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三題話もしくは二題話スレッド

1言理の妖精語りて曰く、:2007/01/17(水) 20:27:12
このスレッドは三題話や二題話をするためのものです。
http://jbbs.livedoor.jp/travel/6744/
上記したアドレスにも同じスレッドがありますが、こちらの場合は、矛盾やゆらぎなどを肯定します。

22言理の妖精語りて曰く、:2007/04/20(金) 02:39:10
深夜 クラッシュ

23言理の妖精語りて曰く、:2007/04/22(日) 19:40:37
【真球 フルフェイス マガイモノ】

24そう(1/2):2007/04/22(日) 19:48:06
ことの発端は、今から四時間ほど遡る。

刻は南中夜天の晩、夜空には下弦に垂れ下った月と紅く煌く満天の星。
独りの男がいた。全身を幾重にも隠す厚衣と頭部をすっぽり覆う《フルフェイス》の仮面、表情は分らないが、非常に陰気な氣を発散している。
その男の落ち込んでいる理由は、現在進行形で、竜に追われているからだ。

地を駆けるもの、空を這うもの、魔路を泳ぐもの、有象無象の亜竜の群、群、群、群、群、群、群、群。

その内の一匹の前肢が振り挙げられる。鉤爪を備えた先には呆然と立ち尽くした男の姿。
脆弱な人間の肉に容易く食い込む、と思われたその袈裟斬りは突如その分厚い衣に阻まれる。

いや、正確にはその下に見え隠れする小さな金属片―――尖片の連なった鎧である。
男は静かに呟いた。

「*Lagyun0n*」

腹部を覆っていた尖片がさざめく。無数の虫が擦れ合う様な音をたてながら、手甲に引き寄せられる。
その拳でいぶかしむ竜の鼻面に当てる。瞬間、竜の頭部が爆砕した。

驚異的な加速を持って撃ち出された尖片は小さな死神となり、竜の眼球と口腔と鼻孔と竜鱗を貫通する。
頭蓋前面はすべて削り取られ、現存しているものは小振りな牙の並んだ下顎のみで、そこから暗赤色の舌が力無く垂れ下っている。

屍となった同属の仇を討つべく約20匹の小型の影――――土竜が飛び上がる。

だが、男はこれにも慌てず、ゆっくりと、・・・・・背負っていたラックの蓋を外す。
緩慢な動作で、正確に、慎重に、確実に、円筒形の筒に収まっている物体を取り出す。

それは、それは、丹念に磨かれ、月光を鈍く反射する、直径30〜40リーデほどの《真球》であった。

彼は投擲競技に使用される砲丸に瓜二つのそれを中空に放った。するとどうだろう、真球はふよふよとその場で浮き沈みを繰り返す。
現在浮遊を続ける球体、その数13体。先程からパチパチとする怪音は夜警の神の鞭の音、ではなく、男の握り締められた掌から砲丸までを繋ぐ、細い放電の鎖から響く。
しばらくするとその放電現象も眼に見えて沈静化し、時折手と球の間に光の糸が見える程度になった。それはまるで、不可視の鞭の様であった。

ぶぶぶうぶぶぶぶぶぶぶぶ   蠅の羽撃にも似た爆音は球面から1.00002ナノティリンスの位置で展開される衝撃面結界が原因である。

手を振り上げる。それに釣られて球も跳び上がる。手を振り下ろす。それに釣られて球も振り下がる。

急下降する一三発のまあるい鉄槌はすべて土竜の群に叩き付けられる。その外骨格はまるで鉄甲竜弾が直撃した彼の様に粉砕され、凄惨な死骸に変貌する。

直撃した十三匹と巻き添えを食らった二匹はその場に倒れ伏し、残りは負傷を負いながらも突撃を慣行する。
まるで猪の様な無謀な特攻を仕掛ける土竜達。この間にも鉄球は一三発すべて、空を往く竜の翅を引き千切るのことに使っている。

