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武具・道具・祭具

1言理の妖精語りて曰く、:2006/06/30(金) 16:50:56
主として武器や道具から日用品まで、様々な物に関する記述を行うスレッドです。

436言理の妖精語りて曰く、:2017/08/24(木) 05:53:37
【聖母】だけでなく、【御子】に関しても、起こす必要はあまり無い。
彼には、鷲太郎が起こしに行く前から起きているフシもあるくらいだ。
そのため、鷲太郎の『任務』は、【妹君】を起こした時点で、大体完了する。
そもそも【御子】は、とても素直で礼儀正しい男の子であり、鷲太郎に迷惑をかけることなど考えられなかった。
この国に来てから、ときどき鷲太郎は自分の幼い時分を思い返してみることが増えた。
しかし、復讐心をもてあまして、義父に迷惑をかけ通した(さらに言うなら今もかけ続けている)自分と、朝の連続ドラマに出演しても違和感が無さそうな【御子】は、どう比較しても、似ても似つかなかった。
ただ、それでも彼を見ていると、何やら心に引っ掛かるものを感じるのが、鷲太郎の気になるところであった。

437言理の妖精語りて曰く、:2017/09/03(日) 20:33:46
今日も何事も無し。
それを確認するのが、ドイツの『組織』に潜入した扶桑鷲太郎の日課となった。
彼は、復讐の手立てを求めて、このドイツに降り立った。
神をも殺す武具、【神滅ぼしの槍】の一つ【救世主の聖槍】は、実は公的に保管されているものは偽物であり、真物は、とある『組織』に保管されているとの情報を得たからだ。
それはありふれた胡散臭い噂であったが、鷲太郎は【神具鍛冶】としての知識を活かした分析と、幾らかの直感によってそこに真実が含まれていると判断したのだ。

しかし『組織』に求めた【槍】は、確かめてみると【救世主の聖槍】の真物ではなく【智神の槍】であり。
存在すると伝え聞いた【槍】は、『製作途上』であり。
そもそも、完成のメドすらたっていなかったのだ。
かつて、ナチスが【槍】について研究し、情報を収集していたというのは、紛れもなく事実であった。
しかし、最初は『帝国の栄光』のために、後には『逆転勝利』のために研究されたその資料は、敗戦と共にその多くが失われ、また闇に葬られていたのだ。

鷲太郎は、一度ひどく落ち込んだ後、気を取り直して再度の情報収集に努めることにした。
なんといっても、ドイツはドヴェルグたちの故郷の一つである。
滅んだ神々が復活した、この時代においても、失われたままの技術は多い。
だが、ここならば、日本とはまた別のルートから手に入る知識もあるに違いない。
それが、一度期待を外された鷲太郎が立てた算段であった。

そしてそれは、わずかな情報を得るだけで空振りに終わるはずであった。
そのはずだったのだ。

438言理の妖精語りて曰く、:2017/09/24(日) 12:14:51
兄妹の兄、ミヒャエルは、どこから見ても良い子だった。
彼は、【儀式】において重要な役割、はっきり言って生け贄に近い役割を担っているにも関わらず、きわめて真面目で素直だったのだ。
そう、素直過ぎるくらいに。

とはいえ鷲太郎から見て【儀式】の成算は、高くはない。
いや、はっきり言って成功の見込みなどはなかった。
【世界樹】と【生命の木】を重ね合わせること自体は、妖精王がどうとかいう小説で読んだことがあるが、そこへ更に【知恵の戦神】と【救世主】を重ね合わ
せて、神の持つ【永遠の生命】を【黄金の果実】として奪い取ろうなど、無理があり過ぎるように思えたのだ。
強大な存在になぞらえるにしても、それ相応の強大な触媒が必要となる。
コストや正確な手順の都合から言って、そうした儀式が成功したためしなどは一切なかった。

439言理の妖精語りて曰く、:2017/09/24(日) 12:37:38
柄を作るは去りし日々
穂となるは人々の営み
貫くは来たる無明の闇
この名を紀元槍とする

440言理の妖精語りて曰く、:2017/09/27(水) 04:16:10
終わりはいつも突然訪れる。

ひとつ前の世界は紀元槍が突然折れたことで滅びた。
槍の滅びを防ぎ、そして支え続けた英雄が突然引きずり出され、追放されたのだ。

追放した神々の釈明は不可解で矛盾に満ちていた。
呆れた妖精たちの中には更なる不信が募り、やがて離れていった。
槍の根元で訴えたところで雲上の神々は無視を決め込むだけだろうから。

