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121
:
メクセトと魔女 2章(5)
:2007/02/20(火) 01:38:41
「メクセトの暗殺を待ってほしいと?」
少女の部屋に現れたヘリステラの影は、彼女の言葉に眉を顰めた。
「はい」と少女は姉であるそれに対して言う。
「あの男は私の手で必ず殺します。ただ、暗殺のような手段ではなく、正々堂々と勝負を挑んでそれを成したいのです」
「……だが」
「私をここまで辱めたあの男をこの手にかけずにはキュトスの姉妹には戻れません」と彼女は強い口調で言う。
「それに勝ち目はあります。あの男は私に自分の魔法を教え始めてくれたのです」
彼女の言う通り、メクセトは『折角魔女だというのに、使えるのが手品だけではつまらなかろう』と言って自分の魔術を少しづつ彼女に教え始めていた。勝者の驕りなのかもしれないが、彼女はその驕りを利用して彼から最大限にその魔法を引き出して習得することにしたのだった。
「私はあの男から全てを引き出し、あの男を倒します。もしあの男を暗殺するというのでしたら、あの男に私が破れ殺されたときにしてください」
「……あの男の魔法を引き出してくれるというのならば、長い目で見れば我々キュトスの姉妹の利益になる。だからそれは構わないが、その分君が辛い目に遭うぞ」
「耐えます」と少女は言った。
「耐えて、耐えて、必ずあの男を倒します。そして、あの男から引き出した魔法と、あの男の首を手土産に星見の塔に戻ります」
「……分かった」
少女の目を見て何かに気づいたのか、遂にそれは折れた。
「メクセトの暗殺計画は中止しよう。あの男が我々に直接仇なす行為をしない限りその討伐は君に一任する。だが、君を心配する姉から一ついらぬ忠告をしておこう」
「『女』になるなよ」とそれは呟き、また少女の前から姿を消す。
姉の言葉の意味が分からず、首をかしげたまま少女はその場に立ち竦んだ。
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