矮小な捕食対象に反撃され、地に君臨する昆虫類の王たる竜族は圧倒的物量による殺害を敢行する。

一方彼はなにか対抗魔術を汲み上げ、組み上げるでもなく、野畑に佇む案山子のようにただ前方を見据えている。

憎悪に萌え怒れる竜のキチン質の角が男の体表に接触するまで残り70リーデといったところか・・・。だが、それは永遠に叶わぬことだった。

25そう(2/2):2007/04/22(日) 19:49:36
突如土竜の頑強な甲殻の身体が大地に縫い付けられたのだ。
まるでラウスの手に押さえつけられたような現象の原因は、竜の体内の血中成分を強引に磁石に変え、博物館の昆虫標本さながら地面に磁力でピン留めしたのだ。
さらに周辺の竜を引き寄せ、それは次第に堆積し、最終的に最初の一匹が見えないような小山になった。
そこで彼は真球の一つを手元に引き寄せ、投擲体制を構える。前方の竜と手元の球。それは猫の国の格闘技『ボーリング』に瓜二つであったという。

男は感情の篭らない声で唱える。呪を謡う。神を謳う。霊を歌う。魔を詠う。

「―――詠唱、開始『*Druck/qr*yavia!■sfähto-stimu**ra*nt_Risg■Leich鎩tsinnige,Läuful¯veridShiftJIShrge_ääääääääääääääääääääää!』」 

投げられた鉄球は地面スレスレを低速で進む。最初はゆっくり、最後は速く。だが、ここで違和感を感じる。スケール、大きさだ。

正体不明の黒い塵―――おそらく砂鉄―――を纏い、さらに周辺のガラクタや鉄屑を巻き上げ、人工的な真球による台風は止まる処を知らず、冒涜的なまでに巨大化を続ける。

貪蝗相を受けたアヴロノが如く大地を貪り尽くすその様は、正に「吸収」と呼ぶに相応しい光景である。

球神ドルネスタンルフの威容を感じさせる、最早メフィーテ単位の「神球」は苛烈に、容赦なく竜族を轢き潰した。

プチ




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・



シャリン。

「、、、、、?、、、、、、、あ、ぁ、あふ」

ごぽ、と何の脈絡も複線も無く、男の口から血塊が飛び出す。
カールヤを思わせる粘ついた真紅の液体は喉を伝い胸元を汚す。

全身隈なくざっくりと膾切りされていたのである。いつ?どこで?だれが?それは大陸の生ける伝説おっとおっとこれ以上は10デレほど山吹色のお菓子が・・・。

気付けばその身体は地に倒れていた。意識が朦朧とし、自分が誰だったかさえも分らない曖昧模糊な状態。ただ「ある」だけのゆらぎ。

血に濡れた地面は冷たくもない。それにしても眠い。死際にまどろむ彼は過去を回想する。

26そう(回想):2007/04/22(日) 23:34:35
ぼくは陰気な少年だった。読書が好きだったのはお話を想像するのが大好きだったからだ。物語が好きだ。神話が好きだ。陳腐なものも斬新なものもみんな好きだ。
情動は、物語を創造するだけでは、世界を想像するだけでは収まらず、この神話世界に関わりを持ちたくて、神秘たる魔術の方面に手を伸ばした。対象は別になんでも良かったんだ。

それなりに研究に心血を注いだ。別に肉体労働が好きなわけでもなく、攻撃魔術を含む戦闘に特化したものなんて数えるほどもない。お陰で華が無いとよくいわれる。

ドルネスタンルフの象徴である儀式媒体「真球」を使った魔術も楽して効果が得られるものを選んだだけで、本家であるドーレスタと比べれば正に雲泥の差、全くの《マガイモノ》だ。たしか、元々は有り触れた電磁系魔術師だった。と思う。

ぼくは求めた。自分の凡百の言語的なセンスや乏しい修辞の知識ではとても言い表せないなにかを。
だから貪欲に求めた。躊躇いも禁忌への畏れもない。魔術礼装を身に纏い儀式媒体を掻き集め聖遺物を暴きたて淫祠邪教の術法を取り込み魔女魔男に教えを請い悪魔と契りを交わし精霊の加護を取り付け必要とあらば神に祈りを捧げた。無節操なまでに何でもやったのだが、それでも足りなかった。