441言理の妖精語りて曰く、:2017/10/07(土) 21:05:06
翡翠の神像は、清らかな音色をたてる
それは、日の光が奏でる太陽の音
南国の海中を思わせる、爽やかな緑の、明るい音

442言理の妖精語りて曰く、:2017/10/26(木) 21:26:41
エブグルブ・バフォウは紅玉の祭笏ナッタートマエーンを帯びて行動した。

ゴラムバ家の至宝であるこれを持つことは彼の魂の半分がディフワ・エマ・ゴラムバである証である。

すくなくとも信奉者たちはそう信じた。

443言理の妖精語りて曰く、:2017/10/28(土) 01:56:07
翡翠の神像と紅玉の祭笏の伝説

蠢動秩序総体開闢解講蟲神教すなわちガンディスシャニティアとルズ=アナイ=アナイすなわちルザナイ教が鬩ぎ合っていたある時代、
蟲術の大家は神々の加護を求めながら、蟲神の一柱を模った神像を掲げ、
いっぽう法術の大聖は唯一神の加護を求めながら、天霊が備える自在後光の意匠持つ紅玉の祭笏を掲げた。

その結果について双方が異なる伝承を伝えている。

ガンディスシャニティア側の伝承は言う。天から差した光が翡翠の神像に宿り、羽化した神霊の奏でる太陽の覚曲が異教徒を薙ぎ払ったと。
ルザナイ教側の伝承は言う。聖人が祭笏を投げるとそれは一直線に異教の偶像に飛んでいき、その胸を貫き粉砕し、憑依しかけた異教の悪霊を退散せしめたと。

444言理の妖精語りて曰く、:2017/10/29(日) 13:44:24
このとき紅玉の祭笏ナッタートマエーンを掲げた聖者。彼こそがゴラムバ家の祖なる大聖ゴラである。

ゴラの死後、紅玉の祭笏は彼の遺体とともに墳墓に葬られた。
しかし、火山の大噴火による溶岩流がその上を覆い、墳墓は埋め立てられてしまった。

紅玉の祭笏はゴラムバ家当主の就任式において墳墓から取り出され用いられてきたが、
これを期にそれはできなくなってしまった。

それでもなお、ゴラムバ家は紅玉の祭笏を一族の至宝として、神から預けられつづけていると認識した。

445言理の妖精語りて曰く、:2017/10/29(日) 14:26:44
【無明の剣】むめいのつるぎ はメクセトが作った神滅ぼしの武具の一つである

この剣は斬りつけたものの光を奪う(生物ならば視力を失わせる)とされるが、これは副次的な機能であり、本来の力は別にある。
その本来の機能は時空圧縮であり、光すら歪曲する斬撃によって何もかもを消滅させるという。
きわめて強力な武具だが、この全力の一撃を放った使い手は代償として歴史から抹消され、存在そのものがなかったことにされてしまう。
ゆえに、この剣は「どうやら三回全力使用されたことがあるらしい」とわかっていても、
「誰がこの剣を用いたのか」は不明なままである。

446言理の妖精語りて曰く、:2017/11/07(火) 05:54:28
【無明の剣】には、周囲の光を残らず奪う機能が存在する。
しかし、その使い手にとっては、それがもたらす闇は大した問題ではない。
なぜなら、この光を奪う機能は、使い手に対しては常に発揮されるからだ。
すなわち、視覚に頼らない凄腕の剣士でなければ、この剣を使いこなすことはおろか、持って歩くことすら出来ないのだ。

447言理の妖精語りて曰く、:2017/11/16(木) 19:28:07
逸話武装(ナラティブ・ウェポン)は、改良され神話武装(ミソロジー・ウェポン)となった。
その本質は、最適行動教授アプリBABELにより管理される三つの「ギア」にある。

天球ギアは、生物としての最善を装備者に想起させ、地球ギアは、社会生物群としての最善を教授する。
そして、最後に人球ギアが、装備者個人の過去の経験を反映した最善・最適のルートを導くのだ。
天の法・地の理・人の生
この三つは、それぞれ異なる様式であり、異なる視座であるといえた。
それら全てが揃ってこそ、完全無欠たる行動補助足り得る。
そう、それが当時のきゆら大学教授会の結論だったのだ。

