、逃げる事を考えている自分が居た。
しかし逃げずに真っ当ではない方法で戦うことも模索し続けている。
死の予感をいつの頃からか抱いてしまってから。
962
:
名無しリゾナント
:2013/06/26(水) 01:53:37
それでも予想以上に、冷静だ。
自棄になっているのかもしれない。自身の心情を、今一つ理解できない。
生への執着。死への覚悟。
目的を達成するまで生きていたいと思うと同時に、命を賭けて
戦うことを厭わない自分も居る。
そしてあの人も。
―― 高橋愛と『i914』は対極のようで、同極だ。
片方は人を愛し、守り、生きてほしいと思う。
片方は執着し、征服し、蹂躙したいと思う。
矛盾しているようで、あまりにも最も過ぎる感情。そして根源は同じ。
それが同時に影響を与え続けている。本来ならば理性に抑制されるはずの本能。
暴力的な衝動。
蓄積された事による機械人形には無かった状況判断。
生かさず殺さず、ただただひたすらに殴り、痛めつけ、圧倒し
踏み躙り、自身の破壊的衝動をぶつける。
そのi914としての本能が優先された時、高橋愛の本能は歪んだ。
全て推測。
だが、彼女の温かみを直に触れて来たからこそ、想う。
自分がいつか、本当に壊れてしまうことを自覚した時。
"仲間でさえも縋れなくなった彼女に残ったのは、たった一つの拠り所"。
(…もっと話をすれば良かったな)
963
:
名無しリゾナント
:2013/06/26(水) 01:55:08
そんな事を今更ながらに思う。
それが何の解決にもならなかったとしても。
もう一度、会って、話をしたかった。
他愛の無いものでも構わない。好きなアニメや、好きな食べ物。
それを笑って、喜び合ってみたかった。
i914の干渉がある前に。これも多少の執着が込められるのだろうか。
高橋愛が求めていたものは、あまりにも自分達とは変わらない。
それをただ人よりも【蓄積】するに特化した存在というだけで、こんな
事態へと追い込んでしまった。
銭琳は考える。考えなければいけない時だった。
逃げない為に、戦う為に、そして出来る事なら高橋愛を。
もしもを考える、ただただ考える。
"if"なら、救いがあるような気がしたから。
―― ―― ―
久住小春が立ち止まったのは、隠れ家を後にしてから十分経った頃。
音と色と命が恐ろしく薄い空間が、騒音と色彩と存在が溢れた
ものに変わっている、大きく吸って、大きく吐く。
走り続けた身体がもう限界の兆しを見せている。運動不足。
久住は体重が増えたかな、なんてことを心配してみた。
心配することはいくらでもあったが、自分で言って失笑しか出ない。
失敗か、と思ってようやく笑みが浮かんだくらいだ。
964
:
名無しリゾナント
:2013/06/26(水) 01:56:53
あまり見覚えの無い、だが通った事があるような気がする路地裏。
大通りの喧騒が僅かに伝わってくるこの道には、それなりの人通りがある。
だが久住は【念写能力】で自身を景色と同一化することで、視界には見えない。
誰かに見つかっては厄介だ。
仮にもこの街では有名人としての自覚はある。
だから見つかってしまってはいけない。
――巻き込んではいけない――
新垣が提示した埠頭までは時間にすると約30分かかる。
今なら大通りへ行けばタクシーでも捕まえて最短距離を走れば
10分は早く到着できるだろう。
電車でも良い。とにかく新垣や、田中れいなよりも早く着きたい。
ズクリと、腕に痛みが走る。
怪我は完治している腕が、過去を引きずる。
らしくないと、舌打ちをした。
過去ではなく、未来があることを告げてくれた仲間の顔が浮かぶ。
まだ眠っている仲間の顔が浮かんでは消えた。
―― 違う。
これはそういった類の衝動ではない。
自身の中から湧き出る衝動は、自身の想いでしかない。
自分の為に。
自分の為の決着を。結末を。
―― ―― ―
965
:
名無しリゾナント
:2013/06/26(水) 01:57:33