目標は未だ霞の向こう、いや、その目標すら定まっていない現状に殺意が沸く。

無様な現状に眼を逸らし、放浪してきた。それがこのザマだ。こんな状態で死滅するなんて信じられないくらい口惜しい。

間違いない。「ボク」はここで、死ぬ。死し死死c志死ィ死死死。

「おい、そこの君。そんなところで寝ていると風邪を引くよ」

それを例えると、バッドエンド間際に現れた救世主、完璧なシナリオを理不尽にぶち破るヒーロー。

この死に体の人間にまるで十年来の知人に出会ったかのように気安く話しかけてきた女は、当たり前の様に名を問うた。
そしては僕は血に塗れた唇を動かし、当たり前の様に答えた。「アルフレイム」と。
猟犬を連れた魔女は当たり前の様に、長いから略そう。君の名前は「そう」だ。と、勝手にのたまいやがった。

だが、不覚にもこのありえない出会いに、花も恥らう乙女の様に【運命】というものを感じてしまった。

これが、言技士、狂言廻しと、悪魔の九姉が長姉、路の女王とその従者との出会いである。

27言理の妖精語りて曰く、:2007/06/10(日) 12:11:04
「炎」「姉」「グレンテルヒ」

28言理の妖精語りて曰く、:2007/06/10(日) 17:38:29
>>27
言外にビークレットを書けといいたいのだな。

29言理の妖精語りて曰く、:2007/06/11(月) 01:58:08
>>27
そこで素直に書くかどうかを試しているのだな。

30言理の妖精語りて曰く、:2007/06/12(火) 18:45:21
なんでこの題がビークレットのことになるんだ?

31匿名魔女:2007/06/19(火) 20:07:28
姉に言いたいことがある。

そういったきり友人は永遠に私のところへ帰ってくることはなかった

盟友ハルシャニア

純白の炎に焼き尽くされた、私の無二の友
姉であるビークレットに粛清された
悲劇と悪夢の 私の親友


復讐戦は代理が行った。ハルシャニアの死にもっとも憤ったのは勿論その
恋人であった錬金術師の紅蓮輝碑であり、大紅蓮の名にふさわしく
地獄より招来した氷・絶対零度の冷気によって、仇ビークレットの肌は裂け
吹き出た血が凍りつき紅の蓮を咲かせた
私は、遠見の魔術で眺めていただけだ

ビークレットはなすすべなく死した。彼女もまた紅蓮輝碑を愛していた。
嫉妬ゆえの妹殺しであったのだ
姉妹での、男の取り合いが原因だったのである

おろかなおんな。
わたしはそうつぶやくと
元凶の紅蓮輝碑を撃ち殺してその戦場を後にした。

32匿名魔女:2007/06/20(水) 00:01:04
「烏」 「兎」 「愛よりもなお深く」

33言理の妖精語りて曰く、:2007/06/20(水) 00:21:16
ウトくん!
わたしはここよ!

来ないならこっちからいっちゃうからね?
うふフフフふふふぅぅぅぅぅっっっっっっっ

キムラサナエ。
そう書いて。
「」と読む。

34言理の妖精語りて曰く、:2007/06/24(日) 21:22:32
[魔女][未来][星見の塔]

35言理の妖精語りて曰く、:2007/06/24(日) 21:37:46
「今度はちゃんと空気読んでね」「黒竜」「長くても二分割」

36言理の妖精語りて曰く、:2007/06/24(日) 22:00:24
>>34
それ井戸端で俺が出した奴じゃね?