448言理の妖精語りて曰く、:2017/11/20(月) 20:05:40
拳銃は、剣に似ている

どちらも、「力」や権威の象徴として扱われがちだというのも共通点ではあるが、真に似通う性質は他にある

槍、弓矢、斧に鉄槌
他の武器は、本来、人間を殺すためのものではない。
だが、剣は違う。

剣は、人間しか殺せない
剣は、人間が作った、人間による人間を殺すためだけのための武器だ

拳銃もまた然り
拳銃は、狩りに使えない
木を切ることも、魚を捕ることも出来ない
拳銃を持つということは、護身以上に「殺人に備える」という意味が強い
それが、拳銃に与えられた宿命である
はるか昔から、剣がそうであったように


そして、拳銃が殺すのは、なにも他人だけとは限らない
その性質を説くには、追い詰められた独裁者や、戦に敗れた将軍を例にあげるまでもないだろう
そう、その銃口に最も近いのは、常に…………

449言理の妖精語りて曰く、:2017/11/21(火) 19:59:56
【ラクルラール・クォンタム・ストリングス】とは、半虚構の糸である。
それは、モノフィラメントより細く、そして何よりも頑強な糸であり、世界に第三の産業革命をもたらした革新的な構造材だった。

450言理の妖精語りて曰く、:2017/11/24(金) 19:10:11
【平和狂典RIP】とは、神滅ぼしの武具の一つ。
メクセトが作り出した魔導書であり、彼流の平和主義を実現する武具である。

この魔導書は、一種の【法典】であり、「死を恐れない攻撃的な民」の自己認識を「死を恐れない平和主義な民」に変える力を持っている。
この法典をいただく民は、自身を「平和を愛する善良な人物」であると考えるようになる。
さらに彼らは、自らの攻撃性を基準にして他者の攻撃性を判断するため、他者を全て「凶悪に攻撃的な存在」とみなす。
彼らは、自分達の攻撃衝動の影に過ぎない相手を恐れ、これに傷つけられないようにするために、争いを非常に忌み嫌うようになるのだ。
ただし、この【法典】の力でも、法典の民自身が持つ攻撃性自体は取り除かれないため、法典の民は、知らず知らずのうちに(存在しないはずの)自らの攻撃性をもてあますようになってしまう。
自覚の無い好戦的な軍団の誕生である。

一説によると、この状態はあくまで「待機状態」であり、法典の民は、【法典】からの指令を受けることで、真の「攻撃状態」に移行するのだという。
「攻撃状態」に移行した法典の民は、「みせかけの攻撃的な平和主義」から「絶対的に攻撃的な攻撃主義」へとその思想を変え、全ての民が死に絶えるまで戦い続けるという。
これまで(自分を守るためだけに)争いに関するもの全てを非難してきた者が、今度は(自分を守るためだけに)争いをやめさせようとする全てのものを非難し、排除しようとし始めるのだ。
そうなれば、その攻撃性は、利害で争いを起こそうとする者を軽く上回る。
その時彼らは、あくまで「自分達は被害者」だと信じ、争いという醜い行為に「無理矢理」駆り立てられる己を憐れんで悲しみの涙を流しながら、嬉々として「攻撃的な敵」を殺戮し続けるのだという。

この【法典】を授けられた民について、詳しいことは分かっていない。

451言理の妖精語りて曰く、:2017/12/05(火) 19:00:26
わたしが昔、大事にしていたのは、ちいさな魔女の人形だった

いつしかなくしてしまったけれど、あの子は大事な友だちだった

彼女は、どこへ行ったのだろう?

452言理の妖精語りて曰く、:2017/12/08(金) 18:48:36
【フィリス】は、『腹話呪文』に使う人形である
その性別・年齢・形態に決まりはない
なんなら、そこらの木や岩だって【フィリス】に成り得るのである

【フィリス】、それは無言の代弁者にして『呪文使いに使われる呪文使い』である

453言理の妖精語りて曰く、:2017/12/13(水) 16:18:03
ナタク

「信仰され地上から消えた神々」の研究の一環として、「オーダー・オブ・ホモ・サピエンス」時代の扶桑崎大和が、
レプティリアンから制作を命じられた。中国神話の「哪吒太子」を再現すべく造られたホムンクルスの一体。
神の子でもなければ仙人の手になるものでもない、「俗人が造ったネオ・哪吒太子」ともいうべき存在。