腕が疼く。目尻からじわりと黒い"血"が滲み出ているような気がして。
田中れいなは包帯の上から押さえる。
表面は乾いていた。
だが瞼の下で何かが蠢いている様な気がした。
抉りだしたい衝動に冒されながらも、それが出来ないことを悟る。
「田中っち!」
新垣里沙の言葉でハッと顔を上げる。
大通りの車道にまで歩みを進めていた田中を、新垣が制したのだ。
隣に居た佐藤が服を引っ張ってくれなければ、そのまま突っ込んでいた。
「ご、ごめん。ちょっとどっか行ってたけん」
「…田中っち、身体、大丈夫なの?」
新垣の言葉に、田中の表情が固まる。
佐藤にはそれが先ほどの戦闘によるものだと思っていただろう。
だが新垣は、確信を持ってしまった。
田中の身体が今にも"崩れてしまう"寸前だということに。
緊迫した空気の中、佐藤の腹から小さな音が発せられた。
二人の視線が彼女に注がれ、しまった、という表情を浮かべる佐藤。
そういえば、夕食を食べていなかったことを思い出す。
「あ、あの、おなかすいたんですけど、おなかすいてないんです」
「こんなときだけそんな下手な言い訳せんでいいけん。
れなもお腹に入れときたいっちゃけど」
「そうだね…多分まだ時間はあるから、佐藤、なにが食べたい?」
「いいと?そんなにのんびりしとって」
「大丈夫だよ、ほら、なんでも言ってみな。好きな食べ物とか」
966
:
名無しリゾナント
:2013/06/26(水) 01:58:21
「えと、ラーメン以外のめん類、です」
「あはは、なにその言いまわしー。ラーメン以外って、うどんとかそばとか?」
「う…はいっ」
「そっかそっか、田中っちも良い?」
「…しょうがないっちゃね」
田中が折れた。
彼女は佐藤にとってはどこか甘くもあり、厳しい。
年下の子との壁が厚かった田中だが、これまで出逢ってきた中で
今の『リゾナンター』に参加する佐藤達とは気が合うのかもしれない。
新垣自身との関係は、正直良くは無かった。
今も共同戦線を張っているだけで、心を通わすことは無いのだろう。
そんな人間と食を囲むというのだから、佐藤が空気を緩和してくれているような気もした。
彼女がいなければきっと、こうして落ち着けることもなかった。
田中の話では、後藤真希の【空間支配】に"隔離"されたとあった。
自分達へ全てを預けているのだとすれば、あの亜空間から
出るにはまだ時間がかかるはずだ。
気まぐれな人ではあるが、自分達が不利になるようなことはしないだろう。
喫茶『リゾナント』でご飯を食べていたあの頃を思い出す。
生涯最後の食事になるかもしれないということは、考えないようにした。
967
:
名無しリゾナント
:2013/06/26(水) 02:01:23
『異能力 -Restart each-』
以上です。
前回の冒頭は特に人物は決めてなくて、仲間の
誰かってことだったんですけど、小さい人のイメージ恐るべし。
968
:
名無しリゾナント
:2013/06/26(水) 02:02:33
---------------------------ここまで。
また長くなった…いつも代理投稿ありがとうございます。
いつでも構わないのでよろしくお願いします(平伏
969
:
名無しリゾナント
:2013/06/27(木) 05:59:35
>>968
行ってまいりました
>特に人物は決めてなくて、仲間の
誰かってことだったんですけど、小さい人のイメージ恐るべし。
そら矮躯とか矮躯とかあんなに強調してたら
970
:
名無しリゾナント
:2013/06/29(土) 21:26:39
>>960
代理投稿ありがとうございます
死亡フラグとは、へし折るためにあるものと思ってますがこの二人はどうなんでしょう
というわけで続きを投下します
971
:
名無しリゾナント
:2013/06/29(土) 21:30:04
>>869-873
の続きです