37言理の妖精語りて曰く、:2007/06/24(日) 22:05:10
>>36
まあダブってもいいんじゃないの。
期待してたのと違うのが出たから、今度はちゃんとしたのが読みたいって場合もあるだろうし。

38言理の妖精語りて曰く、:2007/07/01(日) 12:20:20
「前世」「少女」「G」

39言理の妖精語りて曰く、:2007/07/01(日) 12:24:11
書くやつがいないのにお題ばかり出ている。自重のサイン

40言理の妖精語りて曰く、:2007/07/01(日) 15:04:27
キャキキキキィー
文字に直せばこんな感じ。でも耳に入ったその音はかん高くて
まるでガラスを釘でこすり付ける様にひっかいたようだった。
深夜、コンビニの入り口に差し掛かっていた俺は、思わず振り返った。
ガシャン
それが勢いよく電柱に衝突するのと同時だった。
炎上するバイク、体に火がついているというのに身動き一つしない人間。
俺はその両方に既視感を抱いた。店員や客たちが慌てた様子で
コンビニから出てくる。その一人と肩がぶつかった。
「お、兄ちゃんか。」
兄はジーパンに白Tシャツという服装をしていた、普段は汗まみれの
暑苦しい男なんだが、冷房のきいた店内で悠々と立ち読みしていたためか、
この時ばかりは一滴たりとも汗をかいてない様子だ。
「お、じゃないだろうよ。事故だぞ事故。交通事故。むしろクラッシュ。
横転して火花散らしてるのが見えてビックリしたんだが、お前はそうでもないのか?」
「ビックリした。まー、破片とか飛んでこなくてよかったよ。」
「何淡々としてるんだよ。そうには見えんがなぁ。」
冷房の外で語り始め、兄の体温が右肩上がりになりだしたのだろう。あと、汗も。
その場が暑苦しくなりはじめた。
「ビックリが顔に出ない人間もいるんだよ。」
談義を打ち切りにして、兄以外の状況を見渡してみる。
近づくパトカーのサイレンに、濡れた上着や布団みたいなので
事故者の火を消そうと奮闘する客とか店員とか。
その善意に感心して近づいてみると、電信柱の近くに熱と衝撃で捻じ曲がった
金属バットが転がっていた。炎とコンビニからの光がちらちらと表面に反射している。
暗いためか、俺以外の誰もバットの存在には気付いていないようだった。

41言理の妖精語りて曰く、:2007/07/01(日) 19:39:55
「今度はちゃんと空気読んでね」「黒竜」「長くても二分割」

あるところに黒竜がいた。蜥蜴の様な幼生であった。
黒竜の育ての親は猫です。名はラティムカーシャ。三丁目の散杏ちゃんにはねこと呼ばれていました。
親猫は周りの猫に隠れながら黒竜の育て、麗らかな午後の陽気の中で甲殻を掻いたり月光浴をしながら夜露を飲ませ、黒竜は節足を動かし猫の蚤を取りました。
猫から愛情を注がれた黒竜はすくすくと成長していきました。が、いい加減隠しながら育てるのにも限界がきたので猫は盲目白痴の【猫】の所に黒竜を預けることにしました。
その【猫】は自らの尾を食み、目は何も捕らえず、耳は聞こえず、鼻は効かず、足はその場を踏み締め、ぐるぐると同じところを回るだけで進むことはないというよくわからない奴でした。
以前にも馬鹿なことをされたので「今度はちゃんと空気読んでね」と念を押しておきます。もちろん返事はありません。
さて、【猫】のところに預けられた黒竜ですが、不安になって親猫と会えるのかとしきりに聞いてきました。
【猫】は何も考えてない頭でこういいました。周りの猫がいるので会えないのだからそいつらを食べてしまえばいいだろう。
純粋な黒竜はそれはいいことを聞いたと【猫】を食べてしまいました。食べられた【猫】は竜の思考を取り込み現実を侵食する妄想、致命的なバグ(誤字脱字)として象徴化されキプロスという猫になりました。
さて、さっそく旅に出た黒竜は身近にいた猫達を食べました。しかし、運が悪いことにその中には親猫の弟や知り合いもいたのです。
黒竜を育てていたことが発覚した親猫は他の猫に責められたり褒められたり罵られたり慰められたりニヤニヤ笑われたりしました。こいつら一貫性がありません。カオスです。
ともかく責任を追及された親猫は泣く泣く黒竜を崖から突き落とし追放しました。
突き落とされた黒竜は泣きました。日の当たらない暗い底で。長い時と比例して長く黒い身体。
育ち続ければ這い上がってくるので黒竜は長くても二分割され、再生し、また分割され、と成長しないように切られていきました。
しばらくして猫達はどこかに消えてしまいました。その成長を妨げるもののいなくなった黒竜は黒長竜ディスタングスと呼ばれ、若りし頃のティルマフのライバルとなりました。