ネオ・ナタはいろは順に制作され、28体目のナタクをもってネオ・哪吒太子は完成をみた。

454言理の妖精語りて曰く、:2017/12/20(水) 19:32:19
【炎冠のヒュドラボルテージ】とは、最高のお笑い芸人にのみ与えられる至高の栄誉である。

遥か太古の昔、平和を愛するメクセト王は、争いが絶えない国に心を痛めていた。
だが、彼には秘策があったのだ。
どんな争いも、瞬く間に終わらせることが出来る究極の秘策が。
そう、それこそが『お笑い』である。
メクセト王が選び抜いた最高の芸人は、前線に到着する半年前には既に「くすくす笑い」を巻き起こし、本陣に到着した時には、そこを爆笑の渦へと変貌させていたという。

その芸人は、メクセト王から賜った赤い派手な帽子をかぶっており、これがのちの【ヒュドラボルテージ】の由来となったのだ。

強烈なツッコミと無双の天然ボケ、そして天性の魅力を持つ至高の芸人のみが【ヒュドラボルテージ】に認められ、それをかぶることを許されるのだという

455言理の妖精語りて曰く、:2017/12/22(金) 22:51:37
五大紀剣の内、猫の紀剣コナタだけが記述見当たらないな…
七天八刀最強の刀なんじゃが

456言理の妖精語りて曰く、:2017/12/28(木) 05:00:41
【代弁帽】
代弁帽とは、着用者の心を読み取って代わりに話すことが出来る魔法の帽子である
これさえあれば、どんなスピーチや演説も可能なのだ。
ただし、これには、時に不必要なことまで話し出してしまうという重大な欠点がある。

457言理の妖精語りて曰く、:2018/01/02(火) 07:58:44
猫の紀剣コナタについて、詳しいことは分かっていない。
ただ、それは「必要とされるときに、いつもそばにある剣」であると、ただそれだけが伝えられているのだ。

458言理の妖精語りて曰く、:2018/01/17(水) 05:23:54
【灰剣ソツィリスティン】とは、キュトスの姉妹【マリアフィーリース】の遺灰から作られた剣
魔剣である
これは、少しずつとはいえ、世界そのものをも焼きつくし、灰となす力を持つ

だが、この剣の最も恐ろしい特徴は、そんな破壊力ではない
ソツィリスティンには「姫育て」と呼ばれる所有者を自己作成する機能があるのだ
自分や自分の人生に不満を持つもの、根拠のない遠方や貴人への憧れを持つもの、むやみやたらと競争心や被害者意識が強いもの
この剣は、それらを誘導し、影響を与え、自らの担い手である魔女【カルル・アルル・ア】に「鍛造」するのだ
これこそが、この剣が魔剣として恐れられる由縁である

459言理の妖精語りて曰く、:2018/01/24(水) 17:54:28
メクセト王が創り出した【神滅ぼしの武具】のうちの一つは、巨大な鎧であった。
その名を【都市鎧ザーケン】という。

その鎧は、一見すると、まるで鉄格子で出来た城のように見える。
だが、その中には水の循環があり、植物が生い茂り、人々があちこちに家を作って生活しているのだ。
そして、この城は歩く。
これは、巨人のように、二本の足でゆっくりと歩く魔導の鎧なのだ。

メクセトが、なぜこのような鎧を創ったのかは、未だに謎とされている。
一説によると、真の【都市鎧】は、既に神滅ぼしの戦で滅びており、これは念のために創られた予備に過ぎないのだとそうだ。

ともかく、鎧は今日も歩く。
その身に一枚の装甲も付けず、立ち向かう敵すら持たないままに。

460言理の妖精語りて曰く、:2018/01/26(金) 19:45:40
扶桑鷲太郎が身を寄せた『結社』の長であるヘレーネは、どうみてもただの主婦であった。
その姿は、むしろ『寄宿先の女主人』と言った方が適切であろう。
二人の子供を妊娠し、恋人に逃げられ、友人に財産をだまし取られて、政府の補助と地元のアルバイトでなんとか生活する女性。
その不幸の反動か、子どもを溺愛し、変なおまじないや宗教にハマっているらしい。

それが「普通」の社会から見たヘレーネであったし、少なからず世界の「裏」に関わる鷲太郎が見ても、それは変わらなかった。


彼女は『神滅ぼしの槍』の情報など持ってはいないし、本当の神秘や神々とも、全く関わりが無いに違いない。
鷲太郎が感じたその印象は、その前半までは確かに正しかった。
だが、後半の印象は間違っていた。
そのことを、彼はやがて、その身で実感することになる。