香音のうめき声が、広いスタジオに絶望を彩る。
壁に侵入した時点で異変に気づき、優樹を先に出し、自身も最低限の接触で壁の中で凍結は免れたのは不幸中の
幸いか。しかし、ディフェンスの上での貴重な戦力を失ってしまったのは間違いない。
「敵前逃亡しなきゃ、あたしは手を出さないから」
スタジオの入口に立ち、面倒そうに言う「魔女」。
ひとまずは二人がかりで攻撃、ということはなさそうだった。
「やっぱ持つべきものは友達だよねえ」
「は?ビジネスでしょ。これも大事なお仕事の一つだから」
「仕事熱心じゃないあんたが言っても説得力ないから。ま、好意はありがたく受け取っておきますか」
終始、リラックスした魔女と粛清人のやり取り。
里保は、入口を塞いでいる女もまた「赤の粛清」と似たような地位にいる人物という事を見抜く。それだけに、とりあえ
ずの不参加表明は額面通りに受け取ればありがたいことだった。
「戦えば、あなたは満足するんですか」
「とりあえずはね。言ったでしょ、この機会を作るだけのためにあの爆破事故を起こしたって」
亜佑美は、喫茶店で見た凄惨な事故現場を思い出し、頭に血が上りそうになる。
あれを、あんなことを、私たちをおびき出すだけのためにやったなんて…許せない。
だが、「赤の粛清」に問いかけた里保は至って冷静だった。このことのために数々の策を弄したということは、それだ
け強いこだわりがあることの、裏返し。そう判断した。
972
:
名無しリゾナント
:2013/06/29(土) 21:31:05
「みんな、よく聞いて。今、私たちに残されている選択肢は。目の前の相手と戦うだけ。そのことだけに、集中して」
里保の一言が、全員の空気を変える。
怒りに震える衣梨奈、春菜、遥、亜佑美も。後悔の念に駆られている聖も。今やれること、やらなければならないこと
に目を向ける。
「赤の粛清」を、打ち倒す。
もちろん、相手は組織の幹部だ。生易しい相手ではない。
だが、ダークネスと全面対決する時にはそういった部類の人間ともやり合うだろう。幹部たちの相手を、全てさゆみや
れいなが引き受けなければならないのか。否。今いる若いリゾナンターたちが、倒さなければならない。
六人の能力者たちが、一斉に駆け出した。
目標はただひとり、朱き凶刃を手にした粛清人。
真っ先に飛び出した里保が、間合いを一気に詰めて斬りかかる。
クローンとは言え、一度「赤の粛清」とは手合せ済み。他の仲間たちと比べて有利に相手と対峙できるはず。
「クローンって言ってもさ、オリジナルと同じ動きができるとは限らないんだなあ」
里保の思考を読んだが如く、大鎌の柄で器用に斬撃を弾く「赤の粛清」。
疾さも、力強さも、クローンとは比べものにならない。
その一瞬の戸惑いが、隙を生んだ。軸回転させた鎌の切っ先が、無防備な里保に襲い掛かる。
973
:
名無しリゾナント
:2013/06/29(土) 21:32:27
「しまっ…!!」
しかし赤い刃は里保の体には届かない。
大鎌が掬い取る前に、亜佑美が里保を確保しその場を離脱したのだ。
「大丈夫ですか鞘師さん」
「あ、ありがとう亜佑美ちゃん」
里保の戸惑いは。
亜佑美が見せた、圧倒的な迅さ。確かに、これまでも彼女は「高速移動」能力で常人の域を遥かに超えたスピードを見
せていた。が、今のは。
「亜佑美のやつ、やるじゃん」
「私の視覚強化でも、捉えられませんでした…」
同期の二人も亜佑美の成長に舌を巻く。
今までよりも、ワンランク上の高速移動。そして遥は、千里眼の能力で、その能力の根源を垣間見ていた。
なんか今、青いライオンみたいのが見えた気がしたんだけど…
遥の直感は正しく、そして。
亜佑美はふとした偶然から出会ったリゾナンターの先輩・ジュンジュンの言葉を思い出していた。
― お前の力、ジュンジュンの力に少シ似テいル ―
974
:
名無しリゾナント
:2013/06/29(土) 21:33:29
最初は意味がわからなかった。