42言理の妖精語りて曰く、:2007/07/01(日) 19:56:48
少女の前世はGと呼ばれる生物兵器だった。

ごめん嘘だからだれかちゃんとお題にそった紀述を書いて。

43言理の妖精語りて曰く、:2007/08/19(日) 13:18:33
紀述が書けるのはアルセス野郎だけです。

44言理の妖精語りて曰く、:2007/08/19(日) 13:24:23
このアルセス野郎どもめ

45言理の妖精語りて曰く、:2007/08/19(日) 13:57:04
なに、じゃあここはおれ以外アルセスなのか!

46言理の妖精語りて曰く、:2007/08/19(日) 14:05:01
アルセス≒アルセス野郎

アルセスと一緒にしちゃだめだよ

47言理の妖精語りて曰く、:2007/08/19(日) 15:27:32
ああ、アルセス野郎=アルセスのような野郎でアルセスの野郎ではない、と

48言理の妖精語りて曰く、:2007/11/21(水) 17:23:13
「前世」「少女」「G」

「聞いて男くん、実は私は前世では邪神ゴキトゥール・ネチュア様に使える暗黒巫女だったの」
「は?」
幼馴染の涼宮春日(仮称)に「話したいことがある」といわれたときに告白を期待しなかったわけでもないが、これは予想GUYだ。
「ごめん、よく聞こえなかったんだ。もう一度言ってくれないか?」
「だから納豆神ネトゥール・ネッ・チャクチュアとGが七日七晩に及ぶ死闘の末、余りに粘り合った為納豆蟲神が生まれ、わたしはそれに仕える神の寄り代なんだって」
ゴキ?ナットゥ?なにを言ってるんだこいつは。一瞬ドッキリを疑ったが、少女の頬は慣れない長口上による酸欠と恍惚により高潮していた。
その表情に見惚れながら俺はこの抱いた素直な感想を声にする。
「そういえばお前納豆好きだったよな」

ごめんまともな文章を書くのは無理。オチをつけるのはもっと無理。

49<<妖精は口を噤んだ>>:<<妖精は口を噤んだ>>
<<妖精は口を噤んだ>>

50<<妖精は口を噤んだ>>:<<妖精は口を噤んだ>>
<<妖精は口を噤んだ>>

51言理の妖精語りて曰く、:2008/02/21(木) 19:36:00
・妖精が口をつぐむことになった理由。
・口をつぐんだ妖精が二匹で何をしているのでしょうか。

52ようじょ 沐浴 致命的失態:2008/02/25(月) 01:31:32
セラティスなんていう無闇に古めかしい名前を親が付けてしまったことは、当人にとっては全く消し去りたい過去と言う他は無い、忌々しい事実ではあるものの、その実少女自身の性質はまさしく名は体を現すとの格言の如く質実共に剛健勇壮な溌剌としたものだ。
喩するならば割れた薪か澄み渡った湖か、とかく率直で生真面目な気性のセラティスは控えめに言っても古代のセラティス神の名を背負うに相応しい少女であると言える。
細くか弱い四肢、されど輝くかのような躍動を感じさせずにはいられない美しい肢体である。これより一層の美と健康を兼ね備えつつ成長していくであろう、美しきその年域こそは幼きの女。
齢を、五つと数える。
天より注ぐは絹糸のごとき幾筋もの光芒、楕円で編まれた天蓋の隙間より美しき肢体が照らされる。
木漏れ日の下に露わになる女の身体は、光の糸だけを纏ったあられもなき姿。未だ曲線も描かぬ柔らかな流れ、朝照りに解かされた白雪の絨毯が途方も無く小さな体躯を覆っているかのような錯誤。
セラティスが宙を掬う。 否、それは水である。流れ落ちる水流の透明感は清涼な大気のようでいて、直下に流れる小川に注ぐ音すらその場の雰囲気と一体となっていた。
調和の聖地。静謐な空間の中、無防備な姿を晒す彼女は、掬い取った水をその身にかける。
繊細に織られた水の布を、丁寧に丹念に柔肌にこすり付けていくさまは優美であった。丁度、大人がその手のひらでかかえられる程度の腰からすべらかな腿、踝に伝い落ちる薄い水の筋。
冷たさの感触が吐息をかき乱すのか、薪のごとき鎖骨の線から生じる、幼い喉下から桃色の唇へ通り過ぎていく、艶のある吐息。

