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アカペラ

863オールナイト名無しさん:2017/12/11(月) 19:47:57
阪田三吉と「銀が泣いている」に込められた想い
ご存知の方も多いと思いますが、阪田三吉は明治時代から昭和初期に活躍した伝説の棋士。北条秀司原作による新国劇『王将』というタイトルの戯曲や映画、さらに村田英雄の歌「王将」のモデルになった人物です。
将棋という一芸に打ち込む中で自らの哲学を学び取っていった阪田三吉。幼い頃から丁稚奉公に出て、文字は将棋の駒の字くらいしか読めず、常識はずれな行動もずいぶん多かったと言われますが、凡人の教養では及びもつかない名文句を数々残しています。
1913年(大正2年)に行われた宿敵、関根金次郎との対局。この対局において、関根金次郎の挑発的な手に対して、阪田三吉は「銀」(銀将)を動かします。阪田としてはその銀を関根に取ってもらうことで、香車を動かして攻めに転じようという腹でした。ところが、関根がその意図を読んでいて、取ってくれない。銀は「取ってくれ。いっそ殺せ!」と叫んでいるのに、敵は殺してくれない。それで彼は「銀が泣いている」と言ったのでした。
後日そのときを振り返って、朝日新聞紙上の「将棋哲学六、阪田名人実話」で、阪田本人はこう述懐しています。
「(あの銀は)ただの銀じゃない。それは阪田がうつむいて泣いている銀だ。それは駒と違う、阪田三吉が銀になっているのだ。その銀という駒に阪田の魂がぶち込まれているのだ。その駒が泣いている。涙を流して泣いている。今まで私は悪うございました。強情過ぎました。あまり勝負に焦りすぎました。これから決して強情はいたしません、無理はいたしません、といって阪田が銀になって泣いているのだ」
将棋に人生を懸けるとはこういうことなのだ、と圧倒されます。まさに駒と自分が一体になっていないと出てこない、すごみを感じさせる言葉です。




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