もしかしたら自分も獣化できるのかと思い、どや顔で鏡の前で練習したが何の変化もなかった。
しかし、ジュンジュンの言葉は日に日に亜佑美の中で具現化してゆく。自らの心の裡に棲む、一匹の獣。
その獣のことを意識しはじめてから、亜佑美の能力は向上した。
と言っても、実際に行動に移したのは先ほどが初めてではあったけれど。
「へえ、だーいしちゃんそんなことできるんだ」
「赤の粛清」が言うより早く、亜佑美が行動する。
鎌の内側に入り込み、そこからの攻撃ラッシュ。鎌の柄でそれを受ける粛清人の前に、再び里保が急襲する。
「行くよ、亜佑美ちゃん!」
「はいっ鞘師さん!!」
体捌きの得意な二人による、コンビネーション。
里保が足元を刀で掬えば、亜佑美は上段からのハイキックを繰り出す。上段からの袈裟懸けには、下段からの足払いで合わせる。
その動きは、まるで二人でダンスを踊っているかのよう。
「なかなか。じゃああたしももう少し頑張ろっかな」
背後から姿を現す、二本の大鎌。
粛清代行者とも言うべき凶刃が、宙を彷徨いながら里保と亜佑美に狙いを定めた。
975
:
名無しリゾナント
:2013/06/29(土) 21:34:32
「そうはいかんったい!!」
鎌の動きが、止まる。
ピアノ線を操りその軌道を止めたのは、衣梨奈だった。
「聖、衣梨奈たちは里保と亜佑美ちゃんのサポートやろ!?」
「そうだね。みんなは二人が戦いやすいように、後方援護をお願い!」
聖の指示で、春菜と遥が後方に下がる。
さらに春菜が付与した五感強化の力で、衣梨奈のピアノ線による攻撃は普段より速度、強度ともに冴え渡る。
「凄い!衣梨、新垣さんになったみたい♪」
彼女のようなタイプは、調子に乗ると手がつけられないほど勢いが増す。
春菜の能力とは相性がいいのは間違いない。
衣梨奈の攻撃が大鎌を凌ぐ一方で、里保と亜佑美による連携攻撃は激しさを増す。
そして互いに目配せをすると、
「じゃんけんぽん!」
「あっち向いてホイ!!」
「赤の粛清」を挟んでの、じゃんけん遊びに見立てた攻撃。
里保が刀を上段から打ち、亜佑美は水平からの手刀。
そして怯んだ所でお互いに肩を組み、体を支えながらの連続蹴り。まともに喰らった粛清人はその場から大き
く後退する。
976
:
名無しリゾナント
:2013/06/29(土) 21:35:57
そんな様子を、「氷の魔女」は腕組みをしつつ眺めていた。
一見リゾナンターたちが優位にことを運んでいるように見える。ただ、魔女の目には旧友が追い込まれてい
るとは思えない。
あたしの出番なんてないじゃん。
もともと、この襲撃自体は「赤の粛清」の独断かつ個人的な事情で行われているもの。
勝手にやってろという気持ちもなくもないが。
― 黙認した手前、おおっぴらに手を打つこともできませんから ―
白衣を着た変わり者たってのお願いで、表向きは「赤の粛清」の協力者、真の目的は彼女がリゾナンターた
ちを殺さないよう監視すること、そのためにこの場所にいる。猛獣は戯れているつもりでも、標的の小動物
が死んでしまうというのはない話でもない。
でも。「氷の魔女」は思う。
この程度じゃ、遊びにすらならないと。
それを証明するかのように、攻撃ラッシュを決められたはずの「赤の粛清」は平然とした顔で立っていた。
「やるね。『キッズ』たちとの戦いで成長したって感じか。おかげであたしもようやく、気兼ねなく楽しめる」
そう言いながら、若きリゾナンターたちに視線を送った。
背中に氷板を当てられたような、寒さ。
「忠告してあげる。『全員で』かかっておいで」
勢いでは圧しているはずなのに。
相手が発する異様なプレッシャーを、里保たちは感じずにはいられなかった。
977
:
名無しリゾナント
:2013/06/29(土) 21:37:18
●
「ただいまー」
喫茶店を訪れた田中れいなは、予想外の反応に目を丸くする。
いや、予想外の反応のなさにと言ったところだろうか。
たなさたーん!