刹那。五体が金剛の如く膨れ上がった。
無論のこと、錯覚である。だがその全身を奔る豪気なる空気、露わとなった無駄なき筋肉を見ればその威容が必ずしも間違ったものではない事が知れる。
女体にして幼きは、しかして脆弱を意味せず。
刮と見開かれた目が気合と共に眼前の小滝を貫く。直後である。
硬質の弾音と共に、滝が断裂する。と、川に落ちていくのはふたつに叩き折られた鋭利な刃。
明確な殺意をいとも容易く回避してのけたセラティスは、前も隠さずに頭上高く、樹上の襲撃者に誰何した。
「問う。 うぬは何ゆえにわしを狙ったか」
細い、あまりに細い声であった。幼子のそれと理解してさえあまりに細い。
高く響くその音は、清澄な周辺の空気に同化して溶け消えないかと案じてしまうほど、透明なものだった。
だが、真上からの声が返る。
「答える義理は無い」
「暗殺者か。せめて名を名乗られよ」
鮮やかな光の乱舞に目を細める、しかしその姿は映らず。と、その姿が飛び跳ねる。
幼女の背後に着地し、果たして刺客はその姿を現した。
「我が名は・・・・・・シェロン。 死神シェロンよ」
「笑止。 死神を名乗るか、童」

53ようじょ 沐浴 致命的失態:2008/02/25(月) 01:31:45
焦茶色の半ズボンから覗く膝小僧に、対峙する女のそれと共通する色を見出せた。黒のサスペンダーの留め金は可愛らしい犬のそれ。
敢えて犬を選ぶは男子の矜持か、はたまた嗜好か。丸眼鏡と坊ちゃん刈りの男、彼の背格好は敵対者たる女のものとさほど変わらぬ。
暗殺者は、ショタであった。
振り向くや否や掌底を繰り出したセラティスは瞠目する。
シェロンは、渾身の一撃をいとも容易くいなすと反撃の一手を打ち出したのである。咄嗟の飛び退きにより回避するも。衝撃は覚めやらぬまま、セラティスは低く構える。
(げに恐るべきは、あの足腰よ)
見やれば、細こい膝小僧の下、鋼のように地に楔を打つ皮の靴。まるで大地そのものを味方に回したかのような重々しい体重移動、そして恐るべき一撃。
紛れも無き達人の業である。セラティスとて母の胎の中から拳を打つ鍛錬を欠かした事はなかったが、しかし相対者の構えの磐石振りには迂闊に手が出せぬ。
だがセラティスは相手に間断を与える心算は無かった。躊躇は即ち死へと繋がる。思考は下策である。己が鍛錬をのみなぞり、迷うことなく拳を振るえば良い。それが幼きものの在り方である。
確信を持って放たれた打撃、反じて交差する衝撃が水飛沫を散らし、静謐を引き裂き激突する。
それは美事な舞踏である。武闘とは交錯する業と体躯を運ぶ技の複合であり、完成されたそれは世にも美しい線を大地に描くのだ。
舞姫もかくやという足捌きにて川の中を駆け巡る男と女、両の戦士は牙を向け合い、延々と踊り続けた。
と、シェロンの足並みが乱れる。それは致命的失態であった。周囲の水気の存在すら忘れ、武の交わりに熱を上げすぎた報いであろう。跳ね上がった水の一筋が少年の白いシャツを濡らし、透かした先の肌が露わになったのである。
好機也。セラティスの獣の本能が告げる。
「キェェェェェ」
裂帛の気合。奇声と共に打ち出される拳は猛然と虚空を撃ち抜き、音すら置き去らんほどの勢いで少年の頬を捉える。
野獣の一撃である。たまらずシェロンがのけぞると、木々を打ち鳴らしはたき壊しながら吹き飛んで行った。
「うつけめが」
吐き捨てる声は、どこか苦い。拳を振るう者の宿命か、打ち倒された相手への哀切がその瞳をふと過ぎったのだ。
しかし勝利の感傷に浸る間もなく、セラティスは自分が沐浴の最中であったことに気がついた。
気がついてしまった。
風邪を引いて寝込んだ。
「うー。ずびずび」

