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物語スレッド
330
:
海の息子シャーフリートの話(2)
:2008/07/11(金) 00:59:10
旗色が悪くなったらすぐさま逃げる。人目を気にして勝負を捨てる。
彼にとってそんな考え方は本当に下らない、むしろ男たる者にあるまじきものだ。
自分はこの怪しい男を引きずり返したい、ただそれだけの理由でオシューはしがみついていた。
誰が見ていようがどう思われていようが関係ない。
けっきょくオシューの負けではあった。気付くと集落の外れの茂みにまで
引きずられてきていた。そこには固めのススキを集めて作ったらしいねぐらとも
言い難いものが建てられていた。荷物が重ねられているのを見ると、どうやら
ここで過ごしていたらしい。いくらこんな外れとはいえ、荷物を置き去りにするのはどうか、
と言うと、グーヤットは「見張りを残しておいたから大丈夫なんだよ」とやや砕けた口調で返した。
「ほら、あそこあそこ」とグーヤットが指を向けた先に目を凝らしてみると
草むらにひとのかたちがうっすらと浮かんできた。
「草みたいに肌塗ったり草を巻きつけたり、ちょっとやりすぎじゃないのか?」
本人は認めたがらないだろうが、そこにはひとかげを見つけられなかったことへの悔しさが混じっていた。
すると「変装じゃねえって。元からなんだよ」めんどくさそうにひとかげが発言し、
一歩前に踏み出した。「この声、女か?影の輪郭からじゃよくわからん」
少し近づいただけでかげと周囲が全く別なものであることははっきりした。
「いい具合に距離がとれてて光の加減とかも絶妙で見えにくかっただけだろうさ」
その肌は緑色。その質感を見て、オシューはできたてつやつやの香草入り緑餅を連想した。
「おい手前。いま何考えてた……」少し意識が外れていた隙に緑餅女がオシューの顔のすぐ真下から睨み上げていた。
少しのやり取りでオシューの性格をつかんでいたのか、彼が変な切り返しをしないうちに
「あー、紹介する。彼女はセデル=エル。わが旅の同行者だ」グーヤットは早口ぎみに口を挟んだ。
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