ごめんなさい田中さんいつもまーちゃんが鬱陶しくて。
わぁ、田中さん今日もおしゃれですねえ。
これくらいの反応がすぐに返ってくると思ってたっちゃけど。
喫茶店の中は、静まり返っている。
客席にも、カウンターにも、後輩たちの姿は見られない。
不意に今時珍しいブラウン管の小型テレビが、ばらばらに破壊されていることに気づく。
何かがあったのだ。後輩たちの身に。
さゆみからは、今日発生した爆発事故の怪我人救護の応援を頼まれた、との連絡があった。れいなの心を、
不安が過ぎる。
とにかく、今、彼女たちはどこにいるのか。
それを探らなければならない。
れいなは近くの椅子に座り自らの心を鎮め、意識を集中させる。
リゾナンターの特性の一つ、それが互いの心を繋ぐ事による意思疎通。
オリジナルメンバーがいた頃に比べてその力は幾分弱まってはいるものの、相手が今どこにいることくらい
は掴む事ができた。
978
:
名無しリゾナント
:2013/06/29(土) 21:39:17
しかし聞こえるはずの心の声は、あちこちから飛び込んでくる雑音に阻まれたのか、まったく届かない。怒
り、悲しみ、嘆き。そんな感情が町のあちこちで生まれては消えてゆく。
あの事件のせいか。
駅前ビルにある大画面のビジョンで報道される、爆発事故。無慈悲、無差別とも言える殺戮は人々の心を大
きく揺さぶる。それが、妨害電波のように立ち塞がるのだ。
ともかく。
れいなは後輩たちを闇雲に探すのはやめようと思った。
先の「キッズ」たちとの一戦で、彼女たちはリゾナンターの名に恥じない戦いぶりを見せた。庇護されるだ
けではない、信頼に値する働きがあった。
今日は久しぶりに店番をするんだった。いろいろ準備せんと。
カウンターに向かうため立ち上がったその時。
吸った息が、出口を求め暴れる。胸の奥が締め付けられるような鋭い痛み。
れいなは数度、激しく咳き込み、そしてこみ上げるものを手で抑える。
「…なんね、これ」
思わず口をついた言葉。
そして掌についた、血。
それはれいなが見慣れたものではなかった。
血。黒い血。
それはれいなに嫌でも過去の出来事を思い起こさせる。
979
:
名無しリゾナント
:2013/06/29(土) 21:40:34
― これであんたは、あたしから逃げる事はできない ―
まだ喫茶リゾナントに来る前の出来事。
薄闇に包まれた資材置場に佇むその女が嬉しそうに言った台詞を、れいなは忘れる事ができない。血。黒い
血。呪いの、血。
黒血。
刻が来たのだ。
今更ながらに、自分の期限付きで助けられた命の事を思い出した。
残された時間は、さほど多くない。
980
:
名無しリゾナント
:2013/06/29(土) 21:41:33
>>971-979
更新終了
代理投稿をお願いします
981
:
名無しリゾナント
:2013/07/02(火) 21:46:17
忍法帳レベル3で代行が出来るのだろうかw
…まあやってみます
982
:
名無しリゾナント
:2013/07/02(火) 22:08:45
容量的には問題なかったけどしばらくはリンクを貼れないのが痛手だ
>>980
だーいしの高速移動とリオンを絡ませるとかれいなの黒血とか個性の強い設定を飲み込むあたり過去作品へのリスペクトを感じました
この展開だと後藤さんの参戦も不可避なのか?
