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武具・道具・祭具

435言理の妖精語りて曰く、:2017/08/18(金) 07:02:17
【妹君】は、やたらと寝起きが悪いくせに、寝起きの姿を見られることを酷く嫌がる。
そのため、【妹君】を起こしにいった鷲太郎の身体には、特に艶っぽい事情もないのに、引っ掻き傷だの歯形だのが付いていることも、稀ではない。
更に、うっかり【妹君】の寝乱れた姿を目撃などしてしまった日には、その被害は恐ろしいものになる。
鷲太郎は、子どもの身体になど全く興味は無いが、色々とデリケートな【妹君】にとっては、そうした『トラブル』は大問題なのだ。しかも、【妹君】は寝相がたいそう悪く、寝起きには、原始人か無人島漂流者のような斬新なファッションに身を包んでいることもざらである。
おかげで、裏社会にその名を知られる【神具鍛冶】鷲太郎が、この国に来てから最初に作り出した神秘の武具は、魔獣から身を守るための【狼牙のブレスレット】であった。
よりによって【神具鍛冶】の技術を用いて、荒ぶる少女から身を守ることになったことは、扶桑崎鷲太郎がこの国で味わった四番目くらいの驚きとなった。


そしてその後、【妹君】と共に食卓へと向かう。
一家の兄である【祝福されし黄金の目覚めを導く栄光なりし光の御子】は、【妹君】より遥かに早く起床しているので、こちらは起こしにいく必要はない。
ちなみに、こちらの長ったらしい二つ名は、鷲太郎がつけたものではない。
彼は、元々この一家、というより【協会】において、特別な地位にいるのだ。

【協会】の本部メンバー二名を終結させたところで、鷲太郎の朝の『任務』は完了する。
【協会】のトップである【聖母】は、仕事や出張などで本部を空けることも多い。
そのため、彼女に対して鷲太郎がなにかする必要は特になかった。


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