461言理の妖精語りて曰く、:2018/02/04(日) 08:51:28
魔法少女オレオレは、一枚のカードを取り出した。
「それがアンタの『新しい魔法』なの?ずいぶんと派手なカードね」
相棒(マスコット)の泥棒猫リーリエは、どうもそのカードがあんまりお気に召さないようだ
「へへーん!これこそが『キュトスカード』!魔ほ少女協会からレンタルしてきた最新のアイテムなんだよ!」
オレオレは、カードを振りかざし、無い胸を精一杯張った。
本人の脳内では、格好良い自画像が描かれているのかもしれないが、どうひいき目に見ても『新しいおもちゃを自慢したい子ども』にしか見えなかった。
現実は、非情である。
「で、それで何が出来るの?」
リーリエはそんな自惚れ娘を放っておいて、話を進めることにした。
彼女も、いい加減オレオレとの付き合い方に慣れてきたのだろう。
「電話が出来ます」
「は?」
「だから、電話が出来るんだってば!」
「それ、スマホかなんかなの?魔法少女の仕事や戦闘に役立つとは思えないんだけど?」
「魔法少女のお仕事に、戦闘は絶対必要なわけじゃないよー。それに、これだけじゃ電話は出来ないって」
「じゃあ、なんなのよ、早く説明しなさい。30字以内で簡潔にね」
「うう・・リーリエきびしいよー」
「はいはい、人から時間を盗まないの。アンタは泥棒猫じゃないでしょう?」
リーリエは、相棒の足をぺしぺしと叩いて話をうながす。
こうやって、自然と進行役を務めてしまうあたり、結構彼女は魔法少女のマスコットに向いているのかもしれない。
「このカードには、一枚につき一人の『キュトスの姉妹』の電話番号が書いてあるんだよ。それに【マジホ】で、電話やメールをすると相手の人が力を貸してくれるんだー。プリペイドカードだから、電話代も払わなくて良いんだよ!」
「なんだ、ただのテレホンカードじゃない。というかアダルトな広告っぽくもあるわね」
「テレホンカードってなーに?」
「・・・もうそんな時代か。まあ、今はそんなことは気にしなくていーの。アンタは、さっさとそれで魔法を使いなさい。【悪夢】の事件を解決したいんでしょう?」
「はーい。おねがい【ラプンシエル】さん!力を貸して!」
オレオレは、返事をするや否や、ポケットから取り出した魔法携帯【マジホ】のカードリーダーに、【キュトスカード】を差し込んだ。