983
:
名無しリゾナント
:2013/07/03(水) 20:37:39
ナチュラル。
ニュートラル。
本当に孤独な人間というのは、それだけで『完全』な人間だ。
世界と一切関係せずに生きていけるような概念があるとすれば
それほどの角度からどんな具合に観察したところで、やはり『完全』と
表現せざるを得ないと言える。
完全なる孤独。
孤独なる完全。
それは『生死』が無いということ。
愛し愛され殺し合うことが無いということ。
真の意味で孤独であろうと、完全であろうとすることは全ての連鎖
から解放されようという行為に他ならない。
因果から抜け出そうという行為に他ならない。
つまり殺さず、殺されず。求め合わず、必要とせず。
だから本当に孤独な人間というのは完全であり、そしてあまりにも寂しい。
誰とも、何とも関係しない。
そんな『完全』な人間に対等な人間が存在するだろうか。
誰かが願った『完全』な人間だとしても、何があっても何が起こっても
誰と会っても誰と別れても、運命も必然も因果も因縁も、そんな有象無象が
あろうがあるまいが、そんな魑魅魍魎がいようがいるまいが、物語の
流れになんの関わりもなく、
ずっと、変わらないのだ
984
:
名無しリゾナント
:2013/07/03(水) 20:38:32
それが、きっと、つまり、「死なない」という事。
何のために生まれたのか、どういう意味で生まれてきたのか。
二つの疑問に対する答えに一切の持ち合せがない。
それが「死なない身体」だ
生死には膨大なエネルギーが必要だ。
保存則にのっとって言えば、エネルギーは総じて「移り変わる」もの。
マクスウェルの悪魔でも無ければ、一定のエネルギーが厳密な意味で
「固定」されたままというのは有り得ない。
だがそれは、人間の常識であり、法則であり、道徳だ。
異能力を保持する人間の常識と、法則と、道徳は違う。
住む世界が、次元が、違う。
種族や種類ではなく、裏や表や逆や対偶ではなく。
違う世界の住人であるという事実があることで、『完全』な人間は
事実上の『完全』と成る。
それは屁理屈だと嘆くか。
解明は出来ずとも、確立をすることが出来なかった真実を。
ならば、傍観者であればいい。
永遠を与えられた人間を、傍観していればいい。
痛みを忘れ、戦いをやめ、他にも様々なものを放棄して
それは終わりがあったときには大事だったはずの思いも平気で捨てればいい。
死んだように時を過ごせばいい。
本当の生も死も知らず、ルールすら無視すればいい。
それが嫌なら、守れ。
985
:
名無しリゾナント
:2013/07/03(水) 20:39:37
死を認識し、獲得し、捕縛し、対峙し、勝負し、対決すればいい。
死ぬのが怖いか。死ぬのは怖いか。
それでも向かい合え、殺しあえ、喰らい合え。
此処は、そんな世界だ。
死を覚悟すれば、生きてる間は死なずに済むのだから。
『完全』の外側で、『不完全』の彼女達は生きている。
―― ―― ―
久し振りに食べる蕎麦は、美味しい気がした。
普通の子供はカレーライスや、ハンバーグ辺りを選ぶらしい。
喫茶『リゾナント』に来る親子連れでスパゲッティを不器用に
フォークで取り、啜っているのを何度か見たことがある。
新垣と田中も自分が好きなものをそれぞれ選んで食べていた。
だがどちらとも小食なのか、それとも緊張からなのか、あまり食が進んでいない。
佐藤優樹も緊張はしている。
だが、食べたい物を食べただけで、人は簡単に笑うことができる。
田中や新垣は、ちゃんと笑っているようには見えなかったが。
佐藤が今の状況がそれほど良くない、というのは自覚している。
自分にも危険が及んでいることも。
だが新垣が「大丈夫」だと言った。田中も「良かったね」と言ってくれた。
あの三人が好きな食べ物も覚えてる。
工藤遥は抹茶が好き。 石田亜祐美はスイカが好き。
飯窪春菜はチョコレートが好き。
でもそれ以外にもたくさん好きなものがある。
その数だけ、笑顔があった。
986
:
名無しリゾナント
:2013/07/03(水) 20:40:17
たくさんの笑顔が浮かんで、消えていく。
こんな時間が続けば良いのに、と思う。
でも皆が居ないのは嫌だな、と思う。
食べた後、埠頭へ行くために電車を乗り継ぐことを決めた。
その時に佐藤は、田中の隣に居た。降りるまでの間、ずっと、ずっとだ。
彼女の横で手を握り、田中もそれを拒まなかった。
あの時、田中の両目から流れた黒い水。
そして、今佐藤が掴んでいる手が、何か別の生物ような違和感を覚えた、あの時。
本当は聞いてみたい。
様子がおかしいから、本当は具合が悪いのではないかと。
それは自分のせいではないのかと。
自分ができることは何なのか、聞いてみたい。