54<<妖精は口を噤んだ>>:<<妖精は口を噤んだ>>
<<妖精は口を噤んだ>>

55言理の妖精語りて曰く、:2008/03/09(日) 08:22:55
>>52-53
これは御題はなんなんだろう。

56妖精エラマン呟き曰く、:2008/03/09(日) 10:59:38
題にあるけど、たぶん自前で用意したんじゃないかな。
何でここに投稿したのかは知らない。

57言理の妖精語りて曰く、:2008/03/10(月) 00:35:08
スマン 肉まん ユウレイマン

58言理の妖精語りて曰く、:2008/04/11(金) 21:01:54
「スマン」
「だから肉まんだって言ったのになんでピザまん買ってくるのよっ!
 このユウレイマンがっ!」
「スマン」

59言理の妖精語りて曰く、:2008/04/17(木) 15:36:46
早駆けの王  草原  風

60私信:2008/04/29(火) 13:53:06
>>59

リハビリ用。

61言理の妖精語りて曰く、:2008/05/30(金) 10:05:15
http://d.hatena.ne.jp/palladion/20080530
でけた。
これは前半分で、後半の構想もあるけど書き上げるかどうかは謎。

62言理の妖精語りて曰く、:2008/05/30(金) 10:08:00
ところでこの場合の「はやい」は「早い」ではなく「速い」だと思うのだがどうか。

63言理の妖精語りて曰く、:2008/05/30(金) 18:16:40
早駆けのほうが語感がいい。
語呂的には同じなんだが、見た目がいい。

速駆けって微妙じゃね?

64言理の妖精語りて曰く、:2008/05/30(金) 22:36:36
速駆けは速度を重視した書き方
早駆けは心情を重視した書き方

駿馬が鼻歌交じりに速駆け
鈍馬の必死な早駆け

俺は馬が好き

65言理の妖精語りて曰く、:2008/05/31(土) 03:42:00
>>63
されには同意せざるを得んね。

>>64
たまにでいいからポニーのことも(ry

66言理の妖精語りて曰く、:2008/07/22(火) 00:20:45
「みこさんとけっこんしたい」「だ、だめですぅ」

67言理の妖精語りて曰く、:2020/11/30(月) 23:44:14
「だ、だめですぅ」
ミコさんは、激しくその身をよじった
「人間ではない私がこんなところにいたら、犯人確定じゃないですか!御狐(みこ)困っちゃう!」

そこには、【けっこんしたい】があった
誰かを殺してきてそこで力尽きたのか、明らかに本人のものではない血に塗れた死体だ
尻尾が出かけたところを誤魔化そうと路地裏に入ったはいいが、そんなものと遭遇してしまった狐娘(男の娘)は、予期せぬ出来事に激しく苦悩するのであった

頑張れ、ミコさん!
妖怪狐の誇りにかけて、そして栄光ある妖怪狐として、全智全能を尽くしてこの窮地を離脱するのだ!
せっかく本名を捨てて東京に出てきたのに、これでは【ダイコン】と蔑まれていた頃と何も変わらないぞ、狐次郎くん!