462言理の妖精語りて曰く、:2018/02/04(日) 08:52:01
プルル・・・プルル・・・プルル
色気の無い呼び出し音が、あたりに響きわたる。
プルル・・・プルル・・・プルル
プルル・・・プルル・・・プルル
プルル・・・プルル・・・プルル・・・・・・・・
「ねえ、いつまで待たせるの、コレ?」
「だ、大丈夫!【ラプンシエル】さんのご都合が良ければ、きっと応えてくれるよ!」
「コレ、相手の都合次第なの!?」
「だって、私ただの派遣魔法少女だもん!姉妹の絆とかコネとかないもん!」
叫んだ後、肩を落とすオレオレ。
「アンタに一瞬でも期待した、私がバカだったわ・・・」
そのままであれば、その場の空気は致命的に落ち込むところであったが、なんとかその展開は免れることになる。
オレオレが握りしめていた【マジホ】が明るく輝いたのだ。
通信、接続のしるしである。
「きたきたー!!」
「おお、やっとね」
一人と一匹が固唾を飲んで見守る中、オレオレの【マジホ】から放たれた光は、一点に集約されて一つの幻像となる。
それは、一人の美しい少女であった。
「ムダに髪が長い女ねー。それに、ずいぶんとエラそうだわ」
「しっ、いくら本当のことでも、本人の前で言っちゃかわいそうだよ!」
だが、彼女たちの第一印象はあまり良くないようだ。
そんな言いたい放題なオレオレたちの発言が、聞こえているのかいないのか、少女は淡々と言葉を連ね始めた。
彼女は言う。
「選びなさい。私の【魔眼】の力を借りるか、レタス一個を産地直送価格で購入するか。あなたたちには、二つの選択肢があるわ」
「なんでレタスなのよ・・・」
すかさずつっこむリーリエ。
ツッコミは、魔法少女マスコットの義務なのだろうか。
一方、彼女の相棒は悩んでいた。
「うーん、最近お野菜高いしなー。レタスを安く買うか、【魔眼】の力か。レタス、【魔眼】、レタス、レタス、レタス、レタス・・・」
「なんでそこで悩むのよ!さっさと【魔眼】を頼んで事件を解決しなさい!」
どうやら、ツッコミはマスコットの義務ではなく、不可欠な技能であったようだ。
彼女のツッコミによって、オレオエはようやく決断を下す。
「【魔眼】の力で、この【悪夢】の魔法が関わる事件の数々を整理して下さい!バラバラな事件のつながりが分からなくて、困ってるんです!」
「わかったわ。私にとってどうでもいいことだから、どうでもいいなりに、全力で処理してあげる」
幻像の【ラプンシエル】は、妙なセリフと共に空の高みへと浮かび上がった。
いつのまにか、彼女の足元には塔の幻が出現しており、どうやらそれが彼女を持ち上げているらしい。
「よく分かんない女ねー。あの、ムダに偉そうな態度はどうにかならないのかしら」
「たぶん、そういう『設定』なんだよ。というか、力を貸してくれるんだからどうでも良いよ!【ラプンシエル】さんは、良い人だよー」
「アンタ、結構現金ね・・・」
相変わらずの凸凹主従の会話を無視しながら、彼女は、続けて語る。
「私は『塔の上の姫』世界の全ては、私の下に。どんな壁も、難問も、見降ろしてしまえば単純なもの。『世界よ、私の膝下に広がりなさい』」
その言葉と共に、それまで放置されていたテーブルの上の書類が、舞い上がった。
写真、レポート、インタビュー集、行き詰ったオレオレが書いた落書き・・・【悪夢】の事件に関する、様々な資料たち。
それらは、【ラプンシエル】の言葉とともに、宙を舞い、その位置を入れ替え、一つの絵図をなしていく。
彼女の力によって、書類たちは、一つの秩序のもとに、テーブルの上に並び替えられたのだ。
これこそが、【ラプンシエル】の、そして【キュトスカード】の力であった。

463言理の妖精語りて曰く、:2018/02/18(日) 22:55:21
【岩穿ちの剣】は英雄シャーフリートの愛剣として知られるが、
この剣は彼と敵対していた「大地の中心の九十九騎士」の一人、パルフォテッラのことでもある。
すなわち、騎士としての名前がパルフォテッラであり、剣としての名が岩穿ちの剣なのである。
シャーフリートは人魚に課された試練の一つとしてパルフォテッラとの決闘を行い、
4種の戦いを制することで、相手を己の武具とした。

464言理の妖精語りて曰く、:2018/02/25(日) 11:00:07
レストロオセの四十四騎士は、騎士メダリオンに封印されていた
このメダリオンは、騎士の序列ごとに異なる素材で形成されており、水晶、黄金、銀、プラチナ、そして樫やハンノキなどその種類は多様であった
中でも一番美しいのは水晶のメダリオンであり、これは普段こそ透明ではあるが、光を受けると万色の輝きを放ったという

465言理の妖精語りて曰く、:2018/02/25(日) 20:43:12
【双界玉レギュラシオン】は、「神滅ぼしの武具」の一つ
世界を内蔵する双玉である
これは、「昼の世界」と「夜の世界」を内蔵する魔道具であり、一抱えほどの大きさの、接着された二つの玉の形をしていた
この一つの玉につき、一つの世界が内臓されているのである

この武具の主要な機能は二つあり、攻撃と防御に対応している
攻撃の機能は「昼の世界」の熱を、小さな流星として飛ばすもの
防御の機能は「夜の世界」の闇に、相手の攻撃を吸収するものであった
そして、二つの機能には作用と反作用の関係があり、片方の機能だけを使い続けるとバランスを崩してしまう危険があった
すなわち、暴走である

だが、実はこの暴走こそが、この武具の第三にして真なる機能なのだ
二つの「世界」のバランスが崩れると、この宝玉は周囲の全てを吸引してそのバランスを取り戻そうとする
そして、最後には二つの「世界」は激突し、圧壊するのだ
その威力は、神をも滅ぼす

そして、暴走時に武具の周囲の存在した全ては、その吸引から逃れることが出来ない
もちろん、武具の使用者も逃げることは出来ない
小さいとはいえ、世界二つを「神を殺す」ためだけに消費し、使用者の命や安全など全く考慮していない
これこそが、かの恐るべきメクセト王の作り出した「神滅ぼしの武具」である


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