もしそれが自分のせいだとしたら、このまま自分を捨ててくれても良いとさえ思うほど。
……嘘だ。
本当は捨ててしくない。できればずっと田中の傍に。
「佐藤、ちょっとの間だけ、寝といてもいいっちゃよ。まだ着かんからね」
「たなさたん、わたしにできることがあったら、なんでも言ってください。
どうしていいかわかんないけど、おいてかれるのだけはやだけど。
それいがいのことはできるから。できるかもしれないから」
「大丈夫。れなはずっとおるよ。だから寝ときい」
電車に揺られながら、佐藤は田中の声と共に瞼を閉じる。
マスクを付けていて苦しいが、寝顔を見られるのはどこか気恥ずかしいので我慢する。
987
:
名無しリゾナント
:2013/07/03(水) 20:41:12
佐藤は祈りたくなった。鈴木香音が言っていた『神様』という存在に。
神様は一つ、願いを叶えてくれるという。
たくさん願いを叶えてくれたらいいのに、と思い至った時に、佐藤は祈る対象を変える。
どんなに祈っても助けてはくれない神様ではなく、自分達を救ってくれた
神様のような人達が、これが終わったらいつまでも笑顔で居られますように。
寝息を立て始めた佐藤を見て、田中は呟いた。
「なあガキさん、佐藤のこと、頼むけんね、こいつ、ガキさんのことも
好いとぉみたいやし、ま、まだまだ子供やけん、わがままやけど」
「田中っち、それは卑怯だと、私は思うよ」
「別にガキさんやなくても誰かに頼んどお、れなにはもう時間が少ないから」
「…約束はしないよ。私も覚悟してるから」
「そっか、まあ、こいつらなら大丈夫やね、さゆもおるし。うん、さっきの忘れていいよ」
穏やかな表情でそう言った。見た事のないほど覇気のない、掠れた笑顔。
そして田中れいなは、海に臨む。
傷だらけの身体と魂を抱えて、臨む。
自身の限界を知りながらも、ただひたすらに。
それが自分の在り方だと奮い立たせるように。
988
:
名無しリゾナント
:2013/07/03(水) 20:45:00
『異能力 -Blue flames and butterfly-』
以上です。
新スレおめでとうございます。そしてまた巻き添え規制です(涙)
>>34
れいなの設定をリゾナントしてくれたのはスレ内で二度目です(照)
989
:
名無しリゾナント
:2013/07/03(水) 20:46:18
-----------------------------ここまで。
避難所を開設して頂きありがとうございます!
どちらに書こうかと思ったんですが、ここを埋めてからの
方がいいんでしょうかね?
いつでも構わないのでよろしくお願いします(平伏
990
:
名無しリゾナント
:2013/07/03(水) 22:19:59
>>989
行ってきますた
>どちらに書こうかと思ったんですが
広告のウザささえ気にしなければここも機能してることはしてるんですがね
その辺の合意とかできてないし当面はこちらの方を使います?
991
:
名無しリゾナント
:2013/07/03(水) 23:12:31
>>990
わわ、こんなにも早く代理投稿ありがとうございました(土下座
うーん、自分はそれでも構わないと思いますが、何か
重要なことがあれば避難所に、という手も。
992
:
名無しリゾナント
:2013/07/04(木) 23:09:41
よく考えたら作品のサイズ次第ではもうこのスレに収まりきらないかもしれないのでpart4を立てておきますか
とりあえず当面は避難所は使わずこちらの方を使用するとしましょう
また広告が酷くなってきたら避難所の使用を検討するという線で
993
:
名無しリゾナント
:2013/07/04(木) 23:18:15
つ【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part4
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/22534/1372947232/
長編を投下しようという方はpart4の方へどうぞ
994
:
名無しリゾナント
:2013/07/05(金) 18:25:55
>>988
黒血の設定、いつリゾナントするか? 今d(ヤメロ)
きっと元ネタほど魅力的な設定にはできないかと思いますが頑張りますw
995
:
名無しリゾナント
:2013/07/05(金) 18:28:56
>>982
代理投稿ありがとうございました。
Gさんについては現実のれいなの憧れの人ですから。取り上げないわけにはいきますまいw
ということでスレを跨いでしまいますが続きを投下いたします。
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