なお、東京では人妖の協力も密なので、あとたった五分後には都から妖怪トラブル関連の業務を委託されたNPOがやってきて、問題はあっけなく解決してしまうのだが・・・

まあ、今はせいぜい彼に身をよじらせておくことにしよう
せっかく我が東京駅から尾行したり变化して見守ってきた以上、ここで少しはアイツにも努力する姿勢というものを見せて欲しいところだし
なにせ、今回の仕事は彼の母から親戚のよしみで請け負ったものだから、ボーナスも給料もなにも出んからな!
まあ、地元銘菓の菓子折りくらいはもらえるだろうが

頑張れよ狐次郎くん!いや御狐さん!
東京の生活は君が思っている以上に厳しいが、同時に、君が考えもつかないほど助けてくれる妖怪や人もまた多いんだぞ!
ここまで来て女装を貫く信念があるのなら、きっとこれからもやっていけるさ!

68言理の妖精語りて曰く、:2020/12/09(水) 17:28:43
三値論理 三本締め 三色コーデ

69言理の妖精語りて曰く、:2020/12/23(水) 12:23:55
荒廃した野原に、ただ三色スミレの花壇だけが残っていた。

かつて、郊外という単語には希望があった
それは、比較的貧しい庶民でも、広大な土地と豊かな生活を送ることが出来るという保証だったのだ

辺境として位置づけられる田舎の側でも、それは同じこと
都会と田舎をつなぐ高速のルートは、人と豊富な消費力、そして最先端の流行と文明をなにもない退屈な日常にもたらしてくれる
・・・・・・・・そのはずだった

だが、夢は儚くも破れた
郊外にたたずむこの遊園地の廃墟のように、その拡張の途中で割れた卵のように潰れてしまったのだ
あるいはまさに、南海の泡のように

だから、ここはある意味「郊外」のランドマーク(だいひょう)としては、十分にその役割を果たし続けてきたのかもしれない
それもまた、今日までの話ではあるが
権利関係のトラブルから、長い間取り壊し途中のまま停止していたこの廃墟だが、その停滞も、そろそろ終わる

ここは・・・・・・・・放射性廃棄物の処理場になるのだ

それが良い(OK)ことなのか、それとも悪い(NG)ことなのか
その二択に決着がつくことなく、この国にありがちな玉虫色の決着のなか
「仮置き場」(とりあえず)という形で、おそらく最終的な結論が下されたのだ

あえて表記するなら(ONGK)
まるで無意味だ
つまるところ、誰もがこの場所に意味と価値を見いださなかったゆえの、それは最悪の三値論理がもたらした結末だった


風が、葉を打ち合わせる音が聞こえる
建設機械のハンマーが、その槌音を響かせる
どこかで紙袋がころがり、もはやホームレスすら住まなくなった廃墟から抜け出そうと金網に体当たりしているような気がする

ここももう終わりだ

高く響く金属音の三本締めに送られながら、私もここを発つこととしよう
流石にもう、長きに渡った私自身の三値論理にも、父への思いにも、決着をつけなければならないだろうから

最後に、もう一度だけ振り返る

園丁であった父の形見である、この花壇
毎日欠かさず世話をしてきたこれを見るのも、もう今日が最後であろう

写真は、あえて撮らないことにした
大切なものは、もう思い出の中にしか残ってはいないから

それもまた、薄れていくことはわかっている
けれど、思いが薄れた後に、真に無意味となった残骸と電子的な物置(ストレージ)の中で再会したくはないのだ
思いだけが残っているより、それはずっと残酷に思えるから

そうして私は、夕焼けの残光のように薄れゆく思いを抱えながら、その場を去った
崩れ去った夢の名残りからは、三色コーデの可愛らしい娘たちだけが、その旅立ちを見守ってくれていた

彼女たちにもやがて迎えは来る
その旅が良いものであり、新しい場所がより良い地でありますように、と
それだけが、最後に残った心残りだった

70言理の妖精語りて曰く、:2020/12/23(水) 12:24:31
トントロポロロンズ 散歩 エッセンシャル

71言理の妖精語りて曰く、:2020/12/23(水) 12:24:32
トントロポロロンズ 散歩 エッセンシャル


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